JP2010080485A - 永久磁石、永久磁石の製造方法及び永久磁石を用いた装置 - Google Patents

永久磁石、永久磁石の製造方法及び永久磁石を用いた装置 Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石の磁場(磁束)を強化することを目的とする。
【解決手段】永久磁石20であって、N極とS極の少なくとも一方に、エアーギャップ溝26が形成されている永久磁石。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石及び永久磁石を用いた装置に関する。
永久磁石は様々な装置、電気機械に使われている。永久磁石を用いた電気機械として特許文献1に記載されたブラシレスモータが知られている。
特開2001−298982号公報
しかし、従来からモータ内の磁場を強化して、効率をさらに向上させたいという要望があった。しかし、永久磁石用材料などの制約から、さらなる磁場の強化が難しいという問題があった。また、永久磁石の磁場(磁束)を強化することは、モータに限らず、永久磁石を用いる装置に共通する課題であった。
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決し、永久磁石の磁場(磁束)を強化することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
永久磁石であって、N極とS極の少なくとも一方に、エアーギャップ溝が形成されている永久磁石。
この適用例によれば、エアーギャップ溝の側面は同極になる。側面から出た磁力線は交わらず溝の上部方向に伸びる。その結果、溝の上部方向の磁力線密度が高くなり、磁場を強くすることが可能となる。
[適用例2]
適用例1に記載の永久磁石において、前記エアーギャップ溝に非磁石性材料が充填されている、永久磁石。
この適用例によれば、溝が非磁石性材料で充填されているので、溝を挟む磁極の磁気的特性が溝の材料によって影響を受けないので、溝の位置における磁場をより強めることが可能となる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の永久磁石において、前記エアーギャップ溝を複数本数備える、永久磁石。
この適用例によれば、エアーギャップ溝の本数が増えるので、さら磁場を強くすることが可能となる。
[適用例4]
ブラシレス電気機械であって、適用例1から適用例3のいずれかに記載の永久磁石を有する第1の部材と、前記第1の部材の前記溝側に配置される電磁コイルを有する第2の部材と、を備える、ブラシレス電気機械。
この適用例によれば、ブラシレス電気機械の永久磁石の磁場を強化し、ブラシレス電気機械の効率を向上させることが可能となる。
[適用例5]
適用例4に記載のブラシレス電気機械において、前記永久磁石は中空円筒の形状を有し、前記永久磁石のN極とS極は、前記中空円筒の円周方向に沿って交互に並び、前記溝は、前記中空円筒の中心軸を中心とする放射方向に形成されている、ブラシレス電気機械。
この適用例によれば、ブラシレス電気機械の効率を向上させることが可能となる。
[適用例6]
適用例4に記載のブラシレス電気機械において、前記永久磁石は棒の形状を有し、前記永久磁石のN極とS極は、前記棒の長手方向に交互に並び、前記溝は、前記長手方向と垂直な方向に形成されている、ブラシレス電気機械。
この適用例によれば、いわゆるリニアタイプのブラシレス電気機械の効率を向上させることが可能となる。
[適用例7]
適用例6に記載のブラシレス電気機械において、前記永久磁石は、前記長手方向に中空である、ブラシレス電気機械。
この適用例によれば、いわゆるリニアタイプのブラシレス電気機械の場合、永久磁石が中空であってもよい。
[適用例8]
電子機器であって、適用例4から適用例7のいずれかに記載のブラシレス電気機械を備える電子機器。
[適用例9]
適用例8に記載の電子機器であって、前記電子機器はプロジェクタである、電子機器。
[適用例10]
燃料電池使用機器であって、適用例4から適用例7のいずれかに記載のブラシレス電気機械を備える燃料電池使用機器。
[適用例11]
ロボットであって、適用例4から適用例7のいずれかに記載のブラシレス電気機械を備えるロボット。
[適用例12]
移動体であって、適用例4から適用例7のいずれかに記載のブラシレス電気機械を備える移動体。
これらの適用例によれば、上記永久磁石を用いたブラシレス電気機械は、様々な装置に適用が可能である。
[適用例13]
医療機器であって、適用例1から適用例3のいずれかに記載の永久磁石を備える、医療機器。
これらの適用例によれば、上記永久磁石は様々な装置に適用可能であり、上記永久磁石により強い磁場を発生させ、装置の効率を向上させることが可能となる。
[適用例14]
永久磁石の製造方法であって、未着磁の磁性体材料を準備する工程と、前記磁性体材料に溝を形成する工程と、前記磁性体材料に対し、着磁ヨークを用いて着磁を行う工程と、を備える、永久磁石の製造方法。
この適用例によれば、磁場の強い永久磁石を容易に製造することが可能となる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、永久磁石の他、永久磁石を用いた装置の形態で実現することができる。
A.永久磁石の構成:
第1の実施例:
図1は、本発明の第1の実施例と比較例とを示す説明図である。図1(A)は平面図を示し、図1(B)は側面図を示している。図1(C)は、磁場強度を示している。図1(D)は、動作原理を示している。図1(A)、(B)、(C)の右側の図が実施例を示し、左側の図が比較例を示している。ここでは4つの永久磁石20が隣接して並べられている。各永久磁石20の磁化方向は、図1(B)の上下方向である。図1(A)に示すように、隣接する永久磁石20は、N極とS極が交互に現れるように配置されている。4つの永久磁石20のN極とS極には、それぞれ溝26が形成されている。この溝26は、各磁極の中央に設けられていることが好ましい。
図1(B)には、各永久磁石20の表面近傍の磁束密度の大きさが矢印で示されている。溝26近傍の磁束密度は、溝26が無い比較例における磁束密度よりも大きくなっている。図1(D)では、N極における溝26近傍の磁力線の様子が示されている。ここで、磁力線同士はその性質上反発するので交わることはない。そのため、溝26の左側側面26Aから出る磁力線と右側側面26Bから出る磁力線は、いずれも溝26の上方に向かって伸びる。その結果、溝26の上方は、磁束密度が高まる。このように、溝26が形成されていると、溝26が形成されていない場合に比べて溝26近傍の磁場の強さを強くすることが可能となる。また、溝26を形成することにより、磁場の指向性を高めることが可能となる。
なお、溝26は、予め選択された材料で充填してもよく、或いは、何も充填されていないエアーギャップとして構成するようにしてもよい。また、永久磁石20の全体は、表面処理を行うことにより、錆防止用の保護被膜(図示省略)で被覆することが好ましく、溝26も同じ保護被膜で充填することが好ましい。保護被膜の材料としては、硬磁性材料では無く、軟磁性材料又は非磁性材料を使用することが好ましい。ここで、「硬磁性材料」とは、永久磁石用材料として利用される材料(ヒステリシスが大きな強磁性体)を意味する。「軟磁性材料」とは、電磁石のコア材料としては使用されるが、永久磁石用材料として使用されない材料を意味する。「非磁性材料」とは、硬磁性材料と軟磁性材料以外の材料を意味する。なお、本明細書において、軟磁性材料と非磁性材料とを併せて「非磁石性材料」とも呼ぶ。ニッケルやクロムは強磁性体であるが、単独または合金の形態では非磁石性材料となる場合がある。例えば、ニッケル・クロム合金等の金属製非磁石性材料を用いて永久磁石20をメッキすることによって、溝26を充填しつつ永久磁石20の全体を覆う保護被膜を形成することが可能である。この場合には、溝26の内部までメッキ材料が充填されるように、溝26の幅(ギャップ)を例えば50μm以上に設定することが好ましい。但し、溝26が過度に大きいと磁束密度が低下するので、溝26の幅は100μm以下とすることが好ましい。溝26を非磁石性材料で充填すれば、溝26を挟む磁極の磁気的特性が溝26の材料によって影響を受けないので、溝26の位置における磁場をより強めることが可能である。
第2の実施例:
図2は、本発明の第2の実施例を示す説明図である。図2(A)は、平面図であり、図2(B)は、2B−2B切断線による断面図である。第2の実施例では、溝26が永久磁石20の側面部まで形成されていない点が、第1の実施例と異なる。すなわち、溝26は、永久磁石20の中央部でのみ形成されている。このように構成しても、溝26上方に向かって磁場を強くすることが可能である。
第3の実施例:
図3は、本発明の第3の実施例を示す説明図である。図3(A)は平面図を示し、図3(B)は側面図を示している。図3(C)は、磁場強度を示している。第3の実施例は、第1の実施例と比較すると、溝26と反対側にバックヨーク24を備えている点が異なる。このように、溝26と反対側にバックヨーク24を備える構成にしても、溝26上方に向かって磁場を強くすることが可能である。
第4の実施例:
図4は、本発明の第4の実施例を示す説明図である。図4(A)は平面図を示し、図4(B)は側面図を示している。図4(C)は、磁場強度を示している。第4の実施例は、第1の実施例と比較すると、溝26が形成されている面が各永久磁石20により異なる。すなわち第1の実施例では、4つ永久磁石20の上面に溝26が形成されている。一方、第4の実施例では、永久磁石20の上面と下面とに交互に溝26が形成されている。このように構成することにより、永久磁石20の上面と下面とで交互に磁場を強くすることが可能となる。
第5の実施例:
図5は、本発明の第5の実施例を示す説明図である。図5(A)は平面図を示し、図5(B)は側面図を示している。図5(C)は、磁場強度を示している。第5の実施例は、第1の実施例と比較すると、溝26が複数本数形成されている点が異なる。このように、溝26が複数本数形成されていると、溝26の本数に応じて磁場を強化することが可能となる。なお、溝26は、必要とする磁場の強度に応じた本数が形成されていることが好ましい。
第6の実施例:
図6は、本発明の第6の実施例を示す説明図である。第6の実施例では、永久磁石20が中空円筒形をしており、N極とS極が円筒の円周に沿って交互に配置されている点が異なる。ここでは、溝26は、永久磁石20の表面において、円筒の放射方向に形成されている。これにより、放射方向に強力な磁場を形成することができる。第6の実施例の永久磁石20は、たとえば、ブラシレスモータに適用することが可能である。
第7の実施例:
図7は、本発明の第7の実施例を示す説明図である。第7の実施例は、第6の実施例の永久磁石20を扁平にしたものである。このように永久磁石20を扁平に構成してもよい。
図8は、溝26が形成された永久磁石20を形成する方法を模式的に示す説明図である。図8(A)は、着磁前の磁石の側面図を示し、図8(B)は図8(A)の8B−8B切断線による断面図を示す。図8(C)は、着磁装置の平面断面図、図8(D)は、着磁装置の側面断面図を示す。ここで、図8(C)は、図8(D)における8C−8C切断線による断面図、図8(D)は、図8(C)における8D−8D切断線による断面図となっている。図8(E)は、着磁の動作を説明する説明図、図8(F)は、着磁後の磁石の側面図を示す。
まず、溝26が形成されていない未着磁の磁石部材20aを準備する。ここで、磁石部材20aを形成する磁性体の材料として、硬磁性体材料を用いることができる。硬磁性体材料とは、永久磁石用材料として用いることができる材料、例えばヒステリシスが大きな強磁性体材料、を意味する。焼結法やボンド法にて硬磁性体材料から磁石部材20aを成形する。ここで、ボンド法では、非磁石材料を成型時に複合して成型し、焼結法では、成形後に例えばワイヤーカッターを用いて溝26を加工し、溝26内に非磁石材料を充填する。この段階では、磁石部材20aは着磁がされていない。これにより、図8(A)、(B)に示すような、溝26が形成された磁石部材20aを形成することができる。なお、焼結法においては、磁石部材20aの成形後に溝26を形成するのではなく、磁石部材20aを成形する際に溝26を形成するための凸部を有する金型を用い、磁石部材20aの成形と同時に溝26を形成するようにしてもよい。
次に、着磁装置80について説明する。着磁装置80は、図8(C)、(D)に示すように、中空円筒形の筐体82と、着磁ヨーク84と、コイル86とを備える。着磁ヨーク84はT字型をしており、筐体82の内側に設けられている。本実施例では、着磁ヨーク84は、円筒の長さ方向に複数段設けられおり、各段において120°の間隔で3つ設けられている。コイル86は、着磁ヨーク84のT字の縦棒の周りに巻かれている。なお、着磁ヨーク84の端部の極性が段毎に交互にN極とS極になるように、各段のコイル86の巻きの向きが調整されている。
次に、磁石部材20aに着磁を行う。具体的には、着磁装置80の着磁ヨーク84内側に磁石部材20aを配置し、コイル86に電流を流す。このとき、溝26と着磁ヨーク84の位置が同じになるよう永久磁石を配置する。これにより、図8(E)に示すように磁石部材20aに磁束が通り、着磁が実行される。次に、着磁装置80から永久磁石20を取り出す。永久磁石20には、図8(F)に示すように、N極とS極が形成されている。なお、本実施例では、溝26の形成後に着磁を行っているが、溝26の形成前に着磁を行い、その後に溝26を形成するようにしてもよい。この場合には、永久磁石20の、着磁ヨーク84と隣接する部分に溝26を形成することが好ましい。
なお、本実施例では、着磁装置80は、各段に着磁ヨーク84を3つ備えているが、各段に備える着磁ヨーク84の数は、2つであってもよい。この場合、各段における2つの着磁ヨーク84の端部の極性について、一方がN極、他方がS極となるように各着磁ヨーク84のT字の縦棒の周りにコイル86が巻かれていることが好ましい。こうすることにより、一方の着磁ヨーク84から磁石部材20aを経て他方の着磁ヨーク84に磁束が通る。その結果、図1(A)、(B)に示す永久磁石20を形成することが可能となる。
B.各種の実施例:
第8の実施例:
以下、上記説明した永久磁石を用いる応用装置について説明する。図9は、本発明の第8の実施例を示す説明図である。2相ブラシレスモータ100は、略円筒状のステータ60が外側に配置され、略円筒状のロータ50が内側に配置されたインナーロータ型モータである。ステータ60は、ケーシング130の内周に沿って配列された複数の電磁コイル30A、30Bを有している。ステータ60には、さらに、ロータ50の位相を検出する位置センサとしての磁気センサ40が、電磁コイル30A、30Bと対応して配置されている。電磁コイル30A、30Bと磁気センサ40は、回路基板140の上に固定されている。回路基板140は、ケーシング130に固定されている。ケーシング130は、軟磁性材によるバックヨークとして、軟磁性粉材を含有した樹脂で覆う構造を有していてもよい。また、ケーシング130と電磁コイル30A、30Bの間に軟磁性材によるバックヨークを設けてもよい。
ロータ50は、その外周に永久磁石20を有しており、ロータ50の中心に回転軸110が設けられている。この回転軸110は、軸受け部112で支持されている。永久磁石20は、6つの磁石を有している。各磁石は、回転軸110の中心から外部に向かう径方向(放射方向)に沿って磁化されている。なお、この例では、ケーシング130の内側に、コイルバネ114が設けられており、このコイルバネ114が永久磁石20を図の左方向に押すことによって、永久磁石20の位置決めを行っている。但し、コイルバネ114は省略可能である。
電磁コイル30は、永久磁石20によって形成される磁場方向と交差する方向に巻かれている。図9(A)では、磁場方向は上下方向であり、電磁コイル30は水平方向に巻かれている。また、図9(B)では、磁場方向は回転軸110を中心とした半径方向にあり、電磁コイル30も半径方向を中心としてそれに垂直な方向に巻かれている。ここで、永久磁石20には、溝26が形成されているので、溝26に沿った回転軸110を中心とした半径方向の磁場は、強くなっている。そのため、2相ブラシレスモータ100の効率を向上させることが可能となっている。
図10は、本発明の第9の実施例を示す説明図である。図10(A)が側面図であり、図10(B)は、図10(A)の10B―10B切断線による断面図である。第9の実施例は、所謂リニアタイプのモータである。第9の実施例は、中心部に中空棒状の永久磁石20が配置されており、永久磁石20には、長手方向に沿って交互にN極とS極が形成されている。永久磁石20の外側表面には、長手方向とは垂直な方向に、溝26が形成されている。なお、溝26は、N極、S極の両方に形成されている。磁場は、溝26に沿って永久磁石20の長手方向と垂直な方向に伸びている。永久磁石20の外側には、電磁コイル30が配置され、電磁コイル30は、永久磁石20によって形成される磁場方向と交差する方向に巻かれている。このような、所謂リニアタイプのモータであっても、溝26に沿った方向の磁場を強化し、効率を向上させることが可能となる。なお、本実施例では、永久磁石20は、中空棒状であったが、中空でない中が詰まった棒状であってもよい。
C.回路構成:
図11は、実施例におけるブラシレス電気機械の制御回路の構成を示すブロック図である。この制御回路は、CPUシステム300と、駆動信号生成部200と、駆動ドライバ部210と、回生制御部220と、蓄電器230と、蓄電制御部240とを備えている。駆動信号生成部200は、駆動ドライバ部210に供給する駆動信号を生成する。
図12は、駆動ドライバ部210の構成を示す回路図である。この駆動ドライバ部210は、H型ブリッジ回路を構成している。駆動信号生成部200からは、第1の駆動信号DRVA1と、第2の駆動信号DRVA2のうちの一方が駆動ドライバ部210に供給される。図11に示す電流IA1,IA2は、これらの駆動信号DRVA1,DRVA2に応じて流れる電流(「駆動電流」とも呼ぶ)の方向を示している。例えば、直流駆動用磁石モジュールを用いたモータの場合には、第1の駆動信号DRVA1に応じて電流IA1が流れる場合にはモータが所定の第1の駆動方向に動作し、第2の駆動信号DRVA2に応じて電流IA2が流れる場合にはモータが第1の駆動方向とは逆の第2の駆動方向に動作する。また、交流駆動用磁石モジュールを用いたモータの場合には、第1と第2の駆動信号DRVA1,DRVA2を交互に用いてモータを駆動することが可能である。
図13は、回生制御部220の内部構成を示す回路図である。回生制御部220は、電磁コイル30に対して駆動ドライバ部と並列に接続されている。回生制御部220は、ダイオードで構成される整流回路222と、スイッチングトランジスタ224とを備えている。蓄電制御部240によってスイッチングトランジスタ224がオン状態になると、電磁コイル30で発生した電力を回生して蓄電器230を充電することが可能である。また、蓄電器230から電磁コイル30に電流を供給することも可能である。なお、制御部から、回生制御部220と蓄電器230と蓄電制御部240を省略してもよく、或いは、駆動信号生成部200と駆動ドライバ部210を省略してもよい。
このように、上述した各実施例のブラシレスモータでは、溝を有する永久磁石を利用して強い磁場を発生させ、この磁場と電磁コイルとの電磁相互作用で駆動力を発生させるようにしたので、高効率なモータを実現することができる。また、ブラシレス電気機械をブラシレス発電機として構成した場合には、高効率な発電機を実現することが可能である。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施例では、ブラシレス電気機械の機械的構成や回路構成の具体例を説明したが、本発明のブラシレス電気機械の機械的構成や回路構成としては、これら以外の任意の構成を採用することが可能である。
D2.変形例2:
本発明は、ファンモータ、時計(針駆動)、ドラム式洗濯機(単一回転)、ジェットコースタ、振動モータなどの種々の装置のモータに適用可能である。本発明をファンモータに適用した場合には、上述した種々の効果(低消費電力、低振動、低騒音、低回転ムラ、低発熱、高寿命)が特に顕著である。このようなファンモータは、例えば、デジタル表示装置や、車載機器、燃料電池式パソコン、燃料電池式デジタルカメラ、燃料電池式ビデオカメラ、燃料電池式携帯電話などの燃料電池使用機器、プロジェクタ等の各種装置のファンモータとして使用することができる。本発明のモータは、さらに、各種の家電機器や電子機器のモータとしても利用可能である。例えば、光記憶装置や、磁気記憶装置、ポリゴンミラー駆動装置等において、本発明によるモータをスピンドルモータとして使用することが可能である。また、本発明によるモータは、移動体やロボット用のモータとしても利用可能である。
図14は、本発明の適用例によるモータを利用したプロジェクタを示す説明図である。このプロジェクタ600は、赤、緑、青の3色の色光を発光する3つの光源610R、610G、610Bと、これらの3色の色光をそれぞれ変調する3つの液晶ライトバルブ640R、640G、640Bと、変調された3色の色光を合成するクロスダイクロイックプリズム650と、合成された3色の色光をスクリーンSCに投写する投写レンズ系660と、プロジェクタ内部を冷却するための冷却ファン670と、プロジェクタ600の全体を制御する制御部680と、を備えている。冷却ファン670を駆動するモータとしては、上述した各種のブラシレスモータを利用することができる。
図15は、本発明の適用例によるモータを利用した燃料電池式携帯電話を示す説明図である。図15(A)は携帯電話700の外観を示しており、図15(B)は、内部構成の例を示している。携帯電話700は、携帯電話700の動作を制御するMPU710と、ファン720と、燃料電池730とを備えている。燃料電池730は、MPU710やファン720に電源を供給する。ファン720は、燃料電池730への空気供給のために携帯電話700の外から内部へ送風するため、或いは、燃料電池730で生成される水分を携帯電話700の内部から外に排出するためのものである。なお、ファン720を図15(C)のようにMPU710の上に配置して、MPU710を冷却するようにしてもよい。ファン720を駆動するモータとしては、上述した各種のブラシレスモータを利用することができる。
図16は、本発明の適用例によるモータ/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。この自転車800は、前輪にモータ810が設けられており、サドルの下方のフレームに制御回路820と充電池830とが設けられている。モータ810は、充電池830からの電力を利用して前輪を駆動することによって、走行をアシストする。また、ブレーキ時にはモータ810で回生された電力が充電池830に充電される。制御回路820は、モータの駆動と回生とを制御する回路である。このモータ810としては、上述した各種のブラシレスモータを利用することが可能である。
図17は、本発明の適用例によるモータを利用したロボットの一例を示す説明図である。このロボット900は、第1と第2のアーム910,920と、モータ930とを有している。このモータ930は、被駆動部材としての第2のアーム920を水平回転させる際に使用される。このモータ930としては、上述した各種のブラシレスモータを利用することが可能である。
図18は、本発明の適用例による磁気共鳴画像装置(MRI)の一例を示す説明図である。MRI1000は、永久磁石1010と、操作部1020と、表示部1030とを備える。永久磁石1010には、溝1015が形成されている。MRI1000は、被検者1050の磁気共鳴現象を測定し、表示部1030に表示する。MRIには、例えばトンネル型MRIと開放型MRIの2つのタイプがある。トンネル型MRIは、トンネルを有しており、トンネル内に磁場を形成し、被検者をトンネル内に挿入して核磁気共鳴現象の測定を行う。トンネル型MRIでは強力な磁場を生み出すため超伝導磁石が使われている。そのため、磁石を冷却するための冷却設備が必要であり、装置の小型化が難しいという問題があった。また、超伝導磁石の構造上トンネル型にするのが一般的で、被検者1050の「圧迫感がある」「閉塞感を感じる」という声があった。一方、開放型MRIは、被検者1050を挿入するためのトンネルを備えていないタイプのMRIである。開放型MRIでは超伝導磁石ではなく永久磁石1010が使われている。そのため、磁石の冷却設備が不要でレイアウトの自由度が高いというメリットがあるが、強力な磁場を生み出し難いという問題があった。本実施例に示す開放型MRIは、溝1015を有する永久磁石1010を備えているので、永久磁石1010による磁場を強めることができる。したがって、トンネル型MRIと開放型MRIとの良い点を兼ね備えたMRIを実現できる。
また、上記説明した永久磁石に溝を形成して磁束(磁場)の強度を高める技術は、ネックレスやブレスレット、絆創膏や下着に粒状の磁石を内蔵した磁気装置にも応用することができる。これにより磁石を小さくしても同様の磁場を与えることが可能となるので、磁石による異物感を少なくすることが可能となる。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
本発明の第1の実施例を示す説明図である。 本発明の第2の実施例を示す説明図である。 本発明の第3の実施例を示す説明図である。 本発明の第4の実施例を示す説明図である。 本発明の第5の実施例を示す説明図である。 本発明の第6の実施例を示す説明図である。 本発明の第7の実施例を示す説明図である。 溝26が形成された永久磁石20を形成する方法を模式的に示す説明図である。 本発明の第8の実施例を示す説明図である。 本発明の第9の実施例を示す説明図である。 実施例におけるブラシレス電気機械の制御回路の構成を示すブロック図である。 駆動ドライバ部210の構成を示す回路図である。 回生制御部220の内部構成を示す回路図である。 本発明の適用例によるモータを利用したプロジェクタを示す説明図である。 本発明の適用例によるモータを利用した燃料電池式携帯電話を示す説明図である。 本発明の適用例によるモータ/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。 本発明の適用例によるモータを利用したロボットの一例を示す説明図である。 本発明の適用例による磁気共鳴画像装置(MRI)の一例を示す説明図である。
符号の説明
20…永久磁石
24…バックヨーク
26…溝
26A…左側側面
26B…右側側面
30、30A、30B…電磁コイル
40…磁気センサ
50…ロータ
60…ステータ
80…着磁装置
82…筐体
84…着磁ヨーク
86…コイル
100…着磁装置
110…回転軸
112…軸受け部
114…コイルバネ
130…ケーシング
140…回路基板
200…駆動信号生成部
210…駆動ドライバ部
220…回生制御部
222…整流回路
224…スイッチングトランジスタ
230…蓄電器
240…蓄電制御部
600…プロジェクタ
610R…光源
640R…液晶ライトバルブ
650…クロスダイクロイックプリズム
660…投写レンズ系
670…冷却ファン
680…制御部
700…携帯電話
720…ファン
730…燃料電池
800…自転車
810…モータ
820…制御回路
830…充電池
900…ロボット
910…第2のアーム
920…第2のアーム
930…モータ
1000…磁気共鳴画像装置(MRI)
1010…永久磁石
1015…溝
1020…操作部
1030…表示部
1050…被検者
DRVA1…第1の駆動信号
DRVA2…第2の駆動信号
SC…スクリーン
IA1、IA2…電流

Claims (14)

  1. 永久磁石であって、
    N極とS極の少なくとも一方に、エアーギャップ溝が形成されている永久磁石。
  2. 請求項1に記載の永久磁石において、
    前記エアーギャップ溝に非磁石性材料が充填されている、永久磁石。
  3. 請求項1または請求項2に記載の永久磁石において、
    前記エアーギャップ溝を複数本数備える、永久磁石。
  4. ブラシレス電気機械であって、
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の永久磁石を有する第1の部材と、
    前記第1の部材の前記溝側に配置される電磁コイルを有する第2の部材と、
    を備える、ブラシレス電気機械。
  5. 請求項4に記載のブラシレス電気機械において、
    前記永久磁石は中空円筒の形状を有し、
    前記永久磁石のN極とS極は、前記中空円筒の円周方向に沿って交互に並び、
    前記溝は、前記中空円筒の中心軸を中心とする放射方向に形成されている、
    ブラシレス電気機械。
  6. 請求項4に記載のブラシレス電気機械において、
    前記永久磁石は棒の形状を有し、
    前記永久磁石のN極とS極は、前記棒の長手方向に交互に並び、
    前記溝は、前記長手方向と垂直な方向に形成されている、
    ブラシレス電気機械。
  7. 請求項6に記載のブラシレス電気機械において、
    前記永久磁石は、前記長手方向に中空である、
    ブラシレス電気機械。
  8. 電子機器であって、
    請求項4から請求項7のいずれかに記載のブラシレス電気機械を備える電子機器。
  9. 請求項8に記載の電子機器であって、
    前記電子機器はプロジェクタである、電子機器。
  10. 燃料電池使用機器であって、
    請求項4から請求項7のいずれかに記載のブラシレス電気機械を備える燃料電池使用機器。
  11. ロボットであって、
    請求項4から請求項7のいずれかに記載のブラシレス電気機械を備えるロボット。
  12. 移動体であって、
    請求項4から請求項7のいずれかに記載のブラシレス電気機械を備える移動体。
  13. 医療機器であって、
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の永久磁石を備える、医療機器。
    (こられの永久磁石を用いることにより強磁場を発生させることが可能となる。)
  14. 永久磁石の製造方法であって、
    未着磁の磁性体材料を準備する工程と、
    前記磁性体材料に溝を形成する工程と、
    前記磁性体材料に対し、着磁ヨークを用いて着磁を行う工程と、
    を備える、永久磁石の製造方法。
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