JP2010100243A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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JP2010100243A JP2008275508A JP2008275508A JP2010100243A JP 2010100243 A JP2010100243 A JP 2010100243A JP 2008275508 A JP2008275508 A JP 2008275508A JP 2008275508 A JP2008275508 A JP 2008275508A JP 2010100243 A JP2010100243 A JP 2010100243A
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Masashi Tsujimoto
昌史 辻本
Takayoshi Ando
隆芳 安藤
Takuhiro Saito
拓宏 斉藤
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Abstract

【課題】モータの駆動力を極めて効果的に減速してスプールに伝えることができ、しかも、装置全体の小型化、特に、スプールの軸方向に沿った装置全体の小型化を図ることができるウエビング巻取装置を得る。
【解決手段】本ウエビング巻取装置10では、モータ82の駆動力をスプール18に伝達できる状態で、引出方向への一定の大きさの回転力がスプール18に入力された際に、各ギヤの回転を許容するトルクリミッタ112が、内歯のリングギヤ102の外側に設けられてリングギヤ102を保持している。このように、リングギヤ102をトルクリミッタ112が保持する構成としたので、スプール18の軸方向に沿ったウエビング巻取装置10の全体的な大型化を防止又は抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のシートベルト装置を構成するウエビングベルトをモータの駆動力で巻き取って格納することができるウエビング巻取装置に関する。
下記特許文献1に開示されたウエビング巻取装置では、ウエビングベルトを巻き取るためにモータが駆動すると、モータの駆動力が平歯車で構成されたギヤ列を介してサンギヤ部材に伝えられる。サンギヤ部材が回転すると、サンギヤ部材の回転中心に対して偏心した位置でサンギヤ部材に支持されたプラネタリギヤがサンギヤ部材の回転中心周りに公転すると共に、サンギヤ部材部材に噛み合っているコネクトギヤが回転する。
コネクトギヤの回転でクラッチスプリングが回動すると、クラッチパウルがクラッチスプリングに押し上げられて回動し、クラッチパウルがリングギヤの外周部に形成されたラチェット歯に噛み合い、リングギヤの回転を規制する。リングギヤの内周部に形成された内歯には上記のプラネタリギヤの外周部に形成された外歯が噛み合っており、リングギヤの回転が規制された状態でサンギヤ部材の回転中心周りに公転することで、プラネタリギヤがサンギヤ部材に支持された部分を中心に自転する。
このプラネタリギヤの自転の回転力は減速ピンを介して円盤状のキャリアに伝えられ、スプールの回転中心周りにキャリアが巻取方向に回転する。キャリアはコネクタ及びトーションシャフトを介してスプールに対して同軸的且つ一体的に連結されているので、キャリアが巻取方向に回転することでスプールが巻取方向に回転し、これにより、スプールにウエビングベルトが巻き取られる。
ここで、下記特許文献1に開示されたウエビング巻取装置では、サンギヤ部材からキャリアまでの回転力の伝達機構が所謂「ハイポサイクロイド機構」で構成されており、このため、モータの駆動力が大きく減速されてキャリア、ひいては、スプールに伝えられる。
特開2005−138745の公報 特開2006−282097の公報
ところで、上記特許文献1に開示されたようなモータの駆動力でウエビングベルトを巻き取る構成では、スプールにウエビングベルトを巻き取らせるようにモータが駆動している状態で、ウエビングベルトが引っ張られてスプールに引出方向への回転力が入力されたような場合に、モータの出力軸とスプールとの間で一時的に回転力の伝達を遮断するトルクリミッタ機構が設けられ、その一例が上記特許文献2に開示されている。この種のトルクリミッタ機構は、リング状の外輪の内側で回転体が板ばね等の弾性体によって一体的に相対回転不能に保持され、外輪に対する内側の回転体の回転力が弾性体の弾性に抗する大きさになると、外輪に対して内側に回転体が相対回転する。
したがって、上記特許文献1に開示された構成のサンギヤ部材やモータギヤに設けると、サンギヤ部材やモータギヤが大型化、特に、スプールの軸方向に沿ったサンギヤ部材やモータギヤの形状が大型化してしまう。
本発明は上記事実を考慮して、モータの駆動力を極めて効果的に減速してスプールに伝えることができ、しかも、装置全体の小型化、特に、スプールの軸方向に沿った装置全体の小型化を図ることができるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、フレームに直接又は間接的に回転自在に支持され、長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止されて、前記ウエビングベルトを長手方向基端側から巻き取って格納すると共に、巻き取られている前記ウエビングベルトを引き出すことで軸周り一方の引出方向へ回転するスプールと、駆動状態で前記スプールの軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回転体を回転させるモータと、リング状に形成された平歯で且つ内歯のリングギヤと、前記フレームに直接又は間接的に固定されたベース部材及び前記リングギヤの何れかの一方に対し、前記リングギヤの中心周りの相対回転が不能に前記何れかの一方に取り付けられると共に、前記ベース部材及び前記リングギヤの何れかの他方に対して前記リングギヤの半径方向に沿った側方から弾性的に圧接して、前記ベース部材に対する前記リングギヤの相対回転を規制し、前記回転体周りの所定の大きさ以上の回転力が前記リングギヤに伝えられることで前記リングギヤの回転規制を解消して前記回転体周りの前記リングギヤの回転を許容する保持手段と、前記リングギヤの内歯に噛み合う平歯の外歯が前記リングギヤの歯数よりも少なく形成されて、前記外歯が前記リングギヤの内歯に噛み合った状態で前記回転体の中心軸線に対して偏心した位置を中心に回転自在に前記回転体に支持され、前記回転体の回転で前記リングギヤの中心周りに公転しつつ、前記リングギヤとの噛み合いで前記公転とは反対向きに自転する減速ギヤと、前記減速ギヤの軸方向に沿った前記減速ギヤの側方で、前記回転体に対して同軸的に相対回転可能に支持され、前記減速ギヤの自転の回転力を受けて回転し、当該回転を前記スプール側へ直接又は間接的に伝える伝達ギヤと、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、モータの駆動力で回転する回転体には減速ギヤが回転体の回転軸心に対して偏心した位置を中心に回転自在に回転体に支持されている。この減速ギヤに形成された平歯の外歯は、リングギヤに形成された平歯の内歯に噛み合っている。リングギヤはモータの回転体に対して略同軸とされ、モータが駆動して回転体が回転すると、減速ギヤは回転体によってリングギヤの中心周りに回転体の回転方向へ公転する。さらに、上記のように、減速ギヤの外歯はリングギヤの内歯に噛み合っているので、減速ギヤがリングギヤの中心周りに公転すると、この公転に伴い減速ギヤが自らの回転中心周りに自転する。
ここで、減速ギヤの外歯の歯数はリングギヤの内歯の歯数よりも少なく設定されているので、減速ギヤの外歯の歯数をZ1、リングギヤの内歯の歯数をZ2とすると、回転体の回転数に対して(Z1−Z2)/Z2の比率で減速されて減速ギヤが公転の回転方向とは反対方向に自転することになる。
一方、減速ギヤの回転軸方向側方では伝達ギヤが回転体の回転中心周りに回転自在に回転体に支持されており、上記のようにモータの駆動力を受けて回転する回転体の回転数に対して大きく減速された状態で公転する減速ギヤは、この公転の回転力を伝達ギヤに伝えて伝達ギヤを回転体の回転中心周りに回転させる。
この伝達ギヤの回転が直接又は間接的にスプール側に伝わり、伝達ギヤから伝えられた回転力がスプールを巻取方向に回転させる回転力であれば、スプールの回転によりウエビングベルトがその基端側からスプールに巻き取られる。このため、例えば、走行中の車両の前方に存在する障害物まで距離が一定値未満になった場合に、モータを駆動させてスプールを巻取方向に回転させれば、乗員の身体に装着されているウエビングベルトの僅かな弛み、所謂「スラック」を解消でき、乗員の身体をウエビングベルトによって強く拘束できる。
一方、自転及び公転する減速ギヤが噛み合うリングギヤ及びスプールを直接又は間接的に回転自在に支持するフレームに固定されたベース部材の何れかの一方には保持手段が取り付けられている。この保持手段は、リングギヤ及びスプールベース部材の何れかの他方に対してはリングギヤの回転半径方向に沿った側方から弾性的に圧接し、この何れかの他方に対するリングギヤの回転中心周りの保持手段の相対回転が規制されている。
また、保持手段が取り付けられたリングギヤ及びスプールベース部材の何れかの一方に対し、保持手段は相対回転不能であるので、リングギヤは保持手段を介してベース部材に相対回転不能な状態で取り付けられていることになり、この結果、減速ギヤが自転及び公転した際にリングギヤが回転することはない。
さらに、例えば、それ以上スプールがウエビングベルトを巻き取れなくなるまでスプールが巻取方向に回転することで伝達ギヤの回転が規制された状態では、モータの駆動力で回転する回転体が減速ギヤに回転力を付与しても減速ギヤの回転が規制される。この状態で回転体から減速ギヤに付与される回転力が所定の大きさを越え、更に、この回転体からの回転力が減速ギヤを介してリングギヤに伝わると、保持手段の弾性に抗して、ベース部材及びリングギヤの何れかの他方に対する保持手段の保持が解消される。
これにより、回転力を受けたリングギヤがその中心周りに回転する。このため、過剰な回転力でスプールを巻取方向に回転させて、ウエビングベルトが過剰な拘束力で乗員の身体を拘束することがない。
ここで、上記のように、保持手段はベース部材及びリングギヤの何れかの他方に対して、リングギヤの回転半径方向側方、すなわち、リングギヤの回転半径方向に沿った外方側又は内方側から弾性的に圧接している。このため、ベース部材及びリングギヤの何れかの他方と保持手段とをリングギヤの中心軸線方向に並べなくてよく、リングギヤの中心軸線方向の装置全体の小型化を図ることができる。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1に記載の本発明において、前記回転体の回転中心周りに前記回転体に対して相対回転可能に前記伝達ギヤを前記回転体に支持させている。
請求項2に記載の本発明に係るウエビング巻取装置によれば、モータの駆動力で回転する回転体の回転中心周りに伝達ギヤが回転体に対して相対回転自在に回転体に支持される。このため、伝達ギヤを回転自在に支持するための特別な軸部材や軸受けが不要になり、部品点数の軽減や装置全体の小型化に寄与する。
なお、本発明において回転体は、本発明を構成する減速ギヤよりも上流側でモータの駆動力を受けて回転する構成であればよく、例えば、モータの駆動力を減速する駆動力伝達ギヤ列(本発明を構成する減速ギヤとは別の減速ギヤ列)の最終段のギヤ等であってもよいが、本発明においては減速ギヤとリングギヤとにより駆動力は大きく減速されて伝達ギヤに伝わるので、減速ギヤに駆動力が伝わるまでに格別駆動力が減速されていなくてもよい。したがって、この意味では、本発明を構成する回転体がモータの出力軸であってもよい。
請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記伝達ギヤに噛み合い、前記伝達ギヤの回転を受けて回転し、当該回転を前記スプールに伝えて前記スプールを回転させる回転ギヤを、前記伝達ギヤの回転半径方向に沿って前記伝達ギヤに対して前記スプールから引き出された直後の前記ウエビングベルトの向きとは反対側に設けている。
請求項3に記載の本発明に係るウエビング巻取装置では、減速ギヤの自転を伝達ギヤが受けて伝達ギヤが回転すると、この伝達ギヤに噛み合う回転ギヤに伝達ギヤの回転が伝えられる。これにより、回転ギヤが回転すると、この回転ギヤの回転がスプールに伝えられてスプールが回転する。
ところで、ウエビングベルトがスプールから引き出され、又は、ウエビングベルトがスプールに巻き取られる際、スプールはウエビングベルトの張力によってスプールからのウエビングベルトの出口側、すなわち、スプールから引き出された直後のウエビングベルトの向き(長手方向)へ移動しようとする。ここで、伝達ギヤの回転が伝わる回転ギヤは、伝達ギヤの回転半径方向に沿って伝達ギヤに対しスプールから引き出された直後のウエビングベルトの向きとは反対側に設けられる。
このため、上記のようにスプールから引き出された直後のウエビングベルトの向きへ移動しようとするスプールからの反力を回転ギヤが受け、これにより、伝達ギヤと回転ギヤとの噛み合いが良好に保たれ、伝達ギヤから回転ギヤへの回転力の伝達効率を維持又は向上できる。
なお、伝達ギヤと回転ギヤとの配置態様に関しては、更に、回転ギヤを伝達ギヤの回転半径方向に沿った伝達ギヤの下側に設けてもよい。このような構成では、伝達ギヤの歯が回転ギヤの歯を押圧した際の押圧力や、この押圧力に対する反力が伝達ギヤ及び回転ギヤの何れか一方を他方から離間させようとしても、伝達ギヤがその自重により回転ギヤに噛み合おうとする。これにより、伝達ギヤと回転ギヤとの噛み合いが良好に保たれ、伝達ギヤから回転ギヤへの回転力の伝達効率を維持又は向上できる。
以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置は、モータの駆動力を極めて効果的に減速してスプールに伝えることができ、しかも、装置全体の小型化、特に、スプールの軸方向に沿った装置全体の小型化を図ることができる。
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置10の構成が分解斜視図により示されている。
この図に示されるように、ウエビング巻取装置10は、例えば、車両の骨格部材や補強部材等の車体構成部材に固定されるフレーム12を備えている。フレーム12は車体への取付状態で略車両前後方向に沿って互いに対向する脚板14、16を備えている。
これらの脚板14、16の間にはスプール18が設けられている。スプール18は軸方向が脚板14と脚板16との対向方向に沿った略円筒形状に形成されている。このスプール18には長尺帯状に形成されたウエビングベルト20の長手方向基端部が係止されている。スプール18は、その中心軸線周りの一方である巻取方向に回転することで、ウエビングベルト20をその長手方向基端側から巻き取って格納し、例えば、乗員が身体にウエビングベルト20を装着するにあたってウエビングベルト20を引っ張ると、スプール18に巻き取られているウエビングベルト20が引き出されつつ、巻取方向とは反対の引出方向にスプール18が回転する。
スプール18の内側には図示しないトーションシャフトが設けられている。トーションシャフトは軸方向がスプール18の軸方向に沿った棒状の部材とされている。トーションシャフトは、脚板14側の端部よりも脚板16側でスプール18に対して同軸的な相対回転が不能な状態でスプール18に連結されている。
また、脚板14の脚板16とは反対側にはロック手段としてのロック機構22のハウジング24が脚板14に取り付けられており、上記のトーションシャフトの脚板14側の端部は、スプール18の中心軸線周りに回転自在にハウジング24に直接又は間接的に支持されている。ハウジング24の内側には、車両が急減速状態になった場合に作動し、作動することでトーションシャフトの脚板14側の端部が引出方向へ回転することを規制する所謂「VSIR機構」を構成する各種部品や、トーションシャフトが急激に引出方向に回転することで作動し、作動することでトーションシャフトの脚板14側の端部が引出方向へ回転することを規制する所謂「WSIR機構」を構成する各種部品が収容されている。
さらに、脚板14の脚板16とは反対側には強制引張手段としてのプリテンショナ26が設けられている。プリテンショナ26は車両急減速状態で作動し、作動することで、上記のトーションシャフトの脚板14側の端部又はスプール18に対して巻取方向への回転力を付与して、スプール18を強制的に巻取方向へ回転させる。
一方、脚板16の脚板14とは反対側には駆動力伝達機構40が設けられている。駆動力伝達機構40は脚板16の脚板14とは反対側で脚板16に取り付けられたベース部材としてのギヤボックス42を備えている。ギヤボックス42には脚板16とは反対側へ向けて開口したクラッチ収容部44が形成されている。クラッチ収容部44にはクラッチ46が収容されている。
クラッチ46は内側回転体48を備えている。この内側回転体48に対応して上記のトーションシャフトの脚板16側の端部にはアダプタ50がトーションシャフトに対して相対回転不能な状態でトーションシャフトに対して同軸的に取り付けられている。アダプタ50には連結部52が形成されている。スプール18の軸方向に対して直交する向きに切った連結部52の断面形状は多角形や星形等の非円形(本実施の形態では略六角形)とされ、トーションシャフトとは反対側へ向けて伸びるように形成されている。
連結部52は脚板16及びクラッチ収容部44の底部を通過してクラッチ収容部44内に入り込んでいる。アダプタ50の連結部52に対応してクラッチ46の内側回転体48には嵌挿孔54が形成されている。嵌挿孔54は内周形状が連結部52の外周形状に略等しい(厳密には僅かに大きい)。アダプタ50の連結部52は内側回転体48の嵌挿孔54を貫通しており、これにより、クラッチ46の内側回転体48はアダプタ50の連結部52に対する相対回転が不能な状態で連結部52に連結され、間接的には、スプール18に対して相対回転不能な状態で内側回転体48が連結されている。
内側回転体48の回転半径方向外側には、特許請求の範囲で言うところの回転ギヤとして把握できる外側回転体56が設けられている。外側回転体56は外周部に平歯の外歯が形成された歯車とされており、内側回転体48に対して同軸的に相対回転可能な状態で内側回転体48に支持されている。外側回転体56には図示しない連結パウルが外側回転体56の中心軸線と同じ向きを軸方向とする軸周りに揺動可能に設けられている。
この連結パウルに対応して内側回転体48には外歯のラチェット歯が内側回転体48の中心軸線周りに形成されている。外側回転体56が巻取方向に回転すると、外側回転体56に設けられた連結パウルが揺動して、内側回転体48の外歯のラチェット歯に噛み合う。これにより、内側回転体48が外側回転体56と共に一体的に巻取方向に回転する。また、外側回転体56の連結パウルは捩じりコイルばね等のパウル付勢手段の付勢力で内側回転体48のラチェット歯から離間する方向へ付勢されているが、内側回転体48のラチェット歯はその先端がラチェット歯の歯元よりも引出方向側に変位した吸い込み形状とされている。このため、外側回転体56の連結パウルが内側回転体48のラチェット歯に噛み合った状態では、内側回転体48及び外側回転体56の回転半径方向に沿って内側回転体48のラチェット歯の歯先と外側回転体56の連結パウルとが対向する。
これにより、外側回転体56の連結パウルが内側回転体48のラチェット歯に噛み合った状態では、捩じりコイルばね等のパウル付勢手段の付勢力で外側回転体56の連結パウルが内側回転体48のラチェット歯から離間しようとしても、内側回転体48のラチェット歯に干渉される。このため、内側回転体48に対して外側回転体56が引出方向に回転して、連結パウルとラチェット歯との噛み合いが解消されるまで、外側回転体56の連結パウルは内側回転体48のラチェット歯から離間できず、外側回転体56の連結パウルと内側回転体48のラチェット歯との噛み合い状態が維持される。
一方、図2に示されるように、クラッチ46の回転半径方向に沿ったクラッチ収容部44の上側では、ギヤボックス42に中間ギヤ収容部62が形成されている。中間ギヤ収容部62は脚板16の側へ向けて開口しており、その内側には、特許請求の範囲で言うところの回転ギヤとして把握できる外歯で平歯の中間ギヤ64が設けられている。中間ギヤ収容部62には支持軸66が設けられている。支持軸66は脚板16の側を向いた中間ギヤ収容部62の底部から、スプール18の軸方向と同じ向きに突出形成されている。中間ギヤ収容部62内に設けられた中間ギヤ64はスプール18の軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回転自在に支持軸66に支持されている。
また、中間ギヤ収容部62とクラッチ収容部44とは互いに連通しており、クラッチ46の外側回転体56及び中間ギヤ64の何れかの一方の一部が、中間ギヤ収容部62とクラッチ収容部44との連通部分を通過して、クラッチ収容部44及び中間ギヤ収容部62のうち前記何れかの一方が設けられていない方へ入り込んでいる(本実施の形態では、中間ギヤ64の一部がクラッチ収容部44と中間ギヤ収容部62との連通部分を通過してクラッチ収容部44に入り込んでいる)。これにより、クラッチ46の外側回転体56の外歯と中間ギヤ64の外歯とが互いに噛み合っている。
一方、中間ギヤ64の回転半径方向に沿った中間ギヤ収容部62の上側では、ギヤボックス42にリングギヤ収容部72が形成されている。図1に示されるように、リングギヤ収容部72はスプール18の軸方向に沿ったギヤボックス42の中間部に位置する底部を有しており、脚板16とは反対側へ向けて開口している。また、スプール18の軸方向に沿ってリングギヤ収容部72の脚板16の側には伝達ギヤ収容部74が形成されている。
伝達ギヤ収容部74は脚板16とは反対側の端部がリングギヤ収容部72の底部で開口した有底形状に形成されている。この伝達ギヤ収容部74の内側には特許請求の範囲で言うところの回転体を構成する支持軸76が設けられている。支持軸76は軸本体78を備えている。軸本体78は軸方向がスプール18の軸方向と同じ向きとされた円柱形状に形成されている。この軸本体78には断面半円形の嵌挿孔80が形成されている。軸本体78は嵌挿孔80の脚板16側の端面にて開口しており、その開口方向はスプール18の軸方向と同じ向きとされている。
一方、支持軸76に対応してフレーム12の上側にはモータ82が設けられている。モータ82のギヤボックス42と対向する側の端部にはブラケット84が設けられており、このブラケット84がねじ等によりギヤボックス42や脚板16に固定されることで、ブラケット84が脚板16に直接又はギヤボックス42を介して間接的に取り付けられている。モータ82は、支持軸76と共に特許請求の範囲で言うところの回転体を構成する出力軸86を備えている。出力軸86は軸方向がスプール18の軸方向と同じ向きとされ、ブラケット84及びギヤボックス42を通過して伝達ギヤ収容部74内に入り込んでいる。
伝達ギヤ収容部74に入り込んだ出力軸86の少なくとも軸方向中間部よりも先端側の断面形状は嵌挿孔80に嵌挿可能な略半円形状となっており、出力軸86の先端側が支持軸76の嵌挿孔80に嵌挿されることで、出力軸86に対して相対回転不能な状態で軸本体78と出力軸86とが同軸的に連結される。このように、出力軸86に連結された支持軸76の軸本体78には伝達ギヤ収容部74内に配置された伝達ギヤ92が回転自在に支持されている。伝達ギヤ92は外歯で平歯の歯車とされている。伝達ギヤ92及び中間ギヤ64の何れかの一方の一部は、伝達ギヤ収容部74と中間ギヤ収容部62との連通部分を通過しており、伝達ギヤ92及び中間ギヤ64の何れかの他方に噛み合っている。
さらに、軸本体78の軸方向に沿った伝達ギヤ92の脚板16とは反対側のリングギヤ収容部72内には、外歯で平歯の減速ギヤ94が設けられている。この減速ギヤ94に対応して支持軸76は偏心軸部96を備えている。偏心軸部96は軸方向が軸本体78の軸方向と同じ向きとされた円柱形状に形成されており、軸本体78のモータ82とは反対側の端面から、中心軸線が軸本体78の中心軸線(ひいては、出力軸86の中心軸線)に対して偏心した状態で突出形成されている。
減速ギヤ94は、この偏心軸部96に回転自在に支持されている。この偏心軸部96には複数本(本実施の形態では6本)の押圧ピン98が減速ギヤ94の中心軸線周りに等間隔に設けられている。これらの押圧ピン98は軸方向が偏心軸部96の軸方向と同じ向きとされた円柱形状に形成されており、減速ギヤ94の伝達ギヤ92側の端面から突出形成されている。なお、これらの押圧ピン98は、偏心軸部96に一体的に設けられていればよい。したがって、偏心軸部96に押圧ピン98を一体形成してもよいし、偏心軸部96とは別体で形成された押圧ピン98を偏心軸部96に一体的に取り付ける構成であってもよい。
これらの減速ギヤ94に対応して、伝達ギヤ92には複数(本実施の形態では6つ)の透孔100が伝達ギヤ92の中心軸線周りに等間隔に形成されており、各透孔100には対応する押圧ピン98が入り込んでいる。透孔100はその内径寸法が押圧ピン98の外径寸法よりも充分に大きく、伝達ギヤ92に対して偏心した減速ギヤ94が偏心軸部96周りに回転(自転)しても、こじれが生じることなく透孔100の内周部を押圧ピン98が押圧して軸本体78周りに伝達ギヤ92を回転させることができるようになっている。
一方、減速ギヤ94の外側にはリングギヤ102が設けられている。リングギヤ102は内径寸法が減速ギヤ94の外径寸法よりも充分に大きく、中心軸線が支持軸76の軸本体78(ひいては、モータ82の出力軸86)の中心軸線に略一致したリング状に形成されており、リングギヤ102の内側に減速ギヤ94が配置されている。リングギヤ102の内周部には歯数が平歯の内歯が減速ギヤ94の外歯の数より僅かに多い(例えば、1つだけ多い)内歯が形成されている。
減速ギヤ94は、その外歯がリングギヤ102の内歯に噛み合っており、軸本体78の中心軸線周りに支持軸76が回転することで、リングギヤ102の中心軸線周りに減速ギヤ94が公転(回転)すると、減速ギヤ94は、その外歯とリングギヤ102の内歯との噛み合いで偏心軸部96周りに自転(回転)する。
一方、リングギヤ収容部72の内側には保持手段としてのトルクリミッタ112が設けられている。トルクリミッタ112は基部114を備えている。基部114は厚さ方向が出力軸86の軸方向に沿ったリング状に形成されている。この基部114の内径寸法は、リングギヤ102の脚板16側の端面からリングギヤ102に対して同軸的に突出したリング状の突出部116の外径寸法よりも僅かに大きく、基部114の脚板16とは反対側の端面とリングギヤ102の脚板16側の端面とが同軸的に対向した状態で突出部116が基部114の内側に入り込んでいる。
基部114の外周部には複数(本実施の形態では4つ)の連結片118が形成されている。連結片118は基端側での厚さ方向が基部114の厚さ方向に沿った細幅板状に形成されており、その基端部が基部114の外周部に繋がっている。連結片118は基部114の外周部から放射状に伸びている。これらの連結片118に対応してリングギヤ収容部72の底部には保持溝126が形成されている。リングギヤ収容部72内にトルクリミッタ112を配置した状態では、保持溝126に連結片118が入り込む。基部114の周方向に沿った保持溝126の開口幅寸法は、連結片118の幅寸法よりも僅かに大きい程度とされており、この保持溝126に連結片118が入り込むことで、周方向に沿ったトルクリミッタ112の変位が規制されている。
また、連結片118は、基部114からの延出方向に沿った中間部にて幅方向を軸方向とする軸周りに、基部114の中心軸線の向きに脚板16とは反対側へ屈曲されている。さらに、脚板14の中心軸線の向きに屈曲した連結片118の先端からは弾性保持片120が連続して形成されている。弾性保持片120は、長手方向が基部114の周方向又は基部114に対する接線方向に沿って長手とされ、その長手方向基端部にて連結片118に繋がっている。弾性保持片120の長手方向中間部は、その幅方向を軸方向とする軸周りに基部114の半径方向内方側へ向けて略U字形状に湾曲されている。この湾曲部分よりも弾性保持片120の先端側では、弾性保持片120には係合部122が形成されている。係合部122は弾性保持片120の先端部近傍を基部114の半径方向外方へ向けて開口するように弾性保持片120の幅方向を軸方向とする軸周りに湾曲させることで形成されている。
これらの係合部122に対応して、リングギヤ102の外周部には複数の係合凹部132がリングギヤ102の周方向に沿って断続的に形成されている。これらの係合凹部132はリングギヤ102の半径方向外方へ向けて開口するように湾曲した湾曲面で、これらの係合凹部132の何れかに上記の係合部122が入り込んでおり、弾性保持片120の弾性で係合凹部132の底に係合部122が圧接し、これにより、基部114の中心軸線周りのトルクリミッタ112に対するリングギヤ102の相対回転が規制されている。但し、弾性保持片120の弾性に抗するよう回転力がリングギヤ102に作用した場合には、係合凹部132の斜面が弾性保持片120の弾性に抗して弾性保持片120を変形させて係合部122を押し上げながら、その周方向にリングギヤ102が回転する。
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本ウエビング巻取装置10の動作の説明を通して本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本ウエビング巻取装置10では、レーダ測距装置等の前方監視システムが、車両の前方で走行している他の車両や、車両前方の障害物の存在を検知し、更に、このような他の車両や障害物までの距離が一定値未満になると、モータ82を制御するECU等の制御手段がモータ82を正転駆動させる。正転駆動されたモータ82は、出力軸86、ひいては、出力軸86に装着されている支持軸76を正転させる。図2に示されるように、支持軸76が矢印A方向へ正転すると、軸本体78の中心軸線に対して中心軸線が偏心した偏心軸部96が、軸本体78の中心軸線周りに正転方向へ回転する。
これにより、偏心軸部96に支持された減速ギヤ94が正転方向へリングギヤ102の中心軸線周りに公転する。このように、リングギヤ102はその内歯が減速ギヤ94の外歯に噛み合っているので、減速ギヤ94が正転方向へ公転すると、減速ギヤ94の外歯がリングギヤ102の内歯を正転方向に押圧するが、リングギヤ102は、その外周部に形成された係合凹部132の底に係合部122が圧接することで係合部122に保持されており、更に、係合部122を有するトルクリミッタ112は連結片118が保持溝126に入り込んでいることで回り止めされているので、基本的には正転方向に公転する減速ギヤ94に伴われてリングギヤ102が回転することはない。
さらに、このように回転規制されているリングギヤ102の内歯に減速ギヤ94の外歯が噛み合っていることで、減速ギヤ94が正転方向に公転すると、リングギヤ102の内歯からの押圧反力を減速ギヤ94の外歯が受けて、減速ギヤ94が偏心軸部96を中心に正転方向とは反対の逆転方向(図2の矢印B方向)へ自転(回転)する。
ここで、減速ギヤ94の外歯の歯数Z1は、リングギヤ102の内歯の歯数Z2よりも少ないため、減速ギヤ94の公転速度、すなわち、出力軸86の正転速度に対して(Z1−Z2)/Z2の比で減速されて減速ギヤ94が自転する(すなわち、(Z2−Z1)/Z2の比率で減速されて、出力軸86の回転方向とは反対方向へ減速ギヤ94自転する)。
このように、逆転方向に減速ギヤ94が自転すると、減速ギヤ94に形成された押圧ピン98が減速ギヤ94の中心軸線周りに逆転するので、この逆転方向に透孔100の内周部を押圧し、伝達ギヤ92を軸本体78周りに逆転させる。伝達ギヤ92は、その外歯が中間ギヤ64の外歯に噛み合っており、更に、中間ギヤ64の外歯はクラッチ46を構成する外側回転体56に噛み合っているので、減速ギヤ94の逆転方向への自転を受けて回転する伝達ギヤ92の回転力は、中間ギヤ64を介してクラッチ46の外側回転体56に伝わり、外側回転体56を巻取方向に回転させる。
外側回転体56が巻取方向に回転すると、外側回転体56の連結パウルが揺動して、内側回転体48のラチェット歯に噛み合う。これにより、巻取方向への外側回転体56の回転力が内側回転体48に伝わり、外側回転体56と内側回転体48とが一体的に巻取方向に回転する。クラッチ46の内側回転体48が巻取方向に回転することで、アダプタ50が巻取方向に回転し、更に、アダプタ50に対して相対回転不能なトーションシャフト、ひいては、スプール18が巻取方向に回転する。
これにより、ウエビングベルト20がその長手方向基端側からスプール18に巻き取られ、乗員の身体に装着されているウエビング巻取装置10の僅かな弛み、所謂「スラック」が除去される。このように、スプール18のスラックが除去されることで、スプール18により乗員の身体が強く拘束される。
ところで、互いに噛み合う平歯のギヤは、原動側の一方が回転することで、その一方のギヤの歯が従動側の他方のギヤの歯を押圧して、他方のギヤを回転させるが、この際、原動側の一方の伝達ギヤの歯が従動側の他方のギヤの歯から押圧反力を受け、この押圧力で一方のギヤは他方のギヤとの噛み合いを解消する向きへ変位しようとする。
ここで、本ウエビング巻取装置10では、クラッチ46を構成する外側回転体56の上側で中間ギヤ64が外側回転体56に噛み合っており、伝達ギヤ92は中間ギヤ64の上側で中間ギヤ64に噛み合っている。このような、中間ギヤ64に対する外側回転体56の配置位置の向き、及び、伝達ギヤ92に対する中間ギヤ64の配置位置の向きは、スプール18から引き出された直後のウエビングベルト20の向き(長手方向)とは反対方向に概ね沿っている。
ところで、スプール18からウエビングベルト20が引き出される際や、スプール18にウエビングベルト20が巻き取られる際には、ウエビングベルト20の張力でスプール18におけるウエビングベルト20の出口側、すなわち、スプール18から引き出された直後のウエビングベルト20の向き(長手方向)にスプール18が移動しようとする。このように移動しようとするスプール18は、間接的にその移動方向、すなわち、スプール18から引き出された直後のウエビングベルト20の向き(長手方向)であり、また、上方へ外側回転体56を押圧する。
このように押圧された外側回転体56は更に中間ギヤ64を概ね同じ向きに押圧する。このように、中間ギヤ64が押圧されることで、その押圧された向きに配置されている伝達ギヤ92を中間ギヤ64が押圧する。この中間ギヤ64からの押圧力に対する伝達ギヤ92の反力で中間ギヤ64と伝達ギヤ92との噛み合いが良好に保たれ、また、外側回転体56からの押圧力に対する中間ギヤ64の反力で外側回転体56と中間ギヤ64との噛み合いが良好に保たれる。
しかも、上記のように、外側回転体56の上側で中間ギヤ64が外側回転体56に噛み合っており、伝達ギヤ92は中間ギヤ64の上側で中間ギヤ64に噛み合っている。このため、伝達ギヤ92の自重は伝達ギヤ92を中間ギヤ64に噛み合わせるように作用し、更には、中間ギヤ64を外側回転体56に噛み合わせるように作用する。
このため、モータ82の駆動力で伝達ギヤ92、中間ギヤ64、及び外側回転体56が回転しても、伝達ギヤ92や中間ギヤ64の自重が伝達ギヤ92、中間ギヤ64、及び外側回転体56の各々の噛み合いを維持又は向上させる。これにより、伝達ギヤ92が駆動した際のブラケット84からスプール18までの回転力の伝達効率を向上できる。
一方、上記のようにスラックの除去分だけスプール18が巻取方向に回転されるとモータ82が停止される。この状態で、例えば、走行中の車両が減速されたり、或いは、操舵操作されたりすることで、前方の障害物や他の車両が存在しなくなったり、又は、前方の障害物や他の車両までの距離が一定値よりも大きくなると、モータ82が逆転駆動される。モータ82が逆転駆動力は、モータ82が正転駆動力と同様にクラッチ46の外側回転体56に伝えられ、外側回転体56を引出方向に回転させる。これにより、クラッチ46における外側回転体56の連結パウルと内側回転体48のラチェット歯との噛み合いが解消される。
これに対して、クラッチ46における外側回転体56の連結パウルと内側回転体48のラチェット歯との噛み合いが維持されている状態で、例えば、乗員がウエビングベルト20を引っ張ると、スプール18に引出方向への回転力が入力される。スプール18の引出方向への回転力は、トーションシャフト、アダプタ50、クラッチ46の内側回転体48、外側回転体56、及び、中間ギヤ64を介して伝達ギヤ92に伝えられ、伝達ギヤ92を正転方向(すなわち、モータ82が正転駆動した際の伝達ギヤ92の回転方向とは反対方向)へ回転させようとするが、駆動力伝達機構40を構成する減速ギヤ94及びリングギヤ102はその構成上、伝達ギヤ92に形成された透孔100の内周部が減速ギヤ94の押圧ピン98を押圧しても、この押圧力で減速ギヤ94を自転及び公転させることができない。
このため、クラッチ46における外側回転体56の連結パウルと内側回転体48のラチェット歯との噛み合いが維持されている状態で、例えば、乗員がウエビングベルト20を引っ張っても、伝達ギヤ92を正転方向に回転させることができないので、スプール18を引出方向へ回転させることはできず、このため、スプール18からウエビングベルト20が引き出されることがない。これにより、クラッチ46における外側回転体56の連結パウルと内側回転体48のラチェット歯との噛み合いが解消されるまでは、スプール18からのウエビングベルト20の引き出しを規制でき、スプール18によって乗員の身体を強く拘束できる。
一方、クラッチ46における外側回転体56の連結パウルと内側回転体48のラチェット歯との噛み合いが維持されている状態で、例えば、乗員がウエビングベルト20を大きな力で引っ張ることで、伝達ギヤ92に形成された透孔100の内周部が減速ギヤ94の押圧ピン98を正転方向へ押圧する回転力が一定の大きさを越えると、減速ギヤ94の外歯がリングギヤ102の内歯を正転方向へ押圧することでリングギヤ102に生ずる正転方向への回転力が、トルクリミッタ112における弾性保持片120の弾性力を上回る。
リングギヤ102に生ずる正転方向への回転力が、トルクリミッタ112における弾性保持片120の弾性力を上回ると、図3に示されるように、係合凹部132の斜面が弾性保持片120の弾性に抗して係合部122を押し上げつつリングギヤ102が正転方向に回転する。このような正転方向へのリングギヤ102の回転量だけ、クラッチ46の外側回転体56から減速ギヤ94までの各ギヤが回転できるので、スプール18に対して引出方向への過剰な回転力が入力されることに起因したクラッチ46の外側回転体56から減速ギヤ94までの各ギヤやリングギヤ102の破損等を効果的に防止できる。
また、上記のようにスプール18に引出方向への過剰な回転力が入力されることでリングギヤ102は正転し、これにより、減速ギヤ94が偏心軸部96を伴いリングギヤ102の中心軸線周りを正転方向に回転(公転)する。ここで、この状態で、仮に、スプール18にウエビングベルト20を巻き取らせるためにモータ82が正転駆動しているような場合でも、スプール18に付与された引出方向への回転力でリングギヤ102周りに公転する減速ギヤ94の回転方向は正転方向であるので、この減速ギヤ94の回転力が出力軸86に入力されても、その回転方向はモータ82の正転駆動時における出力軸86の回転方向と同じであるので、所謂「ロック電流」がモータ82に生じない。これにより、モータ82の損傷を防止できる。
さらに、構造的な面で言えば、本ウエビング巻取装置10では、上記のように、モータ82の駆動力を減速してスプール18に伝えるための駆動力伝達機構40にトルクリミッタ112を設けており、しかも、リングギヤ102の半径方向外側にトルクリミッタ112を設けた構成である。このため、トルクリミッタ112を設けることでスプール18の軸方向に沿ったウエビング巻取装置10の全体的な大型化を防止又は抑制でき、ウエビング巻取装置10の小型化に大きく寄与する。
しかも、本ウエビング巻取装置10では、ブラケット84に装着した支持軸76に伝達ギヤ92や減速ギヤ94を支持させたので、伝達ギヤ92や減速ギヤ94を支持するためだけの特別な構成が不要で、この意味でも、ウエビング巻取装置10の小型化を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成を示す分解斜視図である。 本発明の一実施の形態に係るウエビング巻取装置の要部の構成を示す側面図である。 保持手段によるリングギヤの回転規制に抗してリングギヤが回転した状態を示す図2に対応した側面図である。
符号の説明
10 ウエビング巻取装置
12 フレーム
18 スプール
20 ウエビングベルト
42 ギヤボックス(ベース部材)
56 外側回転体(回転ギヤ)
64 中間ギヤ(回転ギヤ)
76 支持軸(回転体)
82 モータ
86 出力軸(回転体)
92 伝達ギヤ
94 減速ギヤ
102 リングギヤ
112 トルクリミッタ(保持手段)

Claims (3)

  1. フレームに直接又は間接的に回転自在に支持され、長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止されて、前記ウエビングベルトを長手方向基端側から巻き取って格納すると共に、巻き取られている前記ウエビングベルトを引き出すことで軸周り一方の引出方向へ回転するスプールと、
    駆動状態で前記スプールの軸方向と同じ向きを軸方向とする軸周りに回転体を回転させるモータと、
    リング状に形成された平歯で且つ内歯のリングギヤと、
    前記フレームに直接又は間接的に固定されたベース部材及び前記リングギヤの何れかの一方に対し、前記リングギヤの中心周りの相対回転が不能に前記何れかの一方に取り付けられると共に、前記ベース部材及び前記リングギヤの何れかの他方に対して前記リングギヤの半径方向に沿った側方から弾性的に圧接して、前記ベース部材に対する前記リングギヤの相対回転を規制し、前記回転体周りの所定の大きさ以上の回転力が前記リングギヤに伝えられることで前記リングギヤの回転規制を解消して前記回転体周りの前記リングギヤの回転を許容する保持手段と、
    前記リングギヤの内歯に噛み合う平歯の外歯が前記リングギヤの歯数よりも少なく形成されて、前記外歯が前記リングギヤの内歯に噛み合った状態で前記回転体の中心軸線に対して偏心した位置を中心に回転自在に前記回転体に支持され、前記回転体の回転で前記リングギヤの中心周りに公転しつつ、前記リングギヤとの噛み合いで前記公転とは反対向きに自転する減速ギヤと、
    前記減速ギヤの軸方向に沿った前記減速ギヤの側方で、前記回転体に対して同軸的に相対回転可能に支持され、前記減速ギヤの自転の回転力を受けて回転し、当該回転を前記スプール側へ直接又は間接的に伝える伝達ギヤと、
    を備えるウエビング巻取装置。
  2. 前記回転体の回転中心周りに前記回転体に対して相対回転可能に前記伝達ギヤを前記回転体に支持させた請求項1に記載のウエビング巻取装置。
  3. 前記伝達ギヤに噛み合い、前記伝達ギヤの回転を受けて回転し、当該回転を前記スプールに伝えて前記スプールを回転させる回転ギヤを、前記伝達ギヤの回転半径方向に沿って前記伝達ギヤに対して前記スプールから引き出された直後の前記ウエビングベルトの向きとは反対側に設けた請求項1又は請求項2に記載のウエビング巻取装置。
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