JP2010100959A - 不織布およびその製造方法 - Google Patents

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明彦 谷岡
Yoshie Minagawa
美江 皆川
Toru Shima
亨 志摩
Kaori Matsuki
佳央里 松木
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Abstract

【課題】新規な不織布を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の不織布は、繊維径が10〜1000nmの範囲内にあり、紫外線遮断機能材としての用途を有するものである。ここで、積層厚は3〜200μmの範囲内にあることが好ましい。また、ナイロン6、ナイロン66、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、フェノールホルムアルデヒト、ポリビニリデンフルオライド、ポリ乳酸、キトサン、コラーゲンの群から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせからなる混合物を含むことが好ましい。また、紫外線透過率は0〜70%の範囲内にあることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な不織布に関する。また、本発明は、この新規な不織布の製造方法に関する。
不織布は、繊維を織らずに絡み合わせたものであり、互いの繊維を熱を加えたり、機械的または化学的な作用によって接着または絡み合わせたものである。
一方、紫外線は200〜380nmの波長をもち、UV−A(波長380〜320nm) ,UV−B(320〜280nm),UV−C(280〜200nm)3種類に分類されている。紫外線UV−A ,UV−Bは大量に人体に浴びると害を及ぼすといわれており、皮膚を紫外線から保護せねばならない。
従来太い繊維から成るタオル製品など厚い生地または濃色に染められている不織布などはある程度紫外線遮断効果を持っているが繊維間の密着性が疎であるため紫外線を反射、吸収することができず紫外線透過率を低く抑えることができない。
そのため紫外線遮断機能を付与させるためには化学的処理等または厚さを厚くし紫外線遮断効果を保持させている(特許文献1、2参照)。紫外線吸収剤による化学処理においては、吸収剤成分にフェノール系化合物やベンゼン系化合物などから構成されているものが多い。また反射剤(散乱剤)は主に金属粉体である。
紫外線波長(UV−B)を散乱・反射させるために酸化亜鉛や酸化チタンなどの金属の微粒子を付与し、紫外線波長(UV-A)を吸収させるためにt−ブチルメトキシベンゾイルメタンまたUV−Bを吸収させるためにメトキシケイヒ酸オクチル等などよる化学処理を行う必要がある。
特開2007-169538号公報 特願2005‐334414号公報
しかしながら、紫外線と紫外線吸収剤の化学反応により不織布に熱が発生する問題があり、不適切な場合がある。また一般的に添加剤すなわち吸収剤や散乱剤などの品質・使用量等によっては人体等への影響が考えられ化学処理による付与には制限がある。反射剤(散乱剤)は主に金属粉体であり、不織布への保持の確立や安全性が問題となっている。
そのため、このような課題を解決する、新規な不織布およびその製造方法の開発が望まれている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規な不織布を提供することを目的とする。
また、本発明は、この新規な不織布の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の不織布は、繊維径が10〜1000nmの範囲内にあり、紫外線遮断機能材としての用途を有する。
ここで、限定されるわけではないが、積層厚は3〜200μmの範囲内にあることが好ましい。また、限定されるわけではないが、紫外線透過率は0〜70%の範囲内にあることが好ましい。
本発明の不織布の製造方法は、電界紡糸法による、不織布の製造方法において、不織布の繊維径が10〜1000nmの範囲内にあり、不織布が紫外線遮断機能材としての用途を有する方法である。
ここで、限定されるわけではないが、不織布の積層厚は3〜200μmの範囲内にあることが好ましい。また、限定されるわけではないが、不織布の紫外線透過率は0〜70%の範囲内にあることが好ましい。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明の不織布は、繊維径が10〜1000nmの範囲内にあり、紫外線遮断機能材としての用途を有するので、新規な不織布を提供することができる。
本発明の不織布の製造方法は、電界紡糸法による、不織布の製造方法において、不織布の繊維径が10〜1000nmの範囲内にあり、不織布が紫外線遮断機能材としての用途を有するので、新規な不織布の製造方法を提供することができる。
以下、不織布およびその製造方法にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
不織布の製造方法について説明する。不織布の製造方法は、高分子材料の溶液を電界紡糸法により紡糸する方法である。
不織布に用いる高分子材料としては、ナイロン6、ナイロン66などポリアミド系、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、フェノールホルムアルデヒト(ベークライト)、ポリビニリデンフルオライド、ポリ乳酸、キトサン、コラーゲンなどの群から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせからなる混合物を採用することができる。
高分子材料溶液の溶媒としては、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジオキサン、ギ酸、酢酸、酢酸メチル、酢酸エチル、デカリン、1−クロロナフタレン、テトラリン、p−キシレン、フェノール、テトラクロロエタン、0−クロロフェノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化メチレン、トルエン、1,2ジクロロエタン、アセトン、ベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、メチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、NN-ジメチルホルムアミド、NNジメチルアセタミドなどの群から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせからなる混合物を採用することができる。
高分子材料の濃度は5〜30質量%の範囲内にあること、好ましくは高分子材料の濃度は10〜20質量%の範囲内にある。
本発明の不織布の製造方法においては、不織布の化学処理の工程を含まない。用途によっては紫外線遮断機能を有することができる。
また高分子溶液への添加剤としては、色素、導電材、補強材、電解質、消炎、防腐剤などの群から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせからなる混合物を採用することによって紫外線遮断機能以外、例えば着色機能、導電性機能、強度補強機能、イオン交換機能等々を付与することができる。
色素としては、具体的に、インジゴ、メチレンブルー、コンゴーレッドなどの群から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせからなる混合物を採用することができる。
導電材としては、具体的に、カーボン、鉄、アルミニウムなどの群から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせからなる混合物を採用することができる。
補強材としては、具体的に、シリカ、カーボンなどの群から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせからなる混合物を採用することができる。
電解質としては、具体的に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ピリジンなどの群から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせからなる混合物を採用することができる。
消炎、防腐剤としては、具体的に、酸化亜鉛、酸化チタンなどの群から選ばれるいずれか1種、またはいずれか2種以上の組み合わせからなる混合物を採用することができる。
不織布について説明する。不織布は、紫外線遮断機能材としての用途を有するものである。
不織布の繊維径は10〜1000nmの範囲内にあることが好ましい。また、繊維径は10〜500nmの範囲内にあることがさらに好ましい。
繊維径が1000nm以下であると、薄膜であり紫外線遮断効果があるという利点がある。繊維径が500nm以下であると、この効果がより顕著になる。
不織布の積層厚は3〜200μmの範囲内にあることが好ましい。また、積層厚は50〜70μmの範囲内にあることがさらに好ましい。
積層厚が3μm以上200μm以下であれば、紫外線透過率を小さくすることができるという利点がある。望ましくは、積層厚が50μm以上であると、この効果がより顕著になる。
紫外線透過率は0〜70%の範囲内にあることが好ましい。また、紫外線透過率は0〜10%の範囲内にあることがさらに好ましい。
従来の不織布の用途としては、建築材料(カーペット、マット、クッション、窓ガラスなど) 医療用材料(緊急用用品、マスクなど)、抗菌防臭用、包装材料、気体・液体・清掃用フイルター。自動車用資材、衣料用(例えば芯地、パット、ディスポ衣料、スリッパ、帽子、アウトドア用衣料など)、食品材料(鮮度保持パット、乾燥剤袋、コーヒー等のバッグなど)、自動車部品(窓ガラス、座席用シートなど)などを挙げることができる。
本発明の対象となる不織布を構成する極細径の繊維を作製するためには高分子の平均分子量、溶媒、高分子溶液濃度等が要因となると共に電界紡糸装置のノズル径、電圧、温湿度、溶液供給速度、ノズルと基板間距離を適宜選択する必要がある。極細繊維から成る積層された不織布で単独として使用可能であり、またあらかじめ用意されたシート上に積層した不織布として使用が可能である。
また、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
つぎに、本発明にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
実施例1(ポリアミド系繊維)
サンプル溶液の作製
ナイロン6(アルドリッチ社製、ナイロン6、平均分子量:10,000、以下「NY」ともいう。)をギ酸に溶解させる。ナイロン6溶液はミックスローターの上に設置し、撹拌しながら十分ギ酸に溶解させる。これは常温、常圧で行う。このようにサンプルの濃度20質量%、25質量%の高分子溶液を作製し電界紡糸用の溶液とする。
不織布の作製
電界紡糸法は図1に示すような装置を使用した。装置は、直流高圧安定化電源1(パルス電子工業社製、HDV−20K)、シリンジポンプ2(ミナトコンセプト社製、MCIP-III)、導電性基板3(アルミニウム板)から構成される。サンプル溶液は、ステンレススチール製またはポリマー製の単一管からなるノズル4を取り付けた容量1mLのガラス製のシリンジ5に入れ、このシリンジ5をシリンジポンプ2に取り付ける。なお、図1ではノズルと導電性基板の位置は縦方向に設置されているが、ノズルを導電性基板に対して横方向に設置することも可能である。電界紡糸条件は、表1に示すとおりである。
Figure 2010100959
測定・評価方法
不織布の諸特性について、測定方法および評価方法について説明する。
不織布の積層厚
不織布の積層厚は、マイクロメーター(ミツトヨ社製)を用いて測定した。不織布の試料片をマイクロメータの基板に設置し手動でゲージをまわし試料の厚みを測定する。測定箇所は最低3箇所以上とし、測定回数は3回とする。誤差が生じないようにゲージの0点補正を毎回行う。
不織布の繊維径
不織布の繊維径は、走査型電子顕微鏡(キーエンス社製、VE9800)を用いて測定した。試料片をステンレスの台にカーボンテープで固定しPt蒸着を行い電子顕微鏡試料とする。この試料を走査型顕微鏡に設置し、真空中で高電圧(5〜20KV)をかけ試料の表面の観察を行う。倍率は約1000倍から10000倍の中で行う。
不織布の空孔サイズ
不織布の空孔サイズは、細孔径分布測定装置(ポーラスマテリアルズ社製、CFP−1200AEX)を用いて、空気および溶液の透過から測定した。試料片をサンプル台の大きさに切り設置し、密封状態で約5Paほどの圧力をかけ、気体(ドライ状態)及び溶液(ウェット状態)の透過により不織布の空隙・細孔径分布を測定する。
不織布の紫外線透過率
不織布の紫外線透過率は、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製、V7200)を用いて、波長200〜800nmでの透過率を測定した。装置である分光光度計に積分球を取り付け200nm〜800nmの光の波長を試料に照射しその透過度%の現象を測定する。
測定・評価結果
不織布の諸特性について、測定結果および評価結果を説明する。表2,3は、ナイロン6からなる不織布において、積層厚および繊維径を変化させた場合の透過率の測定結果を示したものである。
Figure 2010100959
Figure 2010100959
ナイロン6(アルドリッチ社製、平均分子量10,000)を蟻酸に溶解させ20質量%及び25質量%の高分子溶液を作製し、表1に示す製造条件のもとでエレクトロスプレイを行う。噴射により13μm、28μm、50μm、70μmに積層された不織布を試料とした。
ナイロン6(アルドリッチ社製、平均分子量10,000)を蟻酸に溶解させ20質量%及び25質量%の高分子溶液を作製し、表1に示す製造条件のもとでエレクトロスプレイを行う。噴射により平均繊維径が190nm、350nmである不織布を作製した。
表2は、紫外線(UV280nm)の場合の透過率測定結果である。表2および図2,3からわかるように、繊維径190nmにおいては、積層厚が13μmから70μmと変化するに従い、透過率は28%から3%と変化している。また、繊維径350nmにおいては、積層厚が13μmから70μmと変化するに従い、透過率は46%から3%と変化している。
表3は、紫外線(UV400nm)の場合の透過率測定結果である。表3および図4,5からわかるように、繊維径190nmにおいては、積層厚が13μmから70μmと変化するに従い、透過率は32%から6%と変化している。また、繊維径350nmにおいては、積層厚が13μmから70μmと変化するに従い、透過率は45%から5%と変化している。
以上のことから、本実施例の不織布は優れた紫外線遮断機能を持っていることがわかる。
実施例2(ポリウレタン系繊維)
サンプル溶液の作製
ポリウレタン(バスフ社製、ポリウレタン)、平均分子量:500,000、以下「PU」ともいう。)を溶媒NN-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させる。ポリウレタン及びDMF溶液を80℃で加温させポリウレタンを溶解させたのち、ミックスローターに設置し十分撹拌し、電界紡糸用高分子溶液とする。ポリウレタン溶液の濃度は、20%質量とする。電界紡糸用溶液は常温で使用する。
不織布の作製
電界紡糸法は、実施例1と同様である。電界紡糸条件は、表1に示すとおりである。
測定・評価方法
不織布の積層厚、繊維径、空孔サイズ、および紫外線透過率は、実施例1と同様な方法により測定した。
測定・評価結果
不織布の諸特性について、測定結果および評価結果を説明する。表4,5は、ポリウレタンからなる不織布において、繊維径を変化させた場合の透過率の測定結果を示したものである。
Figure 2010100959
Figure 2010100959
ポリウレタン(バスフ社製、平均分子量500000)をNN-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ20質量%のエレクトロスプレイ用高分子溶液とする。紡糸条件は表1に製造条件のもとでエレクトロスプレイを行い28μm積層された不織布を試料とした。
ポリウレタン(バスフ社製、平均分子量500000)をNN-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ20質量%のエレクトロスプレイ用高分子溶液とする。紡糸条件は表1に製造条件のもとでエレクトロスプレイを行い平均繊維径が284nm、300nm、400nmである不織布を作製した。
表4は、紫外線(UV280nm)の場合の透過率測定結果である。表4および図6,7からわかるように、繊維径284nmから320nmにと変化するに従い、透過率は1%から6%と変化している。
表5は、紫外線(UV400nm)の場合の透過率測定結果である。表5および図8,9からわかるように、繊維径284nmから320nmにと変化するに従い、透過率は41%から51%と変化している。
以上のことから、本実施例の不織布は優れた紫外線遮断機能を持っていることがわかる。
実施例3(ポリアクリロニトリル系繊維)
サンプル溶液の作製
ポリアクリロニトリル(三井化学社製 ポリアクリロニトリル、平均分子量:250,000、以下「PAN」ともいう。)を溶媒NN-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させる。高分子を溶媒に溶解させるためにミックスローターに設置し、十分撹拌し、高分子溶液とする。PAN高分子溶液濃度を20質量%とする。この高分子溶液を電界紡糸用とする。
不織布の作製
電界紡糸法は、実施例1と同様である。電界紡糸条件は、表1に示すとおりである。
測定・評価方法
不織布の積層厚、繊維径、空孔サイズ、および紫外線透過率は、実施例1と同様な方法により測定した。
測定・評価結果
不織布の諸特性について、測定結果および評価結果を説明する。表6,7は、ポリアクリロニトリルからなる不織布において、積層厚を変化させた場合の透過率の測定結果を示したものである。
Figure 2010100959
Figure 2010100959
ポリアクリロニトリル(三井化学社製、平均分子量250,000)をNN-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ20質量%の高分子溶液を作製する。紡糸条件は表1に製造条件のもとでエレクトロスプレイを行い7μm〜70μmに積層された不織布を試料とした。
ポリアクリロニトリル(三井化学社製、平均分子量250,000)をNN-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ20質量%の高分子溶液を作製する。紡糸条件は表1に製造条件のもとでエレクトロスプレイを行い繊維径が300nmである不織布を作製した。
表6は、紫外線(UV280nm)の場合の透過率測定結果である。表6および図10,11からわかるように、繊維径300nmにおいては、積層厚が7μmから70μmと変化するに従い、透過率は54%から0.01%と変化している。
表7は、紫外線(UV400nm)の場合の透過率測定結果である。表7および図12,13からわかるように、繊維径300nmにおいては、積層厚が7μmから70μmと変化するに従い、透過率は60%から2%と変化している。
以上のことから、本実施例の不織布は優れた紫外線遮断機能を持っていることがわかる。
実施例4(ポリビニルアルコール系繊維)
サンプル溶液の作製
ポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバール、平均分子量:86,000、以下「PVA」ともいう。)を水に溶解させる。10質量%濃度のポリビニルアルコール溶液を作製する。高分子が十分に溶解できるようにミックスローター上に設置し撹拌させながら作製する。
不織布の作製
電界紡糸法は、実施例1と同様である。電界紡糸条件は、表1に示すとおりである。
測定・評価方法
不織布の積層厚、繊維径、空孔サイズ、および紫外線透過率は、実施例1と同様な方法により測定した。
測定・評価結果
不織布の諸特性について、測定結果および評価結果を説明する。表8,9は、ポリビニルアルコールからなる不織布において、積層厚および繊維径を変化させた場合の透過率の測定結果を示したものである。
Figure 2010100959
Figure 2010100959
ポリビニルアルコール(クラレ社製、平均分子量86,000)を水に溶解させ15質量%の高分子溶液を作製する。紡糸条件は表1に製造条件のもとでエレクトロスプレイを行い、10μm及び30μmに積層された不織布を試料とした。
ポリビニルアルコール(クラレ社製、平均分子量86,000)を水に溶解させ10質量%の高分子溶液を作製する。紡糸条件は表1に製造条件のもとでエレクトロスプレイを行い、繊維径が400nm、630nmである不織布を作製した。
表8は、紫外線(UV280nm)の場合の透過率測定結果である。表8および図14,15からわかるように、繊維径400nmにおいては、積層厚が10μmから30μmと変化するに従い、透過率は14%から6%と変化している。また、繊維径587nmにおいては、積層厚が10μmでは、透過率が14%となっている。また、繊維径630nmにおいては、積層厚が10μmでは、透過率が16%となっている。
表9は、紫外線(UV400nm)の場合の透過率測定結果である。表9および図16,17からわかるように、繊維径400nmにおいては、積層厚が10μmから30μmと変化するに従い、透過率は29%から13%と変化している。また、繊維径587nmにおいては、積層厚が10μmでは、透過率が44%となっている。また、繊維径630nmにおいては、積層厚が10μmでは、透過率が42%となっている。
以上のことから、本実施例の不織布は優れた紫外線遮断機能を持っていることがわかる。
比較例
市販の不織布(日本不織布社製、スプリトップ、厚さ0.2mm 繊維径20μm)において、紫外線280nmに対して紫外線透過率75%であり、紫外線400nmに対して紫外線透過率75%であった。
以上のことから、本実施例によれば、不織布は高い紫外線遮断機能を持つことが明らかになった。極細繊維からなる不織布は繊維が互いに接近している上、極細繊維で薄い膜が何層か積層されている。紫外線は、紫外線波長に近い繊維径を持つ繊維に散乱・反射・吸収される。また、紫外線が1層目では透過されても下層膜で散乱・反射・吸収されるため、不織布は、非常に薄い膜でありながら高い紫外線遮断機能を持つと考えられる。
本発明に使用する装置を示す図である。 ナイロン6不織布の紫外線(UV280nm)透過率%を示す図である。 ナイロン6不織布の紫外線(UV280nm)透過率%を示す図である。 ナイロン6不織布の紫外線(UV400nm)透過率%を示す図である。 ナイロン6不織布の紫外線(UV400nm)透過率%を示す図である。 ポリウレタン不織布の紫外線(UV280nm)透過率%を示す図である。 ポリウレタン不織布の紫外線(UV280nm)透過率%を示す図である。 ポリウレタン不織布の紫外線(UV400nm)透過率%を示す図である。 ポリウレタン不織布の紫外線(UV400nm)透過率%を示す図である。 ポリアクリロニトリル不織布の紫外線(UV280nm)透過率%を示す図である。 ポリアクリロニトリル不織布の紫外線(UV280nm)透過率%を示す図である。 ポリアクリロニトリル不織布の紫外線(UV400nm)透過率%を示す図である。 ポリアクリロニトリル不織布の紫外線(UV400nm)透過率%を示す図である。 ポリビニルアルコール不織布の紫外線(UV280nm)透過率%を示す図である。 ポリビニルアルコール不織布の紫外線(UV280nm)透過率%を示す図である。 ポリビニルアルコール不織布の紫外線(UV400nm)透過率%を示す図である。 ポリビニルアルコール不織布の紫外線(UV400nm)透過率%を示す図である。
符号の説明
1‥‥電源、2‥‥シリンジポンプ、3‥‥導電性基板、4‥‥ノズル、5‥‥シリンジ

Claims (6)

  1. 高分子材料を用い、繊維径は10〜1000nmの範囲内にあり、
    紫外線遮断機能材としての用途を有する
    不織布。
  2. 積層厚は3〜200μmの範囲内にある
    請求項1記載の不織布。
  3. 不織布の紫外線透過率は0〜70%の範囲内にある
    請求項1または2記載の不織布。
  4. 電界紡糸法による、不織布の製造方法において、
    不織布の繊維径は10〜1000nmの範囲内にあり、
    不織布は紫外線遮断機能材としての用途を有する
    不織布の製造方法。
  5. 不織布の積層厚は3〜200μmの範囲内にある
    請求項4記載の不織布の製造方法。
  6. 不織布の紫外線透過率は0〜70%の範囲内にある
    請求項4または5記載の不織布の製造方法。
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