JP2010098734A - マルチキャリア信号処理方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチキャリア信号処理方法およびその装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る方法は、処理対象の信号において振幅値が所定の比較閾値より高く、且つまだピークキャンセルされていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、前記比較閾値以下である所定の目標閾値に基づいて、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行うステップAと、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行った結果を用いて、前記処理対象の信号を更新し、更新された処理対象の信号においてまだピークキャンセルされていないサンプリング点が存在する場合、前記ステップAに戻るステップBとを含む。本発明によれば、PAPR抑圧性能を効果的に向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)システムにおける非線形のピーク抑圧技術に関し、特にピークキャンセルのためのOFDMマルチキャリア信号処理方法およびその装置に関する。
OFDMシステムにおいて、通常、周波数領域内で所定のチャネルを若干の独立したサブチャネルに分割し、各サブチャネルごとに1つのサブキャリアを用いて変調を行い、且つ、各サブキャリアを並列に伝送する。これら一連のサブチャネル信号が時間領域で足し合わされ、マルチキャリア信号を形成する。このように、ある時刻に比較的大きなピークパルスが現れることになり、ピーク電力対平均電力比(PAPR:Peak‐to‐average‐power ratio)、即ち、信号の最大ピーク電力と平均電力との比が比較的大きくなることが容易になる。しかし、従来の電力増幅器では比較的広い周波数範囲の信号に対して線形的増幅を行うことができないため、比較的高いPAPRを有する信号が電力増幅器を通過する場合、大きなスペクトラムの拡散および帯域内の歪みを生じて、サブチャネル間の相互干渉を引き起こし、これによりOFDMシステムの性能に影響を及ぼす。
PAPRを低減するために、通常、アンテナを介して送信処理を実行する前に、非線形のピーク抑圧技術を用いて、処理対象のマルチキャリア信号に対して反復クリッピングフィルタリング処理またはピークキャンセル処理を行う。ここで、反復クリッピングフィルタリング処理のポイントは、閾値を予め設定し、反復の方式で時間領域のOFDM信号において振幅値が該閾値より高い信号点を直接に除去し、除去前の該信号点の位相を保持するが、振幅値が該閾値以下である信号点を直接に出力する、ということである。しかし、反復クリッピングフィルタリング処理は、ある程度の信号歪み、帯域外輻射および隣接チャネル干渉を引き起こす。そして、反復回数の増加に従って、反復クリッピングフィルタリング処理の複雑度が急速に高くなるため、スペクトル性能の向上および複雑度の低減の観点から、ピークキャンセル処理がよりよい選択となる。
図1は従来のピークキャンセル処理方法のフローチャートを示す。図1を参照すると、該方法は下記のステップを含む。
ステップ101で、処理対象の信号である時間領域のOFDM信号における各サンプリング点のクリッピング比を算出して、クリッピング系列を生成する。
本ステップでは、時間領域のOFDM信号がS=[s(0),s(1),…,s(n),…,s(JN−1)]であるとする。ここで、Jはオーバーサンプリング倍数であり、Nはサブキャリア数であり、nは閉区間[0,JN−1]内の整数である。サンプリング点s(n)に対応するクリッピング比は、下記の通りである。
Figure 2010098734
ここで、Aはサンプリング点s(n)のクリッピング比であり、|s(n)|はs(n)の振幅値であり、Thは所定の目標閾値である。
その後、すべてのサンプリング点のクリッピング比でクリッピング系列A=[A,A,…,A,…,AJN−1を構成する。
ステップ102で、クリッピング系列および所定のキャンセル関数を用いて、キャンセル信号を生成する。
ここで、キャンセル関数g(n)は周波数領域で有限の帯域幅を有し、そして、下記の数式2によってキャンセル信号k(n)を得る。
Figure 2010098734
ステップ103で、時間領域のOFDM信号をキャンセル信号に合成して、ピークキャンセルを完成する。
ピークキャンセルして得られた時間領域信号は
Figure 2010098734
である。
ここまで、ピークキャンセルプロセスを終了する。
仮に、目標閾値Thは1デシベル(dB)であり、その対応の振幅値は10Th/20=1.12であり、用いられたキャンセル関数は、長さが3である矩形窓で切り出されたsinc関数であり、その関数の時間領域の表現式はg(n)={1,0.64,0,0,0,0,0.64}であり、オーバーサンプリング因子Jは2であることを仮定する。
時間領域のOFDM信号がs=[−1.30,−1.34,−1.17,−0.52,−0.53,0.41,−1.45,0.55]である場合、平均電力は1になり、ピーク電力は2.1025になり、
Figure 2010098734
になる。
上記のピークキャンセル処理方法によれば、まず、数式
Figure 2010098734
によって信号sにおける各サンプリング点に対応するクリッピング比を算出して、クリッピング系列A=[0.18,0.22,0.05,0,0,0,0.33,0]を得る。そして、このクリッピング系列と上記のキャンセル関数g(n)との循環畳み込みを行って、キャンセル信号
Figure 2010098734
を得る。その後、得られたキャンセル信号を信号sに合成して、ピークキャンセルされた時間領域信号
Figure 2010098734
を得る。この時のPAPR値は2.39dBになり、元の信号sのPAPR値の3.23dBに比べて低減される。
上記のピークキャンセル処理方法では、各サンプリング点のいずれに対しても、対応のクリッピング比を算出して、算出されたクリッピング比およびキャンセル関数に基づいてキャンセル信号が決定される。しかし、キャンセル関数g(n)は、時間領域のマルチポイント信号を表すものであるため、サンプリング点に対応するピークを目標閾値までキャンセルするだけでなく、該サンプリング点周辺のほかのサンプリング点の振幅値にも影響を与え、即ち、マルチポイント時間領域干渉を引き起こす。該干渉を干渉されたサンプリング点の信号に合成した後、振幅値が増大する可能性があるため、振幅値の高い点が新たに現れ、即ち、ピーク再成長(peak regrowth)が現れることにつながる。例えば、上記の時間領域のOFDM信号sにおける最後のサンプリング点s(7)=0.55であるが、該サンプリング点に対しピークキャンセルを行って、
Figure 2010098734
を得、その振幅値はピークキャンセル処理のせいで増大してしまう。
また、目標閾値が小さいほど、ピークキャンセルプロセスで生じたマルチポイント干渉は多くなり、ピーク再成長の確率は高くなる。この時、再成長のピークが該サンプリング点の元の振幅値より高いことが可能になるため、ピークキャンセル処理はPAPRの低減を本当に実現しておらず、PAPR抑圧性能の劣化につながる。
本発明はPAPR抑圧性能を向上できるマルチキャリア信号処理方法を提供している。
本発明に係るマルチキャリア信号処理方法は、処理対象の信号において振幅値が所定の比較閾値より高く、且つまだピークキャンセルされていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、前記比較閾値以下である所定の目標閾値に基づいて、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行うステップAと、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行った結果を用いて、前記処理対象の信号を更新し、更新された処理対象の信号においてまだピークキャンセルされていないサンプリング点が存在する場合、前記ステップAに戻るステップBと、を含む。
好ましくは、該方法は、前記所定の比較閾値から現時点の比較閾値を選択することをさらに含み、ステップAに記載の処理対象の信号において振幅値が所定の比較閾値より高く、且つまだピークキャンセルされていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、所定の目標閾値に基づいて、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行うことは、前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、前記対象サンプリング点の振幅値が前記現時点の比較閾値より大きい場合、前記目標閾値および所定のキャンセル関数に基づいて前記対象サンプリング点に対するキャンセル信号を算出し、前記対象サンプリング点に対するキャンセル信号を前記処理対象の信号に合成して、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行った結果を得ることを含む。
ここで、前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とすることは、前記処理対象の信号における各サンプリング点から、サンプリング点の並び順または前記並び順と逆の順序で、現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを選択して、対象サンプリング点とする、ことを含む。
ここで、前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とすることは、前記処理対象の信号における各サンプリング点から現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つをランダムに選択して、対象サンプリング点とする、ことを含む。
ここで、前記処理対象の信号における各サンプリング点から現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つをランダムに選択することは、各サンプリング点の比較順序を表すポインタ位置照会表を予め設定し、前記処理対象の信号における各サンプリング点の番号を該ポインタ位置照会表の要素とし、各要素の並び順がランダムに設定され、前記ポインタ位置照会表を読み取り、該ポインタ位置照会表における要素の並び順によって、前記処理対象の信号における各サンプリング点から対応のサンプリング点を選択する、ことを含む。
ここで、前記目標閾値および所定のキャンセル関数に基づいて前記対象サンプリング点に対するキャンセル信号を算出することは、
Figure 2010098734
によって前記対象サンプリング点のクリッピング比を算出し、ここで、s(m)は対象サンプリング点の値であり、|s(m)|は対象サンプリング点の振幅値であり、αは対象サンプリング点のクリッピング比であり、Thは前記目標閾値であり、前記キャンセル関数のピークが前記対象サンプリング点に位置するように前記キャンセル関数を循環シフトし、前記対象サンプリング点のクリッピング比と循環シフトされたキャンセル関数とを乗算して、前記キャンセル信号を得る、ことを含む。
ここで、ステップBに記載の処理対象の信号においてまだピークキャンセルされていないサンプリング点が存在することは、前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点が存在する、ことを含む。
好ましくは、該方法は、前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点が存在しない場合、すべての所定の比較閾値が用いられたかどうかを判断し、すべての所定の比較閾値が用いられたとき、本プロセスを終了し、用いられていない比較閾値が存在するとき、用いられていない比較閾値から1つの比較閾値を選択して現時点の比較閾値とし、前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とする処理に戻ることをさらに含む。
ここで、前記所定の比較閾値から現時点の比較閾値を選択することは、所定の比較閾値のうち、最大である比較閾値を選択して現時点の比較閾値とすることを含み、前記用いられていない比較閾値から1つの比較閾値を選択して現時点の比較閾値とすることは、前記用いられていない比較閾値のうち、最大である比較閾値を選択して現時点の比較閾値とすることを含む。
好ましくは、該方法は、ピークキャンセルの最大反復回数を予め設定することをさらに含み、前記本プロセスを終了する前に、反復回数が前記ピークキャンセルの最大反復回数に達したかどうかを判断し、達した場合、本プロセスを終了し、達していない場合、反復回数に1を加え、このときの処理対象の信号の平均電力に基づいて前記比較閾値と目標閾値を更新し、更新された比較閾値から現時点の比較閾値を選択し、前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とする処理に戻ることをさらに含む。
好ましくは、該方法は、前記処理対象の信号においてまだピークキャンセルされていないサンプリング点が存在しない場合、受信側へ伝送された前記処理対象の信号の時間領域信号に対してクリッピング雑音再生処理を行うことをさらに含む。
ここで、前記クリッピング雑音再生処理を行うことは、前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号に対して、高速フーリエ変換(FFT)処理、復調、変調、および逆高速フーリエ変換(IFFT)処理を行って、時間領域の推定信号を得、ステップAに記載のシングルポイントピークキャンセル処理の際に用いられたパラメータによって、該推定信号に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行い、前記推定信号および該推定信号のシングルポイントピークキャンセル処理結果に基づいて、ピークキャンセル雑音信号を再生し、前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号から、再生されたピークキャンセル雑音信号を除去して、雑音除去結果を得る、ことを含む。
好ましくは、前記雑音除去結果を得た後に、クリッピング雑音再生処理の反復回数がクリッピング雑音再生処理の所定の最大反復回数に達していない場合、前記雑音除去結果を前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号とし、クリッピング雑音再生処理の反復回数に1を加え、前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号に対して高速フーリエ変換処理を行う処理に戻る、ことをさらに含む。
また、本発明はPAPR抑圧性能を向上できるマルチキャリア信号処理装置を提供している。
本発明に係るマルチキャリア信号処理装置は、記憶モジュールから処理対象の信号を読み取り、処理対象の信号において振幅値が所定の比較閾値より高く、且つまだピークキャンセルされていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、前記比較閾値以下である所定の目標閾値に基づいて、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行い、シングルポイントピークキャンセル処理結果を用いて前記処理対象の信号を更新して、記憶モジュールに保存するピークキャンセルモジュールと、所定の比較閾値および目標閾値並びに処理対象の信号を保存する記憶モジュールと、を含む。
好ましくは、前記ピークキャンセルモジュールは、前記記憶モジュールに保存されている所定の比較閾値および目標閾値を読み取り、用いられていない比較閾値が存在する場合、現時点の比較閾値を選択し、目標閾値と選択された現時点の比較閾値とを計算サブモジュールに送信し、計算サブモジュールにシングルポイントピークキャンセル処理を起動するよう通知し、計算サブモジュールからの更新された処理対象の信号を受信する制御サブモジュールと、制御サブモジュールの通知で、目標閾値に基づいて、処理対象の信号において振幅値が現時点の比較閾値より高いサンプリング点ごとに、シングルポイントピークキャンセル処理を行い、且つシングルポイントピークキャンセル処理結果を用いて処理対象の信号を更新し、すべてのサンプリング点の処理を完成した後、更新された処理対象の信号を制御サブモジュールに送信する計算サブモジュールと、を含む。
好ましくは、前記記憶モジュールはさらにピークキャンセルの所定の最大反復回数を保存し、前記制御サブモジュールは、さらに、前記記憶モジュールからピークキャンセルの最大反復回数を読み取り、反復回数が該ピークキャンセルの最大反復回数に達していない場合、反復回数に1を加え、前記計算サブモジュールからの更新された処理対象の信号の平均電力を用いて前記所定の比較閾値および目標閾値を更新し、更新結果を次回の反復の比較閾値および目標閾値として記憶モジュールに送信し、前記記憶モジュールに保存されている比較閾値および目標閾値を読み取る操作から引き続き実行する。
好ましくは、該装置は、受信側へ伝送された前記処理対象の信号の時間領域信号に対してクリッピング雑音再生処理を行うクリッピング雑音再生処理モジュールをさらに含む。
好ましくは、前記クリッピング雑音再生処理モジュールは、受信された前記処理対象の信号の時間領域信号に対して高速フーリエ変換処理、復調、変調、および逆高速フーリエ変換処理を行って、時間領域の推定信号を得る信号準備サブモジュールと、発信側において前記処理対象の信号のピークキャンセル処理の際に用いられたパラメータによって、該推定信号に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行うピークキャンセルサブモジュールと、前記推定信号および該推定信号のシングルポイントピークキャンセル処理結果に基づいて、ピークキャンセル雑音信号を再生し、前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号から、再生されたピークキャンセル雑音信号を除去して、雑音除去結果を得る雑音除去サブモジュールと、を含む。
好ましくは、前記雑音除去サブモジュールは、さらに、クリッピング雑音再生処理の反復回数がクリッピング雑音再生処理の所定の最大反復回数に達していない場合、クリッピング雑音再生処理の反復回数に1を加え、雑音除去結果を前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号として信号準備サブモジュールに送信し、前記信号準備サブモジュールに、前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号に対して高速フーリエ変換処理を行う処理に戻るよう通知する。
上記の解決手段からわかるように、本発明は、比較閾値より高いサンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行い、即ち、毎回1つのみの点のピークをキャンセルして、ピークキャンセル処理結果を用いて処理対象の信号を更新してから、更新された処理対象の信号におけるサンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行う。このように、既に処理されたサンプリング点のピークキャンセル処理がすべての処理対象の信号に与える干渉をより正確に反映することができ、まだ処理されていないサンプリング点に対応するピークキャンセル程度を適時に調整することができる。これにより、ピーク再成長の出現を効果的に防止し、PAPR抑圧性能を向上させることができる。
また、ここで、対象サンプリング点に対してピークキャンセル処理を行う必要があるかどうかを決定するための比較閾値と、決定されたサンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行うための目標閾値とが予め設定される。比較閾値が目標閾値以上である場合、より多くの干渉を引き起こすサンプリング点に対する優先処理を実現することができ、後続プロセスでピークキャンセル処理が処理対象の信号に与える干渉を低減することができるため、ピークキャンセル処理の有効性を保障し、PAPR抑圧性能をさらに向上させることができる。
従来のピークキャンセル処理方法のフローチャートである。 本発明に係るマルチキャリア信号処理方法の例示的なフローチャートである。 本発明に係るマルチキャリア信号処理装置の例示的な構成図である。 本発明の実施例1におけるマルチキャリア信号処理方法のフローチャートである。 本発明の実施例1におけるマルチキャリア信号処理装置の構成図である。 本発明の実施例2におけるCNR処理方法のフローチャートである。 本発明の実施例2のマルチキャリア処理装置におけるCNR処理モジュールの構成を示す図である。 従来のピークキャンセルと実施例1とのPAPR比較のシミュレーション図である。 従来の反復クリッピング方法と実施例1とのPAPR比較のシミュレーション図である。 本発明の実施例1と実施例2とのBER性能比較のシミュレーション図である。 本発明の実施例1におけるピークキャンセル方法を応用する場合の、異なる比較閾値数でのPAPR性能比較のシミュレーション図である。
本発明の目的、解決手段をさらに明確にするために、以下、図面を参照して実施例を挙げながら、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明では、マルチキャリア信号処理プロセスにおいて、1つの目標閾値と少なくとも1つの比較閾値とを予め設定し、各比較閾値を用いて処理対象のマルチキャリア信号におけるサンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセルを行う。
図2は本発明に係るマルチキャリア信号処理方法の例示的なフローチャートである。図2を参照すると、該方法は下記のステップを含む。
ステップ201で、処理対象の信号において振幅値が所定の比較閾値より高く、且つまだピークキャンセルされていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、前記比較閾値以下である所定の目標閾値に基づいて、該対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行う。
ステップ202で、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行った結果を用いて、前記処理対象の信号を更新し、更新された処理対象の信号においてまだピークキャンセルされていないサンプリング点が存在する場合、前記ステップ201に戻る。
図3は本発明に係るマルチキャリア信号処理装置の例示的な構成図であり、図3を参照すると、該装置はピークキャンセルモジュールと、記憶モジュールとを含む。
ここで、ピークキャンセルモジュールは、記憶モジュールから処理対象の信号を読み取り、処理対象の信号において振幅値が所定の比較閾値より高く、且つまだピークキャンセルされていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、前記比較閾値以下である所定の目標閾値に基づいて、該対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行い、シングルポイントピークキャンセル処理結果を用いて前記処理対象の信号を更新して、記憶モジュールに保存する。記憶モジュールは、所定の比較閾値および目標閾値並びに処理対象の信号を保存する。
上記のマルチキャリア信号処理の解決手段において、比較閾値より高いサンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行い、即ち、毎回1つのみの点のピークをキャンセルして、ピークキャンセル処理結果を用いて処理対象の信号を更新してから、更新された処理対象の信号におけるサンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行う。このように、既に処理されたサンプリング点のピークキャンセル処理がすべての処理対象の信号に与える干渉をより正確に反映することができ、まだ処理されていないサンプリング点に対応するピークキャンセル程度を適時に調整することができる。これにより、ピーク再成長の出現を効果的に防止し、PAPR抑圧性能を向上させることができる。
また、ここで、対象サンプリング点に対してピークキャンセル処理を行う必要があるかどうかを決定するための比較閾値と、決定されたサンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行うための目標閾値とが予め設定される。比較閾値が目標閾値以上である場合、より多くの干渉を引き起こすサンプリング点に対する優先処理を実現することができ、後続プロセスでピークキャンセル処理が処理対象の信号に与える干渉を低減することができるため、ピークキャンセル処理の有効性を保障し、PAPR抑圧性能をさらに向上させることができる。
以下、本発明に係るマルチキャリア信号処理の解決手段を詳しく説明する。
(実施例1)
図4は本発明の実施例1におけるマルチキャリア信号処理方法のフローチャートを示す。本実施例では、目標閾値はThであり、K個の比較閾値{Th_comp,Th_comp,…,Th_comp,…,Th_compK−1}が予め設定され、処理対象の信号は時間領域のOFDMマルチキャリア信号s=[s(0),s(1),…,s(n)…,s(JN−1)]であるとする。ここで、Jはオーバーサンプリング倍数であり、Nはサブキャリア数である。図4を参照すると、該方法は下記のステップを含む。
ステップ401で、K個の比較閾値から現時点の比較閾値を選択する。本ステップでは、現時点の比較閾値を選択する際、降順で選択し、即ち、まず比較的大きい比較閾値を選択してから、比較的小さい比較閾値を選択するようにしてよい。もちろん、ほかの慣用の順序で選択するようにしてもよい。
ステップ402で、処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とする。本ステップでは、対象サンプリング点の選択にはいろいろな方法がある。例えば、サンプリング点の並び順または該並び順と逆の順序で、処理対象の信号からサンプリング点を選択するようにしてもよい。または、処理対象の信号の各サンプリング点からサンプリング点をランダムに選択するようにしてもよい。ランダム方式の一例として、各サンプリング点の比較順序を表すポインタ位置照会表INDEXを予め設定し、前記処理対象の信号における各サンプリング点の番号を該ポインタ位置照会表の要素とし、各要素の並び順がランダムに設定され、例えば、INDEX={2,6,3,0,4,1,7,5}である場合、該照会表によって、処理対象の信号における各サンプリング点の処理順序は[s(2),s(6),s(3),s(0),s(4),s(1),s(7),s(5)]になる。
ステップ403で、対象サンプリング点の振幅値が現時点の比較閾値より大きいかどうかを判断し、対象サンプリング点の振幅値が現時点の比較閾値より大きい場合、ステップ404に進み、対象サンプリング点の振幅値が現時点の比較閾値より大きくない場合、ステップ407に進む。
対象サンプリング点の振幅値が現時点の比較閾値以下である場合、現在、対象サンプリング点の振幅値が許容範囲内にあることを表すため、シングルポイントピークキャンセルを行う必要がない。
ステップ404で、目標閾値に基づいて、対象サンプリング点のクリッピング比を生成する。
ここで、下記の数式3によって対象サンプリング点のクリッピング比を算出する。
Figure 2010098734
ここで、s(m)は対象サンプリング点の値であり、|s(m)|は対象サンプリング点の振幅値であり、αは対象サンプリング点のクリッピング比であり、Thは目標閾値である。
ステップ405で、クリッピング比および所定のキャンセル関数に基づいて、対象サンプリング点に対するキャンセル信号を算出する。
本実施例では、周波数領域で有限の帯域幅を有し、且つ時間領域で有限長系列であるキャンセル関数g(n)が予め設定され、例えば、時間領域で切り出された理想ローパス信号である。言い換えれば、帯域制限信号h(n)と時間領域の窓関数系列WNs(n)とを乗算することで、キャンセル関数g(n)を得ることができる。該キャンセル関数はg(n)=h(n)WNs(n)と表すことができる。ここで、(Ns+1)は切り出し窓の長さである。本実施例における帯域制限信号h(n)は、時間領域でsinc関数である理想ローパス信号、または時間領域で余弦関数のフーリエ変換結果である余弦信号などであってよい。これら関数の周波数領域の帯域幅が処理対象のOFDM信号の帯域幅と異なるようにしてもよい。なお、時間領域の窓関数系列WNs(n)は、矩形窓、ハニング(Hanning)窓、ハミング(Hamming)窓、ブラックマン(blackman)窓、カイザー(Kaiser)窓などであってよい。
本ステップでは、対象サンプリング点に対するキャンセル信号を算出する際、キャンセル関数g(n)のピークが対象サンプリング点に位置するように、該キャンセル関数を循環シフトし、即ち、円周に沿ってm回シフトして、g(n−m)を得る。ここで、mは処理対象の信号における対象サンプリング点の位置から1を引いたものであり、例えば、対象サンプリング点が処理対象の信号における4番目のサンプリング点である場合、mは3になる。その後、対象サンプリング点のクリッピング比と循環シフトされたキャンセル関数とを乗算して、キャンセル信号αg(n−m)を得る。
ステップ406で、対象サンプリング点に対するキャンセル信号を用いて、処理対象の信号を更新する。本ステップでは、ステップ405で得られたキャンセル信号を直接に対象サンプリングが選出された処理対象の信号、即ち、ステップ402の処理対象の信号に合成して、対象サンプリング点のシングルポイントピークキャンセル処理結果とする。具体的に、この時の処理対象の信号はc(m)+αg(n−m)になる。
上記のステップ404〜406が、本実施例では目標閾値およびキャンセル関数に基づいてキャンセル信号を算出することにより、シングルポイントピークキャンセルを実現するプロセスである。
ステップ407で、更新された処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点が存在するかどうかを判断し、存在する場合、ステップ402に戻り、存在しない場合、ステップ408に進む。
対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行う場合、対象サンプリング点周辺のほかのサンプリング点の振幅値にも影響を与えることを考慮したため、本ステップは更新された処理対象の信号に対するものである。また、ここでのサンプリング点が、処理対象の信号における位置によって区別されるため、ある位置のサンプリング点は、振幅値が変化しても、2つのサンプリング点ではなく、1つだけのサンプリング点と見なされるべきである。例えば、あるサンプリング点について、ステップ402〜406でシングルポイントピークキャンセル処理を行って、その振幅値が変化したが、シングルポイントピークキャンセル処理前に該サンプリング点が既に現時点の比較閾値と比較されたため、該サンプリング点は、既に比較されたサンプリング点と見なされるべきである。
ステップ408〜409で、すべての比較閾値が用いられたかどうかを判断し、すべての比較閾値が用いられた場合、本プロセスを終了し、用いられていない比較閾値が存在する場合、用いられていない比較閾値から1つの比較閾値を選択して現時点の比較閾値とし、ステップ402に戻る。
2つの比較閾値を例として、1つの比較閾値に基づいてすべてのサンプリング点に対して比較処理を実行した後、再びステップ402から、もう1つの比較閾値に基づいてすべてのサンプリング点に対して改めて比較を行って、シングルポイントピークキャンセルを行う必要がある。説明すべきものとして、この時、ステップ402の処理対象の信号も、前回のシングルポイントピークキャンセル処理において更新された処理対象の信号である。
ここまで、本実施例におけるマルチキャリア信号処理プロセスを終了する。
上記の説明からわかるように、本実施例では、振幅値が比較閾値より高いサンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行い、毎回のシングルポイントピークキャンセル処理後にも処理対象の信号を更新することにより、ピークキャンセルによる対象サンプリング点およびほかのサンプリング点の振幅値への影響を適時且つ全面的に反映し、後続のサンプリング点に対して処理を行うとき、サンプリング点の振幅値が正確に反映されていないことによるピーク再成長を大幅に防止し、PAPR抑圧性能を効果的に向上させることができる。
また、本実施例では、次の処理対象のサンプリング点の選択が、更新された処理対象の信号に基づくため、あるサンプリング点の振幅値が、もともと現時点の比較閾値より高いが、ほかのサンプリング点に対するシングルポイントピークキャンセル処理後に現時点の比較閾値以下に低減する場合、該サンプリング点に対してピークキャンセルを単独に行う必要がない。このように、マルチキャリア信号処理プロセスの複雑度を効果的に低減することができる。
なお、本実施例では複数の比較閾値が予め設定される。具体的な実行中で、各比較閾値のそれぞれに基づいて、処理対象の信号に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行う。降順に従って比較閾値を選択すると(もちろん、厳格に降順に従う必要はない)、このとき、振幅値の比較的大きいサンプリング点が先にキャンセルされる。サンプリング点の振幅値が大きいほど、そのピークキャンセル処理による隣接サンプリング点への影響も大きくなるため、このようなサンプリング点に対する処理が早いほど、ほかのサンプリング点への影響の低減がなるべく早くなることができ、このように、後続のプロセス中でシングルポイントピークキャンセル処理を必要とするサンプリング点が少なくなる。従って、マルチキャリア信号処理プロセスの複雑度をさらに低減することができる。
上記は1回のみ反復する場合であり、本実施例では、複数回反復を用いてPAPR抑圧性能をさらに向上させるようにしてもよい。この時、ステップ401の前に、反復回数を0に初期化する処理を追加する。ステップ402は、処理対象の信号において今回の反復でまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とする、ことになる。ステップ407は、更新された処理対象の信号において今回の反復で現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点が存在するかどうかを判断し、存在する場合、ステップ402に戻り、存在しない場合、ステップ408に進む、ことになる。ステップ408およびステップ409は、すべての比較閾値が既に今回の反復で用いられたかどうかを判断し、すべての比較閾値が既に今回の反復で用いられた場合、ステップ410に進み、今回の反復で用いられていない比較閾値が存在する場合、今回の反復で用いられていない比較閾値から1つを選択して現時点の比較閾値とし、ステップ402に戻る、ことになる。ステップ410およびステップ411は新規追加のステップである。具体的に、ステップ410で、反復回数がピークキャンセルの所定の最大反復回数に達したかどうかを判断し、達した場合、本プロセスを終了し、達していない場合、ステップ411に進む。ステップ411で、反復回数に1を加え、次回の反復のために、更新された処理対象の信号の平均電力に基づいて比較閾値および目標閾値を更新し、その後、更新された比較閾値から現時点の比較閾値を選択し、ステップ402に戻る。本実施例における目標閾値および比較閾値はいずれも所定のPAPR閾値および処理対象の信号の平均電力に基づいて設定されたものであり、1回の反復が終わった後、振幅値の比較的大きいサンプリング点がキャンセルされたため、処理対象の信号の平均電力は低減するに違いない。そのため、PAPR閾値が変化しない場合、次回の反復の目標閾値および比較閾値は、今回の反復後の処理対象の信号の平均電力に基づいて更新することができる。具体的に処理する際、次回の反復の目標閾値は、今回の反復の目標閾値と更新された処理対象の信号の平均電力とを乗算したものであり、次回の反復の比較閾値は、今回の反復の比較閾値と更新された処理対象の信号の平均電力とを乗算したものである。
このような複数回反復の場合、毎回の反復においても、前回の反復で更新された処理対象の信号を処理対象の信号として、各比較閾値ごとに処理対象の信号に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行う。このように、処理対象の信号において比較閾値を超えるサンプリング点の振幅値をさらに低減することができ、前回の反復を基にPAPR抑圧性能をさらに向上させることができる。また、本実施例では、毎回の反復後にも、最新の処理対象の信号の平均電力を用いて目標閾値および比較閾値を更新して、実際の信号変化に基づいてこの2つの閾値を調整する目的を達する。このように、後続の処理中でこの2つの閾値の数値を実際の要求にさらに接近させることで、PAPR抑圧性能を向上させる。一方、複数回反復の場合、前の反復では、比較閾値を超えるサンプリング点の大部に対して振幅値を許容範囲内に低減することができるため、確率の観点から、後の反復で処理すべきサンプリング点はますます少なくなる。従って、反復回数の増加が複雑度の明らかな上昇につながることはない。また、1回反復または複数回反復にかかわらず、最初に処理対象の信号である時間領域のOFDM信号を生成する際に逆高速フーリエ変換(IFFT)処理を1回行う以外に、シングルポイントピークキャンセルを行う際に余計な高速フーリエ変換(FFT)処理またはIFFT処理を行う必要がない。そのため、同じPAPR抑圧性能を得る場合、本実施例のマルチキャリア信号処理の解決手段は、従来の反復クリッピングフィルタリング方式に比べてより低い複雑度を有する。
時間領域のOFDM信号s=[s(0),s(1),s(2),s(3),s(4),s(5),s(6),s(7)]=[−1.30,−1.34,−1.17,−0.52,−0.53,−0.41,−1.45,−0.55]を例として、反復回数は2であり、目標閾値は1dBであり、対応の振幅値が1.12であり、比較閾値は{2.5dB,1dB}であり、対応の振幅値が{1.33,1.12}であり、降順で比較閾値を処理する場合、毎回の反復においても第1比較閾値1.33を先に処理してから、第2比較閾値1.12を処理し、キャンセル関数は、長さが3である矩形窓で切り出されたsinc関数であり、その関数の時間領域の表現式がg(n)={1,0.64,0,0,0,0,0,0.64}であり、オーバーサンプリング因子Jは2であり、ポインタ位置照会表を用いて対象サンプリング点をランダムに選択することを実現する方式で、該ポインタ位置照会表はINDEX={3,1,7,5,0,6,2,4}である、と仮定する。
本実施例の方法によれば、1回目の反復処理は以下のものを含む。
1) まず、現時点の比較閾値を第1比較閾値1.33と決定する。
2) ポインタ位置照会表を読み取って、対象サンプリング点として、処理対象の信号における番号が3であるサンプリング点s(3)=−0.52を得る。|s(3)|=0.52<1.33であるため、該サンプリング点を処理せずに、次のサンプリング点に移行する。
3) ポインタ位置照会表を読み取って、|s(1)|=1.34>1.33の対象サンプリング点を得る。すると、ステップ404の数式3によって該サンプリング点のクリッピング比
Figure 2010098734
を得、循環シフトされたキャンセル関数はg(n−1)=[0.64,1,0.64,0,0,0,0,0]になり、キャンセル信号はαg(n−1)=[0.1408,0.22,0.1408,0,0,0,0,0]になる。元の処理対象の信号に該キャンセル信号を合成して、更新された処理対象の信号s=[−1.1592,−1.12,−1.0292,−0.52,−0.53,0.41,−1.45,0.55]を得る。ここからわかるように、1つのサンプリング点のシングルポイントピークキャンセル処理を経た後、対象サンプリング点以外に、例えば、番号0のサンプリング点および番号2のサンプリング点のようなほかのサンプリング点にも振幅値が低減する場合がある。このように、後続の処理でこれらサンプリング点のピークキャンセル結果がより望ましくなるため、PAPRを効果的に低減することができる。
4) s(7)、s(5)、s(0)、s(6)、s(2)、s(4)の順にそれぞれ第1比較閾値1.33と比較し、比較閾値より高い点に対してシングルポイントピークキャンセルを行って処理対象の信号を更新すると、最終的に得られた処理対象の信号はs=[−1.1592,−1.12,−1.0292,−0.52,−0.53,0.6212,−1.12,0.7612]になる。ここまで、第1比較閾値の処理を完成する。
5) 第2比較閾値に対して上記の処理プロセスを繰り返して、得られた処理対象の信号はs=[−1.12,−1.0949,−1.0292,−0.52,−0.53,0.6212,−1.12,0.7863]になり、その平均電力がE{|s(n)|}=0.79になる。
6) この時の処理対象の信号の平均電力に基づいて、目標閾値を1.12×0.79=1.00に更新し、第1比較閾値を1.33×0.79=1.18に更新し、第2比較閾値を1.12×0.79=1.00に更新する。その後、2回目の反復において、現時点の比較閾値が第1比較閾値である場合、振幅値が第1比較閾値より高いサンプリング点が存在しないため、いずれのサンプリング点に対してもシングルポイントピークキャンセルを行わない。現時点の比較閾値が第2比較閾値である場合、やはり上記のs(3)、s(1)、s(7)、s(5)、s(0)、s(6)、s(2)、s(4)の順に各サンプリング点を対象サンプリング点とし、最終的な処理対象の信号[−1,−0.9621,−0.9685,−0.52,−0.53,0.6980,−1,0.9010]を得る。この時、処理対象の信号のピーク電力は1であり、平均電力は0.7142であり、PAPRは1.46dBである。ここからわかるように、1回目の反復の開始前の処理対象の信号のPAPR3.23dBに比べて、この時のPAPRが大幅に低減されている。
図5は本実施例におけるマルチキャリア信号処理装置の構成図を示す。図5を参照すると、該装置は、ピークキャンセルモジュールと、記憶モジュールとを含む。ここで、ピークキャンセルモジュールは、制御サブモジュールと、計算サブモジュールとを含む。
具体的に、本実施例の制御サブモジュールは、記憶モジュールに保存されている所定の比較閾値および目標閾値を読み取り、用いられていない比較閾値が存在する場合、現時点の比較閾値を選択し、目標閾値と選択された現時点の比較閾値とを計算サブモジュールに送信し、計算サブモジュールにシングルポイントピークキャンセル処理を起動するよう通知し、計算サブモジュールからの更新された処理対象の信号を受信する。計算サブモジュールは、図4のステップ402〜ステップ407に従って処理し、即ち、制御サブモジュールの通知で、目標閾値に基づいて、処理対象の信号において振幅値が現時点の比較閾値より高いサンプリング点ごとに、シングルポイントピークキャンセル処理を行い、且つシングルポイントピークキャンセル処理結果を用いて処理対象の信号を更新し、すべてのサンプリング点の処理を完成した後、更新された処理対象の信号を制御サブモジュールに送信する。
さらに、複数回反復の方式を用いる場合、記憶モジュールはさらにピークキャンセルの所定の最大反復回数を保存する。相応に、制御サブモジュールは、さらに、記憶モジュールからピークキャンセルの最大反復回数を読み取り、反復回数が該ピークキャンセルの最大反復回数に達していない場合、反復回数に1を加え、計算サブモジュールからの更新された処理対象の信号の平均電力を用いて所定の比較閾値および目標閾値を更新し、更新結果を次回の反復の比較閾値および目標閾値として記憶モジュールに送信し、前記記憶モジュールに保存されている比較閾値および目標閾値を読み取る操作から引き続き実行する。
以上のマルチキャリア信号処理装置の各部分はいずれも処理対象の信号の発信側内に位置するようにしてもよい。
(実施例2)
上記実施例1のマルチキャリア信号処理プロセスは、主に信号の発信側で実行される。このプロセスでは、PAPR低減の目的から、あるサンプリング点に対して少なくとも1回のシングルポイントピークキャンセル処理を行ったため、これらサンプリング点の振幅値の変化により、処理対象の信号にPAPR抑圧雑音を生じる。このため、受信側の受信信号のビット誤り率(BER)に悪影響を与える可能性がある。PAPR抑圧雑音による影響を低減することで、受信側のBERを低減するために、本実施例では、実施例1に加えて、受信側でのクリッピング雑音再生(CNR:Clipping Noise Reconstruction)処理をさらに追加する。具体的に、処理対象の信号においてまだピークキャンセルされていないサンプリング点が存在しない場合、受信側へ伝送された前記処理対象の信号の時間領域信号に対してクリッピング雑音再生処理を行う。ここで、まだピークキャンセルされていないサンプリング点が存在しないとは、処理対象の信号におけるすべてのサンプリング点がいずれも前記実施例1のプロセスを経たことである。例えば、各比較閾値ごとに、すべてのサンプリング点に対する処理を完成したこと、または、複数回反復の場合、処理対象の信号におけるすべてのサンプリング点がいずれもすべての反復の処理を完成したことである。説明すべきものとして、本発明では、サンプリング点の振幅値が実施例1の処理により低減された場合、該サンプリング点自身について、シングルポイントピークキャンセルが実行されたと認められるが、サンプリング点が各回の反復においても比較閾値と比較された場合、該サンプリング点がピークキャンセルプロセスを経たと認められる。
図6は本実施例におけるCNR処理方法のフローチャートを示す。図6を参照すると、該方法は下記のステップを含む。
ステップ601で、受信側は、発信側からの処理対象の信号の時間領域信号を受信した後、受信された時間領域信号に対してFFT処理を行い、復調、変調マッピングしてから、IFFT処理を行って、時間領域の推定信号を得る。
発信側から送信された信号は時間領域信号であるが、受信側は通常、周波数領域信号を対象として復調、変調マッピングを行う。そのため、本ステップでは、まず、受信された時間領域信号をFFT処理して、周波数領域信号に変換する。一方、受信側のCNR処理は時間領域信号を対象とする必要があるため、復調、変調マッピングした後に、IFFT処理を行って、時間領域信号を得、発信側から送信された信号に対する推定信号とする。
ステップ602で、発信側のピークキャンセル処理の際に用いられたパラメータによって、推定信号に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行う。
キャンセル雑音がシングルポイントピークキャンセル処理前の信号およびシングルポイントピークキャンセル処理後の信号に基づいて得られたものであるため、本ステップでは、推定信号に対して処理を行う必要があり、そのうちの振幅値の比較的大きいサンプリング点に対してキャンセルを行って、キャンセル処理後の推定シングルポイントピークキャンセル結果を得る。
具体的に、本ステップでは、受信側は推定信号に対して発信側と全く同じ処理を実行し、且つ用いられた目標閾値、比較閾値、反復回数、対象サンプリング点の選択方式などのパラメータも発信側と同じである。例えば、発信側は、前記ステップ401〜409の1回反復の方式で、処理対象の信号に対してシングルポイントピークキャンセルを行う場合、ここで、受信側は、全く同じである目標閾値および比較閾値で、該推定信号に対して1回反復のシングルポイントピークキャンセルを実行する。または、発信側は複数回反復の方式を用いる場合、受信側も推定信号に対して複数回反復のシングルポイントピークキャンセルを行う。
ステップ603で、推定信号および該推定信号のシングルポイントピークキャンセル処理結果に基づいて、ピークキャンセル雑音信号を再生する。本ステップでは、シングルポイントピークキャンセルの初期目標閾値に基づいて、減衰因子を予め決定することで、発信側のピークキャンセル処理による処理対象の信号への影響の統計特性を反映する。その後、シングルポイントピークキャンセル処理結果から、減衰因子と推定信号との積を引いて、ピークキャンセル雑音信号を得る。減衰因子はβであり、推定信号は
Figure 2010098734
であり、シングルポイントピークキャンセル処理結果は
Figure 2010098734
であり、ピークキャンセル雑音信号は
Figure 2010098734
であるとすると、
Figure 2010098734
になる。
ステップ604で、受信側で受信された時間領域信号から、再生されたピークキャンセル雑音信号を除去して、雑音除去結果を得る。
ステップ601において受信側で受信された時間領域信号がRであるとすると、雑音除去結果
Figure 2010098734
になる。
上記の説明からわかるように、本実施例では、シングルポイントピークキャンセル処理前後の推定信号の変化に基づいて、ピークキャンセル処理による雑音を決定してから、受信された時間領域信号から該雑音を除去することにより、受信側で受信された信号内の雑音の占める比率が低減され、受信側はCNRされた信号に対して分析を行う際、正確な結果を得られる確率が大幅に向上するため、受信側の受信信号のBERを効果的に改善することができる。
もちろん、クリッピング雑音再生処理の所定の最大反復回数に基づいて、上記のステップ601〜604を繰り返して実行するようにしてもよい。2回目の反復後から、雑音除去結果をステップ601の時間領域信号とすることで、ピークキャンセル雑音信号をより効果的に除去し、受信側の受信信号のBERをさらに向上させる。具体的に、実行中では、クリッピング雑音再生処理の反復回数がクリッピング雑音再生処理の所定の最大反復回数に達していない場合、雑音除去結果を受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号とし、クリッピング雑音再生処理の反復回数に1を加え、受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号に対してFFT処理を行う処理に戻る。
上記のCNR処理方式を用いる場合、本実施例に係るマルチキャリア信号処理装置は、実施例1の図5に加えて、受信側に位置する、受信された信号に対してCNR処理を行うCNR処理モジュールを追加するだけでよい。図7は本実施例に係るマルチキャリア処理装置におけるCNR処理モジュールの構成を示す図である。図7を参照すると、該CNR処理モジュールは、信号準備サブモジュールと、ピークキャンセルサブモジュールと、雑音除去サブモジュールとを含む。ここで、信号準備サブモジュールは、受信された時間領域信号に対して、FFT、復調、変調、およびIFFT処理を行って、時間領域の推定信号を得る。ピークキャンセルサブモジュールは、発信側において処理対象の信号のピークキャンセル処理の際に用いられたパラメータによって、該推定信号に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行う。雑音除去サブモジュールは、推定信号および該推定信号のシングルポイントピークキャンセル処理結果に基づいて、ピークキャンセル雑音信号を再生し、受信側で受信された時間領域信号から、再生されたピークキャンセル雑音信号を除去して、雑音除去結果を得る。
複数回反復のCNR方式を用いると、雑音除去サブモジュールは、さらに、クリッピング雑音再生処理の反復回数がクリッピング雑音再生処理の所定の最大反復回数に達していない場合、クリッピング雑音再生処理の反復回数に1を加え、雑音除去結果を受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号として信号準備サブモジュールに送信し、該信号準備サブモジュールに、受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号に対してFFT処理を行う処理に戻るよう通知する。
図8は従来のピークキャンセルと実施例1とのPAPR比較のシミュレーション図である。ここでのシミュレーションパラメータとして、サブキャリア数は1024であり、変調方式は16直交振幅変調(QAM)であり、オーバーサンプリング倍数はJ=4であり、且つ1回のみの反復を実行する。図8を参照すると、横軸はdBを単位とするPAPR参照値PAPRであり、縦軸は実際PAPAがPAPRより大きい確率Prである。そして、四角印の線は、目標閾値が5dBである場合、従来のピークキャンセル処理を用いて得られたPAPRを表す。丸印の線は、目標閾値が5dBである場合、実施例1によって得られたPAPRを表す。三角印の線は、目標閾値が3dBである場合、従来のピークキャンセル処理を用いて得られたPAPRを表す。菱形印の線は、目標閾値が3dBである場合、実施例1によって得られたPAPRを表す。図8からわかるように、従来のピークキャンセル方法では、目標閾値の低減に従って、PAPR抑圧性能は劣化し、目標閾値が3dBである場合、PAPRを効果的に抑圧することができず、即ち、従来のピークキャンセル方法が失効してしまう。しかし、本発明の実施例1によれば、目標閾値が3dBである場合でも、そのPAPR抑圧性能は依然として比較的望ましい。
図9は従来の反復クリッピング方法と実施例1とのPAPR比較のシミュレーション図である。ここで、時間領域の切り出し窓の長さは51であり、目標閾値は5dBであることを仮定する。図9において、横軸はdBを単位とするPAPR参照値PAPRであり、縦軸は実際PAPAがPAPRより大きい確率Prである。そして、菱形印の線は、反復回数が1である場合、従来の反復クリッピングフィルタリングに対応するPAPRを表す。四角印の線は、反復回数が5である場合、従来の反復クリッピングフィルタリングに対応するPAPRを表す。三角印の線は、反復回数が9である場合、従来の反復クリッピングフィルタリングに対応するPAPRを表す。丸印の線は、反復回数が1である場合、実施例1に対応するPAPRを表す。星印の線は、反復回数が3である場合、実施例1に対応するPAPRを表す。図9からわかるように、PAPR確率が10−3であるところに、実施例1によって得られたPAPR抑圧性能は、従来の反復クリッピングフィルタリングより明らかに優れている。そして、実施例1により1回反復で得られたPAPR抑圧性能は、従来の反復クリッピングフィルタリングにより5回反復で得られたPAPR抑圧性能に相当する。実施例1により3回反復で得られたPAPR抑圧性能は、従来の反復クリッピングフィルタリングにより9回反復で得られたPAPR抑圧性能に相当する。なお、計算からわかるように、実施例1の3回反復の場合に対応する計算複雑度は、従来の9回の反復クリッピングフィルタリングの10%程度にすぎない。ここからわかるように、反復回数が同じである場合、本発明の実施例1によって得られたPAPR抑圧性能は、従来の反復クリッピングフィルタリングよりはるかに優れ、PAPR抑圧性能が近い場合、本発明の実施例1に対応する複雑度は、従来の反復クリッピングフィルタリングよりはるかに低い。
図10は本発明の実施例1と実施例2とのBER性能の比較シミュレーション図である。ここで、時間領域の切り出し窓の長さは51であり、目標閾値は3dBであり、反復回数は1である。図10を参照すると、横軸はdBを単位とする信号対雑音比(E/N)であり、縦軸はBERである。そして、丸印の線は、実施例1に対応するBERを表す。菱形印の線は、実施例2に対応するBERを表す。図10からわかるように、実施例2は、受信側でCNR処理を行った後、対応のBERがさらに低くなる。
図11は、実施例1におけるピークキャンセル方法を応用する場合の、異なる比較閾値数でのPAPR性能比較のシミュレーション図である。横軸はdBを単位とするPAPR参照値PAPRであり、縦軸は実際PAPAがPAPRより大きい確率Prである。そして、菱形印の線は、反復回数が1であり、1つの比較閾値の場合、実施例1に対応するPAPRを表す。丸印の線は、反復回数が1であり、2つの比較閾値の場合、実施例1に対応するPAPRを表す。四角印の線は、反復回数が1であり、3つの比較閾値の場合、実施例1に対応するPAPRを表す。星印の線は、反復回数が1であり、4つの比較閾値の場合、実施例1に対応するPAPRを表す。ここで、比較閾値が1つだけ存在する場合、該比較閾値は7dBである。比較閾値が2つ存在する場合、その値は[7dB,3dB]である。比較閾値が3つ存在する場合、その値は[7dB,5dB,3dB]である。比較閾値が4つ存在する場合、その値は[7dB,5dB,4dB,3dB]である。図11のシミュレーション図からわかるように、比較閾値の数が多いほど、PAPR抑圧性能はよくなる。しかし、比較閾値の数がある値(例えば、3)に達すると、その後のPAPR抑圧性能の向上は緩やかになる。計算からわかるように、上記の4つの場合の複雑度はそれぞれ32000、36044、40140、44236回の乗加算演算である。このように、実際の応用では、PAPR抑圧性能と複雑度に対する実際の要求のトレードオフを考慮して、比較閾値の数を選択することができる。例えば、比較閾値が3つ存在する場合、2つの比較閾値の場合に比べて、PAPR抑圧性能が明らかに向上するが、複雑度が明らかに増加するわけではないため、3つの比較閾値を好ましいものとしてよい。
上記は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神と原則内で行われる種々の修正、均等置換え、改善などは全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。

Claims (19)

  1. マルチキャリア信号処理方法であって、
    処理対象の信号において振幅値が所定の比較閾値より高く、且つまだピークキャンセルされていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、前記比較閾値以下である所定の目標閾値に基づいて、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行うステップAと、
    前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行った結果を用いて、前記処理対象の信号を更新し、更新された処理対象の信号においてまだピークキャンセルされていないサンプリング点が存在する場合、前記ステップAに戻るステップBと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記所定の比較閾値から現時点の比較閾値を選択することをさらに含み、
    ステップAに記載の処理対象の信号において振幅値が所定の比較閾値より高く、且つまだピークキャンセルされていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、所定の目標閾値に基づいて、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行うことは、
    前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、前記対象サンプリング点の振幅値が前記現時点の比較閾値より大きい場合、前記目標閾値および所定のキャンセル関数に基づいて前記対象サンプリング点に対するキャンセル信号を算出し、
    前記対象サンプリング点に対するキャンセル信号を前記処理対象の信号に合成して、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行った結果を得ることを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とすることは、
    前記処理対象の信号における各サンプリング点から、サンプリング点の並び順または前記並び順と逆の順序で、現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを選択して、対象サンプリング点とする、
    ことを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とすることは、
    前記処理対象の信号における各サンプリング点から現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つをランダムに選択して、対象サンプリング点とする、
    ことを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 前記処理対象の信号における各サンプリング点から現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つをランダムに選択することは、
    各サンプリング点の比較順序を表すポインタ位置照会表を予め設定し、前記処理対象の信号における各サンプリング点の番号を該ポインタ位置照会表の要素とし、各要素の並び順がランダムに設定され、前記ポインタ位置照会表を読み取り、該ポインタ位置照会表における要素の並び順によって、前記処理対象の信号における各サンプリング点から対応のサンプリング点を選択する、
    ことを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記目標閾値および所定のキャンセル関数に基づいて前記対象サンプリング点に対するキャンセル信号を算出することは、
    Figure 2010098734
    によって前記対象サンプリング点のクリッピング比を算出し、ここで、s(m)は対象サンプリング点の値であり、|s(m)|は対象サンプリング点の振幅値であり、αは対象サンプリング点のクリッピング比であり、Thは前記目標閾値であり、
    前記キャンセル関数のピークが前記対象サンプリング点に位置するように前記キャンセル関数を循環シフトし、
    前記対象サンプリング点のクリッピング比と循環シフトされたキャンセル関数とを乗算して、前記キャンセル信号を得る、
    ことを含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ステップBに記載の処理対象の信号においてまだピークキャンセルされていないサンプリング点が存在することは、
    前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点が存在する、
    ことを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  8. 前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点が存在しない場合、すべての所定の比較閾値が用いられたかどうかを判断し、すべての所定の比較閾値が用いられたとき、本プロセスを終了し、用いられていない比較閾値が存在するとき、用いられていない比較閾値から1つの比較閾値を選択して現時点の比較閾値とし、前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とする処理に戻ることをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記所定の比較閾値から現時点の比較閾値を選択することは、所定の比較閾値のうち、最大である比較閾値を選択して現時点の比較閾値とすることを含み、
    前記用いられていない比較閾値から1つの比較閾値を選択して現時点の比較閾値とすることは、前記用いられていない比較閾値のうち、最大である比較閾値を選択して現時点の比較閾値とすることを含む、
    ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  10. ピークキャンセルの最大反復回数を予め設定することをさらに含み、
    前記本プロセスを終了する前に、反復回数が前記ピークキャンセルの最大反復回数に達したかどうかを判断し、達した場合、本プロセスを終了し、達していない場合、反復回数に1を加え、このときの処理対象の信号の平均電力に基づいて前記比較閾値と目標閾値を更新し、更新された比較閾値から現時点の比較閾値を選択し、前記処理対象の信号において現時点の比較閾値とまだ比較されていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とする処理に戻ることをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記処理対象の信号においてまだピークキャンセルされていないサンプリング点が存在しない場合、受信側へ伝送された前記処理対象の信号の時間領域信号に対してクリッピング雑音再生処理を行うことをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 前記クリッピング雑音再生処理を行うことは、
    前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号に対して、高速フーリエ変換(FFT)処理、復調、変調、および逆高速フーリエ変換(IFFT)処理を行って、時間領域の推定信号を得、
    ステップAに記載のシングルポイントピークキャンセル処理の際に用いられたパラメータによって、該推定信号に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行い、
    前記推定信号および該推定信号のシングルポイントピークキャンセル処理結果に基づいて、ピークキャンセル雑音信号を再生し、前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号から、再生されたピークキャンセル雑音信号を除去して、雑音除去結果を得る、
    ことを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記雑音除去結果を得た後に、
    クリッピング雑音再生処理の反復回数がクリッピング雑音再生処理の所定の最大反復回数に達していない場合、前記雑音除去結果を前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号とし、クリッピング雑音再生処理の反復回数に1を加え、前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号に対して高速フーリエ変換処理を行う処理に戻る、
    ことをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. マルチキャリア信号処理装置であって、
    記憶モジュールから処理対象の信号を読み取り、処理対象の信号において振幅値が所定の比較閾値より高く、且つまだピークキャンセルされていないサンプリング点の1つを対象サンプリング点とし、前記比較閾値以下である所定の目標閾値に基づいて、前記対象サンプリング点に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行い、シングルポイントピークキャンセル処理結果を用いて前記処理対象の信号を更新して、記憶モジュールに保存するピークキャンセルモジュールと、
    所定の比較閾値および目標閾値並びに処理対象の信号を保存する記憶モジュールと、
    を含むことを特徴とする装置。
  15. 前記ピークキャンセルモジュールは、
    前記記憶モジュールに保存されている所定の比較閾値および目標閾値を読み取り、用いられていない比較閾値が存在する場合、現時点の比較閾値を選択し、目標閾値と選択された現時点の比較閾値とを計算サブモジュールに送信し、計算サブモジュールにシングルポイントピークキャンセル処理を起動するよう通知し、計算サブモジュールからの更新された処理対象の信号を受信する制御サブモジュールと、
    制御サブモジュールの通知で、目標閾値に基づいて、処理対象の信号において振幅値が現時点の比較閾値より高いサンプリング点ごとに、シングルポイントピークキャンセル処理を行い、且つシングルポイントピークキャンセル処理結果を用いて処理対象の信号を更新し、すべてのサンプリング点の処理を完成した後、更新された処理対象の信号を制御サブモジュールに送信する計算サブモジュールと、
    を含むことを特徴とする請求項14に記載の装置。
  16. 前記記憶モジュールはさらにピークキャンセルの所定の最大反復回数を保存し、
    前記制御サブモジュールは、さらに、前記記憶モジュールからピークキャンセルの最大反復回数を読み取り、反復回数が該ピークキャンセルの最大反復回数に達していない場合、反復回数に1を加え、前記計算サブモジュールからの更新された処理対象の信号の平均電力を用いて前記所定の比較閾値および目標閾値を更新し、更新結果を次回の反復の比較閾値および目標閾値として記憶モジュールに送信し、前記記憶モジュールに保存されている比較閾値および目標閾値を読み取る操作から引き続き実行する、
    ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 受信側へ伝送された前記処理対象の信号の時間領域信号に対してクリッピング雑音再生処理を行うクリッピング雑音再生処理モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 前記クリッピング雑音再生処理モジュールは、
    受信された前記処理対象の信号の時間領域信号に対して高速フーリエ変換処理、復調、変調、および逆高速フーリエ変換処理を行って、時間領域の推定信号を得る信号準備サブモジュールと、
    発信側において前記処理対象の信号のピークキャンセル処理の際に用いられたパラメータによって、該推定信号に対してシングルポイントピークキャンセル処理を行うピークキャンセルサブモジュールと、
    前記推定信号および該推定信号のシングルポイントピークキャンセル処理結果に基づいて、ピークキャンセル雑音信号を再生し、前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号から、再生されたピークキャンセル雑音信号を除去して、雑音除去結果を得る雑音除去サブモジュールと、
    を含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
  19. 前記雑音除去サブモジュールは、さらに、クリッピング雑音再生処理の反復回数がクリッピング雑音再生処理の所定の最大反復回数に達していない場合、クリッピング雑音再生処理の反復回数に1を加え、雑音除去結果を前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号として信号準備サブモジュールに送信し、前記信号準備サブモジュールに、前記受信側へ伝送された処理対象の信号の時間領域信号に対して高速フーリエ変換処理を行う処理に戻るよう通知することを特徴とする請求項18に記載の装置。
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