JP2010078447A - Q値解析システム、q値解析方法及びq値解析プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】建物を一つの部屋とし、施工後の建物のQ値を簡易に算出し、設計Q値と組み合わせ、建物のQ値の相対評価が行えるQ値測定システムを提供する。
【解決手段】建物を1つの部屋とし、内外の熱交換を示す熱回路モデルを用い、外乱と任意の発熱で決まる室温を、外乱の温度と室温の応答係数の合成積に、発熱量とこれに対する室温の応答係数との合成積を加算する構成で、外乱及び室内間の総熱貫流抵抗を含む複数の未定係数を有する式で、未定係数を調整して予想室温として算出し、実測室温・予想室温間の平均二乗誤差が最小となる未定係数を求める予想室温演算部と、総熱貫流抵抗に建物の床面積の合計を乗算した数値の逆数をQ値とするQ値算出部を有し、予想室温演算部が時系列に未定係数を求め、Q値算出部が時系列にQ値を算出し、測定した測定範囲のQ値の平均二乗誤差が閾値以下となる範囲ΔQ値を求め、このΔQ値が最小値となるQ値を解析結果として出力する。
【選択図】図1
【解決手段】建物を1つの部屋とし、内外の熱交換を示す熱回路モデルを用い、外乱と任意の発熱で決まる室温を、外乱の温度と室温の応答係数の合成積に、発熱量とこれに対する室温の応答係数との合成積を加算する構成で、外乱及び室内間の総熱貫流抵抗を含む複数の未定係数を有する式で、未定係数を調整して予想室温として算出し、実測室温・予想室温間の平均二乗誤差が最小となる未定係数を求める予想室温演算部と、総熱貫流抵抗に建物の床面積の合計を乗算した数値の逆数をQ値とするQ値算出部を有し、予想室温演算部が時系列に未定係数を求め、Q値算出部が時系列にQ値を算出し、測定した測定範囲のQ値の平均二乗誤差が閾値以下となる範囲ΔQ値を求め、このΔQ値が最小値となるQ値を解析結果として出力する。
【選択図】図1
Description
本発明は、建物の熱性能指標値であるQ値を算出するQ値解析システム、Q値解析方法及びQ値解析プログラムに関する。
従来より、地球温暖化防止対策の一つとして、建物の省エネルギー化を進めることの重要性が指摘されており、住宅の断熱化が建物を建てる場合の基本的な技術の一つとなっている。日本における住宅の断熱化は、寒冷地を除けば、1980年の省エネルギー基準の制定を契機にして、国策として推進されるようになった。
また、住生活基本法や住宅性能表示制度などの法律や公的制度においても、住宅に必要な性能として位置づけられている。
また、住生活基本法や住宅性能表示制度などの法律や公的制度においても、住宅に必要な性能として位置づけられている。
一方、上記断熱性能の評価や検査となると、熱貫流率や熱損失係数を計算して評価するという、机上の評価が実務において唯一の方法として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
完成した建物を検査する手法自体は30年以上前に提案された(例えば、非特許文献1参照)が、現実に建物の断熱化が浸透しないこともあり、現場にて建物を実測してQ値を求めることはしていない。
特開2002−4403号公報
松尾陽、斉藤平蔵、"現場測定に基づく住宅熱特性の推定"、日本建築学会、環境工学論文集、第3号、pp.13−18、1981
完成した建物を検査する手法自体は30年以上前に提案された(例えば、非特許文献1参照)が、現実に建物の断熱化が浸透しないこともあり、現場にて建物を実測してQ値を求めることはしていない。
上述したQ値は建物の熱性能指標として代表的なものであり、政府の住宅性能表示制度においては、設計図書などに基づいて算出される熱損失係数(以下、設計Q値とする)を用いて等級を判断して良いこととされている。
しかしながら、建物の断熱性能は、断熱材の性能や厚みのみで決定されるものではなく、施工方法や施工状況、気密性能によっても左右されることが分かっている。
したがって、設計Q値では施工後における建物の実際のQ値を測定することができないため、施工後の建物において実測したQ値を得ることができれば、設計Q値と併せて用いることにより、より確度の高い熱性能指標として用いることができる。
しかしながら、建物の断熱性能は、断熱材の性能や厚みのみで決定されるものではなく、施工方法や施工状況、気密性能によっても左右されることが分かっている。
したがって、設計Q値では施工後における建物の実際のQ値を測定することができないため、施工後の建物において実測したQ値を得ることができれば、設計Q値と併せて用いることにより、より確度の高い熱性能指標として用いることができる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、建物を一つの部屋とし(各部屋の室温を均一とし)、施工後の建物のQ値を簡易に算出し、設計Q値と組み合わせることにより、建物のQ値の相対評価が行えるQ値測定システム、Q値測定方法及びQ値測定プログラムを提供することを目的とする。
本発明のQ値解析システムは、建物を1つの部屋とみなし、前記建物を熱抵抗及び熱容量で表現し、前記建物の内部と外部との熱交換の関係を示す熱回路モデルにより、前記建物の熱損失係数であるQ値を解析するQ値解析システムであり、外乱の温度と該外乱に対する室温の応答係数との合成積に、発熱量と該発熱量に対する室温の応答係数との合成積を加算する構成であり、外乱及び室内間の総熱貫流抵抗を含む複数の係数を未定係数とした計算式にて、任意の外乱と任意の発熱とにより決定される前記部屋の室温を、該複数の未定係数を調整しつつ予想室温として算出し、実測した前記室温と前記予想室温との平均二乗誤差が最小となる複数の未定係数を同定する予想室温演算部と、同定された前記総熱貫流抵抗に建物の床面積の合計を乗算し、該乗算した数値の逆数をQ値として出力するQ値算出部とを有し、前記予想室温演算部が時系列に前記未定係数を同定し、前記Q値算出部が時系列にQ値を算出し、順次、時系列に測定した測定範囲における前記Q値の平均二乗誤差が予め設定した閾値以下となる範囲ΔQ値を求め、このΔQ値が最小値となるQ値を解析結果のQ値として出力することを特徴とするQ値解析システム。
本発明のQ値解析システムは、温度測定周期に対する熱変化の応答を示す係数である、前記未定係数の一つである指数分布のべき乗であるべき乗係数に対して初期値を設定し、該べき乗係数を順次変化させる平均誤差比較部をさらに有し、前記予想室温演算部が前記べき乗を設定された値にて一定とし、他の未定係数を調整して平均二乗誤差が最小となる他の未定係数を同定し、前記平均誤差比較部が直前に求めた平均二乗誤差と、現在の平均二乗誤差とを比較し、Q値を求める未定係数を同定することを特徴とする。
本発明のQ値解析システムは、前記平均誤差比較部が直前に求めた平均二乗誤差と、現在の平均二乗誤差との比較において、直前の平均二乗誤差の方が小さい場合、直前の未定係数から求められるQ値を解析結果とし、直前の平均二乗誤差と等しいかまたは大きい場合、べき乗係数を変化させ、再度、前記予想室温演算部に変化させた前記べき乗係数にて平均二乗誤差の最小値を求めさせ、直前と現在の平均二乗誤差の比較を行うことを特徴とする。
本発明のQ値解析方法は、建物を1つの部屋とみなし、前記建物を熱抵抗及び熱容量で表現し、前記建物の内部と外部との熱交換の関係を示す熱回路モデルにより、前記建物のQ値を解析するQ値解析システムを用いたQ値解析方法であり、予想室温演算部が、外乱の温度と該外乱に対する室温の応答係数との合成積に、発熱量と該発熱量に対する室温の応答係数との合成積を加算する構成であり、外乱及び室内間の総熱貫流抵抗を含む複数の係数を未定係数とした計算式にて、任意の外乱と任意の発熱とにより決定される前記部屋の室温を、該複数の未定係数を調整しつつ予想室温として算出し、実測した前記室温と前記予想室温との平均二乗誤差が最小となる複数の未定係数を同定する予想室温演算過程と、Q値算出部が、同定された前記総熱貫流抵抗に建物の床面積の合計を乗算し、該乗算した数値の逆数をQ値として出力するQ値計算過程とを有し、前記予想室温演算部が時系列に前記未定係数を同定し、前記Q値算出部が時系列にQ値を算出し、順次、時系列に測定した測定範囲における前記Q値の平均二乗誤差が予め設定した閾値以下となる範囲ΔQ値を求め、このΔQ値が最小値となるQ値を解析結果のQ値として出力することを特徴とする。
本発明のプログラムは、建物を1つの部屋とみなし、前記建物を熱抵抗及び熱容量で表現し、前記建物の内部と外部との熱交換の関係を示す熱回路モデルにより、前記建物のQ値を解析するQ値解析システムの動作をコンピュータに実行させるプログラムであり、
予想室温演算部が、外乱の温度と該外乱に対する室温の応答係数との合成積に、発熱量と該発熱量に対する室温の応答係数との合成積を加算する構成であり、外乱及び室内間の総熱貫流抵抗を含む複数の係数を未定係数とした計算式にて、任意の外乱と任意の発熱とにより決定される前記部屋の室温を、該複数の未定係数を調整しつつ予想室温として算出し、実測した前記室温と前記予想室温との平均二乗誤差が最小となる複数の未定係数を同定する予想室温演算処理と、Q値算出部が、同定された前記総熱貫流抵抗に建物の床面積の合計を乗算し、該乗算した数値の逆数をQ値として出力するQ値計算処理とを有し、前記予想室温演算部が時系列に前記未定係数を同定し、前記Q値算出部が時系列にQ値を算出し、順次、時系列に測定した測定範囲における前記Q値の平均二乗誤差が予め設定した閾値以下となる範囲ΔQ値を求め、このΔQ値が最小値となるQ値を解析結果のQ値として出力するコンピュータ読み取り可能なプログラムである。
予想室温演算部が、外乱の温度と該外乱に対する室温の応答係数との合成積に、発熱量と該発熱量に対する室温の応答係数との合成積を加算する構成であり、外乱及び室内間の総熱貫流抵抗を含む複数の係数を未定係数とした計算式にて、任意の外乱と任意の発熱とにより決定される前記部屋の室温を、該複数の未定係数を調整しつつ予想室温として算出し、実測した前記室温と前記予想室温との平均二乗誤差が最小となる複数の未定係数を同定する予想室温演算処理と、Q値算出部が、同定された前記総熱貫流抵抗に建物の床面積の合計を乗算し、該乗算した数値の逆数をQ値として出力するQ値計算処理とを有し、前記予想室温演算部が時系列に前記未定係数を同定し、前記Q値算出部が時系列にQ値を算出し、順次、時系列に測定した測定範囲における前記Q値の平均二乗誤差が予め設定した閾値以下となる範囲ΔQ値を求め、このΔQ値が最小値となるQ値を解析結果のQ値として出力するコンピュータ読み取り可能なプログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、建物内の各室内の温度を均一化し、建物を一つの部屋とみなして、各部屋の温度を均一化したまま室温を上昇させ、実測した温度と発熱量から求めた温度とが予測残差が設定値以下となるQ値の範囲であるΔQ値が最小となる範囲におけるQ値を実測Q値として求めるため、実測した温度と発熱量から求めた温度とのバラツキの少ない範囲のQ値を選択することにより、高い精度でQ値を算出することができる。
また、本発明によれば、上述したように、施工後の建物のQ値を簡易に算出することが可能となるため、建物の概要、仕様書、図面(各階平面図、断面詳細部)などの設計情報を収集し、省エネルギー基準に示された方法により算出されたQ値と異なり、設計変更あるいは施工方法の違いによるQ値の誤差が無くなり、建物の実効的なQ値を測定することが可能となり、高い精度の各建物の相対評価の指標として用いることができる。
という効果が得られる。
という効果が得られる。
本発明は、建物の熱性能指標であるQ値を算出するQ値解析システムであり、建物の各部屋に熱エネルギーを放射させるヒーター等の発熱体を配置し、ファン等により室内及び建物内の空気を攪拌して、上記熱エネルギーを建物内に拡散させ、常に建物内の各部屋の温度を均一化して建物全体を1つの部屋とみなす。そして、この部屋の室温を用いて時系列的にQ値を算出していき、その際の温度計により測定した建物内の室温と、発熱量により熱回路モデルから算出した室温との差分が最小となるQ値を求め、その差分が最小となる領域において、予め設定した差分となるQ値の範囲であるΔQ値が最小となるQ値を、解析結果として出力する構成である。
まず、本発明におけるQ値解析に用いる計算式について、以下のQ値解析のアルゴリズムの順序にて説明する。
図1は、建物全体を一つの容器(すなわち、部屋)とみなして、この容器を形成する壁の材質の熱抵抗等により、容器内部における発熱により上昇した容器内温度と外部温度との差に対応し、上記熱抵抗により熱エネルギーが容器の壁を伝達し、容器外に排出されることを示す熱回路モデルを説明する概念図である。
図1は、建物全体を一つの容器(すなわち、部屋)とみなして、この容器を形成する壁の材質の熱抵抗等により、容器内部における発熱により上昇した容器内温度と外部温度との差に対応し、上記熱抵抗により熱エネルギーが容器の壁を伝達し、容器外に排出されることを示す熱回路モデルを説明する概念図である。
すなわち、すでに述べた様に、一つの建物全体を1つの部屋とみなして、図1に示す熱回路モデルのように、部屋内部に発熱量Hの発熱体が内部に存在する場合、外部の温度に対して室温(建物の各部屋の室温が均一化された温度)の上昇を求めることにより、相熱貫流抵抗Rを求め、すなわち建物全体の熱貫流率を求め、その熱貫流率を建物の床面積の合計にて除算したものをQ値として算出する。
ここで、図の熱回路によりモデル化し、キルヒホッフの法則を適用すれば、以下に示す(1)式が得られ、室温θRに関する微分方程式である。この(1)式を適当な条件の下において解き、外乱θEによる室温(後述する室内温度計102にて測定)のステップ応答、及び発熱Hによる室温のステップ応答を求める。
ここで、図の熱回路によりモデル化し、キルヒホッフの法則を適用すれば、以下に示す(1)式が得られ、室温θRに関する微分方程式である。この(1)式を適当な条件の下において解き、外乱θEによる室温(後述する室内温度計102にて測定)のステップ応答、及び発熱Hによる室温のステップ応答を求める。
たとえば、発熱量Hがステップ関数などのように、時間t>0において一定であれば、上記(1)式の右辺において、dH/dt=0となるため、
発熱量の変化が式から消去されて、以下に示す(2)式の構成となる。
発熱量の変化が式から消去されて、以下に示す(2)式の構成となる。
この微分方程式は、外乱θEが時間t>0において一定であれば、変数分離形となるため、θRについて以下の(3)式の様に解くことができる。
すなわち、室温は、壁面の外気側に与えられる外乱(励振)に対する応答(貫流応答)と室内発熱(励振)に対する応答(吸熱応答)の合成と考えられ、励振としてステップ関数を想定して、(1)の偏微分方程式をラプラス変換により解析解を求め、この解析解である(2)に従い貫流応答と吸熱応答との解を求める。
ここで、θi=初期室温(t=0における室温)、R=R1+R2、λ=1/(C・R1)である。さらに、以下のような単純な条件の下では(3)式はより単純な形となる。
また、単位貫流応答の解を基に、積分などによって励振が2等辺三角波の場合の貫流応答を求める。同様に、単位吸熱応答の解を基に、励振が矩形波の場合の吸熱応答を求める。
a.外乱がステップ関数の場合
(3)式において、θE=1、θi=0、H=0とおけば良いから、
以下に示す(4)式が、熱回路モデルにおける「単位貫流応答」である。
ここで、θi=初期室温(t=0における室温)、R=R1+R2、λ=1/(C・R1)である。さらに、以下のような単純な条件の下では(3)式はより単純な形となる。
また、単位貫流応答の解を基に、積分などによって励振が2等辺三角波の場合の貫流応答を求める。同様に、単位吸熱応答の解を基に、励振が矩形波の場合の吸熱応答を求める。
a.外乱がステップ関数の場合
(3)式において、θE=1、θi=0、H=0とおけば良いから、
以下に示す(4)式が、熱回路モデルにおける「単位貫流応答」である。
b.発熱量がステップ関数の場合
(3)式において、θE=0、θi=b0−b、H=1、R=b0 と置けば良いから
以下に示す(5)が熱回路モデルにおける「単位吸熱応答」である。
(3)式において、θE=0、θi=b0−b、H=1、R=b0 と置けば良いから
以下に示す(5)が熱回路モデルにおける「単位吸熱応答」である。
次に、応答係数法による室温の予測式について説明する。
(4)式及び(5)式による与えられる単位応答を利用することにより、以下に示す(6)式のように、外乱θEが2等辺三角波の場合の応答係数φi及び発熱が矩形波の場合の応答係数ψが求められる。ただし、2等辺三角波に対する応答を求めるとき、単位応答の積分などが必要となるが、その説明については一般的なため省略する。外乱θEを多数の2等辺三角波の合成と考えれば、室温θRの外乱成分は、貫流応答の合成積(convolution)で表される。同様に、室内発熱を多数の矩形波の合成と考えれば、室温の発熱成分は吸熱応答の合成積で表される。
(4)式及び(5)式による与えられる単位応答を利用することにより、以下に示す(6)式のように、外乱θEが2等辺三角波の場合の応答係数φi及び発熱が矩形波の場合の応答係数ψが求められる。ただし、2等辺三角波に対する応答を求めるとき、単位応答の積分などが必要となるが、その説明については一般的なため省略する。外乱θEを多数の2等辺三角波の合成と考えれば、室温θRの外乱成分は、貫流応答の合成積(convolution)で表される。同様に、室内発熱を多数の矩形波の合成と考えれば、室温の発熱成分は吸熱応答の合成積で表される。
上記(6)式において、サフィックスjは、時間を離散化したときの順番であり、j=−∞、…、−1、0、1、…、∞で定義される。
また、Δtは、そのときの時間間隔(例えば温度の測定周期)であり、r=e−λΔt(温度測定周期における熱変化の応答を示す係数)である。このように、任意の外乱と任意の発熱に対する室温は、θEとφiとの合成積に、Hとψとの合成積を加算すれば良いため、今、任意の時点n(時間で言えば、t=nΔt)における室温をθR,nとすれば、以下の(7)式が得られる。ここで用いる発熱量Hは、各測定ユニット単位において測定した発熱量を測定周期毎に加算した合計値である。rjは、温度測定周期に対する熱変化の応答を示す指数分布である係数rのべき乗である。
また、Δtは、そのときの時間間隔(例えば温度の測定周期)であり、r=e−λΔt(温度測定周期における熱変化の応答を示す係数)である。このように、任意の外乱と任意の発熱に対する室温は、θEとφiとの合成積に、Hとψとの合成積を加算すれば良いため、今、任意の時点n(時間で言えば、t=nΔt)における室温をθR,nとすれば、以下の(7)式が得られる。ここで用いる発熱量Hは、各測定ユニット単位において測定した発熱量を測定周期毎に加算した合計値である。rjは、温度測定周期に対する熱変化の応答を示す指数分布である係数rのべき乗である。
上記(6)式に対し、この得られた(7)式を代入して、測定開始以来(すなわち、j<0)の外乱が含まれないような形に式を変形する。さらに、j<0においてH=0であることを勘案し、最後に外乱を以下の(8)式のように、外気温と外界放射成分との合成により表す。
上記(8)式のように、外気温と外界放射成分とを表すことにより、本実測法にて用いる室温の以下の(9)式に示す予測式を得ることができる。
この(8)式において、室外温度計(後述する室外温度計101)にて測定するθ0は外気温、Δθは水平面SAT(相当外気温度)計(後述するSAT温度計103)の測定温度から外気温θ0を減算した値であり、aは外界放射(日射及び夜間放射)の影響度を示す未定係数である。
この(8)式において、室外温度計(後述する室外温度計101)にて測定するθ0は外気温、Δθは水平面SAT(相当外気温度)計(後述するSAT温度計103)の測定温度から外気温θ0を減算した値であり、aは外界放射(日射及び夜間放射)の影響度を示す未定係数である。
本実施形態においては、外界放射に対しては上記(8)式のように最も単純な構成にて取り扱い、αは単に統計的に求められる係数として定義している。
すなわち、上記(9)式によって与えられる予想室温θR,nと実測室温θR,n *との差の二乗平均の平行根(平均残差δとする)が最小となるように未定係数を同定する(最小二乗法)。ここで平均残差δは以下に示すように(10)式にて表される。
すなわち、上記(9)式によって与えられる予想室温θR,nと実測室温θR,n *との差の二乗平均の平行根(平均残差δとする)が最小となるように未定係数を同定する(最小二乗法)。ここで平均残差δは以下に示すように(10)式にて表される。
そして、上記(10)式で示すδの数値が最小となるように(最小二乗法)、数値解析により(9)式における4つの未定係数(r、b0、b、a)をフィッティング(同定)して、Q値を定める。
次に、上述したQ値解析のアルゴリズムにより、Q値を算出するQ値解析システムを図2を用いて説明する。図2は本実施形態によるQ値解析システム1の構成例を示すブロックズである。
図2において、Q値解析システム10は、時系列データ取得部1、予想室温算出部2、記憶部3、平均残差比較部4及びQ値算出部5を有している。
時系列データ取得部1は、Q値を解析するために必要な室温、外気温、相当外気温度、及び建物内の発熱体の発熱量を、Q値の解析周期毎に後述する様に読み込み、周期の時刻毎に記憶部3へ書き込んで記憶させる。
図2において、Q値解析システム10は、時系列データ取得部1、予想室温算出部2、記憶部3、平均残差比較部4及びQ値算出部5を有している。
時系列データ取得部1は、Q値を解析するために必要な室温、外気温、相当外気温度、及び建物内の発熱体の発熱量を、Q値の解析周期毎に後述する様に読み込み、周期の時刻毎に記憶部3へ書き込んで記憶させる。
予想室温算出部2は、外気温、相当外気温度、4つの未定係数(r,b0,b,a)からなる上記(9)式により、Q値の解析周期毎の室温の予想温度θR,nを、4つの未定係数(r,b0,b,a)における未定係数rが0<r<1の範囲内において仮定された数値にて、未定係数(b0,b,a)を順次変化させて、(10)式にて予想残差δが最小となるようにフィッティングしつつ未定係数(b0,b,a)を求め、この予想残差δを現在のステップにおける最小値とし、記憶部3に書き込んで記憶させる。
平均残差残差比較部4は、現在のステップにおいて最小二乗算出部4が出力するδと、記憶部3から読み込む直前のステップにおけるδ*とを比較し、δ*>δであれば未定係数rを変化させて、再度予想室温算出部2にδの算出を行わせ、一方、δ*≦δであればδ*を最小のδとして出力する。
Q値算出部5は、未定係数b0が求まると、この未定係数b0と建物の床面積の合計Aとにより、下記の(11)式を用いてQ値を算出し、時系列の時刻毎に記憶部3に書き込んで記憶させる。
Q値算出部5は、未定係数b0が求まると、この未定係数b0と建物の床面積の合計Aとにより、下記の(11)式を用いてQ値を算出し、時系列の時刻毎に記憶部3に書き込んで記憶させる。
次に、図3を用いて図2のQ値解析システム1のQ値の算出処理について説明する。図3はQ値解析システム1のQ値算出処理の動作を示すフローチャートである。
ここで、上述した(9)式を見て分かるように、ここではrがべき乗で現れるので、本実施形態においては一般的な最小二乗法とは若干異なる手法を用いる。
ステップS1において、時系列データ取得部1は、室温、外気温、SAT温度及び発熱量を、Q値の解析周期にて実測し、記憶部4に解析周期毎に時系列に書き込み、必要なデータを取得する。
ここで、上述した(9)式を見て分かるように、ここではrがべき乗で現れるので、本実施形態においては一般的な最小二乗法とは若干異なる手法を用いる。
ステップS1において、時系列データ取得部1は、室温、外気温、SAT温度及び発熱量を、Q値の解析周期にて実測し、記憶部4に解析周期毎に時系列に書き込み、必要なデータを取得する。
そして、ステップS2において、平均残差比較部5は、rの値(ただし、0<t<1、最初のステップではrは0(例えば0.0001)に近い正の値か、1に近い1未満の値(0.9999)とする)を仮定して設定する。
次に、ステップS3において、予想室温算出部2は、(9)式により予想室温を算出しつつ、ステップS4において、(10)式により平均残差δnを算出して、この平均残差δnが最小となるよう、一般的な最小二乗法を用いて3つの未定係数(b0、b、a)を数値計算により求める。
そして、ステップS5において、平均残差比較部5は、算出した平均残差δnと、直前に求めた残差δn−1とを比較し、平均残差δnが平均残差δn−1より大きければ、ステップS6へすすみ、一方、平均残差δnが平均残差δn−1と一致するかまたは小さければ、1ステップ前のδn−1が最小であるとみなし、そのときのステップにおける未定係数(b0、b、a)を同定値として、ステップS7へ進む。
ステップS7において、平均残差比較部5は、rの数値を設定された数値分(例えば、0.0001)変化させ、ステップS3へ処理を戻す。例えば、rが0近い正の数値を初期値とする場合、上記数値分だけ増加させ、一方、rが1に近い正の数値を初期値とする場合、上記数値分だけ減少させる。
ステップS6において、Q値算出部5は、同定された未定係数b0(すなわち、総熱貫流抵抗)を用いて、上記(11)式により、現場の実測により同定されたQ値を計算する。
上記(11)式においてAは建物の床面積の合計である。また、(1)式から(11)式により用いられている記号について以下に示す。
上記(11)式においてAは建物の床面積の合計である。また、(1)式から(11)式により用いられている記号について以下に示す。
上述したQ値の解析に用いる建物内の室温、外気温、相当外気温度(水平面SAT計温度)、発熱量とは、図4に示すように、データとして得る。
図4は、室外の温度を測定する室外温度計101と、建物内の室温を測定する室内温度計102と、SAT計103a及び温度計103bからなる相当外気温度を測定するSAT温度計103と、建物内の発熱体200の発熱量を測定する機器との配置を示す概念図である。
例えば、室外温度計101は室外北側の日陰の場所に高さ1.2mにて配置し、室内温度計102はグローブ温度計を用いて高さ1.2mに配置し、SAT温度計103は屋外南面の日当たりの良い場所に高さ4mにて配置し、それぞれの温度データを温度の測定周期毎に取得し、すでに述べたフローにより求める。上記格式における任意の時点nは、温度の測定周期の各時系列のタイミングの時点に対応している。
図4は、室外の温度を測定する室外温度計101と、建物内の室温を測定する室内温度計102と、SAT計103a及び温度計103bからなる相当外気温度を測定するSAT温度計103と、建物内の発熱体200の発熱量を測定する機器との配置を示す概念図である。
例えば、室外温度計101は室外北側の日陰の場所に高さ1.2mにて配置し、室内温度計102はグローブ温度計を用いて高さ1.2mに配置し、SAT温度計103は屋外南面の日当たりの良い場所に高さ4mにて配置し、それぞれの温度データを温度の測定周期毎に取得し、すでに述べたフローにより求める。上記格式における任意の時点nは、温度の測定周期の各時系列のタイミングの時点に対応している。
上述したように同定して求められた熱損失係数の実測値(以下、実測Q値とする)であるが、この実測Q値が本来複雑な伝熱現象を図1のような単純な熱回路モデルから得られる現象に当てはめた場合、統計的に推定される数値であると解釈されると考える。
そのため、本実施形態におけるQ値には数学的な正解が存在するわけではなく、同定された実測Q値がどの程度確かなものであるかということを、得られた実測Q値とともに評価して示すことが必要である。
そのため、本実施形態におけるQ値には数学的な正解が存在するわけではなく、同定された実測Q値がどの程度確かなものであるかということを、得られた実測Q値とともに評価して示すことが必要である。
本実施形態において、実測Q値の確からしさをΔQ値により示すこととする。このΔQ値とは、横軸にQ値を示し、縦軸にQ値を求めた際の平均残差δを示した図5において、最小値の平均残差δminと、この平均残差δminより0.1K大きい数値の範囲内におけるδを有するQ値の範囲(Q値の変化幅)をΔQとして求める。
したがって、このΔQ値は、Q値と平均残差δとの関数において、平均残差δmin近傍のQ値の尖り度(統計における尖度:coefficient of excess)を示す数値であり、この尖り度が小さいほど同定された実測Q値が確からしいと判定することができる。
したがって、このΔQ値は、Q値と平均残差δとの関数において、平均残差δmin近傍のQ値の尖り度(統計における尖度:coefficient of excess)を示す数値であり、この尖り度が小さいほど同定された実測Q値が確からしいと判定することができる。
図5のように、実測Q値に対するδの変化を示すグラフを作成する際、Q値算出部5は、Q値(すなわちb0)を同定値から少しだけ変化させてそのときの平均残差δを(9)式により算出する。ただし、Q値を変化させたとき、その変化したQ値において、平均残差δが最小となるように、b0以外の未定係数(r,b,a)を求めて平均残差δを計算する。
本実施形態においては、このΔQ値を、測定期間が十分に長いか否かを判定するための指標として用いている。すなわち、Q値は有る測定期間の範囲内にて必ず想定されるが、測定期間の長さとともに変化する。したがって、どの時点(測定期間)で同定すれば、測定期間が十分であり、同定結果も確からしいということが問題となる。
そこで、上述したように、本実施形態においては、測定期間を徐々に長くしていったときの、ΔQ値が最小になった時点で最も確からしいQ値が得られたと判断して、このΔQ値が最小となるQ値を実測Q値とし、解析結果として出力する。
本実施形態においては、このΔQ値を、測定期間が十分に長いか否かを判定するための指標として用いている。すなわち、Q値は有る測定期間の範囲内にて必ず想定されるが、測定期間の長さとともに変化する。したがって、どの時点(測定期間)で同定すれば、測定期間が十分であり、同定結果も確からしいということが問題となる。
そこで、上述したように、本実施形態においては、測定期間を徐々に長くしていったときの、ΔQ値が最小になった時点で最も確からしいQ値が得られたと判断して、このΔQ値が最小となるQ値を実測Q値とし、解析結果として出力する。
次に、図6に設計Q値を実測時の建物条件で補正した熱損失係数(以下、計算Q値とする)と、実測Q値とを対応させたグラフを示す。ここで、図6のグラフの横軸は計算Q値を示し、縦軸が実測Q値を示す。点線は傾き「1」を示し、実線が計算Q値と実測Q値との対応関係を示している。ここで四角印が在来木造軸組工法、丸印が枠組壁工法、菱形印が鉄骨ラーメン工法で建てた建物を示している。
図の実線において、縦軸をyとし、横軸をxとすると、y=p・x+qの式が示す直線となる。この式の係数p及びqは、実測から求められて、建物のサンプル数により変化するが、例えば、p=0.6184、q=0.4522である。
このグラフにおいて、計算Q値が2W/(m2・K)以下の高い断熱性能を有する建物において、実測Q値は計算Q値と比較的一致していることがわかる。
また、計算Q値が2W/(m2・K)より大きくなる(断熱性能が低下する)につれて、実測Q値は、計算Q値より若干低くなる傾向が見られるが、大幅にずれずにだいたい近い数値が得られることがわかる。
上述した結果により、本実施形態によるQ値解析システムにより、計算Q値に対してそれほどずれない数値にて、実測Q値を得られることが分かる。
この結果、施工後の実際の建物の実測Q値を測定し、実測Q値と計算Q値とを組み合わせることにより、施工後の各建物の相対的なQ値の比較を行うことが可能となる。
図の実線において、縦軸をyとし、横軸をxとすると、y=p・x+qの式が示す直線となる。この式の係数p及びqは、実測から求められて、建物のサンプル数により変化するが、例えば、p=0.6184、q=0.4522である。
このグラフにおいて、計算Q値が2W/(m2・K)以下の高い断熱性能を有する建物において、実測Q値は計算Q値と比較的一致していることがわかる。
また、計算Q値が2W/(m2・K)より大きくなる(断熱性能が低下する)につれて、実測Q値は、計算Q値より若干低くなる傾向が見られるが、大幅にずれずにだいたい近い数値が得られることがわかる。
上述した結果により、本実施形態によるQ値解析システムにより、計算Q値に対してそれほどずれない数値にて、実測Q値を得られることが分かる。
この結果、施工後の実際の建物の実測Q値を測定し、実測Q値と計算Q値とを組み合わせることにより、施工後の各建物の相対的なQ値の比較を行うことが可能となる。
なお、図2におけるQ値解析システムの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより実測Q値の算出処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
1…時系列データ取得部
2…予想室温算出部
3…記憶部
4…平均残差比較部
5…Q値算出部
10…Q値解析システム
101…室外温度計
102…室内温度計
103…SAT温度計
103a…SAT計
103b…温度計
200…発熱体
500…建物
2…予想室温算出部
3…記憶部
4…平均残差比較部
5…Q値算出部
10…Q値解析システム
101…室外温度計
102…室内温度計
103…SAT温度計
103a…SAT計
103b…温度計
200…発熱体
500…建物
Claims (5)
- 建物を1つの部屋とみなし、前記建物を熱抵抗及び熱容量で表現し、前記建物の内部と外部との熱交換の関係を示す熱回路モデルにより、前記建物の熱損失係数であるQ値を解析するQ値解析システムであり、
外乱の温度と該外乱に対する室温の応答係数との合成積に、発熱量と該発熱量に対する室温の応答係数との合成積を加算する構成であり、外乱及び室内間の総熱貫流抵抗を含む複数の係数を未定係数とした計算式にて、任意の外乱と任意の発熱とにより決定される前記部屋の室温を、該複数の未定係数を調整しつつ予想室温として算出し、実測した前記室温と前記予想室温との平均二乗誤差が最小となる複数の未定係数を同定する予想室温演算部と、
同定された前記総熱貫流抵抗に建物の床面積の合計を乗算し、該乗算した数値の逆数をQ値として出力するQ値算出部と
を有し、
前記予想室温演算部が時系列に前記未定係数を同定し、前記Q値算出部が時系列にQ値を算出し、順次、時系列に測定した測定範囲における前記Q値の平均二乗誤差が予め設定した閾値以下となる範囲ΔQ値を求め、このΔQ値が最小値となるQ値を解析結果のQ値として出力することを特徴とするQ値解析システム。 - 温度測定周期に対する熱変化の応答を示す係数である、前記未定係数の一つである指数分布のべき乗であるべき乗係数に対して初期値を設定し、該べき乗係数を順次変化させる平均誤差比較部をさらに有し、
前記予想室温演算部が前記べき乗を設定された値にて一定とし、他の未定係数を調整して平均二乗誤差が最小となる他の未定係数を同定し、前記平均誤差比較部が直前に求めた平均二乗誤差と、現在の平均二乗誤差とを比較し、Q値を求める未定係数を同定することを特徴とする請求項1に記載のQ値解析システム。 - 前記平均誤差比較部が直前に求めた平均二乗誤差と、現在の平均二乗誤差との比較において、直前の平均二乗誤差の方が小さい場合、直前の未定係数から求められるQ値を解析結果とし、直前の平均二乗誤差と等しいかまたは大きい場合、べき乗係数を変化させ、再度、前記予想室温演算部に変化させた前記べき乗係数にて平均二乗誤差の最小値を求めさせ、直前と現在の平均二乗誤差の比較を行うことを特徴とする請求項2に記載のQ値解析システム。
- 建物を1つの部屋とみなし、前記建物を熱抵抗及び熱容量で表現し、前記建物の内部と外部との熱交換の関係を示す熱回路モデルにより、前記建物のQ値を解析するQ値解析システムを用いたQ値解析方法であり、
予想室温演算部が、外乱の温度と該外乱に対する室温の応答係数との合成積に、発熱量と該発熱量に対する室温の応答係数との合成積を加算する構成であり、外乱及び室内間の総熱貫流抵抗を含む複数の係数を未定係数とした計算式にて、任意の外乱と任意の発熱とにより決定される前記部屋の室温を、該複数の未定係数を調整しつつ予想室温として算出し、実測した前記室温と前記予想室温との平均二乗誤差が最小となる複数の未定係数を同定する予想室温演算過程と、
Q値算出部が、同定された前記総熱貫流抵抗に建物の床面積の合計を乗算し、該乗算した数値の逆数をQ値として出力するQ値計算過程と
を有し、
前記予想室温演算部が時系列に前記未定係数を同定し、前記Q値算出部が時系列にQ値を算出し、順次、時系列に測定した測定範囲における前記Q値の平均二乗誤差が予め設定した閾値以下となる範囲ΔQ値を求め、このΔQ値が最小値となるQ値を解析結果のQ値として出力することを特徴とするQ値解析方法。 - 建物を1つの部屋とみなし、前記建物を熱抵抗及び熱容量で表現し、前記建物の内部と外部との熱交換の関係を示す熱回路モデルにより、前記建物のQ値を解析するQ値解析システムの動作をコンピュータに実行させるプログラムであり、
予想室温演算部が、外乱の温度と該外乱に対する室温の応答係数との合成積に、発熱量と該発熱量に対する室温の応答係数との合成積を加算する構成であり、外乱及び室内間の総熱貫流抵抗を含む複数の係数を未定係数とした計算式にて、任意の外乱と任意の発熱とにより決定される前記部屋の室温を、該複数の未定係数を調整しつつ予想室温として算出し、実測した前記室温と前記予想室温との平均二乗誤差が最小となる複数の未定係数を同定する予想室温演算処理と、
Q値算出部が、同定された前記総熱貫流抵抗に建物の床面積の合計を乗算し、該乗算した数値の逆数をQ値として出力するQ値計算処理と
を有し、
前記予想室温演算部が時系列に前記未定係数を同定し、前記Q値算出部が時系列にQ値を算出し、順次、時系列に測定した測定範囲における前記Q値の平均二乗誤差が予め設定した閾値以下となる範囲ΔQ値を求め、このΔQ値が最小値となるQ値を解析結果のQ値として出力するコンピュータ読み取り可能なプログラム。
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