JP2010096028A - 内燃機関のブローバイガス還元装置 - Google Patents

内燃機関のブローバイガス還元装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブローバイガスからの油分の分離性能を可変設定することのできる内縁機関のブローバイガス還元装置を提供する。
【解決手段】エンジンのブローバイガス還元装置は、ブローバイガスからの油分の分離を行い、排出口を介して分離した油分を貯留部に戻す分離機構であるPCVバルブ20を備える。PCVバルブ20は、ブローバイガスを通過させる空間を有するケース21と、このケース21内に収容されてケース21との間に前記ブローバイガスの通路を形成する弁体22と、この弁体22を駆動してケース21と弁体22との間隔PSを変更するアクチュエータ23とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ブローバイガスからの油分の分離を行い、排出口を介して該分離した油分を貯留部に戻す分離機構を備える内燃機関のブローバイガス還元装置に関する。
ブローバイガス還元装置には、ブローバイガスの流量を調整するPCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブの他に、クランクケース内のブローバイガスを吸気通路に供給する過程にてブローバイガスを通過させ、これによりブローバイガスに含有される機関潤滑油の成分(以下、「油分」という。)を分離するセパレータ(分離機構)が設けられている。このセパレータを有するブローバイガス還元装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
図7を参照して、従来のブローバイガス還元装置に設けられたセパレータの構造について説明する。なお、図7中の本体部110内の矢印は、ブローバイガスの流れを示している。
図7に示すように、シリンダヘッドカバーに形成されたセパレータ100は、その本体部110にガス流入口111,112と、ガス流出口113と、オイル流出口114とが設けられている。また、本体部110には、ブローバイガスを案内する案内部材115と、ブローバイガスに含有される油分を分離する分離部116とが設けられている。分離部116は、複数の迂回板117,118,119により構成され、ブローバイガスが本体部110内を通過する流路が長くなるように形成されている。
ガス流入口111,112から本体部110に流入したブローバイガスは、案内部材115により渦流を生じるとともに、迂回板117〜119と衝突する。これにより、ブローバイガスに含有された油分は、迂回板117〜119に付着する。そして、迂回板117〜119に付着した油分は、オイル流出口114により、本体部110より外部に排出されるとともに、オイル流出口114に接続されたバイパス路によりオイルパンに還元される。また、ブローバイガスは、ガス流出口113を介して、インテークマニホールドに供給される。
特開2005−23824号公報
ところで、上記構造のセパレータ100においては、案内部材115と迂回板117との間、迂回板117と迂回板118との間、及び迂回板118と迂回板119との間によって形成される流路幅は一定である。
したがって、セパレータ100を通過するブローバイガスの流量が多い場合には、迂回板117〜119にブローバイガスが多く衝突するため、迂回板117〜119に油分が多く付着する。その結果、セパレータ100は、油分を多く分離できる。しかし、セパレータ100を通過するブローバイガスの量が少ない場合には、迂回板117〜119にブローバイガスが衝突する量が少ないため、迂回板117〜119に付着する油分の量が少なくなる。その結果、セパレータ100が分離できる油分の量が少なくなってしまう。そのため、セパレータ100を通過するブローバイガスの量が少ない場合には、セパレータ100は効果的にブローバイガスに含有される油分を分離することができなかった。
言い換えれば、従来のブローバイガス還元装置においては、セパレータの構造に工夫を加えることによりブローバイガスからの油分の分離を促進させるような構造であるが、機関運転状態等に応じて油分の分離性能を積極的に変更することはできなかった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブローバイガスからの油分の分離性能を可変設定することのできる内燃機関のブローバイガス還元装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、ブローバイガスからの油分の分離を行い、排出口を介して該分離した油分を貯留部に戻す分離機構を備える内燃機関のブローバイガス還元装置において、前記分離機構は、ブローバイガスを通過させる空間を有するケースと、該ケース内に収容されて前記ケースとの間に前記ブローバイガスの通路を形成する弁体と、該弁体を駆動して前記ケースと前記弁体との間隔を変更するアクチュエータとを備えることを要旨とする。
この発明によれば、弁体とケースとの間隔を変更したときにブローバイガスの通路面積の大きさが変更されるため、これに伴い弁体とケースとの間を通過するブローバイガスの流速が変化するようになる。即ち、アクチュエータを通じての弁体の駆動により、油分の分離性能を可変設定することができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、前記アクチュエータは、前記油分の分離性能を増大させる旨の要求に基づいて、前記弁体を駆動して、前記間隔を縮小することを要旨とする。
この発明によれば、ブローバイガスの通路面積を小さくした場合には、ブローバイガスの流速が高められることにより、ブローバイガスが壁面に衝突した際に、より多くの油分が分離されるようになる。上記発明では、油分の分離性能を増大させる旨の要求に基づいて、ケースと弁体との間隔を縮小し、これによりブローバイガスの通路面積を小さくしているため、油分の分離性能を増大させている。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、前記分離機構は、ブローバイガス流量を調整する電子制御式PCVバルブとしての機能を併せて備えるものであり、前記アクチュエータによる前記弁体の駆動により前記油分の分離性能とブローバイガス流量の調整とが同時になされるものであることを要旨とする。
近年では、ブローバイガス流量を調整するバルブとして、機械式のバルブに代えて電子制御式PCVバルブを備えることが提案されている。この場合には、電子制御式PCVバルブのために新たにアクチュエータを備えることが必要になるとはいえ、ブローバイガス流量のより緻密な管理を可能にする点において、その実用性は十分にあると考えられる。一方、油分の分離性能の可変設定をアクチュエータにより行うものにおいてさらに電子制御式PCVバルブを備える場合には、併せて2つのアクチュエータが必要となるため、例えば電力消費量の過度の増大が懸念される。この点、上記発明では、単一のアクチュエータにより油分の分離性能の調整及びブローバイガス流量の調整が同時になされているようにしているため、油分の分離性能を可変設定する機能及び電子制御式PCVバルブとしての機能を備えつつも電力消費量の過度の増大を抑制することができる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、前記アクチュエータは、前記油分の分離性能を増大させる旨の要求及び前記ブローバイガス流量を減少させる旨の要求の少なくとも一方に基づいて、前記弁体を駆動して、前記間隔を縮小することを要旨とする。
ブローバイガスの通路面積を小さくした場合には、ブローバイガスの流速が高められることにより、ブローバイガスが壁面に衝突した際により多くの油分が分離されるようになる。また、ブローバイガスの通路面積を小さくした場合には、ブローバイガス流量が減少する。上記発明では、油分の分離性能を増大させる旨の要求及びブローバイガス流量を減少させる旨の要求の少なくとも一方に基づいて、ケースと弁体との間隔を縮小し、これによりブローバイガスの通路面積を小さくしているため、ブローバイガス流量を減少させるとともに、油分の分離性能を増大させている。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、当該還元装置は、油分の分離性能の調整及びブローバイガス流量の調整を機関運転状態に基づいて前記アクチュエータの制御を行う制御手段をさらに備え、前記アクチュエータは、油分の分離性能を調整するための指令信号及びブローバイガス流量を調整するための指令信号の双方を前記制御手段から受信するものであり、これら信号の少なくとも一方を受信したときに、受信した指令信号に基づいて前記弁体を駆動するものであることを要旨とする。
この発明によれば、アクチュエータが、制御手段からの油分の分離性能を調整するための指令信号及びブローバイガス流量を調整するための指令信号の双方を受信可能としていることにより、アクチュエータがこれら指令信号の一方のみを受信可能とした場合と比較して、内燃機関の機関運転の多くの変化状況に応じて弁体とケースとの間隔の調整を行うことができる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、前記アクチュエータは、内燃機関の吸気通路に設けられて吸気量を調整する吸気量調整弁について、その開度が小さくなるにつれて油分の分離性能を増大させる方向に前記弁体を駆動することを要旨とする。
内燃機関では、吸気量調整弁の開度が小さくなるにつれて、燃焼室に供給される空気量が少なくなるため、ブローバイガス流量が減少する。このブローバイガス流量が減少するため、油分の分離量は低下してしまう。しかし、この発明によれば、吸気量調整弁の開度が小さくなるにつれて、即ち油分の分離量が低下するにつれて、油分の分離性能を増大させる方向に弁体を駆動させることにより、油分の分離量の低下を抑制することができる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、当該還元装置は、電子制御式PCVバルブとしての機能を有する機構として前記分離機構のみを備えることを要旨とする。
この発明によれば、ブローバイガス還元装置が電子制御式PCVバルブとしての機能を有する機構として分離機構のみを備えることにより、他に電子制御式PCVバルブ及び分離機構を備える必要がなくなる。したがって、ブローバイガス還元装置の構造の簡略化を図ることができる。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、前記弁体には、前記ケースの側壁に向かい延設される回転側壁部が設けられるとともに、前記回転側壁部が前記弁体の周方向において所定の間隙を介して複数配置され、前記ケースには、前記ブローバイガスの入口及び出口となる流入口及び流出口と、前記弁体に向かい延設される固定側壁部とが設けられて、前記固定側壁部が前記周方向において所定の間隙を介して複数配置され、前記回転側壁部は、前記周方向に隣り合う前記固定側壁部の間にそれぞれ配置されるとともに、前記アクチュエータは、前記ケースと前記弁体との間隔を変更して、前記弁体を前記ケースに対して回転させて隣り合う前記回転側壁部と前記固定側壁部との間隔を変更することを要旨とする。
この発明によれば、弁体を回転させる一動作によって、複数の固定側壁部と複数の回転側壁部とにより形成される複数の間隔を同時に可変設定することができる。したがって、ブローバイガス流量の調整及び油分の分離性能の調整を容易に行うことができる。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、前記流入口及び前記流出口は、前記周方向において近接して配置されるとともに、前記ケースは、前記流入口と前記流出口との間の部分に前記弁体に向かい延設される隔壁が設けられることを要旨とする。
この発明によれば、流入口を介してケース内に流入したブローバイガスがこれに隣り合う流出口に即座に流れ込むことは隔壁により妨げられる。即ち、ケース内に流入したブローバイガスは弁体のまわりを略一周した後に流出口に流れ込む。したがって、ブローバイガスと回転側壁部及び固定側壁部との衝突回数を増大させることが可能となり、油分の分離性能を向上させることができる。
図1〜図4を参照して、本発明の内燃機関のブローバイガス還元装置を車載内燃機関のブローバイガス還元装置として具体化した実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、エンジン1の構成について説明する。
図1に示すように、エンジン1においては、各気筒の燃焼室2に吸気通路3及び排気通路4が接続されている。そして、吸気通路3に設けられたスロットルバルブ11を介して燃焼室2に空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁5から吸気通路3内に燃料が噴射供給されることにより、燃焼室2内に空気及び燃料の混合気が供給される。この混合気が各気筒の点火プラグ6による点火に基づき燃焼すると、そのときの燃焼エネルギによってピストン7が往復運動し、エンジン1の出力軸であるクランクシャフト8が回転する。また、燃焼後の混合気は排気として排気通路4に送り出され、その排気は排気通路4に設けられた触媒4aによって浄化される。
エンジン1においては、圧縮行程や膨張行程で燃焼室2に存在するガスの一部がブローバイガスとしてピストンリング7aとシリンダ内壁9との間からクランクケース10内に漏れる。このため、エンジン1には、燃焼室2からクランクケース10内に漏れたブローバイガスを吸気通路3に戻して処理するブローバイガス還元装置BRが設けられている。
ブローバイガス還元装置BRは、吸気通路3におけるスロットルバルブ11の上流側の部分に接続されてクランクケース10内に新気を導入する新気導入通路12と、クランクケース10内のブローバイガスを吸気通路3に戻すべく吸気通路3におけるスロットルバルブ11の下流側の部分に接続されたガス流出通路13とを備えている。また、ガス流出通路13にはブローバイガスを吸気通路3に戻す際のブローバイガス流量を調整するPCVバルブ20が設けられている。このPCVバルブ20は、アクチュエータ23(図2参照)により開度調整される電子制御式のものであって、その開度を大きく調整するほどガス流出通路13から吸気通路3に流れるガスの流量を多くするものである。そして、ブローバイガス還元装置BRにおいては、新気導入通路12からクランクケース10内への新気導入により、燃焼室2からクランクケース10内に漏れたブローバイガスがガス流出通路13を介して吸気通路3に戻されるようになる。
次に、上記ブローバイガス還元装置BRの電気的構成について説明する。
エンジン1は、センサの出力等に基づいて、各種制御を実行する電子制御装置14を備えている。この電子制御装置14は、上記制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記録されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置14の入力ポートには、以下に示す各種センサ等が接続されている。即ち、電子制御装置14の入力ポートには、自動車の運転者によって踏込操作されるアクセルペダル15の踏み込み量(アクセル踏み込み量)を検出するアクセルポジションセンサ16、及びエンジン1の吸気通路3に設けられたスロットルバルブ11の開度を検出するスロットルポジションセンサ17、及び吸気通路3を通過して燃焼室2に吸入される空気の量を検出するエアフロメータ18、及びクランクシャフト8の回転に対応した信号を出力するクランクポジションセンサ19が接続されている。また、電子制御装置14の出力ポートには、燃料噴射弁5、点火プラグ6、スロットルバルブ11、及びPCVバルブ20といった各種機器の駆動回路が接続されている。
次に、図2を参照して、PCVバルブ20の構成について説明する。なお、図2(a)中の矢印は、ブローバイガスの流れを示している。以降では、弁体22の回転軸Jに沿った方向を「軸方向」とし、弁体22の回転径方向を「径方向」とし、弁体22の回転周方向を「周方向」とする。
図2に示すように、PCVバルブ20は、ブローバイガスを通過させる空間を有する本体であるケース21と、このケース21内に収容されて、ケース21との間にブローバイガスの通路を形成する弁体22と、弁体22を回転駆動させるアクチュエータ23とを備えている。そして、アクチュエータ23によって、ケース21に対して弁体22が回転軸Jを中心に回転することにより、ブローバイガスの通路である、ケース21と弁体22との間隔PSを変更することができる。そして、ケース21と弁体22との間隔PSが変更されることにより、ブローバイガスが含有する油分がブローバイガスから分離する分離性能(以下、単に「油分の分離性能」という。)が調整される。また、本実施形態では、アクチュエータ23として、ステッピングモータを用いている。
また、このPCVバルブ20は、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量の調整と油分の分離性能の調整とを同時に行うことができる。即ち、間隔PSの大きさを変更することにより、ブローバイガスの通路面積(即ち、固定側壁部216と回転側壁部222との周方向の間隔PSを構成する空間において、軸方向に沿った平面にて形成された面積)が変更されることになり、ブローバイガス流量が調整されるとともに、固定側壁部216と回転側壁部222との間を通過するブローバイガスの流速が変化することにより、油分の分離性能が調整される。
ケース21には、円筒形状の側壁214と、ブローバイガスがケース21の外部からケース21内に流入可能とする流入口211と、ケース21内からケース21の外部へブローバイガスが流出可能とする流出口212と、ブローバイガスから分離した油分をケース21の外部へ排出する排出口213とが設けられている。流入口211、流出口212、及び排出口213は、それぞれ側壁214に設けられている。また、排出口213は、PCVバルブ20における鉛直方向下側となるように設けられている。
流入口211と流出口212とは、周方向において互いに近接するように配置されている。そして、側壁214において、流入口211と流出口212との間の箇所には、ブローバイガスが流入口211から方向Xに向けて流通して流出口212へ流れ込むことを抑制する板状の隔壁215、即ち、流入口211を介してケース21内に流入したブローバイガスが、流入口211に隣り合う流出口212に即座に流れ込むことを妨げる隔壁215が設けられている。この隔壁215は、側壁214から弁体22に向かい径方向に沿って延設されている。
また、側壁214には、弁体22に向かい延設される固定側壁部216が設けられている。固定側壁部216は、弁体22に向かう板状に形成されているとともに、周方向に一定の間隔をもって複数形成されている。
弁体22は、アクチュエータ23の出力軸231に接続されるとともに、この出力軸231とともに回転する基部221と、この基部221から側壁214に向かい延設される回転側壁部222とにより構成されている。回転側壁部222は、径方向に沿った板状に形成されるとともに、周方向に一定の間隔をもって複数形成されている。
ケース21の隔壁215の内縁は、弁体22の基部221の外周面、即ち、基部221の径方向外側の面との間に、径方向に微小間隙を形成している。即ち、PCVバルブ20には、隔壁215の内縁と弁体22の外周面との径方向の間である微小間隙により、ブローバイガスが流入口211から隔壁215を介して流出口212に流れるのを抑制するラビリンスシールであるシール24が形成されている。
固定側壁部216及び回転側壁部222は、周方向において、互いに交互に配置されている。そして、回転側壁部222の径方向の外縁は、固定側壁部216の径方向の内縁より、径方向の外側となるように形成されている。これにより、固定側壁部216と回転側壁部222との周方向の間に、ブローバイガス通路25を形成している。このブローバイガスの通路の大きさは、間隔PSを変更することにより変更される。
ここで、ブローバイガスは、流入口211から周方向において、方向Xとは反対方向である方向Yに向かい、ブローバイガス通路25を通過し、流出口212に流出する。そして、この間隔PSにおいて、ブローバイガスが固定側壁部216及び回転側壁部222に衝突したとき、ブローバイガスに含有される油分がブローバイガスから分離される。この分離された油分は、排出口213を介して、クランクケース10(図1参照)内の貯留部であるオイルパンに還元される。
次に、図3を参照して、機関負荷の大きさと燃焼室2からクランクケース10内に漏れるブローバイガス流量との関係について説明する。
図3は、機関負荷の大きさと燃焼室2からクランクケース10内に漏れるブローバイガス流量との関係を示すグラフである。図3に示すように、機関低負荷時(即ち、図3の(a)の状態)では、燃焼室2からクランクケース10内に漏れるブローバイガス流量は比較的少量となる。また、機関中負荷時(即ち、図3の(b)の状態)では、機関低負荷時よりも燃焼室2からクランクケース10内に漏れるブローバイガス流量は増大する。そして、機関負荷が増大するにつれて、燃焼室2からクランクケース10内に漏れるブローバイガス流量は増大する。また機関高負荷時(即ち、図3の(c)の状態)では、燃焼室2からクランクケース10内に漏れるブローバイガス流量は機関中負荷時よりも多くなる。
次に、図4及び図5を参照して、PCVバルブ20を通過する気体の流量とPCVバルブ20の駆動状態との関係について説明する。
まず、図4を参照して、スロットルバルブ11の開度とPCVバルブ20の間隔PSとの関係について説明する。
図4は、スロットルバルブ11の開度とPCVバルブ20の弁体22とケース21とにより形成される間隔PSとの関係を示すグラフである。図4に示すように、PCVバルブ20のアクチュエータ23は、スロットルバルブ11の開度に比例して間隔PSが変化するように弁体22を駆動して調整する。即ち、スロットルバルブ11の開度が大きくなるにつれて、間隔PSが大きくなるように弁体22を駆動する。これにより、スロットルバルブ11の開度が大きくなるにつれて、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス、及び新気の混合気の流量(以下、「PCV流量」)が増大する。
具体的には、スロットルポジションセンサ17によって検出されたスロットルバルブ11の開度のデータは、電子制御装置14に送信される。そして、電子制御装置14は、この開度のデータに基づいて、間隔PSを調整する旨の要求としての指令信号をアクチュエータ23に送信する。
より具体的には、電子制御装置14は、スロットルバルブ11の開度が大きくなるにつれて、間隔PSを大きく形成するようにアクチュエータ23に指令信号を送信する。そして、指令信号を受信したアクチュエータ23は、指令信号に基づいて、弁体22を駆動させて、間隔PSを大きく形成する。また、逆に、電子制御装置14は、スロットルバルブ11の開度が小さくなるにつれて、間隔PSを小さく形成するようにアクチュエータ23に指令信号を送信する。そして、指令信号を受信したアクチュエータ23は、指令信号に基づいて、弁体22を駆動させて、間隔PSを小さく形成する。
次に、図4及び図5を参照して、機関負荷とPCVバルブ20の間隔PSとの関係について説明する。
機関低負荷時においては、スロットルバルブ11の開度が比較的小さくなるため、電子制御装置14は、図4に示すグラフに基づいて、PCVバルブ20の間隔PSが小さくなるように弁体22を駆動する。これにより、PCVバルブ20は、例えば、図5(a)に示す状態に維持される。
ここで、機関低負荷時では、燃焼室2からクランクケース10内に漏れるブローバイガス流量が少ないため、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量も少なくなる。したがって、PCVバルブ20において、ブローバイガスが固定側壁部216及び回転側壁部222に衝突することにより分離される油分の分離量も少なくなる。
また、機関低負荷時では、燃焼室2からクランクケース10に漏れるブローバイガス流量が少ないため、PCV流量を減量してもクランクケース10内を適度に換気することはできる。
そこで、電子制御装置14は、PCVバルブ20の間隔PSを小さくすることにより、即ち、ブローバイガスの通路面積を小さくすることにより、ブローバイガスの通路を通過するブローバイガスの流速を増大させる。これにより、ブローバイガスが固定側壁部216及び回転側壁部222に衝突することによるブローバイガスからの油分の分離を促進することができる。その結果、機関低負荷時において、単位時間あたりにブローバイガスから分離する油分の分離量を増大させることができる。
機関中負荷時においては、機関負荷の増大に伴いスロットルバルブ11の開度が大きくなるため、電子制御装置14は、図4に示すグラフに基づいて、PCVバルブ20の間隔PSが機関低負荷時よりも大きくなるように弁体22を駆動する。これにより、PCVバルブ20は、例えば、図5(b)に示す状態に維持される。
ここで、機関中負荷時においては、燃焼室2からクランクケース10内に漏れるブローバイガス流量が機関低負荷時よりも多くなることに伴い、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量も多くなる。したがって、クランクケース10内の換気性を向上させるために、PCV流量を増大させる必要がある。
そこで、電子制御装置14は、PCVバルブ20の間隔PSを機関低負荷時の間隔PSの大きさよりも大きくすることにより、PCV流量を増大させる。このとき、間隔PSが大きくなることにより、油分の分離性能、即ち、ブローバイガス通路25を通過するブローバイガスの流速の増大の度合が機関低負荷時よりも低下するものの、PCV流量の増大に伴いブローバイガス流量が増大するため、ブローバイガスから分離する油分の分離量が機関低負荷時の油分の分離量に対して急激に減少することは抑制される。ここで、「ブローバイガス通路25を通過するブローバイガスの流速の増大の度合」とは、ブローバイガス通路25のうち、間隔PSにて構成されるブローバイガスの通路面積におけるブローバイガスの流速の値からそれ以外のブローバイガス通路25のブローバイガスの流速の値を減じたブローバイガスの流速の変化量をいう。
機関高負荷時においては、スロットルバルブ11の開度が機関中負荷時より大きくなるため、電子制御装置14は、図4に示すグラフに基づいて、PCVバルブ20の間隔PSが機関中負荷時よりも大きくなるように弁体22を駆動する。これにより、PCVバルブ20は、例えば、図5(c)に示す状態に維持される。
ここで、機関高負荷時においては、燃焼室2からクランクケース10内に漏れるブローバイガス流量が機関中負荷時よりも多くなることに伴い、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量も多くなる。これに伴い、クランクケース10内の換気性をさらに向上させるために、機関中負荷時のPCV流量よりもPCV流量を増大させる必要がある。
そこで、電子制御装置14は、PCVバルブ20の間隔PSを機関中負荷時の間隔PSの大きさよりも大きくすることにより、さらにPCV流量を増大させる。このとき、間隔PSが大きくなることにより、油分の分離性能、即ち、ブローバイガス通路25を通過するブローバイガスの流速の増大の度合が機関中負荷時よりも低下するものの、PCV流量の増大に伴いブローバイガス流量が増大するため、ブローバイガスから分離する油分の分離量が機関中負荷時の油分の分離量に対して急激に減少することは抑制される。
ちなみに、図5(c)に示すPCVバルブ20の状態は、スロットルバルブ11の開度が最大のときのものであり、回転側壁部222が隣り合う固定側壁部216の周方向の中間位置に位置する。これにより、ブローバイガス通路25を通過するPCV流量は、間隔PSの調整により変更される範囲内において、最大となり、ブローバイガス通路25を通過するブローバイガス流量も同様に最大となる。
以上のように、電子制御装置14はスロットルバルブ11の開度に基づいて、機関負荷に応じて要求されるブローバイガスからの油分の分離性能及びクランクケース10内の換気性、即ち、ブローバイガス通路25を通過するブローバイガスの流速及び吸気通路3に供給するブローバイガスの流量を把握し、これに応じるべく間隔PSの変更を行う。
次に、図6を参照して、電子制御装置14がPCVバルブ20の間隔PSの大きさを調整する「PCVバルブの制御処理」について説明する。
まず、ステップS10において、スロットルバルブ11の開度からPCVバルブ20の間隔PSの目標値を算出する。具体的には、スロットルポジションセンサ17の信号を電子制御装置14が受信することにより、電子制御装置14は、スロットルバルブ11の開度のデータを得ることができる。そして、電子制御装置14は、図4に示されるグラフに基づいて、スロットルバルブ11の開度のデータに対応したPCVバルブ20の間隔PSの目標値(以下、「間隔目標値」という。)が決定される。
次に、ステップS11において、実際のPCVバルブ20の間隔PSの大きさ(以下、「間隔実際値」という。)が間隔目標値と一致するか否かを判断する。具体的には、間隔実際値は、アクチュエータ23であるステッピングモータの回転量(もしくは、ステッピングモータの回転体のステップ数)に基づいて算出される。そして、電子制御装置14は、算出された間隔実際値と間隔目標値とを比較する。
ここで、間隔実際値が、間隔目標値と一致する場合(ステップS11のYES)、電子制御装置14は、間隔実際値が好適な間隔PSの大きさであると判断する。そして、ステップS12において、電子制御装置14は、アクチュエータ23にPCVバルブ20の間隔PSを現状に維持する指令信号を送信する。
一方、間隔実際値が間隔目標値と一致しない場合(ステップS11のNO)、電子制御装置14は、間隔実際値が好適な間隔PSの大きさではないと判断する。そして、ステップS13において、間隔実際値が間隔目標値より大きいか否かを判断する。
ここで、間隔実際値が間隔目標値より大きい場合(ステップS13のYES)、電子制御装置14は、機関負荷に対して、間隔実際値が大きすぎると判断する。即ち、油分の分離性能を増大させるとともに、ブローバイガス流量を減少させる必要があると判断する。そして、ステップS14において、分離性能の増大要求及びブローバイガスの減少要求を示す信号をアクチュエータ23に送信し、アクチュエータ23は、この信号に基づいて、PCVバルブ20の間隔PSの大きさを小さくするように弁体22を駆動する。即ち、電子制御装置14は、アクチュエータ23に間隔PSを小さくするように指令信号を送信し、この指令信号を受信したアクチュエータ23がPCVバルブ20の弁体22を駆動して、間隔PSを小さくする。
一方、間隔実際値が間隔目標値より小さい場合(ステップS13のNO)、電子制御装置14は、機関負荷に対して、間隔実際値が小さすぎると判断する。即ち、油分の分離性能を低減させるとともに、ブローバイガス流量を増大させる必要があると判断する。そして、ステップS15において、分離性能の低減要求及びブローバイガス流量の増大要求を示す信号をアクチュエータ23に送信し、アクチュエータ23は、PCVバルブ20の間隔PSの大きさを大きくするように弁体22を駆動する。即ち、電子制御装置14は、アクチュエータ23に間隔PSを大きくするように指令信号を送信し、この指令信号を受信したアクチュエータ23によりPCVバルブ20の弁体22を駆動させて、間隔PSを大きくする。以上の処理により、電子制御装置14は、PCVバルブ20の間隔PSの大きさをスロットルバルブ11の開度に応じて変更する。
[実施形態の効果]
本実施形態のブローバイガス還元装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、PCVバルブ20の弁体22とケース21との間隔である固定側壁部216と回転側壁部222との周方向の間隔PSを変更したときにブローバイガスの通路面積の大きさが変更されるため、これに伴い弁体22とケース21との間を通過するブローバイガスの流速が変化するようになる。即ち、アクチュエータ23を通じての弁体22の駆動により、油分の分離性能を可変設定することができるようになる。
(2)本実施形態では、PCVバルブ20の間隔PSを変更することにより、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量の調整と油分の分離性能の調整とを同時に行うことが可能となる。即ち、PCVバルブ20の間隔PSを変更することにより、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量と油分の分離性能とのバランスをとることができる。例えば、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量が減少したときに、油分の分離性能も減少するが、間隔PSを縮小することにより、油分の分離性能の低下を抑制することができる。また、例えば、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量が増大したときに、油分の分離性能も増大するが、間隔PSが狭い場合、PCVバルブ20を通過するブローバイガス流量の増大を阻害してしまう。そこで、間隔PSを拡大することにより、油分の分離性能は低下するが、PCVバルブ20を通過するブローバイガス流量を増大させることができる。
(3)本実施形態では、間隔PSは、ブローバイガスの通路を構成するため、間隔PSを縮小することにより、ブローバイガスの通路が縮小する。したがって、この間隔PSを通過するブローバイガス流量を減少させることができる。その結果、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量を減少させる旨の要求がアクチュエータ23になされた場合、アクチュエータ23は、弁体22を駆動させて間隔PSを縮小させることにより、その要求を達成することができる。
(4)スロットルバルブ11の開度は、機関負荷に基づいて制御される。そして、この機関負荷に基づいて、クランクケース10内に漏れるブローバイガス流量は増減する。即ち、機関負荷が小さくなるにつれて、クランクケース10内に漏れるブローバイガス流量は減少する。したがって、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量が減少する。そして、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量の減少に伴い、このブローバイガスが固定側壁部216及び回転側壁部222に衝突する回数が減少するため、油分の分解量が低下する。そこで、本実施形態では、スロットルバルブ11の開度が小さくなるにつれて、アクチュエータ23は弁体22を油分の分離性能が増大する方向に駆動させるため、機関負荷が小さくなるにつれて、即ち、PCVバルブ20内を通過するブローバイガス流量が減少するにつれて、弁体22を油分の分離性能を増大させる方向に駆動させるため、油分の分離量の低下を抑制することができる。
(5)本実施形態では、ブローバイガス還元装置BRがPCVバルブ20を通過するブローバイガス流量の調整及び油分の分離性能の調整を行うPCVバルブ20のみを備えることにより、他にブローバイガス還元装置BRを通過するブローバイガス流量の調整を行う電子制御式PCVバルブ、及び油分の分離性能を調整する分離機構を備える必要がなくなるため、ブローバイガス還元装置の構造の簡単化を図ることができる。
(6)本実施形態では、PCVバルブ20のケース21に隔壁215が設けられるため、流入口211から流入したブローバイガスは、ケース21の周方向の方向Yに向かい流れて、弁体22のまわりを略一周して流出口212から流出する。即ち、流入口211からケース21の周方向の方向Xに向かい流れて、流出口212から流出する場合と比較して、ケース21内をブローバイガスが通過する通路の長さを長くすることができる。したがって、流入口211からケース21の周方向の方向Xに向かい流れて、流出口212から流出する場合と比較して、ケース21内をブローバイガスが通過する際に、固定側壁部216と回転側壁部222とに衝突する回数を多くすることができる。その結果、油分の分離性能を向上させることができる。
(7)本実施形態では、流入口211と流出口212とは周方向に近接するため、ケース21内のブローバイガスが通過する通路の長さを長くすることができる。したがって、ケース21内に、固定側壁部216と回転側壁部222とを多く設けることができるため、固定側壁部216と回転側壁部222とに衝突する回数を多くすることができる。その結果、油分の分離性能を向上させることができる。
(8)本実施形態では、PCVバルブ20のケース21に設けられた排出口213が、ケース21において、鉛直方向下側に設けられる。したがって、固定側壁部216と回転側壁部222とに衝突することによって、分解されたブローバイガスの油分は、重力の作用によって、排出口213に流れることができる。これにより、油分を排出口213に流すための機構を必要としないため、ケース21を簡略な構成にて形成することができる。その結果、PCVバルブ20のコストダウン、及びブローバイガス還元装置BRのコストダウンを達成することができる。
特に、PCVバルブ20がクランクケース10よりも鉛直方向上側に設けられるため、重力の作用により、排出口213からバイパス路を介して、クランクケース10に油分を流すことができる。したがって、バイパス路に油分をクランクケース10に流すための機構を必要としないため、バイパス路を簡略化した構成にて形成することができる。その結果、バイパス路のコストダウン、及びブローバイガス還元装置BRのコストダウンを達成することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、例えば以下に示すように変更して実施することもできる。
・本実施形態のブローバイガス還元装置BRでは、PCVバルブ20のケース21に設けられた隔壁215と弁体22の基部221との間に微小間隙を形成することにより、ラビリンスシールとなるシール24が設けられたが、このシール24は微小間隙によるラビリンスシールに限定されることはない。例えば、ラビリンスシールに換えて、シール24にオイルシール、もしくはメカニカルシール等の他のシールを設けてもよい。
・本実施形態のブローバイガス還元装置BRでは、PCVバルブ20を円筒形状のケース21に弁体22を収容する構造としていたが、PCVバルブ20の構成及び形状は、これに限定されることはない。例えば、図7に示す従来のセパレータ100の迂回板117,118,119を可動することにより、ブローバイガスの通路を変更可能としてもよい。また、その他のセパレータにおいても、ブローバイガスの通路を変更可能にできる構造であればよい。
・本実施形態のブローバイガス還元装置BRでは、PCVバルブ20に油分の分離性能の調整を行う機能をもたせたが、PCVバルブ20以外の装置によって油分の分離性能の調整が行われてもよい。例えば、ブローバイガス還元装置BRにPCVバルブ20の他に、セパレータを設ける構成とし、このセパレータに油分の分離性能の調整を行う機構を設けてもよい。
・本実施形態のブローバイガス還元装置BRでは、電子制御装置14がPCVバルブ20のアクチュエータ23に弁体22を駆動させる指令信号を送信していたが、アクチュエータ23に指令信号を送信する装置はこれに限定されることはない。例えば、アクチュエータ23に電子制御装置14以外の電子制御ユニット(ECU)を搭載させることにより、アクチュエータ23の制御を行ってもよい。
・本本実施形態のブローバイガス還元装置BRでは、PCVバルブ20のアクチュエータ23として、ステッピングモータを使用したが、アクチュエータ23の種類はこれに限定されることはない。例えば、アクチュエータ23として、ブラシ付モータ、ブラシレスモータ等の他の構造のモータを使用してもよい。特に、ブラシレスモータを使用する際には、ホール素子等の位置検出素子を用いないセンサレス制御にて駆動されるものが好ましい。
・本実施形態のブローバイガス還元装置BRでは、ブローバイガス流量をスロットルバルブ11の開度によって推定していたが、ブローバイガス流量の推定は、これに限定されることはない。例えば、エアフロメータ18及びクランクポジションセンサ19からブローバイガス流量を推定してもよい。ここで、エアフロメータ18により検出される空気量が増大するにつれて、ブローバイガス流量が増大すると推定することができる。また、クランクポジションセンサ19では、クランクシャフトの回転速度が増大するにつれて、ブローバイガス流量が増大すると推定することができる。また、ブローバイガス流量を推定する方法として、例えば、ブローバイガス還元装置BRの一部に流量計を設けてもよい。
・本実施形態のブローバイガス還元装置BRでは、間隔実際値がスロットルバルブ11の開度に基づいた間隔目標値と一致しない場合、電子制御装置14がアクチュエータ23に対して、ブローバイガス流量の増大もしくは減少、及び油分の分離性能の増大もしくは減少の要求を行ったが、電子制御装置14による要求はこれに限定されることはない。例えば電子制御装置14は、ブローバイガス流量の増大もしくは減少の要求のみ、及び油分の分離性能の増大もしくは減少の要求のみをアクチュエータ23に対して行ってもよい。
本発明の内燃機関のブローバイガス還元装置を具体化した実施形態について、同エンジンの構成を示す模式図。 (a)同実施形態のPCVバルブについて、そのケースを回転軸に直交する平面にて切った断面構造を示す断面図。(b)同実施形態のPCVバルブについて、その正面構造を示すとともにケースを回転軸に沿った平面A−Aにて切った断面構造を示す断面図。 同実施形態の内燃機関の機関負荷状態とブローバイガス流量との関係を示すグラフ。 同実施形態のスロットルバルブの開度とPCVバルブの間隔との関係を示すグラフ。 (a)同実施形態のPCVバルブについて、機関低負荷の場合の同PCVバルブの間隔を示した断面図。(b)同実施形態のPCVバルブについて、機関中負荷の場合の同PCVバルブの間隔を示した断面図。(c)同実施形態のPCVバルブについて、機関高負荷の場合の同PCVバルブの間隔を示した断面図。 同実施形態の電子制御装置により実行される「PCVバルブの制御処理」を示すフローチャート。 従来の内燃機関のブローバイガス還元装置について、同還元装置のセパレータの断面構造を示す断面図。
符号の説明
1…エンジン(内燃機関)、2…燃焼室、3…吸気通路、4…排気通路、4a…触媒、5…燃料噴射弁、6…点火プラグ、7…ピストン、7a…ピストンリング、8…クランクシャフト、9…シリンダ内壁、10…クランクケース、11…スロットルバルブ、12…新気導入通路、13…ガス流出通路、14…電子制御装置(制御手段)、15…アクセルペダル、16…アクセルポジションセンサ、17…スロットルポジションセンサ、18…エアフロメータ、19…クランクポジションセンサ、20…PCVバルブ(電子制御式PCVバルブ)、21…ケース、22…弁体、23…アクチュエータ、24…シール、25…ブローバイガス通路、211…流入口、212…流出口、213…排出口、214…側壁、215…隔壁、216…固定側壁部、221…基部、222…回転側壁部、231…出力軸。

Claims (9)

  1. ブローバイガスからの油分の分離を行い、排出口を介して該分離した油分を貯留部に戻す分離機構を備える内燃機関のブローバイガス還元装置において、
    前記分離機構は、ブローバイガスを通過させる空間を有するケースと、該ケース内に収容されて前記ケースとの間に前記ブローバイガスの通路を形成する弁体と、該弁体を駆動して前記ケースと前記弁体との間隔を変更するアクチュエータとを備える
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還元装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、
    前記アクチュエータは、前記油分の分離性能を増大させる旨の要求に基づいて、前記弁体を駆動して、前記間隔を縮小する
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還元装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、
    前記分離機構は、ブローバイガス流量を調整する電子制御式PCVバルブとしての機能を併せて備えるものであり、前記アクチュエータによる前記弁体の駆動により前記油分の分離性能とブローバイガス流量の調整とが同時になされるものである
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還元装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、
    前記アクチュエータは、前記油分の分離性能を増大させる旨の要求及び前記ブローバイガス流量を減少させる旨の要求の少なくとも一方に基づいて、前記弁体を駆動して、前記間隔を縮小する
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還元装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、
    当該還元装置は、油分の分離性能の調整及びブローバイガス流量の調整を機関運転状態に基づいて前記アクチュエータの制御を行う制御手段をさらに備え、
    前記アクチュエータは、油分の分離性能を調整するための指令信号及びブローバイガス流量を調整するための指令信号の双方を前記制御手段から受信するものであり、これら信号の少なくとも一方を受信したときに、受信した指令信号に基づいて前記弁体を駆動するものである
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還元装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、
    前記アクチュエータは、内燃機関の吸気通路に設けられて吸気量を調整する吸気量調整弁について、その開度が小さくなるにつれて油分の分離性能を増大させる方向に前記弁体を駆動する
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還元装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、
    当該還元装置は、電子制御式PCVバルブとしての機能を有する機構として前記分離機構のみを備える
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還元装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、
    前記弁体には、前記ケースの側壁に向かい延設される回転側壁部が設けられるとともに、前記回転側壁部が前記弁体の周方向において所定の間隙を介して複数配置され、
    前記ケースには、前記ブローバイガスの入口及び出口となる流入口及び流出口と、前記弁体に向かい延設される固定側壁部とが設けられて、前記固定側壁部が前記周方向において所定の間隙を介して複数配置され、
    前記回転側壁部は、前記周方向に隣り合う前記固定側壁部の間にそれぞれ配置されるとともに、前記アクチュエータは、前記ケースと前記弁体との間隔を変更して、前記弁体を前記ケースに対して回転させて隣り合う前記回転側壁部と前記固定側壁部との間隔を変更する
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還元装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関のブローバイガス還元装置において、
    前記流入口及び前記流出口は、前記周方向において近接して配置されるとともに、前記ケースは、前記流入口と前記流出口との間の部分に前記弁体に向かい延設される隔壁が設けられる
    ことを特徴とする内燃機関のブローバイガス還元装置。
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