JP2010088656A - 内視鏡用プロセッサ装置、内視鏡用プロセッサ装置の電源電圧供給方法、並びに内視鏡システム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な構成で、個体差によらず常に最適な状態で電子内視鏡の固体撮像素子を駆動させる。
【解決手段】プロセッサ装置11は、CPU40と、電源回路47と、デジタル/アナログ変換器(D/A)48とを備える。電源回路47は、電子内視鏡10のCCD23、CPU29、およびタイミング/ドライバ回路31に電源電圧を供給する。D/A48は、電源回路47に接続され、CPU40から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換して出力する。CPU40は、電子内視鏡10のCPU29と通信し、電子内視鏡10のEEPROM30に記憶された電子内視鏡10の型番のデータを受け取る。CPU40は、型番のデータに対応する電源電圧の適正値を、ROM41に格納された適正値テーブル60から読み出す。CPU40は、電源電圧を適正値に調整するためのデジタル信号を決定し、D/A48に出力する。
【選択図】図3
【解決手段】プロセッサ装置11は、CPU40と、電源回路47と、デジタル/アナログ変換器(D/A)48とを備える。電源回路47は、電子内視鏡10のCCD23、CPU29、およびタイミング/ドライバ回路31に電源電圧を供給する。D/A48は、電源回路47に接続され、CPU40から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換して出力する。CPU40は、電子内視鏡10のCPU29と通信し、電子内視鏡10のEEPROM30に記憶された電子内視鏡10の型番のデータを受け取る。CPU40は、型番のデータに対応する電源電圧の適正値を、ROM41に格納された適正値テーブル60から読み出す。CPU40は、電源電圧を適正値に調整するためのデジタル信号を決定し、D/A48に出力する。
【選択図】図3
Description
本発明は、固体撮像素子を駆動させるための電源電圧を電子内視鏡に供給する電源回路を備える内視鏡用プロセッサ装置、内視鏡用プロセッサ装置の電源電圧供給方法、並びに内視鏡システムに関する。
従来、医療分野において、電子内視鏡を利用した検査が広く普及している。電子内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部の先端に、CCDイメージセンサ等の固体撮像素子を有する。電子内視鏡は、コードやコネクタを介して内視鏡用プロセッサ装置(以下、プロセッサ装置と略す)に接続される。プロセッサ装置は、固体撮像素子から出力された撮像信号に対して各種処理を施し、診断に供する内視鏡画像を生成する。内視鏡画像は、プロセッサ装置に接続されたモニタに表示される。
電子内視鏡とプロセッサ装置は、電子内視鏡のIDや使用履歴といったデータを相互に遣り取りする通信機能を有する(特許文献1〜5参照)。電子内視鏡が接続されると、プロセッサ装置は、まず、通信用の電源電圧を電子内視鏡に供給し、電子内視鏡から必要なデータを受け取る。そして、受け取ったデータに応じて、固体撮像素子を駆動させるための電源電圧を電子内視鏡に供給する。
特許文献1では、電子内視鏡から受け取ったIDに基づいて、電子内視鏡に搭載されている固体撮像素子を判別し、その判別結果に応じて、撮像信号から得られたクロマ信号に対する抑圧レベルを変更している。段落[0030]、[0042]〜[0045]および図2、4には、固体撮像素子を駆動させるための電源電圧の値を調整する抵抗を電子内視鏡に設け、その抵抗値を適宜設定することで、各固体撮像素子に適した電源電圧を供給する旨が記載されている。
特開2003−204932号公報
特開2007−209570号公報
特開2007−229305号公報
特開2007−050108号公報
特開2008−149125号公報
電子内視鏡に供給する電源電圧は、標準電圧値が予め定められているものの、実際には、固体撮像素子の個体差によって各固体撮像素子で最適な電圧値は異なる。従来、電子内視鏡に供給する電源電圧は標準電圧値に倣っていたため、最適な状態で固体撮像素子を駆動しているとは言い切れず、場合によっては内視鏡画像の画質劣化を引き起こす原因ともなり兼ねない。
加えて、最近は高画質、高精細なモニタを採用するユーザが増える傾向にあり、内視鏡画像の高画質化の要望と相俟って、最適な状態で固体撮像素子を駆動させる必要性が高まっている。
一方、電源電圧を供給する側であるプロセッサ装置の電源回路にも個体差があり、必ずしも設定通りの電圧値で電源電圧が供給されるとは限らない。
特許文献1に記載の発明は、電子内視鏡毎に異なる抵抗を設ける必要があり、製造や管理が煩雑且つ面倒である。また、プロセッサ装置の電源回路の個体差による電源電圧のばらつきを抑えることはできない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便な構成で、個体差によらず常に最適な状態で電子内視鏡の固体撮像素子を駆動させることにある。
上記目的を達成するために、本発明の内視鏡用プロセッサ装置は、固体撮像素子を駆動させるための電源電圧を電子内視鏡に供給する電源回路と、電子内視鏡の情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって得られた情報に基づいて、電源電圧を適正値に調整するための調整値を決定するCPUと、前記電源回路に接続され、前記CPUで決定した調整値をデジタル信号からアナログ信号に変換して出力するデジタル/アナログ変換器とを備えることを特徴とする。
適正値とは、内視鏡画像の画質劣化を生じさせない、あるいは軽減させるように固体撮像素子を駆動させることができる電源電圧の値である。
前記情報取得手段は、電子内視鏡のIDを情報として取得する。この場合、IDに対応する電源電圧の適正値のデータを格納する第一データ格納手段を備えることが好ましい。前記CPUは、前記情報取得手段によって得られたIDに対応する電源電圧の適正値のデータを前記第一データ格納手段から読み出すことで、調整値を決定する。
また、IDと電源電圧の適正値のデータを前記第一データ格納手段に登録するためのデータ入力手段を備えることが好ましい。新機種やバージョンアップに柔軟に対応することができる。
前記情報取得手段は、電源電圧の適正値を情報として取得する。前記CPUは、前記情報取得手段によって得られた電源電圧の適正値を元に、調整値を決定する。この場合は前記第一データ格納手段および前記データ入力手段は必要ない。
ある設定電圧値を出力するように前記電源回路を駆動し、そのときの出力電圧の実測値と設定電圧値とを元に得られる補正データを格納する第二データ格納手段を備えることが好ましい。この場合、前記CPUは、補正データに基づいて、設定電圧値と実測値が一致するように前記デジタル/アナログ変換器の駆動を制御する。電源回路の個体差をも吸収することができる。
タイプの異なる複数の電子内視鏡を接続するための複数口のソケットを備えることが好ましい。
本発明の内視鏡用プロセッサ装置の電源電圧供給方法は、内視鏡用プロセッサ装置の電源回路から、固体撮像素子を駆動させるための電源電圧を電子内視鏡に供給する方法であって、
電子内視鏡の情報を情報取得手段で取得する第一ステップと、前記第一ステップによって得られた情報に基づいて、電源電圧を適正値に調整するための調整値をCPUで決定する第二ステップと、電源回路に接続されたデジタル/アナログ変換器に、前記第二ステップで決定した調整値を入力し、これをデジタル/アナログ変換器でデジタル信号からアナログ信号に変換して出力する第三ステップとを備えることを特徴とする。
電子内視鏡の情報を情報取得手段で取得する第一ステップと、前記第一ステップによって得られた情報に基づいて、電源電圧を適正値に調整するための調整値をCPUで決定する第二ステップと、電源回路に接続されたデジタル/アナログ変換器に、前記第二ステップで決定した調整値を入力し、これをデジタル/アナログ変換器でデジタル信号からアナログ信号に変換して出力する第三ステップとを備えることを特徴とする。
本発明の内視鏡システムは、被検体内の被観察部位の像光を撮像する固体撮像素子を有する電子内視鏡と、固体撮像素子を駆動させるための電源電圧を前記電子内視鏡に供給する電源回路、前記電子内視鏡の情報を取得する情報取得手段、情報取得手段によって得られた情報に基づいて、電源電圧を適正値に調整するための調整値を決定するCPU、並びに、電源回路に接続され、CPUで決定した調整値をデジタル信号からアナログ信号に変換して出力するデジタル/アナログ変換器を有するプロセッサ装置とで構成されることを特徴とする。
本発明によれば、電子内視鏡の情報に基づいて、電子内視鏡に供給する電源電圧が適正値となるように、デジタル/アナログ変換器およびCPUで電源電圧を調整するので、簡便な構成で、個体差によらず常に最適な状態で電子内視鏡の固体撮像素子を駆動させることができる。
図1において、内視鏡システム2は、電子内視鏡10、プロセッサ装置11、および光源装置12からなる。電子内視鏡10は、周知の如く、患者の体腔内に挿入される可撓性の挿入部13と、挿入部13の基端部分に連設された操作部14と、プロセッサ装置11および光源装置12に接続されるコネクタ15と、操作部14、コネクタ15間を繋ぐユニバーサルコード16とを有する。
挿入部13の先端には、観察窓20、照明窓21(ともに図2参照)等が設けられている。観察窓20の奥には、対物光学系22を介して、体腔内撮影用のCCD23が配されている(いずれも図2参照)。照明窓21は、ユニバーサルコード16や挿入部13に配設されたライトガイド32、および照明レンズ24(ともに図2参照)で導光される光源装置12からの照明光を、被観察部位に照射する。
操作部14には、挿入部13の先端を上下左右方向に湾曲させるためのアングルノブや、挿入部13の先端からエアー、水を噴出させるための送気・送水ボタンの他、内視鏡画像を静止画記録するためのレリーズボタン等が設けられている。
また、操作部14の先端側には、電気メス等の処置具が挿通される鉗子口が設けられている。鉗子口は、挿入部13内の鉗子チャンネルを通して、挿入部13の先端に設けられた鉗子出口に連通している。
プロセッサ装置11は、光源装置12と電気的に接続され、内視鏡システム2の動作を統括的に制御する。プロセッサ装置11は、ユニバーサルコード16や挿入部13内に挿通された伝送ケーブルを介して、電子内視鏡10に給電を行い、CCD23の駆動を制御する。また、プロセッサ装置11は、伝送ケーブルを介して、CCD23から出力された撮像信号を受信し、受信した撮像信号に各種処理を施して画像データを生成する。プロセッサ装置11で生成された画像データは、プロセッサ装置11にケーブル接続されたモニタ17に内視鏡画像として表示される。
図2において、電子内視鏡10は、前述の観察窓20、照明窓21、対物光学系22、CCD23、および照明レンズ24が挿入部13の先端に設けられ、アナログ信号処理回路(以下、AFEと略す)25等が操作部14に設けられている。
CCD23は、例えば、インターライン転送方式のCCDイメージセンサであり、観察窓20、対物光学系22(レンズ群およびプリズムからなる)を経由した体腔内の被観察部位の像光が、撮像面に入射するように配置されている。
CCD23は、受光素子(フォトダイオード)、垂直転送部、水平転送部、出力部等の周知の構成を有する。受光素子は、二次元マトリクス状にCCD23の撮像面に配置され、光電変換により入射光に応じた信号電荷を生成して蓄積する。垂直転送部は、受光素子の垂直列毎に設けられ、受光素子から信号電荷を読み出し、読み出した信号電荷を垂直転送する。水平転送部は、各垂直転送部の出力端に共通に接続され、垂直転送部から出力された信号電荷を水平転送する。出力部は、水平転送部の出力端に接続され、水平転送部から出力された信号電荷を電圧に変換して出力する。
CCD23の撮像面には、複数の色セグメントからなるカラーフィルタ(例えば、ベイヤー配列の原色カラーフィルタ、図示せず)が形成されている。
AFE25は、相関二重サンプリング回路(以下、CDSと略す)26、自動ゲイン制御回路(以下、AGCと略す)27、およびアナログ/デジタル変換器(以下、A/Dと略す)28から構成されている。CDS26は、CCD23から出力される撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施し、CCD23で生じるリセット雑音およびアンプ雑音の除去を行う。AGC27は、CDS26によりノイズ除去が行われた撮像信号を、プロセッサ装置11から指定されるゲイン(増幅率)で増幅する。A/D28は、AGC27により増幅された撮像信号を、所定のビット数のデジタル信号に変換する。A/D28でデジタル化された撮像信号は、ユニバーサルコード16、コネクタ15を介してプロセッサ装置11に入力され、デジタル信号処理回路(以下、DSPと略す)43の作業用メモリ(図示せず)に一旦格納される。
電子内視鏡10の操作部14には、AFE25の他に、CPU29、EEPROM30、およびタイミング/ドライバ回路31が設けられている。CPU29は、プロセッサ装置11のCPU40と通信を行うとともに、AFE25、タイミング/ドライバ回路31等の各部の動作を制御する。EEPROM30には、電子内視鏡10の型番(ID、図5参照)がデータとして記憶されている。
タイミング/ドライバ回路31は、タイミングジェネレータとCCD23のドライバを兼ねる。タイミング/ドライバ回路31は、CCD23を駆動するための各種駆動パルス(図3参照)とAFE25用の同期パルスとを発生する。CCD23は、タイミング/ドライバ回路31からの駆動パルスに応じて撮像動作を行い、撮像信号を出力する。AFE25の各部26〜28は、タイミング/ドライバ回路31からの同期パルスに基づいて動作する。
CPU29は、電子内視鏡10とプロセッサ装置11とが接続された後、プロセッサ装置11のCPU40からの動作開始指示に応じて、タイミング/ドライバ回路31を駆動させるとともに、AGC27のゲインを調整する。
CPU40は、プロセッサ装置11全体の動作を統括的に制御する。CPU40は、図示しないデータバスやアドレスバス、制御線を介して各部と接続している。ROM41には、プロセッサ装置11の動作を制御するための各種プログラム(OS、アプリケーションプログラム等)やデータ(グラフィックデータ等)が記憶されている。CPU40は、ROM41から必要なプログラムやデータを読み出して、作業用メモリであるRAM42に展開し、読み出したプログラムを逐次処理する。また、CPU40は、検査日時、患者や術者の情報等の文字情報といった検査毎に変わる情報を、後述する操作部46やLAN(Local Area Network)等のネットワークより得て、RAM42に記憶する。
DSP43は、AFE25からの撮像信号を作業用メモリから読み出す。DSP43は、読み出した撮像信号に対して、色分離、色補間、ゲイン補正、ホワイトバランス調整、ガンマ補正等の各種信号処理を施し、画像データを生成する。DSP43で生成された画像データは、デジタル画像処理回路(以下、DIPと略す)44の作業用メモリ(図示せず)に入力される。
DIP44は、CPU40の制御に従って各種画像処理を実行する。DIP44は、DSP43で処理された画像データを作業用メモリから読み出す。DIP44は、読み出した画像データに対して、電子変倍、あるいは色強調、エッジ強調、分光特性抽出等の各種画像処理を施す。DIP44で各種画像処理を施された画像データは、表示制御回路45に入力される。
表示制御回路45は、DIP44からの処理済みの画像データを格納するVRAMを有する。表示制御回路45は、CPU40からROM41およびRAM42のグラフィックデータを受け取る。グラフィックデータには、内視鏡画像の無効画素領域を隠して有効画素領域のみを表示させる表示用マスク、検査日時、あるいは患者や術者の情報等の文字情報、グラフィカルユーザインターフェース(GUI;Graphical User Interface)といったものがある。表示制御回路45は、DIP44からの画像データに対して、表示用マスク、文字情報、GUIの重畳処理、モニタ17の表示画面への描画処理等の各種表示制御処理を施す。
表示制御回路45は、VRAMから画像データを読み出し、読み出した画像データをモニタ17の表示形式に応じたビデオ信号(コンポーネント信号、コンポジット信号等)に変換する。これにより、モニタ17に内視鏡画像が表示される。
操作部46は、プロセッサ装置11の筐体に設けられる操作パネル、あるいは、マウスやキーボード等の周知の入力デバイスである。CPU40は、操作部46からの操作信号に応じて、各部を動作させる。
電源回路47は、いわゆる定電圧源であり、電子内視鏡10のCCD23、CPU29、およびタイミング/ドライバ回路31に各種電源電圧を供給する。電源回路47は、CPU40からの指示を受けて電源電圧の供給を開始する。
図3において、電源回路47は、Vdd1、Vdd2、VL(Vdd1>Vdd2>0、VL<0)の三種の電源電圧を出力する。Vdd1とVLはCCD23およびタイミング/ドライバ回路31に、Vdd2はCPU29およびタイミング/ドライバ回路31にそれぞれ供給される。
CPU29は、Vdd2の供給を受けて動作を開始する。これと同時に、CPU29は、プロセッサ装置11のCPU40から型番のデータを要求する信号を受ける。CPU29は、プロセッサ装置11のCPU40からの要求に応じて、EEPROM30から型番のデータを読み出し、これをCPU40に送信する。
タイミング/ドライバ回路31は、CPU29からの指示で動作を開始する。タイミング/ドライバ回路31は、各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLを元に、垂直転送パルスφV1、φV2、φV3、φV4、水平転送パルスφH1、φH2、リセットパルスφRG、オーバーフロードレイン(以下、OFDと略す)パルスφSUBを発生させる。
具体的には、垂直転送パルスφV1〜φV4は、グランド電位を最大値、VLを最小値として生成したパルスに、Vdd1のレベルの読み出しパルスを重畳したものである。水平転送パルスφH1、φH2およびリセットパルスφRGは、Vdd2を最大値、グランド電位を最小値として生成される。OFDパルスφSUBは、Vdd1を元に、後述するオフセット電圧を加算するCCD23内の加算部(図示せず)等によって生成される。
垂直転送パルスφV1〜φV4は、CCD23の四個の垂直転送ゲート端子V1〜V4に入力される。CCD23の垂直転送部は、垂直転送パルスφV1〜φV4により四相駆動される。水平転送パルスφH1、φH2は、CCD23の二個の水平転送ゲート端子H1、H2に入力される。水平転送部は、水平転送パルスφH1、φH2により二相駆動される。
リセットパルスφRGは、CCD23のリセットゲート端子RGに入力される。リセットパルスφRGは、CCD23の出力部を構成するリセットゲートに印加される。リセットパルスφRGがリセットゲートに印加されることで、水平転送部からフローティングディフュージョン(FD)部に次の画素の信号電荷が転送される前に、FD部内に蓄積された電荷電圧変換後の信号電荷がリセットドレインへ破棄される。リセットドレインには、Vdd1に基づいた電圧が印加されている。
OFDパルスφSUBは、CCD23のOFD端子SUBに入力される。OFD端子SUBは、CCD23を構成する半導体基板(サブストレート)に導通している。OFDパルスφSUBの最小電圧であるオフセット電圧がOFD端子SUBに印加されているときは、受光素子の電荷蓄積部に電荷を蓄積するための電位井戸が形成される。CCD23の電荷蓄積動作はこの電位状態で行われる。電荷蓄積部の信号電荷が過剰になると、オーバーフローした信号電荷は電位井戸の障壁を乗り越え、半導体基板に排出される。このオフセット電圧に応じて、電荷蓄積部の飽和蓄積電荷量、つまりCCD23の感度が変化する。
一方、OFD端子SUBにOFDパルスφSUBの最大電圧であるパルス電圧が印加された場合には、電位井戸の半導体基板側の障壁が消失し、電荷蓄積部内の全ての電荷が半導体基板に排出される。この排出動作は、電荷蓄積動作を開始する直前の、いわゆる電子シャッタ動作として行われる。
CCD23は、タイミング/ドライバ回路31からの各種駆動パルスが入力されて動作を開始する。CCD23は、受光素子で生成された信号電荷を垂直、水平転送部で出力部に転送し、出力部にて信号電荷を電圧Voutに変換して、これを撮像信号として信号出力端子outから出力する。なお、VLは、CCD23の入力保護トランジスタのバイアスに用いられる。
電源回路47には、デジタル/アナログ変換器(以下、D/Aと略す)48が接続されている。D/A48は、CPU40と同じ回路基板に実装されている。D/A48は、CPU40から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換して出力する。
図4において、D/A48には、基準電圧Vrefが印加されており、抵抗RD/Aを介して電源回路47の出力端に接続されている。D/A48には、例えば10bitのデジタル信号がCPU40から入力される。例えばデジタル信号「1023(10進数)」が入力されると、D/A48の出力電圧VD/Aは最小値(0V)をとり、デジタル信号「0」が入力されると最大値をとる。
各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLは、D/A48の出力電圧VD/Aの増減に応じてその値が変化する。出力電圧VD/Aが最小値のときには、各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLは最大値をとる。逆に、出力電圧VD/Aが最大値のときには最小値をとる。各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLは、例えばデジタル信号の1LSB毎に1mVずつ増減する。
各抵抗R1、R2、RD/Aの抵抗値は、各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLの調整範囲(最大値と最小値の差)、出力電圧VD/Aの分解能等に対して一義的に決まる。なお、電源回路47およびD/A48は一台しか図示していないが、実際には、各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLを出力する三つの電源回路があり、D/Aも各電源回路に対して一つずつ用意されている。
CPU40は、図5に示す適正値テーブル60に基づいて、D/A48に入力すべきデジタル信号(調整値)を決定する。適正値テーブル60は、ROM41に格納されている。適正値テーブル60は、電子内視鏡10の型番と各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLの適正値とをデータテーブル形式で記憶する。適正値テーブル60の各データは、操作部46を操作することで新規に登録することが可能である。
型番は、例えば「S−A−001」、「S−A−002」等であり、「A」は電子内視鏡10のタイプを表し、「001」、「002」はそのタイプのバージョンを表す。従って、図示例では、タイプは「A」で共通であるが、それぞれバージョンが異なる。搭載しているCCD23のロットが異なる場合等にバージョンが追加される。
適正値は、その型番の電子内視鏡10(CCD23)を適正に動作させるための値である。各種電源電圧Vdd1、Vdd1、VLの標準電圧値は、「A」タイプの電子内視鏡10の場合、例えば、Vdd1=18V、Vdd2=5V、VL=−7.5Vである。標準電圧値と適正値が一致せず、且つ各バージョンで適正値が一致しないのは、搭載しているCCD23のロットが異なるからである。
上記段落の適正な動作とは、内視鏡画像にブルーミング、固定パターンノイズ、縦縞等の画質劣化を生じさせない、あるいは軽減させるような動作をいう。これらの画質劣化は、OFDパルスφSUBのオフセット電圧、ひいてはその生成元である電源電圧Vdd1を調整し、CCD23の感度を変更することにより軽減が可能である。また、垂直転送パルスφV1〜φV4の最大値、すなわちその生成元である電源電圧Vdd1、あるいは、水平転送パルスφH1、φH2及びリセットパルスφRGの振幅、すなわちこれらの生成元である電源電圧Vdd2を調整することにより軽減が可能である。
CPU40は、電子内視鏡10のCPU29から受信した、電子内視鏡10の型番のデータに応じて、その型番に該当する適正値のデータを適正値テーブル60から読み出す。CPU40は、適正値となるようなデジタル信号をD/A48に出力する。
ROM41には、適正値テーブル60の他に、補正データが格納されている。補正データは、プロセッサ装置11の出荷前の検査で、ある設定電圧値を出力するように電源回路47を駆動し、そのときの電源回路47の出力電圧の実測値と設定電圧値とのずれ量を求めることで得られる。補正データは、プロセッサ装置11の出荷時にROM41に書き込まれる。CPU40は、この補正データを参照して、設定電圧値と実測値が一致するように補正をしたうえで、各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLの微調整を行うべくD/A48にデジタル信号を入力する。
補正データを用いた補正により、電源回路47からは、標準電圧値の各種電源電圧Vdd1、Vdd1、VLが出力される。CPU40は、標準電圧値と適正値との差分を算出し、これに基づいてD/A48に入力するデジタル信号を決定する。
プロセッサ装置11には、上記の他にも、画像データに所定の圧縮形式(例えばJPEG形式)で画像圧縮を施す圧縮処理回路や、圧縮された画像データを、CFカード、光磁気ディスク(MO)、CD−R等のリムーバブルメディアに記憶するメディアI/F、LAN等のネットワークとの間で各種データの伝送制御を行うネットワークI/F等が設けられている。これらはデータバス等を介してCPU40と接続されている。
図2に戻って、光源装置12は、キセノンランプやハロゲンランプからなる光源50を有する。光源50は、光源ドライバ51によって駆動される。絞り機構52は、光源50の光射出側に配置され、集光レンズ53に入射される光量を増減させる。集光レンズ53は、絞り機構52を通過した光を集光して、ライトガイド32の入射端に導光する。ライトガイド32は、例えば、複数の石英製光ファイバを巻回テープ等で集束してバンドル化したものである。
CPU54は、プロセッサ装置11のCPU40と通信し、光源ドライバ51および絞り機構52の動作制御を行う。ライトガイド32の出射端に導かれた照明光は、照明レンズ24で拡散され、照明窓21を介して体腔内の被観察部位に照射される。
次に、上記のように構成された内視鏡システム2の作用について説明する。電子内視鏡10で患者の体腔内を観察する際、術者は、電子内視鏡10と各装置11、12とを繋げ、各装置11、12の電源をオンする。そして、操作部46を操作して、患者に関する情報等を入力し、検査開始を指示する。
検査開始を指示した後、術者は、挿入部13を体腔内に挿入し、光源装置12からの照明光で体腔内を照明しながら、CCD23による体腔内の内視鏡画像をモニタ17で観察する。
CCD23から出力された撮像信号は、AFE25の各部26〜28で各種処理を施された後、プロセッサ装置11のDSP43に入力される。DSP43では、入力された撮像信号に対して各種信号処理が施され、画像データが生成される。DSP43で生成された画像データは、DIP44に出力される。
DIP44では、CPU40の制御の下、DSP43からの画像データに各種画像処理が施される。DIP44で処理された画像データは、表示制御回路45に入力される。表示制御回路45では、CPU40からのグラフィックデータに応じて、各種表示制御処理が実行される。これにより、画像データがモニタ17に内視鏡画像として表示される。
図6のフローチャートに示すように、プロセッサ装置11の電源がオンされると、CPU40の指示で電源回路47から電子内視鏡10のCCD23、CPU29、およびタイミング/ドライバ回路31への各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLの供給が開始される(S(ステップ)10)。電子内視鏡10では、電源電圧の供給を受けて、各部が動作可能な状態になる。
電子内視鏡10のCPU29との通信が確立すると、プロセッサ装置11のCPU40は、電子内視鏡10のCPU29に型番のデータの要求信号を送信する。電子内視鏡10のCPU29は、これに応じてEEPROM30から型番のデータを読み出して、プロセッサ装置11のCPU40に送信する。プロセッサ装置11のCPU40は、電子内視鏡10の型番のデータを取得する(S11)。
型番のデータを取得すると、プロセッサ装置11のCPU40は、ROM41の適正値テーブル60から、取得した型番に対応する適正値のデータを読み出す(S12)。そして、ROM41の補正データに応じた補正をしたうえで、適正値となるようなデジタル信号をD/A48に出力する(S13)。こうすることで、各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLが適正値となり、画質劣化が起こらない、または軽減される。
適正値に調整された各種電源電圧Vdd1、Vdd2、VLを元に、タイミング/ドライバ回路31で各種駆動パルスが生成され、CCD23に出力される。CCD23は、タイミング/ドライバ回路31からの各種駆動パルスで駆動制御され、撮像信号を出力する。プロセッサ装置11では、検査が終了して電源がオフされる(S15でyes)まで、前述の通り各種画像処理、表示制御処理が施される(S14)。なお、先に型番のデータを取得して適正値を読み出したうえで、電源電圧の供給を開始してもよい。
以上説明したように、電子内視鏡毎の電源電圧の適正値を得て、適正値となるようにCPU40およびD/A48で電源電圧を微調整するので、バージョン違い等の電子内視鏡の機差を吸収することができ、接続される電子内視鏡に関わらず、常に画質劣化が少ない内視鏡画像を表示させることができる。
D/A48の出力端と電源回路47の出力端を繋げ、CPU40からデジタル信号を入力するという単純な構成および制御で、上記の効果を得ることができる。
電源電圧の補正データをROM41に書き込んでおき、電源電圧の補正を行うので、電子内視鏡の機差だけでなく、プロセッサ装置の機差をも吸収することができ、より精確な電源電圧の微調整が可能になる。
操作部46を介して適正値テーブル60の型番と適正値のデータを登録することができるので、新機種やバージョンアップに柔軟に対応することができる。
なお、適正値テーブルの型番と適正値のデータを登録するためのデータ入力手段は、操作部に限らない。LAN経由で各データを入力しても可である。
また、型番ではなく、適正値そのものを電子内視鏡のEEPROMに記憶しておき、これを取得してもよい。データ入力手段や適正値テーブルの格納手段を備える必要がなくなるため、装置コストを削減することができる。
さらには、型番等の情報は、術者が手入力してもよく、電子内視鏡に設けたRFIDタグから無線通信で取得してもよい。
上記実施形態では、電子内視鏡の情報として、タイプとバージョンを記号化した型番を例示したが、タイプ、バージョンのうちのいずれか一方でもよいし、これらとは別の情報であっても構わない。
上記実施形態では、コネクタ15のソケットが一口で、単一のタイプの電子内視鏡10の接続を受け入れるプロセッサ装置11を例示したが、複数タイプの電子内視鏡の接続を受け付けてもよいし、図7に例示するように、ソケットが複数口あるプロセッサ装置を用いてもよい。
図7において、内視鏡システム70のプロセッサ装置71は、「A」タイプの電子内視鏡10a、「B」タイプの電子内視鏡10bがそれぞれ接続される二口のソケット72a、72bを有する。図では、電子内視鏡10aがソケット72aに接続されている状態を示す。電子内視鏡10aは、上記実施形態の電子内視鏡10と同一である。電子内視鏡10bの各種電源電圧Vdd1、Vdd1、VLの標準電圧値は、例えば、Vdd1=15V、Vdd2=5V、VL=−9Vである。
電子内視鏡10a、10bのコネクタ15には、接地された導線に繋がるピン(図示せず)が配されている。一方、プロセッサ装置71のソケット72a、72bには、ピンに対応する穴(図示せず)が設けられている。この穴には、抵抗を介して電圧が印加された導線が繋がっている。CPU40は、導線に掛かる電圧レベルをモニタする。電子内視鏡10a、10bのいずれかのコネクタ15をソケット72a、72bに接続すると、電圧レベルがHighからLowに切り替わる。CPU40は、電圧レベルの切り替わりを検出することで、電子内視鏡10a、10bのいずれが接続されたかを検知する。
プロセッサ装置71には、電子内視鏡10a用の第一電源回路(上記実施形態の電源回路と同一)47と、電子内視鏡10b用の第二電源回路73とが設けられている。上記実施形態と同様、第二電源回路73には、D/A(図示せず)が接続されている。また、適正値テーブル60には、電子内視鏡10aに加えて、電子内視鏡10bの型番と適正値のデータが記憶されている。
CPU40は、ソケット72a、72bの導線の電圧レベルの検出結果を元に、接続された電子内視鏡のタイプを判別し、使用する電源回路を決定する。以下の処理手順は上記実施形態と同様である。タイプの異なる電子内視鏡の機差をも吸収することができる。
上記実施形態では、内視鏡として電子内視鏡を例示したが、超音波内視鏡であってもよい。また、CCDイメージセンサに代えて、CMOSイメージセンサを用いてもよい。さらに、上記実施形態では、患者を被検体とする医療用の電子内視鏡を例示したが、配管等を被検体とする工業用のものでもよい。
2、70 内視鏡システム
10、10a、10b 電子内視鏡
11、71 プロセッサ装置
23 CCD
29 CPU
30 EEPROM
31 タイミング/ドライバ回路
40 CPU
41 ROM
46 操作部
47 (第一)電源回路
48 デジタル/アナログ変換器(D/A)
60 適正値テーブル
72a、72b ソケット
73 第二電源回路
10、10a、10b 電子内視鏡
11、71 プロセッサ装置
23 CCD
29 CPU
30 EEPROM
31 タイミング/ドライバ回路
40 CPU
41 ROM
46 操作部
47 (第一)電源回路
48 デジタル/アナログ変換器(D/A)
60 適正値テーブル
72a、72b ソケット
73 第二電源回路
Claims (8)
- 固体撮像素子を駆動させるための電源電圧を電子内視鏡に供給する電源回路と、
電子内視鏡の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって得られた情報に基づいて、電源電圧を適正値に調整するための調整値を決定するCPUと、
前記電源回路に接続され、前記CPUで決定した調整値をデジタル信号からアナログ信号に変換して出力するデジタル/アナログ変換器とを備えることを特徴とする内視鏡用プロセッサ装置。 - 前記情報取得手段は、電子内視鏡のIDを情報として取得し、
IDに対応する電源電圧の適正値のデータを格納する第一データ格納手段を備え、
前記CPUは、前記情報取得手段によって得られたIDに対応する電源電圧の適正値のデータを前記第一データ格納手段から読み出すことで、調整値を決定することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用プロセッサ装置。 - IDと電源電圧の適正値のデータを前記第一データ格納手段に登録するためのデータ入力手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用プロセッサ装置。
- 前記情報取得手段は、電源電圧の適正値を情報として取得し、
前記CPUは、前記情報取得手段によって得られた電源電圧の適正値を元に、調整値を決定することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用プロセッサ装置。 - ある設定電圧値を出力するように前記電源回路を駆動し、そのときの出力電圧の実測値と設定電圧値とを元に得られる補正データを格納する第二データ格納手段を備え、
前記CPUは、補正データに基づいて、設定電圧値と実測値が一致するように前記デジタル/アナログ変換器の駆動を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の内視鏡用プロセッサ装置。 - タイプの異なる複数の電子内視鏡を接続するための複数口のソケットを備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の内視鏡用プロセッサ装置。
- 内視鏡用プロセッサ装置の電源回路から、固体撮像素子を駆動させるための電源電圧を電子内視鏡に供給する方法であって、
電子内視鏡の情報を情報取得手段で取得する第一ステップと、
前記第一ステップによって得られた情報に基づいて、電源電圧を適正値に調整するための調整値をCPUで決定する第二ステップと、
電源回路に接続されたデジタル/アナログ変換器に、前記第二ステップで決定した調整値を入力し、これをデジタル/アナログ変換器でデジタル信号からアナログ信号に変換して出力する第三ステップとを備えることを特徴とする内視鏡用プロセッサ装置の電源電圧供給方法。 - 被検体内の被観察部位の像光を撮像する固体撮像素子を有する電子内視鏡と、
固体撮像素子を駆動させるための電源電圧を前記電子内視鏡に供給する電源回路、前記電子内視鏡の情報を取得する情報取得手段、情報取得手段によって得られた情報に基づいて、電源電圧を適正値に調整するための調整値を決定するCPU、並びに、電源回路に接続され、CPUで決定した調整値をデジタル信号からアナログ信号に変換して出力するデジタル/アナログ変換器を有するプロセッサ装置とで構成されることを特徴とする内視鏡システム。
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JP2008261641A JP2010088656A (ja) | 2008-10-08 | 2008-10-08 | 内視鏡用プロセッサ装置、内視鏡用プロセッサ装置の電源電圧供給方法、並びに内視鏡システム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2008
- 2008-10-08 JP JP2008261641A patent/JP2010088656A/ja active Pending
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