JP2010100845A - 多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法 - Google Patents

多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱寸法安定性が良好であり、セパレータとして用いた際に優れた特性を示す多孔性ポリオレフィンフィルムを提供すること。
【解決手段】 多孔性ポリオレフィンフィルムをコアに巻き取ってなるフィルムロールを50〜100℃の温度で、1〜100時間熱処理を行い多孔性ポリオレフィンフィルムとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法に関する。詳しくは、多孔性フィルムロールを熱処理することにより、セパレータで問題となる寸法安定性を向上させることができ、高温での安定性に優れた蓄電デバイスのセパレータ用途に好適に用いることができる多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法に関する。
多孔性フィルムは、電池や電解コンデンサーなどの各種セパレータ、各種分離膜(フィルター)、おむつや生理用品に代表される吸収性物品、衣料や医療用の透湿防水部材、感熱受容紙用部材、インク受容体部材などその用途は多岐に渡っており、ポリプロピレンやポリエチレンに代表されるポリオレフィン系多孔性フィルムが主として用いられている。多孔性ポリオレフィンフィルムは、高透過性、低比重などの特徴から、特に蓄電デバイス用セパレータとして用いられている。
蓄電デバイスは、いつでもどこでも必要なときに電気的エネルギーを取り出せるという特徴から、今日のユビキタス社会を支える極めて重要な電気デバイスの一つである。一方、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機などの携帯機器の普及に伴い、蓄電デバイス(特に二次電池)に対する高容量、且つ小型軽量化のニーズは年々高まっている。中でも、リチウムイオン電池は、他の蓄電デバイスに比較して体積、および質量当たりのエネルギー密度が高く、且つ出力密度が高いことから、上記ニーズを満足する蓄電デバイスとして、大きく需要を伸ばしつつある。
さらには、近年地球温暖化や大気汚染、石油の枯渇、CO排出規制などが問題となり、自動車の環境負荷が大きな問題となりつつある。そこで、環境対策(クリーン化)、省エネルギー対策(燃費向上)、次世代燃料対策(新エネルギー開発)などの解決策のひとつとなりうる、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)などの開発・実用化が盛んに検討されている。これらのメイン電源、補助電源として、例えば、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタなどが注目され、急速に適用の検討が進められている。
ここで、上記リチウムイオン電池用セパレータの要求特性として、熱寸法安定性が挙げられる。電池内部における正負極間の短絡を抑制するために、セパレータには幅方向における熱寸法安定性が要求されている。セパレータの幅方向における熱寸法安定性が低いと、セパレータの熱収縮による内部短絡が生じる可能性がある。
熱寸法安定性の向上を目的として、特許文献1では、同時二軸延伸で、且つ縦延伸倍率を横延伸倍率に比べて大きくすることで、高温での熱寸法安定性に優れる微多孔膜の製造方法を開示している。しかしながら、高温での寸法安定性は十分ではなく、さらに80mm四方に切り出したシートを同時二軸延伸することにより製造するため生産性の面で問題があった。
特許文献2では、超高分子量ポリオレフィン、またはその組成物からのポリオレフィン微多孔膜の製造工程において、特定の収縮工程を導入した2段以上の熱セット工程を行うことで、熱収縮の低減と物性バランスの優れた微多孔膜の製造方法を開示している。しかしながら、低温における寸法安定性は向上しているものの、120℃以上の高温では不十分ではなく、さらに工程が複雑であるため物性のコントロールが困難であった。
特許文献3では、ポリエステルフィルムロールを熱処理し、熱処理温度、熱処理時間、熱処理時にかかる張力などを調整することで、長手方向の熱収縮率を低減したフィルムの製造方法を開示している。しかしながら、この方法によって多孔性ポリオレフィンフィルムを製造した場合、高温での寸法安定性は不十分であった。
特開2005−162773号公報 特開2001−192487号公報 特開平9−272148号公報
本発明の課題は、上記した問題点を解決することにある。すなわち、多孔性ポリオレフィンフィルムロールを熱処理することで、高温での熱寸法安定性を向上させたセパレータを提供することであり、それにより、リチウムイオン二次電池に好適に使用できる多孔性ポリオレフィンフィルムを提供することにある。
上記した課題は、多孔性ポリオレフィンフィルムをコアに巻き取ってなるフィルムロールを50〜100℃の温度で、1〜100時間熱処理を行う多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法によって達成することができる。
本発明により製造される多孔性ポリオレフィンフィルムは、リチウムイオン二次電池用セパレータに好適な熱寸法安定性に優れており、セパレータとして好適に使用することができる。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法は、熱寸法安定性向上の観点から、多孔性ポリオレフィンをコアに巻き取ってなるフィルムロールを所定の温度、及び時間で熱処理することが重要である。
多孔性ポリオレフィンフィルムを巻き取ったフィルムロール(以下、単にフィルムロールということがある)の熱処理温度としては、50〜100℃であることが好ましく、70〜90℃であればより好ましい。熱処理温度が50℃未満であると、熱処理の効果がなく、熱寸法安定性の向上が達成できない可能性がある。また、100℃を超えると、多孔性フィルムの寸法変化が急激に起こるために、局所的に巻き締まりが生じ、特性バラツキが拡大する場合がある。
フィルムロールの熱処理時間としては、1〜100時間であることが好ましく、20〜80時間であればより好ましい。熱処理時間が1時間未満であると、熱処理の効果がなく、熱寸法安定性の向上が達成できない可能性がある。また、100時間を超えると、フィルムロール全体に熱処理が完了した後も熱処理を続けることとなり、生産性の悪化に繋がる可能性がある。高温での寸法安定性に優れ、且つ巻き締まりによる特性バラツキを抑制するためには、所定の温度で長時間熱処理しゆっくり寸法変化させることが好ましい。
フィルムロールの熱処理時の湿度としては、30%RH以下であることが好ましく、25%RH以下であればより好ましい。熱処理時の湿度が30%RHを超える条件下で熱処理を行うと、フィルムとフィルム間で密着する、いわゆるブロッキング現象が起こる可能性がある。
本発明の製造方法による多孔性ポリオレフィンフィルムは、フィルムの両表面を貫通し、透気性を有する微細な貫通孔を多数有している。ポリオレフィン系樹脂を構成する単量体成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、5−エチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、 ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネンが挙げられ、これらの単独重合体や上記単量体成分から選ばれる少なくとも2種以上の共重合体、およびこれら単独重合体や共重合体のブレンド物などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。上記の単量体成分以外にも、例えば、ビニルアルコール、無水マレイン酸などを共重合、グラフト重合しても構わないが、これらに限定されるわけではない。上記の中で、耐熱性、透気性、空孔率などの観点からポリプロピレンが好ましい。
フィルム中に貫通孔を形成する方法としては、湿式法、乾式法どちらでも構わないが、工程を簡略化できることから乾式法が望ましい。乾式法としては、たとえば、溶融押出時に低温押出、高ドラフト比を採用することにより、シート化した延伸前のフィルム中のラメラ構造を制御し、これを一軸延伸することでラメラ界面での開裂を発生させ、空隙を形成するラメラ延伸法という方法が挙げられる。また、無機粒子、またはマトリックス樹脂であるポリプロピレンなどに非相溶な樹脂を粒子として多量添加し、シートを形成して延伸することにより粒子と樹脂界面で開裂を発生させ、空隙を形成する方法も例示できる。さらには、ポリプロピレンの結晶多形であるα型結晶(α晶)とβ型結晶(β晶)の結晶密度の差と結晶転移を利用してフィルム中に空隙を形成させる、β晶法と呼ばれる方法も採用できる。中でも、本発明においては、フィルムを二軸配向させ、物性均一化や薄膜でありながら高い強度を維持できるという観点から、β晶法を用いることが好ましい。
β晶法を用いてフィルムに貫通孔を形成するためには、ポリプロピレン樹脂中にβ晶を多量に形成させることが重要となるが、そのためにはβ晶核剤と呼ばれる、ポリプロピレン樹脂中に添加することでβ晶を選択的に形成させる結晶化核剤を添加剤として用いることが好ましい。β晶核剤としては種々の顔料系化合物やアミド系化合物などを挙げることができるが、特に特開平5−310665号公報に開示されているアミド系化合物を好ましく用いることができる。β晶核剤の添加量としては、ポリプロピレン樹脂全体を100質量部とした場合、0.05〜0.5質量部であることが好ましく、0.1〜0.3質量部であればより好ましい。
多孔性ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂はメルトフローレート(以下、MFRと表記する、測定条件は230℃、2.16kg)が2〜30g/10分の範囲のアイソタクチックポリプロピレン樹脂であることが好ましい。MFRが上記した好ましい範囲を外れると二軸延伸フィルムを得ることが困難となる場合がある。より好ましくは、MFRが3〜20g/10分である。
また、アイソタクチックポリプロピレン樹脂のアイソタクチックインデックスは、90〜99.9%であれば好ましく、アイソタクチックインデックスが90%未満であると、樹脂の結晶性が低く、高い透気性を達成するのが困難な場合がある。アイソタクチックポリプロピレン樹脂は、市販されている樹脂を用いることができる。
ポリプロピレンフィルムには、ホモポリプロピレン樹脂を用いることができるのはもちろんのこと、製膜工程での安定性や造膜性、物性の均一性の観点から、ポリプロピレンにエチレン成分やブテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィン成分を5質量%以下の範囲で共重合してもよい。なお、ポリプロピレンへのコモノマーの導入形態としては、ランダム共重合でもブロック共重合でもいずれでも構わない。
また、上記のポリプロピレン樹脂は、0.5〜5質量%の範囲で高溶融張力ポリプロピレンを含有させることが製膜性向上の点で好ましい。高溶融張力ポリプロピレンとは、高分子量成分や分岐構造を有する成分をポリプロピレン樹脂中に混合したり、ポリプロピレンに長鎖分岐成分を共重合させたりすることで、溶融状態での張力を高めたポリプロピレン樹脂であるが、中でも、長鎖分岐成分を共重合させたポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。この高溶融張力ポリプロピレンは市販されており、たとえば、Basell社製ポリプロピレン樹脂PF814、PF633、PF611やBorealis社製ポリプロピレン樹脂WB130HMS、Dow社製ポリプロピレン樹脂D114、D206を用いることができる。
ポリプロピレンフィルムを構成するポリプロピレン樹脂には、延伸時の空隙形成効率が向上し、孔径が拡大することで透気性が向上するため、ポリプロピレン樹脂にエチレン・α−オレフィン共重合体を1〜10質量%添加することが好ましい。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体としては、直鎖状低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレンを挙げることができ、中でも、オクテン−1を共重合したエチレン・オクテン−1共重合体を好ましく用いることができる。このエチレン・オクテン−1共重合体は、市販されている樹脂を用いることができる。
多孔性ポリプロピレンフィルムは、β晶法により多孔化することが好ましいため、フィルムを構成するポリプロピレン樹脂のβ晶形成能が、30〜100%であることが好ましい。β晶形成能が30%未満では、フィルム製造時にβ晶量が少ないために、α晶への転移を利用してフィルム中に形成される空隙数が少なくなり、その結果透過性の低いフィルムしか得られない場合がある。β晶形成能を30〜100%の範囲内にするためには、アイソタクチックインデックスの高いポリプロピレン樹脂を使用するのはもちろんのこと、上述のβ晶核剤を添加することが好ましい。β晶形成能としては、35〜90%であればより好ましい。
本発明においてフィルムロールを巻き取るためのコアは、円筒形のもので、その材質は特に限定せず、紙やプラスチック、及びそれらを合わせたものや、発泡ポリエチレンのようなクッション材をコア表面に均一に貼り付けたものでもよい。またフィルムロールとは、上記多孔性ポリオレフィンフィルムをコア上に巻き取ったものを意味する。この巻き取り方法として、巻き取りモーターにより張力をかけてコアに多孔性ポリオレフィンフィルムを巻取る方法が挙げられる。
多孔性ポリオレフィンフィルムをコアに巻き取る際の巻取張力としては、1〜200N/mであることが好ましく、5〜100N/mであればより好ましい。巻取張力が1N/m未満であると、フィルムロールに巻ずれが発生してしまう場合がある。また、巻取張力が200N/mを超えると、多孔性フィルムが巻き締まり、透気性を阻害してしまう場合がある。
本発明におけるフィルムロールの巻長としては、100〜10,000mであることが好ましく、生産性の観点から300〜1,000mであればより好ましい。フィルムロールの巻長が100m未満であると、フィルムロールとしての形状維持が困難である場合がある。また、10,000mを超えると、自重によりフィルムの孔が潰れてしまう場合がある。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲において、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤や無機、あるいは有機粒子からなる滑剤、さらには、ブロッキング防止剤や充填剤、非相溶性ポリマーなどの各種添加剤を含有させてもよい。特に、ポリプロピレン樹脂の熱履歴による酸化劣化を抑制する目的で、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して、酸化防止剤を0.01〜0.5質量部添加することは好ましいことである。
以下に本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法を具体的に説明する。ポリプロピレン樹脂として、MFR8g/10分の市販のホモポリプロピレン樹脂94質量部、同じく市販のMFR2.5g/10分高溶融張力ポリプロピレン樹脂1質量部、さらに、MFR18g/10分の超低密度ポリエチレン樹脂5質量部にN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド0.2質量部を混合し、二軸押出機を使用して、予め所定の割合で混合した原料を準備する。この際、溶融温度は270〜300℃とすることが好ましい。
次に、混合原料を単軸の溶融押出機に供給し、200〜230℃にて溶融押出を行う。そして、ポリマー管の途中に設置したフィルターにて、異物や変性ポリマーなどを除去した後、Tダイよりキャストドラム上に吐出し、未延伸シートを得る。この際、キャストドラムは、表面温度が105〜130℃であることが、キャストフィルムのβ晶分率を高く制御する観点から好ましい。この際、特にシートの端部の成形が、後の延伸性に影響するので、端部にスポットエアーを吹き付けてドラムに密着させることが好ましい。また、シート全体のドラム上への密着状態から、必要に応じて全面にエアナイフを用いて空気を吹き付けてもよい。
次に、得られた未延伸シートを二軸配向させ、フィルム中に空孔を形成する。二軸配向させる方法としては、フィルム長手方向に延伸後幅方向に延伸、あるいは幅方向に延伸後長手方向に延伸する逐次二軸延伸法、またはフィルムの長手方向と幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸法などを用いることができるが、高透気性フィルムを得やすいという点で逐次二軸延伸法を採用することが好ましく、特に、長手方向に延伸後、幅方向に延伸することが好ましい。
具体的な延伸条件としては、まず、未延伸シートを長手方向に延伸する温度に制御する。温度制御の方法は、温度制御された回転ロールを用いる方法、熱風オーブンを使用する方法などを採用することができる。長手方向の延伸温度としては、90〜120℃、さらに好ましくは95〜110℃の温度を採用することが好ましい。延伸倍率としては、3〜6倍、より好ましくは3〜5倍である。次に、一旦冷却後、ステンター式延伸機にフィルム端部を把持させて導入する。そして、好ましくは140〜155℃に加熱して幅方向に5〜12倍、より好ましくは6〜10倍延伸を行う。なお、このときの横延伸速度としては、100〜4,000%/分で行うことが好ましく、100〜2,000%/分であればより好ましい。ついで、そのままステンター内で熱固定を行うが、その温度は横延伸温度以上160℃以下が好ましい。さらに、熱固定時にはフィルムの長手方向および/もしくは幅方向に弛緩させながら行ってもよく、特に、幅方向の弛緩率を7〜12%とすることが、熱寸法安定性の観点から好ましい。
次に、得られた二軸延伸フィルムをワインダーによってロール状に巻き取りフィルムロールを得る。フィルムロールを所定の幅にスリットし、一定の巻取張力を掛けコアに巻き取る。このようにして得られたフィルムロールを上記した条件で熱処理することにより寸法安定性の優れた本発明の多孔性フィルムロールを得る。
本発明のフィルムロールの熱処理方法としては、所定の温湿度雰囲気下のオーブンにフィルムロールのコアの両端を保持したまま投入し、所定の時間熱処理を行った後、フィルムロールを取り出す方法が好ましい。熱処理時間は、フィルムロールをオーブンに投入してから取り出すまでの時間とする。
このようにして得られた多孔性ポリオレフィンフィルムは、120℃、1時間の幅方向の熱収縮率が0〜4%であり、蓄電デバイスのセパレータとして用いた場合、優れた熱寸法安定性のため電池の内部短絡の抑制や、優れたサイクル特性を有することができる。
本発明の多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法は、簡便な手段により多孔性フィルムの熱寸法安定性を向上させることができる。そのため、本発明により得られる多孔性ポリオレフィンフィルムは、蓄電デバイスのセパレータとして好適に使用することができる。
ここで、蓄電デバイスとしては、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池や、リチウムイオンキャパシタなどの電気二重層キャパシタなどを挙げることができる。このような蓄電デバイスは充放電することで繰り返し使用することができるので、産業装置や生活機器、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源装置として使用することができる。本発明により得られる多孔性ポリオレフィンフィルムをセパレータとして使用した蓄電デバイスは、内部短絡を抑制し、安全性を高めることが可能となる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)β晶形成能
樹脂、またはフィルム5mgを試料としてアルミニウム製のパンに採取し、示差走査熱量計(セイコー電子工業製RDC220)を用いて測定した。まず、窒素雰囲気下で室温から240℃まで10℃/分で昇温(ファーストラン)し、10分間保持した後、30℃まで10℃/分で冷却する。5分保持後、再度10℃/分で昇温(セカンドラン)した際に観測される融解ピークにについて、145〜157℃の温度領域にピークが存在する融解をβ晶の融解ピーク、158℃以上にピークが観察される融解をα晶の融解ピークとして、高温側の平坦部を基準に引いたベースラインとピークに囲まれる領域の面積から、それぞれの融解熱量を求め、α晶の融解熱量をΔHα、β晶の融解熱量をΔHβとしたとき、以下の式で計算される値をβ晶形成能とする。なお、融解熱量の校正はインジウムを用いて行った。
β晶形成能(%) = 〔ΔHβ / (ΔHα + ΔHβ)〕 × 100
なお、ファーストランで観察される融解ピークから同様にβ晶の存在比率を算出することで、その試料の状態でのβ晶分率を算出することができる。
(2)メルトフローレート(MFR)
ポリプロピレン、および熱可塑性エラストマーのMFRは、JIS K 7210(1995)の条件M(230℃、2.16kg)に準拠して測定する。ポリエチレン樹脂は、JIS K 7210(1995)の条件D(190℃、2.16kg)に準拠して測定する。
(3)幅方向の熱収縮率
フィルムの長手方向をサンプルの長さ方向とした、長さ210mm、幅10mmのサンプルについて、原寸(L)として150mmの位置にマークを入れる。このサンプルの下端に3gの荷重をかけ、120℃の熱風循環オーブン中で1時間熱処理した後室温中に取り出す。荷重を外した後、サンプルのマークした長さ(L)を測定する。この際、熱収縮率は次式により求めた。
熱収縮率(%) = 100×(L−L)/L
同様に5回測定した熱収縮率の平均値を、当該サンプルの熱収縮率とした。
(4)セパレータとしての評価
A.電解液の調製
LiCSOをリン酸トリメチルに溶解させた後、プロピレンカーボネートを加えて混合し、プロピレンカーボネートとリン酸トリメチルとの体積比が1:2の混合溶媒にLiCSOを0.6モル/リットル溶解させた有機電解液を調製した。
B.電池の作製
厚みが40μmの宝泉社製コバルト酸リチウム正極を、幅40mm、長さ500mmに切断した。また、厚みが50μmの宝泉社製球状黒鉛負極を、幅40mm、長さ500mmに切断した。さらに、各実施例、比較例のセパレータロールを幅44mmにスリットし、長さ505mmに切断した。
次に、上記の帯状正極を、各実施例・比較例のセパレータ用フィルムを介して、上記シート状負極と重ね、渦巻状に巻回して渦巻状電極体とした。作製した電極体を有底円筒状の電池ケース内に充填し、正極、および負極のリード体の溶接を行った後、上記電解液を電池ケース内に注入した。電池ケースの開口部を封口し、電池の予備充電を行い、筒形の有機電解液二次電池を作製した。各実施例・比較例につき、電池を50個ずつ作製した。
C.加熱試験
作製した50個の電池を25℃の雰囲気下、1,600mAで4.2Vまで3.5時間充電した後、130℃、1時間放置した。放置後の電池電圧が0Vとなった電池個数を評価した。
○:0個
△:1個
×:2個以上
D.サイクル特性
作製した各二次電池について、25℃の雰囲気下、充電を1,600mAで4.2Vまで3.5時間、放電を1,600mAで2.7Vまでとする充放電操作を100回行い、放電容量を調べた。
[(100回目の放電容量)/(1回目の放電容量)]×100の計算式で得られる値を以下の基準で評価した。なお、試験個数は20個測定し、その平均値で評価した。
○:85%以上
△:80%以上85%未満
×:80%未満
E.電池特性
作製した各二次電池について、25℃の雰囲気下、充電を1,600mAで4.2Vまで3.5時間、放電を1,600mAで2.7Vまでとする充放電操作を行い、放電容量を調べた。さらに、充電を1,600mAで4.2Vまで3.5時間、放電を16,000mAで2.7Vまでとする充放電操作を行い、放電容量を調べた。
[(16,000mAでの放電容量)/(1,600mAでの放電容量)]×100の計算式で得られる値を以下の基準で評価した。
○:85%以上
△:80%以上85%未満
×:80%未満
(実験例1)
多孔性のポリプロピレンフィルムの原料樹脂として、住友化学(株)製ホモポリプロピレンFSX80E4を94質量部、高溶融張力ポリプロピレン樹脂であるBasell製ポリプロピレンPF−814を1質量部、エチレン−オクテン−1共重合体であるダウ・ケミカル製 Engage8411(MFR:18g/10分)を5質量部に加えて、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、Nu−100)を0.2質量部、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.15、0.1質量部の比率で混合されるように、計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料とした。
このチップを単軸押出機に供給して220℃で溶融押出を行い、30μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、Tダイから120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、ドラムに15秒間接するようにキャストして未延伸シートを得た。ついで、100℃に加熱したセラミックロールを用いて予熱を行い、フィルムの長手方向に5倍延伸を行った。一旦冷却後、次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、150℃で6倍に、延伸速度1,500%/分で延伸した。そのまま、幅方向に5%のリラックスを掛けながら155℃で7秒間の熱処理を行い、幅1m、厚み20μmの多孔性ポリプロピレンフィルムを得た。
(実施例1)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例2)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度50℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例3)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度100℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例4)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、20時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例5)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、80時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例6)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、1時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例7)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、100時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例8)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力1N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例9)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力200N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例10)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力200N/mで内径152.4mm、外径175.4mmの長岡産業(株)製ペフ巻きプラスチックコア“プラマキシン”に500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例11)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに100m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例12)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力1N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに10,000m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例13)
実施例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度70℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例14)
実施例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度90℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例15)
実施例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度25%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例16)
実施例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度30%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例17)
実施例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力10N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例18)
実施例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力100N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例19)
実施例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに300m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例20)
実施例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに1,000m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例21)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力250N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例22)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに12,000m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(実施例23)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力1N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに100m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度100℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、100時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(比較例1)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。その後、フィルムロールには熱処理を行わなかった。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(比較例2)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度45℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(比較例3)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度110℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、50時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
(比較例4)
実験例1で作製した多孔性ポリプロピレンフィルムを幅700mmにスリットし、巻取張力30N/mで内径152.4mm、外径172.4mmのプラスチックコアに500m巻き取りフィルムロールを得た。ついで、該フィルムロールをコアの両端を保持したまま温度80℃、湿度10%RH雰囲気下のオーブンに投入し、0.5時間熱処理した。
得られたフィルムの120℃、1時間の幅方向の熱収縮率、加熱試験、サイクル特性、電池特性を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2010100845
本発明の製造方法により得られる多孔性フィルムは、熱寸法安定性に優れ、電池特性が良好な多孔性フィルムとして提供することができる。

Claims (5)

  1. 多孔性ポリオレフィンフィルムをコアに巻き取ってなるフィルムロールを50〜100℃の温度で、1〜100時間熱処理を行う多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法。
  2. 多孔性ポリオレフィンフィルムをコアに巻き取る際の巻取張力が1〜200N/mである、請求項1に記載の多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法。
  3. フィルムロールの巻長さが100〜10,000mである、請求項1または2に記載の多孔性ポリオレフィンフィルムの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの方法で製造された120℃、1時間の幅方向の熱収縮率が0〜4%である多孔性ポリオレフィンフィルム。
  5. 請求項1〜3のいずれかの方法で製造された多孔性ポリオレフィンフィルムを用いてなる蓄電デバイス用セパレータ。
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