JP2010098204A - 光源の冷却構造 - Google Patents

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貴夫 齋藤
Naoko Tamoto
尚子 田元
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Abstract

【課題】冷却ジャケットにおける熱伝達率の向上と流路設計の自由度・汎用性の向上の両立を図ることができる光源の冷却構造を提供することにある。
【解決手段】表面に発熱体となる光源2が実装された絶縁性セラミック基板1の裏面に金属製の放熱板3を接着し、該放熱板3とこれに接合される冷媒格納容器4との間に冷却ジャケット5を形成し、該冷却ジャケット5に冷媒を流すことによって前記光源2を冷却する光源2の冷却構造において、前記放熱板3の前記冷却ジャケット5内に臨む裏面に凹凸形状によって冷媒流路を形成し、前記凹凸形状として直方体(又は円柱状)フィン6を前記放熱板3の前記光源2が実装される真裏付近に集中して立設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷却ジャケットを流れる冷却水等の冷媒によってLED等の光源を冷却する冷却構造に関するものである。
近年、半導体の消費電力が加速度的に上昇し、それに伴って半導体の発熱量が増えてきており、より高性能な冷却システムの需要が高まってきている。高密度に集積された回路で消費される電力は増加し、発熱量と同時に発熱密度も急激に上昇してきている。従って、従来のペルチェ素子による強制吸熱やヒートシンクとファンによる強制空冷構造等では冷却能力に限界が見え始め、より高い冷却能力を有する液冷システムが採用されるようになってきている。
光半導体であるLEDにおいても、明るさの向上に伴って従来の表示用途から照明用途へと大電力化の道を辿っている。LED素子における最大の問題点は、発光効率が向上しても、投入した電力の大部分が熱となり、自身が発する熱によって明るさが低下してしまうことである。
特に大電力LEDにおいては、チップ当たり数Wもの発熱を受け止められるだけのパッケージ・放熱構造が求められており、熱伝導性に優れたメタルコア基板やセラミック基板が実用化されている。特にセラミック基板においては、材料技術の進歩によって熱伝導率が向上したこと、高絶縁性の基板であるためにメタルコア基板と違って絶縁層が不要であること、という2つの大きな理由から注目されている。このような大電力LEDに対しても高い冷却性能を有する液冷システムは有効な放熱手段であると考えられる。
例えば、特許文献1には、高い発熱密度を有する半導体部品を液冷システムによって冷却するに当たり、なるべく発熱源から外部空気までの熱抵抗を低く抑えるため、電気回路を実装するための基板と放熱のためのセラミック製基板、更には冷媒が通過する管壁をも一体化させる冷却構造が提案されている。
又、特許文献2には、より簡便な実現方法として、従来のヒートシンクの外側に覆い被せるようにして箱を設け、フィン間に冷媒を流すことによって液冷ジャケットを構成する冷却構造が提案されている。
更に、特許文献3には、熱伝導率の高い窒化アルミニウム基板に着目し、これに回路パターンとヒートシンクをロウ付けによって接着して一体型の両面銅貼り基板とする提案もなされている。
他方、液冷ジャケットには従来の熱交換器の技術を応用することができるため、冷却液の流路構造に関する提案も数多くなされている。例えば、特許文献4には、リブ構造を用いて三次元的な撹乱流を起こすことによって熱伝達率を向上させる技術が提案され、特許文献5には、放射状に配置されたブロック構造を用いて冷媒が一様に流れるように制御することによって均一な冷却効果を図る技術が提案されている。
又、特許文献6には、流路形成のための凹凸構造を壁面の補強部とすることによって必要な強度を保ちながら薄肉化を図る技術が提案され、特許文献7には、発熱体の上下二重に冷媒を流して冷却性能向上を図る技術が提案されている。
更に、特許文献8には、絶縁性の高いセラミック基板そのものにレーザー加工によって流路を形成する技術が提案されている。
特開2002−329938号公報 特開2003−086744号公報 特開2005−011922号公報 特開2002−250572号公報 特開2003−051689号公報 特開2007−010277号公報 特開2008−041806号公報 特開2008−140877号公報
固体から流体への等価熱伝達率(=移動する熱量/包絡断面積)の向上のためには、液冷ジャケット内部の冷媒の流路構造を最適化することが重要となるが、特許文献1において提案された流路は単純な直方体若しくはそれらを連結した構造であり、特許文献2に記載された技術は、既存のヒートシンクの形をそのまま利用したに過ぎないものである。
又、特許文献3において提案された技術は、ヒートシンクの形状に工夫を凝らし、このヒートシンクを熱伝導率の高い窒化アルミニウム基板に接着することによって総合的な熱伝導率の向上を図ったものであるが、窒化アルミニウムと銅では熱膨張係数の整合性が悪く、ロウの流動性と相俟って応力によって剥離やクラックが発生する可能性がある。
更に、特許文献4〜7において提案された構成では、流路構造を工夫することによって熱伝導率の向上やジャケットの強度向上等の効果が得られるものの、それぞれが専用設計となるために設計の自由度が低くて汎用性に乏しいという問題がある。又、熱伝達率の向上を追求するあまり、複雑な流路構造となってしまっては、圧力損失が増えてしまって必要な流量を確保することができないばかりか、製造コストの面でも不利となる。
又、特許文献8において提案された技術では、金属に比べて硬いセラミック基板のレーザー加工にはコストが嵩む他、複雑な流路パターンの構築は容易ではなく、ストライプ状の溝構造程度が現実的なところである。
以上のように、従来は液冷ジャケットにおける熱伝達率の向上と流路設計の自由度・汎用性の向上の両立は困難であるという問題があった。
熱伝導性に優れ、製造コストを抑えながらも要求仕様に対応可能な柔軟性を兼ね備えた汎用性の高い液冷ジャケットを得るためには、発熱源の配置やジャケットにおける冷媒の出入口の配置や、使用する循環装置の能力に合わせて圧力損失を低く抑えた流路構造を安価で自由に設計することができることが重要である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、液冷ジャケットにおける熱伝達率の向上と流路設計の自由度・汎用性の向上の両立を図ることができる光源の冷却構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、表面に発熱体となる光源が実装された絶縁性セラミック基板の裏面に金属製の放熱板を接着し、該放熱板とこれに接合される冷媒格納容器との間に冷却ジャケットを形成し、該冷却ジャケットに冷媒を流すことによって前記光源を冷却する光源の冷却構造において、前記放熱板の前記冷却ジャケット内に臨む裏面に凹凸形状によって冷媒流路を形成し、前記凹凸形状として直方体又は円柱状フィンを前記放熱板の前記光源が実装される真裏付近に集中して立設したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記絶縁性セラミック基板は、50[W/m・K]以上の熱伝導率を有するファインセラミック材料を含む層と、表面に実装される前記光源の電気回路層を含む多層構造を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記放熱板は、150[W/m・K]以上の熱伝導率を有し且つ前記絶縁性セラミック基板と同程度の熱膨張係数を有する単体金属又は合金で構成されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記光源は、LEDであることを特徴とする。
本発明によれば、冷却ジャケットにおいて、冷媒流路を形成する部分を他の構成要素(冷媒格納容器、蓋、冷媒入出口等)から独立させることができる。そのため、発熱体である光源や冷媒循環装置の仕様が異なった場合においては、独立した冷媒流路部分のみを設計変更すれば良く、残りの構成要素についてはそのまま共通で使用することができる。又、加工が容易で熱伝導率の高い金属製の放熱板に凹凸形状によって冷媒流路を形成するようにしたため、応力による剥離やクラック等を生じる心配もなく、加工コストの削減と設計自由度の向上の両立を図ることができる。
又、本発明に係る冷媒流路構造については、冷却ジャケット内容量に占めるフィンの体積の割合は15%未満であり、マイクロチャンネルのように極度にフィンを細かくするような構造ではないため、冷媒の圧力損失が小さく、冷媒を効率良く循環させて光源の冷却に供することができる。
更に、熱伝達性能に大きく寄与する光源付近において、冷媒との熱交換を行うことができる面積は凹凸形状の無い平坦な面に比べて最大で約4倍に増加させることができ、効率良く熱伝達を行うことができる。
尚、特許文献5に開示されているように、基本的には光源の真下から冷媒が吹き出してくるために熱的に有利な構造であるが、外部的な制約によって光源の真下に冷媒の吹き出し口を設けることが難しい場合にも、本発明に係る冷却構造はフィンの配置によって冷却ジャケット内の冷媒の流速を自在にコントロールすることが可能であるため、冷却性能を高めることができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明は、高絶縁性と高熱伝導率とを併せ持つセラミック基板の特徴を活かしつつ、加工の容易な金属材料で冷媒流路を構成することによって、冷媒への熱伝達率の向上に必要な流路設計の自由度を確保したことを特徴としている。
図1は本発明に係る冷却構造の基本構成を示す分解斜視図であり、図示のように、矩形の絶縁性セラミック基板1の表面中央には発熱体であるLED等の光源2が実装されている。そして、絶縁性セラミック基板1の光源2が設けられた側とは反対側の裏面には金属製の矩形の放熱板3が接着され、この放熱板3に浅い矩形箱状の冷媒格納容器4が接合されて該冷却格納容器4と放熱板3との間に冷却ジャケット5が形成されている。ここで、放熱板3の裏面(冷却ジャケット5に臨む面)には、中心から放射状に延びる直方体の複数のフィン6が突設されている。又、冷媒格納容器4にはパイプ状の冷媒入口7と冷媒出口8が取り付けられており、これらの冷媒入口7と冷媒出口8の各一端は冷却ジャケット5の中心部とコーナー部にそれぞれ開口している。
而して、冷媒入口7から冷却ジャケット5へと流入する冷媒は、放熱板3に放射状に突設された複数のフィン6によって区画される冷媒流路を中心から径方向外方に向かって流れ、その過程で光源2から放出される熱を奪って該光源2を冷却した後、冷媒出口8から冷却ジャケット5外へと排出される。即ち、絶縁性セラミック基板1上に実装された光源2から放出された熱は、絶縁性セラミック基板1の内部を熱伝導によって拡散していくが、このとき、絶縁性セラミック基板1には温度勾配を持った分布が形成され、その分布は光源2を中心におおよそ正規分布に従うことが一般的に知られている。従って、放熱板3の裏面に立設されたフィン6のうち、光源2から近い位置にあるものが熱伝達性能を左右するものであり、光源2から遠い位置にあるものは熱伝達には余り寄与しない。
冷却ジャケット5全体での冷媒の圧力損失は、内部に立設されたフィン6が冷却ジャケット5の内容積に占める割合と、フィン6の大きさに起因する流体抵抗によって決まる。従って、フィン6を多く立設たり、フィン6の大きさを細かくする程、フィン6の冷媒との接触表面積が増加して等価熱伝達率は向上するが、それに反比例して圧力損失は増大してしまう。
そこで、本発明では、絶縁性セラミック基板の表面に実装された光源の真裏付近に集中してフィンを立設することによって、冷媒と接する表面積と冷媒の流速を局所的に増加させて熱伝達性能を高めるとともに、冷却性能に余り寄与しない冷却ジャケットの外周部のフィンを省くことによって、冷却ジャケット全体での冷媒の圧力損失の低減を図ることを両立させるようにした。
ところで、本実施の形態では、絶縁性セラミック基板1は、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、炭化珪素・ダイヤモンドライクカーボン等に代表されるような50[W/m・K]以上、好ましくは150[W/m・K]以上の熱伝導率を有するファインセラミックス材料を含む層と、表面に実装される発熱体2のための電気回路層を含む2層以上の多層構造を有している。尚、電気回路層については、セラミック基板上に蒸着やスパッタ等で形成したもの、薄板をロウ付け等によって接着したもの、薄膜状のフレキシブル基板に熱引きのためのサーマルビアを設けたもの等、目的の仕様を満足する熱抵抗を実現することができる範囲で自由に選択することができる。
又、裏面に複数のフィン6が突設された放熱板3は、銅やアルミニウム又はそれらの合金等に代表されるような熱伝導性に優れた材料(150[W/m・K]以上の熱伝導率を有するに材料)で構成されることが好ましく、接着される絶縁性セラミック基板1と熱膨張係数が同程度で、応力によって剥離やクラックが生じないことが必須条件である。この放熱板3は、予めプレス成形、押し出し、鋳造、鍛造、ダイキャスト、へら絞り等の加工方法によって成型され、ロウ付け又はセラミック接着剤によって絶縁性セラミック基板1に接着される。或いは、予め絶縁性セラミック基板1に接着された金属板をエッチングや蒸着等によって追加工することによってフィン6が形成される。
次に、本発明の実施例について説明する。尚、流路構造は以下に示すものに限定されるものではない。
<流路モデル>
冷却ジャケット構造の流路モデルについて、4つの実施例と2つの比較例について流体解析を行った。以下に各実施例と比較例の特徴について説明する。
<共通事項>
各層構造の材料について、絶縁性セラミック基板は熱伝導率170[W/m・K]の窒化アルミニウム、凹凸形状を有する放熱板には0.5mm厚のアルミニウム板、冷媒を格納する冷媒格納容器と冷媒入口及び冷媒出口の材質にはA3003系のアルミニウムを選択した。又、アルミニウム製の放熱板の加工方法にはプレス成形を採用し、放熱板の絶縁性セラミック基板への接着方法には活性金属を含むロウを用いたロウ付けを選択した。
絶縁性セラミック基板の大きさは50mm×50mmとし、冷媒格納容器の深さ(内のり寸法)は3mmとした。放熱板の裏面に立設されるフィンの高さも3mmとし、フィンが冷却ジャケットの天井まで到達する構造として、冷媒がフィンの間の冷媒流路に十分充填されるようにした。フィンの幅(円柱状フィンの場合には直径に相当)は1mmとしているため、フィンの高さと幅の比(=フィンの高さ/フィンの幅)は3となる。これは、フィンの高さと幅の比が4〜5を超えると、フィンの先端部まで十分に熱が伝わらず、効率良くフィン全体で冷媒と熱交換ができないからである。
又、絶縁性セラミック基板の表面に形成される電気回路層は同一とし、解析上簡単のために溝無しの全面パターンとした。発熱体としては、複数個のLEDチップの集合体を想定し、10mm×10mm×1.5mm、20W出力のセラミックヒータとした。発熱体は、実施例1〜3と比較例1については中央に1個、実施例4と比較例2については4分割して(5mm×5mm)、縦横等間隔に4個配置した。
冷媒には純水を使用し、水冷パソコン等に使用される小型ポンプの代表的な値として体積流量を0.4リットル/minに設定した。
本実施例では、図2に示すように、冷媒入口7を中央に、冷媒出口8を端部にそれぞれ設け、冷却ジャケット5内に中央から放射状に広がるように直方体のフィン6を立設している。このような冷却構造において、冷媒は中央の冷媒入口7から冷却ジャケット5内に流入し、フィン6によって区画された放射状の冷媒流路を通って径方向外方へと流れて冷媒出口8から冷却ジャケット5外へと排出される。
フィン6の構成は大きく3つに分かれている。即ち、第1に冷却ジャケット5全体を4つに区画する十字状フィン6a、第2に各領域に1本ずつ前記十字状フィン6aに対して45°方向に設置された計4本のフィン6b、第3に各領域に2本ずつ前記2つのフィン6a,6bに対して22.5°を成す方向に設置された計8本のフィン6cとで構成されている。第1の十字状フィン6aは冷却ジャケット5全体を完全に分断する訳ではなく、冷却ジャケット5の周辺部には隙間が設けられている。これにより、中央から流入した冷媒は周辺部の隙間を通って冷媒出口8に達することができる。
第1の十字状フィン6aは、冷媒入口7を跨ぐように設置され、冷媒入口7の断面積を絞るよう作用する。従って、冷媒入口7において冷媒の流速を高めることができ、等価熱伝達率の向上に寄与することができる。又、冷却ジャケット5の中央部から周辺部にいくに連れてフィン6(6a〜6c)の間隔は大きくなり、周辺部ほどフィン6(6a〜6c)の立設密度が小さくなって冷媒の圧力損失は小さくなる。
本実施例では、図3に示すように、冷媒入口7を中央に、冷媒出口8を端部にそれぞれ設け、冷却ジャケット5内に中央から螺旋を描いて放射状に広がるように円柱状フィン9を立設している。このような冷却構造において、冷媒は中央の冷媒入口7から冷却ジャケット5内に流入し、円柱状フィン9の間に形成される冷媒流路を通って端部の冷媒出口8から冷却ジャケット5外へと排出される。
円柱状フィン9による螺旋構造はそれぞれ発熱体(不図示)を中心として点対称の計6本の軌跡から成り立っている。円柱状フィン9を直線的な放射状ではなく螺旋構造としたのは、実質的な冷媒流路の長さを稼ぐことによって等価熱伝達率の向上を狙ったためである。
冷却ジャケット5の中央部から周辺部にいくに連れてフィン9の螺旋の軌跡の間隔は大きくなり、中央部ほどフィン9の立設密度が高くなって等価熱伝達率の向上に寄与し、周辺部ほどフィン9の立設密度が小さくなって冷媒の圧力損失は小さくなる。
本実施例では、図4に示すように、冷媒入口7を中央に、冷媒出口8を端部にそれぞれ設け、冷却ジャケット5内に中央から直線的に放射状に広がるように円柱状のフィン9を立設している。このような冷却構造において、冷媒は中央の冷媒入口7から冷却ジャケット5内に流入し、フィン9の間の冷媒流路を通って端部の冷媒出口8から冷却ジャケット5外へと排出される。
フィン9の直線的な放射形状は、発熱体(不図示)を中心として同心円状に配列されており、1つの円状に配置されているフィン9の数は全て6の倍数となっている。即ち、この放射形状は点対称に6分割することができ、それが単位構造となっている。立設形状の外形は円であり、その直径方向に沿ってフィン9が一直線状に並んでいるラインが分割の境界線である。冷却ジャケット5内の中央部から流入した冷媒は、フィン9に阻まれて流れが分散されるものの、その大部分がこの6分割の境界線に沿って、6角形を基礎とした規則的な形状を描いて進んで外周部へと到達する。従って、無秩序にフィン9を放射状に立設した構造に比べ、規則性を持たせることによって冷媒の流れを制御することができ、冷媒の圧力損失を低減することができる。
<比較例1>
本比較例は、実施例1〜3の参照実験に相当するものであり、図5に示すように、冷媒入口7を中央に、冷媒出口8を端部にそれぞれ設け、冷却ジャケット5内にフィンを設けない構造としている。このような冷却構造において、冷媒は中央の冷媒入口7から冷却ジャケット5内に流入し、冷却ジャケット5内を通って端部の冷媒出口8から冷却ジャケット5外へと排出される。
本比較例では、フィンが立設されていないため、実施例1〜3と比べて冷媒の圧力損失は最低となるものの、等価熱伝達率も低いままとなることが見込まれる。
本実施例では、図6に示すように、発熱体2を4個に分割して(各5W)絶縁性セラミック基板1の端面から1/4の位置に縦横等間隔に絶縁性セラミック基板1の表面に並べ、裏面には円柱状のフィン9を丁度発熱体2の真裏に来る位置に集中して格子状に37個並べている。このような冷却構造において、冷媒は対角線上の一端コーナー部に配置された冷媒入口7から冷却ジャケット5内に流入し、冷媒流路を通って対角線上の他端コーナー部に配置された冷媒出口8から冷却ジャケット5外へと排出される。
本冷却構造においては、フィン9が立設された部分においてのみ冷媒の流れが分散され、フィン9の側面で熱交換が行われる。一方、フィン9が立設されていない部分では冷媒の圧力損失がゼロである。このように、熱交換部とそれ以外を明確に分けることによって、各発熱体2の裏面位置における冷媒の流速のバラツキを抑えて等価熱伝達率の均一化を図ると同時に、冷却ジャケット5全体での冷媒の圧力損失の低減の両立を狙っている。
<比較例2>
実施例4の参照実験に相当するものであり、図7に示すように絶縁性セラミック基板1の表面はそのままで、裏面に円柱状のフィン9を一様に並べた例である。冷媒は冷媒入口7から冷却ジャケット5内に進入し、フィン9の間の冷媒流路を通って冷媒出口8から排出される。
本比較例では、冷却ジャケット5の全体に亘ってフィン9が立設されているため、実施例4と比べて等価熱伝達率は向上するものの、冷媒の圧力損失も増大してしまうものと見込まれる。
[流体解析結果と考察]
図8に実施例1〜3と比較例1におけるセラミック基板表面の温度分布の様子を示す。冷媒の流れに沿って傾斜はあるものの、発熱体を中心にほぼ同心円状に熱が拡散している様子が見て取れる。本実施例では、セラミック基板に対して発熱体の大きさが或る程度大きいため、真円よりも四角形に近い形状を呈しているが、発熱体の大きさが小さい場合にはより真円に近い形状で、且つ、温度勾配の状態が正規分布のそれに近くなると見込まれる。
以下に、個別の実施例と比較例について検証した結果について説明する。
(1)発熱体が中央に1個の場合:
表1に結果の一覧を示す。
Figure 2010098204
実施例1〜3までの全体を見ると、比較例1と比べて発熱体の温度が低減されており、等価熱伝達率が向上しているのが分かる。圧力損失については比較例1を基準として、フィンを追加したことによる影響が少ない方が望ましい。従って、実施例2が本解析においては最良の形状であったと言える。又、図9〜図11に実施例1〜3における流速ベクトルの分布を示す。流路に沿って流速ベクトルが分布していることと、実施例1〜3の何れにおいても、中央部の流速ベクトルの大きさ(長さではなく色)が同程度であることが分かる。
<実施例1と実施例2の比較>
等価熱伝達率が同じであることから、発熱体近傍における熱伝達に係る表面積は、実施例1と実施例2では同程度であると考察できる。一方、フィン体積率と圧力損失に注目すると、どちらも実施例1が実施例2の2倍程度で、ほぼ比例関係にあることが分かる。従って、圧力損失はフィン形状への依存度は小さく、フィン体積率と配置要件の方が圧力損失に大きく影響することが検証された。
<実施例2と実施例3の比較>
前項と同様に、等価熱伝達率が同じであることから、発熱体近傍における熱伝達に係る表面積は、実施例2と実施例3では同程度であると考察できる。
圧力損失の低減について、実施例2ではフィンを間引くことによって立設密度を下げて対応しているのに対し、実施例3では立設密度はそのままにして配置構造に規則性を持たせることによって冷媒流路を制御し、実質的な流体抵抗を下げることで対応している。本検討においては、立設密度を下げる手法の方が優位であるということが検証された。
<実施例1と実施例3の比較>
フィン体積率と圧力損失の大小関係が実施例1と実施例2との比較の場合と逆転している。これは前項でも述べたように、実施例3では立設密度はそのままに配置構造に規則性を持たせることによって流路を制御し、実質的な流体抵抗を下げることで圧力損失の低減を図ったことに起因する。従って、フィン体積率と配置要件では、後者の方が実質的な圧力損失の低減に寄与することが検証された。
以上により、実施例2が熱伝達性能( 中央部付近の実施的な熱伝達部の表面積) と、圧力損失の低減( 発熱他によって引き起こされる基板の温度分布のうち、程度が低く熱伝達にあまり寄与しない周辺部のフィンを省くこと) の2点において、最良の形状であるということが検証された。
(2)発熱体が4個に分散した場合:
ここでは、発熱体の配置が変化した場合について検証する。実施例4と比較例2において、結果の一覧を表2に、温度と流速ベクトルの分布を図12及び図13にそれぞれ示す。
実施例4と比較例2を比較すると、発熱体群の最高・最低温度はそれぞれの差が0.3℃とあまり変わらないものの、各発熱体の温度差(最高温度−最低温度)が小さくなっていることが分かる。発熱体の動作温度は、素子の特性や寿命に影響を及ぼす重要なファクターであり、温度差を小さくできることは、特性や寿命の偏りを抑制することができる効果があることを意味する。
冷媒流路構造については、発熱体の近傍のみにフィンを立設することで流速の粗密を作り出し、発熱体の近傍に流速ベクトルを集中させることによって効果的な冷却ができると言える。同時に、発熱体から遠い位置にあって、熱伝達にあまり寄与しないフィンを除くことで圧力損失を大幅に下げることができると言える。
Figure 2010098204
本発明に係る冷却構造の基本構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施例1に係る冷却構造を示す斜視図である。 本発明の実施例2に係る冷却構造を示す斜視図である。 本発明の実施例3に係る冷却構造を示す斜視図である。 本発明の比較例1に係る冷却構造を示す斜視図である。 本発明の実施例4に係る冷却構造を示す斜視図である。 本発明の実施例2に係る冷却構造を示す斜視図である。 本発明の実施例1〜3及び比較例1におけるセラミック基板表面の温度分布を示す図である。 本発明の実施例1における流速ベクトル分布を示す図である。 本発明の実施例2における流速ベクトル分布を示す図である。 本発明の実施例3における流速ベクトル分布を示す図である。 (a)は本発明の実施例4における温度分布、(b)は流速ベクトル分布を示す図である。 (a)は本発明の比較例2における温度分布、(b)は流速ベクトル分布を示す図である。
符号の説明
1 絶縁性セラミック基板
2 光源
3 放熱板
4 冷媒格納容器
5 冷却ジャケット
6 直方体状フィン
7 冷媒入口
8 冷媒出口
9 円柱状フィン

Claims (4)

  1. 表面に発熱体となる光源が実装された絶縁性セラミック基板の裏面に金属製の放熱板を接着し、該放熱板とこれに接合される冷媒格納容器との間に冷却ジャケットを形成し、該冷却ジャケットに冷媒を流すことによって前記光源を冷却する光源の冷却構造において、
    前記放熱板の前記冷却ジャケット内に臨む裏面に凹凸形状によって冷媒流路を形成し、前記凹凸形状として直方体又は円柱状フィンを前記放熱板の前記光源が実装される真裏付近に集中して立設したことを特徴とする光源の冷却構造。
  2. 前記絶縁性セラミック基板は、50[W/m・K]以上の熱伝導率を有するファインセラミック材料を含む層と、表面に実装される前記光源の電気回路層を含む多層構造を有することを特徴とする請求項1記載の光源の冷却構造。
  3. 前記放熱板は、150[W/m・K]以上の熱伝導率を有し且つ前記絶縁性セラミック基板と同程度の熱膨張係数を有する単体金属又は合金で構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の光源の冷却構造。
  4. 前記光源は、LEDであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光源の冷却構造。
JP2008269325A 2008-10-20 2008-10-20 光源の冷却構造 Pending JP2010098204A (ja)

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