JP2010089092A - エアバッグ・インフレータのための流体抽出 - Google Patents

エアバッグ・インフレータのための流体抽出 Download PDF

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Abstract

【課題】インフレータ内で燃料と流体酸化剤の混合物を形成するための改良された方法と、燃料と酸化剤のそのような混合物を含む、あるいは形成できるインフレータを提供する。
【解決手段】炭化水素を含む膨脹ガス発生混合物が、基質材料からその炭化水素を流体として抽出することによって形成される膨脹式機器と、膨脹方法が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般的に、ガスの発生に関するものであり、より詳細には、エアバッグ・インフレータの中で、あるいはエアバッグ・インフレータのために、ガス発生反応混合物を発生させる方法または形成する方法と、そのようにして形成されるインフレータに関する。
例えば衝突などによって自動車が急に減速したとき、ガスで膨脹するクッションまたはバッグ(例えばエアバッグ・クッション)を用いて乗員を保護するシステムがよく知られている。このようなシステムでは、エアバッグ・クッションは、占有空間が最少になるよう、普通はしぼんだ状態または畳まれた状態で収容されている。このシステムが作動すると、“インフレータ”と一般に呼ばれる装置によってガスが発生し、または供給され、数ミリ秒以内にクッションが膨脹を開始する。
膨脹式拘束システムの1つ以上のエアバッグ・クッションを膨脹させるための多彩なインフレータがこれまでに開示されている。既知のタイプのインフレータとしては、“ブローダウン”インフレータおよび“逆流”インフレータとして知られるインフレータが挙げられる。ブローダウン膨脹システムでは、一般に点火材料や選択したそれ以外の材料を燃焼させて圧縮ガス貯蔵チャンバの内圧を上昇させ、その内圧が所定のレベルまたは範囲に到達したときに膨脹ガスがそのチャンバから噴出または放出されるようにする。したがってブローダウン・インフレータでは、インフレータ内でシールやバースト板などが開放されることまたは破断することによって一般に加熱された膨脹ガスまたは高温になった膨脹ガスの流れがインフレータから発生し、付属するエアバッグ・クッションの中に入る。ブローダウン膨脹システムは望ましいことに低コストで比較的簡単な構造にできるが、望むよりも高温、および/または高圧、および/または高速の膨脹ガスが付属するエアバッグ・クッションに供給される可能性がある。
“逆流”インフレータにおいては、点火装置と、膨脹ガスがインフレータから出ていくときの開口部とが、一般にインフレータの同じ末端部または同じ側に並んでいる。したがって典型的な逆流インフレータでは、インフレータから最初に出て付属するエアバッグ・クッションの中に入る膨脹ガスは比較的冷たく、その後に、加熱された膨脹ガスまたは高温になった膨脹ガスが続く。その結果、最初は比較的冷たい膨脹ガスを、その後に加熱された膨脹ガスまたは高温になった膨脹ガスを付属するエアバッグ・クッションに供給する逆流インフレータは、一般に、付属するエアバッグ・クッションをよりゆっくりと広げることのほうが容易にできる。これは、特別な広げ方をする場合に望ましい可能性がある。
このような従来のいろいろなインフレータでは、燃料を酸化剤と反応させてガス状の膨脹媒体を発生させるか形成している。更に、譲受人に譲渡されたリンク(Rink)のアメリカ合衆国特許第5,669,629号(1997年9月23日発行)に開示されているように、解離または分解が可能なガス供給材料(例えば亜酸化窒素)の解離反応または分解反応の速度を大きくするため、解離または分解を促進する種々の材料をガス供給材料に添加することができる。なおこの特許の開示内容は、参考としてこの明細書に組み込まれているものとする。この特許に開示されているように、このような促進材料は、混合物の点火限界よりも少ない量が添加されていること、または含まれていることが好ましい。好ましい含有量は、当量比で0.25未満であるが、より好ましいのは0.15未満である。このように比較的少量の促進材料で内容物が基本的に不燃性になるため、燃焼と燃焼生成物の形成がほぼ回避される。
流体酸化材料を燃料、炭化水素、炭化水素誘導体促進剤のいずれかとは別に保管または収容すると、そのような材料を組み合わせて利用することに伴うリスクまたは危険を少なくともいくらかは減らせる、あるいは最少にできるが、望ましくないことに、製造・生産がより複雑になってコストが上昇するとともに、動作も複雑になって信頼性が損なわれる可能性がある。更に、燃料を流体酸化剤と反応させるタイプのインフレータは、一般に、燃料と流体酸化物がよく混合した形態になったときに性能が向上する。これは、効率が上昇することからわかる。その結果、種々の炭化水素燃料と選択した酸化剤が共存した混合物を使用することが提案されている。残念なことに、燃料と流体酸化剤をあらかじめ混ぜた混合物を用いたインフレータの製造には問題がある可能性がある。例えば溶接は種々のインフレータの設計において望ましい可能性があるが、燃料と流体酸化剤の揮発性混合物が存在しているときに溶接を行なうと危険である可能性がある。
燃料と流体酸化剤をあらかじめ混ぜた混合物に伴うリスクまたは危険を減らす、または最少にするための1つの方法は、燃料と酸化剤の混合物において燃料を非常に少なくするというものであった。燃料を少なくした混合物だと、燃料−酸化剤混合物を用いることに伴うリスクまたは事故をいくらか減らすことができるとはいえ、そのような混合物の利用に伴うリスクを一般にはなくすことができず、別の問題または厄介な事態が発生する可能性がある。
このように、燃料(特に炭化水素燃料)と酸化剤をあらかじめ組み合わせると一般に性能を大きく向上させうるとはいえ、燃料と酸化剤のこのような混合物または組み合わせは、調製および/または製造が難しかった。そのため、装置内で燃料と酸化剤の混合物を形成すること、あるいは利用することがより簡単になる方法と、そのような燃料と酸化剤の混合物を含む改良されたインフレータが必要とされると同時に、要求されてもいる。
米国特許第5,669,629号公報
本発明の一般的な目的は、インフレータ内で燃料と流体酸化剤の混合物を形成するための改良された方法と、燃料と酸化剤のそのような混合物を含む、あるいは形成できるインフレータを提供することである。
本発明のより具体的な目的は、上記問題点の1つ以上を解決することである。
本発明における上記の一般的な目的の少なくとも一部は、抽出流体の換算密度が0.2以上且つ2.0以下である条件下で、炭化水素を含む固体基質材料をその抽出流体と接触させることにより、固体基質材料に含まれる炭化水素の少なくとも一部を抽出流体の中に抽出して、膨脹ガス発生混合物を形成するステップを含む方法によって達成することができる。
従来技術では、一般に、燃料と酸化剤の流体混合物を調製してインフレータに導入する操作を望むように単純、簡単、安全に実施できる方法を提供することができない。更に、従来技術では、一般に、燃料と酸化剤のそのような混合物をその場で望むように形成し、したがってインフレータ内におけるそのような混合物の調製、組み込み、使用に伴うリスクまたは危険の少なくとも一部を望み通りに回避できるインフレータを提供することができない。
本発明には更に、膨脹ガス発生混合物をその場で形成する方法が含まれる。本発明の好ましい一態様によると、この方法は、亜酸化窒素、二酸化炭素、およびこれらの混合物からなる群の中から選択した少なくとも1種類の抽出媒体を含む抽出流体の換算密度が0.2以上且つ2.0以下である条件下で、炭化水素を含む基質材料をその抽出流体と接触させることにより、固体基質材料に含まれる炭化水素の少なくとも一部を抽出流体の中に抽出して、膨脹ガス発生混合物を形成するステップを含んでいる。
本発明には更に、炭化水素材料と酸素含有材料とを含む混合物を反応させて膨脹ガスを提供する膨脹ガス発生装置が含まれる。本発明の好ましい一態様によると、この装置は、抽出流体の換算密度が0.2以上且つ2.0以下である条件下で、炭化水素含有固体基質材料と抽出流体を内容物として含むチャンバを備えており、基質材料に含まれる炭化水素の少なくとも一部が抽出流体の中に抽出されて、膨脹ガス発生混合物を形成する。
この明細書では、“燃焼”または“燃焼反応”などの用語は、一般に、燃料が酸化剤と発熱反応することを意味するものとする。
この明細書では、“解離”または“解離反応”などの用語は、単一の分子種が2つ以上の部分に解離、分割、分解、断片化することを意味するものとする。
“熱的解離”は、主として温度によって制御される解離である。圧力も複雑な形で熱的解離に影響を与える可能性があり、例えば解離反応を開始させるのに必要な温度閾値を変化させるとか、より大きな動作圧では解離反応が完了するのに必要なエネルギーを変化させるなどの可能性があるが、それでもそのような解離反応は主として温度で制御されることが理解できよう。
“発熱性熱的解離”は、熱を放出する熱的解離である。
“当量比”(φ)は、燃焼プロセスまたは燃焼関連プロセスに関して一般に使用される用語である。当量比は、酸化剤に対する実際の燃料の比(F/O)を、酸化剤に対する化学量論上の燃料の比(F/O)で割った値として定義される。
φ=(F/O) /(F/O) (1)(化学量論的反応は、すべての反応物が消費されて最も安定な生成物に変換される反応として定義される唯一の反応である。例えば炭化水素燃料が酸素と反応して燃焼するとき、化学量論的反応は、反応物が完全に消費され、二酸化炭素(CO)と水蒸気(HO)からなる生成物に変換される反応である。逆に、同じ反応物が関与していても生成物中に一酸化炭素(CO)が少しでも存在している場合には、化学量論的反応ではない。というのも、COはOと反応することができ、COよりも安定な生成物であると考えられるCOが形成されるからである。)
所定の温度と圧力の条件下では、燃料と酸化剤の混合物は、特定の当量比の範囲でのみ燃焼可能である。この明細書では、当量比が0.25未満である混合物は不燃性であると考えられ、付随する反応は燃焼反応ではなく、分解反応、より詳細には、解離反応である。
“乗員の存在”の検出または感知とは、対象とする乗員のサイズ、および/または重量、および/または位置の検出および/または感知を意味するものとする。
インフレータまたは膨脹ガスの“出力”という用語は、膨脹ガスの量、供給、供給速度など、インフレータの性能を示す出力パラメータを意味する。“適応出力インフレータ”では、インフレータの出力は、一般に、例えば周囲温度、乗員の存在、シートベルトの使用、自動車の減速率など、選択した動作条件に依存する。
“点火”材料は、最も単純な形態では、点火温度まで加熱したときに発熱が維持される反応が生じる酸化剤と燃料からなる。
当業者にとって、他の目的ならびに利点は、添付の請求項と図面を参照した以下の詳細な説明から明らかであろう。
本発明は、以下の態様[1]〜[43]を含むことができる。
[1] 抽出流体の換算密度(reduced density)が0.2以上且つ2.0以下である条件下で、炭化水素を含む固体基質(substrate)材料をその抽出流体と接触させることにより、固体基質材料に含まれる炭化水素の少なくとも一部を抽出流体の中に抽出して、膨脹ガス発生混合物を形成するステップを含む方法。
[2] 上記抽出流体が、亜酸化窒素、二酸化炭素、SF、キセノン、アンモニア、およびこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種類の抽出媒体を含む[1]に記載の方法。
[3] 上記基質材料がポリシロキサンを含む[1]に記載の方法。
[4] 上記抽出流体が亜酸化窒素を含む[1]に記載の方法。
[5] 上記抽出流体が更に二酸化炭素を含む[4]に記載の方法。
[6] 上記抽出流体が、5%以上且つ90%以下の亜酸化窒素と、10%以上且つ95%以下の二酸化炭素を含む[5]に記載の方法。
[7] 上記抽出流体が、15%以上且つ60%以下の亜酸化窒素と、40%以上且つ85%以下の二酸化炭素を含む[6]に記載の方法。
[8] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25未満である[5]に記載の方法。
[9] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25以上且つ1.4以下である[5]に記載の方法。
[10] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.4以上且つ0.7以下である[9]に記載の方法。
[11] 上記抽出流体が二酸化炭素を含む[1]に記載の方法。
[12] 上記抽出流体が更に5%以上且つ50%以下の分子状酸素を含む[11]に記載の方法。
[13] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25以上且つ1.4以下である[11]に記載の方法。
[14] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.4以上且つ0.7以下である[13]に記載の方法。
[15] 抽出された上記炭化水素が、パラフィン、オレフィン、シクロパラフィン、アルコール、エステル、エーテル、およびこれらの混合物からなる群から選択される[1]に記載の方法。
[16] 抽出する上記炭化水素がエチレンである[15]に記載の方法。
[17] 抽出する上記炭化水素が、上記抽出流体と混和可能な組み合わせを形成する[1]に記載の方法。
[18] 上記膨脹ガス発生混合物の反応を開始させて膨脹ガスを形成するステップを更に含む[1]に記載の方法。
[19] 上記膨脹ガス発生混合物の反応中に上記基質材料の少なくとも一部が消費される[18]に記載の方法。
[20] 上記基質材料が所定量のKr85を更に含み、上記接触ステップにおいて、少なくとも漏れ検出量のKr85が、抽出流体によって上記基質材料から引き出される[1]に記載の方法。
[21] 膨脹ガス発生混合物をその場で形成する方法であって、
亜酸化窒素、二酸化炭素、およびこれらの混合物からなる群の中から選択した少なくとも1種類の抽出媒体を含む抽出流体の換算密度が0.2以上且つ2.0以下である条件下で、炭化水素を含む基質材料をその抽出流体と接触させることにより、固体基質材料に含まれる炭化水素の少なくとも一部を抽出流体の中に抽出して、膨脹ガス発生混合物を形成するステップを含む方法。
[22] 上記抽出流体が、5%以上且つ90%以下の亜酸化窒素と、10%以上且つ95%以下の二酸化炭素を含む[21]に記載の方法。
[23] 上記抽出流体が、15%以上且つ60%以下の亜酸化窒素と、40%以上且つ85%以下の二酸化炭素を含む[22]に記載の方法。
[24] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25未満である[21]に記載の方法。
[25] 炭化水素材料と酸素含有材料とを含む混合物を反応させて膨脹ガスを発生させる膨脹ガス供給装置であって、
抽出流体の換算密度が0.2以上且つ2.0以下である条件下で、炭化水素含有固体基質材料と抽出流体を内容物として含むチャンバを備え、基質材料に含まれる炭化水素の少なくとも一部が抽出流体の中に抽出されて、膨脹ガス発生混合物を形成する装置。
[26] 上記抽出流体が、亜酸化窒素、二酸化炭素、SF、キセノン、アンモニア、およびこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種類の抽出媒体を含む[25]に記載の装置。
[27] 上記基質材料がポリシロキサンを含む[25]に記載の装置。
[28] 上記抽出流体が亜酸化窒素を含む[25]に記載の装置。
[29] 上記抽出流体が更に二酸化炭素を含む[28]に記載の装置。
[30] 上記抽出流体が、5%以上且つ90%以下の亜酸化窒素と、10%以上且つ95%以下の二酸化炭素を含む[29]に記載の装置。
[31] 上記抽出流体が、15%以上且つ60%以下の亜酸化窒素と、40%以上且つ85%以下の二酸化炭素を含む[30]に記載の装置。
[32] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25未満である[29]に記載の装置。
[33] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25以上且つ1.4以下である[29]に記載の装置。
[34] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.4以上且つ0.7以下である[33]に記載の装置。
[35] 上記抽出流体が二酸化炭素を含む[25]に記載の装置。
[36] 上記抽出流体が5%以上且つ50%以下の分子状酸素を更に含む[35]に記載の装置。
[37] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25以上且つ1.4以下である[35]に記載の装置。
[38] 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.4以上且つ0.7以下である[37]に記載の装置。
[39] 炭化水素を含む上記固体基質材料が、パラフィン、オレフィン、シクロパラフィン、アルコール、エステル、エーテル、およびこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種類の炭化水素を含む[25]に記載の装置。
[40] 上記基質材料が炭化水素であるエチレンを含む[25]に記載の装置。
[41] 上記膨脹ガス発生混合物の反応を開始させる開始装置を更に備える[25]に記載の装置。
[42] 上記膨脹ガス発生混合物の反応中に上記基質材料の少なくとも一部が消費される[21]に記載の装置。
[43] 上記基質材料が所定量のKr85を更に含み、少なくとも漏れ検出量のKr85が抽出されて上記膨脹ガス発生混合物の中に入る[25]に記載の装置。
本発明の一態様によるエアバッグ・インフレータを、一部を断面図にして示した概略図である。 本発明の別の態様によるエアバッグ・インフレータを、一部を断面図にして示した概略図である。 本発明の更に別の態様によるエアバッグ・インフレータを、一部を断面図にして示した概略図である。 実施例1において抽出流体に現われる炭化水素の量を時間の関数として示したグラフである。 実施例2において抽出流体に現われる炭化水素の量を時間の関数として示したグラフである。 実施例3において抽出流体に現われる炭化水素の量を時間の関数として示したグラフである。 実施例4において抽出流体に現われる炭化水素の量を時間の関数として示したグラフである。 実施例5〜8と比較例1のテスト用インフレータにおけるタンクの圧力を時間の関数として示したグラフである。 実施例5〜8と比較例1のテスト用インフレータにおける内圧を時間の関数として示したグラフである。
以下に詳しく説明するように、本発明により、膨脹式機器を膨脹させるため、流体媒体内に選択した炭化水素材料を貯蔵または含有している改良された装置が提供される。本発明により、流体媒体内にこの炭化水素材料が含まれたものを得るための改良された方法も提供される。本発明は、異なった種々の形態に具体化することができる。まず最初に図1を参照すると、膨脹式機器を膨脹させるための、本発明の好ましい一態様による装置(その全体を参照番号10で示す)が図示されている。この装置10は、今後は“インフレータ”または“エアバッグ・インフレータ組立体”と呼ぶこともある。この装置10は、膨脹式乗員拘束手段(例えば膨脹式エアバッグ・クッション(図示せず))を膨脹させるのに使用できる。公知のように、このような膨脹式乗員拘束手段は、適切に作動すると、一般にインフレータ組立体からの膨脹流体流(例えばガス)によって膨脹し、自動車の乗員の運動を拘束する。実際には、膨脹式乗員拘束手段は、膨脹して乗員と自動車内にある所定の部品(例えばドア、ハンドル、計器パネルなど)の間の位置に入り込み、乗員が自動車内部のこうした部品に必然的にぶつかるのを防止または回避するように設計されているのが一般的である。
種々の自動車(例えばバン、小型トラック、乗用車などが挙げられるが、特に乗用車)で使用するインフレータを具体的に参照しながら本発明を以下に説明する。当業者であればわかるように、本発明は、種々のタイプまたは種類の膨脹に応用可能である。用途としては、例えば自動車用のエアバッグ設備が挙げられ、その中には運転者用、乗客用、側方衝撃用のエアバッグ組立体が含まれる。更に、本発明は、他のタイプの輸送手段、例えば航空機にも応用可能である。
インフレータ10は、圧力容器12を備える組立体である。このインフレータ10は、点火装置14と、第1のチャンバ16と、ディフューザ組立体20を備えている。このインフレータ10は、第1の端部壁22も備えており、この端部壁22には開口部24が設けられている。このインフレータ10では、点火装置14が開口部24を封止するように取り付けられていることが望ましい。そのためには、例えば溶接やクリンプ、あるいは他の適切な気密シールを利用する。
このような組立体では、点火装置14は、隔壁を貫通する適切な任意のタイプの点火手段を含むことができる。それは、ブリッジワイヤ、スパーク放電、加熱したワイヤまたはフォイル、爆発するワイヤまたはフォイルなどである(例えば金属製の気密シールの形態になった隔壁を通じて放電する点火手段)。更に、望むのであれば、点火装置14は、望む量の点火材料を含んでいてもよい。本発明の好ましいいくつかの態様では、インフレータの膨脹流体の中に粒子が形成されたり導入されたりするのを最少にする、あるいは回避するため、用途によってはこのような点火材料を含めないこと、あるいは最少にすることが望ましかったり必要だったりする可能性があることが理解されよう。しかし以下により詳しく説明するように、このような点火材料の組み込みまたは存在は、本発明の別のいくつかの好ましい態様では、付随する反応プロセスにおいて大量の熱入力をより容易に提供するために望ましい可能性がある。したがって、点火材料含有点火装置だと、比較的小さなサイズの点火装置で比較的大きな熱入力を一般により容易に提供できるため、そのような点火装置を用いると本発明を特にうまく実施することができる。点火装置は、追加量の点火材料、すなわち“ブースター充填剤”(例えばホウ素硝酸カリウム(BKNO))を内部に組み込むことにより、そのように大きな熱入力を提供することができる。
第1のチャンバ16は点火装置14に隣接しており、点火装置14が第1のチャンバ16の中に放電する。図示した静的な条件または状態、あるいは休止した条件または状態では、第1のチャンバ16は閉じられている。以下に更に詳しく説明するように、第1のチャンバ16には参照番号26で表わされる固体材料が収容されている。第1のチャンバ16には、参照番号30で表わされる流体内容物も収容されていて、固体材料26と接触していることが望ましい。
以下に更に詳しく説明するように、このような流体内容物は、個々の用途または設備ではどのような形態が望ましいかに応じ、ガス、および/または液体、および/または多成分、および/または多相(すなわち一部がガスで一部が液体になった混合物)の形態にして保管することができる。しかしより小さなサイズのエアバッグ・インフレータが一般に好まれること、またこのような内容物の密度はガスよりも液体の形態だと一般に顕著に大きいことを考慮すると、本発明の好ましい一態様では、主として液体の形態になった内容物を使用する、あるいは組み込む。
第1のチャンバ16は閉じられており、その中に適切に収容されている液体内容物30は、仕切り40(例えばバースト板または破裂板44を有する壁部材42からなる)によってディフューザ組立体20の中に入り込まないようにされている。当業者およびこの明細書の説明を読んだ人であればわかるように、本発明を実施する際には他の適切なタイプまたは形態の仕切りを使用することができ、本発明をより広い範囲で実施するとき必ずしも特定のタイプまたは形態の仕切りを使用せねばならないわけではない。
ディフューザ組立体20はディフューザ・チャンバ50を規定しており、膨脹ガスをインフレータ10から付属する膨脹式エアバッグ・クッション(図示せず)に供給するための複数のディフューザ孔または出口開口部52を備えている。
上記のように、本発明により、流体媒体中に選択した炭化水素を含む膨脹式機器を膨脹させるための改良された装置と、それに関係した方法が提供される。本発明によると、インフレータ10では、固体材料26は炭化水素を含む固体材料であることが望ましい。今後は固体材料26を“基質”と呼ぶこともある。第1のチャンバの内容物30は、本発明の好ましい一態様によると、固体基質材料から少なくとも望む所定の炭化水素材料を抽出するのに有効な抽出流体を主な成分とする。
抽出流体によって1種類以上の炭化水素材料がこのように抽出されることを通じ、あるいは少なくともその結果の一部として、膨脹ガス発生混合物が第1のチャンバ16の中に形成されるか生成する。本発明の好ましい一態様によると、抽出された炭化水素は、抽出流体と混和することが望ましい。当業者およびこの明細書の説明を読んだ人であればわかるように、インフレータを製造するときと保管するときのいずれかまたは両方におけるそのインフレータの内部は、好ましい少なくともいくつかの態様では、抽出流体を通じて基質から炭化水素を抽出できるような状態になっていることが望ましい。特に、抽出流体が亜酸化窒素、二酸化炭素、あるいはこれらの組み合わせである本発明のインフレータは、このような材料が比較的強力な抽出能力を示す条件下では、製造プロセスおよび/または保管プロセスにおいてこのような材料の臨界温度を超えることが一般的である。
以下に詳しく説明するように、本発明によって形成される膨脹ガス発生混合物は、本発明の好ましいいくつかの態様では、解離プロセスを通じて膨脹ガスを発生させるか形成するのに適した組成物である。当業者およびこの明細書の説明を読んだ人であればわかるように、このような膨脹ガス発生混合物は、一般に当量比が0.25未満になろう。
本発明の好ましい別の態様によると、膨脹ガス発生混合物は、燃焼プロセスを通じて膨脹ガスを派生させるか形成するのに適した組成物である。このような態様では、膨脹ガス発生混合物は、当量比が0.25以上且つ1.4以下であることが望ましい。本発明の好ましいいくつかの態様では、当量比は、0.4以上且つ0.7未満になろう。
衝突の発生を感知したときなどには、電気信号が点火装置14に送られる。すると点火装置14が作動し、この点火装置14が点火物質を含む点火装置である場合には、高温の燃焼生成物が第1のチャンバ16の中に放出されて、特に、膨脹ガス発生混合物と接触する。この膨脹ガス発生混合物は、固体材料26に含まれる炭化水素の少なくとも一部がチャンバの内容物30によって形成された抽出流体の中に抽出されることによってそのチャンバ内に形成されたものである。
以下に詳しく説明するように、インフレータのこのような放電は、第1のチャンバ16内に形成された膨脹ガス発生混合物の少なくとも一部を反応させて膨脹ガス媒体を発生させるか形成するのに有効である。したがって第1のチャンバ16内の圧力は、点火装置14の点火によって発生する圧力パルスによって、あるいは膨脹ガス発生混合物の反応を通じて発生する温度と圧力の上昇によって、あるいはその両方によって上昇する。
第1のチャンバ16内のガス圧がバースト板44の構造上の耐久限度を超えると、ディスクが壊れ、あるいは壊れないまでも膨脹ガスがディフューザ・チャンバ50の中に入ることができ、したがってこの膨脹ガスがディフューザの孔または出口開口部52から外に出て、付属するエアバッグ組立体の中に入る。
本発明により、炭化水素を含む膨脹ガス発生混合物の発生方法または形成方法が提供される。本発明をより広い範囲で実施する際には、種々の炭化水素材料を選択して基質材料からの抽出を行ない、選択した種々のガス発生混合物にすることができる。本発明を実施するのに使用可能な好ましい炭化水素材料または炭化水素誘導体材料としては、パラフィン、オレフィン、シクロパラフィン、アルコール、エステル、エーテル、およびこれらの混合物または組み合わせが挙げられる。エチレンは、本発明を実施する上で特に好ましい炭化水素であると考えられている。というのもエチレンは、望ましいことに、亜酸化窒素および二酸化炭素と共沸混合物を形成できるからである。
この明細書の説明を読んだ人であればわかるように、本発明に従って発生するか形成される炭化水素含有膨脹ガス発生混合物を利用し、種々の方法に従って膨脹ガスを発生させることができる。
例えば本発明の好ましいいくつかの態様によると、このような炭化水素含有膨脹ガス発生混合物は、燃焼プロセスを通じて膨脹ガスを発生させるか供給することができると望ましい。例えば、混合物中の炭化水素が、やはりその混合物に含まれる1種類以上の酸化剤と反応し、追加のガス状反応生成物を発生させるか形成する。このような態様を実現するのに使用する適切な酸化剤または酸化剤含有材料としては、分子状酸素、亜酸化窒素、二酸化炭素、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の好ましい別のいくつかの態様によると、炭化水素を含むこのような膨脹ガス発生混合物は、解離プロセスを通じて膨脹ガスを供給できることが望ましい。例えば、譲受人に譲渡されたリンクのアメリカ合衆国特許第5,669,629号(1997年9月23日発行);リンクらのアメリカ合衆国特許第5,884,938号(1999年3月23日発行);リンクらのアメリカ合衆国特許第5,941,562号(1999年8月24日発行)には、解離反応または分解反応(これらの反応は発熱反応であることが好ましい)によってガス状生成物を形成するガス供給材料がいくつか開示されている。なおこれら特許の開示内容は、その全体がこの明細書に明らかな形で組み込まれているものとする。上記のように、当量比が0.25未満の燃料と酸化剤の混合物は、この明細書では不燃性であると考えられ、付随する反応は、燃焼反応ではなくて分解反応、より詳細には解離反応である。本発明を実施する際に使用する特に好ましい解離性材料は、亜酸化窒素である。この亜酸化窒素材料は、望ましいことに、単独で、あるいは1種類以上の解離反応調節剤と組み合わせて使用できる。本発明のこの点に関する好ましい一態様によると、以下に更に詳しく説明するように、本発明を実施する際に用いる特に好ましい解離反応調節剤は二酸化炭素である。
最初から炭化水素を含んでいる適切な基質材料としては、種々の有機化合物のポリマーとコポリマーが挙げられる。それは、例えば、合成した化合物(例えばアルデヒド、エーテル、エステル、ビニル、アミドなど)や天然の化合物(例えばセルロース、糖類、多糖など)のポリマーとコポリマーである。特に好ましいのは、フォームまたはスポンジのように膨脹性または多孔性で低密度の形態になった固体基質材料である。本発明を実施する際に役立つそのような材料の具体例としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。他の適切な基質材料としては、ジエン(例えばブタジエン)や、天然または合成の種々のゴム化合物とエラストマー(例えばネオプレン、ポリイソプレン、ブタジエンとスチレンのコポリマー(SBR))などが挙げられる。本発明を実施する際に役立つ基質材料の特に好ましいクラスまたはファミリーは、ポリシロキサンである。
更に、当業者およびこの明細書の説明を読んだ人であればわかるように、インフレータの動作中に完全に、あるいは実質的に消費されるように適切な固体基質材料を選択し、インフレータの製作、組立、生産、廃棄のうちの1つ以上が単純化されるようにすること、また完全な燃焼または実質的な燃焼が起こることで使用したインフレータ内に固体基質材料が実質的に残らないようにすることができる。しかしエアバッグ膨脹媒体に対しては厳しい流出条件などが一般に適用されるため、基質材料を組み込んで使用し、少なくともその一部を動作中に消費すると問題が起こる可能性がある。
以下に詳しく説明するように、本発明を実施する際には種々の抽出流体を使用できることが望ましい。本発明の好ましい一態様によると、本発明を実施するのに用いられる抽出流体では、超臨界または超臨界に近い抽出技術を適用すること、あるいはその利点を生かすことが望ましい。特に、そのような抽出プロセスにおいて抽出流体の換算密度が0.2以上且つ2.0以下、好ましくは0.8以上且つ1.7以下になっていると有利であることが見いだされている。
ρ=ρ/ρ (2)ただしρ=換算密度
ρ=二酸化炭素の臨界密度
ρ=21℃における実際の密度である。
特定の抽出流体または抽出流体混合物では、更に別の換算密度を利用して本発明を実施すると望ましい場合または好ましい場合がある。例えば亜酸化窒素および/または二酸化炭素を含む抽出流体をかなりの量の他のガス(例えばヘリウム)と組み合わせて使用するシステムでは、換算密度が1.0以上且つ1.2以下であることが一般に好ましかろう。酸素と二酸化炭素だけを含む(例えばヘリウムなしの)システムでは、換算密度が1.1以上且つ1.5以下であることが一般に好ましかろう。亜酸化窒素と二酸化炭素だけを含む(例えばヘリウムなしの)本発明による好ましい態様のシステムでは、換算密度が1.2以上且つ1.6以下であることが一般に好ましかろう。
更に、このような抽出プロセスの間、抽出流体は換算温度が0.50以上且つ2.0以下になっていることが望ましかろう。換算温度は0.75以上且つ1.25以下であることがより好ましく、1.0以上且つ1.15以下であることが更に好ましい。
=T/T (3)ただしT=換算温度
=臨界温度
T=周囲温度である。
適切な抽出流体としては、亜酸化窒素、二酸化炭素、SF、キセノン、アンモニア、およびこれらの混合物からなる群の中から選択した抽出媒体が挙げられる。エアバッグを膨脹させる用途における本発明の好ましいいくつかの態様によると、抽出流体は、亜酸化窒素(NO)と二酸化炭素(CO)をそれぞれ単独で、あるいは両者の組み合わせを含んでいる。抽出流体のこのような混合物または組み合わせは、NOが5〜90%、COが10〜95%であることが好ましい。抽出流体のこのような混合物または組み合わせは、NOが10〜75%、COが25〜90%であることが更に好ましい。抽出流体のこのような混合物または組み合わせは、NOが15〜60%、COが40〜85%であることがそれ以上に好ましい。なお%の数値はモル数に基づいており、抽出流体のこのような好ましい混合物または組み合わせがどのようなものであるかは、膨脹性能パラメータ(増加速度、内圧、膨脹ガスが出ていくときの温度など)に関する知見に基づいて明らかにした。例えば亜酸化窒素の相対量が好ましい値よりも小さい混合物を含むインフレータは、亜酸化窒素の解離による種々の利点を十分には実現できないため、インフレータの性能に最適な影響を与えられない可能性がある。更に、亜酸化窒素の相対量が好ましい値よりも大きい混合物を含むインフレータは、強力すぎて望むように温度を制御することが難しい可能性がある。
いくつかの態様では、抽出媒体である二酸化炭素の他に追加の分子状酸素を含む抽出流体が望ましく且つ有効であることがわかった。そのような好ましい態様のうちのいくつかでは、抽出流体は、主成分の二酸化炭素と、5〜50モル%のOとで構成されることになろう。Oは10〜30モル%であることが好ましく、15〜25モル%であることが更に好ましい。ただしこのような値と範囲は、やはり膨脹性能パラメータ(増加速度、内圧、膨脹ガスが出ていくときの温度など)に関する知見に基づいている。
本発明による抽出流体(例えば亜酸化窒素を主成分として含む、あるいは亜酸化窒素を主成分とする抽出流体)は、個々の用途や設備に応じ、ガス、液体、多相(すなわち一部がガスで一部が液体になった混合物)の形態にして保管できることが理解できよう。しかしより小さなサイズのエアバッグ・インフレータが一般に好まれること、またこのような内容物の密度はガスよりも液体の形態だと一般に顕著に大きいことを考慮すると、本発明の好ましい一態様では、インフレータにおいて、ガスの形態ではなく主として液体の形態になった亜酸化窒素を使用する、あるいは組み込む。
当業者およびこの明細書の説明を読んだ人であればわかるように、本発明では、本発明によるインフレータの中に炭化水素含有基質を種々のやり方で配置できることが望ましい。一般に、炭化水素含有固体材料は、インフレータのチャンバの中で、抽出流体と接触する面積が、可能な限り、あるいは実際上、増加するか最大になるように配置することが望ましいと考えられている。したがって本発明の好ましいいくつかの態様によると、炭化水素含有固体基質材料は、インフレータのチャンバの中で、抽出流体によって少なくとも実質的に囲まれる、あるいはほとんど囲まれるように配置する。更に、基質が動作中に完全には消費されず多くの量が消費されることもないような態様では、インフレータの中で固体材料を配置するとき、その基質材料がインフレータから動作中に出られないようにすること、あるいはその可能性を最小にすることが好ましかろう。したがって基質は、インフレータの中で出口から遠くに配置すること、および/またはインフレータの動作中に基質と接触する流速が減少するか最小になるような障害物またはその他の特徴がある位置に配置することが望ましかろう。更に、すでに説明したように、基質が完全に、あるいは部分的に消費されるの(例えば燃料の反応)を回避し、そのような消費反応に起因する流れによって発生する可能性のある複雑な事態を避けることが一般に望ましかろう。したがって、基質は、インフレータの中で、その基質の消費または燃焼を実質的に回避できる位置、あるいは最小にすることができる位置に配置することが好ましかろう。これは、当業者およびこの明細書の説明を読んだ人にとって明らかであろう。
抽出流体によって、あるいは抽出流体を通じて炭化水素を抽出する具体例を参照して本発明を説明してきたが、当業者であればわかるように、本発明は、抽出したそのような炭化水素と結合、一体化、合体、付着する可能性のある他の材料を抽出する場合にも十分に適用可能である。例えばリンクらの上記アメリカ合衆国特許第5,884,938号(1999年3月23日発行)に記載されているように、ほとんどの、とまでは言えないものの多数の炭素含有材料が、漏れ追跡用放射性同位元素材料(例えばKr86)の優れた吸収剤または“保持剤”であることがわかっている。なお漏れ追跡用放射性同位元素材料の使用法に関しては、この特許の中に非常に詳しく記載されている。したがって、本発明の好ましいいくつかの態様によると、本発明により、インフレータの閉じたチャンバの中にそのような漏れ追跡材料を導入することができる、あるいは導入が容易になるか簡単化される。特に、本発明に従って炭化水素含有固体基質材料を抽出流体と接触させることで、抽出流体によってその基質材料から少なくとも漏れ検出ができる量のKr86も抽出できることが望ましい。
図1に示したインフレータ10は上に説明したブローダウン・インフレータとして一般的なタイプであり、このインフレータを参照して本発明を上に説明したが、当業者およびこの明細書の説明を読んだ人であればわかるように、本発明をより広い範囲で実施することが必ずしも制限されるわけではない。したがって本発明は、炭化水素含有膨脹ガス発生混合物を使用することが望ましい種々のタイプおよび形態のインフレータで実施することができる。例えば図2には、本発明による逆流インフレータの全体が、参照番号210で示してある。
インフレータ210は、圧力容器212を備える組立体である。このインフレータ210は、上に説明したのと同様の点火装置214と、第1のチャンバ216と、ディフューザ組立体220を備えている。このインフレータ210は、第1の端部壁222も備えている。この端部壁222には開口部224が設けられていて、その開口部224には点火装置214が取り付けられていることが望ましい。図示した静的な条件または状態、あるいは休止した条件または状態では、第1のチャンバ216は閉じられている。上記のインフレータ10と同様、第1のチャンバ216には参照番号226で表わされる固体材料が収容されている。第1のチャンバ216には、参照番号230で表わされる流体内容物も収容されていて、固体材料226と接触していることが望ましい。
第1のチャンバ216は閉じられており、その中に適切に収容されている液体内容物230は、仕切り240(例えばバースト板または破裂板244を有する壁部材242からなる)によってディフューザ組立体220の中に入り込まないようにされている。ディフューザ組立体220はディフューザ・チャンバ250を規定しており、膨脹ガスをインフレータ210から付属する膨脹式エアバッグ・クッション(図示せず)に供給するための複数のディフューザ孔または出口開口部252を備えている。
図からわかるように、インフレータ10とインフレータ210の大きな違いは、インフレータ210では、第1のチャンバ216が点火装置214の隣りに位置するのではなく、ディフューザ・チャンバ250の幅によって点火装置214と隔てられていることである。このような違いの効果または結果は、インフレータ210の動作に関する説明を通じてより容易に理解することができよう。
動作
衝突を感知したときなどには、電気信号が点火装置214に送られる。点火装置は、その中に含まれている点火充填剤の少なくとも一部の反応を開始させ、バースト板244を破裂または開口させる。その結果、高温の燃焼生成物が点火装置214からチャンバ216の中に放出され、上述のようにその中に収容されている内容物の加熱と、場合によっては反応が起こる。バースト板244が開くと内容物の少なくとも一部もディフューザ組立体220の中に入ることができ、更に出口用開口部252を通じ、付属するエアバッグ組立体の中にも入る。
図3は、複数のチャンバを備える本発明によるインフレータの図であり、その全体が参照番号310で示してある。このインフレータ310は、圧力容器312を備える組立体である。このインフレータ310は、第1の点火装置314aと、第2の点火装置314bを備えている。このインフレータ310は更に、圧力容器312を分割して例えば第1のチャンバ316と第2のチャンバ318にする隔壁315も備えている。このインフレータ310は、第1のディフューザ組立体320aと第2のディフューザ組立体320bも備えている。このインフレータ310は、対向した第1の端部壁322と第2の端部壁323も備えている。それぞれの端部壁322、323は開口部324、325をそれぞれ備えており、上記のように点火装置314aと314bがそれぞれの開口部を封止するように取り付けられている。
図示した静的な条件または状態、あるいは休止した条件または状態では、第1のチャンバ316と第2のチャンバ318はそれぞれ閉じられている。上記のインフレータ210と同様、第1のチャンバ316には参照番号326で表わされる固体材料が収容されており、第2のチャンバ318には参照番号328で表わされる固体材料が収容されている。更に、第1のチャンバ316には、参照番号330で表わされる流体内容物も収容されていて固体材料326と接触し、第2のチャンバ318には参照番号332で表わされる流体内容物も収容されていて固体材料328と接触していることが望ましい。
第1のチャンバ316は閉じられており、その中に適切に収容されている液体内容物330は、仕切り340a(例えばバースト板または破裂板344aを有する壁部材342aからなる)によってディフューザ組立体320aの中に入り込まないようにされている。ディフューザ組立体320aはディフューザ・チャンバ350aを規定しており、膨脹ガスをインフレータ310から付属する膨脹式エアバッグ・クッション(図示せず)に供給するための複数のディフューザ孔または出口開口部352aを備えている。
同様に、静的状態では、第2のチャンバ318は閉じられており、その中に適切に収容されている液体内容物332は、仕切り340b(例えばバースト板または破裂板344bを有する壁部材342bからなる)によってディフューザ組立体320bの中に入り込まないようにされている。ディフューザ組立体320bはディフューザ・チャンバ350bを規定しており、膨脹ガスをインフレータ310から付属する膨脹式エアバッグ・クッション(図示せず)に供給するための複数のディフューザ孔または出口開口部352bを備えている。
図からわかるように、複数のチャンバを備えるこのようなインフレータは、個々の用途に応じて種々の方法で作動させることができる。それに加え、組成および/または条件(例えば保管圧力)が異なる抽出流体を、複数のチャンバを備えるこのようなインフレータのいろいろなチャンバで利用することができる。更に、同じまたは異なる基質材料と、その中に含まれる同じまたは異なる炭化水素を複数のチャンバを備える本発明のインフレータにおいて用いて本発明を実行することができる。
したがって、望ましいことに、本発明を種々の構成のインフレータで実行できること、またそのインフレータの1つ以上のチャンバが炭化水素を含む膨脹ガス発生混合物を必要とすること、または含んでいることが理解できよう。
本発明の実施に関係する種々の側面を示す、あるいはそのモデルとなる以下の実施例を参照し、本発明を更に詳しく説明する。本発明の精神に含まれるあらゆる変更が保護されることが望ましく、したがって本発明がこれらの実施例には限定されないことが理解できよう。
実施例1〜4
これらの実施例は、亜酸化窒素と二酸化炭素からなる抽出流体の組み合わせを用いて基質材料から炭化水素を抽出できるかどうかをテストするために実施した。これらの実施例とその中で用いられている条件は最適化されていないため、これら実施例を本発明を実施するための最良の態様または好ましい態様と見なすことはできない。
それぞれの実施例では、以下の表1に示した条件下でニトリル・ゴム製のO−リングをこの表に示した個々の炭化水素に浸す。O−リングは重量が0.244グラム、体積が0.197cc、表面積が7.75cmであった。
実施例1、2、4では、指定した“浸漬”条件にするためにエチレンを十分に高圧にした。実施例3では、浸漬を周囲圧力で行なった。というのも炭化水素(すなわちオクタン)がこの条件では液体だからである。
次に、個々の実施例における炭化水素に浸したOリングを、やはり表1に示した条件下で25%のNOと75%のCOからなる抽出流体に曝露する。
Figure 2010089092
浸した個々のO−リングを加圧容器の中に入れて定期的に少量のサンプルを取り出し、そのサンプルをFTIR分析によって分析することにより、抽出流体に現われる個々の炭化水素の量を時間の関数として測定し、炭化水素の含有量を決定した。図4〜図7は、実施例1〜4のそれぞれについて、抽出流体に現われる炭化水素の量を時間の関数として示したグラフである。
結果
図4〜図7は、これら実施例で炭化水素の含有量が時間経過とともに増加することを示している。したがってこれは、本発明を適用することによって時間経過とともに炭化水素混合物を形成できる可能性のあることを示している。
比較例1と実施例5〜8
これらのテストは、炭化水素を含めることが、液化した亜酸化窒素と二酸化炭素を用いたインフレータの性能に及ぼす意味を調べるために実施した。これらのテストでは、図1に示したインフレータと似た設計のテスト用インフレータを使用した。ただし、便宜上、以下の表2に従って炭化水素(エチレン)をチャンバの内容物に対して直接添加し、この表に示した当量比を有する混合物が形成されるようにした。それぞれのテストにおいて、チャンバには亜酸化窒素と二酸化炭素が50:50の混合物が含まれていた。
Figure 2010089092
図8と図9は、比較例1と実施例5〜8のテスト用インフレータにおける性能を示している。更に詳細には、図8は、テスト用インフレータを用いて実現したタンクの圧力を時間の関数として示したグラフであり、図9は、テスト用インフレータを用いて実現した内圧を時間の関数として示したグラフである。
これらの実施例は、燃焼プロセスに基づいたインフレータまたは燃焼プロセスを適用したインフレータにおいて、またこの明細書で説明した解離プロセスを利用または適用したインフレータにおいて使用するための炭化水素含有膨脹ガス発生混合物の形成に本発明を適用できることをはっきりと示している。特に図8は、膨脹ガス発生混合物に含まれる炭化水素の量が増えるにつれて、タンクの圧力として測定される性能が向上することを示している。図9は、炭化水素の含有量が増えるにつれて、テスト用インフレータの内部における内圧のピークが徐々に大きくなることを示している。更に、より大きな圧力に対処するためにはより厚い圧力容器が一般に使用され、しかもより厚い圧力容器は一般により重くなるとともにコストもより大きくなるため、これらの実施例は、このような膨脹ガス発生混合物に含まれる炭化水素材料の量に関して注意する必要があることを示している。
したがって本発明により、望ましいことに、燃料と酸化剤の流体混合物を調製してインフレータに導入する方法が提供される。この方法は、従来法と比べてより単純、および/またはより容易、および/またはより安全になっている。更に、本発明により、望ましいことに、燃料と酸化剤のこのような混合物をその場で形成できるため、この混合物を調製、組み込み、使用する際のリスクまたは危険の少なくとも一部を回避することが可能なインフレータ装置も提供される。
この明細書に開示した本発明は、この明細書に具体的に開示していない何らかの要素、部分、ステップ、成分が欠けていても適切に実施することができる。
上記の詳しい説明では本発明を所定の好ましい態様について説明し、しかも説明を目的として多くの詳細な事項を提示したが、当業者にとって、本発明には別の態様が可能であり、この明細書に記載した細部を本発明の基本原理からはずれることなく大きく変更できることは明らかであろう。

Claims (43)

  1. 抽出流体の換算密度(reduced density)が0.2以上且つ2.0以下である条件下で、炭化水素を含む固体基質(substrate)材料をその抽出流体と接触させることにより、固体基質材料に含まれる炭化水素の少なくとも一部を抽出流体の中に抽出して、膨脹ガス発生混合物を形成するステップを含む方法。
  2. 上記抽出流体が、亜酸化窒素、二酸化炭素、SF、キセノン、アンモニア、およびこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種類の抽出媒体を含む請求項1に記載の方法。
  3. 上記基質材料がポリシロキサンを含む請求項1に記載の方法。
  4. 上記抽出流体が亜酸化窒素を含む請求項1に記載の方法。
  5. 上記抽出流体が更に二酸化炭素を含む請求項4に記載の方法。
  6. 上記抽出流体が、5%以上且つ90%以下の亜酸化窒素と、10%以上且つ95%以下の二酸化炭素を含む請求項5に記載の方法。
  7. 上記抽出流体が、15%以上且つ60%以下の亜酸化窒素と、40%以上且つ85%以下の二酸化炭素を含む請求項6に記載の方法。
  8. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25未満である請求項5に記載の方法。
  9. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25以上且つ1.4以下である請求項5に記載の方法。
  10. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.4以上且つ0.7以下である請求項9に記載の方法。
  11. 上記抽出流体が二酸化炭素を含む請求項1に記載の方法。
  12. 上記抽出流体が更に5%以上且つ50%以下の分子状酸素を含む請求項11に記載の方法。
  13. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25以上且つ1.4以下である請求項11に記載の方法。
  14. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.4以上且つ0.7以下である請求項13に記載の方法。
  15. 抽出された上記炭化水素が、パラフィン、オレフィン、シクロパラフィン、アルコール、エステル、エーテル、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  16. 抽出する上記炭化水素がエチレンである請求項15に記載の方法。
  17. 抽出する上記炭化水素が、上記抽出流体と混和可能な組み合わせを形成する請求項1に記載の方法。
  18. 上記膨脹ガス発生混合物の反応を開始させて膨脹ガスを形成するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
  19. 上記膨脹ガス発生混合物の反応中に上記基質材料の少なくとも一部が消費される請求項18に記載の方法。
  20. 上記基質材料が所定量のKr85を更に含み、上記接触ステップにおいて、少なくとも漏れ検出量のKr85が、抽出流体によって上記基質材料から引き出される請求項1に記載の方法。
  21. 膨脹ガス発生混合物をその場で形成する方法であって、
    亜酸化窒素、二酸化炭素、およびこれらの混合物からなる群の中から選択した少なくとも1種類の抽出媒体を含む抽出流体の換算密度が0.2以上且つ2.0以下である条件下で、炭化水素を含む基質材料をその抽出流体と接触させることにより、固体基質材料に含まれる炭化水素の少なくとも一部を抽出流体の中に抽出して、膨脹ガス発生混合物を形成するステップを含む方法。
  22. 上記抽出流体が、5%以上且つ90%以下の亜酸化窒素と、10%以上且つ95%以下の二酸化炭素を含む請求項21に記載の方法。
  23. 上記抽出流体が、15%以上且つ60%以下の亜酸化窒素と、40%以上且つ85%以下の二酸化炭素を含む請求項22に記載の方法。
  24. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25未満である請求項21に記載の方法。
  25. 炭化水素材料と酸素含有材料とを含む混合物を反応させて膨脹ガスを発生させる膨脹ガス供給装置であって、
    抽出流体の換算密度が0.2以上且つ2.0以下である条件下で、炭化水素含有固体基質材料と抽出流体を内容物として含むチャンバを備え、基質材料に含まれる炭化水素の少なくとも一部が抽出流体の中に抽出されて、膨脹ガス発生混合物を形成する装置。
  26. 上記抽出流体が、亜酸化窒素、二酸化炭素、SF、キセノン、アンモニア、およびこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種類の抽出媒体を含む請求項25に記載の装置。
  27. 上記基質材料がポリシロキサンを含む請求項25に記載の装置。
  28. 上記抽出流体が亜酸化窒素を含む請求項25に記載の装置。
  29. 上記抽出流体が更に二酸化炭素を含む請求項28に記載の装置。
  30. 上記抽出流体が、5%以上且つ90%以下の亜酸化窒素と、10%以上且つ95%以下の二酸化炭素を含む請求項29に記載の装置。
  31. 上記抽出流体が、15%以上且つ60%以下の亜酸化窒素と、40%以上且つ85%以下の二酸化炭素を含む請求項30に記載の装置。
  32. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25未満である請求項29に記載の装置。
  33. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25以上且つ1.4以下である請求項29に記載の装置。
  34. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.4以上且つ0.7以下である請求項33に記載の装置。
  35. 上記抽出流体が二酸化炭素を含む請求項25に記載の装置。
  36. 上記抽出流体が5%以上且つ50%以下の分子状酸素を更に含む請求項35に記載の装置。
  37. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.25以上且つ1.4以下である請求項35に記載の装置。
  38. 上記膨脹ガス発生混合物の当量比が0.4以上且つ0.7以下である請求項37に記載の装置。
  39. 炭化水素を含む上記固体基質材料が、パラフィン、オレフィン、シクロパラフィン、アルコール、エステル、エーテル、およびこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1種類の炭化水素を含む請求項25に記載の装置。
  40. 上記基質材料が炭化水素であるエチレンを含む請求項25に記載の装置。
  41. 上記膨脹ガス発生混合物の反応を開始させる開始装置を更に備える請求項25に記載の装置。
  42. 上記膨脹ガス発生混合物の反応中に上記基質材料の少なくとも一部が消費される請求項21に記載の装置。
  43. 上記基質材料が所定量のKr85を更に含み、少なくとも漏れ検出量のKr85が抽出されて上記膨脹ガス発生混合物の中に入る請求項25に記載の装置。
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