JP2010098948A - 灰皿 - Google Patents

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亮人 佐々木
Yasuhiro Shirakawa
康博 白川
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光 佐藤
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佳代 中野
Takao Kusaka
隆夫 日下
Shinya Kasamatsu
伸矢 笠松
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Abstract

【課題】酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を表面に具備し、長時間親水性を維持することにより、高い防汚性能や脱臭効果を有する灰皿を提供する。
【解決手段】酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子を表面に具備する灰皿において、前記微粒子の平均粒径が1nmから200nmの範囲であり、かつ微粒子のアスペクト比を1〜3.5の範囲とする。可視光照射下において光触媒性能に優れる酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を用いた場合には、有機物汚れやガス分解、抗菌・除菌性能を付加することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は表面に酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子を具備する灰皿に関する。
表面が親水性の部材は防曇や結露防止、汚れ防止、水性塗料印刷など種々の領域で利用
されており、最近、酸化チタン光触媒膜を用いた表面親水性部材が開発され、様々な製品への適用が開示されている。
酸化チタン膜は太陽光に含まれる紫外線を照射することにより、表面状態が変化し親水
性化すると同時に、光触媒作用を持つ膜では表面に付着した有機物を酸化分解して高い親
水性を示し、酸化チタン光触媒を具備したガラスなどの表面は、防汚・防曇効果が得られる。
酸化チタン光触媒を親水性部材に応用する場合、励起光に紫外線が必要なため、屋内では励起光が不足し十分な親水性が得られず、防曇効果が不足する。このため、酸化チタンに親水性酸化物の酸化ケイ素などを混合し、親水性の持続時間を長くする工夫がされているが充分な性能が得られていない。
また、この励起光不足を補うため、酸化チタンに窒素や硫黄を添加したり、白金坦持などを行って可視光応答化が行われているが、利用できる光の波長範囲がそれほど広がらないため、屋内用途では性能不足である。又、親水性効果の持続性も従来の酸化チタンと同等であり、暗所においては親水性は短期間で低下する。
一方、酸化タングステンは、電子デバイス用の誘電体材料、光学素子用材料、エレクト
ロクロミック材料やガスセンサー材料として広く利用されているが、可視光応答型光触媒
材料としても知られている。酸化タングステンのバンドギャップは2.5eV〜2.8eVで、酸化チタンが380nm以下の紫外線しか利用できないのに対し、450nm近傍の可視光まで利用でき、屋内蛍光ランプや電球の光の波長範囲で使用可能になる。酸化タングステンが光照射により親水性を示すことも知られており、主に、真空蒸着法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、またはゾル・ゲル法等により作製された膜が報告されている。
特許文献1には酸化タングステンを基材上にスパッタリング法で成膜した光触媒材料が
記載されており、主に三斜晶系の結晶構造を有する酸化タングステンが用いられている。
特許文献1によれば、酸化タングステンは可視光の励起によって親水化が可能との技術を
開示し、その実施例において親水性の評価を行っている。本文献によるスパッタリング法
で生成した酸化タングステン膜は、初期値として10°〜30°の接触角を有している。
実施例では、この酸化タングステン膜に紫外線を照射し、約20分後経過後、接触角が5°以下を示したことが記載されている。
一方、非特許文献1において、熱蒸着法またはゾル・ゲル法により形成された酸化タン
グステン膜に対し、400℃で熱処理を行い、親水性能を得たとの技術が開示されている。
これらの既知技術で、光によって親水化する場合は上記の光不足が問題となり、又加熱などで親水化する場合は基材の耐熱性や面積の大きい部材では加熱方法が問題となる。さらに、部材を光照射や加熱などの後処理で親水性化した場合は持続時間が短くなる傾向があり、短期間に定期的な照射や加熱が必要になる。
また、単に親水性化の作用のみでは、表面の油成分などの有機物が付着した場合は充分
な雨水や水洗などで除去しなければならず、使用環境が制限される問題が発生する。その
ため光触媒作用により表面の有機物を酸化分解する性能も必要であるが、上記技術では充
分な光触媒性能が得られていない。
尚、酸化タングステン膜の製法としてスパッタリング法や熱蒸着法やゾル・ゲル法は基材の制限などの問題も有する。
一方、酸化タングステン粉末を用いて膜を形成することも可能である。均一な膜を形成
するためには、微細な酸化タングステン粉末を使用する必要がある。微細な酸化タングス
テン粉末の製造方法としては、パラタングステン酸アンモニウム(APT)を空気中で加
熱して三酸化タングステン粉末を得る方法が知られている(特許文献2)。特許文献2で
は、APTを空気中で加熱する方法によって、一次粒子径が0.01μm(BET比表面
積=82m/g)の三酸化タングステン粉末が得られている。
また、微粉末を効率的に得る方法として、特許文献3に熱プラズマ処理が記載されてい
る。熱プラズマ処理を適用することによって、粒径が1〜200nmの微粉末が得られて
いる。しかしながら、これらの方法を適用して作製した酸化タングステン微粉末をそのまま材料として用いても、光による親水性化が不充分で親水性が長期間持続することができないなど、実用的な親水性を発揮する酸化タングステン膜は得られていない。
特開2001−152130号公報 特開2002−293544号公報 特開2006−102737号公報 J.Phys.D: Appl.Phys.40(2007) 1134
本発明の目的は、親水性に優れ、さらにその性能を長時間維持することを可能にした酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子を表面に具備する灰皿を提供することにある。
本発明の態様に係る灰皿は、酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子を表面に具備し、前記微粒子の平均粒径が1nm〜200nmの範囲であり、かつ微粒子のアスペクト比が1〜3.5の範囲であることを特徴としている。
一般的に金属酸化物は親水性で、酸化チタンや酸化タングステンも表面は親水性と考えられているが、従来知られている製法で作成した材料は大気中では短時間に親水性は低下し、通常の状態で長時間親水性を有する材料は得られていない。
本発明によれば、平均粒径が1nm〜200nmの範囲であり、かつ微粒子のアスペクト比が1〜3.5の範囲である酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を表面に具備させることにより親水性を示し、さらに暗所での親水性保持時間を大幅に延長し、高い防汚性能を有しているため、汚れがついた場合においても、汚れの除去が容易であり、また、その機械的強度や寿命を向上した表面を有する灰皿を提供するものである。
また、可視光照射下における光触媒性能に優れる酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子を用いた場合には、可視光照射下において、有機物分解性能を有するため、灰皿内の汚れや表面に付着したヤニなどを分解することができ、親水性を長期間維持して高い防汚性能を有する。また、可視光照射下において、優れた有機ガス分解性能に基づく防臭効果や、抗菌・除菌性能などの性能も有する高機能な灰皿を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の実施形態による灰皿は酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子を庫内表面に具備し、前記微粒子の平均粒径が1nm〜200nmの範囲であり、かつ微粒子のアスペクト比が1〜3.5の範囲であることを特徴とする。
本発明の実施形態による灰皿はその表面に酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子を具備することを特徴とする。本発明における灰皿を形成する材料は制限されないが、主な材料はガラス、セラミック、陶器、金属などの無機材料や合成樹脂材料などの耐熱性を有する材料であり、合成樹脂材料の場合は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンテトラフルオロエチレン系樹脂などが用いられる。灰皿は火災防止のために、内部に水をはって使用することが好ましい。
灰皿の表面において、酸化タングステン微粒子は単体で存在してもよいし、他の元素単体、あるいは他の元素の化合物と混合した形態、他の元素と複合酸化物などの化合物等を形成した形態で存在していてもよい。また、他の元素は単体、あるいは化合物の形態で酸化タングステンに担持されていてもよい。さらに、酸化タングステン単体と酸化タングステン複合材が混在した微粒子であってもよい。
本発明の実施形態による灰皿表面において、酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子は前記微粒子を具備した層において、0.1質量%〜95質量%の範囲で具備されていることが好ましい。0.1質量%未満の場合、酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子が有する親水性を充分発揮することができず好ましくない。5質量%以上の場合がより好ましい。また、95質量%を超える場合、表面の強度不足が生じるため好ましくない。
本発明の実施形態による灰皿表面において、酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子の平均粒径は1nm〜200nmの範囲であることを特徴とする。また、酸化タングステン粉末または酸化タングステン複合材の粉末のBET比表面積は4.1〜820m/gの範囲であることが好ましい。
ここで、粒径は、灰皿表面の形成に用いる微粒子、または灰皿表面に具備された微粒子を直接SEMやTEM等により評価し、写真の画像解析から求める。平均粒径とは、(長径+短径)/2で求めた2軸平均径を粒径として捉え、これらの平均粒径(D50)とし、n=50個以上の粒子の体積基準の積算径の平均粒径(D50)に基づいて求めるものとする。平均粒径(D50)は比表面積から換算した平均粒径と一致していてもよい。
優れた親水性を有する表面は、均一な状態であることが好ましく、一次粒子径が小さい、あるいは比表面積が大きい方が良い。したがって、酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子の一次粒子の平均粒径が200nmを超える場合やBET比表面積が4.1m/g未満の場合には、充分な特性が得られない。一方、酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子の一次粒子の平均粒径が1nm未満の場合やBET比表面積が820m/gを超える場合には、粒子が小さくなり過ぎて、粉末としての取扱い性が劣ることから実用性が低下する。また、分散性が低下するために、表面に均一に分散させることが困難となり、充分な親水性を発揮することができない。
また、光触媒粉末の性能は、一般に、比表面積が大きく、粒径が小さい方が高くなる。従って、本発明による酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子が光触媒性能を有する場合、一次粒子の平均粒径が200nmを超える場合や、BET比表面積が4.1m/g未満の場合には、微粒子の光触媒性能が低下するとともに、均一で安定な表面を形成することが困難になるため、充分な光触媒性能が得られない。また、酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子の一次粒子の平均粒径が小さすぎる場合も、微粒子の分散性が低下し、表面に均一に分散させることが困難になり、充分な光触媒性能が得にくい。
酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子の一次粒子の平均粒径は、2.7nm〜75nmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは5.5nm〜51nmの範囲である。BET比表面積は11m/g〜300m/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは16m/g〜150m/gの範囲である。
また本発明の実施形態による灰皿は、表面に具備する酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子の個々のアスペクト比が1〜3.5の範囲であることを特徴とする。アスペクト比は微粒子の(長径/短径)で求められる数値であり、微粒子の形状が球であれば1となる。アスペクト比が3.5を超える場合は、微粒子が細長い形状を有するために、表面層における微粒子の分散が不均一となり、親水性が低下する。アスペクト比は1〜2の範囲であることが好ましい。
本発明の実施形態の灰皿において、表面の酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を具備した層の厚さが2nm〜50μmの範囲であることが好ましい。
灰皿基材の表面に酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を具備した層を形成する方法は、リバース・グラビア方式蒸着やスパッタリングなどの物理的形成方法、ゾル・ゲル用溶剤や前記微粒子を分散した液を使用したスピンコート、ディップ、スプレーなどの一般的な塗布による方法、微粒子を具備する転写フィルムまたはシートを作製し、基材表面に転写法によってコーティングする方法、微粒子を具備するフィルムを貼り付ける方法、基材に練りこんだり、基材を形成する工程において同時に表面層を形成させるなど、既知の方法が適用できる。また基材の種類、形状によっても適した方法を選定する必要がある。
前記微粒子を具備した層の厚さが2nm未満であると、均一な層を形成することが困難である。一方、50μmを越えると、層にクラックが生じたり、基材に対する密着力が低下し剥離しやすくなる。微粒子を具備した層の厚さは4nm〜5μmの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは10nm〜1μmの範囲である。
本発明の実施形態の灰皿において、前記微粒子を具備する層は基材表面に無機系の下地層を介して形成されていることが好ましい。光照射の多いところで使用される灰皿は、酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子による酸化分解のために、基材の剥がれやチョーキングが発生する可能性がある。そのため、微粒子を具備する層と基材との間に下地層を形成することにより、耐久性を向上させることが可能となる。また、下地層によって、基材と微粒子を具備する層との密着性を向上させることもできる。下地層は、基材材質と微粒子を具備する層の両方に対して親和性の高いものが好ましく、その厚さは10〜200nmであることが好ましい。
下地層にはアクリル変性シリコン樹脂化合物、シリコン変性アクリル樹脂化合物などのシリコン変性樹脂、オルガノゾル中のシリカコロイド粒子をシラン処理しアクリルやシリコーンと反応させた樹脂などのコロイダルシリカ含有樹脂、アルコキシシラン類、アルコキシシラン類の縮合物(アルキルシリケート)などを混合したポリシロキサン含有樹脂などが用いられる。
下地層は一般的に上記樹脂化合物を含む溶液を塗布することにより形成する。溶液はトルエン、キシレン、ケトン、アルコールなどの溶媒に樹脂を分散させたものでも、水系のエマルションタイプでもよい。下地層の基材への塗布形成方法は特に制限されないが、刷毛塗り、スプレー塗布、スピンコート、ディップコート、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの各種の塗布方法を適用できる。
また、蒸着などによって形成した酸化ケイ素層または酸化アルミ層を使用することもできる。
本発明の実施形態による灰皿は、前記微粒子を具備する層の波長550nmによる光透過率が50%以上であることが好ましい。波長550nmによる光透過率が50%以上であることは層の透明性が高いことを意味し、灰皿がガラスなど透明基材基材である場合、その透明性を損なうことがなく、また透明でない場合も、基材の色を変化させることがない。光透過率が50%未満の場合、光の透過率が不十分であり、灰皿が透明な基材の場合、その透明性が低下したり、基材の色に影響を及ぼしてします。
本発明の実施形態による灰皿は、光によらず親水性を示すことが好ましい。光とは、蛍光灯、太陽光、白色LED、電球、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の一般照明や、青色LED、青色レーザ等を光源として照射される可視光や、紫外領域に波長を有する光など、光全般をいい、本発明の実施形態による灰皿の表面は、前記した光の種類、さらに光の照射の有無にかかわらず、親水性を示す。このような表面を有することにより、灰皿の表面の暗所における親水性保持時間を大幅に延長し、防汚性能を長時間維持することができる。また、粒子の結晶性が良いほど、暗所あるいは低照度の光照射下でも高い親水性を示すことができる。
本発明の実施形態の灰皿は、表面の結晶方位が配向していないことが好ましい。表面の結晶方位の配向状態はX線回折や後方散乱電子線回折を実施することにより確認できる。例えば、X線回折で2θが22〜25°の範囲に存在する存在するピークのうち、強度が最大の回折ピークをA、強度が2番目に大きい回折ピークをB、強度が3番目に大きい回折ピークをCとしたとき、下記の(1)〜(3)のパターンのいずれかを満たす場合、配向していない。ここで、ピーク強度の測定は、山の高い位置をピークとし、その高さの強度の値を読み取るものとする。また、肩がある場合もその強度の値を読み取りピークとする。
(1) ピークが3つ存在する場合
ピーク強度比B/Aが0.3以上でかつ、ピーク強度比C/Aが0.3以上
(2) ピークが2つ存在する場合
AとBの間の谷の最も低い強度を読み取り、Dとした時
ピーク強度比B/Aが0.3以上でかつ、B/2<D
(3) ピークが1つしか存在しない場合は
半値幅1°以上
なお、本発明の実施形態による灰皿の表面がアモルファス結晶構造を有する場合は、酸化タングステンあるいは酸化タングステン複合材の結晶性が低く、所望の特性を得ることができないため好ましくない。
酸化タングステンの代表的な結晶構造はReO3構造であることから、表面最外層に酸素を持つ反応活性が高い結晶面が露出しやすい。このため、水を吸着することにより高い親水性を発揮する。蒸着やスパッタリングやゾル・ゲル法で作成した酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を形成した場合では、前記微粒子の結晶がアモルファスになり、親水化しにくいが、熱処理により結晶性を向上させると親水性表面になる。しかし、熱処理温度を高くすると結晶が配向し同時に親水性が低下する。この理由は親水性を示しにくい結晶面が表面に多くなるためと考えられる。
これに対して、本実施形態による酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を用いて表面を形成すると、結晶性がよく、かつ、親水性を示す面が、任意な方向に向いた全体に均一に存在する状態を形成することができる。このため、他の製造方法よりも高い親水性をしめし、さらには、光によらず親水性を発現することが可能となる。
本発明の実施形態による灰皿の表面層は、前記した製造方法で形成することが可能であるが、表面層を形成した後に高温の熱処理を行う製法では、結晶方位が配向しやすくなり、親水性を向上することができない。このため熱処理時間、処理温度などの製造条件を適切に調整することが必要である。
なお、本発明の実施形態による灰皿の表面が酸化タングステン微粒子単体で形成されている場合、酸化タングステン微粒子は、微量の不純物として金属元素等を含有していてもよい。不純物元素としての金属元素の含有量は2質量%以下であることが好ましい。不純物金属元素としては、タングステン鉱石中に一般的に含まれる元素や原料として使用するタングステン化合物等を製造する際に混入する汚染元素等があり、例えばFe、Mo、Mn、Cu、Ti、Al、Ca、Ni、Cr、Mg等が挙げられる。これらの元素は光触媒性能に対して効果的に働く場合もあるため、必要に応じて含有率を制御する。
本発明の実施形態による灰皿は、前記微粒子を具備する表面層において遷移金属元素を0.01質量%〜50質量%の範囲で具備することが好ましい。遷移金属元素とは原子番号21〜29、39〜47、57〜79、89〜109の元素である。遷移金属元素を0.01質量%〜50質量%の範囲で具備することにより、その性能をより向上させることができる。
遷移金属元素は、単体、酸化物、複合酸化物、または化合物等いずれの形態で存在していてもよく、また、酸化タングステンと複合酸化物や化合物を形成したり、酸化タングステンに担持されていてもよい。遷移金属元素の含有量が50質量%を超えると、酸化タングステンが有する特性が低下するおそれがある。遷移金属元素の含有量は0.05質量%〜10質量%とすることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量%〜5質量%である。
本発明の実施形態による灰皿は、前記微粒子を具備する表面層において、TiOを0.01質量%〜50質量%の範囲で具備していてもよい。TiOを具備することにより、太陽光などの紫外線を含む光が照射される環境において、さらに性能を向上させることが可能となる。TiOが0.01質量%未満の場合は、TiOの効果を発揮することができない。また、50質量%を超える場合は、相対的に酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子の量が減少するため、暗所における親水性を向上させることができない。
また、本発明の実施形態による灰皿において、前記微粒子を具備する表面層が、TiOを具備する層の上に形成されていてもよい。このような構成とすることにより、酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材とTiOを含む塗料などを調整することなく、容易に膜を形成することができ、さらに暗所における親水性を向上させることが可能となる。
また、本発明の実施形態による灰皿は、前記微粒子を具備する表面層が0.001質量%〜1質量%の範囲で、Cu、Zn、Agより選ばれる少なくとも1種の元素を具備してもよい。これらの元素を添加することにより、抗菌性能を付与した多機能な灰皿を提供することが可能となる。
上記した、遷移金属元素や、Cu、Zn、Agの含有形態は、金属、酸化物、複合酸化物、化合物等であり、部材の表面に混合されていてもよいし、酸化タングステン微粒子または酸化タングステン複合材の微粒子に担持させてもよい。また酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材と化合物を形成していてもよい。Cu、Zn、Agの含有量が0.001質量%未満の場合、これらの有する性能を充分発揮することができない。また、1質量%を超えて含有しても、その性能を効果的に向上させることは困難であり、コストを向上させてしまうため、好ましくない。0.01質量%〜0.1質量%の範囲が効果的でコストも抑えることができ、望ましい。
また、本発明の実施形態による灰皿において、前記微粒子を具備する表面が、無機バインダまたは/および有機バインダを具備していてもよい。本発明の実施形態による灰皿の表面が、無機バインダまたは/および有機バインダを具備することにより、表面層の強度、硬さ、基材への密着力などを所望する特性に調整することが可能となる。
無機バインダとしては、例えば、アルキルシリケート、ハロゲン化ケイ素およびこれらの部分か水分解物などの加水分解性ケイ素化合物を分解して得られた生成物、有機ポリシロキサン化合物とその重縮合物、シリカ、コロイダルシリカ、水ガラス、ケイ素化合物、リン酸亜鉛などのリン酸塩、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物、重リン酸塩、
セメント、石膏、石灰、ほうろう用フリット等が用いられる。また、有機バインダとして
は、例えば、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂等が用いられる。バインダの種類は使用する基材の材質や目的とする特性に応じて適宜選択される。
また、前記微粒子を具備する表面層にはSiO、Al、ZrOより選ばれる少なくとも1種を表面に具備していてもよく、5質量%〜99.9質量%の範囲で含有することが好ましい。これらの成分は、親水性を示し、特にSiOは高い親水性を示す。しかし、酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子が光触媒性能を持つ場合、この有機物分解の効果により部材の表面の清浄化が図れるため、長期間親水性を維持するためには、これらの成分は、10質量%〜50質量%の範囲であることが好ましい。
一方、特にSiOついては、透明性の面から考えると10質量%〜80質量%の範囲で具備していてもよい。灰皿がガラスなどの透明基材である場合においては、特に表面層の透明性が要求されるため、表面層の屈折率を基材に近くすることが望ましい。酸化タングステンは比較的屈折率が高く、低屈折率のSiOを混合することにより表面層の屈折率を下げ、ガラスの透明性を低下することがない。10質量%以下では屈折率低減の効果が少なく、80質量%以上では表面層の強度確保が困難になる。さらにSiO粉自体も親水性なので、親水性の保持時間の改善につながる。
本発明の実施形態による灰皿は、可視光照射下において光触媒性能を有しても良い。一般に、可視光とは380nmから830nmの領域の光であり、白色蛍光灯、太陽光、白色LED、電球、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の一般照明や、青色LED、青色レーザ等を光源として照射される光である。光触媒性能とは、光を吸収して光子一個に対し一対の子と正孔が励起され、励起された電子と正孔が表面にある水酸基や酸を酸化還元により活性化し、その活性化により発生した活性酸素種が有機物等を酸化分解したり、親水性や防汚性能、消臭効果、抗菌・除菌性能等を発揮する作用である。本発明の実施形態による灰皿は、通常の屋内環境において光触媒性能を発揮する。
本実施形態による灰皿の光触媒性能、すなわち、有機物の分解性能の評価は、例えば、膜にオレイン酸を塗布し、可視光照射を行い、水の接触角の時間変化を測定することにより行う。光触媒性能を有する場合、塗布直後、大きな接触角であっても、オレイン酸を分解することにより接触角することにより接触角が低下し、やがて親水性を示す。
本発明の実施形態による灰皿表面が光触媒性能を有するためには、光触媒性能を有する酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を使用することにより得ることができ、例えば、酸化タングステンが単斜晶および三斜晶から選ばれる少なくとも1種(単斜晶、三斜晶、または単斜晶と三斜晶との混晶)、あるいはそれに斜方晶を混在させた結晶構造を有する三酸化タングステン粉末であると、高い光触媒性能が得られる。さらに、三酸化タングステン粉末の結晶構造が、単斜晶と三斜晶との混晶、あるいは単斜晶と三斜晶と斜方晶の混晶であるとより高い光触媒性能が得られる。
上記したような酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材が光触媒性能を有する場合、その結晶構造が重要であるため、表面層を形成するための塗布液を製造する際、微粒子の分散処理工程で微粒子に歪を与えすぎないような条件を設定する必要がある。
また、遷移金属元素を、単体、酸化物、複合酸化物、または化合物などの形態で具備することにより光触媒性能を得ることもできる。遷移金属元素の単体または化合物は、酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子に対して混合されていてもよいし、担持されていてもよいし、複合酸化物などの化合物を形成していてもよい。
ここで、本発明の実施形態による灰皿は、その表面の基準長さ100μmとした算術平均表面粗さRaが1nm〜1000nmであることが好ましい。Raは、JIS B 0601(2001)で定義される、算術平均粗さRa値であり、表面形状測定装置、走査型プローブ顕微鏡や電子顕微鏡を用いて観察、測定した断面曲線から計算することができる。
高い親水性能を得るためには、表面が滑らかであることが好ましいが、親水性能の保持時間を長くするためには、表面が僅かに凹凸があることが必要で、表面粗さRaは1nm以上が好ましい。一方、基準長さ100μmとした時の算術平均表面粗さRaが1000nmを超える場合は、膜の表面が粗いため、本来の親水性の効果である防曇、汚れ防止の意味が無くなる。Raが1000nmを超えると表面が白濁し、また凹凸のため汚れやすく、水による汚れ除去もしにくくなる。
また、酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の粗大粒子が存在するなど、不均一に存在している場合もRaを大きくする要因であり、この場合、酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の活性が損なわれるため、親水性能を低下させてしまう。さらに、著しくRaが大きい場合は、親水性の評価法である接触角の測定そのものが困難である。本発明の実施形態による部材の表面が有する基準長さ100μmとした時の算術平均表面粗さRaは、好ましくは2nm〜100nmである。
また、本発明の実施形態による灰皿の表面は、長さ100μmとした時の輪郭曲線要素の平均長さRSmがRaの2倍以上であることが好ましい。前述のRaに対してRSmがこの範囲であると、表面が滑らかであるため高い親水性を発揮することができる。Raの2倍未満の場合は、凹凸が大きく好ましくない。
本発明の実施形態による部材の表面の輪郭曲線要素の平均長さRSmは、より好ましくは3倍以上の範囲である。
本発明の実施形態による灰皿もおいて、前記微粒子を具備した表面は、フィルムで形成されていてもよい。フィルムとは、薄膜状の部材全般をいう。フィルムを形成する材料は制限されないが、主な材料は合成樹脂材料であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンテトラフルオロエチレン系樹脂などが用いられる。またケイ酸などで形成した無機材料でもよい。フィルムの厚さは10μm〜250μmであることが好ましい。
本発明の実施形態の灰皿において、表面の酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を具備した層がフィルムで形成されている場合、層の厚さが2nm〜50μmの範囲であることが好ましい。
フィルムの表面に酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を具備した層を形成する方法は、リバース・グラビア方式蒸着やスパッタリングなどの物理的形成方法、ゾル・ゲル用溶剤や前記微粒子を分散した液を使用したスピンコート、ディップ、スプレーなどの一般的な塗布による方法、微粒子を具備する転写フィルムまたはシートを作製し、基材表面に転写法によってコーティングする方法、基材に練りこんだり、基材を形成する工程において同時に表面層を形成させるなど、既知の方法が適用できる。また基材の種類、形状によっても適した方法を選定する必要がある。
本発明の実施形態による灰皿の表面をフィルムで形成する場合、前記微粒子を具備した層を有する面の反対側の面に粘着剤層を具備することが好ましい。粘着剤層を具備することによって、基材の表面にフィルムを容易に貼り付けることが可能となり、基材の特性や形状の制限されることなく親水性を付与することができる。
粘着剤層の材質は適宜選択ができるが、アクリル樹脂、アクリル変性シリコン樹脂化合物またはシリコン変性アクリル樹脂化合物を主要成分として含むものが好ましく、シリコン変性樹脂、コロイダルシリカ、エタノールやプロパノールなどのアルコール類、水を含有する材料などが適用できる。粘着剤層の厚さは特に限定されないが、0.2μm以上が好ましい。粘着剤層を形成する方法は特に限定されないが、例えば、刷毛塗り、スプレー塗布、スピンコート、ディップコート、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの各種の塗布方法が適用できる。
上述した本発明の実施形態による灰皿が具備する酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子は、例えば以下のようにして作製される。酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子は昇華工程を適用して作製される。また、昇華工程に熱処理工程を組合せることも有効である。昇華工程もしくは昇華工程と熱処理工程との組合せを適用して作製した酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子によれば、上述した平均粒径(D50)や結晶構造を安定して実現することができる。さらに、平均粒径(D50)とBET比表面積から換算した値が近似し、粒径ばらつきが小さい粉末とができる。
昇華工程の原料には金属タングステンあるいはタングステン化合物の粒子や成形品、またはタングステン化合物の溶液などを使用することができる。
昇華工程でタングステン原料を酸素雰囲気中で昇華させる方法としては、誘導結合型プラズマ処理、アーク放電処理、レーザ処理、電子線処理、およびガスバーナー処理から選ばれる少なくとも1種の処理が挙げられる。これらのうち、レーザ処理や電子線処理ではレーザまたは電子線を照射して昇華工程を行う。レーザや電子線は照射スポット径が小さいため、一度に大量の原料を処理するためには時間がかかるものの、原料粉の粒径や供給量の安定性を厳しく制御する必要がないという長所がある。
誘導結合型プラズマ処理やアーク放電処理は、プラズマやアーク放電の発生領域の調整が必要であるものの、一度に大量の原料粉を酸素雰囲気中で酸化反応させることができる。また、一度に処理できる原料の量を制御することができる。ガスバーナー処理は動力費が比較的安いものの、原料粉や原料溶液を多量に処理することが難しい。このため、ガスバーナー処理は生産性の点で劣るものである。なお、ガスバーナー処理は昇華させるのに十分なエネルギーを有するものであればよく、特に限定されるものではない。プロパンガスバーナーやアセチレンガスバーナー等が用いられる。
一方、本発明の実施形態における酸化タングステン複合材は、上記したような製造方法により作製された酸化タングステン微粒子と、他の元素単体、あるういは他の元素の化合物と混合した形態、または担持した形態、他の元素と複合酸化物などの化合物等を形成した形態で存在したものである。上記した製造方法において、酸化タングステンを他の元素と同時に処理を行うことで、酸化タングステンと他の元素との複合酸化物などの化合物を形成した複合材の微粒子を形成することができる。
前記微粒子を具備する表面層を塗布によって形成する場合、前記微粒子と溶媒とを混ぜて、超音波分散機、湿式ジェットミル、ビーズミル等の分散処理を行った液を用いる。酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子が光触媒性能を有する場合、分散処理で微粒子に歪を与えすぎないような分散処理条件を設定する必要がある。
また、この実施形態の酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子はpH1〜7の水溶液中でのゼータ電位がマイナスであるために分散性に優れるため、基材に薄くむらなく塗布することができ、均一な表面層を形成することが可能となる。
本発明の実施形態による灰皿は、高い親水性にもとづき高い防汚性能を有し、さらにその性能を長時間維持することができる。またそのような表面は高い透過率を有するため、灰皿が透明基材で形成されている場合、その透明性を損なうことがない。また透明基材でない場合も、素材の色に影響を及ぼすことがない。また、光触媒性能に優れる酸化タングステン粉末、あるいは酸化タングステン複合材の微粒子を用いた場合には、優れた有機物およびガス分解性能や親水性、防汚性能、抗菌・除菌性能などの光触媒性能を有する灰皿を提供することが可能となる。
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、原料粉末として平均粒径が0.5μmの酸化タングステン粉末を用意した。この原料粉末をキャリアガス(Ar)と共にRFプラズマに噴霧し、さらに反応ガスとしてアルゴンを40L/min、酸素を40L/minの流量で流した。このようにして、原料粉末を昇華させながら酸化反応させる昇華工程を経て、酸化タングステン粉末を作製した。さらに、酸化タングステン粉末を大気中にて400℃×2hの条件下で熱処理した。
得られた酸化タングステン微粒子をn−ブタノールを用い、バインダとして酸化タングステンに対して20重量%のエチルシリケート(コルコート製 SSC−1)を加え、分散処理を行い、光触媒塗料(濃度5%)を作成した。この塗料をA4サイズのガラスにバーコーターで約10μmの厚さに塗布し、120℃で30min乾燥させることにより、塗布したガラスを作製した。
得られたガラス上の酸化タングステン微粒子を具備した層の評価を行い、微粒子の長径、短径、一次粒子の平均粒径(D50)を測定した。平均粒径はTEM写真の画像解析によって測定した。TEM観察には日立製作所製H−7100FAを使用し、拡大写真を画像解析にかけて粒子50個以上を抽出し、体積基準の積算径を求めてD50を算出した。また、塗料作製前の微粒子について、マウンテック製比表面積測定装置Macsorb1201を用いてBET比表面積の測定も行った。前処理は窒素中にて200℃×20分の条件で実施した。平均粒径、アスペクト比、酸化タングステン微粒子を具備した層の厚さ、比表面積から換算した平均粒径の結果を表1に示す。
次に、得られた膜についてアルバアック製表面形状測定装置Dektak 6Mを用いて、基準長さを100μmとして、算術平均表面粗さRa、RSmを測定した。また、X線回折は、日本電子製X線回折装置JDX−3500を用いて、結晶方位の配向性を確認した。測定の結果、表面粗さRaが35nm、RSmが190nmと平滑で、結晶方位は配向していないことを確認した。
さらに、波長550nmの光を照射した時の透過率について、島津製作所製UV−Vis分光光度計UV−2550を用いて測定した。この結果、透過率は、70%であった。
次に、作製した表面層の親水性の評価を行った。
上述した表面層について、0.4mgの水滴に対する接触角を接触角計(協和界面科学社製「CA−D」)を用いて、時間経過毎の接触角を測定し、親水性の評価を行った。時間経過は、表面層作成直後、通常の実験室内の環境化の暗所に3日間保管した後、さらに暗所に1ヶ月保管した後に測定した。また、暗所に1ヶ月保管した後の膜に可視光を1h照射し、その後の接触角の測定も行った。光源に白色蛍光灯(東芝ライテック製、FL20SS・W/18)を使用し、紫外線カットフィルタ(日東樹脂工業製、クラレックスN−169)を用いて、380nm未満の波長の光をカットした。照度は1500lxに調整した。評価結果を表1に示す。
親水性の定義は明確ではないが、接触角が30°以下で親水性といわれていることが多い。特に接触角が10°以下の場合、高い親水性を示すと言う。この試料は、暗所で長期間親水性を維持していることを確認した。
さらに光触媒の有機物分解による親水性効果を確認するため、得られた表面層上にJIS R 1703−1(2007)に示されている方法でオレイン酸を塗布し、1500lxの可視光を照射した時の水の接触角の推移を評価した。なお、光源については、上記と同様のものを使用した。24h、48h、72h後の評価結果を表1に示す。また、比較のためにブラックライト(東芝ライテック社製、FL20S・BLB・JET20W)を用いて紫外線0.5mW/cmを72h照射した後の接触角について評価した。可視光照射により充分な親水性は示さなかったが、時間とともに水の接触角が低下しており、オレイン酸が分解されていたが、効果は小さかった。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(実施例2〜3)
原料として密度4.5g/cmの酸化タングステン粉末のペレットを用意した。これを反応容器に設置し、酸素10L/minの流量で流しながら圧力を3.5kPaに保持しつつ、COレーザを照射した。レーザ処理により作製した酸化タングステン粉末を大気中にて700℃、0.5hの条件下で熱処理し、実施例2の微粒子を得た。また、実施例1と同様の昇華工程を経て酸化タングステン粉末を作製した。得られた酸化タングステン粉末を大気中にて900℃、1.5hの条件下で熱処理し、実施例3の微粒子を得た。これらの微粒子について、実施例1と同様にしてガラス上に前記微粒子を具備する層を作製し、平均粒径、アスペクト比、層の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた表面層について、実施例1と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。実施例2、実施例3いずれも配向はなく、光透過率は、70%であった。
この結果、暗所で接触角10°以下を示し、暗所で長期間親水性を維持していることを確認した。また、オレイン酸の分解はされていたが、効果は小さかった。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(比較例1)
実施例1と同様の昇華工程を経て酸化タングステン粉末を作製した。得られた酸化タングステン粉末を大気中にて1000℃、0.5hの条件下で熱処理し、比較例1の微粒子を得た。これらの微粒子について、実施例1と同様にしてガラス上に微粒子を具備する層を作製し、平均粒径、アスペクト比、層の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた表面層について、実施例1と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。配向はなかったが、光透過率は、30%であった。
この結果、暗所で接触角10°以上を示し、暗所では接触角が増加することを確認した。また、オレイン酸の分解は非常に遅かった。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の透明性が低下した。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後には外表面、内部ともにヤニ汚れが付着し、容易に落とすことができなかった。また、このためヤニ臭も付着していた。
(実施例4)
実施例2で得られた微粒子について、実施例1と同様にしてガラス上に厚さ55μmの微粒子を具備する層を作製した。この結果、実施例2と同等の親水性を示したが、部分的に表面膜にひび割れが発生し、ガラスの生産性や取扱い性に問題が生じた。また、透過率が40%と低く、基材の透明性を低下させた。
(実施例5)
実施例2で得られた微粒子について、実施例1と同様に光触媒塗料を作製した。A4サイズのガラスにポリシロキサン塗料(JSR製グラスカ)を下地層として塗布した後、バーコーターで0.3μmの厚さに塗料を塗布し、120℃で30min乾燥させることにより、塗布したガラスを作製した。
この結果、親水性については、実施例2と同等の結果となった。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(実施例6)
実施例1と同様の昇華工程を経て酸化タングステン粉末を作製した。得られた酸化タングステン粉末を大気中にて500℃、2hの条件下で熱処理し、実施例6の微粒子を得た。この微粒子について、実施例1と同様にしてガラスPETフィルム上に0.3μmの厚さの層を形成し、平均粒径、アスペクト比、層フィルムの厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた表面層について、実施例1と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。配向はなく、光透過率は、80%以上であった。
この結果、暗所で接触角10°以下を示し、暗所で長期間高い親水性を維持していることを確認した。また、オレイン酸分解され、72h光照射後には高い親水性を示した。実施例1〜3よりも暗所でも高い親水性を示し、さらに高い光触媒効果が得られたのは、製造条件の最適化により結晶性が向上したためと考えられる。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(実施例7)
プラズマに投入する原料として、FeやMo等の含有量が多い酸化タングステン粉末を用いた以外、実施例3と同様の昇華工程と熱処理工程を実施し、Feを300ppm含有した酸化タングステン複合材粉末を作製した。得られた酸化タングステン複合材粉末について、実施例6と同様にしてガラス上に0.3μmの厚さの層を作製し、平均粒径、アスペクト比、層の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた表面層について、実施例6と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。配向はなく、光透過率は、80%以上であった。また、実施例6同様、暗所でも高い親水性を示し、さらに高い光触媒効果が確認された。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(実施例8)
実施例6で得られた酸化タングステン微粒子にTiO粉末を10質量%混合した。このようにして得た酸化タングステン複合材粉末について、実施例6と同様にしてガラス上に0.3μmの厚さの層を形成し、平均粒径、アスペクト比、層の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた表面層について、実施例6と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。配向はなく、光透過率は、80%以上であった。また、実施例6同様、暗所でも高い親水性を示し、さらに高い光触媒効果が確認された。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(実施例9)
ガラス上にTiO層を形成した後、実施例6で得られた塗料を0.3μmの厚さの層を形成し、平均粒径、アスペクト比、層の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた表面層について、実施例6と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。配向はなく、光透過率は、80%以上であった。また、実施例6同様、暗所でも高い親水性を示し、さらに高い光触媒効果が確認された。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(実施例10)
実施例6で得られた酸化タングステン微粒子に酸化銅(CuO)粉末を1質量%混合した。このようにして得た酸化タングステン複合材粉末について、実施例6と同様にしてガラス上に0.3μmの厚さの層を形成し、平均粒径、アスペクト比、層の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた表面層について、実施例6と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。配向はなく、光透過率は、80%以上であった。また、実施例6同様、暗所でも高い親水性を示し、さらに高い光触媒効果が確認された。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(実施例11)
実施例6で得られた酸化タングステン微粒子塗料に、コロイダルシリカを30質量
%を添加して塗料を作成した。このようにして得た酸化タングステン複合材塗料について、実施例6と同様にしてガラス上に0.3μmの厚さの層を作製し、平均粒径、アスペクト比、層の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた表面層について、実施例6と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。配向はなく、光透過率は、80%以上であった。また、実施例6同様、暗所でも高い親水性を示し、さらに高い光触媒効果が確認された。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(実施例12)
実施例6で得られた酸化タングステン微粒子塗料に、硝酸銀をAgで0.002質量
%を添加し、光還元処理を行った後、ガラス上に0.3μmの厚さの層を作製した。平均粒径、アスペクト比、層の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた表面層について、実施例6と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。配向はなく、光透過率は、80%以上であった。また、実施例6同様、暗所でも高い親水性を示し、さらに高い光触媒効果が確認された。
また、暗所、光照射を問わずに抗菌性も有することが確認された。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(実施例13)
実施例2で得られた微粒子について、実施例1と同様に光触媒塗料を作製した。A4サイズのPETフィルムにポリシロキサン塗料(JSR製グラスカ)を下地層として塗布した後、バーコーターで約10μmの厚さに塗料を塗布し、120℃で30min乾燥させることにより、塗布したフィルムを作製した。さらにフィルムの塗料を塗布した面と反対の面には、粘着剤を塗布した。このフィルムをガラスに張りつけて評価を行った。
この結果、親水性については、実施例2と同等の結果となった。また、フィルムが粘着層を有しているため、ガラス基材に容易に貼付することができた。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の色に影響はなかった。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後においても外表面、内部ともに汚れが簡単な水洗いで落とすができ、ヤニの付着がなかった。またヤニ臭の付着もなく、防臭効果も確認された。
(比較例2)
スパッタ法を用いて、ガラス上に、厚さ0.1μmの酸化タングステン膜を形成し、平均粒径、アスペクト比、酸化タングステン膜の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた膜について、実施例1と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。配向性の評価の結果、膜は三斜晶が配向した結晶構造であった。光透過率は、50%であった。膜が配向しているため膜作成直後および暗所保管後の親水性が低かった。一方、可視光を照射することにより接触角の低下が見られたが、親水性は不十分な結果であった。また、オレイン酸の分解能力は低かった。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、灰皿の透明性が低下した。この灰皿に水を入れて、1ヶ月通常使用したところ、1ヶ月後には外表面、内部ともにヤニ汚れが付着し、容易に落とすことができなかった。また、このためヤニ臭も付着していた。
(比較例3)
ガラス上にコロイダルシリカを用いて厚さ0.5μmのSiO膜を形成し、平均粒径、アスペクト比、膜の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた表面層について、実施例1と同様にして親水性を評価した。評価結果を表1に示す。
膜形成直後は、高い親水性を示したが、暗所保管中に雰囲気の汚れを吸着し、親水性が低下した。また、光照射による変化は見られなかった。当然のことながら、オレイン酸の分解性能もなかった。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布し、水を入れて1ヶ月通常使用したところ、初期は汚れがつきにくく、水洗いで容易に汚れを落とすことが可能であったが、徐々にヤニ汚れが付着し始め、1ヶ月後には外表面、内部ともにヤニ汚れが付着し、容易に落とすことができなかった。また、このためヤニ臭も付着していた。
(比較例4)
ガラス上にポリシロキサンシ樹脂をバインダとしたアナターゼ型チタニアゾル塗料を用いて、厚さ0.3μmの膜を形成し、平均粒径、アスペクト比、膜の厚さの確認を行った。測定結果を表1に記載した。得られた膜について、実施例1と同様にして親水性を評価した。ただし、暗所1ヶ月後の試料の可視光照射後の接触角は変化がなかったため、紫外線照射後の測定結果を表1に示す。
また、オレイン酸分解試験の結果も表1に示す。
この結果、膜形成直後は低いながらも親水の傾向が見られたが、暗所保管中に雰囲気の汚れを吸着し、親水性が低下した。また、紫外線照射後には接触角が低下する傾向があり、光照射による効果が見られた。また、オレイン酸の分解試験でも紫外線照射下のみ親水性が発現した。
さらに、本試料を上記実施例と同様の方法にて、ガラス製灰皿表面に塗布したところ、初期は汚れがつきにくく、水洗いで容易に汚れを落とすことが可能であったが、徐々にヤニ汚れが付着し始め、1ヶ月後には外表面、内部ともにヤニ汚れが付着し、容易に落とすことができなかった。また、このためヤニ臭も付着していた。また、紫外線を照射すると、親水性が回復し、汚れが落ち易くなった。
Figure 2010098948
さらに、実施例6で作成した表面層について、黄色ブドウ球菌、大腸菌やカビを用いて抗菌性の評価を行ったところ、いずれも優れた抗菌性を示すことが確認された。本実施例の灰皿は均一で透明な膜が得られるため、灰皿表面に形成した際に視覚的に色ムラ等の問題が生じにくく、灰皿に好適に用いられる。

Claims (11)

  1. 灰皿において、表面に酸化タングステンまたは酸化タングステンの複合材の微粒子を具備し、前記微粒子の平均粒径が1nm〜200nmの範囲であり、かつ、微粒子のアスペクト比が1〜3.5の範囲であることを特徴とする灰皿。
  2. 請求項1記載の灰皿において、前記微粒子を具備した層の厚さが2nm〜50μmの範囲であることを特徴とする灰皿。
  3. 請求項1または請求項2に記載の灰皿において、前記微粒子を具備した層が無機系の下地層の上に形成されていることを特徴とする灰皿。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の灰皿において、前記微粒子を具備した層の波長550nmによる光透過率が50%以上であることを特徴とする灰皿。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の灰皿において、前記微粒子を具備した表面が0.01質量%〜50質量%の範囲で遷移金属元素を具備していることを特徴とする灰皿。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の灰皿において、前記微粒子を具備した表面が0.01質量%〜50質量%の範囲でTiOを具備していることを特徴とする灰皿。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の灰皿において、前記酸化タングステンまたは酸化タングステン複合材の微粒子を具備する表面層が、TiOを具備する層の上に形成されていることを特徴とする灰皿。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の灰皿において、前記微粒子を具備する表面層が0.001質量%〜1質量%の範囲で、Cu、Zn、Agより選ばれる少なくとも1種の元素を具備していることを特徴とする灰皿
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の灰皿において、前記微粒子を具備する表面がSiO、Al、ZrOより選ばれる少なくとも1種を具備することを特徴とする灰皿。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載の灰皿において、可視光照射下において光触媒性能を有することを特徴とする灰皿。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれか1項記載の灰皿、前記微粒子を具備した表面がフィルムで形成されていることを特徴とする灰皿。
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