JP2010090411A - 金属粉末製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属粉末製造装置1は、溶融金属を流下させる溶融金属供給部2と、溶融金属供給部2の下方に設置された筒状体3と、溶融金属供給部2から供給された溶融金属Qに向けて気体Gを噴射する気体噴出部5と、筒状体3の内周面に沿って冷却液層S1を形成するように冷却液Sを流出させる冷却液流出部4とを有し、冷却液流出部4は、冷却液Sを筒状体3の内周面の接線方向に向けて噴射する冷却液噴射口41と、冷却液噴射口41に対して下流側に設けられ、冷却液Sを筒状体3の内周面の接線方向に向けて噴射する冷却液噴射口42とを備え、冷却液層S1の周方向での流速が冷却液層S1の有効冷却領域の略全域に亘って均一になるような流速および流量で、冷却液噴射口41、42のそれぞれから冷却液Sを噴射するように構成されている。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1にかかる金属粉末製造装置は、溶融金属を流下させる溶湯ノズルが形成された原料容器と、この原料容器の下方に配設された冷却容器と、冷却容器の内周面に沿って冷却液層を形成する冷却液供給手段と、流下した溶融金属に向けてガスを噴射する高圧ガス噴射手段とを備えている。
このような金属粉末製造装置では、原料容器から流下した溶融金属に高圧ガス噴射手段から噴射されたガスを衝突させることにより、当該溶融金属を多数の溶滴とするとともに、その多数の溶滴を冷却液層に衝突させ冷却固化させ、これにより、金属粉末を製造する。
しかしながら、特許文献1にかかる金属粉末製造装置では、冷却液層の周方向での流速が下方に行くにしたがい遅くなってしまう。そのため、冷却液層の上流側と下流側とで溶滴に対する冷却条件(特に冷却速度)が異なってしまい、均質な(粒径、結晶状態、形状等が均一な)金属粉末を製造するのが難しいという問題があった。
本発明の金属粉末製造装置は、溶融金属を流下させる溶融金属供給部と、
前記溶融金属供給部の下方に設置された筒状体と、
前記溶融金属供給部から供給された溶融金属に向けて気体を噴射する気体噴出部と、
前記筒状体の内周面に沿って冷却液層を形成するように冷却液を流出させる冷却液流出部とを有し、
前記溶融金属供給部から流下した溶融金属に前記気体噴出部から噴射した気体を衝突させることにより、当該溶融金属を多数の液滴とするとともに、該多数の液滴を前記冷却液層に衝突させ冷却固化させて、金属粉末を製造する金属粉末製造装置であって、
前記冷却液流出部は、冷却液を前記筒状体の内周面の接線方向に向けて噴射する第1の冷却液噴射口と、前記第1の冷却液噴射口に対して下流側に設けられ、冷却液を前記筒状体の内周面の接線方向に向けて噴射する第2の冷却液噴射口とを備え、
前記冷却液層の周方向での流速が前記冷却液層の有効冷却領域の略全域に亘って均一になるような流速および流量で、前記第1の冷却液噴射口および前記第2の冷却液噴射口のそれぞれから冷却液を噴射するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、冷却液層の有効冷却領域の上流側と下流側とで溶滴(液滴)に対する冷却条件(特に冷却速度)を等しくすることができる。その結果、均質な(粒径、結晶状態、形状等が均一な)金属粉末を製造することができる。
このようにして、本発明の金属粉末製造装置は、ガスアトマイズ法を用いて高品質な金属粉末を製造することができる。
これにより、冷却液層の周方向での流速が冷却液層の有効冷却領域の略全域に亘って均一になるような流速および流量で、第1の冷却液噴射口および第2の冷却液噴射口のそれぞれから冷却液を噴射させることができる。
これにより、比較的簡単な構成で、冷却液層の周方向での流速が冷却液層の有効冷却領域の略全域に亘って均一になるような流速および流量で、第1の冷却液噴射口および第2の冷却液噴射口のそれぞれから冷却液を噴射させることができる。
これにより、第1の冷却液噴射口および第2の冷却液噴射口のうちの少なくとも一方の冷却液噴射口からの冷却液の流速および/または流量を容易に調整することができる。
これにより、第1の冷却液噴射口および第2の冷却液噴射口のうちの少なくとも一方の冷却液噴射口からの冷却液の流速および/または流量を自動的に調整することができる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記冷却液流出部は、前記第2の冷却液噴射口に対して下流側に設けられ、冷却液を前記筒状体の内周面の接線方向に向けて噴射する第3の冷却液噴射口を備え、
前記冷却液層の周方向での流速が前記冷却液層の有効冷却領域の略全域に亘って均一になるような流速および流量で、前記第1の冷却液噴射口、前記第2の冷却液噴射口、および前記第3の冷却液噴射口のそれぞれから冷却液を噴射するように構成されていることが好ましい。
これにより、より簡単に、冷却液層の周方向での流速を冷却液層の有効冷却領域の略全域に亘って均一にすることができる。
前記冷却液層の周方向での流速が前記冷却液層の有効冷却領域の略全域に亘って均一になるような流速および流量で、前記第1の冷却液噴射口、前記第2の冷却液噴射口、前記第3の冷却液噴射口、および前記第4の冷却液噴射口のそれぞれから冷却液を噴射するように構成されていることが好ましい。
これにより、さらに簡単に、冷却液層の周方向での流速を冷却液層の有効冷却領域の略全域に亘って均一にすることができる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記筒状体は、その軸線が鉛直方向に対して傾斜する方向に向くように設置されていることが好ましい。
これにより、多数の液滴を冷却液層により簡単かつ確実に衝突させることができる。
まず、本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態を示す模式図(縦断面図)、図2は、図1に示す金属粉末製造装置に備えられた気体噴射部を示す斜視図、図3は、図2に示す気体噴射部の部分拡大縦断面図、図4は、図1に示す金属粉末製造装置に備えられた冷却液流出部の複数の冷却液噴射口の配置を説明するための図(横断面図)、図5は、図1に示す金属粉末製造装置の冷却液の流出制御の制御系を示すブロック図である。なお、以下の説明では、図1ないし図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すように、溶融金属供給部2は、有底筒状をなす部分を有している。この溶融金属供給部2の内部空間(内腔部)には、製造すべき金属粉末の原材料を溶融した溶融金属Qが一時的に収納される。このような溶融金属供給部2は、例えば、黒鉛、窒化珪素等の耐火性材料で構成されている。また、溶融金属供給部2の外周には、溶融金属Qを加熱・保温するための誘導コイル6が設けられている。
また、溶融金属供給部2の底部の中央部には、吐出口21が設けられている。この吐出口21からは、溶融金属供給部2内の溶融金属Qが下方に向かって自然落下により吐出される。
筒状体3は、円筒状をなし、その軸線が鉛直方向に対して傾斜する方向を向くように設置されている。
この筒状体3は、後述するように、気体噴射部5からの気体Gにより溶融金属Qを分断(飛散)させて形成された多数の液滴(溶滴)Q1が供給されるとともに、その多数の液滴Q1を冷却液流出部4からの冷却液Sにより形成された冷却液層S1で冷却するためのものである。
このような筒状体3の上側(上端部付近)には、環状の蓋部材7が設けられている。この蓋部材7上には、蓋部材7の中央部の開口を通じて筒状体3内に気体Gを噴射し得るように気体噴射部5が設けられている。
溶湯ノズル51は、鉛直方向に上下に貫通するように形成された溶湯ノズル孔511を有している。また、溶湯ノズル51は、耐火材で構成されている。
このような溶湯ノズル51の外周側には、その周方向に沿って環状をなすガス室52が設けられている。このガス室52には、外部から図示しないガス供給管を介して、高圧の気体Gが供給されるようになっている。
このようなガス室52の下側には、その周方向に沿って並設された複数の気体噴射口53が設けられている。各気体噴射口53は、前述したガス室52に連通しており、気体Gを噴射するようになっている。
各第1の気体噴射口(主気体噴射口)531は、流下した溶融金属Qに気体Gを第1の流速および第1の流量で噴射するように構成されている。そして、複数の第1の気体噴射口531は、各第1の気体噴射口531からの気体Gの噴射により主分断用のガス流j1を生じさせる。
このとき、各第2の気体噴射口532の横断面積が各第1の気体噴射口531の横断面積よりも小さいので、流路抵抗差により、ガス流j2の流速および流量がガス流j1の流速および流量よりも小さくなる。
このようにして、気体噴射部5は、溶湯ノズル51を囲う円周上に配置された複数の気体噴射口53のそれぞれから気体Gが噴射されるものの、これらのガス流が溶湯ノズル孔511の軸線上で交わることで、円錐状の拡がりを全周にわたって生じることなく、溶湯ノズル孔511の軸線に対して片側に気体Gを噴射することができる。
特に、気体噴射部5は、多数の液滴Q1を鉛直方向に対して傾斜した第1の方向に向けて飛翔させるように構成されており、筒状体3は、その軸線が鉛直方向に対して前記第1の方向とは反対側に傾斜した第2の方向を向くように設置されている。これにより、多数の液滴Q1を冷却液層S1により簡単かつ確実に衝突させることができる。
冷却液流出部4は、複数の冷却液噴射口41、42、43、44を備えている。
図1および図4に示すように各冷却液噴射口41、42、43、44は、筒状体3の内周面に開口しており、筒状体3の内周面の接線方向に向けて冷却液S(本実施形態では水)を流出(吐出)する。これにより、冷却液Sを筒状体3の周方向に旋回させて、冷却液層S1を形成する。なお、冷却液Sは、還元剤等の添加剤が添加されていてもよい。
また、図4に示すように、冷却液噴射口41と冷却液噴射口43とが筒状体3の周方向での同位置に設けられ、また、冷却液噴射口42と冷却液噴射口44とが筒状体3の周方向での同位置に設けられている。
そして、これらの冷却液噴射口41、42、43、44は、筒状体3の内周面の接線方向での同一向きに冷却液Sを噴射するように形成されている。
このように構成された冷却液流出部4によれば、比較的簡単な構成で、筒状体3の上端部から下端部に亘って冷却液層S1を形成することができる。
また、冷却液噴射口41にはポンプ81が接続され、冷却液噴射口42にはポンプ82が接続され、冷却液噴射口43にはポンプ83が接続され、冷却液噴射口44にはポンプ84が接続されている。これらのポンプ81、82、83、84は、それぞれ、図示しない冷却液タンクが接続されている。これにより、ポンプ81、82、83、84を作動させることで、冷却タンク内の冷却液Sを各冷却液噴射口41、42、43、44に供給し、加圧された冷却液Sが各冷却液噴射口41、42、43、44から噴射(流出)される。
バルブ85は冷却液噴射口41に供給される冷却液Sの圧力を調整するものであり、バルブ86は冷却液噴射口42に供給される冷却液Sの圧力を調整するものであり、バルブ87は冷却液噴射口43に供給される冷却液Sの圧力を調整するものであり、バルブ88は冷却液噴射口44に供給される冷却液Sの圧力を調整するものであり、これらは、圧力調整手段を構成する。また、バルブ85、86、87、88は、冷却液噴射口41、42、43、44からの冷却液Sの流速および/または流量を調整する調整手段を構成する。
冷却液層S1の周方向での流速が冷却液層S1の有効冷却領域の略全域に亘って均一になると、冷却液層S1の上流側と下流側とで液滴(溶滴)Q1に対する冷却条件(特に冷却速度)を等しくすることができる。その結果、均質な(粒径、結晶状態、形状等が均一な)金属粉末を製造することができる。その結果、金属粉末製造装置1は、ガスアトマイズ法を用いて高品質な金属粉末Rを製造することができる。ここで、冷却液層S1の有効冷却領域とは、気体噴射部5から広がって飛翔する多数の液滴Q1が冷却液層S1に衝突する領域を言う。
センサ11は、冷却液噴射口41に対して下流側、かつ、冷却液噴射口42に対して上流側に設けられている。また、センサ12は、冷却液噴射口43に対して下流側、かつ、冷却液噴射口44に対して上流側に設けられている。
センサ11、12は、それぞれ、冷却液層S1の周方向での流速を検出することができるものであれば、特に限定されず、各種流速計を用いることができ、例えば、ピトー管を用いることができる。
制御手段13は、センサ11、12の検出結果(検出された流速)に基づいて、前述したバルブ85、86、87、88の開度を調整するものである。ここで、制御手段13は、センサ11、12の検出結果に基づいてバルブ85、86、87、88の調整を制御する制御手段を構成する。
より具体的には、制御手段13は、センサ11によって検出された流速と、センサ12によって検出された流速との差がゼロとなるように、バルブ85、86、87、88の調整を制御する。
以上のようにして、制御手段13は、冷却液噴射口41、42、43、44からの冷却液Sの流速および/または流量を自動的に調整することができる。
また、筒状体3の下端には、金属粉末Rを冷却液Sとともに排出するための排出管9が接続されている。この排出管9は、図示しない回収タンクに接続されている。
以上説明したような金属粉末製造装置1によれば、冷却液層S1の有効冷却領域の上流側と下流側とで液滴Q1に対する冷却条件(特に冷却速度)を等しくすることができる。その結果、均質な(粒径、結晶状態、形状等が均一な)金属粉末Rを製造することができる。
以上、本発明の金属粉末製造装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、金属粉末製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
Claims (8)
- 溶融金属を流下させる溶融金属供給部と、
前記溶融金属供給部の下方に設置された筒状体と、
前記溶融金属供給部から供給された溶融金属に向けて気体を噴射する気体噴出部と、
前記筒状体の内周面に沿って冷却液層を形成するように冷却液を流出させる冷却液流出部とを有し、
前記溶融金属供給部から流下した溶融金属に前記気体噴出部から噴射した気体を衝突させることにより、当該溶融金属を多数の液滴とするとともに、該多数の液滴を前記冷却液層に衝突させ冷却固化させて、金属粉末を製造する金属粉末製造装置であって、
前記冷却液流出部は、冷却液を前記筒状体の内周面の接線方向に向けて噴射する第1の冷却液噴射口と、前記第1の冷却液噴射口に対して下流側に設けられ、冷却液を前記筒状体の内周面の接線方向に向けて噴射する第2の冷却液噴射口とを備え、
前記冷却液層の周方向での流速が前記冷却液層の有効冷却領域の略全域に亘って均一になるような流速および流量で、前記第1の冷却液噴射口および前記第2の冷却液噴射口のそれぞれから冷却液を噴射するように構成されていることを特徴とする金属粉末製造装置。 - 前記第1の冷却液噴射口および前記第2の冷却液噴射口のうちの少なくとも一方の冷却液噴射口からの冷却液の流速および/または流量を調整する調整手段を有する請求項1に記載の金属粉末製造装置。
- 前記調整手段は、前記第1の冷却液噴射口に供給される冷却液の圧力、および/または、前記第2の冷却液噴射口に供給される冷却液の圧力を調整する圧力調整手段を備える請求項2に記載の金属粉末製造装置。
- 前記冷却液層の周方向での流速を検出する流速検出手段を有し、前記流速検出手段の検出結果に基づいて前記調整手段の調整をし得るように構成されている請求項2または3に記載の金属粉末製造装置。
- 前記流速検出手段の検出結果に基づいて前記調整手段の調整を制御する制御手段を有する請求項4に記載の金属粉末製造装置。
- 前記冷却液流出部は、前記第2の冷却液噴射口に対して下流側に設けられ、冷却液を前記筒状体の内周面の接線方向に向けて噴射する第3の冷却液噴射口を備え、
前記冷却液層の周方向での流速が前記冷却液層の有効冷却領域の略全域に亘って均一になるような流速および流量で、前記第1の冷却液噴射口、前記第2の冷却液噴射口、および前記第3の冷却液噴射口のそれぞれから冷却液を噴射するように構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の金属粉末製造装置。 - 前記冷却液流出部は、前記第3の冷却液噴射口に対して下流側に設けられ、冷却液を前記筒状体の内周面の接線方向に向けて噴射する第4の冷却液噴射口を備え、
前記冷却液層の周方向での流速が前記冷却液層の有効冷却領域の略全域に亘って均一になるような流速および流量で、前記第1の冷却液噴射口、前記第2の冷却液噴射口、前記第3の冷却液噴射口、および前記第4の冷却液噴射口のそれぞれから冷却液を噴射するように構成されている請求項6に記載の金属粉末製造装置。 - 前記筒状体は、その軸線が鉛直方向に対して傾斜する方向に向くように設置されている請求項1ないし7のいずれかに記載の金属粉末製造装置。
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