JP2010077731A - 整流部材及びそれを備えた水栓装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小流量で吐水が開始された時でも、吐水口でエア噛みすることなく吐水することができる整流部材を提供する。
【解決手段】本発明は、吐水される水を整流化する整流部材20であって、吐水方向Wが鉛直下方向に対して鋭角αをなすように吐水するスパウト部2の吐水口2aに配置され、吐水を通過させて整流化する整流部材本体20aを有し、この整流部材本体は、その上側部分の領域を定める上側整流領域A1と、整流部材本体の整流領域全体の下側部分の領域を定める下側整流領域A2と、を含み、吐水が上側整流領域を通過する際の通水抵抗R1は、吐水が下側整流領域を通過する際の通水抵抗R2よりも低くなるように構成されている。
【選択図】図3
【解決手段】本発明は、吐水される水を整流化する整流部材20であって、吐水方向Wが鉛直下方向に対して鋭角αをなすように吐水するスパウト部2の吐水口2aに配置され、吐水を通過させて整流化する整流部材本体20aを有し、この整流部材本体は、その上側部分の領域を定める上側整流領域A1と、整流部材本体の整流領域全体の下側部分の領域を定める下側整流領域A2と、を含み、吐水が上側整流領域を通過する際の通水抵抗R1は、吐水が下側整流領域を通過する際の通水抵抗R2よりも低くなるように構成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、整流部材及びそれを備えた水栓装置に係り、吐水される水を整流化する整流部材及びそれを備えた水栓装置に関する。
従来の水栓装置においては、給水された水を吐水する吐水部に整流部材を設けることにより、吐水の流れを整流化するものが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
また、これらの水栓装置の吐水部に設けられる整流部材としては、メッシュ状の整流網を採用したもの(例えば、特許文献1参照)や、コイル状の弾性体を採用したもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。この他、縦横の仕切壁を採用した整流部材(例えば、特許文献3参照)や、黄銅やステンレスの帯板を屈曲させたり樹脂を加工した弾性材を採用した整流部材(例えば、特許文献4参照)も知られている。
また、これらの水栓装置の吐水部に設けられる整流部材としては、メッシュ状の整流網を採用したもの(例えば、特許文献1参照)や、コイル状の弾性体を採用したもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。この他、縦横の仕切壁を採用した整流部材(例えば、特許文献3参照)や、黄銅やステンレスの帯板を屈曲させたり樹脂を加工した弾性材を採用した整流部材(例えば、特許文献4参照)も知られている。
しかしながら、吐水口における吐水の方向が鉛直下方向に対して鋭角をなすように構成されている水栓装置の吐水部において、上述した従来のような整流部材を採用した場合には、止水時に整流部材の上側付近にエアが溜まってしまい、この溜まったエアが次の吐水時に吐水口の上側領域の流れを阻害するという問題がある。
特に小流量で吐水が開始された時には、吐水口における吐水は、吐水口の下方から上方に向かって流量を増やし、その速度も弁の開閉が電気的に行われた場合には瞬時のため、吐水口内部にエアが残留しやすいという問題がある。また、吐水用の弁の開閉が手動操作によって行われた場合であっても、吐水口内部にエアが残留してしまう可能性は有り得るため、このような残留したエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されてしまうといった問題が発生する。また、このエア噛みした状態で、吐水口から吐水されると見た目にも美しいとは言えないばかりではなく、使用者に故障したと誤認させる恐れがあるという問題もある。
特に小流量で吐水が開始された時には、吐水口における吐水は、吐水口の下方から上方に向かって流量を増やし、その速度も弁の開閉が電気的に行われた場合には瞬時のため、吐水口内部にエアが残留しやすいという問題がある。また、吐水用の弁の開閉が手動操作によって行われた場合であっても、吐水口内部にエアが残留してしまう可能性は有り得るため、このような残留したエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されてしまうといった問題が発生する。また、このエア噛みした状態で、吐水口から吐水されると見た目にも美しいとは言えないばかりではなく、使用者に故障したと誤認させる恐れがあるという問題もある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、小流量で吐水が開始された時でも、吐水口でエア噛みすることなく吐水することができる整流部材及びそれを備えた水栓装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、吐水される水を整流化する整流部材であって、吐水方向が鉛直下方向に対して鋭角をなす吐水口に配置され、吐水を通過させて整流化する整流部材本体を有し、この整流部材本体は、その上側部分の領域を定める上側整流領域と、下側部分の領域を定める下側整流領域と、を含み、吐水が上記上側整流領域を通過する際の通水抵抗が、吐水が上記下側整流領域を通過する際の通水抵抗よりも低くなるように構成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、上側整流領域の通水抵抗が、下側整流領域の通水抵抗よりも低いため、吐水手段の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われると共に、上側整流領域付近に溜まっているエアが抜けやすくなる。それゆえ、特に小流量で吐水が開始された時でも、通水抵抗が低い上側整流領域から先に吐水が行われ、この吐水と同時に、上側整流領域に溜まっていたエアが抜けるため、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることを防止することができる。
このように構成された本発明においては、上側整流領域の通水抵抗が、下側整流領域の通水抵抗よりも低いため、吐水手段の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われると共に、上側整流領域付近に溜まっているエアが抜けやすくなる。それゆえ、特に小流量で吐水が開始された時でも、通水抵抗が低い上側整流領域から先に吐水が行われ、この吐水と同時に、上側整流領域に溜まっていたエアが抜けるため、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることを防止することができる。
本発明において、好ましくは、上側整流領域と下側整流領域のそれぞれは、開口面積が異なる複数の孔が形成され、これら複数の孔のうちの最大開口面積を有する孔は、下側整流領域よりも上側整流領域に多く形成されている。
このように構成された本発明においては、最大開口面積を有する孔が下側整流領域よりも上側整流領域に多く形成されているため、吐水が上側整流領域を通過する際の通水抵抗が下側整流領域を通過する際の通水抵抗よりも低くなる。それゆえ、吐水手段の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われると共に、上側整流領域付近に溜まっているエアが抜けやすくなる。したがって、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることを防止することができる。
このように構成された本発明においては、最大開口面積を有する孔が下側整流領域よりも上側整流領域に多く形成されているため、吐水が上側整流領域を通過する際の通水抵抗が下側整流領域を通過する際の通水抵抗よりも低くなる。それゆえ、吐水手段の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われると共に、上側整流領域付近に溜まっているエアが抜けやすくなる。したがって、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることを防止することができる。
本発明において、好ましくは、上側整流領域と下側整流領域のそれぞれは、開口面積が異なる複数の孔が形成され、これら複数の孔のうちの最大開口面積を有する孔は、上側整流領域のみに形成されている。
このように構成された本発明においては、最大開口面積を有する孔が上側整流領域のみに形成されているため、吐水が上側整流領域を通過する際の通水抵抗が下側整流領域を通過する際の通水抵抗よりもさらに低くなる。それゆえ、吐水手段の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われる共に、上側整流領域付近に溜まっているエアがより抜けやすくなる。したがって、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることをより防止することができる。
このように構成された本発明においては、最大開口面積を有する孔が上側整流領域のみに形成されているため、吐水が上側整流領域を通過する際の通水抵抗が下側整流領域を通過する際の通水抵抗よりもさらに低くなる。それゆえ、吐水手段の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われる共に、上側整流領域付近に溜まっているエアがより抜けやすくなる。したがって、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることをより防止することができる。
本発明において、好ましくは、複数の孔のうち、最小開口面積を有する孔は、下側整流領域のみに形成されている。
このように構成された本発明においては、複数の孔のうち、最小開口面積を有する孔が下側整流領域のみに形成されているため、吐水が上側整流領域を通過する際の通水抵抗が下側整流領域を通過する際の通水抵抗よりもさらに低くなる。それゆえ、吐水手段の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われると共に、上側整流領域付近に溜まっているエアがより抜けやすくなる。したがって、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることをより防止することができる。
このように構成された本発明においては、複数の孔のうち、最小開口面積を有する孔が下側整流領域のみに形成されているため、吐水が上側整流領域を通過する際の通水抵抗が下側整流領域を通過する際の通水抵抗よりもさらに低くなる。それゆえ、吐水手段の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われると共に、上側整流領域付近に溜まっているエアがより抜けやすくなる。したがって、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることをより防止することができる。
本発明において、好ましくは、上側整流領域と下側整流領域のそれぞれは、開口面積が異なる複数の孔が形成され、上側整流領域に形成された複数の孔の総開口面積は、下側整流領域に形成された複数の孔の総開口面積よりも大きい。
このように構成された本発明においては、上側整流領域に形成された複数の孔の総開口面積が下側整流領域に形成された複数の孔の総開口面積よりも大きいため、吐水が上側整流領域を通過する際の通水抵抗が下側整流領域を通過する際の通水抵抗よりもさらに低くなる。それゆえ、吐水手段の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われると共に、上側整流領域付近に溜まっているエアがより抜けやすくなる。したがって、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることをより防止することができる。
このように構成された本発明においては、上側整流領域に形成された複数の孔の総開口面積が下側整流領域に形成された複数の孔の総開口面積よりも大きいため、吐水が上側整流領域を通過する際の通水抵抗が下側整流領域を通過する際の通水抵抗よりもさらに低くなる。それゆえ、吐水手段の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われると共に、上側整流領域付近に溜まっているエアがより抜けやすくなる。したがって、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることをより防止することができる。
本発明において、好ましくは、整流部材本体は、吐水口の吐水方向に向かって凸状に湾曲した状態で吐水口に配置されている。
このように構成された本発明においては、整流部材が吐水口の吐水方向に向かって凸状に湾曲した状態で吐水口に配置されているため、止水時に吐水口の中心から水が引いていくので、吐水の見た目が美しくなる。また、吐水中においては、整流部材の湾曲形状により吐水口の外側への広がりを持った流れとなり、見た目にも美しい幅広な吐水を持続することができる。
このように構成された本発明においては、整流部材が吐水口の吐水方向に向かって凸状に湾曲した状態で吐水口に配置されているため、止水時に吐水口の中心から水が引いていくので、吐水の見た目が美しくなる。また、吐水中においては、整流部材の湾曲形状により吐水口の外側への広がりを持った流れとなり、見た目にも美しい幅広な吐水を持続することができる。
本発明は、本発明の整流部材が吐水口に設けられていることを特徴とする水栓装置である。
このように構成された本発明においては、上側整流領域の通水抵抗が、下側整流領域の通水抵抗よりも低いため、吐水部の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われる共に、上側整流領域付近に溜まっているエアが抜けやすくなる。それゆえ、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることを防止する水栓装置とすることができる。
このように構成された本発明においては、上側整流領域の通水抵抗が、下側整流領域の通水抵抗よりも低いため、吐水部の吐水口から吐水が開始される際、整流部材の下側整流領域よりも先に上側整流領域から吐水が行われる共に、上側整流領域付近に溜まっているエアが抜けやすくなる。それゆえ、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域付近に溜まっているエアによって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口から吐水されることを防止する水栓装置とすることができる。
本発明の整流部材及びそれを備えた水栓装置によれば、小流量で吐水が開始された時でも、吐水口でエア噛みすることなく吐水することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態による整流部材及びそれを備えた水栓装置について説明する。
まず、図1は、本実施形態による水栓装置全体を示す斜視図である。図1に示すように、本発明の一実施形態による水栓装置1は、吐水口2aが設けられた吐水手段であるスパウト部2と、洗面カウンタ4に取り付けられた操作部6と、洗面ボウル8が配置された洗面カウンタ4の下側に配置された水栓機能部10と、を有する。
本実施形態による水栓装置1は、操作部6を操作することにより、水栓機能部10に電気信号が送られ、各機能を実行することができるようになっている。すなわち、水栓装置1は、操作部6を押圧操作することにより、スパウト部2の吐水口2aからの吐水、止水の切り換え及び吐水流量の調整を行うことができ、操作部6を回転操作することにより、吐水温度の調整を行うことができるようになっている。すなわち、本実施形態の水栓装置1は、操作部6により、吐水、止水の切り換え、及び流量調整機能、温度調整機能を果たすことができるようになっている。
つぎに、図2は本実施形態による水栓装置のスパウト部を示す拡大斜視図であり、図3は本実施形態による水栓装置のスパウト部を示す側面断面図である。ここで、図2及び図3において、吐水口における吐水の方向を矢印Wで示している。
図2及び図3に示すように、スパウト部2の吐水口2aの内部には、詳細は後述する整流部材20が吐水口2aの吐水方向Wに向かって凸状に湾曲した状態で配置されている。これにより、スパウト部2内の流路2bを吐水口2aに向かって流れる吐水は、整流部材20を通過して整流化された後、吐水口2aから吐水されるようになっている。
また、図2及び図3に示すように、スパウト部2の吐水口2aは、その吐水方向Wが鉛直下方向に対して鋭角αをなすように形成され、その横断面が長方形形状となっている。このような吐水口2aから吐水された水は、洗面ボウル8内に向けてスパウト部2の吐水口2aの前方斜め下方に幅広の状態で流下するようになっている。
つぎに、図2〜図4を参照して、上述した整流部材20の構成について詳細に説明する。図4は、本実施形態の水栓装置に用いられる整流部材を示す平面図である。
図2〜図4に示すように、整流部材20は、ほぼ一定の幅wとこれよりも長い長さL1を有する薄い帯板状のステンレス鋼板によって形成された整流部材本体20aを備えている。
この整流部材本体20aは、吐水口2aの内部に設置されているが、整流部材本体20aの長さL1が吐水口2aの長方形状の横断面の横幅L2よりも長いため、吐水口2aの吐水方向Wに向かって凸状に湾曲するように弾性曲げを受けた状態で吐水口2aの内部に取り付けられている。
図2〜図4に示すように、整流部材20は、ほぼ一定の幅wとこれよりも長い長さL1を有する薄い帯板状のステンレス鋼板によって形成された整流部材本体20aを備えている。
この整流部材本体20aは、吐水口2aの内部に設置されているが、整流部材本体20aの長さL1が吐水口2aの長方形状の横断面の横幅L2よりも長いため、吐水口2aの吐水方向Wに向かって凸状に湾曲するように弾性曲げを受けた状態で吐水口2aの内部に取り付けられている。
また、整流部材本体20aは、スパウト部2の流路2bを吐水口2aに向かって流れる吐水を通過させて整流化する整流領域全体Aを形成している。
この整流領域全体Aは、その上側半分の整流領域を定める上側整流領域A1と、その下側半分の整流領域を定める下側整流領域A2の2つの整流領域A1,A2によって構成されている。
この整流領域全体Aは、その上側半分の整流領域を定める上側整流領域A1と、その下側半分の整流領域を定める下側整流領域A2の2つの整流領域A1,A2によって構成されている。
また、上側整流領域A1には、開口面積が異なる複数の孔20b,20c,20d,20eが配列されており、これらの複数の孔20b,20c,20d,20eを吐水が通過することにより整流化されるようになっている。
ここで、これらの上側整流領域A1の複数の孔20b,20c,20d,20eについては、開口面積の小さい順に第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、第4孔20eとなっている。
ここで、これらの上側整流領域A1の複数の孔20b,20c,20d,20eについては、開口面積の小さい順に第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、第4孔20eとなっている。
一方、下側整流領域A2には、上側整流領域A1の最も開口面積が小さい第1孔20bと同一の複数の孔20bのみが配列されており、これらの複数の第1孔20bを吐水が通過することにより整流化されるようになっている。
また、上側整流領域A1及び下側整流領域A2を通過する吐水の通水抵抗は、複数の孔のそれぞれの開口面積の差にもよるところはあるが、特に、上側整流領域A1及び下側整流領域A2のそれぞれに配列されている複数の孔の総開口面積によって影響される。
本実施形態の整流部材20においては、整流部材本体20aの上側整流領域A1に配列されている複数の第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、及び、第4孔20eの総開口面積S1は、下側整流領域A2の複数の第1孔20bの総開口面積S2よりも大きくなっており、吐水が上側整流領域A1を通過する際の通水抵抗R1は、吐水が下側整流領域A2を通過する際の通水抵抗R2よりも低くなるようになっている。
本実施形態の整流部材20においては、整流部材本体20aの上側整流領域A1に配列されている複数の第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、及び、第4孔20eの総開口面積S1は、下側整流領域A2の複数の第1孔20bの総開口面積S2よりも大きくなっており、吐水が上側整流領域A1を通過する際の通水抵抗R1は、吐水が下側整流領域A2を通過する際の通水抵抗R2よりも低くなるようになっている。
なお、上述した整流部材本体20aの上側整流領域A1の第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、第4孔20eと下側整流領域A2の第1孔20bの孔の形状については特に限定されず、円形であってもよいし、矩形であってもよいし、その他、複雑な多角形形状や多次元曲線形状であってもよい。
つぎに、図1〜図5を参照して、本実施形態の整流部材及びそれを備えた水栓装置の作用について説明する。図5は、本実施形態の整流部材の作用を説明する説明図である。
まず、水栓装置1の操作部6を操作することにより、水栓機能部10に電気信号が送られ、スパウト部2の吐水口2aからの吐水操作が行われると、スパウト部2の流路2b内の吐水は、整流部材20の整流部材本体20aの上側整流領域A1の第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、第4孔20e及び下側整流領域A2の第1孔20bのそれぞれを通過して整流化され、吐水口2aに向かって流れる。
まず、水栓装置1の操作部6を操作することにより、水栓機能部10に電気信号が送られ、スパウト部2の吐水口2aからの吐水操作が行われると、スパウト部2の流路2b内の吐水は、整流部材20の整流部材本体20aの上側整流領域A1の第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、第4孔20e及び下側整流領域A2の第1孔20bのそれぞれを通過して整流化され、吐水口2aに向かって流れる。
特に、上側整流領域A1に配列されている複数の第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、及び、第4孔20eの総開口面積S1が下側整流領域A2の複数の第1孔20bの総開口面積S2よりも大きく、上側整流領域A1の通水抵抗R1が下側整流領域A2の通水抵抗R2より低いため、整流部材本体20aの上側整流領域A1を通過する吐水の流量Q1,Q1’は、下側整流領域A2を通過する吐水の流量Q2よりも多くなる。また、図5に示すように、上側整流領域A1内の吐水の流量Q1,Q1’においては、上側整流領域A1に配列される複数の孔の総開口面積が大きいため、上側整流領域A1内の上側部分の流量Q1の方が、上側整流領域A1内の下側部分の流量Q1’よりも多くなる。
そして、吐水操作前の止水時からすでに整流部材本体20a付近に溜まっていたエア22は、整流部材本体20aの上側整流領域A1の第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、及び、第4孔20eの特に開口面積の大きい孔の方から優先的に吐水と共に通過し、吐水口2aの外部へ排出される。これによって、整流部材本体20a付近においてエア22が抜け切った状態が維持され、吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)を起こすことなく吐水口2aからの安定した吐水が継続される。
そして、吐水操作前の止水時からすでに整流部材本体20a付近に溜まっていたエア22は、整流部材本体20aの上側整流領域A1の第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、及び、第4孔20eの特に開口面積の大きい孔の方から優先的に吐水と共に通過し、吐水口2aの外部へ排出される。これによって、整流部材本体20a付近においてエア22が抜け切った状態が維持され、吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)を起こすことなく吐水口2aからの安定した吐水が継続される。
上述した本実施形態による整流部材20及びそれを備えた水栓装置1によれば、整流部材20の整流部材本体20aの上側整流領域A1における通水抵抗R1が、下側整流領域A2の通水抵抗R2よりも低いため、スパウト部2の吐水口2aから吐水が開始される際、下側整流領域A2よりも先に上側整流領域A1から吐水が行われると共に、この吐水によって上側整流領域A1付近に溜まっているエア22が抜けやすくなる。それゆえ、小流量で吐水が開始された時でも、上側整流領域A1付近に溜まっているエア22によって吐水割れした状態(いわゆる「エア噛みした状態」)で吐水口2aから吐水されることを防止することができる。
また、本実施形態による整流部材20及びそれを備えた水栓装置1によれば、整流部材20がスパウト部2の吐水口2aの内部に吐水口2aの吐水方向Wに向かって凸状に湾曲した状態で配置されているため、止水時に吐水口2aの中心から水が引いていくので、吐水の見た目が美しくなる。また、吐水中においては、整流部材20による吐水口2aの吐水方向Wに向かって凸状に湾曲した形状により、吐水口2aの外側への広がりを持った流れとなり、幅広な吐水を持続することができる。
上述した本実施形態の整流部材20においては、上側整流領域A1内における複数の第1孔20b、第2孔20c、第3孔20d、及び、第4孔20eについての個数や配列パターン、及び下側整流領域A2の第1孔20bの個数や配列パターンについては、ほんの一例を説明したにすぎず、上側整流領域A1の通水抵抗R1が下側整流領域A2の通水抵抗R2よりも低くなるように設定したものであれば、さまざまなバリエーションが適用可能である。
図6は本実施形態の第1変形例による整流部材を示す平面図であり、図7は本実施形態の第2変形例による整流部材を示す平面図である。ここで、図6及び図7において、図5と同一部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態の第1変形例による整流部材30においては、本実施形態の整流部材20の上側整流領域A1の第2孔20cと第3孔20dを配列しない代わりに、上側整流領域A1に占める第4孔20eの個数を整流部材20よりも多く配列することによって、上側整流領域A1の総開口面積S1を下側整流領域A2の総開口面積S2よりも大きく設定し、整流部材30の上側整流領域A1の通水抵抗R1が下側整流領域A2の通水抵抗R2より低くなるように設定してもよい。
図6に示すように、本実施形態の第1変形例による整流部材30においては、本実施形態の整流部材20の上側整流領域A1の第2孔20cと第3孔20dを配列しない代わりに、上側整流領域A1に占める第4孔20eの個数を整流部材20よりも多く配列することによって、上側整流領域A1の総開口面積S1を下側整流領域A2の総開口面積S2よりも大きく設定し、整流部材30の上側整流領域A1の通水抵抗R1が下側整流領域A2の通水抵抗R2より低くなるように設定してもよい。
また、図7に示すように、本実施形態の第2変形例による整流部材40においては、上側整流領域A1に占める第4孔20eの個数を第1変形例による整流部材30よりもさらに多く配列することによって、整流部材30の上側整流領域A1の通水抵抗R1が下側整流領域A2の通水抵抗R2よりもさらに低くなるように設定してもよい。
1 水栓装置
2 スパウト部
2a 吐水口
2b 流路
4 洗面カウンタ
6 操作部
8 洗面ボウル
10 水栓機能部
20 整流部材
20a 整流部材本体
20b,20c,20d,20e 孔
22 エア
A 整流領域全体
A1 上側整流領域
A2 下側整流領域
L1 整流部材本体の長さ
L2 吐水口の横幅
W 吐水方向
2 スパウト部
2a 吐水口
2b 流路
4 洗面カウンタ
6 操作部
8 洗面ボウル
10 水栓機能部
20 整流部材
20a 整流部材本体
20b,20c,20d,20e 孔
22 エア
A 整流領域全体
A1 上側整流領域
A2 下側整流領域
L1 整流部材本体の長さ
L2 吐水口の横幅
W 吐水方向
Claims (7)
- 吐水される水を整流化する整流部材であって、
吐水方向が鉛直下方向に対して鋭角をなす吐水口に配置され、吐水を通過させて整流化する整流部材本体を有し、この整流部材本体は、その上側部分の領域を定める上側整流領域と、下側部分の領域を定める下側整流領域と、を含み、吐水が上記上側整流領域を通過する際の通水抵抗が、吐水が上記下側整流領域を通過する際の通水抵抗よりも低くなるように構成されていることを特徴とする整流部材。 - 上記上側整流領域と上記下側整流領域のそれぞれは、開口面積が異なる複数の孔が形成され、これら複数の孔のうちの最大開口面積を有する孔は、上記下側整流領域よりも上記上側整流領域に多く形成されている請求項1記載の整流部材。
- 上記上側整流領域と上記下側整流領域のそれぞれは、開口面積が異なる複数の孔が形成され、これら複数の孔のうちの最大開口面積を有する孔は、上記上側整流領域のみに形成されている請求項1記載の整流部材。
- 上記複数の孔のうち、最小開口面積を有する孔は、上記下側整流領域のみに形成されている請求項2又は請求項3に記載の整流部材。
- 上記上側整流領域と上記下側整流領域のそれぞれは、開口面積が異なる複数の孔が形成され、上記上側整流領域に形成された複数の孔の総開口面積は、上記下側整流領域に形成された複数の孔の総開口面積よりも大きい請求項1記載の整流部材。
- 上記整流部材本体は、上記吐水口の吐水方向に向かって凸状に湾曲した状態で上記吐水口に配置されている請求項1乃至5の何れか1項に記載の整流部材。
- 請求項1から6の何れか1項に記載の整流部材が吐水口に設けられていることを特徴とする水栓装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008249117A JP2010077731A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | 整流部材及びそれを備えた水栓装置 |
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JP2008249117A JP2010077731A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | 整流部材及びそれを備えた水栓装置 |
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ID=42208449
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200463955Y1 (ko) | 2010-08-09 | 2012-12-04 | 이재춘 | 대붙이 냉온수 혼합꼭지 |
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-
2008
- 2008-09-26 JP JP2008249117A patent/JP2010077731A/ja active Pending
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