JP2010090006A - ナノカーボン生成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】カーボンナノチューブ等の有用性の高い繊維状のナノカーボンをナノカーボン生成温度領域に合わせて段階的にその特性を変えることにより効率的に製造すること等を目的とする。
【解決手段】有機物を原料とするナノカーボン生成において、低温レベルの第1のナノカーボン生成装置11と、内部温度を前記第1のナノカーボン生成装置11における内部設定温度以上に設定した高温レベルの第2のナノカーボン生成装置31とを具備し、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行い、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置31に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することを特徴とするナノカーボン生成システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、カーボンナノコイル等の有用性の高い繊維状のナノカーボンを効率的に製造するナノカーボン生成システム、及び、ナノカーボンを、特に化石資源に由来しない木質系バイオマス、繊維質バイオマス、下水汚泥等のバイオマス資源から製造するナノカーボン製造システムに関する。
カーボンナノチューブ等の高機能カーボンの生成法には、例えばアーク放電法、レーザー蒸着法、化学気相成長法(CVD法)が挙げられる。
アーク放電法は、正負のグラファイト電極間にアーク放電を起こすことでグラファイトが蒸発し、陰極先端に凝縮したカーボンの堆積物の中にカーボンナノチューブが生成される方法である(例えば、特許文献1参照)。レーザー蒸着法は、高温に過熱した不活性ガス中に金属触媒を混合したグラファイト試料を入れ、レーザー照射することによりカーボンナノチューブを生成する方法である(例えば、特許文献2参照)。
一般に、アーク放電法やレーザー蒸発法では結晶性の良いカーボンナノチューブが生成できるが、生成するカーボンナノチューブの量が少なく大量生成に難しいとされる。
CVD法には、反応炉の中に入れた基板にカーボンナノチューブを生成させる気相成長基板法(例えば、特許文献3参照)と、触媒金属と炭素源を一緒に高温の炉に流動させカーボンナノチューブを生成する流動気相法(例えば、特許文献4参照)の二つの方法がある。
気相成長法について、図11を参照して説明する。図中の符番1は、内部に触媒2を担持する触媒担持基板3が配置された反応管を示す。反応管1の外周外側部には電気ヒータ4が配置されている。こうした構成の反応管1内に、該反応管1の一方側から原料(炭化水素)5を流し、他方側から排気するようにすると、反応管1内部で炭化水素ガス6が発生し、カーボンナノチューブ7が形成される。
次に、図12を用いて流動気相法について説明する。但し、図11と同部材は同符番を付して説明を省略する。図12では、反応管1の一方側から原料である炭化水素5とともにキャリアガス8を流すことを特徴とする。これにより、電気ヒータ4が配置された部位に相当する反応管1内で炭化水素ガス6が発生し、カーボンナノチューブ7が形成される。
一方、気相成長基板法はバッジ処理であるので大量生産に難しい。また、流動気相法は温度の均一性が低く結晶性の良いカーボンナノチューブを生成するのが難しいとされている。さらに、流動気相法の発展型として、高温の炉の中に、触媒兼用流動材で流動層を形成し、炭素原料を供給して繊維状のナノカーボンを生成する方法も提案されているが、炉内の温度の均一性が低く結晶性の良いカーボンナノチューブを生成するのが難しいと考えられる。
純度および安定性の高いカーボンナノチューブを低コストで効率よく量産することができるようになれば、カーボンナノチューブの特性を生かしたナノテクノロジー製品を低コストで大量に供給することが可能になる。
しかし、アーク放電法、レーザー蒸着法ではアーク放電、レーザー蒸着用の電気、原料のLPGガス等の化石資源由来の炭化水素、化学気相成長法では加熱するための電気或いはガス等の燃料、原料のLPGガス等の化石資源由来の炭化水素を必要とし、いずれのナノカーボンを製造する装置においても、ナノカーボンを製造するのに大量の化石資源由来のエネルギーを使用している。地球温暖化防止の対策が急務である今、高機能カーボンであるカーボンナノチューブを始めとするナノカーボンを生成する為に大量の二酸化炭素を排出しているということは大きな問題である。
また、ナノカーボンを製造するのに大量の炭化水素原料を使用しており、ナノカーボン生成工程終了後のガス中には未反応の炭化水素成分が残留しており、これをそのまま排出しており、これも温暖効果ガスの排出の原因となっている。
特開2007−095509号公報 特開平10−273308号公報 特開2000−086217号公報 特開2003−342840号公報
本発明はこうした事情を考慮してなされたもので、カーボンナノチューブ,カーボンファイバー,カーボンナノコイル等の有用性の高い繊維状のナノカーボンをナノカーボン生成温度領域に合わせて段階的にその特性を変えることにより効率的に製造するナノカーボン生成システムを提供することを目的とする。また、本発明は、カーボンナノチューブ等の高機能ナノカーボンを生成するのに化石資源由来のエネルギーを使用せず、特に化石資源に由来しない木質系バイオマス,繊維質バイオマス,下水汚泥等のバイオマス資源から製造するナノカーボン生成システムを提供することを目的とする。
本発明に係るナノカーボン生成システム(第1の発明)は、有機物を原料とするナノカーボン生成において、低温レベルの第1のナノカーボン生成装置と、内部温度を前記第1のナノカーボン生成装置における内部設定温度以上に設定した高温レベルの第2のナノカーボン生成装置とを具備し、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行い、第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することを特徴とする。
また、本発明に係るナノカーボン生成システム(第2の発明)は、有機物を原料とするナノカーボン生成において、低温レベルの第1のナノカーボン生成装置と、内部温度を前記第1のナノカーボン生成装置における内部設定温度以上に設定した高温レベルの第2のナノカーボン生成装置と、有機物原料を熱分解する熱分解装置とを具備し、熱分解装置で熱分解して生成した熱分解ガスを第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素とともに第2のナノカーボン生成装置に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することを特徴とする。
更に、本発明に係るナノカーボン生成システム(第3の発明)は、有機物を原料とするナノカーボン生成において、低温レベルの第1のナノカーボン生成装置と、内部温度を前記第1のナノカーボン生成装置における内部設定温度以上に設定した高温レベルの第2のナノカーボン生成装置と、有機物原料を熱分解する熱分解装置とを具備し、熱分解装置で熱分解して生成した熱分解残渣を第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素とともに第2のナノカーボン生成装置に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することを特徴とする。
本発明によれば、カーボンナノチューブ,カーボンファイバー,カーボンナノコイル等の有用性の高い繊維状のナノカーボンをナノカーボン生成温度領域に合わせて段階的にその特性を変えることにより効率的に製造するナノカーボン生成システムが得られる。また、本発明によれば、カーボンナノチューブ等の高機能ナノカーボンを生成するのに化石資源由来のエネルギーを使用せず、特に化石資源に由来しない木質系バイオマス,繊維質バイオマス,下水汚泥等のバイオマス資源から製造するナノカーボン生成システムが得られる。
以下、本発明のナノカーボン生成システムについて更に詳しく説明する。
1) 第1の発明は、上述したように、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置とを具備し、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行い、第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することを特徴とする。
2) 第2の発明は、上述したように、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置とバイオマス等の有機物原料を熱分解する熱分解装置とを具備し、熱分解装置で熱分解して生成した熱分解ガスを第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素とともに第2のナノカーボン生成装置に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することを特徴とする。
3) 第3の発明は、上述したように、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置とバイオマス等の有機物原料を熱分解する熱分解装置とを具備し、熱分解装置で熱分解して生成した熱分解残渣(炭化物)を第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素とともに第2のナノカーボン生成装置に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することを特徴とする。
4) 上記1)〜3)において、第1のナノカーボン生成装置でのナノカーボン生成装置内部設定温度を500〜800℃、第2のナノカーボン生成装置でのナノカーボン生成装置内部設定温度を800〜1200℃とすることが好ましい。
5) 上記1)〜4)において、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置に夫々水素を添加することが好ましい。
6) 上記1)〜5)において、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置に夫々水蒸気を添加することが好ましい。
7) 上記1)〜6)において、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置の夫々に投入する原料に触媒を添加することが好ましい。
8) 上記7)において、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置に添加する触媒は種類を変えることが好ましい。
9) 上記8)において、第1のナノカーボン生成装置に添加する触媒としてはFe系触媒を、第2のナノカーボン生成装置に添加する触媒としてはNi系触媒を添加することが好ましい。
10) 上記1)〜9)において、第2のナノカーボン生成装置にオイルを添加することができる。
11) 上記1)〜9)において、第2のナノカーボン生成装置にバイオマスオイルを添加することができる。
12) 上記11)において、前記バイオマスオイルとしては、木材、草、生ごみ、下水汚泥等を熱分解して得られるオイルが挙げられる。
13) 上記11)において、前記バイオマスオイルとしては、木材、草、生ごみ、下水汚泥等をメタン発酵して得られるオイルが挙げられる。
14) 上記2)〜13)において、前記バイオマス等の有機物原料を熱分解する熱分解装置に投入するバイオマスとしては、木材、草、生ごみ、下水汚泥、これらを熱分解して得られる炭化物(残渣)、これらをメタン発酵して得られる炭化物(残渣)等が挙げられる。
15) 上記1)〜13)において、第1のナノカーボン生成装置で得られる回収ナノカーボンと、第2のナノカーボン生成装置で得られる回収ナノカーボンとの生成ナノカーボンの使用用途を区別できる構成にすることが好ましい。
16) 上記1)〜15)において、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置の加熱源は電気ヒータとし、夫々の設定温度を投入原料(液体、ガス)の性状により制御することができることが好ましい。
17) 上記1)〜16)において、第2のナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として発電機を稼動し、その発生電気を第2のナノカーボン生成装置,第1のナノカーボン生成装置の電気ヒータの電源とすることができることが好ましい。
18) 上記1)〜17)において、第1のナノカーボン生成装置、第2のナノカーボン生成装置のどちらかのみしか稼動しない場合は、何れかのナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として発電機を稼動し、その発生電気を何れかのナノカーボン生成装置の電気ヒータの電源とすることができることが好ましい。
19) 上記1)〜18)において、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置の加熱源は熱風とし、夫々の設定温度を投入原料(液体、ガス)の性状により制御することができる。
20) 上記1)〜19)において、第2のナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として加熱炉バーナを稼動し、その発生熱風を第2のナノカーボン生成装置,第1のナノカーボン生成装置の加熱源とすることができる。
21) 上記1)〜20)において、第1のナノカーボン生成装置のみしか稼動しない場合は、第1のナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として加熱炉バーナを稼動し、その発生熱風を第1のナノカーボン生成装置、第2のナノカーボン生成装置の加熱源電とすることができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態は下記に述べることに限定されない。
(第1の実施形態)
図1及び図2(A),(B)は、請求項1の実施形態に対応する説明である。図1は、有機物を原料とするナノカーボン生成において、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収するナノカーボン生成システムの概略フロー図である。図2(A)は図1のシステムの一構成である第1のナノカーボン生成装置の概略図、図2(B)は図1のシステムの一構成である第2のナノカーボン生成装置の概略図を示す。
図中の符番11は、低温レベルの第1のナノカーボン生成装置を示す。この第1のナノカーボン生成装置11の上流側には、原料投入ホッパー12が配置されている。この原料投入ホッパー12には、有機物原料(例えば液体のエタノール)及び低温レベルナノカーボン生成用触媒粉が導入される。原料投入ホッパー12と第1のナノカーボン生成装置11とは、該装置11の加熱炉容器15内に金属触媒粉混合原料(炭化水素成分を有する有機物原料と触媒粉)を連続的又は間欠的に注入するための原料供給配管13により接続されている。第1のナノカーボン生成装置11の下流側には、低温レベルの生成ナノカーボンを回収するための第1の回収容器14が配置されている。
前記ナノカーボン生成装置11は、図2(A)に示すように、還元雰囲気の縦型方式の加熱炉容器15と、この加熱炉容器15内に配置された円錐状金属基板16と、この円錐状金属基板16の外側に該基板16と接して配置された基板加熱ヒータ(加熱源)17と、混合原料噴霧ノズル(図示せず)を備えた原料供給ヘッダー18と、生成したナノカーボン19を第1の回収容器14に供給するナノカーボン排出ノズル20を備えている。前記円錐状金属基板16は、加熱炉容器15と同心円状で30°〜60°の傾斜角度(θ)となっている。円錐状金属基板16には、低温レベルナノカーボン生成用触媒の機能を持たせることが可能であり、例えばその-基板16を鉄基板とすることにより基板自体に触媒機能を持たせることができる。原料噴霧ノズルは、加熱炉容器15内に金属触媒粉混合原料(有機物原料と触媒粉)を連続的又は間欠的に噴霧する機能を有する。なお、図2中の符号Xは噴霧される原料を示す。また、円錐状金属基板16の代わりに、加熱炉容器15と同心円状で円筒状の金属基板を加熱炉容器15に密着させて使用してもよい。前記円錐状金属基板16は、基板加熱ヒータ16により均一に加熱される。基板加熱ヒータ16の代わりに加熱ジャケット等の加熱源を用いて円錐状金属基板16を均一に加熱してもよい。
図中の符番31は、内部温度を第1のナノカーボン生成装置11における内部設定温度以上に設定した高温レベルの第2のナノカーボン生成装置を示す。この第2のナノカーボン生成装置31の上流側には、高温レベルナノカーボン生成用触媒粉を投入するための投入ホッパー32が配置されている。この投入ホッパー32には、高温レベルナノカーボン生成用触媒が導入される。投入ホッパー32と第2のナノカーボン生成装置31とは、触媒粉供給配管33により接続されている。第2のナノカーボン生成装置31の下流側には、高温レベルの生成ナノカーボンを回収するための第2の回収容器34が配置されている。
前記ナノカーボン生成装置31は、図2(B)に示すように、還元雰囲気の縦型方式の加熱炉容器35と、この加熱炉容器35内に配置された円錐状金属基板36と、この円錐状金属基板36の外側に該基板36と接して配置された基板加熱ヒータ(加熱源)37と、触媒粉噴霧ノズル(図示せず)を備えた触媒粉供給ヘッダー38と、生成したナノカーボン39を第1の回収容器34に供給するナノカーボン排出ノズル40を備えている。前記円錐状金属基板36は、加熱炉容器35と同心円状で、前記円錐状金属基板16と同様に30°〜60°の傾斜角度(θ)となっている。円錐状金属基板36には、高温レベルナノカーボン生成用触媒の機能を持たせることが可能であり、例えばその基板36をニッケル板とすることにより基板自体に触媒機能を持たせることができる。基板加熱ヒータ36の代わりに加熱ジャケット等の加熱源を用いて円錐状金属基板36を均一に加熱してもよい。
原料粉噴霧ノズルは、加熱炉容器35内に生成用触媒を連続的又は間欠的に噴霧する機能を有する。なお、図2(B)中の符号Yは噴霧される生成用触媒を示す。また、円錐状金属基板36の代わりに、加熱炉容器35と同心円状で円筒状の金属基板を加熱炉容器35に密着させて使用してもよい。前記円錐状金属基板36は、加熱源40により均一に加熱される。図1中の符番41は、加熱炉容器35の底部に接続された余剰炭化水素供給配管を示す。第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31とは、第1のナノカーボン生成装置11で発生した未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置31に供給するための未反応炭化水素供給配管42より接続されている。この供給配管42の先端には、加熱炉容器35内に未反応炭化水素を連続的又は間欠的に注入するための未反応炭化水素噴霧ノズル(図示せず)を備えている。
図1のナノカーボン生成システムでは、まず炭化水素成分を有する有機物原料を原料投入ホッパー12に投入して一時貯留した後、その原料を定量的に原料供給配管13を経由して第1のナノカーボン生成装置11に供給する。
低温レベルナノカーボン生成用触媒粉としては微量の金属触媒粉を用い、これを有機物原料と混合して金属触媒粉混合原料とする。この金属触媒粉混合原料は、原料供給配管13を経て混合原料噴霧ノズルから第1のナノカーボン生成装置11の加熱炉容器15内に噴霧する。これにより、円錐状金属基板16は常時金属触媒の機能を保持する必要をなくすこともできる。
この金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合原料中に混合する金属触媒粉は、ナノカーボン生成の核としての機能を持たせるために微量混合すればよく、炭化水素成分を有する有機物原料に比べて十分に微量なレベルである。炭化水素成分を有する有機物原料との混合に際しては、炭化水素成分を有する有機物原料が液体である場合、例えば炭化水素液中に微量の金属触媒粉を注入し、攪拌、混合させることで、炭化水素等の原料中に注入した金属触媒粉が十分に均一に拡散されて混合させる。
炭化水素等の原料中に混合する金属触媒粉の量としては、炭化水素成分を有する有機物原料に対する低温レベルナノカーボン生成用金属触媒粉の比率が、1/10万〜1/1000万程度の微小レベルで十分である。特に、炭化水素等の原料が液体の場合、炭化水素等の原料の容器に微小レベルの金属触媒粉を添加し均一攪拌する程度で十分である。なお、金属触媒粉の添加量が多いと、ナノカーボンの生成量は高まるが、生成ナノカーボン中に金属触媒粉が含まれ、局所的に純度が低くなるという問題がある。この為、金属触媒粉の添加比率は極力下げて、金属触媒粉が殆ど含まれていない純度の高いナノカーボンが生成するよう、炭化水素成分を有する有機物原料の種類と添加する金属触媒粉の種類の組合せにより、その組合せ条件での最適な金属触媒粉添加比率を見極めることが重要とある。
これにより、前記加熱炉容器15の容器材料は、金属基板自体が低温レベルナノカーボン生成用触媒としての機能を有しなくても、耐熱性を有し且つある程度表面が滑らかで熱変形しない材質でありさえすれば問題なく、金属触媒粉混合原料を供給するのみで、安定的にナノカーボンを生成することができる。
上記のように、第1のナノカーボン生成装置11では安定的にナノカーボンが生成できるものの、ナノカーボン生成に関わる原料中の炭化水素分は全体の炭化水素分の一部であり、未反応炭化水素の割合が高く、未反応炭化水素は第1のナノカーボン生成装置11の下流側から排出される。例えば、原料としてエタノール液体中に微量の金属触媒粉を混合して第1のナノカーボン生成装置11内の金属基板自体の温度を500℃レベルに設定すると、純度の高い良質なナノカーボンが生成できる。しかし、投入するエタノール液体が気化して投入する炭化水素に対してナノカーボン生成に寄与する炭化水素比率は約2割であり、残りの約8割の炭化水素は未反応なまま、第1のナノカーボン生成装置11から排出されてしまう。この未反応炭化水素は既に温度600℃レベルの雰囲気で炭化水素自体の熱分解が進行し、メタン、水素等の成分が多くなる。その結果、金属基板自体の設定温度600℃レベルの第1のナノカーボン生成装置11ではこれ以上反応しないものの、金属基板自体の設定温度を更に高めた雰囲気においてはナノカーボンを生成することができる。
即ち、これらのガス成分は温度600℃レベルの第1のナノカーボン生成装置11内ではナノカーボンは生成しない。しかし、温度900℃レベルの第2のナノカーボン生成装置31内ではナノカーボンは生成する。従って、前記加熱炉容器15内に低温レベルナノカーボン生成領域と高温レベルナノカーボン生成領域を設置することで、低温レベル領域と高温レベル領域のナノカーボンを夫々生成することも可能である。しかし、低温レベル領域から高温レベル領域に昇温する温度変動領域ではナノカーボンは生成せず、煤が生成してしまい、生成ナノカーボンの純度が低下してしまうという問題がある。
第1の実施形態では、第1のナノカーボン生成装置11から排出される未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置31に未反応炭化水素供給配管42を経由してそのまま供給し、ここで更にナノカーボンを生成するようにしている。これにより、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行い、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置31に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することができる。
第2のナノカーボン生成装置31には、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素をそのまま導入するだけでなく、第2のナノカーボン生成装置31までの未反応炭化水素供給配管42、或いは導入部で再加熱し、第2のナノカーボン生成装置31内部温度まで高めるようにすると更に効率的である。また、第2のナノカーボン生成装置31内でのナノカーボン生成反応温度は高く、第1のナノカーボン生成装置11内雰囲気での反応に最適な触媒とは異なる触媒を使用することで、ナノカーボン生成効率を高めることができる。従って、第2のナノカーボン生成装置31に導入する未反応炭化水素に最適な触媒を微量混同投入することで、第2のナノカーボン生成装置31内でのナノカーボン生成効率を高めることができる。
前記未反応炭化水素供給配管43に接続する未反応炭化水素噴霧ノズルから金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合未反応炭化水素を注入するようにし、注入する未反応炭化水素中には微量の金属触媒粉を混合することにより、金属基板は常時金属触媒の機能を保持する必要をなくすこともできる。この金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合原料中に混合する金属触媒粉は、ナノカーボン生成の核としての機能を持たせるために微量混合すればよく、未反応炭化水素に比べて十分に微量なレベルである。従って、未反応炭化水素との混合に際しては、触媒粉投入ホッパー32内で攪拌、混合させることで、未反応炭化水素中に注入した金属触媒粉が十分に均一に拡散されて混合させる。
未反応炭化水素中に混合する金属触媒粉の量としては、未反応炭化水素に対する高温レベルナノカーボン生成用金属触媒粉の比率が、1/10万〜1/1000万程度の微小レベルで十分である。なお、金属触媒粉の添加量が多いと、ナノカーボンの生成量は高まるが、生成ナノカーボン中に金属触媒粉が含まれ、局所的に純度が低くなるという問題がある。この為、金属触媒粉の添加比率は極力下げて、金属触媒粉が殆ど含まれていない純度の高いナノカーボンが生成するよう、未反応炭化水素の成分と添加する金属触媒粉の種類の組合せにより、その組合せ条件での最適な金属触媒粉添加比率を見極めることが重要とある。
これにより、第1のナノカーボン生成装置31の加熱炉容器35の材料は、金属基板自体が高温レベルナノカーボン生成用触媒としての機能を有しなくても、耐熱性を有し且つある程度表面が滑らかで熱変形しない材質でありさえすれば問題なく、金属触媒粉混合原料を供給するのみで、安定的にナノカーボンを生成することができる。
上記のように、第1のナノカーボン生成装置11から排出された未反応炭化水素を原料として微量の高温レベルナノカーボン生成用金属触媒粉を混合して第2のナノカーボン生成装置31内の金属基板自体の温度を900℃レベルに設定すると純度の高い良質なナノカーボンを生成することができる。
第1の実施形態のナノカーボン生成システムによれば、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行うことで、ナノカーボン生成温度領域に合わせて段階的にその特性を変えたナノカーボンを回収することができ、また、低温レベルナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素を高温レベルナノカーボン生成装置31に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することができ、効率的にナノカーボンを製造するナノカーボン生成システムを提供することができる。
なお、第1の実施形態では、原料投入ホッパー内には炭化水素成分を有する有機物原料として液体のエタノールを供給する例を説明したが、これに限らず、気体のメタンガス、エチレンガス、アセチレンガス、バイオマスガス等、液体のバイオエタノール、エタノール、各種炭化水素含有廃液等、固体の木質、草、わら、汚泥等を有機物原料として投入することもできる。
また、第1の実施形態では、第1のナノカーボン生成装置、第2のナノカーボン生成装置の基本構造としては、縦型に限らず、例えば横型、斜め設置型にしてもよい。なお、上記実施形態の場合、低温レベル,高温レベル用のナノカーボン生成との2段階としたが、例えば低温レベル,中温レベル及び高温レベル用のナノカーボン生成の3段階等のように、3段階以上の配置構成としてもよい。
更に、第1の実施形態では、第1のナノカーボン生成装置、第2のナノカーボン生成装置からナノカーボンを夫々第1の回収容器、第2の回収容器に排出される際に、空気が各容器内に混入しないように、各容器との間にダブルダンパやロータリーバルブ等を設置したり、不活性ガスを封入するような設計配慮も当然必要である。これにより、炭化水素成分を有する有機物原料を原料投入ホッパーに連続投入しつつ、低温レベル生成ナノカーボン、高温レベル生成ナノカーボンは安定的に回収される。
(第2の実施形態)
図3は、請求項2の実施形態に対応する説明である。図3は、有機物を原料とするナノカーボン生成において低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンだけでなく、バイオマス等の有機物原料を熱分解する熱分解装置とを具備するナノカーボン生成システムの概略フロー図である。即ち、図3では、熱分解装置で熱分解して発生する熱分解ガスを、熱分解ガス供給配管を経由して第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素とともに、第2のナノカーボン生成装置に入れるようにしていることを特徴とする。但し、図1,図2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図3中の符番51は、熱分解装置を示す。この熱分解装置51には、該装置51からの熱分解残渣(炭化物)が供給される熱分解残渣回収容器52が接続されている。熱分解装置51には、熱分解ガス供給配管53を介して前記第2のナノカーボン生成装置31に接続されている。熱分解残渣回収容器52には、熱分解残渣供給配管54を介して第2のナノカーボン生成装置31に接続されている。熱分解装置51には、原料供給配管56を介して原料投入ホッパー55が接続されている。この原料投入ホッパー55には、バイオマス等の有機物原料が投入される。
第2の実施形態のナノカーボン生成システムは、まず炭化水素成分を有する有機物原料を原料投入ホッパー12に投入して一時貯留した後、その原料を定量的に原料供給配管13を経由して第1のナノカーボン生成装置11に供給する。
第1のナノカーボン生成装置11の構造としては、第1の実施形態に対応する説明と同様に、還元雰囲気の縦型方式の加熱炉容器としている。この加熱炉容器内の構造例、機能等については、第1の実施形態に対応する説明と同様である。また、図1と同様に、第1のナノカーボン生成装置11から排出される未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置31に未反応炭化水素供給配管42を経由してそのまま供給し、ここで更にナノカーボンを生成するようにしている。これにより、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行い、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置31に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することができる。
更に、第2の実施形態においては、炭化水素成分を有する有機物原料を原料投入ホッパー55に投入して一時貯留した後、その原料を定量的に原料供給配管56を経由して熱分解装置51に供給する。熱分解装置51においては、投入された有機物原料が高温で熱分解され、熱分解ガスを発生する。熱分解装置51の構造としてはキルン式として原料を連続投入する方式とするのが好ましいが、他の流動床方式、容器外部加熱方式等とすることでも対応可能できる。熱分解装置51内部設定温度は、処理する有機物原料によるが500〜800℃程度とする。熱分解装置51で発生する熱分解ガスは、熱分解ガス供給配管53を経由して、第2のナノカーボン生成装置31に供給する。特に、固体の木質、草、わら、汚泥等を有機物原料から短時間で簡易的に液体の炭化水素成分が多いバイオエタノール等を生成するのは困難である。
また、熱分解装置51にて熱分解したガスを凝縮させると、回収液中に多少のタール分も混入し、これがナノカーボン生成装置内に入るとナノカーボンが生成しないだけでなく、内部閉塞の原因にもなる。しかし、熱分解装置51にて熱分解することにより、短時間で容易にナノカーボン生成に寄与する気体のメタンガス、エタンガス、エチレンガス、一酸化炭素等を生成することができる。これらの熱分解ガス成分は温度600℃レベルの第1のナノカーボン生成装置11ではナノカーボンは生成しないが、温度900℃レベルの第2のナノカーボン生成装置31ではナノカーボンは生成する。なお、有機物原料から熱分解して熱分解ガスにならない成分は、熱分解残渣(炭化物)となり熱分解装置51から排出される。
前記第2のナノカーボン生成装置31には、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素だけでなく、熱分解装置51から発生する熱分解ガスも熱分解ガス供給配管53を経由して導入する。これにより、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素だけでなく、熱分解装置51から発生する熱分解ガスを原料としてまとめて同時に高温レベルナノカーボンを生成することができる。
図3のシステムにおいて、第2のナノカーボン生成装置31までの熱分解ガス供給配管53、未反応炭化水素供給配管42、あるいは導入部で再加熱し、第2のナノカーボン生成装置31の内部温度まで高めるようにすると更に効率的である。また、第2のナノカーボン生成装置31内でのナノカーボン生成反応温度は高く、第1のナノカーボン生成装置11内雰囲気での反応に最適な触媒とは異なる触媒を使用することで、ナノカーボン生成効率を高めることができる。従って、第2のナノカーボン生成装置31に導入する未反応炭化水素に最適な触媒を微量混同投入することで、第2のナノカーボン生成装置31内でのナノカーボン生成効率を高めることができる。
第2のナノカーボン生成装置31の構造としては、第1の実施形態に対応する説明と同様に、還元雰囲気の縦型方式の加熱炉容器としている。この加熱炉容器内の構造例、機能等については、図1の第1の実施形態に対応する説明と同様である。また、触媒粉投入ホッパー32内には触媒粉のみを供給するだけでなく、未反応炭化水素、熱分解装置51で発生する熱分解ガスも混合供給するようにし、第2のナノカーボン生成装置31の加熱炉容器内に未反応炭化水素、熱分解ガスを供給するだけでなく、金属触媒粉混合原料(未反応炭化水素+熱分解ガス+触媒)を連続的又は間欠的に注入するための金属触媒粉混合未反応炭化水素+熱分解ガス供給配管、金属触媒粉混合未反応炭化水素+熱分解ガス噴霧ノズルを配置し、金属触媒粉混合未反応炭化水素+熱分解ガスを供給できるようにしてもよい。
前記金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合原料中に混合する金属触媒粉は、ナノカーボン生成の核としての機能を持たせるために微量混合すればよく、未反応炭化水素+熱分解ガスに比べて十分に微量なレベルである。従って、金属触媒粉は未反応炭化水素+熱分解ガスとの混合に際しては、触媒粉投入ホッパー32内で攪拌、混合させることで、未反応炭化水素+熱分解ガス中に注入した金属触媒粉が十分に均一に拡散されて混合させる。未反応炭化水素+熱分解ガス中に混合する金属触媒粉の量としては、未反応炭化水素+熱分解ガスに対する金属触媒粉の比率が、1/10万〜1/1000万程度の微小レベルで十分である。なお、金属触媒粉の添加量が多いと、ナノカーボンの生成量は高まるが、生成ナノカーボン中に金属触媒粉が含まれ、局所的に純度が低くなるという問題がある。このため、金属触媒粉の添加比率は極力下げて、金属触媒粉が殆ど含まれていない純度の高いナノカーボンが生成するよう、未反応炭化水素+熱分解ガスの成分と添加する金属触媒粉の種類の組合せにより、その組合せ条件での最適な高温レベルナノカーボン生成用金属触媒粉添加比率を見極めることが重要とある。
第2の実施形態のナノカーボン生成システムによれば、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行うことで、ナノカーボン生成温度領域に合わせて段階的にその特性を変えたナノカーボンを回収することができる。また、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素だけでなく熱分解装置51で発生する熱分解ガスも第2のナノカーボン生成装置31に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することができ、効率的にナノカーボンを製造するナノカーボン生成システムを提供することができる。
なお、第2の実施形態では、原料投入ホッパー12内には炭化水素成分を有する有機物原料として液体のエタノールを供給する例を説明したが、これに限らず、気体のメタンガス、エチレンガス、アセチレンガス、バイオマスガス等、液体のバイオエタノール、エタノール、各種炭化水素含有廃液等、固体の木質、草、わら、汚泥等を有機物原料として投入することもできる。また、原料投入ホッパー55内には固体の木質、草、わら、汚泥等の有機物原料を供給する例を説明したが、これに限らず、液体のバイオエタノール、エタノール、各種炭化水素含有廃液等を第1のナノカーボン生成装置11として投入したり、固体の有機物原料と液体の有機物原料を混合して投入することもできる。
また、第2の実施形態において、第1のナノカーボン生成装置11、第2のナノカーボン生成装置31の基本構造としては、縦型に限らず、例えば横型、斜め設置型にしてもよい。なお、上記実施形態の場合、低温レベル,高温レベル用のナノカーボン生成との2段階としたが、例えば低温レベル,中温レベル及び高温レベル用のナノカーボン生成の3段階等のように、3段階以上の配置構成としてもよい。
更に、第1のナノカーボン生成装置11、第2のナノカーボン生成装置31からナノカーボンを夫々第1の回収容器14、第2の回収容器34に排出される際や、原料投入ホッパー11から有機物原料を第1のナノカーボン生成装置11に供給する際、原料投入ホッパー55から有機物原料を熱分解装置51に供給する際等に、空気が各容器内に混入しないように、各容器との間にダブルダンパやローラリーバルブ等を設置したり、不活性ガスを封入するような設計配慮も当然必要である。これにより、炭化水素成分を有する有機物原料を原料投入ホッパー11に連続投入しつつ、低温レベル生成ナノカーボン、高温レベル生成ナノカーボンは安定的に回収される。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は請求項3に対応する。本実施形態についても上述した図3を参照して説明する。本実施形態は、有機物を原料とするナノカーボン生成において低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンだけでなく、バイオマス等の有機物原料を熱分解する熱分解装置とを具備する。図3は、熱分解装置で熱分解して生成した熱分解残渣を、熱分解残渣供給配管を経由して第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素とともに第2のナノカーボン生成装置に入れるようにしていることを特徴とする。なお、図1,図2と同部材は同符番を付して説明を省略する。
第3の実施形態のナノカーボン生成システムでは、まず炭化水素成分を有する有機物原料を原料投入ホッパー12に投入して一時貯留した後、その原料を定量的に原料供給配管13を経由して第2のナノカーボン生成装置31に供給する。
第1のナノカーボン生成装置11の構造としては、図1,2の第1の実施形態に対応する説明と同様に、還元雰囲気の縦型方式の加熱炉容器としている。第1のナノカーボン生成装置11の構造例、機能等については、第1の実施形態に対応する説明と同様である。また、図1と同様に、第1のナノカーボン生成装置11から排出される未反応炭化水素を、第2のナノカーボン生成装置31に未反応炭化水素供給配管42を経由してそのまま供給し、ここで更にナノカーボンを生成するようにしている。これにより、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行い、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置31に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することができる。
更に、第3の実施形態においては、炭化水素成分を有する有機物原料を原料投入ホッパー55に投入して一時貯留した後、その原料を定量的に原料供給配管56を経由して熱分解装置51に供給する。熱分解装置51においては、投入された有機物原料が高温で熱分解され熱分解ガスとともに熱分解残渣(炭化物)を発生する。熱分解装置51の構造としてはキルン式として原料を連続投入する方式とするのが好ましいが、他の流動床方式、容器外部加熱方式等とすることでも対応可能できる。熱分解装置51内部の設定温度は、処理する有機物原料によるが500〜800℃程度とする。そして、発生する熱分解ガスとともに熱分解残渣(炭化物)を熱分解残渣回収容器52に貯留した後、熱分解残渣供給配管54を経由して、第2のナノカーボン生成装置31に供給する。特に、固体の木質、草、わら、汚泥等を有機物原料から短時間で簡易的に液体の炭化水素成分が多いバイオエタノール等を生成するのは困難である。
また、熱分解装置51にて熱分解したガスを凝縮させると、回収液中に多少のタール分も混入し、これがナノカーボン生成装置内に入るとナノカーボンが生成しないだけでなく、内部閉塞の原因にもなる。しかし、熱分解装置51にて熱分解することにより、短時間で容易にナノカーボン生成に寄与する固体の炭素を生成することができる。この炭素から温度600℃レベルの第1のナノカーボン生成装置11ではナノカーボンは生成しないが、温度900℃レベルの第2のナノカーボン生成装置31ではナノカーボンは生成する。
なお、有機物原料から熱分解して発生する熱分解ガスも、熱分解残渣(炭化物)とともに第2のナノカーボン生成装置31に供給することにより、ナノカーボンの生成効率を高めることができる。
これにより、第2のナノカーボン生成装置31には、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素だけでなく、熱分解装置51から発生する熱分解残渣(炭化物)も導入することになる。従って、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素と熱分解装置51から発生する熱分解残渣(炭化物)からまとめて同時に高温レベルナノカーボンを生成することができる。
また、第2のナノカーボン生成装置31までの熱分解ガス供給配管53、未反応炭化水素供給配管42、あるいは導入部で再加熱し、第2のナノカーボン生成装置31内部温度まで高めるようにすると更に効率的である。また、第2のナノカーボン生成装置31内でのナノカーボン生成反応温度は高く、第1のナノカーボン生成装置11内雰囲気での反応に最適な触媒とは異なる触媒を使用することで、ナノカーボン生成効率を高めることができる。従って、第2のナノカーボン生成装置31に導入する未反応炭化水素に最適な触媒を微量混同投入することで、第2のナノカーボン生成装置31内でのナノカーボン生成効率を高めることができる。
第2のナノカーボン生成装置31の構造としては、図1,2の第1の実施形態に対応する説明と同様に、還元雰囲気の縦型方式の加熱炉容器としている。第2のナノカーボン生成装置31内の構造例、機能等については、第1の実施形態に対応する説明と同様である。
なお、触媒粉投入ホッパー32内には触媒粉のみを供給するだけでなく、未反応炭化水素、熱分解装置51で発生する熱分解残渣(炭化物)も混合供給するようにし、第2のナノカーボン生成装置31に加熱炉容器35内に未反応炭化水素、熱分解残渣を供給するだけでなく、金属触媒粉混合原料(未反応炭化水素+熱分解残渣+触媒)を連続的又は間欠的に注入するための金属触媒粉混合未反応炭化水素+熱分解残渣供給配管、金属触媒粉混合未反応炭化水素+熱分解残渣噴霧ノズルを配置し、金属触媒粉混合未反応炭化水素+熱分解残渣を供給できるようにしてもよい。
前記金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合原料中に混合する金属触媒粉はナノカーボン生成の核としての機能を持たせるために微量混合すればよく、未反応炭化水素+熱分解残渣に比べて十分に微量なレベルである。従って、未反応炭化水素+熱分解残渣との混合に際しては、触媒粉投入ホッパー32内で攪拌、混合させることで、未反応炭化水素+熱分解残渣中に注入した金属触媒粉が十分に均一に拡散されて混合させる。未反応炭化水素+熱分解残渣中に混合する金属触媒粉の量としては、未反応炭化水素+熱分解残渣に対する金属触媒粉の比率が、1/10万〜1/1000万程度の微小レベルで十分である。尚、金属触媒粉の添加量が多いと、ナノカーボンの生成量は高まるが、生成ナノカーボン中に金属触媒粉が含まれ、局所的に純度が低くなるという問題がある。この為、金属触媒粉の添加比率は極力下げて、金属触媒粉が殆ど含まれていない純度の高いナノカーボンが生成するよう、未反応炭化水素+熱分解残渣(炭化物)の成分と添加する金属触媒粉の種類の組合せにより、その組合せ条件での最適な高温レベルナノカーボン生成用金属触媒粉添加比率を見極めることが重要とある。
第3の実施形態のナノカーボン生成システムによれば、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行うことで、ナノカーボン生成温度領域に合わせて段階的にその特性を変えたナノカーボンを回収することができる。また、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素だけでなく、熱分解装置51で発生する熱分解残渣も第2のナノカーボン生成装置31に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することができ、効率的にナノカーボンを製造するナノカーボン生成システムを提供することができる。
勿論、図3に示すように、第2のナノカーボン生成装置31内に第1のナノカーボン生成装置31から排出された未反応炭化水素と熱分解装置51から発生する熱分解ガスと熱分解装置51で発生する熱分解残渣をまとめて投入することで、より多くの高温レベルでのナノカーボンを生成することができる。
なお、第3の実施形態では、原料投入ホッパー11内には炭化水素成分を有する有機物原料として液体のエタノールを供給する例を説明したが、これに限らず、気体のメタンガス、エチレンガス、アセチレンガス、バイオマスガス等、液体のバイオエタノール、エタノール、各種炭化水素含有廃液等、固体の木質、草、わら、汚泥等を有機物原料として投入することもできる。
また、第3の実施形態では、第1のナノカーボン生成装置11、第2のナノカーボン生成装置31の基本構造としては、縦型に限らず、例えば横型、斜め設置型にしてもよい。なお、上記実施形態の場合、低温レベル,高温レベル用のナノカーボン生成との2段階としたが、例えば低温レベル,中温レベル及び高温レベル用のナノカーボン生成の3段階等のように、3段階以上の配置構成としてもよい。
更に、第1のナノカーボン生成装置11、第2のナノカーボン生成装置31からナノカーボンを第1の回収容器14、第2の回収容器34に排出される際や、原料投入ホッパー12から有機物原料を第1のナノカーボン生成装置11に供給する際、原料投入ホッパー55から有機物原料を熱分解装置51に供給する際、熱分解残渣回収容器52から熱分解残渣を第2のナノカーボン生成装置31に供給する際、原料投入ホッパー55から有機物原料を熱分解装置51に供給する際等に、空気が各容器内に混入しないように、各容器との間にダブルダンパやロータリーバルブ等を設置したり、不活性ガスを封入するような設計配慮も当然必要である。これにより、炭化水素成分を有する有機物原料を原料投入ホッパー12に連続投入しつつ、低温レベル生成ナノカーボン、高温レベル生成ナノカーボンは安定的に回収される。
(第4の実施形態)
第4の実施形態のナノカーボン生成システムについて図3を参照して説明する。本システムは、有機物を原料とするナノカーボン生成において低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンだけでなく、バイオマス等の有機物原料を熱分解する熱分解装置とを具備することを特徴とする。具体的には、熱分解装置で熱分解して生成した熱分解ガスと熱分解残渣(炭化物)を、第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素とともに第2のナノカーボン生成装置に入れるようにしているおり、第1のナノカーボン生成装置でのナノカーボン生成装置内部設定温度を500〜800℃、第2のナノカーボン生成装置でのナノカーボン生成装置内部設定温度を800〜1200℃とすることを特徴とする。
これまでの説明のように、第1のナノカーボン生成装置11では、特にエタノール等の炭化水素を原料とする場合、安定的に良質のナノカーボンが生成できる。しかし、ナノカーボン生成に関わる原料中の炭化水素分は全体の炭化水素分の一部であり、未反応炭化水素の割合が高く、未反応炭化水素は第1のナノカーボン生成装置11の下流側から排出される。例えば、原料としてエタノール液体中に微量の金属触媒粉を混合して第1のナノカーボン生成装置11内の金属基板自体の温度を600℃レベルに設定すると、純度の高い良質なナノカーボンが生成できる。
しかし、投入するエタノール液体が気化して投入する炭化水素に対してナノカーボン生成に寄与する炭化水素比率は約2割であり、残りの約8割の炭化水素は未反応なまま、第1のナノカーボン生成装置11から排出されてしまう。この未反応炭化水素は既に温度600℃レベルの雰囲気で炭化水素自体の熱分解が進行し、メタン、水素等の成分が多くなり、金属基板自体の設定温度600℃レベルの第1のナノカーボン生成装置11ではこれ以上反応しないものの、金属基板自体の設定温度を更に高めた温度900℃レベルの第2のナノカーボン生成装置31においてはナノカーボンを生成することができる。
また、固体の木質、草、わら、汚泥等を有機物原料から短時間で簡易的に液体の炭化水素成分が多いバイオエタノール等を生成するのは困難である。また、熱分解装置51にて熱分解したガスを凝縮させると回収液中に多少のタール分も混入し、これがナノカーボン生成装置内に入るとナノカーボンが生成しないだけでなく、内部閉塞の原因にもなる。しかし、熱分解装置51にて熱分解することにより、短時間で容易にナノカーボン生成に寄与する気体のメタンガス、エタンガス、エチレンガス、一酸化炭素等を生成することができ、この熱分解ガスを温度900℃レベルの第2のナノカーボン生成装置31においてはナノカーボンを生成することができる。
これにより、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行い、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置31に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することができる。
更に、炭化水素成分を有する有機物原料を原料投入ホッパー55に投入して一時貯留した後、その原料を、定量的に原料供給配管56を経由して熱分解装置51に供給する。熱分解装置51においては、投入された有機物原料が高温で熱分解され熱分解ガスとともに熱分解残渣(炭化物)を発生する。特に、固体の木質、草、わら、汚泥等を有機物原料から短時間で簡易的に液体の炭化水素成分が多いバイオエタノール等を生成するのは困難である。また、熱分解装置51にて熱分解したガスを凝縮させると回収液中に多少のタール分も混入し、これがナノカーボン生成装置内に入るとナノカーボンが生成しないだけでなく、内部閉塞の原因にもなる。しかし、熱分解装置51にて熱分解することにより、短時間で容易にナノカーボン生成に寄与する固体の炭素を生成することができる。この炭素から温度600℃レベルの第1のナノカーボン生成装置11ではナノカーボンは生成しないが、温度900℃レベルの第2のナノカーボン生成装置31ではナノカーボンは生成する。
なお、有機物原料から熱分解して発生する熱分解ガスも熱分解残渣(炭化物)とともに第2のナノカーボン生成装置31に供給することにより、ナノカーボンの生成効率を高めることができる。これにより、第2のナノカーボン生成装置31には、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素だけでなく、熱分解装置51から発生する熱分解残渣(炭化物)も導入することで、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素と熱分解装置51から発生する熱分解残渣(炭化物)からまとめて同時に高温レベルナノカーボンを生成することができる。
また、第2のナノカーボン生成装置31までの熱分解ガス供給配管53、未反応炭化素供給配管42、あるいは導入部で再加熱し、第2のナノカーボン生成装置31の内部温度まで高めるようにすると更に効率的である。また、第2のナノカーボン生成装置31内でのナノカーボン生成反応温度は高く、第1のナノカーボン生成装置11内雰囲気での反応に最適な触媒とは異なる触媒を使用することで、ナノカーボン生成効率を高めることができる。従って、第2のナノカーボン生成装置31に導入する未反応炭化水素に最適な触媒を微量混同投入することで、第2のナノカーボン生成装置31内でのナノカーボン生成効率を高めることができ、連続して安定的にナノカーボンを回収することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態(請求項5に対応)について図4を参照して説明する。図4は、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置に夫々水素を注入するナノカーボン生成システムの概略フロー図である。但し、図1〜図3と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図4中の符番61は、第1のノカーボン生成装置11内に水素を連続的にあるいは間欠的に注入するための水素供給配管を示す。また、符番62は、第2のナノカーボン生成装置31内に水素を連続的にあるいは間欠的に注入するための水素注入配管を示す。一方の水素供給配管61は原料供給配管13の近くに配置され、他方の水素供給配管62は熱分解ガス供給配管53の近くに配置されている。各水素供給配管61,62の先端には図示しない水素噴霧ノズルが設けられている。
図4のナノカーボン生成システムでは、還元雰囲気の第1のナノカーボン生成装置11内と第2のナノカーボン生成装置31内に原料、未反応炭化水素、熱分解ガス等を供給するだけでなく、水素も水素供給配管61,62の水素噴霧ノズルから噴霧することで金属触媒粉を活性化させている。
前記水素噴霧ノズルの位置は、第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31の設計形状によるが、夫々の加熱炉容器内上側とし、加熱炉容器内の上部から噴霧された金属触媒粉混合炭化水素、水素がナノカーボン生成炉内の加熱炉容器内にそれぞれ単独で注入しても加熱炉容器内で混合した後に反応してナノカーボンを成長させるに最適な位置を調整できるようにするとよい。
第5の実施形態のナノカーボン生成システムによれば、噴霧する金属触媒粉混合炭化水素中の金属触媒粉を構成する触媒粒子が核となり炭化水素だけでなく水素も噴霧され高温状態で反応することで、炭化水素だけ噴霧され高温状態で反応する場合と比べて、気相成長法によってより効率的にナノカーボンが生成、成長する。加熱炉容器内は均一に加熱されるとともに、炭化水素と水素が均一に噴霧されることで、加熱炉容器内で斑なく均一にナノカーボンが生成、成長できる。これにより、ナノカーボンを連続的に効率よく製造することができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態(請求項6に対応)について図5を参照して説明する。図5は、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置に夫々水蒸気を添加するナノカーボン生成システムの概略フロー図である。但し、図1〜図3と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図5中の符番63は、第1のノカーボン生成装置11内に水蒸気を連続的にあるいは間欠的に注入するための水蒸気供給配管を示す。また、符番64は、第2のナノカーボン生成装置31内に水蒸気を連続的にあるいは間欠的に注入するための水蒸気注入配管を示す。一方の水蒸気供給配管63は原料供給配管13の近くに配置され、他方の水蒸気供給配管64は熱分解ガス供給配管53の近くに配置されている。各水素供給配管63,64の先端には図示しない水蒸気注入ノズルが設けられている。
図5のナノカーボン生成システムでは、還元雰囲気の第1のナノカーボン生成装置11内、第2のナノカーボン生成装置31内に原料、未反応炭化水素、熱分解ガス等を供給するだけでなく、水蒸気も各水蒸気注入ノズルから噴霧することで金属触媒粉を活性化させることを特徴とする。
各水蒸気注入ノズルの位置は、第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31の設計形状によるが、夫々のナノカーボン生成装置の加熱炉容器内上側とし、加熱炉容器内の上部から噴霧された金属触媒粉混合炭化水素、水蒸気がナノカーボン生成炉内の加熱炉容器内にそれぞれ単独で注入しても加熱炉容器内で混合した後に反応してナノカーボンを成長させるに最適な位置を調整できるようにするとよい。
第6の実施形態のナノカーボン生成システムによれば、噴霧する金属触媒粉混合炭化水素中の金属触媒粉を構成する触媒粒子が核となり炭化水素だけでなく水蒸気も噴霧され高温状態で反応することで、炭化水素だけ噴霧され高温状態で反応する場合と比べて、気相成長法によってより効率的にナノカーボンが生成、成長する。加熱炉容器内は均一に加熱されるとともに、炭化水素と水蒸気が均一に噴霧されることで、加熱炉容器内で斑なく均一にナノカーボンが生成、成長できる。これにより、ナノカーボンを連続的に効率よく製造することができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態(請求項7に対応)について前述した図5を参照して説明である。同実施形態は、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置の夫々に投入する原料に触媒を添加するナノカーボン生成システムに関する。
図5中の符番65は、低温レベルナノカーボン生成用触媒を原料投入ホッパー12に投入するための触媒粉供給配管を示す。低温レベルナノカーボン生成用触媒は、触媒粉供給配管65,原料投入ホッパー12及び原料供給配管13を経て第1のナノカーボン生成装置11に連続的に或いは間欠的に投入される。高温レベルナノカーボン生成用触媒は、触媒粉投入ホッパー32及び触媒粉供給配管33を経て第2のナノカーボン生成装置31に連続的に或いは間欠的に投入される。
上記第7の実施形態のシステムでは、還元雰囲気の第1のナノカーボン生成装置11内と第2のナノカーボン生成装置31内に原料、未反応炭化水素、熱分解ガス、水素等を供給するだけでなく、触媒も触媒粉供給配管65,触媒粉供給配管33を夫々経由して原料に混合して第1のナノカーボン生成装置11内と第2のナノカーボン生成装置31内に噴霧することでこの金属触媒粉を核として、ナノカーボンを効率的に生成させることができる。
金属触媒粉の投入方法は、このように原料に微量混ぜて投入する方法の他、原料以外の例えばエタノールに微量混合させ、原料とは別に投入する方法もある。また、第1のナノカーボン生成装置11、第2のナノカーボン生成装置31の設計構造により、各装置の上部から投入するだけでなく、各装置の内部に金属触媒粉投入ノズルを設置し、各装置内部の金属基板上に直接散布する方式とすることもできる。更に、ナノカーボンの生成に合わせて、例えばナノカーボンが大量に生成した後、生成したナノカーボンを払い落とし、その後、金属基板上に金属触媒粉を投入することで、金属触媒粉を連続投入せずに間欠的に投入することで、純度の高いナノカーボンを安定的に生成することもできる。
第7の実施形態のナノカーボン生成システムによれば、第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31の夫々に投入する原料に触媒を添加することでナノカーボンを連続的に生成することができ、原料と触媒が均一に噴霧されることで、加熱炉容器内で斑なく均一にナノカーボンが生成、成長できる。これにより、ナノカーボンを連続的に効率よく製造することができる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態(請求項8,9に対応)について上述した図5を参照して説明する。本実施形態は第7の実施形態に比べて、第1のナノカーボン生成装置及び第2のナノカーボン生成装置に添加する触媒の種類を変えた点が異なる。但し、図1〜図4と同部材は同符番を付して説明を省略する。
具体的には、第1のナノカーボン生成装置11の温度600℃レベルの雰囲気で添加するに触媒に最適なFe系触媒を、第2のナノカーボン生成装置31の温度900℃レベルで添加するに触媒に最適なNi系触媒を添加した。これにより、夫々のナノカーボン生成装置の温度レベルに合ったナノカーボンをより効率的に生成することができる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態(請求項10に対応)について図6を参照して説明する。図6は、第2のナノカーボン生成装置にオイル或いはバイオマスオイルを添加するナノカーボン生成システムの概略フロー図である。但し、図1〜図5と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図6中の符番66は、オイル投入ホッパーを示す。オイル投入ホッパー66にはオイルが一旦貯留された後、オイルは高温レベルナノカーボン生成用触媒粉とともに、その下部のオイル及び触媒粉投入ホッパー67に定量的に流下する。このホッパー67内でオイルと触媒粉は攪拌され、オイル中に微量の触媒粉が斑無く均一に混合する。均一に混合した触媒粉混じりのオイルは、オイル及び触媒粉供給配管68を経由して高温レベルナノカーボン生成用オイル噴霧ノズル(図示せず)から第2のナノカーボン生成装置31内に噴霧される。
これにより、第2のナノカーボン生成装置31には、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素だけでなく、オイルと触媒粉もオイル及び触媒粉供給配管68を経由して導入することで、第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素だけでなくオイルを原料としてまとめて同時に高温レベルナノカーボンを生成することができる。
なお、第2のナノカーボン生成装置31までのオイル及び触媒粉供給配管68、未反応炭化水素供給配管42、或いは導入部で再加熱し、第2のナノカーボン生成装置31の内部温度まで高めるようにすると更に効率的である。また、第2のナノカーボン生成装置31内でのナノカーボン生成反応温度は高く、第1のナノカーボン生成装置11内雰囲気での反応に最適な触媒とは異なる触媒を使用することで、ナノカーボン生成効率を高めることができる。従って、第2のナノカーボン生成装置31に導入する未反応炭化水素に最適な触媒を微量混同投入することで、第2のナノカーボン生成装置31内でのナノカーボン生成効率を高めることができる。
第9の実施形態では、第2のナノカーボン生成装置31の構造としては、図1と同様に、還元雰囲気の縦型方式の加熱炉容器としている。この加熱炉容器内の構造例、機能等については、第1の実施形態に対応する説明と同様である。
また、加熱炉容器内部に設置する金属基板には、高温レベルナノカーボン生成用触媒の機能を持たせることも可能である。例えば、金属基板をニッケル基板とすることでこの基板に触媒機能を持たせることができる。このように、第2のナノカーボン生成装置31の上流側に該生成装置31内に未反応炭化水素+オイルと微量の金属触媒粉とを混合噴霧することで、加熱炉容器内部の金属基板は常時金属触媒の機能を保持する必要性をなくすこともできる。この金属触媒粉の混合した金属触媒粉混合原料中に混合する金属触媒粉は、ナノカーボン生成の核としての機能を持たせるために微量混合すればよい。従って、未反応炭化水素+オイルに比べて十分に微量なレベルであり、未反応炭化水素+オイルとの混合に際しては、オイル及び触媒粉投入ホッパー67内で攪拌、混合させることで、未反応炭化水素+オイル中に注入した金属触媒粉が十分に均一に拡散されて混合させる。
未反応炭化水素+オイル中に混合する金属触媒粉の量としては、未反応炭化水素+オイルに対する金属触媒粉の比率が、1/10万〜1/1000万程度の微小レベルで十分である。ここで、金属触媒粉の添加量が多いと、ナノカーボンの生成量は高まるが、生成ナノカーボン中に金属触媒粉が含まれ、局所的に純度が低くなるという問題がある。この為、金属触媒粉の添加比率は極力下げて、金属触媒粉が殆ど含まれていない純度の高いナノカーボンが生成するよう、未反応炭化水素+オイルの成分と添加する金属触媒粉の種類の組合せにより、その組合せ条件での最適な高温レベルナノカーボン生成用金属触媒粉添加比率を見極めることが重要とある。
これにより、前記加熱炉容器内面の円筒状の容器材料は、金属基板自体が触媒としての機能を有しなくても、耐熱性を有し且つある程度表面が滑らかで熱変形しない材質でありさえすれば問題なく、高温レベルナノカーボン生成用触媒粉混合原料を供給するのみで、安定的にナノカーボンを生成することができる。
上記のように、第1のナノカーボン生成装置11から排出された未反応炭化水素を原料として、微量の高温レベルナノカーボン生成用金属触媒粉を混合して第2のナノカーボン生成装置31内の金属基板自体の温度を900℃レベルに設定すると、純度の高い良質なナノカーボンを生成することができる。
第9の実施形態のナノカーボン生成システムによれば、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行うことで、ナノカーボン生成温度領域に合わせて段階的にその特性を変えたナノカーボンを回収することができ、更に第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素だけでなくオイルも第2のナノカーボン生成装置31に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することができ、効率的にナノカーボンを製造するナノカーボン生成システムを提供することができる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態(請求項11に対応)のナノカーボン生成システムは、前記オイルとしてバイオマスオイルとするものである。
ナノカーボン生成の原料として化石資源由来のオイル(炭化水素油)を使用するのではなく、バイオマスオイルを使用することで、化石資源の使用、燃焼によるCO排出を抑制でき地球温暖化を防止しつつ、高機能カーボンであるナノカーボンを生成することができる。第10の実施形態によれば、第9の実施形態と同様な効果が得られる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態(請求項12に対応)のナノカーボン生成システムは、前記バイオマスオイルとして、木材、草、生ごみ、下水汚泥等をメタン発酵して得られるオイルとするものである。
バイオマス資源をメタン発酵しメタンガスを発生させ燃料として利用する形態が広まりつつあるが、バイオマス資源をメタン発酵して発生したメタンガスを高機能カーボンであるナノカーボンの生成原料として活用するものである。メタン発酵させるバイオマス資源としては木材、草、生ごみ、下水汚泥等が挙げられる。第11の実施形態によれば、第9の実施形態と同様な効果が得られる。
(第12の実施形態)
第12の実施形態(請求項13に対応)のナノカーボン生成システムは、前記バイオマスオイルとして、木材、草、生ごみ、下水汚泥等を熱分解して得られるオイルとするものである。
バイオマス資源を熱分解し熱分解ガスを発生させ燃料として利用する形態も広まりつつあるが、バイオマス資源を熱分解して発生した熱分解ガスを高機能カーボンであるナノカーボンの生成原料として活用するものである。熱分解させるバイオマス資源としては木材、草、生ごみ、下水汚泥等が挙げられる。熱分解はメタン発酵に比べて短時間で熱分解ガスが生成でき、そのガス或いはオイルをそのまま直ぐにナノカーボン生成に利用できるというメリットがある。第12の実施形態によれば、第9の実施形態と同様な効果が得られる。
(第13の実施形態)
第13の実施形態(請求項14に対応)のナノカーボン生成システムは、前記バイオマス等の有機物原料を熱分解する熱分解装置に投入するバイオマスとして、木材、草、生ごみ、下水汚泥、これらを熱分解して得られる炭化物(残渣)、これらをメタン発酵、熱分解して得られる炭化物(残渣)等とするものである。
上記のバイオマスオイルをナノカーボン生成に利用するだけでなく、熱分解して得られる炭化物(残渣)、メタン発酵、熱分解して得られる炭化物(残渣)等をもナノカーボン生成に利用することで、資源を有効利用できるだけでなく、ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行うことで、ナノカーボン生成温度領域に合わせて段階的にその特性を変えたナノカーボンを回収することができ、更に第1のナノカーボン生成装置11で排出される未反応炭化水素だけでなく熱分解装置で発生する熱分解残渣(炭化物)や、他のシステムでメタン発酵、熱分解して得られた炭化物(残渣)等も第2のナノカーボン生成装置31に受け入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することができ、効率的にナノカーボンを製造するナノカーボン生成システムを提供することができる。
勿論、図6に示すように、第2のナノカーボン生成装置31内に第1のナノカーボン生成装置11から排出された未反応炭化水素と熱分解装置51から発生する熱分解ガスと熱分解装置51で発生する熱分解残渣(炭化物)、他のシステムでメタン発酵、熱分解して得られた炭化物(残渣)等もまとめて投入することで、より多くの高温レベルでのナノカーボンを生成することができる。
(第14の実施形態)
第14の実施形態(請求項15に対応)について図7を参照して説明である。図7は、第1のナノカーボン生成装置11で得られる低温レベル生成ナノカーボンと、第2のナノカーボン生成装置31で得られる高温レベル生成ナノカーボンとの夫々の生成ナノカーボンの使用用途を区別して活用できるナノカーボン生成システムの概略フロー図である。但し、図1〜図6と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図7中、第1のナノカーボン生成装置11で得られる回収ナノカーボンは第1の回収容器14に、第2のナノカーボン生成装置31で得られる高温レベル生成ナノカーボンは第2の回収容器34に夫々回収される。回収された夫々のナノカーボンは、生成温度、触媒、反応ガス組成の違い等により、生成ナノカーボンの特性が異なる。例えば、低温レベルで生成したナノカーボンは導電性が優れており、樹脂にナノカーボンを僅かに混合することで導電性を保持できる優れた特性を有している。一方、高温レベルで生成したナノカーボンは電磁波吸収性等が優れており、フィルム樹脂等にナノカーボンを僅かに混合することで電磁波遮断性を保持できる優れた特性を有している。
図7では、夫々の生成ナノカーボンの特性を生かすべく、第1の回収容器14と第2の回収容器34とを別々に回収し、夫々の使用用途先に輸送することで、ナノカーボンの使用用途別に区別して活用することができる。第1の回収容器14と第2の回収容器34は例えば一般的なドラム缶に回収するようにし、低温レベル生成ナノカーボンのドラム缶と高温レベル生成ナノカーボンのドラム缶とを判別できるようにすることで、間違いなく夫々の利用先に輸送・出荷することができる。
(第15の実施形態)
第15の実施形態について図8を参照して説明する。本実施形態は、第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31とは互換性があり、相互に入れ替えて使用することができることができるナノカーボン生成システムに関する。図8中に示すように、第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31とは同一形状で、配管・ノズル等の取り合い形状も全く同じくしてある。
第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31との構造上の違いはなく、何れも温度900℃レベルの温度設定が可能である。従って、第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置とは、各ナノカーボン生成装置の処理原料等の条件が変わった場合でも、夫々の設定温度を多少変えることで、最適な温度設定を行うことができる。
例えば、第1のナノカーボン生成装置11に原料として、液体の炭化水素を投入する場合には600℃レベルでも比較的低めの600℃近傍に設定できるが、気体の炭化水素ガスを投入する場合には比較的高めの700℃近傍に設定する必要がある。同様に、第2のナノカーボン生成装置31に原料として、第1のナノカーボン生成装置11から排出される未反応炭化水素を比較的多く投入する場合には、比較的温度を低めの800℃近傍に設定できる。しかし、有機物を熱分解した熱分解ガスを比較的多く投入する場合には、比較的高めの900℃近傍に温度を設定する必要がある。
第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31とは互換性があり、相互に入れ替えて使用することができることにより、各生成装置の設定温度だけを処理原料等の条件にあわせて変化させるようにすることで、夫々の生成装置を夫々別な形態で設計しなくてもまとめて統一を取った設計を行うことができる。また、これにより、ナノカーボン生成システム内の第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31の機器の互換性が図られ、ナノカーボン生成システムのシンプル化、汎用性の拡大、メンテナンス性の向上等を図ることができる。
(第16の実施形態)
第16の実施形態について図8を参照して説明する。本実施形態は、第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31とはどちらかだけを選択して単独運転することができるナノカーボン生成システムに関する。図8に示すように、第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31は夫々独立して、単独でも運転できるようにしている。
第1のナノカーボン生成装置11だけの単独運転を行う場合には、第1のナノカーボン生成装置11から排出される未反応炭化水素を、例えば熱分解装置の加熱用バーナの燃料として供給するようにし熱分解装置51の加熱源とするとともに、その燃焼ガスを第1のナノカーボン生成装置11の加熱源として活用する。或いは、第1のナノカーボン生成装置11から排出される未反応炭化水素を別システムの加熱炉の加熱用バーナの燃料として供給すること等により、第2のナノカーボン生成装置31に未反応炭化水素を供給しなくても、第1のナノカーボン生成装置11だけの単独運転を行うことが可能である。熱分解装置51で発生する熱分解ガスを第1のナノカーボン生成装置11の原料として導入するラインも設置し、原料投入ホッパー12から導入する原料とともに第1のナノカーボン生成装置11にて低温レベルでナノカーボンを生成する。
一方、第2のナノカーボン生成装置31だけの単独運転を行う場合には、例えば、第2のナノカーボン生成装置31の上部からオイルを投入する原料投入ホッパー55よりオイルを供給し、ここにオイルが一旦貯留された後、オイルは高温レベルナノカーボン生成用触媒粉とともに、その下部のオイル及び触媒粉投入ホッパー67に定量的に流下する。このホッパー67内でオイルと触媒粉は攪拌され、オイル中に微量の触媒粉が斑無く均一に混合する。均一に混合した触媒粉混じりのオイルは、オイル及び触媒粉供給配管68を経由して高温レベルナノカーボン生成用オイル噴霧ノズルから第2のナノカーボン生成装置31内に噴霧される。あるいは、前記熱分解装置51で発生する熱分解ガスを第2のナノカーボン生成装置31に供給することで、未反応炭化水素を供給しなくても、第2のナノカーボン生成装置31だけの単独運転を行うことが可能である。
このように、第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31とはどちらかだけを選択して単独運転することができることで、生成したいナノカーボンの性状に合わせた単独運転を行うことができ、ナノカーボン生成システムの運転のシンプル化、汎用性の拡大、メンテナンス性の向上等を図ることができる。
(第17の実施形態)
第17の実施形態(請求項16に対応)に説明する。本実施形態は、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置の加熱源は電気ヒータとし、夫々の設定温度を投入原料(液体、ガス)の性状により制御することを特徴とする。なお、本実施形態は、上述した図1〜図8が適用できる。これまでの概略フローについても説明のように、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置の温度制御は良質で安定したナノカーボン生成に極めて重要である。
第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置の加熱源を電気ヒータとし、夫々の設定温度を投入原料(液体、ガス)の性状によりきめ細かな制御することにより、短時間で設定温度に追従した温度コントロールが可能となる。これにより、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置の夫々で安定的にナノカーボンを生成することができる。
また、第1のナノカーボン生成装置から排出される未反応炭化水素、第2のナノカーボン生成装置から排出される余剰炭化水素等を熱分解装置或いは別システムの加熱炉の加熱用バーナの燃料として供給し、その燃焼ガスを利用して第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置を加熱する場合においても、加熱源に電気ヒータを併用する方式にすることでも、短時間で設定温度に追従した温度コントロールが可能となる。これにより、第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置の夫々で安定的にナノカーボンを生成することができる。
(第18の実施形態)
第18の実施形態(請求項17に対応)について図9を参照して説明する。本実施形態では、第2のナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として発電機を稼動し、その発生電気を第2のナノカーボン生成装置、第1のナノカーボン生成装置の夫々の電気ヒータの電源とすることができる。但し、図1〜図8と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図9中の符番71は発電機を示す。発電機71は、第1のナノカーボン生成装置11,第2のナノカーボン生成装置31に電気的に接続されている。図9に図示するように、第2のナノカーボン生成装置31から排出される未反応の余剰炭化水素は、余剰炭化水素供給配管72を経由して、発電機71に燃料として供給される。
発電機71は、この未反応の余剰炭化水素を燃料として発電する。未反応の余剰炭化水素はカロリーが変動することもあり、バックアップとして都市ガス、プロパンガスを発電機61の助燃ガスとして供給するようにしてもよい。発電機71で発電した電気は、第1の
ナノカーボン生成装置11の電気ヒータ用電源、第2のナノカーボン生成装置31の電気ヒータ用電源として供給される。この他にも、発電機71で発電した電気をナノカーボン生成システム内の機器、配管ヒータ等の電源、ナノカーボン生成システム外の機器等の電源として供給することもできる。
このように、ナノカーボン生成システムから排出される未反応の余剰炭化水素を活用して発電することで、ナノカーボン生成システムのシステム効率を高めた運転を行うことができる。これにより、第1のナノカーボン生成装置11と第2のナノカーボン生成装置31の温度制御も良好に行うことができる。
(第19の実施形態)
第19の実施形態(請求項18に対応)について図10を参照して説明する。同実施形態は、第1のナノカーボン生成装置、第2のナノカーボン生成装置のどちらかのみしか稼動しない場合に、何れかのナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として発電機を稼動し、その発生電気を何れかのナノカーボン生成装置の電気ヒータの電源とすることができることを特徴とする。なお、図1〜図9と同部材は同符番を付して説明を省略する。
図10では、第1のナノカーボン生成装置11のみしか稼動しない場合に、第1のナノカーボン生成装置11から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として発電機71を稼動し、第2のナノカーボン生成装置31のみしか稼動しない場合は、第2のナノカーボン生成装置31から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として発電機を稼動するようにしている。発電機71は、夫々の未反応の余剰炭化水素を燃料として発電する。
未反応の余剰炭化水素はカロリーが変動することもあり、バックアップとして都市ガス、プロパンガスを発電機71の助燃ガスとして供給するようにしてもよい。発電機71で発電した電気は、第1のナノカーボン生成装置11の電気ヒータ用電源、または第2のナノカーボン生成装置31の電気ヒータ用電源の何れかに供給される。この他にも、発電機71で発電した電気を、ナノカーボン生成システム内の機器、配管ヒータ等の電源、ナノカーボン生成システム外の機器等の電源として供給することもできる。
このように、第1のナノカーボン生成装置11、第2のナノカーボン生成装置31のどちらかのみしか稼動しない場合においても、ナノカーボン生成システムから排出される未反応の余剰炭化水素を活用して発電することで、ナノカーボン生成システムのシステム効率を高めた運転を行うことができる。これにより、第1のナノカーボン生成装置11、第2のナノカーボン生成装置31のどちらかのみしか稼動しない場合においても、第1のナノカーボン生成装置或いは第2のナノカーボン生成装置31の温度制御を良好に行うことができる。
なお、上記第19の実施形態において、第1のナノカーボン生成装置、第2のナノカーボン生成装置を有するナノカーボン生成システムの効率的な加熱方法として、他にも、次のようなケースが挙げられる。
(1) 第1のナノカーボン生成装置と第2のナノカーボン生成装置の加熱源は熱風とし、夫々の設定温度を投入原料(液体、ガス)の性状により制御することができるようにする場合。
(2) 第2のナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として加熱炉バーナを稼動し、その発生熱風を第1のナノカーボン生成装置,第2のナノカーボン生成装置の加熱源とするようにする場合。
(3) 第1のナノカーボン生成装置のみしか稼動しない場合は、第1のナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として加熱炉バーナを稼動し、その発生熱風を第1のナノカーボン生成装置,第2のナノカーボン生成装置の加熱源とすることができるようにする場合。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明の第1の実施形態に対応するナノカーボン生成システムの概略フロー図。 図1のナノカーボンシステムの第1・第2のナノカーボン生成装置の説明図。 本発明の第2・第3・第4の実施形態に対応するナノカーボン生成システムの概略フロー図。 本発明の第5の実施形態に対応するナノカーボン生成システムの概略フロー図。 本発明の第6・第7・第8の実施形態に対応するナノカーボン生成システムの概略フロー図。 本発明の第9〜第13の実施形態に対応するナノカーボン生成システムの概略フロー図。 本発明の第14の実施形態に対応するナノカーボン生成システムの概略フロー図。 本発明の第15・第16の実施形態に対応するナノカーボン生成システムの概略フロー図。 本発明の第18の実施形態に対応するナノカーボン生成システムの概略フロー図。 本発明の第19の実施形態に対応するナノカーボン生成システムの概略フロー図。 気相成長基板法を用いてカーボンナノチューブを製造する方法の説明図。 流動気相法を用いてカーボンナノチューブを製造する方法の説明図。
符号の説明
11…低温レベルの第1のナノカーボン生成装置、12…原料投入ホッパー、13…原料供給配管、14…第1の回収容器、15,35…加熱炉容器、16,36…円錐状金属基板、17,37…基板加熱ヒータ(加熱源)、31…高温レベルの第2のナノカーボン生成装置、41…余剰炭化水素供給配管、42…未反応炭化水素供給配管、51…熱分解装置、52…熱分解残渣回収容器、53…熱分解ガス供給配管、54…熱分解残渣供給配管、61,62…水素供給配管、63,64…水蒸気供給配管、65…触媒供給配管、66…オイル投入ホッパー、67…オイル及び触媒投入ホッパー、68…オイル及び触媒粉供給配管、71…発電機、72…余剰炭化水素供給配管。

Claims (21)

  1. 有機物を原料とするナノカーボン生成において、低温レベルの第1のナノカーボン生成装置と、内部温度を前記第1のナノカーボン生成装置における内部設定温度以上に設定した高温レベルの第2のナノカーボン生成装置とを具備し、
    ナノカーボン生成を低温レベルでのナノカーボン生成、高温レベルでのナノカーボン生成の2段階で行い、
    第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素を第2のナノカーボン生成装置に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することを特徴とするナノカーボン生成システム。
  2. 有機物を原料とするナノカーボン生成において、低温レベルの第1のナノカーボン生成装置と、内部温度を前記第1のナノカーボン生成装置における内部設定温度以上に設定した高温レベルの第2のナノカーボン生成装置と、有機物原料を熱分解する熱分解装置とを具備し、
    熱分解装置で熱分解して生成した熱分解ガスを第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素とともに第2のナノカーボン生成装置に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することを特徴とするナノカーボン生成システム。
  3. 有機物を原料とするナノカーボン生成において、低温レベルの第1のナノカーボン生成装置と、内部温度を前記第1のナノカーボン生成装置における内部設定温度以上に設定した高温レベルの第2のナノカーボン生成装置と、有機物原料を熱分解する熱分解装置とを具備し、
    熱分解装置で熱分解して生成した熱分解残渣を第1のナノカーボン生成装置で排出される未反応炭化水素とともに第2のナノカーボン生成装置に入れることにより、低温レベルで生成するナノカーボン、高温レベルで生成するナノカーボンの両方を回収することを特徴とするナノカーボン生成システム。
  4. 前記第1のナノカーボン生成装置でのナノカーボン生成装置内部設定温度を500〜800℃、前記第2のナノカーボン生成装置でのナノカーボン生成装置内部設定温度を800〜1200℃とすることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  5. 前記第1のナノカーボン生成装置と前記第2のナノカーボン生成装置に夫々水素を添加することを特徴とする請求項1乃至4いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  6. 前記第1のナノカーボン生成装置と前記第2のナノカーボン生成装置に夫々水蒸気を添加することを特徴とする請求項1乃至5いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  7. 前記第1のナノカーボン生成装置と前記第2のナノカーボン生成装置の夫々に投入する原料に触媒を添加することを特徴とする請求項1乃至6いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  8. 前記第1のナノカーボン生成装置と前記第2のナノカーボン生成装置に添加する触媒は異なることを特徴とする請求項1乃至7いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  9. 前記第1のナノカーボン生成装置に添加する触媒にはFe系触媒を、前記第2のナノカーボン生成装置に添加する触媒にはNi系触媒を添加することを特徴とする請求項8記載のナノカーボン生成システム。
  10. 前記第2のナノカーボン生成装置にオイルを添加することを特徴とする請求項1乃至9いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  11. 前記第2のナノカーボン生成装置にバイオマスオイルを添加することを特徴とする請求項1乃至9いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  12. 前記バイオマスオイルとしては、木材、草、生ごみ、下水汚泥等を熱分解して得られるオイルであることを特徴とする請求項11記載のナノカーボン生成システム。
  13. 前記バイオマスオイルとしては、木材、草、生ごみ、下水汚泥等をメタン発酵して得られるオイルであることを特徴とする請求項11記載のナノカーボン生成システム。
  14. 前記バイオマス等の有機物原料を熱分解する熱分解装置に投入するバイオマスとしては、木材、草、生ごみ、下水汚泥、これらを熱分解して得られる炭化物(残渣)、これらをメタン発酵して得られる炭化物(残渣)等であることを特徴とする請求項2乃至13いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  15. 前記第1のナノカーボン生成装置で得られる回収ナノカーボンと、前記第2のナノカーボン生成装置で得られる回収ナノカーボンとの生成ナノカーボンの使用用途を区別できることを特徴とする請求項1乃至14いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  16. 前記第1のナノカーボン生成装置と前記第2のナノカーボン生成装置の加熱源は電気ヒータとし、夫々の設定温度を投入原料の性状により制御することを特徴とする請求項1乃至15いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  17. 前記第2のナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として発電機を稼動し、その発生電気を第2のナノカーボン生成装置、第1のナノカーボン生成装置の電気ヒータの電源とすることができることを特徴とする請求項1乃至16いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  18. 前記第1のナノカーボン生成装置、前記第2のナノカーボン生成装置のどちらかのみしか稼動しない場合は、何れかのナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として発電機を稼動し、その発生電気を何れかのナノカーボン生成装置の電気ヒータの電源とすることができることを特徴とする請求項1乃至17いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  19. 前記第1のナノカーボン生成装置と前記第2のナノカーボン生成装置の加熱源は熱風とし、夫々の設定温度を投入原料(液体、ガス)の性状により制御することができることを特徴とする請求項1乃至18いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  20. 前記第2のナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として加熱炉バーナを稼動し、その発生熱風を前記第2のナノカーボン生成装置、前記第1のナノカーボン生成装置の加熱源とすることができることを特徴とする請求項1乃至19いずれか一記載のナノカーボン生成システム。
  21. 前記第1のナノカーボン生成装置のみしか稼動しない場合は、前記第1のナノカーボン生成装置から排出される未反応の余剰炭化水素を燃料として加熱炉バーナを稼動し、その発生熱風を前記第2のナノカーボン生成装置、前記第1のナノカーボン生成装置の加熱源とすることができることを請求項1乃至20いずれか一記載の特徴とするナノカーボン生成システム。
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