JP2010090404A - Snメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置 - Google Patents

Snメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置 Download PDF

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JP2010090404A JP2008258387A JP2008258387A JP2010090404A JP 2010090404 A JP2010090404 A JP 2010090404A JP 2008258387 A JP2008258387 A JP 2008258387A JP 2008258387 A JP2008258387 A JP 2008258387A JP 2010090404 A JP2010090404 A JP 2010090404A
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Abstract

【課題】Snメッキ付き銅材料から効率良く、かつ、確実にSnを除去することが可能なSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置を提供する。
【解決手段】銅または銅合金からなる銅基材の表面の少なくとも一部にSnメッキ層が形成されたSnメッキ付き銅材料からSnを除去するSnメッキ除去方法であって、少なくとも硝酸と硫酸とを含有するエッチング液を用いて、前記銅基材の表面に形成された前記Snメッキ層と、前記Snメッキ層と前記銅基材との間に生成したCu−Sn合金層とを溶解する溶解工程S2を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばリードフレームやコネクタ等の電子部品材料として用いられるSnメッキ付き銅材料のスクラップ屑等からSnを除去するSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置に関するものである。
一般に、リードフレームやコネクタ等の電子部品材料としては、銅または銅合金からなる銅基材の表面にSnメッキを施したSnメッキ付き銅材料が用いられている。リードフレームやコネクタは、前述のSnメッキ付き銅材料に打ち抜き加工を行うことによって作製されるため、打ち抜き後にスクラップ屑(打ち抜き屑)が発生することになる。また、これ以外でも、Snメッキ付き銅材料を取り扱う際にはスクラップ屑が発生することがある。
通常、銅材料のスクラップ屑は、銅または銅合金の原料として再利用される。しかしながら、Snメッキ付き銅材料の場合には、銅基材の表面にSnメッキ層が形成されていることから、銅または銅合金中のSnの含有量が大幅に上昇してしまうことになるため、原料として再利用することができなかった。このため、従来は、Snメッキ銅材料のスクラップ屑を溶錬工場に送り、溶錬工程において銅分を回収していた。
しかしながら、溶錬工程で銅分を回収するためには多くのエネルギーを必要する。また、溶錬工程で銅を回収した場合、銅基材に含有される銅以外の元素も除去されてしまうことになる。
一方、Snメッキ付き銅材料のスクラップ屑からSnを除去して銅基材のみを銅および銅合金の原料として再利用することが考えられる。Snメッキ銅材料からSnを除去する方法としては、硫酸銅溶液や過酸化水素を含むはんだ洗浄液によって除去する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開昭63−60241号公報
ところで、前述のSnメッキ付き銅材料においては、銅基材とSnメッキ層との間に、CuとSnとが互いに拡散することでCu−Sn合金層が形成される。硫酸銅溶液や過酸化水素を含むはんだ洗浄液では、Cu−Sn合金層を溶解することが困難であるため、Snを十分に除去することができなかった。また、Snメッキ層においても溶解速度が遅く、効率的にSnを除去することができなかった。このため、Snメッキ銅材料のスクラップ屑を、銅及び銅合金の原料として再利用することができなかった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、Snメッキ付き銅材料から効率良く、かつ、確実にSnを除去することが可能なSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るSnメッキ除去方法は、銅または銅合金からなる銅基材の表面の少なくとも一部にSnメッキ層が形成されたSnメッキ付き銅材料からSnを除去するSnメッキ除去方法であって、少なくとも硝酸と硫酸とを含有するエッチング液を用いて、前記銅基材の表面に形成された前記Snメッキ層と、前記Snメッキ層と前記銅基材との間に生成したCu−Sn合金層とを溶解する溶解工程を備えていることを特徴としている。
この構成のSnメッキ除去方法においては、少なくとも硝酸と硫酸とを含有するエッチング液によってSnメッキ層とCu−Sn合金層とを溶解するように構成している。ここで、硝酸はCuおよびSnの両方を溶解する作用を有しており、硫酸はCuよりもSnを選択的に溶解する作用を有しているので、硝酸によってSnメッキ層のみでなくCu−Sn合金層も効率的に溶解することができるとともに、硫酸によってSnメッキ層を選択的に溶解することができる。つまり、このエッチング液によれば、Snが存在している間はエッチングが効率的に行われ、Snが溶解されるとエッチングの進行が遅くなり、銅基材の必要以上の溶解を防止できるのである。
ここで、前記エッチング液は、前記硝酸の含有量が前記硫酸の含有量よりも少なくされていることが好ましい。
硝酸は、前述のようにCuおよびSnの両方を溶解する作用を有しているので、Snを選択的に溶解する硫酸の含有量を多くすることで、原料として再利用する銅基材を必要以上に溶解することがなくなり、Snメッキ層およびCu−Sn層を効率的に溶解することができる。また、硝酸の含有量を少なくすることで、溶解工程における窒素酸化物(NOx)の発生を抑制することができる。
なお、硝酸の含有量X1と硫酸の含有量X2との比率X1/X2は、1/4≦X1/X2<1の範囲内とすることが好ましい。
また、前記エッチング液は、水分を含有しており、水分の含有量Yは、前記硝酸と前記硫酸の含有量X(=X1+X2)との比率X/Yが1≦X/Y≦4の範囲内となるように設定されていることが好ましい。
エッチング液における水分の含有量Yと前記硝酸と前記硫酸の含有量Xとの比率X/Yが1以上とされているので、このエッチング液と接触する構造物の劣化を防止できる。また、前記比率X/Yが4以下とされているので、硝酸および硫酸によるSnの溶解性を確保することができる。
さらに、前記エッチング液は、特に接液部にステンレス鋼を用いた設備である場合、過酸化水素を含有していることが好ましい。
エッチング液貯留槽等エッチング液と接触する構造物をステンレス鋼で構成している場合には、過酸化水素によってこれら構造物の表面に不働態膜が生成することになり、構造物の劣化を確実に抑制することができる。
また、前記溶解工程において発生する窒素酸化物を回収して硝酸として再生する回収再生工程を備えていることが好ましい。
この場合、エッチング液に含有された硝酸によって生成する窒素酸化物(NOx)を回収して硝酸として再生する回収再生工程を備えているので、窒素酸化物を大気に放出することがなくなり、環境負荷を大幅に低減することができる。また、硝酸として再生するので、硝酸の使用コストを低減することができる。
本発明に係るSnメッキ除去装置は、銅または銅合金からなる銅基材の表面の少なくとも一部にSnメッキ層が形成されたSnメッキ付き銅材料からSnを除去する際に使用されるSnメッキ除去装置であって、少なくとも硝酸と硫酸とを含有するエッチング液を前記Snメッキ付き銅材料の表面に供給して前記Snを溶解するエッチング部を備えていることを特徴としている。
この構成のSnメッキ除去装置においては、少なくとも硝酸と硫酸とを含有するエッチング液をSnメッキ付き銅材料の表面に供給するエッチング部を有しているので、Snメッキ付き銅材料の表面に形成されたSnメッキ層とCu−Sn合金層とをエッチング液によって溶解することができる。なお、エッチング液をSnメッキ付き銅材料の表面に対してシャワーリングするような構成とすると、新たなエッチング液が常にSnメッキ付き銅材料の表面に供給されるとともに酸素の取り込みと反応ガスの放出が容易となり液中浸漬での反応よりも強く反応することになり、さらに効率良くSnメッキ層とCu−Sn合金層とを溶解することができる。
ここで、前記エッチング液から発生する窒素酸化物を回収して硝酸として再生する回収再生部を備えていることが好ましい。
この場合、窒素酸化物(NOx)を回収して硝酸として再生する回収再生部を備えているので、窒素酸化物を大気に放出することがなくなり、環境負荷を大幅に低減することができる。なお、回収再生部としては、酸素ガス供給手段を備えた温水及び冷水スクラバーを利用することが好ましい。
また、前記Snメッキ付き銅材料がコイル状に巻き取られた条材である場合には、Snメッキ除去装置を、前記Snメッキ付き銅材料を前記エッチング部に送り出すアンコイラーと、前記エッチング部で前記Snメッキが除去された前記銅基材を巻き取るコイラーと、を備え、前記Snメッキ付き銅材料からの前記Snメッキの除去を連続的に行うように構成してもよい。
この場合には、コイル状に巻き取られたSnメッキ付き銅材料を連続的に処理することができ、Snの除去を効率的に行うことが可能となる。
また、前記Snメッキ付き銅材料が小片状である場合には、Snメッキ除去装置を、 前記エッチング部が、前記Snメッキ付き銅材料を収容するとともに前記エッチング液が流通可能な連通孔を有する収納容器と、該収納容器に収容された前記Snメッキ付き銅材料を攪拌する攪拌手段とを有するものとすることが好ましい。
この場合には、攪拌手段によって収納容器内に収容された小片状のSnメッキ付き銅材料を攪拌することで、Snメッキ付き銅材料の表面に確実にエッチング液を供給することができ、効率的にSnを除去することができる。
本発明によれば、Snメッキ付き銅材料から効率良く、かつ、確実にSnを除去することが可能なSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
図1及び図2に本発明の第1の実施形態であるSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置を示す。
本実施形態であるSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置20は、例えばリードフレームやコネクタ等の電子部品材料として用いられるSnメッキ付き銅材料10のスクラップ屑等からSnを除去するためのものである。また、本実施形態においては、Snメッキ付き銅材料10はコイル状に巻取り可能な条材とされている。
まず、このSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置20によって処理されるSnメッキ付き銅材料10について図3を用いて説明する。
このSnメッキ付き銅材料10は、銅または銅合金からなる銅基材11とこの銅基材11の表面に形成されたSnメッキ層12とを備えている。そして、銅基材11とSnメッキ層12との間には、SnとCuとが相互に拡散することによりCu−Snの金属間化合物からなるCu−Sn合金層13が形成されている。
ここで、銅基材11の厚さt1は0.1mm≦t1≦1.0mmの範囲内に、Snメッキ層12の厚さt2は0.2μm≦t2≦3.0μmの範囲内に、Cu−Sn合金層13の厚さt3は0.1μm≦t3≦3.0μmの範囲内に設定されている。このようにSnメッキ層があるため、Snメッキ付き銅材料10をそのまま原料として再利用することはできない。
次に、第1の実施形態であるSnメッキ除去装置20について図2を参照にして説明する。
このSnメッキ除去装置20は、コイル状に巻き取られたSnメッキ付き銅材料10を送り出すアンコイラー21と、Snメッキ付き銅材料10の表面に付着した機械油等を除去する脱脂部22と、Snメッキ層12及びCu−Sn合金層13を溶解するエッチング部23と、Snメッキ層12及びCu−Sn合金層13が除去された銅基材11に付着したエッチング液32を除去する洗浄部24と、銅基材11を乾燥する乾燥部25と、乾燥された銅基材11を巻き取るコイラー26と、を備えている。
脱脂部22においては、Snメッキ付き銅材料10の表面に付着した機械油等を除去する脱脂液31を噴出するシャワーノズル22Aが上下に配置されている。
エッチング部23においては、Snメッキ層12及びCu−Sn合金層13を溶解するエッチング液32を噴出するシャワーノズル23Aが上下に配置されている。
洗浄部24においては、銅基材11に付着したエッチング液32を除去する洗浄液33を噴出するシャワーノズル24Aが上下に配置されている。
本実施形態では、図2に示すように、アンコイラー21から送り出されるSnメッキ付き銅材料10が、脱脂部22、エッチング部23、洗浄部24、乾燥部25を連続的に通過してコイラー26に巻き取られるように構成されている。
エッチング部23にて噴出されるエッチング液32は、少なくとも硝酸と硫酸とを含有している。ここで、硝酸の含有量X1は硫酸の含有量X2よりも少なく(X1<X2)されていることが好ましく、その比率X1/X2は、1/4≦X1/X2<1の範囲内とすることが好ましい。また、硝酸と硫酸の含有量X(=X1+X2)に対して水分量Yは、その比率X/Yが1≦X/Y≦4の範囲内となるように設定することが好ましい。
より具体的には、硝酸の含有量X1は10vol%≦X1≦30vol%の範囲内に、硫酸の含有量X2は15vol%≦X2≦45vol%の範囲内(但し、X1<X2)に、水分量Yは25vol%≦Y≦75vol%の範囲内(但し、1≦X/Y≦4)とすることが好ましい。
本実施形態におけるエッチング液32は、図1に示すように、硝酸が20vol%、硫酸が30vol%、水分が50vol%とされている。
また、本実施形態であるSnメッキ除去装置20は、図2に示すように、エッチング部23で発生する窒素酸化物(NOx)を回収して硝酸に再生する脱窒装置27を備えている。
次に、このSnメッキ除去装置20を用いたSnメッキ除去方法について図1及び図2を参照にして説明する。
まず、アンコイラー21からSnメッキ付き銅材料10を連続的に送り出す。送り出されたSnメッキ付き銅材料10は、脱脂部22内を通過し、脱脂液31によって表面に付着した機械油等が除去される(脱脂工程S1)。このように脱脂することによって、エッチング部23においてエッチング液32のはじきを防止することが可能となる。
次に、脱脂部22を通過したSnメッキ付き銅材料10はエッチング部23内を通過する。ここで、少なくとも硝酸と硫酸とを含有するエッチング液32によってSnメッキ層12及びCu−Sn合金層13が溶解される(溶解工程S2)。これにより、銅基材11のみが次の工程へと搬送されることになる。
エッチング部23を通過した銅基材11は、洗浄部24内を通過し、表面に付着しているエッチング液32が洗浄液33によって除去される(洗浄工程S3)。
そして、乾燥部25を通過して乾燥され(乾燥工程S4)、コイラー26に巻き取られるのである。
また、エッチング部23においては、硝酸を含有するエッチング液32によってSnメッキ層12及びCu−Sn合金層13を溶解しているため、窒素酸化物(NOx)が発生する。ここで、本実施形態では、この窒素酸化物を回収して硝酸に再生する(回収再生工程S5)。
このようにして、Snメッキ付き銅材料10のSnが除去され、銅基材11のみが回収されることになる。
このような構成とされた本実施形態であるSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置20によれば、硝酸と硫酸とを含有するエッチング液32によってSnメッキ層12とCu−Sn合金層13とを溶解するように構成しているので、硝酸によってSnメッキ層12のみでなくCu−Sn合金層13も効率的に溶解することができるとともに、硫酸によってSnメッキ層12を選択的に溶解することができる。
また、エッチング液32は、硝酸の含有量X1が硫酸の含有量X2よりも少なくされており、本実施形態では、X1=20vol%、X2=30vol%とされているので、Snを選択的に溶解する硫酸の含有量X2が多くなり、銅基材11を必要以上に溶解することがなくなり、Snメッキ層12およびCu−Sn層を選択的に溶解することができる。また、硝酸の含有量X1を少なくすることで、エッチング部23(溶解工程S2)における窒素酸化物(NOx)の発生を抑制することができる。
また、エッチング液32において、硝酸と硫酸の含有量Xに対して水分量Yは、その比率X/Yが1≦X/Y≦4の範囲内となるように設定されており、より具体的には、水分量Yは25vol%≦Y≦75vol%の範囲内に設定されているので、エッチング液32によるエッチングの劣化を防止できるとともに、硝酸および硫酸によるSnの溶解性を確保することができる。
さらに、エッチング部23(溶解工程S2)において発生する窒素酸化物(NOx)を回収して硝酸として再生する脱窒装置27(回収再生工程S5)を備えているので、窒素酸化物を大気に放出することがなくなり、環境負荷を大幅に低減することができる。また、再生した硝酸を再利用するので、硝酸の使用コストを低減することができる。
また、コイル状に巻き取られたSnメッキ付き銅材料10を送り出すアンコイラー21と、Snメッキ層12及びCu−Sn合金層13が除去された銅基材11を巻き取るコイラー26と、を備え、脱脂部22、エッチング部23、洗浄部24、乾燥部25を連続的に通過するように構成しているので、コイル状に巻き取られたSnメッキ付き銅材料10を連続的に処理することができ、Snの除去を効率的に行うことが可能となる。
さらに、脱脂部22、エッチング部23、洗浄部24が、それぞれ脱脂液31、エッチング液32、洗浄液33が噴出されるシャワーノズル22A、23A、24Aを備えているので、常に新たな脱脂液31、エッチング液32、洗浄液33がSnメッキ付き銅材料10又は銅基材11に供給されることになり、脱脂工程、エッチング工程、洗浄工程を効率的に行うことが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態であるSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置について図4及び図5を参照して説明する。
本実施形態であるSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置70は、例えばリードフレームやコネクタ等の電子部品材料として用いられるSnメッキ付き銅材料のスクラップ屑等からSnを除去するためのものであり、特に、小片状のスクラップ屑を処理するものである。
本実施形態であるSnメッキ除去装置70は、Snメッキ付き銅材料の表面に付着した機械油等を除去するための脱脂液81が貯留された脱脂槽72と、Snメッキ層及びCu−Sn合金層を溶解するエッチング液82が貯留されたエッチング槽73と、洗浄液83が貯留された洗浄槽74と、銅基材を乾燥させる乾燥部75と、を備えている。
そして、小片状のSnメッキ付き銅材料を収容するとともに、脱脂液81、エッチング液82、洗浄液83が流通可能な連通孔79を有する収納容器78を備えている。この収納容器78は、例えばステンレス鋼で構成されており、この収納容器78にSnメッキ付き銅材料を収容した状態で、脱脂槽72、エッチング槽73、洗浄槽74、乾燥部75へと装入されるように構成されている。
また、エッチング槽73には、収納容器78内に収容された小片状のSnメッキ付き銅材料を攪拌するための攪拌手段として超音波発生器73Aが設けられている。
この第2の実施形態においてエッチング槽73に貯留されるエッチング液82は、硝酸と硫酸と水分とを含有しており、さらに過酸化水素を含有している。
より具体的には、硝酸の含有量X1は10vol%≦X1≦30vol%の範囲内に、硫酸の含有量X2は15vol%≦X2≦45vol%の範囲内(但し、X1<X2)に、水分量Yは25vol%≦Y≦75vol%の範囲内(但し、1≦X/Y≦4)とすることが好ましい。また、過酸化水素の含有量Zは、硝酸X1、硫酸X2、水分Yの合計を100vol%としたときに0.3vol%≦Z≦30vol%の範囲内となるように設定されている。
本実施形態におけるエッチング液82は、硝酸が35vol%、硫酸が45vol%、水分が19.5vol%、過酸化水素が0.5vol%とされている。
また、本実施形態であるSnメッキ除去装置70は、図5に示すように、エッチング槽73で発生する窒素酸化物(NOx)を回収して硝酸に再生する脱窒装置77を備えている。本実施形態では、この脱窒装置77で再生された硝酸は、脱脂槽72の脱脂液81として再利用される。
次に、このSnメッキ除去装置70を用いたSnメッキ除去方法について図4及び図5を参照にして説明する。
まず、小片状のSnメッキ付き銅材料を収納容器78内に収容し、脱脂槽72内に浸漬する。このとき、連通孔79を通じて収納容器78内に脱脂液81が供給され、脱脂液81によって表面に付着した機械油等が除去される(脱脂工程S’1)。
次に、収納容器78を脱脂槽72から取り出し、エッチング槽73内に浸漬する。エッチング槽73では、硝酸と硫酸と過酸化水素を含有するエッチング液82が連通孔79を通じて収納容器78内に供給され、このエッチング液82によってSnメッキ層及びCu−Sn合金層が溶解される(溶解工程S’2)。このとき、エッチング槽73には攪拌手段として超音波発生器73Aが設けられており、超音波をエッチング液82に伝達することで小片状のSnメッキ付き銅材料が攪拌され、エッチング液82がSnメッキ付き銅材料の表面に確実に供給されることになる。
次に、収納容器78をエッチング槽73から取り出し、洗浄槽74に浸漬する。この洗浄槽74にでは、洗浄液83が連通孔79を通じて収納容器78内に供給され、この洗浄液83によって銅基材に付着したエッチング液82が除去される(洗浄工程S’3)。
その後、乾燥部75に装入して銅基材の乾燥を行う(乾燥工程S’4)。
また、エッチング槽73においては、硝酸を含有するエッチング液82によってSnメッキ層及びCu−Sn合金層を溶解しているため、窒素酸化物(NOx)が発生する。ここで、本実施形態では、この窒素酸化物を回収して硝酸に再生し(回収再生工程S’5)、再生された硝酸を脱脂工程S’1へと供給する。
このようにして、Snメッキ付き銅材料のSnが除去され、銅基材のみが回収されることになる。
このような構成とされた本実施形態であるSnメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置70によれば、エッチング槽73に、攪拌手段として超音波発生器73Aが設けられているので、収納容器78内に収容された小片状のSnメッキ付き銅材料の表面にエッチング液82を確実に供給することができ、つまり、小片状のSnメッキ付き銅材料同士が重なり合った部分にもエッチング液82を供給することができ、Snの除去を促進することができる。
また、エッチング液82が過酸化水素を含有しているので、ステンレス鋼で構成された収納容器78の表面に過酸化水素によって不働態膜が生成し、収納容器78が硝酸や硫酸によって消耗劣化することを防止できる。これにより、Sn,Cu及びそれらの合金のみを選択的に溶解し、鉄系合金(ステンレス鋼等)の溶解を著しく低減できるため収納容器78の寿命延長を図ることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態においては、エッチング部及びエッチング槽から発生する窒素酸化物を回収して硝酸に再生する脱窒装置を備えたものとして説明したが、これに限定されることはなく、単に窒素酸化物を回収する回収装置を備えたものであってもよい。
さらに、第2の実施形態においては、小片状のSnメッキ付き銅材料を収納容器に収容した状態で脱脂槽、エッチング槽、洗浄槽、乾燥部に逐次装入する構成として説明したが、これに限定されることはなく、収納容器を備えた固定槽に小片状のSnメッキ付き銅材料を収容し、固定槽内に脱脂液、エッチング液、洗浄液等を逐次入れ替えるように構成してもよい。
また、本実施形態では、図3に示すように、銅基材の片面にSnメッキ層を形成したものとして説明したが、銅基材の両面にSnメッキ層が形成されていてもよく、処理されるSnメッキ付き銅材料に特に限定はない。また、下地メッキ層として、Cu若しくはCu合金層、またはNi若しくはNi合金層が形成されていても適用することができる。
本発明の第1の実施形態であるSnメッキ除去方法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態であるSnメッキ除去装置を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態であるSnメッキ除去方法及びSnメッキ除去装置にて処理されるSnメッキ付き銅材料の概略断面図である。 本発明の第2の実施形態であるSnメッキ除去方法を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態であるSnメッキ除去装置を示す説明図である。
符号の説明
10 Snメッキ付き銅材料
11 銅基材
12 Snメッキ層
13 Cu−Sn合金層
20、70 Snメッキ除去装置
21 アンコイラー
23 エッチング部
26 コイラー
27、77 脱窒装置
32、82 エッチング液
73 エッチング槽(エッチング部)
73A 超音波発生器(攪拌手段)
78 収納容器
79 連通孔
S2、S’2 溶解工程
S5、S’5 回収再生工程

Claims (9)

  1. 銅または銅合金からなる銅基材の表面の少なくとも一部にSnメッキ層が形成されたSnメッキ付き銅材料からSnを除去するSnメッキ除去方法であって、
    少なくとも硝酸と硫酸とを含有するエッチング液を用いて、前記銅基材の表面に形成された前記Snメッキ層と、前記Snメッキ層と前記銅基材との間に生成したCu−Sn合金層とを溶解する溶解工程を備えていることを特徴とするSnメッキ除去方法。
  2. 前記エッチング液は、前記硝酸の含有量が前記硫酸の含有量よりも少なくされていることを特徴とする請求項1に記載のSnメッキ除去方法。
  3. 前記エッチング液は、水分を含有しており、水分の含有量Yは、前記硝酸と前記硫酸の含有量Xとの比率X/Yが1≦X/Y≦4の範囲内となるように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のSnメッキ除去方法。
  4. 前記エッチング液は、過酸化水素を含有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のSnメッキ除去方法。
  5. 前記溶解工程において発生する窒素酸化物を回収し、硝酸として再生する回収再生工程を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のSnメッキ除去方法。
  6. 銅または銅合金からなる銅基材の表面の少なくとも一部にSnメッキ層が形成されたSnメッキ付き銅材料からSnを除去する際に使用されるSnメッキ除去装置であって、
    少なくとも硝酸と硫酸とを含有するエッチング液を前記Snメッキ付き銅材料の表面に供給して前記Snを溶解するエッチング部を備えていることを特徴とするSnメッキ除去装置。
  7. 前記エッチング部から発生する窒素酸化物を回収し、硝酸として再生する回収再生部を備えていることを特徴とする請求項6に記載のSnメッキ除去装置。
  8. 前記Snメッキ付き銅材料は、コイル状に巻き取られた条材とされており、
    前記Snメッキ付き銅材料を前記エッチング部に送り出すアンコイラーと、前記エッチング部において前記Snが除去された前記銅基材を巻き取るコイラーと、を備え、
    前記Snメッキ付き銅材料からの前記Snの除去を連続的に行うことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のSnメッキ除去装置。
  9. 前記Snメッキ付き銅材料は、小片状とされており、
    前記Snメッキ付き銅材料を収容するとともに、前記エッチング液が流通可能な連通孔を有する収納容器を備え、
    前記エッチング部は、前記収納容器に収容された前記Snメッキ付き銅材料を攪拌する攪拌手段を備えていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のSnメッキ除去装置。
JP2008258387A 2008-10-03 2008-10-03 Snメッキ除去方法およびSnメッキ除去装置 Withdrawn JP2010090404A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011127147A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Dowa Metaltech Kk Cu系材料のSnめっき層の剥離方法
JP2012052205A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Dowa Metaltech Kk 銅または銅合金材の表面の錫または錫合金層の剥離方法
JP2016006213A (ja) * 2014-06-20 2016-01-14 三菱電機株式会社 エッチング方法およびこれを用いたエッチング装置
JP7500088B2 (ja) 2022-04-11 2024-06-17 奥野製薬工業株式会社 金属剥離剤

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