JP2010086267A - 車両用画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】時刻t1,t2にフレーム画像A1,A2を撮像する外界カメラ2と、標識20に対する運動量及び距離を算出するカメラ運動推定部34と、画像A1から基本テンプレートを作成するテンプレート作成部35と、画像A1を画像A2へ画像変換するための変換行列を算出する画像変換パラメータ算出部36と、基本テンプレートを変換行列で変形して変形テンプレートを作成するテンプレート変換部38と、変形テンプレートで画像A2のテンプレートマッチング処理を行い、標識20検出するテンプレートマッチング処理部32を備え、変換行列は、運動量の大きさ及び距離に応じて、相似変換行列,アフィン変換行列,および射影変換行列の中から選択される。
【選択図】図13
Description
特許文献1に記載の装置では、実際の道路標識を撮影した画像データに対して、道路標識のテンプレート画像により、いわゆるテンプレートマッチング処理が行われる。その際、テンプレート画像を所定角度ずつ回転させてパターンマッチングが行われる。そして、特許文献1に記載の装置では、マッチング度合が所定レベルを超えるとマッチングが成立したものと判定され、画像データ中で道路標識が認識される。
また、非特許文献1では、回転やスケール変化、射影変換的歪みによる変形に適合するために、テンプレートを並進,相似変換,アフィン変換,射影変換の順で段階的に変形させ、評価指数(幾何学的AIC)により最適な変換を選択する方法が提案されている。
外界カメラ2は、CCDカメラやCMOSカメラ等の撮像手段であり、例えば車幅方向右側を向くように車両10に所定高さで搭載されている(図2参照)。この外界カメラ2は、車両右側の画像を所定のフレームレートで撮像し、撮像したフレーム画像をコントローラ3に出力するように構成されている。
モニタ4は、LCD等の表示装置であり、コントローラ3から受け取ったフレーム画像を運転者に対して表示可能に構成されている。
車載センサ6は、車両速度,車両加速度,ヨー角,ロール角,ピッチ角,角速度等の車両の移動量,移動量変化を測定するために車両に搭載されたセンサであり、これらの測定データをコントローラ3に出力する。この測定データにより、車両10及び車両10に搭載された外界カメラ2の位置変化を検出可能である。
地図データベース7は、HDD等の記憶装置で構成され、測位センサ5からの測位データ等と合わせて、自車両の位置を特定するための地図データを格納し、この地図データをコントローラ3に出力する。
固定既知データベース9は、HDD等の記憶装置で構成され、道路標識情報,信号機情報,ナンバープレート情報,ランドマーク情報を記憶し、これらのデータをコントローラ3に出力する。これら情報は、道路標識,信号機,ナンバープレート,ランドマークの形状や大きさ,寸法を含んでいる。
なお、対象物は、道路標識以外にも、道路案内表示,交通規制表示,渋滞情報表示,信号機,路面上のマーク,ランドマーク等であってもよい。
テンプレート作成部35は、外界カメラ2からのフレーム画像を受け取り、このフレーム画像から道路標識等の対象物画像を切り出して、テンプレートマッチング処理のための基本テンプレートを作成し、テンプレートデータ蓄積部39に保存する。
カメラ運動推定部34は、画像取得部31からフレーム画像,測位センサ5から測位データ,車載センサ6から測定データ,地図データベース7から地図データ,距離センサ8から距離データをそれぞれ受け取ることが可能であり、これらのデータを用いて、外界カメラ2の運動量を算出する。
画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量や対象物までの距離に応じて、フレーム画像間で対応点同士を適切に対応付けて画像変換するための画像変換行列を算出する。
テンプレートマッチング処理部32は、フレーム画像に対して、変形テンプレートによりテンプレートマッチング処理を行って対象物を検出する。
また、標識20は、時刻t2にはカメラ視野a2の後方で捉えられている。このとき、外界カメラ2の光軸方向と標識20の標識平面の法線方向とは約20度となっている。フレーム画像A2中の標識20の外形は、矩形に近いがやや歪んでおり菱形状となっている。
また、標識20は、時刻t3にはカメラ視野a3の後端付近で捉えられている。このとき、外界カメラ2の光軸方向と標識20の標識平面の法線方向とは約40度となっている。フレーム画像A3中の標識20の外形は、さらに歪んでおり台形状となっている。
同一の対象物を異なる位置から撮像した場合、これらのフレーム画像間で適正な画像変換を行えば、画像中の対象物は相互に正確に一致する。一般に、画像変換は、射影変換,アフィン変換,相似変換,ユークリッド変換に分類される。
したがって、これらは、包含関係にあり、ユークリッド変換は相似変換に含まれ、相似変換はアフィン変換に含まれ、アフィン変換は射影変換に含まれる(射影変換>アフィン変換>相似変換>ユークリッド変換)。
一方、図3(C)の標識画像は、図3(A)の標識画像に対して、距離変化に応じた相似変形に加えて台形状に変形している。このため、図3(C)の標識画像は、図3(A)の標識画像を相似変換又はアフィン変換させただけでは完全にマッチングさせることはできないが、射影変換すれば完全にマッチングさせることができる。
本実施形態では、後述するように、画像変換として相似変換,アフィン変換,射影変換のいずれかを択一的に選択して、選択した画像変換により算出した変換行列によって基本テンプレートを変形して変形テンプレートを算出する。
なお、射影変換行列Hpには、9つの要素hijがあるが、すべての要素を定数倍してもまったく同じ変換を表すので、自由度は8である。
そこで、本実施形態では、テンプレートマッチングが可能な変換のうち、最も演算負荷が軽い変換を選択するように構成されている。
シーン2の場合は、外界カメラ2の運動量が小さく外界カメラ2と対象物との距離が遠いときは、せん断変形や扇形変形の影響が小さいので相似変換が選択される。また、運動量は小さいが距離が近いとき及び運動量は大きいが距離が遠いときは、せん断変形の影響はあらわれるが、扇形変形の影響は小さいのでアフィン変換が選択される。また、運動量が大きく距離が近いときは、扇形変形の影響があらわれるので射影変換が選択される。
以下では、理解の容易のため代表的にシーン2について説明する。
本実施形態のコントローラ3では、カメラ運動推定部34が、例えば、時刻t1,時刻t2において測位センサ5から測位データを受け取り、測位データの時間変化から外界カメラ2の運動量、すなわち3軸の回転運動成分Rと並進運動成分tを算出する。
また、これ以外にも、車速センサ,角度センサ及び加速度センサ等の車載センサ6によるデッドレコニングにより外界カメラ2の運動量を算出するようにコントローラ3を構成してもよい。
また、これ以外にも、例えば時刻t1での対象物の特徴点の3次元座標値を他の処理で算出していた場合には、カメラ運動推定部34が、上述のように算出した外界カメラ2の運動量に基づいて、その特徴点の時刻t2における3次元座標値を算出するように構成してもよい。これにより、カメラ運動推定部34は、算出した3次元座標値から対象物までの距離を算出することができる。
図5に示すように、画像処理による方法では、例えば8点アルゴリズムを利用して運動量を算出することができる。この処理では、コントローラ3は、まず、例えば時刻t1にフレーム画像A1を受け取った後、時刻t2にフレーム画像A2を受け取ると、これらの画像中から静止物ではない移動体画像領域を分離する(ステップS1)。
コントローラ3は、特徴点をそれぞれのフレーム画像で抽出すると、公知の手法で8点以上の特徴点をフレーム画像間でマッチングさせる処理を行う(ステップS3)。特徴点を対応付ける方法としては、輝度相関,輝度勾配相関,位相限定相関,特徴量相関,SIFTの相関等による方法を用いることができる。
まず、射影変換行列については、画像変換パラメータ算出部36は、外界カメラ2の運動量(回転R,並進t)と少なくとも1点の特徴点までの距離から算出する。
また、改変例として、画像変換パラメータ算出部36は、フレーム画像中の対応する少なくとも3点の3次元座標値から射影変換行列を算出してもよい。このとき、上述のように射影変換行列の自由度は8であるから、少なくとも3点の3次元座標値において3軸成分がそれぞれ対応するので少なくとも9つの拘束が得られることにより、線形的に解くことができる。
また、対象物が平面状の物体であると特定されている場合には、画像変換パラメータ算出部36は、対象物の平面の法線ベクトルと少なくとも1点の3次元座標値から射影変換行列を算出してもよい。
また、改変例として、画像変換パラメータ算出部36は、フレーム画像中の対応する少なくとも2点の3次元座標値からアフィン変換行列を算出してもよい。このとき、上述のようにアフィン変換行列の自由度は6であるから、少なくとも2点の3次元座標値において少なくとも6つの拘束が得られることにより、線形的に解くことができる。
また、対象物が平面状の物体であると特定されている場合には、射影変換行列の算出と同様に、画像変換パラメータ算出部36は、対象物の平面の法線ベクトルと少なくとも1点の3次元座標値からアフィン変換行列を算出してもよい。
また、改変例として、画像変換パラメータ算出部36は、フレーム画像中の対応する少なくとも2点の3次元座標値から相似変換行列を算出してもよい。このとき、上述のように相似変換行列の自由度は4であるから、少なくとも2点の3次元座標値において少なくとも6つの拘束が得られることにより、線形的に解くことができる。
また、対象物が平面状の物体であると特定されている場合には、射影変換行列の算出と同様に、画像変換パラメータ算出部36は、対象物の平面の法線ベクトルと少なくとも1点の3次元座標値から相似変換行列を算出してもよい。
図7を参照して、カメラ座標系C1において、対象物までの距離Zc1が既知であるとすると、時刻t1におけるフレーム画像A1から読取った対象物の画像座標値m1(u1,v1)と、既知の3×3行列で表される内部カメラパラメータAから、以下に示すように、画像平面座標値(x1,y1)を求めることができる。さらに、点Pの3次元座標値Xc1,Yc1も算出することができる。
まず、コントローラ3が、画像取得部31で外界カメラ2からフレーム画像A1を受け取り、これをテンプレート作成部35に出力すると、テンプレート作成部35は、図4に示すように、このフレーム画像A1から標識20を含む画像領域を切り出して基本テンプレート22を作成する。作成された基本テンプレート22は、テンプレートデータ蓄積部39に記憶される。なお、図4では、理解の容易のため、基本テンプレート22に丸印を縦横方向に繋いだ線分を付加している。
時刻t2では、時刻t1から時刻t2までの外界カメラ2の運動量が小さく、標識20までの距離が近いので、画像変換パラメータ算出部36は、アフィン変換行列の形式、すなわち、式2に示すように6つの変数を算出して、変換行列を導出する。
時刻t3では、時刻t1から時刻t3までの外界カメラ2の運動量が大きく、標識20までの距離が近いので、画像変換パラメータ算出部36は、射影変換行列の形式、すなわち、式4に示すように9つの変数を算出して、変換行列を導出する。
変形テンプレート23bが作成されると、テンプレートマッチング処理部32は、変形テンプレート23bを用いて、フレーム画像A3でテンプレートマッチング処理して、所定の一致度がある画像領域を対象物として検出する。
この場合には、フレーム画像A3のうち、図11(A)に示す画像領域24bと、変形テンプレート23bとが高い相関度で一致するため、この画像領域24bが対象物と認識される。
この処理は、コントローラ3によって所定間隔で繰り返し行われる。まず、コントローラ3の画像取得部31は、外界カメラ2から車両10の外部を撮像したフレーム画像を受け取る(ステップS21)。そして、画像取得部31は、今回の処理で受け取ったフレーム画像が基準画像(第1画像)であるか否かを判定する(ステップS22)。画像取得部31は、例えば撮像開始時に始めてフレーム画像を受け取ったときに、そのフレーム画像を基準画像と判定する。
カメラ運動量が設定運動量以下且つ対象物までの距離が設定距離以下である場合(ステップS27;Yes)、画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量等に基づいて、基準画像から今回のフレーム画像へのアフィン変換行列を算出する(ステップS30)。
カメラ運動量が設定運動量以下よりも大きく且つ対象物までの距離が設定距離よりも大きい場合(ステップS28;Yes)、画像変換パラメータ算出部36は、カメラ運動量等に基づいて、基準画像から今回のフレーム画像へのアフィン変換行列を算出する(ステップS31)。
2 外界カメラ
3 コントローラ
4 モニタ
5 測位センサ
6 車載センサ
7 地図データベース
8 距離センサ
9 固定既知データベース
10 車両
20 標識
22 基本テンプレート
23a,23b 変形テンプレート
24a,24b 画像領域
a1,a2,a3 カメラ視野
A1,A2,A3 フレーム画像
Claims (4)
- 車両用画像処理装置であって、
車両に搭載され、第1時間に車両周囲の対象物を含む第1画像を撮像し、第1時間から所定時間経過した第2時間に車両周囲の前記対象物を含む第2画像を撮像する撮像手段と、
前記対象物に対する前記撮像手段の相対的な運動量を算出する運動量算出手段と、
前記対象物と前記撮像手段との間の距離を算出する距離算出手段と、
前記第1画像に基づいて、この第1画像中にある対象物の基本テンプレートを作成する基本テンプレート作成手段と、
前記第1画像の対象物を前記第2画像の対象物へ画像変換するための変換行列を算出する変換行列算出手段と、
前記基本テンプレートを前記変換行列で変形して、変形テンプレートを作成する変形テンプレート作成手段と、
前記変形テンプレートを用いて、前記第2画像に対しテンプレートマッチング処理を行い、前記対象物を検出するマッチング手段と、を備え、
前記変換行列算出手段は、前記運動量算出手段が算出した前記運動量の大きさ,及び前記距離算出手段が算出した第2時間における前記距離に応じて、相似変換行列,アフィン変換行列,および射影変換行列の中から選択したいずれか1つの形式で、前記変換行列を算出することを特徴とする車両用画像処理装置。 - 前記変換行列算出手段は、前記運動量が所定の設定運動量より大きく且つ前記距離が所定の設定距離以下である場合に、前記変換行列を射影変換行列の形式で算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用画像処理装置。
- 前記変換行列算出手段は、前記運動量が前記設定運動量以下且つ前記距離が前記設定距離以下である場合,及び前記運動量が前記設定運動量より大きく且つ前記距離が前記設定距離よりも大きい場合に、前記変換行列をアフィン変換行列の形式で算出することを特徴とする請求項2に記載の車両用画像処理装置。
- 前記変換行列算出手段は、前記運動量が前記設定運動量以下且つ前記距離が前記設定距離よりも大きい場合に、前記変換行列を相似変換行列の形式で算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用画像処理装置。
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