JP2010082613A - 振動モータおよびそれを用いた携帯端末装置 - Google Patents

振動モータおよびそれを用いた携帯端末装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型化を図ることが可能な振動モータを提供する。
【解決手段】振動モータ100は、互いに離間して配列された第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bを有する積層基板10と、各平面コイルと対向する磁極面を有し、平面コイルの配列方向に沿って各平面コイル上を移動可能に設けられた永久磁石20と、永久磁石20を往復移動させる移動制御部(図示せず)と、平面コイルの配列の両端部に設けられ、永久磁石20の往復移動の際に、永久磁石20を移動方向に付勢する板バネと、を備える。そして、移動制御部は、各平面コイルに電流を流すことで、永久磁石20と平面コイルとの間の磁気的な引力および斥力による推力を生じさせ、永久磁石20を積層基板10の上面10aに対して傾斜した状態で往復移動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動を発生させる振動モータに関し、特に振動モータおよびそれを用いた携帯端末装置に関する。
筐体の振動によって、ユーザに電話やEメールの着信を知らせる機能を有する携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末が知られている。そのような携帯端末には、振動を発生させる小型のモータが組み込まれることがある。こうしたモータとしては、従来、コイルからの電磁力により振動する可動子を備えたモータとしてのアクチュエータが知られている(例えば、下記の特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1に開示されたモータは、円板状のマグネットからなる可動子と、可動子を取り囲むように配置されたコイルとを備え、コイルからの電磁力により可動子が上下方向(可動子の厚み方向)に直線移動する。
特許文献2に開示された振動装置は、ガイドレールを備え、そのガイドレールには、走行子としての四角筒状に形成された可動コイルが外装されている。また、可動コイルの上面には、長方体状に形成された振動子(慣性体)が連結されている。また、可動コイルと離間して永久磁石が配設されており、可動コイルに通電する電流の方向を切り換えることで、可動コイルとともに振動子がガイドレールに沿って往復動する。
特開2006−68688号公報 特開2004−174309号公報
近年携帯端末の薄型化が進み、そのためそれに組み込まれるモータも薄くする必要がある。特許文献1に開示されたモータでは、円板状の可動子が上下方向に移動するように構成されているので、その上下方向に可動子の移動空間を設ける必要があり、構造的にモータの薄型化を図ることが困難であるという問題点がある。
特許文献2に開示されたモータでは、可動コイルおよび振動子の厚さ分だけケース本体を厚くする必要があり、やはり構造的にモータの薄型化を図ることが困難である。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は薄型化を図ることが可能な振動モータの提供にある。
本発明のある態様は、振動モータに関する。この振動モータは、コイルを有する基板と、基板の一方の面側において、コイルと対向する磁極面を有し、基板上を移動する可動部と、可動部を移動させる移動制御部と、可動部の移動の際に、可動部を移動方向に付勢する弾性部材と、を備える。移動制御部は、コイルに電流を流すことで、可動部の磁極とコイルとの間に磁気的な推力を生じさせ、可動部のうち、コイルと対向する磁極面を基板の一方の面に対して傾斜させる。
本発明の別の態様は、携帯端末装置である。この携帯端末装置は、上述の振動モータを備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、薄型化を図ることが可能な振動モータを提供できる。
以下各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において本発明に係る各実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る振動モータ100は、携帯電話などの携帯端末装置における振動発生用のモータに好適に用いられるリニア駆動型振動モータ(リニアモータ)である。振動モータ100では、可動部を構成する永久磁石が、コイルとの間に働く引きつけ合う磁力(以降磁気引力と略す)および遠ざけ合う磁力(以降磁気斥力と略す)によって往復移動を行う。これにより、振動モータ100が振動する。
図1は、第1の実施の形態に係る振動モータ100の上面図である。図1ではカバー102を取り外した状態を示す。図2は、図1のA−A線断面図である。以下では、図1および図2を使用しながら振動モータ100の構成を説明する。振動モータ100は、コイル12と総称される第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bを有する積層基板10と、可動部を構成する永久磁石20と、ガイド枠30と、第1の板バネ42および第2の板バネ44と、カバー102と、図1および図2では図示しない移動制御部412と、を備える。以下、積層基板10の面のうち永久磁石20が搭載されている面を上面とし、その反対側の面を下面とする。また、説明の便宜上、積層基板10の下面が地表を向いており、重力は下方向に働く場合について考える。
積層基板10は、第1絶縁樹脂層52と、コイル12が形成される配線層54と、第2絶縁樹脂層56とを上面側からこの順番に積層してなる基板である。第1絶縁樹脂層52は、レジスト材料等によって形成される絶縁層である。第1絶縁樹脂層52の上面には、第1絶縁樹脂層52の表面が有する摩擦係数よりも低い摩擦係数を有する素材によって形成される低摩擦層58が設けられる。この場合、永久磁石20との間の摩擦抵抗を軽減することができるので、電気エネルギーを振動へ変換する効率が上昇する。さらに、永久磁石20の応答時間(永久磁石20が所定の振動量に達するまでの時間)を短縮することもできる。ここで「振動量」とは、振動モータが取り付けられた物体(たとえば、携帯電話)の加速度、または加速度を重力加速度(9.8m/s)で割った値である。上述の低摩擦層58を構成する材料としては、炭素系材料であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)やフラーレンなど、フッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)など、ポリオレフィン樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレンなど、チタン系材料であるチタン、窒化チタン、酸化チタンなど、が挙げられる。
配線層54は、コイル12と総称される第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bを含む。第1絶縁樹脂層52および第2絶縁樹脂層56は、配線層54に含まれる第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bを外部から絶縁する。
第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bはどちらも平らな渦巻状のコイルであり、そのコイルの面が積層基板10の上面10aに対して平行となるように配列される。ここで、平行とは、互いに平行な状態だけでなく、永久磁石20が移動する際の妨げとならない程度に平行な状態からずれた状態を含んでいる。第1の平面コイル12aの渦巻の中心に当たる一端は第1接続配線62と接続され、第1の平面コイル12aの渦巻の外側に当たる一端は第2接続配線64と接続される。第2の平面コイル12bの渦巻の中心に当たる一端は第4接続配線68と接続され、第2の平面コイル12bの渦巻の外側に当たる一端は第3接続配線66と接続される。第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bは、永久磁石20の移動方向に沿って互いに離間して配列される。
第1接続配線62および第4接続配線68は移動制御部412に適切な結線手段により接続される。第2接続配線64と、第3接続配線66は共に入力端16に接続される。入力端16は適切な結線手段により移動制御部412に接続される。第1の平面コイル12aの渦巻の巻回の方向と、第2の平面コイル12bの渦巻の巻回の方向は異なるように形成される。このようなコイル12の構成では、入力端16から駆動電流を流すと、第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bには互いに逆方向の磁束が発生する。そしてそれぞれのコイル12に発生する磁束の向きは、駆動電流の極性が反転すると反転する。その結果、駆動電流の極性の時間的変動に応じて、それぞれのコイル12によって発生される磁束の向きも時間的に変動する。
永久磁石20は、フェライトやネオジウムなどの強磁性材料からなる直径10mm、厚さ1.4mmの円板形状に形成されている。また、永久磁石20は、その厚み方向に着磁されており、積層基板10の上面10aと対向した磁極面20NがN極、磁極面20Nと反対側の磁極面20SがS極となっている。そして、永久磁石20は、コイル12のそれぞれとN極との間の磁力が引力と斥力との間で切り替わることによって積層基板10の上面10a側をコイル12の配列方向(矢印A1または矢印A2の方向)に沿って移動する。
永久磁石20の縁部22は丸みを帯びた形状に加工され、その断面は円弧の一部を形成する。さらに永久磁石20の表面には、その少なくとも一部が覆われるように薄く磁性流体(不図示)が設けられている。磁性流体は磁性を有する流体であり、永久磁石20との磁気引力により永久磁石20の表面に引きつけられる。磁性流体は、例えばマグネタイト等の強磁性材料の微粒子と、その微粒子の表面を覆う界面活性剤と、水や油などの溶媒とを混合して製造される。
ガイド枠30は、永久磁石20およびコイル12の配列を囲むように積層基板10の上面10a上に設けられる。ガイド枠30は、第1の板バネ42および第2の板バネ44と共に永久磁石20の往復移動を振動モータ100全体に伝達するように形成された、厚さが1.6mmで一定の幅を持つ長方形の枠であり、アルミニウムやプラスチックなどの非磁性素材によって形成される。ガイド枠30の内周面30aの短手方向の長さは10.5mmであり、永久磁石20の直径よりも僅かに大きくなるように形成される。また、その内周面30aの長手方向の長さは13.5mmであり、永久磁石20と内周面30aとの間の距離に余裕を持たせるように形成される。これにより永久磁石20はガイド枠30の長手方向(矢印A1または矢印A2の方向)に、積層基板10の上面10aに沿って往復移動する。
図2に示されるように、ガイド枠30の接着面30bに対応する積層基板10の上面10a上の領域では第1絶縁樹脂層52が除去される。そして、そこに露出している配線層54の面と、接着面30bとが接着される。
ガイド枠30の一方の短辺側に第1の板バネ42が、他方の短辺側に第2の板バネ44が設けられる。各板バネは、PET(PolyEthylene Terephthalate)などの非磁性材料からなる厚さ350μm、長さ10mm、幅1.2mmのバネである。第1の板バネ42および第2の板バネ44のそれぞれの一端はガイド枠30の内部に埋設される。そして、第1の板バネ42および第2の板バネ44のそれぞれの他端により、永久磁石20をその側面から挟み込んでいる。このようにすることで、各板バネは、それぞれ、ガイド枠30への取り付け部分を支持点として撓み変形可能になり、永久磁石20を互いに他方の板バネ側に付勢する機能を有する。各板バネは、静止状態(コイル12に電流を流していない状態)においては永久磁石20をガイド枠30の長手方向略中央部に保持する。そして、積層基板10の上面10a上において永久磁石20が往復移動する際、第1の板バネ42および第2の板バネ44は交互に永久磁石20によって押される。これによりこれらの板バネからガイド枠30に振動が伝達される。その結果、ガイド枠30およびそれを含む振動モータ100全体が振動する。
ガイド枠30の上面にはカバー102が接着され、永久磁石20の飛び出しを防止する。
また、カバー102の積層基板10側の面に、第1絶縁樹脂層52の表面が有する摩擦係数よりも低い摩擦係数を有する素材によって形成される低摩擦層を設けてもよい。こうした低摩擦層を構成する材料としては、第1絶縁樹脂層52の上面に形成される低摩擦層58と同様の材料が用いられる。この場合、永久磁石20とカバー102との間の摩擦抵抗を軽減することができるので、電気エネルギーを振動へ変換する効率が上昇する。さらに、永久磁石20の応答時間(永久磁石20が所定の振動量に達するまでの時間)を短縮することもできる。
振動モータ100を駆動する際には、移動制御部412は、入力端16からコイル12に駆動電流(交流電流)を供給する。これにより、永久磁石20のN極とコイル12の一方との間に磁気引力が生じ、永久磁石20のN極とコイル12の他方との間に磁気斥力が生じる。移動制御部412は、永久磁石20の磁極面20Nが積層基板10の上面10aに対して傾斜した状態で永久磁石20が往復移動するように、永久磁石20に対して磁気引力および磁気斥力による推力を働かせる。なお、永久磁石20の傾斜した状態での往復移動については後述する。
以上のように構成された振動モータ100の動作について説明する。振動モータ100の静止状態においては第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bには駆動電流は流れず、第1の板バネ42および第2の板バネ44によって挟持された永久磁石20は、ガイド枠30の長手方向略中央部に図1のように静止する。
振動モータ100を駆動する際は、移動制御部412は、入力端16から、所定の周波数でその極性が反転する駆動電流を供給する。これにより第1の平面コイル12aと第2の平面コイル12bには、そのコイル面に垂直な方向、つまり積層基板10の上面10aに垂直な方向に磁束が発生する。ここで第1の平面コイル12aに発生する磁束の向きは第2の平面コイル12bに発生する磁束の向きと逆である。
第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bには互いに逆方向の磁束が発生するので、永久磁石20はコイル12の一方の側に引き寄せられる。そして、その磁束の向きが駆動電流の極性の反転によって反転すると、今度はコイル12の他方の側に引き寄せられる。これが繰り返されることにより永久磁石20は、積層基板10の上面10aに沿って第1の平面コイル12a側と第2の平面コイル12b側との間で往復移動する。
コイル12のそれぞれから永久磁石20のN極に及ぼされる磁力は、積層基板10の上面10aに垂直な方向の成分を有する。したがって、その垂直成分によって永久磁石20には、永久磁石20の片側を積層基板10の上面10aに対して浮き上がらせるようなトルクが加えられる。また、移動制御部412は、駆動電流の極性を反転させることによって、コイル12のそれぞれから永久磁石20のN極に及ぼされる磁力を引力と斥力との間で変動させる。これにより、移動制御部412は、永久磁石20に加えられるトルクを変動させ、永久磁石20を部分的に積層基板10の上面10aに垂直な方向に移動させる。
図3(a)〜(d)は、永久磁石20の往復移動の様子を示す概念図である。永久磁石20は、図3(a)、図3(b)、図3(c)、図3(d)と進んで再び図3(a)に戻るような往復移動を行う。なお、図3中では第1の板バネ42および第2の板バネ44は図示せず省略している。
図3(a)は、永久磁石20がガイド枠30の長手方向中央付近を矢印A1の方向に移動している時の概略的な断面図である。ここでは移動制御部412は、入力端16から第1接続配線62および第4接続配線68に向けて駆動電流を流す。したがって、第1の平面コイル12aの上面はS極、第2の平面コイル12bの上面はN極となる。永久磁石20の積層基板10に対向する面はN極であるので、永久磁石20には第1の平面コイル12aによって磁気引力が、第2の平面コイル12bによって磁気斥力が加えられる。これにより永久磁石20には、積層基板10の上面10a上を、矢印A1の方向に移動せしめる推力が働く。
この際、第2の平面コイル12bと永久磁石20のN極との間の磁気斥力は、積層基板10の上面10aに対して垂直上向きの成分を有する。第1の平面コイル12aと永久磁石20のN極との間の磁気引力は、積層基板10の上面10aに対して垂直下向きの成分を有する。したがって、移動制御部412は、永久磁石20を第1の平面コイル12a側へ向かって移動させる際、永久磁石20を磁極面20Nの縁部のうち第2の平面コイル12b側の縁部P2が積層基板10の上面10aから離れた状態で移動させる。また、移動制御部412は、永久磁石20を磁極面20Nの縁部のうち第1の平面コイル12a側の縁部P1が積層基板10の上面10aと接した状態で移動させる。磁極面20Nの縁部は略円形であるので、永久磁石20と積層基板10との接触部分はほぼ点状となる。このように、永久磁石20はその磁極面20Nが積層基板10の上面10aに対して傾斜した状態で移動する。
図3(b)は、永久磁石20が最も第1の平面コイル12a側に寄り、そこでその移動の向きを変える際の概略的な断面図である。まず、永久磁石20は図3(a)の状態から第1の板バネ42(図1および図2参照)を押してゆき、もうそれ以上は押せない程度まで押す。この時の永久磁石20が図3(b)の鎖線で示される。同時に移動制御部412は、駆動電流の向きを反転させる。その結果、第1の平面コイル12aの上面はN極、第2の平面コイル12bの上面はS極となる。この状態では磁極面20NのN極は第2の平面コイル12bから磁気引力、第1の平面コイル12aから磁気斥力を受ける。これにより、図3(b)に示すように磁極面20Nの第1の平面コイル12a側の縁部P1が積層基板10の上面10aから離れ、磁極面20Nの第2の平面コイル12b側の縁部P2が積層基板10の上面10aに接するようになる。そして、第2の平面コイル12bからの磁気引力および第1の平面コイル12aからの磁気斥力の、積層基板10の上面10aに平行な成分によって、永久磁石20は矢印A2の方向に移動を開始する。
図3(c)は、永久磁石20がガイド枠30の長手方向中央付近を矢印A2の方向に移動している時の概略的な断面図である。この時の動作は、図3(a)で説明した動作と同様であるので説明を省略する。
図3(d)は、永久磁石20が最も第2の平面コイル12b側に寄り、そこでその移動の向きを変える時の概略的な断面図である。この時の動作は、図3(b)で説明した動作と同様であるので説明を省略する。
このようにして、駆動電流の反転とほぼ同じ周波数で、永久磁石20の接触部分が切り替わりつつ、永久磁石20が積層基板10の上面10aに沿った方向に往復移動する。この2つの動作(接触部分の切り替わり動作と永久磁石20の往復動作)の周期は図3(a)〜(d)から分かる通り同じである。永久磁石20の質量はその周りの質量に対して無視できないので、永久磁石20の往復移動に合わせて、その周りの例えば積層基板10およびガイド枠30が振動する。
第1の実施の形態に係る振動モータ100では、例えば以下の効果を得ることができる。
(1)永久磁石20はコイル12の配列方向(矢印A1または矢印A2の方向)に沿って積層基板10の上面10a側を移動する構成とされる。したがって、従来の縦振動型(基板面と垂直な方向への振動)のみの振動モータに比べて、積層基板10の上面10aと垂直な方向への永久磁石20の移動空間を設ける必要がないので、その方向の厚みを小さくするための設計の自由度を確保することができる。その結果、薄型化を図ることが可能な振動モータを提供することができる。
(2)永久磁石20を、その磁極面20Nが積層基板10の上面10aに対して傾斜した状態で移動するようにしたことで、永久磁石20がコイル12間を移動する際は、永久磁石20と積層基板10との接触部分はほぼ点状となる。したがって、永久磁石20の磁極面20N全体が積層基板10の上面10aに接触した状態で移動する場合に比べて、接触部分で発生する摩擦抵抗を軽減することができる。
(3)永久磁石20と積層基板10との接触部分に当たる永久磁石20の縁部22が丸みを帯びた形状に加工したことで、そこでの摩擦抵抗をたとえば角接触する場合に比べて軽減できる。また、縁部22の断面を円弧の一部となるようにすることで、さらにそこでの摩擦抵抗を軽減できる。
(4)永久磁石20がコイル12上を移動する際、永久磁石20は、その移動方向に対して永久磁石20の先頭部分がコイル12側に下がって傾斜した状態で移動する。したがって、永久磁石20に対する空気抵抗が減少し、永久磁石20の移動がスムーズとなる。
(5)永久磁石20は、その移動方向が切り替わる際に、永久磁石20の移動方向に対して永久磁石20の先頭部分がコイル12側に下がって傾斜した状態に切り替わって移動する。したがって、永久磁石20の積層基板10に接触する部分が切り替わる際の運動エネルギーが積層基板10に与えられるので、振動モータ100全体の振動量がさらに増加する。
(6)永久磁石20の表面に、その少なくとも一部が覆われるように薄く磁性流体を設けたことで、この磁性流体が積層基板10の上面10aと永久磁石20との間の摩擦抵抗を軽減するので、摩擦抵抗による熱や音の発生を軽減すると共に、より効率的に電気エネルギーを振動に変換することができる。
(7)永久磁石20の表面に、その少なくとも一部が覆われるように薄く磁性流体を設けたことで、この磁性流体が、永久磁石20が第1の板バネ42または第2の板バネ44に衝突するときの緩衝材として作用する。したがって、衝突の際に発生する騒音を軽減できる。
(8)磁性流体は、永久磁石20との間の磁気引力によって自ら永久磁石20に付着しようとするので、通常のオイルを使用する場合と比べて、所望する摩擦抵抗の軽減効果を得るために塗布すべき量は少量で済む。この結果、振動モータ100の製造コストを低減することができる。
(9)コイル12に電流が供給された際に、第1の平面コイル12aと第2の平面コイル12bとでは互いに逆方向の磁束が生成されるように構成したことで、第1の平面コイル12aと永久磁石20との間、および、第2の平面コイル12bと永久磁石20との間に、容易に引力および斥力を加えることができる。
(10)平らなコイル12が用いられ、そのコイル12の面が積層基板10の上面10aに対して平行となるように配置される。したがって、積層基板10を薄くすることができるので振動モータ100全体の薄型化に貢献する。
(11)ガイド枠30は非磁性材料によって形成されるので、永久磁石24とガイド枠30との間に働く磁力は無視できるほど小さい。したがって、永久磁石20の移動はよりスムーズとなる。
(12)第1の板バネ42および第2の板バネ44は非磁性材料によって形成されるので、永久磁石20と第1および第2の板バネ42、44との間に働く磁力は無視できるほど小さい。したがって、永久磁石20のよりスムーズな移動が実現される。
(13)配線層54の面と、接着面30bとが接着される。これによりガイド枠30と積層基板10との接着強度をより高めることができる。
(14)永久磁石20の移動の際に摩擦抵抗を軽減したことで、軽減された分の摩擦抵抗に対抗する推力の分だけ、コイル12に流す電流を低減できる。その結果、消費電力の低減を図ることが可能な振動モータを提供することができる。
(15)第1および第2の平面コイル12a、12bの表面に対向するように、永久磁石20の磁極面が配置されるように構成している。これにより、永久磁石20側から発生する磁力線(磁力線が生じる磁極面)と第1および第2の平面コイル12a、12bに電流を流すことにより発生する磁束線(磁束線が生じるコイル面)とが平行になる。これに対して、上記特許文献2に記載の構成では、磁石からの磁力線とコイルからの磁束線とは直交する。したがって、上記特許文献2に記載の構成に比べて振動モータ100における構成は、磁力線と磁束線とが重なる量が大きいので、その分、永久磁石20を移動させる際の駆動力を大きくすることができる。
(第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態に係る携帯端末装置400を示す斜視図である。携帯端末装置400は、携帯電話やPDAなどの携帯端末であり、通信機能を有する。
携帯端末装置400は、表示部402と、電源スイッチ404と、アンテナ406と、筐体408と、第1の実施の形態に係る振動モータ100と、を備える。これら以外の構成は、説明を明瞭にするために省略する。表示部402は、液晶パネルと、その上を覆うタッチパネルと、を含む。ユーザは、その液晶パネルに表示されるボタン等に対応するタッチパネルの部分を押し下げることで携帯端末装置400を操作する。ユーザは電源スイッチ404をオンにして携帯端末装置400に電源を入れる。アンテナ406は、無線信号を送受信する。
図5は、携帯端末装置400の機能ブロック図である。携帯端末装置400は、振動モータ100と、アンテナ406と、通信部414と、を備える。通信部414はアンテナ406と接続される。
移動制御部412は、入力端16、第1接続配線62および第4接続配線68を介して、所定の周波数でその極性が変わる駆動電流をコイル12に供給して振動モータ100の振動を制御する。この移動制御部412により、振動モータ100は、タッチパネルの部分が押圧されたことを検知した場合や、電話やEメールを着信した際にマナーモードに設定されている場合などに振動する。
通信部414は、アンテナ406を介して無線信号を送受信し、外部との通信を制御する。
以上のように構成された携帯端末装置400の動作について説明する。通信部414がアンテナ406を通じて、携帯端末装置400への着信を知らせる無線信号を検知すると、通信部414は移動制御部412へ振動を開始せしめる信号を発信する。移動制御部412はその信号を受信すると、コイル12へ所定の周波数でその極性が反転する駆動電流を供給する。振動モータ100は第1の実施の形態の動作の項で述べた通りに振動する。振動モータ100は筐体408に固定されるので、振動モータ100の振動は筐体408に伝わり、筐体408が振動する。
第2の実施の形態に係る携帯端末装置400によれば、例えば以下の効果を得ることができる。
(16)上記の振動モータ100を振動源として搭載することで、振動モータ100が薄型化される分、装置全体の薄型化を図ることが可能となる。
(17)上記の振動モータ100を振動源として搭載することで、振動モータ100の消費電力が低減される分、装置全体の消費電力を低減することが可能となる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る振動モータ500は、第1の実施の形態に係る振動モータ100と同様にリニア駆動型振動モータ(リニアモータ)である。第1の実施の形態に係る振動モータ100と第3の実施の形態に係る振動モータ500との差異のうち特徴的なのは、永久磁石の磁極の対の数および平面コイルの配置である。振動モータ500では、対となる磁極を2つ有し可動部を構成する永久磁石が、コイルとの間に働く引きつけ合う磁力(以降磁気引力と略す)および遠ざけ合う磁力(以降磁気斥力と略す)によって往復移動を行う。これにより、振動モータ500が振動する。2つの平面コイルは基板の厚み方向に重ねて配置される。
図7は、第3の実施の形態に係る振動モータ500の上面図である。図8は、図7のA−A線断面図である。図7ではカバー基板502を取り外した状態を示す。また、図7では、第1絶縁樹脂層551の下にある第1の平面コイル512a、第1ビア504および第2ビア506を示す。ガイド枠530および移動子520の下に隠れる部分を破線で、それ以外の部分を実線で示す。以下では、図7および図8を使用しながら振動モータ500の構成を説明する。
振動モータ500は、平面コイル512と総称される第1の平面コイル512aおよび第2の平面コイル512bを含む積層基板510と、移動子520と、ガイド枠530と、第1の板バネ542および第2の板バネ544と、カバー基板502と、を備える。以下、積層基板510の面のうち移動子520が搭載されている面を上面とし、その反対側の面を下面とする。また、説明の便宜上、積層基板510の下面が地表を向いており、重力は下方向に働く場合について考える。
積層基板510は、第1絶縁樹脂層551と、第1の平面コイル512aが形成される第1配線層552と、第2絶縁樹脂層553と、第2の平面コイル512bが形成される第2配線層554と、第3絶縁樹脂層555と、を上面側からこの順番に積層してなる基板である。第1絶縁樹脂層551、第2絶縁樹脂層553および第3絶縁樹脂層555は、レジスト材料等によって形成される絶縁層である。第2絶縁樹脂層553には、第1の平面コイル512aと第2の平面コイル512bとを電気的に接続する第1ビア504が設けられる。第1絶縁樹脂層551は第1の平面コイル512aを外部から絶縁する。第3絶縁樹脂層555は第2の平面コイル512bを外部から絶縁する。
第1の平面コイル512aおよび第2の平面コイル512bはどちらも平らな渦巻状のコイルであり、そのコイルの面が積層基板510の上面510aに対して平行となるように形成される。ここで、平行とは、互いに平行な状態だけでなく、移動子520が移動する際の妨げとならない程度に平行な状態からずれた状態を含んでいる。第1の平面コイル512aおよび第2の平面コイル512bはいずれも矩形であり、後述する移動子520の移動方向に沿う辺を有する。
第1の平面コイル512aおよび第2の平面コイル512bは、それらを積層基板510の上面510aへ投影した像が互いに重なり合うように形成される。
第1の平面コイル512aの辺のうち、移動子520の移動方向に沿った辺に含まれる配線群の幅d2が、移動方向と交差する辺に含まれる配線群の幅d1よりも小さくなるように、第1の平面コイル512aが形成される。これは、移動方向に沿った辺に含まれる配線群の配線の幅、ピッチ又はその両方を、移動方向と交差する辺に含まれる配線群のそれよりも小さくすることにより達成される。
第2の平面コイル512bも同様に形成される。
平面コイル512のさらなる詳細は図9および図10で後述する。
移動子520は、第1磁気シールド部材522と、第1の永久磁石524と、第2の永久磁石526と、を含む。
第1の永久磁石524および第2の永久磁石526はそれぞれ、フェライトやネオジウムなどの強磁性材料からなる矩形状に形成され、その厚み方向に1対の磁極を成すように着磁されている。第1の永久磁石524および第2の永久磁石526の面積および厚みはほぼ同じくなるよう形成される。
第1の永久磁石524と第2の永久磁石526とは、その厚み方向でずれがないよう接着固定される。そのようにして接着固定された第1の永久磁石524および第2の永久磁石526を総称して接着済み永久磁石と呼ぶ。第2の永久磁石526の重心から第1の永久磁石524の重心へ向かう方向を矢印A1で示し、その逆の方向を矢印A2で示す。
接着済み永久磁石は、積層基板510に面し平面コイル512のコイル面に対向する第1磁極面560と、その反対側の第2磁極面562と、を有する。第1の永久磁石524のN極と第2の永久磁石526のS極とが第1磁極面560に配置される。第1の永久磁石524のS極と第2の永久磁石526のN極とが第2磁極面562に配置される。
接着済み永久磁石の側面のうち第1の板バネ542が当接する部分を第1当接部分E、第2の板バネ544が当接する部分を第2当接部分Fと呼ぶ。
第2磁極面562には、第1磁気シールド部材522が取り付けられる。
接着済み永久磁石を含む移動子520は、平面コイル512から接着済み永久磁石へ及ぼされる磁力によって積層基板510の上面510a側を、第1磁極面560における磁極の配置の方向(矢印A1または矢印A2の方向、以降磁極配置方向と略す)に沿って移動する。
第1磁気シールド部材522は、接着済み永久磁石の第2磁極面562からはみ出さないよう形成された矩形の板状部材であり、透磁率の比較的高い材料によって形成される。この材料としては、ソフトフェライト(軟鉄)、ケイ素鋼板、パーマロイ(鉄とニッケルの合金)、スーパーマロイ(鉄とニッケルとモリブデンの合金)、パーメンジュール(鉄とコバルトの合金)、センダスト(鉄とシリコンとアルミニウムの合金)などの軟磁性材料が適している。第1磁気シールド部材522は透磁率が高いので、周囲の磁束線がより多くその内部を選択的に通過する。これにより、接着済み永久磁石からの磁束が第1磁気シールド部材522を越えて広がることを抑制する。
なお、前述のごとく第1の永久磁石524および第2の永久磁石526は矩形であり、第1磁気シールド部材522は第2磁極面562からはみ出さないので、移動子520は全体として矩形状である。
以降、第1磁気シールド部材522の質量は、接着済み永久磁石の質量に比べて小さく、接着済み永久磁石の重心Gと移動子520の重心とがほぼ一致する場合を考える。したがって、移動子520の重心を便宜上重心Gと呼ぶ。
第1磁気シールド部材522と接着済み永久磁石との間には比較的強い磁気引力が働くので、第1磁気シールド部材522は接着済み永久磁石にこの磁気引力によって固定される。
詳細は後述するが、第1の板バネ542および第2の板バネ544には折り返された折曲部が設けられている。その折曲部は、図7に示す第1当接部分Eおよび第2当接部分Fが磁極配置方向(矢印A1または矢印A2の方向)に沿って並び、振動モータ500の上面から見た場合にそれらを結ぶ線分EFが移動子520の重心Gを通過するよう形成される。また、移動子520の往復移動中、第1当接部分Eおよび第2当接部分Fは接着済み永久磁石の側面上でその位置を変えない。
なお、線分EFは移動子520の重心Gの十分近く、たとえば重心Gから接着済み永久磁石の短辺の10分の1程度の距離の範囲内を通過してもよい。また、第1当接部分Eおよび第2当接部分Fは幅を有する面であってもよい。
移動子520を上から見たときの移動子520の4つの角部520aは、丸みを帯びた形状に加工されている。また、移動子520の移動方向側の縁部520bも、丸みを帯びた形状に加工されている。
ガイド枠530は、移動子520および平面コイル512を囲むように積層基板510の上面510a上に設けられる。ガイド枠530は、第1の板バネ542および第2の板バネ544と共に移動子520の往復移動を振動モータ500全体に伝達するように形成された、長方形の枠であり、アルミニウムやプラスチックなどの非磁性素材によって形成される。
ここで便宜的にガイド枠530を、磁極配置方向に沿う第1ガイド部532と、第1ガイド部532と対向し磁極配置方向に沿う第2ガイド部534と、磁極配置方向の一端側に位置する第1バネ取り付け部536と、磁極配置方向の他端側に位置する第2バネ取り付け部538と、に分ける。
図7に示されるとおり、第1ガイド部532および第2ガイド部534は、平面コイル512の辺のうち移動子520の移動方向に沿った辺に含まれる配線群と重複する。
なお、図7は移動方向に沿った配線群の全てが第1ガイド部532および第2ガイド部534の下になっている場合を示しているが、配線群の一部のみが重複してもよい。
第1バネ取り付け部536の内面536aに第1の板バネ542が取り付けられる。第1の板バネ542は、PETなどの非磁性材料からなるバネである。第1の板バネ542の一部は内面536aに接着固定される。第1の板バネ542のうち、内面536aから出て第1当接部分Eに至るまでの間には一度折り返された折曲部542aが設けられる。
第2バネ取り付け部538の内面538aに第2の板バネ544が取り付けられる。第2の板バネ544は、第1の板バネ542と同様、PETなどの非磁性材料からなるバネである。第2の板バネ544の一部は内面538aに接着固定される。第2の板バネ544のうち、内面538aから出て第2当接部分Fに至るまでの間には一度折り返された折曲部544aが設けられる。
第1の板バネ542および第2の板バネ544は、上から見ると、ガイド枠530の中心を通り積層基板510に垂直な軸に対して180度の回転対称となっている。
各板バネは、図7のような静止状態(平面コイル512に電流を流していない状態)においては移動子520を磁極配置方向の略中央部に保持する。そして、積層基板510の上面510a上において移動子520が往復移動する際、第1の板バネ542および第2の板バネ544は交互に移動子520によって押される。これによりこれらの板バネからガイド枠530に圧力が伝達される。その結果、ガイド枠530およびそれを含む振動モータ500全体が振動する。
ガイド枠530の上面にはカバー基板502が接着され、移動子520の飛び出しを防止する。
積層基板510の下面510bには第2磁気シールド部材570が取り付けられる。第2磁気シールド部材570は、第1磁気シールド部材522と同様の材料によって形成される。第2磁気シールド部材570は透磁率が高いので、周囲の磁束線がより多くその内部を選択的に通過する。これにより、接着済み永久磁石からの磁束が第2磁気シールド部材570を越えて広がることを抑制する。
図9は、図7の第1配線層552の上面図である。第1の平面コイル512aの渦巻の中心に当たる一端は第1ビア504を介して第2の平面コイル512bの渦巻の中心に当たる一端と接続される。第1の平面コイル512aの渦巻の外側に当たる一端は第2ビア506と接続される。第2ビア506は、積層基板510の下面510bに設けられた第1電極パッド506aに接続される。
図10は、図7の第2配線層554の上面図である。第2の平面コイル512bの渦巻の外側に当たる一端は第3ビア508と接続される。第3ビア508は、積層基板510の下面510bに設けられた第2電極パッド508aに接続される。
第2ビア506および第3ビア508は第1電極パッド506aおよび第2電極パッド508aを介してそれぞれ振動モータ500の駆動回路に接続される。図9および図10に示されるとおり、第1の平面コイル512aの渦巻の巻回の方向と、第2の平面コイル512bの渦巻の巻回の方向は異なるように形成される。このような平面コイル512の構成では、第2ビア506または第3ビア508から駆動電流を流すと、第1の平面コイル512aおよび第2の平面コイル512bには同じ向きの磁束が発生する。そしてそれぞれの平面コイル512に発生する磁束の向きは、駆動電流の極性が反転すると反転する。その結果、駆動電流の極性の時間的変動に応じて、それぞれの平面コイル512によって発生される磁束の向きも時間的に変動する。
図11は、図7の振動モータ500の下面図である。第2磁気シールド部材570には、第1電極パッド506aおよび第2電極パッド508aが覆われないよう切り欠き部分が設けられる。これにより外部から給電端子などを第1電極パッド506aおよび第2電極パッド508aへ接続することが可能となる。
図12は、移動子520が第1の板バネ542側に寄った状態を示す上面図である。移動子520は第1の板バネ542によって第2の板バネ544側に付勢される。また、第1の板バネ542の折曲部542aは、静止状態と比べて折りたたまれた状態となる。したがって、折曲部542aが元の状態に戻ろうとする力により、移動子520は第2の板バネ544側へさらに付勢される。図12のように移動子520が片方の板バネ側に寄った状態であっても移動子520は、振動モータ500の上面から見た場合に線分EFが移動子520の重心Gを通過する状態を維持しながら移動する。第2の板バネ544側に寄った場合についても同様である。
以上のように構成された振動モータ500の動作について説明する。振動モータ500の静止状態においては第1の平面コイル512aおよび第2の平面コイル512bには駆動電流は流れず、第1の板バネ542および第2の板バネ544によって挟持された移動子520は、ガイド枠530の磁極配置方向の略中央部に図7のように静止する。
振動モータ500を駆動する際は、第2ビア506または第3ビア508から、所定の周波数でその極性が反転する駆動電流(交流電流)が供給される。これにより第1の平面コイル512aと第2の平面コイル512bには、そのコイル面に垂直な方向、つまり積層基板510の上面510aに垂直な方向に磁束が発生する。ここで第1の平面コイル512aに発生する磁束の向きは第2の平面コイル512bに発生する磁束の向きと同じである。
上向きに磁束が発生するよう平面コイル512に駆動電流が流れる場合、平面コイル512に面する永久磁石のN極にはローレンツ力の反作用力の合力として平面コイル512の中心から遠ざかる向きの力が加えられる。反対にS極には平面コイル512の中心へ向かう向きの力が加えられる。下向きに磁束が発生するよう平面コイル512に駆動電流が流れる場合は、加えられる力の向きが逆になる。
したがって、第2ビア506から第3ビア508に向けて駆動電流が流れる場合は、N極が平面コイル512と対向する第1の永久磁石524には矢印A1の向きに力が加えられる。S極が平面コイル512と対向する第2の永久磁石526にも矢印A1の向きに力が加えられる。結果として移動子520には、積層基板510の上面510a上を、矢印A1の向きに、第1の板バネ542を押す形で移動せしめる力が働く。
駆動電流の向きが反転した場合は、N極が平面コイル512と対向する第1の永久磁石524には矢印A2の向きに力が加えられる。S極が平面コイル512と対向する第2の永久磁石526にも矢印A2の向きに力が加えられる。結果として移動子520には、積層基板510の上面510a上を、矢印A2の向きに、第2の板バネ544を押す形で移動せしめる力が働く。このようにして、駆動電流の反転とほぼ同じ周波数で移動子520がその周り、例えば積層基板510およびガイド枠530に対して往復移動する。移動子520の質量はその周りの質量に対して無視できないので、移動子520の往復移動に合わせて、その周りも振動する。
平面コイル512から第1の永久磁石524および第2の永久磁石526に及ぼされる磁力は、積層基板510の上面510aに垂直な方向の成分を有する。これは平面コイル512を磁石に見立てることにより理解される。つまり平面コイル512の上がN極となるように駆動電流が流れると、第1の永久磁石524は磁気斥力によって浮き上がろうとする一方、第2の永久磁石526は磁気引力により積層基板510の上面510aに引きつけられる。したがって、移動子520には、第1の永久磁石524側を積層基板510の上面510aに対して浮き上がらせるようなトルクが加えられる。平面コイル512の上がS極となるように駆動電流が流れると、移動子520には、第2の永久磁石526側を積層基板510の上面510aに対して浮き上がらせるようなトルクが加えられる。
図13(a)〜(d)は、移動子520の往復移動の様子を示す概念図である。移動子520は、図13(a)、図13(b)、図13(c)、図13(d)と進んで再び図13(a)に戻るような往復移動を行う。なお、図13中ではカバー基板502、第2磁気シールド部材570、第1の板バネ542および第2の板バネ544は図示せず省略している。また、説明を明瞭にするため、第1の平面コイル512aおよび第2の平面コイル512bをひとつの平面コイル512として示している。
図13(a)は、移動子520がガイド枠530の磁極配置方向の中央付近を矢印A1の方向に移動している時の概略的な断面図である。ここでは第2ビア506から第3ビア508に向けて駆動電流を流す。したがって上述の通り移動子520には、積層基板510の上面510a上を、矢印A1の方向に移動せしめる推力が働く。
この際、上述の通り第1の永久磁石524は平面コイル512と反発して浮き上がろうとし、第2の永久磁石526は積層基板510へ引きつけられる。したがって、移動子520が第1バネ取り付け部536側へ向かって移動する際、移動子520の縁部520bのうち第2バネ取り付け部538側の縁部P2が積層基板510の上面510aと接した状態で移動する。また、移動子520の縁部520bのうち第1バネ取り付け部536側の縁部P1が積層基板510の上面510aから離れた状態で移動する。このように、移動子520はその第1磁極面560が積層基板510の上面510aに対して傾斜した状態で移動する。
図13(b)は、移動子520が最も第1バネ取り付け部536側に寄り、そこでその移動の向きを変える際の概略的な断面図である。まず、移動子520は図13(a)の状態から第1の板バネ542(図7および図8参照)を押してゆき、もうそれ以上は押せない程度まで押す。この時の移動子520が図13(b)の鎖線で示される。ここで駆動電流の向きが反転すると第1の永久磁石524および第2の永久磁石526に働く力の向きが逆になる。この状態では上述の通り、第2の永久磁石526は平面コイル512と反発して浮き上がろうとし、第1の永久磁石524は積層基板510へ引きつけられる。これにより、図13(b)に示すように第2バネ取り付け部538側の縁部P2が積層基板510の上面510aから離れ、第1バネ取り付け部536側の縁部P1が積層基板510の上面510aに接するようになる。そして、移動子520は矢印A2の方向に移動を開始する。
図13(c)は、移動子520がガイド枠530の磁極配置方向の中央付近を矢印A2の方向に移動している時の概略的な断面図である。この時の動作は、図13(a)で説明した動作と同様であるので説明を省略する。
図13(d)は、移動子520が最も第2バネ取り付け部538側に寄り、そこでその移動の向きを変える時の概略的な断面図である。この時の動作は、図13(b)で説明した動作と同様であるので説明を省略する。
このようにして、駆動電流の反転とほぼ同じ周波数で、移動子520の接触部分が切り替わりつつ、移動子520が積層基板510の上面510aに沿った方向に往復移動する。この2つの動作(接触部分の切り替わり動作と移動子520の往復動作)の周期は図13(a)〜(d)から分かる通り同じである。
第3の実施の形態に係る振動モータ500では、例えば以下の効果を得ることができる。
(18)移動子520は磁極配置方向(矢印A1または矢印A2の方向)に沿って積層基板510の上面510a側を移動する構成とされる。したがって、従来の縦振動型(基板面と垂直な方向への振動)のみの振動モータに比べて、積層基板510の上面510aと垂直な方向への移動子520の移動空間を設ける必要がないので、その方向の厚みを小さくするための設計の自由度を確保することができる。その結果、薄型化を図ることが可能な振動モータを提供することができる。
(19)平らな平面コイル512が用いられ、その平面コイル512の面が積層基板510の上面510aに対して平行となるように配置される。したがって、積層基板510を薄くすることができるので振動モータ500全体の薄型化に貢献する。
(20)第1の永久磁石524のN極と第2の永久磁石526のS極とが第1磁極面560に配置される。したがって、第1の永久磁石524のN極から出た磁束の多くは第2の永久磁石526のS極に帰るので、第1磁極面560から振動モータ500の外部への磁束の漏れ出しを軽減することができる。特に、積層基板510の下面510bに第2磁気シールド部材570を設けても、第2磁気シールド部材570と接着済み永久磁石との間の磁気引力によって移動子520の移動が阻害されない程度まで軽減することができる。
(21)第1の永久磁石524のS極と第2の永久磁石526のN極とが第2磁極面562に配置される。したがって、第2の永久磁石526のN極から出た磁束の多くは第1の永久磁石524のS極に帰るので、第2磁極面562から振動モータ500の外部への磁束の漏れ出しを軽減することができる。
(22)接着済み永久磁石の第2磁極面562は第1磁気シールド部材522によって覆われている。したがって、第2磁極面562から振動モータ500の外部への磁束の漏れ出しを軽減することができる。
(23)第1磁気シールド部材522は接着済み永久磁石に取り付けられ、第1磁気シールド部材522と接着済み永久磁石は一体的に移動する。したがって、第1磁気シールド部材522と接着済み永久磁石との間の磁気引力は移動子520の移動へ作用しないので、よりスムーズな動作が実現できる。
(24)第1磁気シールド部材522と接着済み永久磁石との間には比較的強い磁気引力が働くので、第1磁気シールド部材522は接着済み永久磁石にこの磁気引力によって固定される。つまりなんら他の部材を介さずに互いに固定されるので、振動モータ500の製造工程の簡素化やコストダウンに貢献する。
(25)積層基板510の下面510bには第2磁気シールド部材570が取り付けられる。したがって、第1磁極面560から振動モータ500の外部への磁束の漏れ出しを軽減することができる。
(26)移動子520を付勢する部材として板バネを用いている。したがって、たとえばつるまきバネを使用する場合と比べて、バネが占めるスペースを小さくすることができる。これは移動子520が移動方向に変位できる量の向上に寄与し、ひいては振動モータ500の振動量を増やすこともできる。
(27)第1の板バネ542には折曲部542aが、第2の板バネ544には折曲部544aが設けられる。したがって、その折曲部によって板バネの弾性力が向上し、移動子520の往復移動がより安定する。
(28)第1の板バネ542および第2の板バネ544は、上から見ると、ガイド枠530の中心を通り積層基板510に垂直な軸に対して180度の回転対称となっている。これにより、移動子520へ加えられる力の対称性が高まり、移動子520の移動がよりスムーズとなる。
(29)移動子520における第1当接部分Eおよび第2当接部分Fが磁極配置方向(矢印A1または矢印A2の方向)に沿って並ぶよう第1の板バネ542の折曲部542aおよび第2の板バネ544の折曲部544aが形成される。したがって、移動子520の往復移動中、移動子520にはその位置によらず移動方向に沿った力が加えられる。これにより、より効率良く移動子520を往復移動させることができる。また、移動子520の移動方向のぶれを小さくすることができ、より安定した振動モータ500の動作を実現できる。
(30)移動子520における第1当接部分Eおよび第2当接部分Fを結ぶ線分EFが移動子520の重心Gまたは重心Gの十分近くを通過するよう第1の板バネ542の折曲部542aおよび第2の板バネ544の折曲部544aが形成される。したがって、各板バネが移動子520に加える力は移動子520の重心Gを向いており、重心G周りの回転を誘導しない。これにより、移動子520の重心G周りの回転は起こりにくく、より効率良く安定した移動子520の往復移動を実現できる。
(31)振動モータ500では、板バネを一体的に構成して、さらにガイド枠530に沿ってはめ込むようにする。これにより、長期間振動動作を繰り返しても、支持点(支持部)となるガイド枠の切り込み部分が広がるなど変形することはなく、板バネの緩みなどによる振動モータの動作信頼性の低下(劣化)を防止できる。
(32)移動子520と積層基板510との接触部分に当たる、移動子520の移動方向側の縁部520bを丸みを帯びた形状に加工したことで、そこでの摩擦抵抗を角接触する場合に比べて軽減できる。
(33)移動子520を、その第1磁極面560が積層基板510の上面510aに対して傾斜した状態で移動するようにしたことで、移動子520が平面コイル512上を移動する際は、移動子520と積層基板510との接触部分はほぼ線状となる。したがって、移動子の第1磁極面全体が積層基板の上面に接触した状態で移動する場合に比べて、接触部分で発生する摩擦抵抗を軽減することができる。
(34)移動子520は、その移動方向が切り替わる際に、その傾斜の状態を切り替える。したがって、移動子520の積層基板510に接触する部分が切り替わる際の運動エネルギーが積層基板510に与えられるので、振動モータ500全体の振動量がさらに増加する。
(35)移動子520が磁極配置方向に沿って移動するようガイド枠530が形成される。したがって、磁力による推力を移動子520により効率的に伝えることができる。
(36)平面コイル512のコイル面と第1磁極面560とが対向する構成とされる。したがって、平面コイル512をより薄くすることによってその分の振動モータ500のさらなる薄型化が可能となる。
(37)積層基板510は、矩形の移動子520を備える。したがって、移動子520の回転は第1ガイド部532および第2ガイド部534によってより抑制されるので、移動子520の移動がより安定する。また、矩形としたことで、たとえばその長辺と同じ直径を有する円形の移動子よりも重くすることができ、振動量を増やすことができる。
(38)移動子520を上から見たときの移動子520の4つの角部520aは、丸みを帯びた形状に加工されている。したがって、移動子520の角部520aがガイド枠530に突き当たったとしてもそこで引っかかりにくくなり、移動子520の移動がより安定する。
(39)第1の平面コイル512aの辺のうち、移動子520の移動方向に沿った辺に含まれる配線群の幅d2が、移動方向と交差する辺に含まれる配線群の幅d1よりも小さくなるように、第1の平面コイル512aが形成される。第2の平面コイル512bについても同様とされる。したがって、たとえば幅d1と幅d2とが等しい場合に比べて、幅d2を小さくした分、移動方向と交差する辺に含まれる配線群の長さを長くすることができる。これにより、同じ駆動電流でより大きな推力を移動子520に加えることができ、効率的である。
(40)第1ガイド部532および第2ガイド部534は、平面コイル512の辺のうち移動子520の移動方向に沿った辺に含まれる配線群と重複する。したがって、移動子520は移動方向に沿った辺に含まれる配線群からより遠くなる。その結果、移動子520に加わる力のうち、移動子520の移動方向以外の方向の成分を低減できるので、移動子520の移動がよりスムーズとなる。
(41)第1および第2の平面コイル512a、512bの表面に対向するように、移動子520の磁極面が配置されるように構成している。これにより、移動子520側から発生する磁力線(磁力線が生じる磁極面)と第1および第2の平面コイル512a、512bに電流を流すことにより発生する磁束線(磁束線が生じるコイル面)とが平行になる。これに対して、上記特許文献2に記載の構成では、磁石からの磁力線とコイルからの磁束線とは直交する。したがって、上記特許文献2に記載の構成に比べて振動モータ500における構成は、磁力線と磁束線とが重なる量が大きいので、その分、移動子520を移動させる際の駆動力を大きくすることができる。
(42)第1の平面コイル512aおよび第2の平面コイル512bは、それらを積層基板510の上面510aへ投影した像が互いに重なり合うように形成される。さらに第2ビア506または第3ビア508から駆動電流を流すと、第1の平面コイル512aおよび第2の平面コイル512bには同じ向きの磁束が発生する。したがって、平面コイル512に発生する磁界を増強することができるので、移動子520の駆動力が向上する。その結果、移動子520の応答時間(移動子520が所定の振動量に達するまでの時間)を短縮することができる。
また、平面コイルをひとつだけ備える場合は、平面コイルの2つの電極のうちひとつを平面コイルの中心から取り出さなければならない。したがって、積層基板の下面の中心付近に設けられる電極パッドに対応する開口部を第2磁気シールド部材に設ける必要がある。しかしながら第3の実施の形態に係る振動モータ500では平面コイルの2つの電極の両方を平面コイルの外側から取り出すことができる。したがって、図11に示されるとおり第2磁気シールド部材570に切り欠きを設けるだけでよく、開口部を設ける場合に比べて第2磁気シールド部材570の製造上有利である。
なお、第2の実施の形態において、携帯端末装置は、第1の実施の形態に係る振動モータ100の代わりに第3の実施の形態に係る振動モータ500を搭載してもよい。この場合、薄型で漏れ磁束の少ない携帯端末装置が実現できる。
以上、実施の形態に係る振動モータおよび携帯端末装置の構成と動作について説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
第1の実施の形態では、ガイド枠30が永久磁石20およびコイル12を囲むように積層基板10の上面10a上に設けられる場合について説明したが、これに限られない。たとえば、ガイド枠30がコイル12全体を囲む必要はなく、ガイド枠30の下にもコイル12が設けられてもよい。
第1の実施の形態では、積層基板10の配線層54として単層のコイル12を採用する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、コイル12として2層あるいは3層以上の積層コイルを採用してもよい。この場合、コイル12に発生する磁界を増強することができるので、永久磁石20の駆動力が向上する。その結果、永久磁石20の応答時間(永久磁石20が所定の振動量に達するまでの時間)を短縮することができる。
第1の実施の形態では、永久磁石20の一方の磁極面側に積層基板10が存在し、他方の磁極面側にカバーが存在する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、カバー102の代わりに積層基板10と同様の構造のものを採用してもよい。このように構成することで、永久磁石20がその両磁極面側から駆動され、永久磁石20の駆動力が向上する。その結果、永久磁石20の応答時間(永久磁石20が所定の振動量に達するまでの時間)を短縮することができる。
第1の実施の形態では、永久磁石20の表面には、その少なくとも一部が覆われるように薄く磁性流体が塗布される場合について説明したが、塗布される磁性流体の量は、永久磁石20の全面を覆う程度であって、かつ永久磁石20の発する磁束を有意に遮蔽しない程度の量であることが望ましい。この場合、永久磁石20の発する磁束をそれほど邪魔せずに上述の摩擦抵抗を削減する効果を得ることができる。
第1および第3の実施の形態では、永久磁石を用いる場合について説明したが、これに限られず、磁極を有する部材であればよい。また、永久磁石の磁極を反転させた場合でも同様の議論が成立することは言うまでもない。また第1の実施の形態では、永久磁石20は、1対の磁極を1つ有する場合について説明したが、これに限られず、1対の磁極をいくつ有してもよい。
第1および第3の実施の形態では、積層基板がコイルを2つ含む場合について説明したが、コイルの数はこれに限られない。
第1および第3の実施の形態では、振動モータの下面が地表を向いている場合について説明したが、これに限られず、振動モータの上面が地表を向いていてもよい。この場合、永久磁石はカバー(第3の実施の形態の場合はカバー基板)の内側の面に接して往復移動する。
第1の実施の形態では、永久磁石20は円板形状に形成される場合について説明したが、これに限られず、例えば小判型形状に形成されてもよい。図6は、変形例に係る永久磁石28を示す上面図である。永久磁石28は、円板から2つの互いに平行な弦に沿って2つの部分(破線で示される部分)を切り落とした形状を有する。永久磁石28は図6の矢印A1および矢印A2の方向に移動するように振動モータに搭載される。この場合、切り落とした部分だけ永久磁石28の移動量(移動範囲)が拡がるので、その分、永久磁石28がさらに加速されるので、振動モータの振動量が増加する。また、永久磁石28がコイル12間を移動する際は、永久磁石28と積層基板10との接触部分は線状となるが、永久磁石28が傾斜せず面接触する場合よりも摩擦抵抗が軽減される。
第1の実施の形態では、第2接続配線64と第3接続配線66は共に入力端16に接続され、第1の平面コイル12aの渦巻の巻回の方向と、第2の平面コイル12bの渦巻の巻回の方向が異なるように形成される場合について説明したが、これに限られず、例えば第1の平面コイル12aの一端と第2の平面コイル12bの一端が接続され、両コイルに共通する駆動電流を流すと両コイルが互いに異なる方向の磁束を発生する構成とされればよい。この場合、1つの駆動電流源によって同時に両方のコイルを駆動できるので、駆動回路の簡素化に貢献する。
第1の実施の形態では、移動制御部412が第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bのどちらにも駆動電流を供給する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、第1の平面コイル12aおよび第2の平面コイル12bはそれぞれ別の移動制御部を備えてもよい。この場合、両コイルは積層基板内に埋設されてしまっているのでその渦巻のピッチなどを変えることが困難な状況において、それぞれのコイルに流す駆動電流の量などを調節することにより、両コイル間の特性、例えばインダクタンス、の違いを、振動モータの性能が上がるように簡易に補償することができる。
第3の実施の形態では、磁気シールド部材は永久磁石に磁気引力によって固定される場合について説明したが、これに限られず、例えば磁気シールド部材は接着剤などの固定手段によって永久磁石に固定されてもよい。この場合、磁気シールド部材と永久磁石との間の固定の信頼性を更に高めることができる。
第3の実施の形態では、磁気シールド部材と永久磁石とが接する場合について説明したが、これに限られず、磁気シールド部材は永久磁石に伴って動けばよい。
第3の実施の形態に係る振動モータ500において、第1絶縁樹脂層551またはカバー基板502もしくはその両方の移動子520側の表面に、第1絶縁樹脂層551(またはカバー基板502)の表面が有する摩擦係数よりも低い摩擦係数を有する材料によって形成される低摩擦層が設けられてもよい。この場合、移動子520との間の摩擦抵抗を軽減することができるので、電気エネルギーを振動へ変換する効率が上昇する。さらに、移動子520の応答時間(移動子520が所定の振動量に達するまでの時間)を短縮することもできる。上述の低摩擦層を構成する材料としては、第1の実施の形態における低摩擦層58と同様の材料が用いられる。
第3の実施の形態では、第1磁気シールド部材522は、接着済み永久磁石の第2磁極面562からはみ出さないよう形成される場合について説明したが、これに限られない。たとえば、第1磁気シールド部材は、接着済み永久磁石の平面コイル512と対向する第1磁極面560とは反対側の第2磁極面562に取り付けられた部分から、接着済み永久磁石の側面の少なくとも一部を覆うように延在してもよい。この場合、第1磁気シールド部材は接着済み永久磁石を径方向に固定する。したがって、移動子520が往復移動する際、接着済み永久磁石と第1磁気シールド部材とが径方向に互いにずれにくい。これにより第1磁気シールド部材と接着済み永久磁石との固定の信頼性が向上する。
また、側面に延在する部分により、移動子520の径方向への磁束の漏れ出しを軽減することができる。また、第1磁気シールド部材の内側の側面の高さは接着済み永久磁石の厚さに揃えるように形成されてもよい。この場合、上記の径方向への磁束の漏れ出しはさらに軽減される。
第3の実施の形態では、積層基板510が第1の平面コイル512aおよび第2の平面コイル512bを含む場合について説明したが、これに限られない。たとえば、積層基板が平面コイルをひとつだけ含んでもよい。この場合、積層基板の構成が簡単となる。
第3の実施の形態では、第1の永久磁石524と第2の永久磁石526とが直接互いに接着固定される場合について説明したが、これに限られない。たとえば第1の永久磁石524と第2の永久磁石526との間にスペーサを挿入し、第1の永久磁石524および第2の永久磁石526をそのスペーサに接着固定してもよい。この場合、そのスペーサの質量分だけ移動子520の質量を増やすことができ、振動量の増加に寄与する。
第3の実施の形態では、移動子に板バネの一端を固定しておらず、これが当該移動子が積層基板に対して傾斜して移動する一因となっているが、当該移動子を傾斜させて移動させる手段はこれに限られない。たとえば、平面コイルの配線のピッチを、中央側を密に、外側を疎にしてもよい。また、第2磁気シールド部材を外すと、第2磁気シールド部材と移動子との間の磁気引力が無くなり、移動子はより傾斜しやすくなる。
第3の実施の形態では、接着済み永久磁石が2対の磁極を有する構成について説明したが、これに限らず、平面コイルと対向する面においてN極とS極とを有している構成であればよい。
第3の実施の形態では、第1の板バネ542および第2の板バネ544はどちらもPETなどの非磁性材料からなるバネである場合について説明したが、これに限られない。
第1の実施の形態に係る振動モータの上面図である。 図1のA−A線断面図である。 図3(a)〜(d)は、永久磁石の往復移動の様子を示す概念図である。 第2の実施の形態に係る携帯端末装置を示す斜視図である。 図4の携帯端末装置の機能ブロック図である。 変形例に係る永久磁石の上面図である。 第3の実施の形態に係る振動モータの上面図である。 図7のA−A線断面図である。 図7の第1配線層の上面図である 図7の第2配線層の上面図である。 図7の振動モータの下面図である。 図7の移動子が第1の板バネ側に寄った状態を示す上面図である。 図13(a)〜(d)は、図7の移動子の往復移動の様子を示す概念図である。
符号の説明
100 振動モータ、 10 積層基板、 12 コイル、 12a 第1の平面コイル、 12b 第2の平面コイル、 20 永久磁石、 30 ガイド枠、 42 第1の板バネ、 44 第2の板バネ、 400 携帯端末装置、 402 表示部、 404 電源スイッチ、 406 アンテナ、 408 筐体、 412 移動制御部、 414 通信部。

Claims (7)

  1. コイルを有する基板と、
    前記基板の一方の面側において、前記コイルと対向する磁極面を有し、前記基板上を移動する可動部と、
    前記可動部を移動させる移動制御部と、
    前記可動部の移動の際に、前記可動部を移動方向に付勢する弾性部材と、を備え、
    前記移動制御部は、前記コイルに電流を流すことで、前記可動部の磁極と前記コイルとの間に磁気的な推力を生じさせ、前記可動部のうち、前記コイルと対向する磁極面を前記基板の一方の面に対して傾斜させることを特徴とする振動モータ。
  2. 前記可動部の前記磁極面には、前記可動部の移動方向においてN極とS極とが配置されることを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
  3. 前記移動制御部は、前記可動部を往復移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の振動モータ。
  4. 前記可動部の縁部が丸みを帯びた形状に加工されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の振動モータ。
  5. 前記コイルは渦巻き状のコイルであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の振動モータ。
  6. 前記可動部は、単一のコイル上を移動することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の振動モータ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の振動モータを備えることを特徴とする携帯端末装置。
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