JP2010077109A - 複素環化合物およびその用途 - Google Patents

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智康 石川
Tomohiro Ohashi
知洋 大橋
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Abstract

【課題】強力なRaf阻害活性を示す複素環化合物を提供すること。
【解決手段】式
Figure 2010077109

〔式中、各置換基の定義は本文中と同意義を示す。〕で表される化合物またはその塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロドラッグとして作用し得る複素環化合物およびその用途に関する。より詳細には、生体内で強力なRaf阻害活性を発揮し、癌の予防・治療等に有用な複素環化合物に関する。
本明細書中、「プロドラッグ」とは、生体内における生理条件下で、酵素による反応(例、酸化、還元、加水分解)や胃酸等による反応(例、加水分解)により、薬理作用を発揮する化合物に変換される化合物のことをいう。
(発明の背景)
増殖、転移、浸潤など多くの癌細胞の活動は、増殖因子による刺激および変異により活性化されるRTK:レセプターチロシンキナーゼ(EGFR、HER2など)からの細胞内シグナル伝達を介して引き起こされており、その活性化シグナルはRASタンパク質を介して下流へと伝達されている。Rasを介する細胞内のシグナル伝達経路としては、Ras/Raf/MEK/ERK経路がもっとも良く知られており、細胞増殖、細胞運動、形質変異、およびアポトーシス(細胞死)抵抗性など、種々の細胞機能の制御に深く関与している。
この経路の遮断を狙い、近年、増殖因子受容体に対する阻害薬、たとえば上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)阻害薬ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)、エルロチニブ(商品名:タルセバ)やヒト上皮増殖因子受容体タイプ2(HER2)阻害抗体トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)が上市され、臨床において、肺癌、乳癌など、既に幾つかの癌腫に対する治療に有効である事が報告されている。また、血管内皮増殖因子(VEGF)の阻害抗体ベバシズマブ(商品名:アバスチン)も、腫瘍内新生血管内皮細胞においてVEGFRの活性化を阻害し、抗腫瘍作用を示す事が示されている。これらの薬剤は腫瘍増殖抑制作用を示す際、標的細胞である癌、および血管内皮細胞内で、受容体酵素活性の阻害、受容体活性化の阻害を通じて、下流のシグナル伝達系を抑制している。
一方、このRas/Raf/MEK/ERK経路は、癌において、高頻度の変異を起こす事も良く知られている。Ras遺伝子は膵臓癌では全体の約90%、非小細胞肺癌では約35%、肝臓癌の約30%などを始め様々な癌でコドン12、13または61において活性化型変異が生じていることが報告されており、Rasの変異と癌の悪性化との相関について多くの報告がなされている。
Raf遺伝子では、B−Rafに、癌でキナーゼドメインに活性化の変異を生じている例が報告されている。悪性黒色皮腫(メラノーマ)では全体の約60%、甲状腺癌では約30%、結腸癌においては約15%など、様々な癌でB−Raf変異、特にV600Eが生じていることが知られている。特にB−Raf(V600E)キナーゼは、野生型B−Rafキナーゼの約13倍のMEKリン酸化活性を有し、B−Rafに変異を有する癌の増殖に、B−Rafの活性が深く関与している。
これらの癌では、上流の増殖因子受容体活性およびRasを阻害したとしても、恒常活性化しているRafキナーゼ以降のシグナル伝達系を抑制はできない。この場合、下流シグナル(Raf/MEK/ERKシグナル伝達系)の抑制は期待できないことから、腫瘍増殖抑制活性も期待できない。例えば、B−Raf変異の頻度が高いメラノーマは、高転移性で5年後生存率が6%程度であり、現在有望な治療薬は存在しない。
Rafキナーゼは、Ras/Raf/MEK/ERK経路の中で、変異により活性化される最も下流の分子にあたり、Raf活性を阻害する化合物は、増殖因子受容体の変異やリガンド刺激による過剰活性化によって引き起こされる癌、またRasの活性化型変異によって引き起こされる癌、何れの治療薬としても有効と考えられる。
Rafは、セリン/スレオニンキナーゼであり、3つのアイソフォームA−Raf、B−Rafおよびc−Rafの存在が知られている。Rafは、Rasによって活性化を受け、下流分子MEKをリン酸化する。それにより活性化されたMEKは、さらにERKをリン酸化することでさらに下流へとシグナルが伝達される。3つのアイソフォームのうち、B−Rafキナーゼは、基底状態においてMEKをリン酸化する活性が、A−Raf、c−Rafキナーゼ活性の約15〜20倍であり非常に強い。また、活性化を受ける過程についても、c−Rafは最大活性を得るためにはアクチベーションループ内のセリン338位についてリン酸化を受けなければならないが(A−Rafでも同様)、B−Rafについては相当する配列が常にリン酸化された状態となっており、A−Raf、c−Rafと比較して活性化されやすいことが知られている。
B−Rafキナーゼ活性、変異型B−Rafキナーゼを阻害する化合物であれば、特に予後不良の癌で細胞増殖を抑制すると考えられ、従って、増殖因子受容体酵素活性の阻害薬が無効である癌に対しても有効な癌治療薬となる。
Raf阻害薬としては、ソラフェニブ関連誘導体(特許文献1〜3、非特許文献1)、ベンジリデン誘導体(特許文献4)、イミダゾール誘導体(特許文献5〜8)、ピリジルフラン誘導体(特許文献9〜12)、ベンズアゾール誘導体(特許文献13〜15)、チアゾロピリジン誘導体(特許文献16、17)等が知られている。
国際公開第2000/42012号パンフレット 国際公開第2000/41698号パンフレット 国際公開第2002/62763号パンフレット 国際公開第99/10325号パンフレット 国際公開第2002/94808号パンフレット 国際公開第2002/24680号パンフレット 国際公開第2001/66540号パンフレット 国際公開第2001/66539号パンフレット 国際公開第2003/22838号パンフレット 国際公開第2003/22837号パンフレット 国際公開第2003/22836号パンフレット 国際公開第2003/22833号パンフレット 国際公開第2003/082272号パンフレット 国際公開第2005/032548号パンフレット 国際公開第2007/030377号パンフレット 国際公開第2006/071035号パンフレット 国際公開第2007/058482号パンフレット Current Pharmaceutical Design,2000,8,2269−2278
薬効発現、薬物動態、溶解性、他の医薬品との相互作用、安全性、安定性の点で優れたRaf阻害薬は、治療上優れた効果を期待できる。しかしながら、現状では、薬効発現、薬物動態、溶解性、他の医薬品との相互作用、安全性、安定性の点で十分満足できるものが見いだされていない。
特に、薬効成分の生体内への吸収性は、薬理作用の発現や強度、あるいは持続時間を左右する重要な要素であり、全ての医薬において、安定かつ良好な吸収性を有することが求められている。しかし、薬理作用を有する化合物には、難溶性等のために生体内への吸収性に乏しいものも多く、その吸収性が障害となり実用化に至らなかった化合物も多い。
従って、本発明の目的は、癌を予防・治療するために、生体内への吸収性に優れ、生体内で強力なRaf阻害活性を発揮する、医薬品として十分満足できる化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の式で示される化合物またはその塩が、プロドラッグとして作用することで、生体内への吸収性に優れ、生体内で優れたRaf阻害活性を有することなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕式:
Figure 2010077109
[式中、
は、アシル、または置換基を有していてもよい環状基を示し;
は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し;
Xは、−O−または−NR−を示し;
Yは、−NR−CO−または−CO−NR−を示し;
およびZは、
(1)Zが−NR−であり、かつZが=N−であるか、または
(2)Zが−N=であり、かつZが−NR−であり;
、RおよびRは、それぞれ同一または異なって、
(1)水素原子、
(2)C1−3アルキル、
(3)−CO−C1−6アルキル、
(4)−CO−C3−6シクロアルキル、
(5)−CO−O−C1−6アルキル、
(6)−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(7)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(8)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(9)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(10)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(11)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(12)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(13)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(14)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(15)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、または
(16)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル
を示し;そして
環Aは、さらに置換基を有していてもよい環を示す。
但し、以下の組み合わせを除く:
Xが、−O−、−NH−または−N(CH)−であり、
Yが、−NH−CO−または−CO−NH−であり、かつ
が水素原子である。]
で表される化合物(以下、化合物(I)と略記することがある。)またはその塩;
〔2〕式
Figure 2010077109
(式中の各記号は、上記〔1〕と同意義を示す。)で表される、上記〔1〕記載の化合物;
〔3〕式
Figure 2010077109
(式中の各記号は、上記〔1〕と同意義を示す。)で表される、上記〔1〕記載の化合物;
〔4〕上記〔1〕記載の化合物もしくはその塩を含有してなる医薬;
〔5〕Raf阻害薬である上記〔4〕記載の医薬;
〔6〕癌の予防・治療薬である上記〔4〕記載の医薬;
〔7〕哺乳動物に対して、上記〔1〕記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とするRaf阻害方法;
〔8〕哺乳動物に対して、上記〔1〕記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする癌の予防・治療方法;
〔9〕Raf阻害薬を製造するための、上記〔1〕記載の化合物またはその塩の使用;
〔10〕癌の予防・治療薬を製造するための、上記〔1〕記載の化合物またはその塩の使用。
化合物(I)またはその塩(本明細書中、「本発明の化合物」と略記する場合がある)は、プロドラッグとして作用することで、生体内への吸収性に優れ、生体内で優れたRaf阻害活性(特に、B−Raf阻害活性)を発揮するので、癌の臨床上有用な予防・治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の転移抑制剤を提供することができる。
(発明の詳細な説明)
以下に、本発明を詳細に説明する。
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を示す。
本明細書中、「C1−3アルキル」とは、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルを示す。
本明細書中、「C1−6アルキル」とは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等を示す。
本明細書中、「C2−6アルケニル」とは、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等を示す。
本明細書中、「C2−6アルキニル」とは、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等を示す。
本明細書中、「C3−8シクロアルキル」とは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等を示す。
本明細書中、「C3−8シクロアルケニル」とは、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル等を示す。
本明細書中、「C6−10アリール」とは、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等を示す。
本明細書中、「アシル」としては、例えば、
(1)ホルミル、
(2)置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル、
(3)置換基を有していてもよいC2−6アルケニル−カルボニル、
(4)置換基を有していてもよいC2−6アルキニル−カルボニル、
(5)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル−カルボニル、
(6)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニル−カルボニル、
(7)置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル、
(8)置換基を有していてもよい複素環−カルボニル、
(9)カルボキシル、
(10)置換基を有していてもよいC1−6アルキルオキシ−カルボニル、
(11)置換基を有していてもよいC2−6アルケニルオキシ−カルボニル、
(12)置換基を有していてもよいC2−6アルキニルオキシ−カルボニル、
(13)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキルオキシ−カルボニル、
(14)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニルオキシ−カルボニル、
(15)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキニルオキシ−カルボニル、
(16)置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ−カルボニル、
(17)置換基を有していてもよい複素環−オキシ−カルボニル、
(18)置換基を有していてもよいカルバモイル、
等が挙げられる。
上記「置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル」の「C1−6アルキル−カルボニル」とは、例えば、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル」の「置換基」としては、以下の置換基A群から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は、置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
(置換基A群)
(1)ハロゲン原子;
(2)シアノ;
(3)ニトロ;
(4)ヒドロキシ;
(5)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C3−8シクロアルキル;
(6)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C6−10アリール;
(7)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし4個有していてもよい、C1−6アルキル−オキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ);
(8)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C2−6アルケニルオキシ(例、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、へキセニルオキシ);
(9)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C2−6アルキニルオキシ(例、エチニルオキシ、プロピニルオキシ、ブチニルオキシ、ペンチニルオキシ、ヘキシニルオキシ);
(10)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C3−8シクロアルキル−オキシ(例、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ);
(11)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C3−8シクロアルケニルオキシ(例、シクロプロペニルオキシ、シクロブテニルオキシ、シクロペンテニルオキシ、シクロヘキセニルオキシ);
(12)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C6−10アリールオキシ(例、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ);
(13)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C3−8シクロアルキル−C1−6アルキル−オキシ(例、シクロプロピルメチルオキシ、シクロプロピルエチルオキシ、シクロブチルメチルオキシ、シクロペンチルメチルオキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、シクロヘキシルエチルオキシ);
(14)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C3−8シクロアルケニル−C1−6アルキル−オキシ(例、シクロペンテニルメチルオキシ、シクロヘキセニルメチルオキシ、シクロヘキセニルエチルオキシ、シクロヘキセニルプロピルオキシ);
(15)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C6−10アリール−C1−6アルキル−オキシ(例、フェニルメチルオキシ、フェニルエチルオキシ);
(16)モノC1−6アルキル−アミノスルホニル(例、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、プロピルアミノスルホニル);
(17)ジC1−6アルキル−アミノスルホニル(例、ジメチルアミノスルホニル、ジエチルアミノスルホニル、ジプロピルアミノスルホニル);
(18)モノC1−6アルキル−アミノカルボニル(例、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル);
(19)ジC1−6アルキル−アミノカルボニル(例、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジプロピルアミノカルボニル);
(20)ホルミル;
(21)C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル);
(22)C2−6アルケニル−カルボニル(例、エテニルカルボニル、プロペニルカルボニル、ブテニルカルボニル、ペンテニルカルボニル、へキセニルカルボニル);
(23)C2−6アルキニル−カルボニル(例、エチニルカルボニル、プロピニルカルボニル、ブチニルカルボニル、ペンチニルカルボニル、ヘキシニルカルボニル);
(24)C3−8シクロアルキル−カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル);
(25)C3−8シクロアルケニル−カルボニル(例、シクロプロペニルカルボニル、シクロブテニルカルボニル、シクロペンテニルカルボニル、シクロヘキセニルカルボニル);
(26)C6−10アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフチルカルボニル、2−ナフチルカルボニル);
(27)C3−8シクロアルキル−C1−6アルキル−カルボニル(例、シクロプロピルメチルカルボニル、シクロプロピルエチルカルボニル、シクロブチルメチルカルボニル、シクロペンチルメチルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、シクロヘキシルエチルカルボニル);
(28)C3−8シクロアルケニル−C1−6アルキル−カルボニル(例、シクロペンテニルメチルカルボニル、シクロヘキセニルメチルカルボニル、シクロヘキセニルエチルカルボニル、シクロヘキセニルプロピルカルボニル);
(29)C6−10アリール−C1−6アルキル−カルボニル(例、ベンジルカルボニル、フェニルエチルカルボニル);
(30)5または6員の単環式芳香族複素環−カルボニル(例、フリルカルボニル、チエニルカルボニル、ピロリルカルボニル、オキサゾリルカルボニル、イソオキサゾリルカルボニル、チアゾリルカルボニル、イソチアゾリルカルボニル、イミダゾリルカルボニル、ピリジルカルボニル、ピラゾリルカルボニル);
(31)8ないし12員の縮合芳香族複素環−カルボニル(例、ベンゾフリルカルボニル、イソベンゾフリルカルボニル、ベンゾチエニルカルボニル、イソベンゾチエニルカルボニル、インドリルカルボニル、イソインドリルカルボニル、1H−インダゾリルカルボニル、ベンズイミダゾリルカルボニル、ベンズオキサゾリルカルボニル);
(32)3ないし8員(好ましくは5または6員)の非芳香族複素環−カルボニル(例、オキシラニルカルボニル、アゼチジニルカルボニル、オキセタニルカルボニル、チエタニルカルボニル、ピロリジニルカルボニル、テトラヒドロフリルカルボニル、チオラニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル);
(33)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル);
(34)C2−6アルケニルスルホニル(例、エテニルスルホニル、プロペニルスルホニル);
(35)C2−6アルキニルスルホニル(例、エチニルスルホニル、プロピニルスルホニル、ブチニルスルホニル、ペンチニルスルホニル、ヘキシニルスルホニル);
(36)C3−8シクロアルキルスルホニル(例、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル);
(37)C3−8シクロアルケニルスルホニル(例、シクロプロペニルスルホニル、シクロブテニルスルホニル);
(38)C6−10アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル);
(39)C3−8シクロアルキル−C1−6アルキル−スルホニル(例、シクロプロピルメチルスルホニル);
(40)C3−8シクロアルケニル−C1−6アルキル−スルホニル(例、シクロペンテニルメチルスルホニル);
(41)C6−10アリール−C1−6アルキル−スルホニル(例、ベンジルスルホニル);
(42)5または6員の単環式芳香族複素環−スルホニル(例、フリルスルホニル、チエニルスルホニル、ピリジルスルホニル);
(43)8ないし12員の縮合芳香族複素環−スルホニル(例、ベンゾフリルスルホニル、イソベンゾフリルスルホニル);
(44)3ないし8員(好ましくは5または6員)の非芳香族複素環−スルホニル(例、オキシラニルスルホニル、アゼチジニルスルホニル);
(45)アミノ;
(46)モノC1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert-ブチルアミノ);
(47)ジC1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジtert-ブチルアミノ);
(48)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、モノ(C1−6アルキル−カルボニル)アミノ(例、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、tert-ブチルカルボニルアミノ);
(49)モノ(C3−8シクロアルキル−カルボニル)アミノ(例、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ);
(50)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、モノ(C6−10アリール−カルボニル)アミノ(例、ベンゾイルアミノ);
(51)モノ(5または6員の単環式芳香族複素環−カルボニル)アミノ(例、フリルカルボニルアミノ、チエニルカルボニルアミノ、ピロリルカルボニルアミノ、オキサゾリルカルボニルアミノ、イソオキサゾリルカルボニルアミノ、チアゾリルカルボニルアミノ、イソチアゾリルカルボニルアミノ、イミダゾリルカルボニルアミノ、ピリジルカルボニルアミノ、ピラゾリルカルボニルアミノ);
(52)モノ(8ないし12員の縮合芳香族複素環−カルボニル)アミノ(例、ベンゾフリルカルボニルアミノ、イソベンゾフリルカルボニルアミノ、ベンゾチエニルカルボニルアミノ、イソベンゾチエニルカルボニルアミノ);
(53)モノ(3ないし8員(好ましくは5または6員)の非芳香族複素環−カルボニル)アミノ(例、オキシラニルカルボニルアミノ、アゼチジニルカルボニルアミノ、オキセタニルカルボニルアミノ);
(54)チオール;
(55)C1−6アルキルスルファニル(例、メチルスルファニル、エチルスルファニル);
(56)C2−6アルケニルスルファニル(例、エテニルスルファニル、プロペニルスルファニル);
(57)C2−6アルキニルスルファニル(例、エチニルスルファニル、プロピニルスルファニル、ブチニルスルファニル、ペンチニルスルファニル、ヘキシニルスルファニル);
(58)C3−8シクロアルキルスルファニル(例、シクロプロピルスルファニル、シクロブチルスルファニル);
(59)C3−8シクロアルケニルスルファニル(例、シクロプロペニルスルファニル、シクロブテニルスルファニル);
(60)C6−10アリールスルファニル(例、フェニルスルファニル);
(61)C3−8シクロアルキル−C1−6アルキル−スルファニル(例、シクロプロピルメチルスルファニル);
(62)C3−8シクロアルケニル−C1−6アルキル−スルファニル(例、シクロペンテニルメチルスルファニル);
(63)5または6員の単環式芳香族複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラゾリル);
(64)8ないし12員の縮合芳香族複素環基(例、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル);
(65)3ないし8員(好ましくは5または6員)の非芳香族複素環基(例、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジニル);
(66)5または6員の単環式芳香族複素環−オキシ(例、フリルオキシ、チエニルオキシ、ピロリルオキシ、オキサゾリルオキシ、イソオキサゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、イソチアゾリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピラゾリルオキシ);
(67)8ないし12員の縮合芳香族複素環−オキシ(例、ベンゾフリルオキシ、イソベンゾフリルオキシ、ベンゾチエニルオキシ、イソベンゾチエニルオキシ、インドリルオキシ、イソインドリルオキシ、1H−インダゾリルオキシ、ベンズイミダゾリルオキシ、ベンズオキサゾリルオキシ);
(68)3ないし8員(好ましくは5または6員)の非芳香族複素環−オキシ(例、オキシラニルオキシ、アゼチジニルオキシ、オキセタニルオキシ、チエタニルオキシ、ピロリジニルオキシ、テトラヒドロフリルオキシ、チオラニルオキシ、ピペリジニルオキシ);
(69)オキソ;
(70)C1−6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル);
(71)C2−6アルケニルスルフィニル(例、エテニルスルフィニル、プロペニルスルフィニル);
(72)C2−6アルキニルスルフィニル(例、エチニルスルフィニル、プロピニルスルフィニル、ブチニルスルフィニル、ペンチニルスルフィニル、ヘキシニルスルフィニル);
(73)C3−8シクロアルキルスルフィニル(例、シクロプロピルスルフィニル、シクロブチルスルフィニル);
(74)C3−8シクロアルケニルスルフィニル(例、シクロプロペニルスルフィニル、シクロブテニルスルフィニル);
(75)C6−10アリールスルフィニル(例、フェニルスルフィニル);
(76)C3−8シクロアルキル−C1−6アルキル−スルフィニル(例、シクロプロピルメチルスルフィニル);
(77)C3−8シクロアルケニル−C1−6アルキル−スルフィニル(例、シクロペンテニルメチルスルフィニル);
(78)モノC1−6アルキル−アミノチオカルボニル(例、メチルアミノチオカルボニル、エチルアミノチオカルボニル、プロピルアミノチオカルボニル);
(79)ジC1−6アルキル−アミノチオカルボニル(例、ジメチルアミノチオカルボニル、ジエチルアミノチオカルボニル、ジプロピルアミノチオカルボニル);
(80)カルボキシ;
(81)C1−6アルキル−オキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル);
(82)C2−6アルケニルオキシ−カルボニル(例、エテニルオキシカルボニル、プロペニルオキシカルボニル、ブテニルオキシカルボニル、ペンテニルオキシカルボニル、へキセニルオキシカルボニル);
(83)C2−6アルキニルオキシ−カルボニル(例、エチニルオキシカルボニル、プロピニルオキシカルボニル、ブチニルオキシカルボニル、ペンチニルオキシカルボニル、ヘキシニルオキシカルボニル);
(84)C3−8シクロアルキル−オキシ−カルボニル(例、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル);
(85)C3−8シクロアルケニルオキシ−カルボニル(例、シクロプロペニルオキシカルボニル、シクロブテニルオキシカルボニル、シクロペンテニルオキシカルボニル、シクロヘキセニルオキシカルボニル);
(86)C6−10アリールオキシ−カルボニル(例、フェニルオキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキシカルボニル);
(87)C3−8シクロアルキル−C1−6アルキル−オキシ−カルボニル(例、シクロプロピルメチルオキシカルボニル、シクロプロピルエチルオキシカルボニル、シクロブチルメチルオキシカルボニル、シクロペンチルメチルオキシカルボニル、シクロヘキシルメチルオキシカルボニル、シクロヘキシルエチルオキシカルボニル);
(88)C3−8シクロアルケニル−C1−6アルキル−オキシ−カルボニル(例、シクロペンテニルメチルオキシカルボニル、シクロヘキセニルメチルオキシカルボニル、シクロヘキセニルエチルオキシカルボニル、シクロヘキセニルプロピルオキシカルボニル);および
(89)C6−10アリール−C1−6アルキル−オキシ−カルボニル(例、フェニルメチルオキシカルボニル、フェニルエチルオキシカルボニル)
からなる置換基群。
上記「置換基を有していてもよいC2−6アルケニル−カルボニル」の「C2−6アルケニル−カルボニル」とは、例えば、エテニルカルボニル、プロペニルカルボニル、ブテニルカルボニル、ペンテニルカルボニル、ヘキセニルカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC2−6アルケニル−カルボニル」の「置換基」としては、置換基A群から選ばれる置換基が挙げられ、置換基数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC2−6アルキニル−カルボニル」の「C2−6アルキニル−カルボニル」とは、例えば、エチニルカルボニル、プロピニルカルボニル、ブチニルカルボニル、ペンチニルカルボニル、ヘキシニルカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC2−6アルキニル−カルボニル」の「置換基」としては、上記置換基A群から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル−カルボニル」の「C3−8シクロアルキル−カルボニル」とは、例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル、シクロオクチルカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル−カルボニル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)置換基A群から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニル−カルボニル」の「C3−8シクロアルケニル−カルボニル」とは、例えば、シクロプロペニルカルボニル、シクロブテニルカルボニル、シクロペンテニルカルボニル、シクロヘキセニルカルボニル、シクロヘプテニルカルボニル、シクロオクテニルカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニル−カルボニル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)置換基A群(但し、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル」の「C6−10アリール−カルボニル」とは、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群(但し、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよい複素環−カルボニル」の「複素環」とは、例えば、(1)5または6員の単環式芳香族複素環(例、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピリジン、ピラゾール)、(2)8ないし12員の縮合芳香族複素環(例、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール)、(3)3ないし8員(好ましくは5または6員)の非芳香族複素環(例、オキシラン、アゼチジン、オキセタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チオラン、ピペリジン)等を示す。
上記「置換基を有していてもよい複素環−カルボニル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群(但し、芳香族複素環−カルボニルの場合、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC1−6アルキルオキシ−カルボニル」の「C1−6アルキルオキシ−カルボニル」とは、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC1−6アルキルオキシ−カルボニル」の「置換基」としては、上記置換基A群から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC2−6アルケニルオキシ−カルボニル」の「C2−6アルケニルオキシ−カルボニル」とは、例えば、エテニルオキシカルボニル、プロペニルオキシカルボニル、ブテニルオキシカルボニル、ペンテニルオキシカルボニル、ヘキセニルオキシカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC2−6アルケニルオキシ−カルボニル」の「置換基」としては、上記置換基A群から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC2−6アルキニルオキシ−カルボニル」の「C2−6アルキニルオキシ−カルボニル」とは、例えば、エチニルオキシカルボニル、プロピニルオキシカルボニル、ブチニルオキシカルボニル、ペンチニルオキシカルボニル、ヘキシニルオキシカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC2−6アルキニルオキシ−カルボニル」の「置換基」としては、上記置換基A群から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキルオキシ−カルボニル」の「C3−8シクロアルキルオキシ−カルボニル」とは、例えば、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘプチルオキシカルボニル、シクロオクチルオキシカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキルオキシ−カルボニル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニルオキシ−カルボニル」の「C3−8シクロアルケニルオキシ−カルボニル」とは、例えば、シクロプロペニルオキシカルボニル、シクロブテニルオキシカルボニル、シクロペンテニルオキシカルボニル、シクロヘキセニルオキシカルボニル、シクロヘプテニルオキシカルボニル、シクロオクテニルオキシカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニルオキシ−カルボニル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群(但し、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキニルオキシ−カルボニル」の「C3−8シクロアルキニルオキシ−カルボニル」とは、例えば、シクロプロピニルオキシカルボニル、シクロブチニルオキシカルボニル、シクロペンチニルオキシカルボニル、シクロヘキシニルオキシカルボニル、シクロヘプチニルオキシカルボニル、シクロオクチニルオキシカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキニルオキシ−カルボニル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群(但し、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ−カルボニル」の「C6−10アリールオキシ−カルボニル」とは、例えば、フェノキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキシカルボニル等を示す。
上記「置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ−カルボニル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群(但し、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよい複素環−オキシ−カルボニル」の「複素環」とは、例えば、(1)5または6員の単環式芳香族複素環(例、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピリジン、ピラゾール)、(2)8ないし12員の縮合芳香族複素環(例、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール)、(3)3ないし8員(好ましくは5または6員)の非芳香族複素環(例、オキシラン、アゼチジン、オキセタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チオラン、ピペリジン)等を示す。
上記「置換基を有していてもよい複素環−オキシ−カルボニル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群(但し、芳香族複素環−オキシ−カルボニルの場合、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいカルバモイル」とは、以下から選ばれる置換基を1または2個有していてもよいカルバモイルを示す:
(1)シアノ、
(2)置換基を有していてもよいC1−6アルキル、
(3)置換基を有していてもよいC2−6アルケニル、
(4)置換基を有していてもよいC2−6アルキニル、
(5)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル、
(6)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニル、
(7)置換基を有していてもよいC6−10アリール、
(8)置換基を有していてもよい複素環基(但し、炭素原子に結合手を有する)、
(9)ホルミル、
(10)置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル、
(11)置換基を有していてもよいC2−6アルケニル−カルボニル、
(12)置換基を有していてもよいC2−6アルキニル−カルボニル、
(13)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル−カルボニル、
(14)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニル−カルボニル、
(15)置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル、
(16)置換基を有していてもよい複素環−カルボニル、
(17)カルボキシル、
(18)置換基を有していてもよいC1−6アルキルオキシ−カルボニル、
(19)置換基を有していてもよいC2−6アルケニルオキシ−カルボニル、
(20)置換基を有していてもよいC2−6アルキニルオキシ−カルボニル、
(21)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキルオキシ−カルボニル、
(22)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニルオキシ−カルボニル、
(23)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキニルオキシ−カルボニル、
(24)置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ−カルボニル、および
(25)置換基を有していてもよい複素環−オキシ−カルボニル。
上記「置換基を有していてもよいC1−6アルキル」、「置換基を有していてもよいC2−6アルケニル」、および「置換基を有していてもよいC2−6アルキニル」の「置換基」としては、各々、上記置換基A群から選ばれる置換基(但し、オキソを除く)が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群から選ばれる置換基が挙げられ、置換基数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニル」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群から選ばれる置換基が挙げられる。置換基数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC6−10アリール」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群(但し、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよい複素環基(但し、炭素原子に結合手を有する)」としては、後述の「置換基を有していてもよい環状基」の「環状基」で例示する、芳香族複素環基(例、単環式芳香族複素環基、縮合芳香族複素環基)および非芳香族複素環基のうち、炭素原子に結合手を有するものが挙げられる。
上記「置換基を有していてもよい複素環基(但し、炭素原子に結合手を有する)」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群(但し、芳香族複素環の場合、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記「置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC2−6アルケニル−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC2−6アルキニル−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニル−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC6−10アリール−カルボニル」、「置換基を有していてもよい複素環−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC1−6アルキルオキシ−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC2−6アルケニルオキシ−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC2−6アルキニルオキシ−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキルオキシ−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルケニルオキシ−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキニルオキシ−カルボニル」、「置換基を有していてもよいC6−10アリールオキシ−カルボニル」および「置換基を有していてもよい複素環−オキシ−カルボニル」としては、各々、アシルとして例示したものが挙げられる。
本明細書中、「置換基を有していてもよい環状基」の「環状基」とは、例えば、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基(例、単環式芳香族複素環基、縮合芳香族複素環基)、非芳香族環状炭化水素基、非芳香族複素環基、これらの縮合環基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、C6−10アリール等が挙げられる。具体的には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられる。
単環式芳香族複素環基としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する、5ないし7員の単環式芳香族複素環基等が挙げられる。
単環式芳香族複素環基としては、具体的には、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアジアゾリル(例、1,3,4−チアジアゾール−2−イル)、トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イル)、トリアジニル(例、1,3,5−トリアジン−2−イル)等が挙げられる。
縮合芳香族複素環基としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する、5ないし7員の単環式芳香族複素環基等と、C6−10アリール等が縮合した基;上記5ないし7員の単環式芳香族複素環基同士が縮合した基等が挙げられる。
縮合芳香族複素環基としては、具体的には、キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル)、イソキノリル(例、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル)、キナゾリル(例、2−キナゾリル、4−キナゾリル)、キノキサリル(例、2−キノキサリル)、ベンゾフリル(例、2−ベンゾフリル、3−ベンゾフリル)、ベンゾチエニル(例、2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル)、ベンズオキサゾリル(例、2−ベンズオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル)、ベンズイミダゾリル(例、ベンズイミダゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−5−イル)、インドリル(例、インドール−1−イル、インドール−3−イル、インドール−4−イル、インドール−5−イル、インドール−6−イル)、インダゾリル(例、1H−インダゾール−3−イル)、ピロロピラジニル(例、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)、イミダゾピリジル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル)、イミダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−2−イル)、ベンズイソオキサゾリル(例、3−ベンズイソオキサゾリル)、ベンゾトリアゾリル(例、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イル)、ピラゾロピリジル(例、1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−3−イル)、ピラゾロチエニル(例、2H−ピラゾロ[3,4−b]チオフェン−2−イル)、ピラゾロトリアジニル(例、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル)等が挙げられる。
非芳香族環状炭化水素基としては、例えば、ベンゼン環とそれぞれ縮合していてもよい、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルカジエニル等が挙げられる。
非芳香族環状炭化水素基としては、具体的には、C3−8シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、C3−8シクロアルケニル(例、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、C4−10シクロアルカジエニル(例、シクロブタジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、シクロノナジエニル、シクロデカジエニル)、これらの基とベンゼン環とが縮合した縮合環基(例、インダニル(例、1−インダニル)、テトラヒドロナフチル(例、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)、フルオレニル(例、9−フルオレニル))等が挙げられる。
非芳香族複素環基としては、例えば、3ないし8員(好ましくは5または6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族複素環基等が挙げられる。
非芳香族複素環基としては、具体的には、オキシラニル(例、2−オキシラニル)、アゼチジニル(例、2−アゼチジニル)、オキセタニル(例、2−オキセタニル)、チエタニル(例、2−チエタニル)、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、テトラヒドロフリル(例、2−テトラヒドロフリル、3−テトラヒドロフリル)、チオラニル(例、2−チオラニル)、ピペリジニル(例、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、テトラヒドロピラニル(例、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル)、チアニル(例、2−チアニル)、モルホリニル(例、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル)、チオモルホリニル(例、2−チオモルホリニル、3−チオモルホリニル、4−チオモルホリニル)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル)、アゼパニル(例、2−アゼパニル)、オキセパニル(例、2−オキセパニル)、チエパニル(例、2−チエパニル)、オキサゼパニル(例、1,4−オキサゼパン−5−イル)、チアゼパニル(例、1,4−チアゼパン−5−イル)、アゾカニル(例、2−アゾカニル)、オキソカニル(例、2−オキソカニル)、チオカニル(例、2−チオカニル)、オキサゾカニル(例、1,4−オキサゾカン−5−イル)、チアゾカニル(例、1,4−チアゾカン−5−イル)、ジオキシニル(例、2−ジオキシニル)等が挙げられる。
本明細書中、「置換基を有していてもよい環状基」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)上記置換基A群(但し、芳香環基の場合、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基」とは、例えば、置換基を有していてもよいC6−10アリールを示す。
上記「置換基を有していてもよいC6−10アリール」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子、C2−6アルキニル(例、エチニル)およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)置換基A群(但し、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
以下、化合物(I)について詳説する。
は、アシル、または置換基を有していてもよい環状基を示す。
としては、アシルが好ましく、なかでも、
(1)置換基を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル、
(2)置換基を有していてもよいC2−6アルケニル−カルボニル、
(3)置換基を有していてもよいC3−8シクロアルキル−カルボニル、または
(4)置換基を有していてもよい複素環−カルボニル
が好ましい。
とりわけ、Rとしては、C3−8シクロアルキル−カルボニル(特に、シクロプロピルカルボニル)が好ましい。
は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。
としては、置換基を有していてもよいC6−10アリールが好ましく、なかでも、
(1)ハロゲン原子(例、塩素原子)、
(2)シアノを有していてもよいC3−8シクロアルキル(例、シクロプロピル)、および
(3)ハロゲン原子(例、フッ素原子)を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル)
から選ばれる置換基を1または2個有していてもよいC6−10アリール(特に、フェニル)が好ましい。
Xは、−O−または−NR−を示す。
ここで、Rは、
(1)水素原子、あるいは、
以下の置換基B群から選ばれる置換基を示す:
(置換基B群)
(2)C1−3アルキル、
(3)−CO−C1−6アルキル、
(4)−CO−C3−6シクロアルキル、
(5)−CO−O−C1−6アルキル、
(6)−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(7)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(8)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(9)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(10)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(11)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(12)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(13)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(14)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(15)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、および
(16)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル
からなる置換基群。
置換基B群において、「C1−3アルキル」は、メチルが好ましい。
置換基B群において、「C1−6アルキル」は、メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチルが好ましい。
置換基B群において、「C3−6シクロアルキル」は、シクロプロピルおよびシクロヘキシルが好ましい。
置換基B群において、「C1−3アルキレン」とは、−CH−、−CH(CH)−、−(CH−、−CH(CH)−CH−、−CH−CH(CH)−、−(CH−等を示し、なかでも、−CH−、−CH(CH)−、−(CH−および−(CH−が好ましい。
上記置換基B群は、プロドラッグとして作用するために有用である。
Xとしては、−O−、−NH−または−N(CH)−が好ましく、なかでも−O−または−N(CH)−が好ましい。
Yは、−NR−CO−または−CO−NR−を示す。
ここで、Rは、
(1)水素原子、または(2)上記置換基B群から選ばれる置換基を示す。
Yとしては、−NR−CO−が好ましい。
およびZは、
(1)Zが−NR−であり、かつZが=N−であるか、または
(2)Zが−N=であり、かつZが−NR−である。
換言すれば、1つの実施形態において、式(I)は、
Figure 2010077109
(各記号は、上記と同意義を示す)であり、
別の実施形態において、式(I)は、
Figure 2010077109
(各記号は、上記と同意義を示す)である。
ここで、Rは、(1)水素原子、または(2)上記置換基B群から選ばれる置換基を示す。
1つの好適な実施形態では、
式(I)において、
Xが、−O−または−N(CH)−であり;
Yが、−NR−CO−であり(ここで、Rは、上記置換基B群から選ばれる置換基である);かつ
が、水素原子である。
別の好適な実施形態では、
式(I)において、
Xが、−O−または−N(CH)−であり;
Yが、−NH−CO−であり;かつ
が、上記置換基B群から選ばれる置換基である。
本明細書中、環Aで表される「さらに置換基を有していてもよい環」とは、式中に示される置換基以外の置換基を有していてもよい環を示す。
該「環」とは、(1)芳香族炭化水素環、(2)単環式芳香族複素環、(3)縮合芳香族複素環、(4)非芳香族環状炭化水素環、(5)非芳香族複素環、(6)これらの縮合環等が挙げられる。
該「芳香族炭化水素環」としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
該「単環式芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する、5ないし7員の単環式芳香族複素環等が挙げられる。
具体的には、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアゾール等が挙げられる。
該「縮合芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する、5ないし7員の単環式芳香族複素環等と、芳香族炭化水素環等が縮合した縮合芳香族複素環;上記5ないし7員の単環式芳香族複素環同士が縮合した縮合芳香族複素環等が挙げられる。
該「縮合芳香族複素環」としては、具体的には、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、インドール、インダゾール、ピロロピラジン、イミダゾピリジン、イミダゾピラジン、ベンズイソオキサゾール、ベンゾトリアゾール、ピラゾロピリジン、ピラゾロチオフェン、ピラゾロトリアジン等が挙げられる。
該「非芳香族環状炭化水素環」としては、例えば、ベンゼン環とそれぞれ縮合していてもよい、シクロアルカン、シクロアルケン、シクロアルカジエン等が挙げられる。
該「非芳香族環状炭化水素環」として具体的には、C3−8シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン)、C3−8シクロアルケン(例、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン)、C4−10シクロアルカジエン(例、シクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、シクロノナジエン、シクロデカジエン)、これらの環とベンゼン環とが縮合した縮合環(例、インダン、テトラヒドロナフタレン、フルオレン等)等が挙げられる。
該「非芳香族複素環」としては、例えば、3ないし8員(好ましくは5または6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族複素環等が挙げられる。
該「非芳香族複素環」として具体的には、オキシラン、アゼチジン、オキセタン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チオラン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アゼパン、オキセパン、チエパン、オキサゼパン、チアゼパン等が挙げられる。
環Aで表される「さらに置換基を有していてもよい環」の「置換基」としては、(1)ハロゲン原子およびシアノから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル、および、(2)置換基A群(但し、芳香環の場合、オキソを除く)から選ばれる置換基が挙げられる。置換基の数は置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1ないし5個、より好ましくは1ないし3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
環Aとしては、さらに置換基を有していてもよいベンゼン環が好ましく、とりわけ、
(1)ハロゲン原子(例、フッ素原子)を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル)、
(2)シアノ、
(3)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(4)C1−6アルキル−オキシ(例、メトキシ)
から選ばれる置換基を1または2個有していてもよいベンゼン環が好ましい。
式(I)において、以下を除く範囲は新規である:
Xが、−O−、−NH−または−N(CH)−であり、
Yが、−NH−CO−または−CO−NH−であり、かつ
が水素原子である。
本発明の化合物としては、実施例1〜5に記載の化合物が好ましい。
本発明の化合物の好適な具体例としては、以下が挙げられる。
(化合物A1)
式(I)が、
Figure 2010077109
であり、ここで、
が、C3−8シクロアルキル−カルボニル(特に、シクロプロピルカルボニル)であり;
が、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、
(2)シアノを有していてもよいC3−8シクロアルキル(特に、シクロプロピル)、および
(3)ハロゲン原子(特に、フッ素原子)を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(特に、メチル)
から選ばれる置換基を1または2個有していてもよいC6−10アリール(特に、フェニル)
であり;
Xが、−O−または−N(CH)−であり;
Yが、−NR−CO−であり;
が、
(1)C1−3アルキル、
(2)−CO−C1−6アルキル、
(3)−CO−C3−6シクロアルキル、
(4)−CO−O−C1−6アルキル、
(5)−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(6)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(7)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(8)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(9)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(10)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(11)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(12)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(13)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(14)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、または
(15)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル
であり;
が、水素原子であり;そして
環Aが、
(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子)を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(特に、メチル、エチル)、
(2)シアノ、
(3)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、および
(4)C1−6アルキル−オキシ(特に、メトキシ)
から選ばれる置換基を1または2個有していてもよいベンゼン環である、
化合物またはその塩。
(化合物A2)
式(I)が、
Figure 2010077109
または
Figure 2010077109
であり、ここで、
が、C3−8シクロアルキル−カルボニル(特に、シクロプロピルカルボニル)であり;
が、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、
(2)シアノを有していてもよいC3−8シクロアルキル(特に、シクロプロピル)、および
(3)ハロゲン原子(特に、フッ素原子)を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(特に、メチル)
から選ばれる置換基を1または2個有していてもよいC6−10アリール(特に、フェニル)
であり;
Xが、−O−または−N(CH)−であり;
Yが、−NH−CO−であり;
が、
(1)C1−3アルキル、
(2)−CO−C1−6アルキル、
(3)−CO−C3−6シクロアルキル、
(4)−CO−O−C1−6アルキル、
(5)−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(6)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(7)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(8)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(9)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(10)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(11)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(12)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(13)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(14)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、または
(15)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル
であり;そして
環Aが、
(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子)を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(特に、メチル、エチル)、
(2)シアノ、
(3)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、および
(4)C1−6アルキル−オキシ(特に、メトキシ)
から選ばれる置換基を1または2個有していてもよいベンゼン環である、
化合物またはその塩。
化合物(I)の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合には、アルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
以下に、化合物(I)の製造法について述べる。
以下の反応において、原料として用いられる化合物は、それぞれ塩として用いてもよい。このような塩としては、化合物(I)の塩として例示したものが挙げられる。
以下の反応において、生成物は反応液のままか、または粗生成物として次反応に用いてもよい。あるいは、自体公知の分離手段(例、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー)を用いて、反応混合物から単離して、次反応に用いてもよい。
以下の反応において、アルキル化反応、加水分解反応、アミノ化反応、アミド化反応、エステル化反応、エーテル化反応、酸化反応、還元反応、アシル化反応、ウレア化反応、アリールカップリング反応等は、特に述べない限り、自体公知の方法(例えば、ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS, 第2版, ACADEMIC PRESS, INC.,1989年刊に記載の方法;Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers Inc., 1989年刊に記載の方法)に従って行われる。
以下の反応において、脱保護反応は、特に述べない限り、自体公知の方法(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons刊(1980)に記載の方法)に従って行われる。
以下の反応において、得られた化合物の分子内の官能基は、自体公知の化学反応を組み合わせることにより目的の官能基に変換することもできる。このような化学反応の例としては、アルキル化反応、加水分解反応、アミノ化反応、アミド化反応、エステル化反応、エーテル化反応、酸化反応、還元反応、アシル化反応、ウレア化反応、アリールカップリング反応、脱保護反応等が挙げられる。
以下の反応で用いられる、略語について説明する。
溶媒における「ハロゲン化炭化水素類」としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等が挙げられる。
溶媒における、「芳香族炭化水素類」としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
溶媒における「アルコール類」としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、フェノール等が挙げられる。
溶媒における「エーテル類」としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
以下の反応において、塩基とは、無機塩基または有機塩基を意味する。このような塩基の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ジアザビシクロウンデセン(DBU)などが挙げられる。
(製法1)
化合物(I)において、Xが−O−である化合物[化合物(I−1)]は、例えば、化合物(I−C)を、アシル化、アミド基導入、アルキル化などの変換反応に付すことにより製造できる。
Figure 2010077109
[式中、
Figure 2010077109
で表される部分は、
Figure 2010077109
を示し;Pは、水素原子、またはベンジル基またはシリル基などの窒素の保護基を示し;Yは、−NH−CO−または−CO−NH−を示し;その他の各記号は前記と同意義を示す。]
(製法1−1:アシル化反応)
化合物(I−1)のうち、
およびRの一方または両方が、
(1)−CO−C1−6アルキル、
(2)−CO−C3−6シクロアルキル、
(3)−CO−O−C1−6アルキル、
(4)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(5)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
(6)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、および
(7)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル
から選ばれる基(以下、「R」という。Rが複数の場合、それぞれ同一でも異なってもよい。)である化合物は、化合物(I−C)を自体公知のアシル化反応に供し、さらに必要に応じて、自体公知の官能基変換反応を行うことにより製造することができる。
アシル化反応は、化合物(I−C)と、Rに対応するエステル、無水物または反応性誘導体(例えば、ハロゲン化物、酸ハライド、酸無水物、活性エステル、酸イミダゾリドなど)とを反応させることにより行うことができる。
該エステル、無水物または反応性誘導体の使用量は、化合物(I−C)1当量に対して、通常1〜10当量である。
この反応は、必要に応じて塩基の存在下で行ってもよい。
該塩基の使用量は、化合物(I−C)1当量に対して、通常1〜10当量である。
また、この反応は、必要に応じて、溶媒中で行ってもよい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等が挙げられる。
反応温度は、通常−30〜120℃、好ましくは0〜100℃である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
原料として用いられる化合物(I−C)は、後述する方法で製造することができる。
また、Rに対応するエステル、無水物または反応性誘導体は、市販のものを使用するか、または自体公知の方法により製造することができる。
(製法1−2:アミド基導入反応)
化合物(I−1)のうち、
およびRの一方または両方が、
(1)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(2)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
(3)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、および
(4)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル
から選ばれる基(以下「R」という。Rが複数の場合、それぞれ同一でも異なってもよい。)である化合物は、化合物(I−C)を自体公知のアミド基導入反応に供し、さらに必要に応じて、自体公知の官能基変換反応を行うことにより製造することができる。
本反応は、化合物(I−C)と、Rに対応するイソシアナートやカルバモイルクロリドなどの反応性誘導体とを反応させることにより行うことができる。
該Rに対応する反応性誘導体の使用量は、化合物(I−C)1当量に対して、通常1〜10当量である。
この反応は、必要に応じて塩基の存在下で行ってもよい。
該塩基の使用量は、化合物(I−C)1当量に対して、通常1〜10当量である。
また、この反応は、必要に応じて、溶媒中で行ってもよい。このような溶媒としては、前記アシル化反応で例示したものが挙げられる。
反応温度は、通常−30〜100℃である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
原料として用いられるRに対応する反応性誘導体は、市販のものを使用するか、または自体公知の方法により製造することができる。
(製法1−3:アルキル化反応)
化合物(I−1)のうち、
およびRの一方または両方が、
(1)C1−3アルキル、
(2)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、および
(3)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル
から選ばれる基(以下「R」という。Rが複数の場合、それぞれ同一でも異なってもよい。)である化合物は、化合物(I−C)を自体公知のアルキル化反応に供し、さらに必要に応じて、自体公知の官能基変換反応を行うことにより製造することができる。
アルキル化反応は、化合物(I−C)とアルキル化剤とを、塩基の存在下で反応させることによって行われる。
該塩基の使用量は、化合物(I−C)1当量に対して、通常1〜10当量である。
アルキル化剤としては、例えば、シアノアルキルハライド(例、ブロモアセトニトリル)、アルケニルニトリル(例、アクリロニトリル)、ハロゲン化アルキル(例、ヨウ化メチル)等が挙げられる。
該アルキル化剤の使用量は、化合物(I−C)1当量に対して、通常1〜10当量である。
この反応は、必要に応じて溶媒中で行ってもよい。このような溶媒としては、前記アシル化反応で例示したものと同様のものが挙げられる。
また、この反応は必要に応じて、ヨウ化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムヨージドなどを添加剤として用いてもよい。
該添加剤の使用量は、化合物(I−C)1当量に対して、通常0.05〜5当量である。
反応温度は、通常−78〜120℃で、好ましくは0〜100℃である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
原料として用いられるアルキル化剤は、市販のものを使用するか、または自体公知の方法により製造することができる。
前記各反応において、化合物(I−C)のPがベンジル基またはシリル基などの窒素の保護基である場合、化合物(I−C)の前記変換反応が終了した後、自体公知の脱保護反応に供することで、化合物(I−1)が得られる。
(製法2)
化合物(I−C)は、例えば、以下の化合物(I−Da)のPを、自体公知の官能基変換反応(例えば、アミド化反応)に付すことにより製造することができる。
Figure 2010077109
[式中、Pは、−Y−R(各記号は前記と同意義を示す)へ変換可能な官能基(例、−NH、−COOH)を示し;その他の各記号は前記と同意義を示す。]
(製法2−1)
具体例として、Yaが−NH−CO−である化合物(I−C)は、化合物(I−Da)においてPが−NHである化合物[化合物(I−Daa)]を、自体公知のアミド化反応に付すことにより製造することができる。
本反応は、
(製法2−1a) 化合物(I−Daa)と、式:R−COOH(Rは、前記と同意義を示す)で表される化合物[化合物(II−Daa)]とを、溶媒中で縮合剤を用いて反応させる方法;または
(製法2−1b) 化合物(I−Daa)と、化合物(II−Daa)の反応性誘導体とを反応させる方法;
等を用いて行われる。
(製法2−1a)
縮合剤としては、例えば、カルボジイミド系縮合試薬(例、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド及びその塩酸塩)、リン酸系縮合試薬(例、シアノリン酸ジエチル、アジ化ジフェニルホスホリル)、N,N’−カルボニルジイミダゾール、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩等が挙げられる。
化合物(II−Daa)の使用量は、化合物(I−Daa)1当量に対して、通常0.1〜10当量である。
縮合剤の使用量は、化合物(II−Daa)1当量に対して、通常0.1〜10当量である。
この反応に用いられる溶媒としては、前記アシル化反応で例示したものが挙げられる。
この反応は、必要に応じて、縮合促進剤(例、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシこはく酸イミド、N−ヒドロキシフタルイミド)を用いてもよい。
反応温度は、通常−30〜120℃で、より好ましくは0〜100℃である。
反応時間は、通常0.5〜60時間で、より好ましくは1〜24時間である。
原料として用いられる化合物(II−Daa)は、市販のものを使用するか、または自体公知の方法で製造することができる。
(製法2−1b)
化合物(II−Daa)の反応性誘導体としては、前記製法1−1のRの反応性誘導体と同様のものが挙げられる。
この反応は、前記製法1−1と同様の手順で行うことができる。
化合物(II−Daa)の反応性誘導体は、市販のものを使用するか、または自体公知の方法により製造することができる。
(製法2−2)
また、Yaが−CO−NH−である化合物(I−C)は、化合物(I−Da)においてPが−COOHである化合物[化合物(I−Dab)]を、自体公知のアミド化反応に付すことにより製造することができる。
本反応は、
(製法2−2a) 化合物(I−Dab)と、式:R−NH(Rは、前記と同意義を示す)で表される化合物[化合物(II−Dab)]とを、溶媒中で縮合剤を用いて反応させる方法;または
(製法2−2b) 化合物(I−Dab)の反応性誘導体と、化合物(II−Dab)とを反応させる方法;
等を用いて行われる。
(製法2−2a)
この反応は、前記製法2−1aと同様の手順で行うことができる。
原料である化合物(II−Dab)は、市販のものを使用するか、または自体公知の方法で製造することができる。
(製法2−2b)
化合物(I−Dab)の反応性誘導体としては、前記製法1−1のRの反応性誘導体と同様のものが挙げられる。
この反応は、前記製法1−1と同様の手順で行うことができる。
原料として用いられる化合物(I−Dab)の反応性誘導体は、自体公知の方法により製造することができる。
化合物(I)、化合物(I−C)および化合物(I−Da)は、以下の化合物(I−D)を製造する製法A、BまたはCに従って製造できる。
(製法A)
Figure 2010077109
[式中、Lは、脱離基を示し;Gは、水素原子または金属原子を示し;Pは、Rあるいはベンジル基またはシリル基などの窒素の保護基を示し;Pは、−Y−Rまたは−Pを示し;Wは、水素原子、−SRまたは−SCNを示し;Rは、水素原子またはメルカプト基の保護基(例、メチル、フェニル、ベンジル、t−ブチル)を示す。その他の各記号は前記と同意義を示す。]
化合物(I−D)は、化合物(I−E)を自体公知の官能基変換反応に付すことにより製造できる。
例えば、化合物(I−E)に対して、式:R1a−OH(R1aはアシルを示す)で表されるカルボン酸またはその反応性誘導体を用いて、自体公知のアシル化反応を行ったあと、必要に応じて自体公知の官能基変換反応を行うことにより、化合物(I−D)を製造できる。
アシル化反応は、前記製法1−1と同様の手順で行うことができる。
式:R1a−OH(R1aはアシルを示す)の反応性誘導体としては、前記製法1−1のRの反応性誘導体と同様のものが挙げられる。
1a−OHで表されるカルボン酸またはその反応性誘導体は、自体公知の方法により製造できる。
化合物(I−E)は、化合物(I−F)を自体公知の官能基変換反応に付すことにより製造できる。
例えば、化合物(I−F)を、自体公知のアシル化反応、アミド基導入反応、アルキル化反応、保護基導入反応などに供し、さらに必要に応じて、自体公知の官能基変換反応を行うことにより、化合物(I−E)を製造できる。
アシル化反応、アミド基導入反応およびアルキル化反応は、それぞれ、前記製法1と同様の手順で行うことができる。
化合物(I−F)は、化合物(I−G)から製造できる。
例えば、Wが−SRである化合物(I−G)に対し、自体公知の脱保護反応を行ってWを−SHに変換した後、シアン酸ブロミドまたは1,1−ジ−1H−イミダゾール−1−イルメタンイミンを作用させて、化合物(I−F)を製造できる。
シアン酸ブロミドまたは1,1−ジ−1H−イミダゾール−1−イルメタンイミンの使用量は、化合物(I−G)1当量に対して、通常、1〜10当量、好ましくは1〜5当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
また、この反応は、塩基の存在下で行ってもよい。
塩基の使用量は、化合物(I−G)1当量に対して、通常0.1〜10当量、好ましくは0.1〜2当量である。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
また、Wが−SCNである化合物(I−G)に、溶媒中で酸を作用させることによって、化合物(I−F)を製造できる。
酸としては、例えば、塩酸、酢酸、硫酸が挙げられる。
酸の使用量は、化合物(I−G)1当量に対して、1〜10当量または場合によっては溶媒量、好ましくは1〜5当量である。
溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水、酢酸またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
また、Wが水素原子である化合物(I−G)に、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウムまたはチオシアン酸アンモニウムと、臭素とを作用させることによって、化合物(I−F)を製造できる。
この反応におけるチオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウムまたはチオシアン酸アンモニウムの使用量は、化合物(I−G)1当量に対して、通常、1〜10当量、好ましくは1〜5当量である。
臭素の使用量は、化合物(I−G)1当量に対して、通常1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水、酢酸またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
化合物(I−G)は、化合物(I−H)を自体公知の還元反応に付すことにより製造できる。
例えば、Wが−SCNである化合物(I−H)を還元反応に付すことにより、Wが−SCNである化合物(I−G)を経由することなく、化合物(I−F)を直接製造できる。
例えば、Wが−SCNである化合物(I−H)に、酸の存在下で還元鉄を作用させることにより、化合物(I−F)を製造できる。
酸としては、例えば、塩酸、酢酸、硫酸などが用いられる。
酸の使用量は、化合物(I−H)1当量に対して、1〜20当量、または場合によっては溶媒量、好ましくは1〜10当量である。
この反応における還元鉄の使用量は、化合物(I−H)1当量に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水、酢酸またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
化合物(I−H)は、化合物(I−I)と、化合物(I−J)とを反応させることにより製造できる。
Gは、主に、水素原子が用いられるが、金属原子(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属;あるいはマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属)でもよい。
化合物(I−J)において、Lで表される脱離基としては、例えば、
ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素);
式:−S(O)[式中、kは0、1または2の整数を示し;Rは、C1−4アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、tert−ブチル)、C6−10アリール基(例、ベンジル、フェニル、トリル)などを示す。]で表される基;あるいは
式:−OR[式中、Rは前記と同意義を示す。]で表される基
などが用いられる。
化合物(I−I)の使用量は、化合物(I−J)1当量に対して、通常、1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
この反応はまた、塩基またはアンモニウム塩を使用してもよい。
アンモニウム塩としては、例えば、ピリジン塩酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、ピリジンp−トルエンスルホン酸塩、キノリン塩酸塩、イソキノリン塩酸塩、ピリミジン塩酸塩、ピラジン塩酸塩、トリアジン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、N−エチルジイソプロピルアミン塩酸塩などが挙げられる。
塩基またはアンモニウム塩の使用量は、化合物(I−J)1当量に対して、通常、1〜10当量、好ましくは1〜2当量である。
この反応はまた、パラジウム錯体またはホスフィン配位子を触媒として用いてもよい。
パラジウム錯体としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などが挙げられる。
ホスフィン配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(X−phos)などが挙げられる。
パラジウム錯体の使用量は、化合物(I−J)1当量に対して、通常0.05〜10当量、好ましくは0.05〜2当量である。
ホスフィン配位子の使用量は、化合物(I−J)1当量に対して、通常0.1〜20当量、好ましくは0.1〜4当量である。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
また、この反応はマイクロウェーブ照射下で行ってもよい。
本反応で、原料として用いられる化合物(I−I)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造できる。
また、化合物(I−J)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
(製法B)
Figure 2010077109
[式中、Lは脱離基を示し;Uは、−X−Gまたは−X−Gへ変換可能な官能基(例、−NO、−OR)を示し;その他の各記号は前記と同意義を示す。]
化合物(I−D)は、化合物(I−K)と、化合物(I−L)とを反応させることによって製造できる。
化合物(I−K)において、Lで表される脱離基としては、前記Lで表される脱離基と同様のものが用いられる。
化合物(I−L)において、Gは主に水素原子が用いられるが、金属原子(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属;あるいはマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属)でもよい。
化合物(I−L)の使用量は、化合物(I−K)1当量に対して、1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
また、この反応は、塩基またはアンモニウム塩を用いてもよい。
アンモニウム塩としては、例えば、ピリジン塩酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、ピリジンp−トルエンスルホン酸塩、キノリン塩酸塩、イソキノリン塩酸塩、ピリミジン塩酸塩、ピラジン塩酸塩、トリアジン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、N−エチルジイソプロピルアミン塩酸塩などが挙げられる。
塩基またはアンモニウム塩の使用量は、化合物(I−K)1当量に対して、通常1〜10当量、好ましくは1〜2当量である。
この反応はまた、パラジウム錯体またはホスフィン配位子を触媒として用いてもよい。
パラジウム錯体としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などが挙げられる。
ホスフィン配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(X−phos)などが挙げられる。
パラジウム錯体の使用量は、化合物(I−K)1当量に対して、通常0.05〜10当量、好ましくは0.05〜2当量である。
ホスフィン配位子の使用量は、化合物(I−K)1当量に対して、通常0.1〜20当量、好ましくは0.1〜4当量である。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常約1〜30時間、好ましくは約1〜20時間、さらに好ましくは約1〜10時間である。
この反応はまた、マイクロウェーブ照射下で行ってもよい。
原料として用いられる化合物(I−K)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
化合物(I−L)は、化合物(I−M)のUを、自体公知の官能基変換反応に付すことにより製造できる。
例えば、Uが−NOである化合物(I−M)は、自体公知の還元反応により、−X−Gが−NHである化合物(I−L)を製造することができる。さらに、この化合物を、自体公知の還元的アミノ化反応、パラジウム触媒を用いた自体公知のカップリング反応などに付すことにより、−X−Gが−NHR(Rはメチル基またはアミノ基の保護基(例、ベンジル、t−ブチル)を示す)である化合物(I−L)を製造できる。
あるいは、Uが−OR(Rは前記と同意義を示す)である化合物(I−M)は、自体公知の脱保護反応に付すことにより、−X−Gが−OHである化合物(I−L)を製造できる。
原料として用いられる化合物(I−M)は、自体公知の手段を適用して製造することができる。
例えば、Rがアシルである化合物(I−M)は、化合物(I−N)と、式:R1a−OH(R1aはアシルを示す)で表されるカルボン酸またはその反応性誘導体とを、前記製法Aと同様の手順により、自体公知のアシル化反応に付すことで製造できる。
原料として用いられる化合物(I−N)は、自体公知の手段を適用して製造することができる。
例えば、化合物(I−N)は、化合物(I−O)を、自体公知の保護基導入反応や官能基変換に付すことにより製造できる。
原料として用いられる化合物(I−O)は、自体公知の手段を適用して製造することができる。
例えば、化合物(I−O)は、化合物(I−P)から製造することができる。
例えば、Wが−SR(Rは前記と同意義を示す)である化合物(I−P)に対し、自体公知の脱保護反応を行ってWを−SHに変換した後、シアン酸ブロミドあるいは1,1−ジ−1H−イミダゾール−1−イルメタンイミンを作用させて、化合物(I−O)を製造することができる。
シアン酸ブロミドまたは1,1−ジ−1H−イミダゾール−1−イルメタンイミンの使用量は、化合物(I−P)1当量に対して、通常、1〜10当量、好ましくは1〜5当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
また、この反応は、塩基の存在下で行ってもよい。
塩基の使用量は、化合物(I−P)1当量に対して、通常0.1〜10当量、好ましくは0.1〜2当量である。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
また、Wが−SCNである化合物(I−P)に、溶媒中で酸を作用させることによって、化合物(I−O)を製造できる。
酸としては、例えば、塩酸、酢酸、硫酸が挙げられる。
酸の使用量は、化合物(I−P)1当量に対して、1〜10当量または場合によっては溶媒量、好ましくは1〜5当量である。
溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水、酢酸またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
また、Wが水素原子である化合物(I−P)に、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウムまたはチオシアン酸アンモニウムと、臭素とを作用させることによって、化合物(I−O)を製造できる。
この反応におけるチオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウムまたはチオシアン酸アンモニウムの使用量は、化合物(I−P)1当量に対して、通常1〜10当量、好ましくは1〜5当量である。
臭素の使用量は、化合物(I−P)1当量に対して、通常1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水、酢酸またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
原料として用いられる化合物(I−P)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
例えば、化合物(I−P)は、化合物(I−Q)を自体公知の還元反応に付し、ニトロ基をアミノ基に変換することによって製造できる。
例えば、Wが−SCNである化合物(I−Q)を還元反応に付すことにより、Wが−SCNである化合物(I−P)を経由することなく、化合物(I−O)を直接製造できる。
例えば、Wが−SCNである化合物(I−Q)に、酸の存在下で還元鉄を作用させることにより、化合物(I−O)を製造できる。
酸としては、例えば、塩酸、酢酸、硫酸などが用いられる。
酸の使用量は、化合物(I−Q)1当量に対して、1〜20当量、または場合によっては溶媒量、好ましくは1〜10当量である。
この反応における還元鉄の使用量は、化合物(I−Q)1当量に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水、酢酸またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
原料として用いられる化合物(I−Q)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
(製法C)
Figure 2010077109
[式中、Lは脱離基を示し;その他の各記号は前記と同意義を示す。]
化合物(I−D)は、化合物(I−R)と、化合物(I−S)とを反応させることによっても製造できる。
化合物(I−R)において、Gは、主に水素原子が用いられるが、金属原子(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属;あるいはマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属)でもよい。
化合物(I−S)において、Lで表される脱離基としては、前記のLで表される脱離基と同様のものが用いられる。
化合物(I−R)の使用量は、化合物(I−S)1当量に対して、1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
また、この反応は、塩基またはアンモニウム塩を用いてもよい。
アンモニウム塩としては、例えば、ピリジン塩酸塩、ピリジン臭化水素酸塩、ピリジンp−トルエンスルホン酸塩、キノリン塩酸塩、イソキノリン塩酸塩、ピリミジン塩酸塩、ピラジン塩酸塩、トリアジン塩酸塩、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、N−エチルジイソプロピルアミン塩酸塩などが挙げられる。
塩基またはアンモニウム塩の使用量は、化合物(I−S)1当量に対して、通常1〜10当量、好ましくは1〜2当量である。
この反応はまた、パラジウム錯体またはホスフィン配位子を触媒として用いてもよい。
パラジウム錯体としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などが挙げられる。
ホスフィン配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(X−phos)などが挙げられる。
パラジウム錯体の使用量は、化合物(I−S)1当量に対して、通常0.05〜10当量、好ましくは0.05〜2当量である。
ホスフィン配位子の使用量は、化合物(I−S)1当量に対して、通常0.1〜20当量、好ましくは0.1〜4当量である。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は通常約1〜30時間、好ましくは約1〜20時間、さらに好ましくは約1〜10時間である。
また、この反応はマイクロウェーブ照射下で行ってもよい。
原料として用いられる化合物(I−R)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
また、化合物(I−S)は、自体公知の手段を適用して製造することができる。
例えば、Rがアシルである原料化合物(I−S)は、化合物(I−T)と、式:R1a−OH(R1aはアシルを示す)で表されるカルボン酸またはその反応性誘導体とを、前記製法Aと同様の手順により、自体公知のアシル化反応に付すことで製造できる。
原料として用いられる化合物(I−T)は、自体公知の手段を適用して製造することができる。
例えば、原料化合物(I−T)は、化合物(I−U)を自体公知の保護基導入反応や官能基変換に付すことにより製造できる。
原料として用いられる化合物(I−U)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
例えば、化合物(I−U)は、化合物(I−V)から製造することができる。
例えば、Wが−SR(Rは前記と同意義を示す)である化合物(I−V)に対し、自体公知の脱保護反応を行ってWを−SHに変換した後、シアン酸ブロミドあるいは1,1−ジ−1H−イミダゾール−1−イルメタンイミンを作用させて、化合物(I−U)を製造することができる。
シアン酸ブロミドまたは1,1−ジ−1H−イミダゾール−1−イルメタンイミンの使用量は、化合物(I−V)1当量に対して、通常、1〜10当量、好ましくは1〜5当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
また、この反応は、塩基の存在下で行ってもよい。
塩基の使用量は、化合物(I−V)1当量に対して、通常0.1〜10当量、好ましくは0.1〜2当量である。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
また、Wが−SCNである化合物(I−V)に、溶媒中で酸を作用させることによって、化合物(I−U)を製造できる。
酸としては、例えば、塩酸、酢酸、硫酸が挙げられる。
酸の使用量は、化合物(I−V)1当量に対して、1〜10当量または場合によっては溶媒量、好ましくは1〜5当量である。
溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水、酢酸またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
また、Wが水素原子である化合物(I−V)に、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウムまたはチオシアン酸アンモニウムと、臭素とを作用させることによって、化合物(I−U)を製造できる。
この反応におけるチオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウムまたはチオシアン酸アンモニウムの使用量は、化合物(I−V)1当量に対して、通常、1〜10当量、好ましくは1〜5当量である。
臭素の使用量は、化合物(I−V)1当量に対して、1〜5当量、好ましくは1〜2当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水、酢酸またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
原料として用いられる化合物(I−V)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
例えば、化合物(I−V)は、化合物(I−W)を自体公知の還元反応に付し、ニトロ基をアミノ基に変換することによって製造できる。
例えば、Wが−SCNである化合物(I−W)を還元反応に付すことにより、Wが−SCNである化合物(I−V)を経由することなく、化合物(I−U)を直接製造できる。
例えば、Wが−SCNである化合物(I−W)に、酸の存在下で還元鉄を作用させることにより、化合物(I−U)を製造できる。
酸としては、例えば、塩酸、酢酸、硫酸などが用いられる。
酸の使用量は、化合物(I−W)1当量に対して、1〜20当量、または場合によっては溶媒量、好ましくは1〜10当量である。
この反応における還元鉄の使用量は、化合物(I−W)1当量に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量である。
この反応は、溶媒中で行うのが好ましい。このような溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、水、酢酸またはこれらの混合溶媒などが用いられる。
この反応は、冷却下(通常約−78〜20℃、好ましくは約−10〜10℃)、室温下または加熱下(通常約40〜200℃、好ましくは約40〜160℃)に行うことができる。
反応時間は、通常1〜30時間、好ましくは1〜20時間、さらに好ましくは1〜10時間である。
原料として用いられる化合物(I−W)は、市販のものを使用するか、または自体公知の手段を適用して製造することができる。
上記製造法において、原料化合物が置換基としてアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、カルボニル基またはメルカプト基を有する場合、これらの基にペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
アミノ基の保護基としては、例えば、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル)、トリチル基、フタロイル基、N,N−ジメチルアミノメチレン基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)等が挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基およびニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、C7−10アラルキル基(例、ベンジル)、フェニル基、トリチル基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)等が挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基およびニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
ヒドロキシ基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、フェニル基、トリチル基、C7−10アラルキル基(例、ベンジル)、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)等が挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
カルボニル基の保護基としては、例えば、環状アセタール(例、1,3−ジオキサン)、非環状アセタール(例、ジ−C1−6アルキルアセタール)等が挙げられる。
メルカプト基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、フェニル基、トリチル基、C7−10アラルキル基(例、ベンジル)、C1−6アルキル−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、C1−6アルコキシ−カルボニル基、C6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル)、C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル)、2−テトラヒドロピラニル基、モノC1−6アルキルアミノ−カルボニル基(例、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル)等が挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
上記した保護基の除去方法は、自体公知の脱保護反応によって行うことができる。
本発明の化合物は、公知の手段、例えば、転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、液性変換、晶出、再結晶、クロマトグラフィー等によって単離、精製することができる。本発明の化合物が遊離化合物として得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法によって、目的とする塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体または目的とする他の塩に変換することができる。
本発明の化合物が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も本発明の化合物に包含される。例えば、本発明の化合物に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も本発明の化合物に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)によりそれぞれを単品として得ることができる。
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば、水和物、酢酸溶媒和物、エタノール溶媒和物、2−プロパノール溶媒和物、アセトン溶媒和物、ジメチルスルホキシド溶媒和物、酢酸エチル溶媒和物等)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも本発明の化合物に包含される。
同位元素(例、H、14C、35S、125I等)等で標識された化合物も、本発明の化合物に包含される。
さらに、HをH(D)に変換した重水素変換体も、本発明の化合物に包含される。
本発明の化合物は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても本発明の化合物に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
本発明の化合物の結晶は、物理化学的性質(例、融点、溶解度、安定性)および生物学的性質(例、体内動態(吸収性、分布、代謝、***)、薬効発現)に優れ、医薬として極めて有用である。
本発明の化合物は、Raf、特にB−Raf阻害活性を有し、癌の臨床上有用な予防・治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の転移抑制剤を提供することができる。また、哺乳動物におけるB−Raf依存性疾患の予防または治療に用いることができる。
本発明の化合物は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR;特に、VEGFR2)に対する阻害活性も有する。
本発明の化合物は、生体内で、Raf、特にB−Rafに対し強い阻害活性を示す。また、本発明の化合物は、薬効発現、薬物動態(吸収性、分布、代謝、***等)、溶解性(水溶性等)、他の医薬品との相互作用、安全性(急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心臓毒性、癌原性等)、安定性(化学的安定性、酵素に対する安定性等)の点でも優れているので、医薬として有用である。
従って、本発明の化合物は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、Raf(特にB−Raf)阻害剤として有用である。本発明の化合物は、Raf関連疾患、例えば、癌(例えば、大腸癌(例えば、家族性大腸癌、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、消化管間質腫瘍など)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、悪性中皮腫など)、中皮腫、膵臓癌(例えば、膵管癌など)、胃癌(例えば、乳頭腺癌、粘液性腺癌、腺扁平上皮癌など)、乳癌(例えば、浸潤性乳管癌、非浸潤性乳管癌、炎症性乳癌など)、卵巣癌(例えば、上皮性卵巣癌、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣性胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍など)、前立腺癌(例えば、ホルモン依存性前立腺癌、ホルモン非依存性前立腺癌など)、肝臓癌(例えば、原発性肝癌、肝外胆管癌など)、甲状腺癌(例えば、甲状腺髄様癌など)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌、腎盂と尿管の移行上皮癌など)、子宮癌、脳腫瘍(例えば、松果体星細胞腫瘍、毛様細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫、退形成性星細胞腫など)、黒色腫(メラノーマ)、肉腫、膀胱癌、多発性骨髄腫を含む血液癌等)、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、カポジ肉腫、COPD、痛み、喘息、子宮内膜症、腎炎、変形性関節症等の炎症、高血圧の予防・治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の転移抑制剤、アポトーシス促進剤等の医薬として用いられる。なかでも、本発明の化合物は、大腸癌、肺癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肝臓癌、甲状腺癌、腎臓癌、脳腫瘍、黒色腫(メラノーマ)、膀胱癌、血液癌に対して有効であり、特に、本発明の化合物は、黒色腫(メラノーマ)、甲状腺癌、肺癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、腎臓癌の患者に対して有効である。
本発明の化合物は、そのままあるいは薬理学的に許容される担体を配合し、経口的または非経口的に投与することができる。
本発明の化合物を経口投与する場合の剤形としては、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、バッカル錠、口腔内速崩錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、フィルム剤(例、口腔粘膜貼付フィルム)等の経口剤が挙げられる。また、非経口投与する場合の剤形としては、例えば、注射剤、注入剤、点滴剤、坐剤等が挙げられる。また、適当な基剤(例、酪酸の重合体、グリコール酸の重合体、酪酸−グリコール酸の共重合体、酪酸の重合体とグリコール酸の重合体との混合物、ポリグリセロール脂肪酸エステル等)と組み合わせて徐放性製剤とすることも有効である。
本発明の化合物を上記の剤形に製造する方法としては、当該分野で一般的に用いられている公知の製造方法(例えば、日本薬局方に記載の方法)を適用することができる。また、上記の剤形に製造する場合には、必要に応じて、その剤形に製造する際に製剤分野において通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤等の添加剤を適宜、適量含有させて製造することができる。
例えば、本発明の化合物を錠剤に製造する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を含有させて製造することができ、丸剤及び顆粒剤に製造する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤等を含有させて製造することができる。また、散剤及びカプセル剤に製造する場合には賦形剤等を、シロップ剤に製する場合には甘味剤等を、乳剤または懸濁剤に製する場合には懸濁化剤、界面活性剤、乳化剤等を含有させて製造することができる。
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
結合剤の例としては、5ないし10重量%デンプンのり液、10ないし20重量%アラビアゴム液またはゼラチン液、1ないし5重量%トラガント液、カルボキシメチルセルロース液、アルギン酸ナトリウム液、グリセリン等が挙げられる。
崩壊剤の例としては、でんぷん、炭酸カルシウム等が挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルク等が挙げられる。
甘味剤の例としては、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単シロップ等が挙げられる。
界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40等が挙げられる。
懸濁化剤の例としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナイト等が挙げられる。
乳化剤の例としては、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ポリソルベート80等が挙げられる。
更に、本発明の化合物を上記の剤形に製造する場合には、所望により、製剤分野において通常用いられる着色剤、保存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等を適宜、適量添加することができる。
注射剤としては、静脈注射剤のほか、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等が含まれ、また持続性製剤としては、イオントフォレシス経皮剤等が含まれる。
かかる注射剤は、自体公知の方法、すなわち、本発明の化合物を無菌の水性液もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製される。注射用の水性液としては、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウム等)等が挙げられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノール)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80、HCO−50)等と併用してもよい。油性液としては、ゴマ油、大豆油等が挙げられ、溶解補助剤として、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等と併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン等)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコール等)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノール等)等と配合してもよい。調製された注射液は、通常、アンプルに充填される。
本発明製剤中の本発明の化合物の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約2ないし85重量%、さらに好ましくは約5ないし70重量%である。
本発明製剤中の添加剤の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約1ないし99.9重量%、好ましくは約10ないし90重量%である。
本発明の化合物は、安定かつ低毒性で安全に使用することができる。その1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、癌治療目的で患者に経口投与する場合には、成人(体重約60kg)1日当りの投与量は、有効成分(本発明の化合物)として約1ないし1000mg、好ましくは約3ないし300mg、さらに好ましくは約10ないし200mgであり、これらを1回または2ないし3回に分けて投与することができる。
本発明の化合物を非経口的に投与する場合は、通常、液剤(例えば、注射剤)の形で投与する。その1回投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法等によっても異なるが、例えば、注射剤の形にして、通常体重1kgあたり約0.01ないし約100mg、好ましくは約0.01ないし約50mg、より好ましくは約0.01ないし約20mgを静脈注射により投与するのが好都合である。
本発明の化合物は、他の薬物と併用して用いることができる。具体的には、本発明の化合物は、ホルモン療法剤、化学療法剤、免疫療法剤または細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤等の薬物と併用して用いることができる。以下、本発明の化合物と併用し得る薬物を併用薬物と略記する。
「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキシフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン等)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン等)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン等)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド等)、5α−レダクターゼ阻害薬(例、フィナステリド、エプリステリド等)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン等)、アンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロン等)、レチノイドおよびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾール等)等が用いられる。
「化学療法剤」としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤等が用いられる。
「アルキル化剤」としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシンおよびそれらのDDS製剤等が用いられる。
「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、ペメトレキセド、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール、カペシタビン等)、アミノプテリン、ネルザラビン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン、ベンダムスチンおよびそれらのDDS製剤等が用いられる。
「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシンおよびそれらのDDS製剤等が用いられる。
「植物由来抗癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタクセル、ビノレルビンおよびそれらのDDS製剤等が用いられる。
「免疫療法剤(BRM)」としては、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾール、抗CTLA4抗体等が用いられる。
「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」における「細胞増殖因子」としては、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなものでもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチドで、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因子が挙げられ、具体的には、(1)EGF(epidermal growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、TGFα等〕、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、インシュリン、IGF(insulin−like growth factor)−1、IGF−2等〕、(3)FGF(fibroblast growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、酸性FGF、塩基性FGF、KGF(keratinocyte growth factor)、FGF−10等〕、(4)その他の細胞増殖因子〔例、CSF(colony stimulating factor)、EPO(erythropoietin)、IL−2(interleukin−2)、NGF(nerve growth factor)、PDGF(platelet−derived growth factor)、TGFβ(transforming growth factor β)、HGF(hepatocyte growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、ヘレグリン、アンジオポエチン等〕が用いられる。
「細胞増殖因子の受容体」としては、上記の細胞増殖因子と結合能を有する受容体であればいかなるものであってもよく、具体的には、EGF受容体、ヘレグリン受容体(HER3等)、インシュリン受容体、IGF受容体−1、IGF受容体−2、FGF受容体−1またはFGF受容体−2、VEGF受容体、アンジオポエチン受容体(Tie2等)、PDGF受容体等が用いられる。
「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」としては、EGF阻害剤、TGFα阻害剤、ハーレギュリン阻害剤、インシュリン阻害剤、IGF阻害剤、FGF阻害剤、KGF阻害剤、CSF阻害剤、EPO阻害剤、IL−2阻害剤、NGF阻害剤、PDGF阻害剤、TGFβ阻害剤、HGF阻害剤、VEGF阻害剤、アンジオポエチン阻害剤、EGF受容体阻害剤、HER2阻害剤、HER4阻害剤、インシュリン受容体、IGF−1受容体阻害剤、IGF−2受容体阻害剤、FGF受容体−1阻害剤、FGF受容体−2阻害剤、FGF受容体−3阻害剤、FGF受容体−4阻害剤、VEGF受容体阻害剤、Tie−2阻害剤、PDGF受容体阻害剤、Abl阻害剤、Raf阻害剤、FLT3阻害剤、c−Kit阻害剤、Src阻害剤、PKC阻害剤、Trk阻害剤、Ret阻害剤、mTOR阻害剤、Aurora阻害剤、PLK阻害剤、MEK(MEK1/2)阻害剤、MET阻害剤、CDK阻害剤、Akt阻害剤、ERK阻害剤等が用いられる。より具体的に例示すると、抗VEGF抗体(Bevacizumab等)、抗HER2抗体(Trastuzumab、Pertuzumab等)、抗EGFR抗体(Cetuximab、Panitumumab、Matuzumab、Nimotuzumab等)、抗VEGFR抗体、Imatinib、Erlotinib、Gefitinib、Sorafenib、Sunitinib、Dasatinib、Lapatinib、Vatalanib、4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イルオキシ)-6-メトキシ-7-[3-(1-ピロリジニル)プロポキシ]キナゾリン(AZD-2171)、Lestaurtinib、Pazopanib、Canertinib、Tandutinib、3-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロベンジルオキシ)-5-[3-[4-(1-ピロリジニル)ブチル]ウレイド]イソチアゾール-4-カルボキサミド(CP-547632)、Axitinib、N-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-イル)-2-(ピリジン-4-イルメチルアミノ)ピリジン-3-カルボキサミド(AMG-706)、Nilotinib、6-[4-(4-エチルピペラジン-1-イルメチル)フェニル]-N-[1(R)-フェニルエチル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(AEE-788)、Vandetanib、Temsirolimus、Everolimus、Enzastaurin、N-[4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イルアミノ)ピリミジン-2-イルスルファニル]フェニル]シクロプロパンカルボキサミド(VX-680)、リン酸 2-[N-[3-[4-[5-[N-(3-フルオロフェニル)カルバモイルメチル]-1H-ピラゾール-3-イルアミノ]キナゾリン-7-イルオキシ]プロピル]-N-エチルアミノ]エチル エステル(AZD-1152)、4-[9-クロロ-7-(2,6-ジフルオロフェニル)-5H-ピリミド[5,4-d][2]ベンズアゼピン-2-イルアミノ]安息香酸(MLN-8054)、N-[2-メトキシ-5-[(E)-2-(2,4,6-トリメトキシフェニル)ビニルスルホニルメチル]フェニル]グリシン ナトリウム塩(ON-1910Na)、4-[8-シクロペンチル-7(R)-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イルアミノ]-3-メトキシ-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンズアミド(BI-2536)、5-(4-ブロモ-2-クロロフェニルアミノ)-4-フルオロ-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボヒドロキサム酸 2-ヒドロキシエチルエステル(AZD-6244)、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-0325901)等が用いられる。
上記の薬剤の他に、L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロトポルフィリン・コバルト錯塩、水銀ヘマトポルフィリン・ナトリウム、トポイソメラーゼI阻害薬(例、イリノテカン、トポテカン等)、トポイソメラーゼII阻害薬(例えば、ソブゾキサン等)、分化誘導剤(例、レチノイド、ビタミンD類等)、他の血管新生阻害薬(例えば、フマギリン、さめ抽出物、COX−2阻害薬等)、α−ブロッカー(例、塩酸タムスロシン等)、ビスホスホン酸(パミドロネート、ゾレドロネート等)、サリドマイド、5−アザシチジン、デシタビン、ボルテゾミブ、抗CD20抗体等の抗腫瘍性抗体、毒素標識抗体等も用いることができる。
本発明の化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明の化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症等)に応じて、本発明の化合物と併用する薬物を選択することができる、
(3)治療期間を長く設定することができる、
(4)治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。
以下、本発明の化合物と併用薬物を併用する場合を「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物と併用薬物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の化合物と併用薬物を併用する場合の投与形態としては、例えば、(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物→併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明の化合物1重量部に対し、併用薬物を0.01ないし100重量部用いればよい。
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明の化合物または(および)上記併用薬物を自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等とした後に、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。注射剤は、静脈内、筋肉内、皮下または臓器内投与あるいは直接病巣に投与することができる。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、前記した本発明の医薬の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体と同様のものが挙げられる。また、更に必要に応じ、前記した本発明の医薬の製造に用いられてもよい防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加剤を適宜、適量用いることもできる。
本発明の併用剤における本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし90重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし99.99重量%、好ましくは約10ないし90重量%程度である。
また、本発明の化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法により製造することができる。
例えば、本発明の化合物または併用薬物は、分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO60(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン等)、安定化剤(例、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、界面活性剤(例、ポリソルベート80、マクロゴール等)、可溶剤(例、グリセリン、エタノール等)、緩衝剤(例、リン酸及びそのアルカリ金属塩、クエン酸及びそのアルカリ金属塩等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)、pH調節剤(例、塩酸、水酸化ナトリウム等)、保存剤(例、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール等)、溶解剤(例、濃グリセリン、メグルミン等)、溶解補助剤(例、プロピレングリコール、白糖等)、無痛化剤(例、ブドウ糖、ベンジルアルコール等)等と共に水性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物油、プロピレングリコール等の溶解補助剤に溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、注射剤とすることができる。
また、自体公知の方法に従い、本発明の化合物または併用薬物に、例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン等)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウム等)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000等)等を添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。コーティングに用いられるコーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン80、プルロニックF68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ、メタアクリル酸・アクリル酸共重合体)および色素(例、ベンガラ、二酸化チタン等)等が用いられる。経口投与用製剤は速放性製剤、徐放性製剤のいずれであってもよい。
さらに、自体公知の方法に従い、本発明の化合物または併用薬物を、油性基剤、水性基剤または水性ゲル基剤と混合することにより、油性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。上記油性基剤としては、例えば、高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製、ドイツ)等〕、中鎖脂肪酸のグリセリド〔例、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製、ドイツ)等〕、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油等)等が挙げられる。また、水性基剤としては、例えば、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール等が挙げられる。水性ゲル基剤としては、例えば、天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体等が挙げられる。
上記徐放性製剤としては、徐放性マイクロカプセル剤等が挙げられる。該徐放性マイクロカプセル剤は、自体公知の方法、例えば、下記〔2〕に示す方法にしたがって製造される。
本発明の化合物は、固形製剤(例、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤)等の経口投与用製剤に成型するか、坐剤等の直腸投与用製剤に成型するのが好ましい。特に経口投与用製剤が好ましい。
併用薬物は、薬物の種類に応じて上記した剤形とすることができる。
以下に、〔1〕本発明の化合物または併用薬物の注射剤およびその調製、〔2〕本発明の化合物または併用薬物の徐放性製剤または速放性製剤およびその調製、〔3〕本発明の化合物または併用薬物の舌下錠、バッカルまたは口腔内速崩壊剤およびその調製について具体的に示す。
〔1〕注射剤およびその調製
本発明の化合物または併用薬物を水に溶解してなる注射剤が好ましい。該注射剤には、安息香酸塩または/およびサリチル酸塩を含有させてもよい。
該注射剤は、本発明の化合物または併用薬物と所望により安息香酸塩または/およびサリチル酸塩の双方を水に溶解することにより得られる。
上記安息香酸、サリチル酸の塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、メグルミン塩、その他トロメタモール等の有機塩基との塩等が挙げられる。
注射剤中の本発明の化合物または併用薬物の濃度は、0.5ないし50w/v%、好ましくは3ないし20w/v%程度である。また安息香酸塩または/およびサリチル酸塩の濃度は、0.5ないし50w/v%、好ましくは3ないし20w/v%程度である。
また、本注射剤には、一般に注射剤に使用される添加剤、例えば、安定化剤(例、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、界面活性剤(例、ポリソルベート80、マクロゴール等)、可溶剤(例、グリセリン、エタノール等)、緩衝剤(例、リン酸及びそのアルカリ金属塩、クエン酸及びそのアルカリ金属塩等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、塩化カリウム等)、分散剤(例、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン)、pH調節剤(例、塩酸、水酸化ナトリウム等)、保存剤(例、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸等)、溶解剤(例、濃グリセリン、メグルミン等)、溶解補助剤(例、プロピレングリコール、白糖等)、無痛化剤(例、ブドウ糖、ベンジルアルコール等)等を適宜配合することができる。これらの添加剤は、一般に注射剤に通常用いられる割合で配合される。
注射剤は、pH調節剤の添加により、pH2ないし12、好ましくはpH2.5ないし8.0に調整するのがよい。
注射剤は、本発明の化合物または併用薬物と所望により安息香酸塩または/およびサリチル酸塩の双方を、また必要により上記添加剤を水に溶解することにより得られる。これらの溶解はどのような順序で行ってもよく、従来の注射剤の製法と同様に適宜行うことができる。
注射用水溶液は加温するのがよく、また通常の注射剤と同様に、例えば、濾過滅菌、高圧加熱滅菌等を行うことにより注射剤として供することができる。
注射用水溶液は、例えば、100ないし121℃の条件で5ないし30分高圧加熱滅菌するのがよい。
さらに多回分割投与製剤として使用できるように、溶液の抗菌性を付与した製剤としてもよい。
〔2〕徐放性製剤または速放性製剤およびその調製
本発明の化合物または併用薬物を含んでなる核を所望により水不溶性物質や膨潤性ポリマー等の被膜剤で被覆してなる徐放性製剤が好ましい。例えば、1日1回投与型の経口投与用徐放性製剤が好ましい。
被膜剤に用いられる水不溶性物質としては、例えば、エチルセルロース、ブチルセルロース等のセルロースエーテル類、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート等のセルロースエステル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレート等のポリビニルエステル類、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート共重合体、エトキシエチルメタクリレート/シンナモエチルメタクリレート/アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸アルキルアミド共重合体、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリメタクリレート、ポリメタクリルアミド、アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリ(メタクリル酸アンヒドリド)、グリシジルメタクリレート共重合体、とりわけオイドラギットRS−100、RL−100、RS−30D、RL−30D、RL−PO、RS−PO(アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチル・アンモニウムエチル共重合体)、オイドラギットNE−30D(メタアクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体)等のオイドラギット類(ローム・ファーマ社製)等のアクリル酸系ポリマー、硬化ヒマシ油(例、ラブリワックス(フロイント産業製)等)等の硬化油、カルナバワックス、脂肪酸グリセリンエステル、パラフィン等のワックス類、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
膨潤性ポリマーとしては、酸性の解離基を有し、pH依存性の膨潤を示すポリマーが好ましく、胃内のような酸性領域では膨潤が少なく、小腸や大腸等の中性領域で膨潤が大きくなる酸性の解離基を有するポリマーが好ましい。
このような酸性の解離基を有し、pH依存性の膨潤を示すポリマーとしては、例えば、カーボマー(Carbomer)934P、940、941、974P、980、1342等、ポリカーボフィル(polycarbophil)、カルシウムポリカーボフィル(calcium polycarbophil)(前記はいずれもBFグッドリッチ社製)、ハイビスワコー103、104、105、304(いずれも和光純薬(株)製)等の架橋型ポリアクリル酸重合体が挙げられる。
徐放性製剤に用いられる被膜剤は、親水性物質をさらに含んでいてもよい。
該親水性物質としては、例えば、プルラン、デキストリン、アルギン酸アルカリ金属塩等の硫酸基を有していてもよい多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のヒドロキシアルキルまたはカルボキシアルキルを有する多糖類、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
徐放性製剤の被膜剤における水不溶性物質の含有率は、約30ないし約90%(w/w)、好ましくは約35ないし約80%(w/w)、さらに好ましくは約40ないし75%(w/w)であり、膨潤性ポリマーの含有率は、約3ないし約30%(w/w)、好ましくは約3ないし約15%(w/w)である。被膜剤は親水性物質をさらに含んでいてもよく、その場合被膜剤における親水性物質の含有率は、約50%(w/w)以下、好ましくは約5ないし約40%(w/w)、さらに好ましくは約5ないし約35%(w/w)である。ここで上記%(w/w)は、被膜剤液から溶媒(例、水、メタノール、エタノール等の低級アルコール等)を除いた被膜剤組成物に対する重量%を示す。
徐放性製剤は、以下に例示するように薬物を含む核を調製し、次いで得られた核を、水不溶性物質や膨潤性ポリマー等を加熱溶解あるいは溶媒に溶解または分散させた被膜剤液で被覆することにより製造される。
I.薬剤を含む核の調製
被膜剤で被覆される薬物を含む核(以下、単に核と称することがある)の形態は特に制限されないが、好ましくは顆粒あるいは細粒等の粒子状に形成される。
核が顆粒または細粒の場合、その平均粒子径は、好ましくは約150ないし約2,000μm、さらに好ましくは約500ないし約1,400μmである。
核の調製は通常の製造方法で実施することができる。例えば、薬物に適当な賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤等を混合し、湿式押し出し造粒法、流動層造粒法等により調製する。
核の薬物含量は、約0.5ないし約95%(w/w)、好ましくは約5.0ないし約80%(w/w)、さらに好ましくは約30ないし約70%(w/w)である。
核に含まれる賦形剤としては、例えば、白糖、乳糖、マンニトール、グルコース等の糖類、澱粉、結晶セルロース、リン酸カルシウム、コーンスターチ等が用いられる。中でも、結晶セルロース、コーンスターチが好ましい。
結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、プルロニックF68、アラビアゴム、ゼラチン、澱粉等が用いられる。崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG505)、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol)、架橋型ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)等が用いられる。中でも、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。滑沢剤、凝集防止剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよびその無機塩、また潤滑剤としてポリエチレングリコール等が用いられる。安定化剤としては、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の酸が用いられる。
核は上記製造法以外にも、例えば、核の中心となる不活性担体粒子上に水、低級アルコール(例、メタノール、エタノール等)等の適当な溶媒に溶解した結合剤をスプレーしながら、薬物あるいはこれと賦形剤、滑沢剤等との混合物を少量ずつ添加して行なう転動造粒法、パンコーティング法、流動層コーティング法や溶融造粒法によっても調製することができる。不活性担体粒子としては、例えば、白糖、乳糖、澱粉、結晶セルロース、ワックス類で製造されたものが使用でき、その平均粒子径は約100μmないし約1,500μmであるものが好ましい。
核に含まれる薬物と被膜剤とを分離するために、防護剤で核の表面を被覆してもよい。防護剤としては、例えば、前記親水性物質や、水不溶性物質等が用いられる。防護剤は、好ましくはポリエチレングリコールやヒドロキシアルキルまたはカルボキシアルキルを有する多糖類、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが用いられる。該防護剤は、安定化剤として、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の酸や、タルク等の滑沢剤を含んでいてもよい。防護剤を用いる場合、その被覆量は核に対して約1ないし約15%(w/w)、好ましくは約1ないし約10%(w/w)、さらに好ましくは約2ないし約8%(w/w)である。
防護剤は通常のコーティング法により被覆することができ、具体的には、防護剤を、例えば、流動層コーティング法、パンコーティング法等により核にスプレーコーティングすることで被覆することができる。
II.核の被膜剤による被覆
前記Iで得られた核を、前記水不溶性物質及びpH依存性の膨潤性ポリマー、および親水性物質を加熱溶解あるいは溶媒に溶解または分散させた被膜剤液により被覆することにより、徐放性製剤が製造される。
核の被膜剤液による被覆方法として、例えば、噴霧コーティングする方法等が挙げられる。
被膜剤液中の水不溶性物質、膨潤性ポリマーまたは親水性物質の組成比は、被膜中の各成分の含有率がそれぞれ前記含有率となるように適宜選ばれる。
被膜剤の被覆量は、核(防護剤の被覆量を含まない)に対して約1ないし約90%(w/w)、好ましくは約5ないし約50%(w/w)、さらに好ましくは約5ないし約35%(w/w)である。
被膜剤液の溶媒としては、水または有機溶媒を単独であるいは両者の混液を用いることができる。混液を用いる際の水と有機溶媒との混合比(水/有機溶媒:重量比)は、1ないし100%の範囲で変化させることができ、好ましくは1ないし約30%である。該有機溶媒としては、水不溶性物質を溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等の低級アルコール、アセトン等の低級アルカノン、アセトニトリル、クロロホルム、メチレンクロライド等が用いられる。このうち低級アルコールが好ましく、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが特に好ましい。水及び水と有機溶媒との混液が、被膜剤の溶媒として好ましく用いられる。この時、必要であれば被膜剤液中に、被膜剤液安定化のために、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の酸を加えてもよい。
噴霧コーティングにより被覆する場合の操作は、通常のコーティング法により実施することができ、具体的には、被膜剤液を、例えば、流動層コーティング法、パンコーティング法等により核にスプレーコーティングすることで実施することができる。この時必要であれば、タルク、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸等を滑沢剤として、グリセリン脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油、クエン酸トリエチル、セチルアルコール、ステアリルアルコール等を可塑剤として添加してもよい。
被膜剤による被膜後、必要に応じてタルク等の帯電防止剤を混合してもよい。
速放性製剤は、液状(溶液、懸濁液、乳化物等)であっても固形状(粒子状、丸剤、錠剤等)であってもよい。速放性製剤としては、経口投与剤、注射剤等の非経口投与剤が用いられるが、経口投与剤が好ましい。
速放性製剤は、通常、活性成分である薬物に加えて、製剤分野で慣用される担体、添加剤や賦形剤(以下、賦形剤と略称することがある)を含んでいてもよい。用いられる賦形剤は、製剤賦形剤として常用される賦形剤であれば特に限定されない。例えば、経口固形製剤用の賦形剤としては、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース(旭化成(株)製、アビセルPH101等)、粉糖、グラニュー糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−システイン等が挙げられ、好ましくはコーンスターチおよびマンニトール等が挙げられる。これらの賦形剤は、一種または二種以上を組み合わせて使用できる。賦形剤の含有量は、速放性製剤全量に対して、例えば、約4.5ないし約99.4w/w%、好ましくは約20ないし約98.5w/w%、さらに好ましくは約30ないし約97w/w%である。
速放性製剤における薬物の含量は、速放性製剤全量に対して、約0.5ないし約95w/w%、好ましくは約1ないし約60w/w%の範囲から適宜選択することができる。
速放性製剤が経口固形製剤の場合、通常上記成分に加えて、崩壊剤を含有する。このような崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム(五徳薬品製、ECG−505)、クロスカルメロースナトリウム(例えば、旭化成(株)製、アクジゾル)、クロスポビドン(例えば、BASF社製、コリドンCL)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学(株)製)、カルボキシメチルスターチ(松谷化学(株)製)、カルボキシメチルスターチナトリウム(木村産業製、エキスプロタブ)、部分α化デンプン(旭化成(株)製、PCS)等が用いられ、例えば、水と接触して吸水、膨潤、あるいは核を構成している有効成分と賦形剤との間にチャネルを作る等により顆粒を崩壊させるものを用いることができる。これらの崩壊剤は、一種または二種以上を組み合わせて使用できる。崩壊剤の配合量は、用いる薬物の種類や配合量、放出性の製剤設計等により適宜選択されるが、速放性製剤全量に対して、例えば、約0.05ないし約30w/w%、好ましくは約0.5ないし約15w/w%である。
速放性製剤が経口固形製剤である場合、上記の組成に加えて、所望により固形製剤において慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、結合剤(例えば、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等)、滑沢剤(例えば、ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、タルク、軽質無水ケイ酸(例えば、アエロジル(日本アエロジル製)))、界面活性剤(例えば、アルキル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体等の非イオン系界面活性剤等)、着色剤(例えば、タール系色素、カラメル、ベンガラ、酸化チタン、リボフラビン類)、必要ならば、矯味剤(例えば、甘味剤、香料等)、吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤等が用いられる。また、安定化剤として酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸等の有機酸を加えてもよい。
上記結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコールおよびポリビニルピロリドン等が好ましく用いられる。
速放性製剤は、通常の製剤の製造技術に基づき、前記各成分を混合し、必要により、さらに練合し、成型することにより調製することができる。上記混合は、一般に用いられる方法、例えば、混合、練合等により行われる。具体的には、例えば、速放性製剤を粒子状に形成する場合、前記徐放性製剤の核の調製法と同様の手法により、バーチカルグラニュレーター、万能練合機(畑鉄工所製)、流動層造粒機FD−5S(パウレック社製)等を用いて混合し、その後、湿式押し出し造粒法、流動層造粒法等により造粒することにより調製することができる。
このようにして得られた速放性製剤と徐放性製剤とは、そのままあるいは適宜、製剤賦形剤等と共に常法により別々に製剤化後、同時あるいは任意の投与間隔を挟んで組み合わせて投与する製剤としてもよく、また両者をそのままあるいは適宜、製剤賦形剤等と共に一つの経口投与製剤(例、顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル等)に製剤化してもよい。両製剤を顆粒あるいは細粒に製造して、同一のカプセル等に充填して経口投与用製剤としてもよい。
〔3〕舌下錠、バッカルまたは口腔内速崩壊剤およびその調製
舌下錠、バッカル製剤、口腔内速崩壊剤は、錠剤等の固形製剤であってもよいし、口腔粘膜貼付錠(フィルム)であってもよい。
舌下錠、バッカルまたは口腔内速崩壊剤としては、本発明の化合物または併用薬物と賦形剤とを含有する製剤が好ましい。また、滑沢剤、等張化剤、親水性担体、水分散性ポリマー、安定化剤等の補助剤を含有していてもよい。また、吸収を容易にし、生体内利用率を高めるためにβ−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリン誘導体(例、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等)等を含有していてもよい。
上記賦形剤としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられ、特に、ステアリン酸マグネシウムやコロイドシリカが好ましい。等張化剤としては、塩化ナトリウム、グルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、サッカロース、グリセリン、尿素等が挙げられ、特にマンニトールが好ましい。親水性担体としては、結晶セルロース、エチルセルロース、架橋性ポリビニルピロリドン、軽質無水珪酸、珪酸、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウム等の膨潤性親水性担体が挙げられ、特に結晶セルロース(例、微結晶セルロース等)が好ましい。水分散性ポリマーとしては、ガム(例、トラガカントガム、アカシアガム、グアーガム)、アルギン酸塩(例、アルギン酸ナトリウム)、セルロース誘導体(例、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ゼラチン、水溶性デンプン、ポリアクリル酸(例、カーボマー)、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリカーボフィル、アスコルビン酸、パルミチン酸塩等が挙げられ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が好ましい。特にヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。安定化剤としては、システイン、チオソルビトール、酒石酸、クエン酸、炭酸ナトリウム、アスコルビン酸、グリシン、亜硫酸ナトリウム等が挙げられ、特に、クエン酸やアスコルビン酸が好ましい。
舌下錠、バッカルまたは口腔内速崩壊剤は、本発明の化合物または併用薬物と賦形剤とを自体公知の方法により混合することにより製造することができる。さらに、所望により上記した滑沢剤、等張化剤、親水性担体、水分散性ポリマー、安定化剤、着色剤、甘味剤、防腐剤等の補助剤を混合してもよい。上記成分を同時に若しくは時間差をおいて混合した後、加圧打錠成形することにより舌下錠、バッカル錠または口腔内速崩壊錠が得られる。適度な硬度を得るため、打錠成形の過程の前後において必要に応じ水やアルコール等の溶媒を用いて加湿・湿潤させ、成形後、乾燥させて製造してもよい。
粘膜貼付錠(フィルム)に成型する場合は、本発明の化合物または併用薬物および上記した水分散性ポリマー(好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、賦形剤等を水等の溶媒に溶解させ、得られる溶液を流延させて(cast)フィルムとする。さらに、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、保存剤、着色剤、緩衝剤、甘味剤等の添加物を加えてもよい。フィルムに適度の弾性を与えるために、ポリエチレングリコールやプロピレングリコール等のグリコール類を含有させたり、口腔の粘膜ライニングへのフィルムの接着を高めるために、生物接着性ポリマー(例、ポリカーボフィル、カルボポール)を含有させてもよい。流延は、非接着性表面に溶液を注ぎ、ドクターブレード等の塗布用具で均一な厚さ(好ましくは10ないし1000ミクロン程度)にそれを広げ、次いで溶液を乾燥してフィルムを形成することにより達成される。このように形成されたフィルムは、室温若しくは加温下乾燥させ、所望の表面積に切断すればよい。
好ましい口腔内速崩壊剤としては、本発明の化合物または併用薬物と、本発明の化合物または併用薬物とは不活性である水溶性若しくは水拡散性キャリヤーとの網状体からなる固体状の急速拡散投与剤が挙げられる。該網状体は、本発明の化合物または併用薬物を適当な溶媒に溶解した溶液から構成されている組成物から溶媒を昇華することによって得られる。
該口腔内速崩壊剤の組成物中には、本発明の化合物または併用薬物に加えて、マトリックス形成剤と二次成分とを含んでいるのが好ましい。
該マトリックス形成剤としては、ゼラチン類、デキストリン類ならびに大豆、小麦ならびにオオバコ(psyllium)種子蛋白等の動物性蛋白類若しくは植物性タンパク類;アラビアゴム、グアーガム、寒天ならびにキサンタン等のゴム質物質;多糖類;アルギン酸類;カルボキシメチルセルロース類;カラゲナン類;デキストラン類;ペクチン類;ポリビニルピロリドン等の合成ポリマー類;ゼラチン−アラビアゴムコンプレックス等から誘導される物質が含まれる。さらに、マンニトール、デキストロース、ラクトース、ガラクトースならびにトレハロース等の糖類;シクロデキストリン等の環状糖類;リン酸ナトリウム、塩化ナトリウムならびにケイ酸アルミニウム等の無機塩類;グリシン、L−アラニン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−ヒドロキシプロリン、L−イソロイシン、L−ロイシンならびにL−フェニルアラニン等の炭素原子数が2から12までのアミノ酸等が含まれる。
マトリックス形成剤は、その1種若しくはそれ以上を、固形化の前に、溶液または懸濁液中に導入することができる。かかるマトリックス形成剤は、界面活性剤に加えて存在していてもよく、また界面活性剤が排除されて存在していてもよい。マトリックス形成剤は、そのマトリックスを形成することに加えて、本発明の化合物または併用薬物の拡散状態をその溶液または懸濁液中に維持する助けをすることができる。
保存剤、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、着色剤、pH調整剤、香味料、甘味料若しくは食味マスキング剤等の二次成分を組成物中に含有していてよい。適当な着色剤としては、赤色、黒色ならびに黄色酸化鉄類およびエリス・アンド・エベラールド社のFD&Cブルー2号ならびにFD&Cレッド40号等のFD&C染料が挙げられる。適当な香味料には、ミント、ラズベリー、甘草、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、カラメル、バニラ、チェリーならびにグレープフレーバーおよびこれらを組合せたものが含まれる。適当なpH調整剤には、クエン酸、酒石酸、リン酸、塩酸およびマレイン酸が含まれる。適当な甘味料としては、アスパルテーム、アセスルフェームKならびにタウマチン等が含まれる。適当な食味マスキング剤としては、重炭酸ナトリウム、イオン交換樹脂、シクロデキストリン包接化合物、吸着質物質ならびにマイクロカプセル化アポモルフィンが含まれる。
製剤は、通常約0.1ないし約50重量%、好ましくは約0.1ないし約30重量%の本発明の化合物または併用薬物を含み、約1分ないし約60分の間、好ましくは約1分ないし約15分の間、より好ましくは約2分ないし約5分の間に(水に)本発明の化合物または併用薬物の90%以上を溶解させることが可能な製剤(上記、舌下錠、バッカル等)や、口腔内に入れられて1ないし60秒以内に、好ましくは1ないし30秒以内に、さらに好ましくは1ないし10秒以内に崩壊する口腔内速崩壊剤が好ましい。
上記賦形剤の製剤全体に対する含有量は、約10ないし約99重量%、好ましくは約30ないし約90重量%である。β−シクロデキストリンまたはβ−シクロデキストリン誘導体の製剤全体に対する含有量は、0ないし約30重量%である。滑沢剤の製剤全体に対する含有量は、約0.01ないし約10重量%、好ましくは約1ないし約5重量%である。等張化剤の製剤全体に対する含有量は、約0.1ないし約90重量%、好ましくは、約10ないし約70重量%である。親水性担体の製剤全体に対する含有量は、約0.1ないし約50重量%、好ましくは約10ないし約30重量%である。水分散性ポリマーの製剤全体に対する含有量は、約0.1ないし約30重量%、好ましくは約10ないし約25重量%である。安定化剤の製剤全体に対する含有量は、約0.1ないし約10重量%、好ましくは約1ないし約5重量%である。上記製剤はさらに、着色剤、甘味剤、防腐剤等の添加剤を必要に応じて含有していてもよい。
本発明の併用剤の投与量は、本発明の化合物の種類、年齢、体重、症状、剤形、投与方法、投与期間等により異なるが、例えば、癌患者(成人、体重約60kg)一人あたり、通常、本発明の化合物および併用薬物として、それぞれ1日約0.01ないし約1000mg/kg、好ましくは約0.01ないし約100mg/kg、より好ましくは約0.1ないし約100mg/kg、とりわけ約0.1ないし約50mg/kgを、なかでも約1.5ないし約30mg/kgを1日1回から数回に分けて静脈投与される。もちろん、前記したように投与量は種々の条件で変動するので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
併用薬物は、副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類等によって異なり、特に限定されないが、薬物の量として通常、たとえば経口投与で哺乳動物1kg体重あたり約0.001ないし2000mg、好ましくは約0.01ないし500mg、さらに好ましくは、約0.1ないし100mg程度であり、これを通常1日1ないし4回に分けて投与する。
本発明の併用剤を投与するに際しては、本発明の化合物と併用薬物とを同時期に投与してもよいが、併用薬物を先に投与した後、本発明の化合物を投与してもよいし、本発明の化合物を先に投与し、その後で併用薬物を投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分ないし3日以内、好ましくは10分ないし1日以内、より好ましくは15分ないし1時間以内に本発明の化合物を投与する方法が挙げられる。本発明の化合物を先に投与する場合、本発明の化合物を投与した後、1分ないし1日以内、好ましくは10分ないし6時間以内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる。
好ましい投与方法としては、例えば、経口投与製剤に成型された併用薬物約0.001ないし200mg/kgを経口投与し、約15分後に経口投与製剤に成型された本発明の化合物約0.005ないし100mg/kgを1日量として経口投与する。
さらに、本発明の化合物または本発明の併用剤は、非薬剤療法と併用して用いることができる。具体的には、本発明の化合物または本発明の併用剤は、例えば、(1)手術、(2)アンジオテンシンII等を用いる昇圧化学療法、(3)遺伝子療法、(4)温熱療法、(5)凍結療法、(6)レーザー焼灼法、(7)放射線療法等の非薬剤療法と組み合わせることもできる。
例えば、本発明の化合物または本発明の併用剤を手術等の前または後に、あるいはこれら2、3種を組み合わせた治療前または後に使用することによって、耐性発現の阻止、無病期(Disease-Free Survival)の延長、癌転移あるいは再発の抑制、延命等の効果が得られる。
また、本発明の化合物または本発明の併用剤による治療と、支持療法〔(i)各種感染病の併発に対する抗生物質(例えば、パンスポリン等のβ−ラクタム系、クラリスロマイシン等のマクロライド系等)の投与、(ii)栄養障害改善のための高カロリー輸液、アミノ酸製剤、総合ビタミン剤の投与、(iii)疼痛緩和のためのモルヒネ投与、(iv)悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、白血球減少、血小板減少、ヘモグロビン濃度低下、脱毛、肝障害、腎障害、DIC、発熱等のような副作用を改善する薬剤の投与および(v)癌の多剤耐性を抑制するための薬剤の投与等〕を組み合わせることもできる。
前記の処置を施す前または施した後に、本発明の化合物または本発明の併用剤を経口投与(徐放性を含む)、静脈内投与(ボーラス(bolus)、輸液(infusion)、包接体を含む)、皮下および筋注(ボーラス(bolus)、輸液(infusion)、徐放性を含む)、経皮、腫瘍内および近位投与によって投与するのが好ましい。
手術等の前に本発明の化合物または本発明の併用剤を投与する場合の時期としては、例えば、手術等の約30分ないし24時間前に1回投与することもできるし、あるいは手術等の約3ヶ月ないし6ヶ月前に1ないし3サイクルに分けて投与することもできる。このように、手術等の前に本発明の化合物または本発明の併用剤を投与することにより、例えば、癌組織を縮小させることができるので、手術等がしやすくなる。
手術等の後に本発明の化合物または本発明の併用剤を投与する場合の時期としては、手術等の約30分ないし24時間後に、例えば、数週間ないし3ヶ月単位で反復投与することができる。このように、手術等の後に本発明の化合物または本発明の併用剤を投与することにより、手術等の効果を高めることができる。
以下に、参考例、実施例、製剤例および試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
以下の実施例において、粉末X線回折のデータは、Rigaku RINT2100 Ultima+を用い、以下の測定条件で取得した。
管電流/管電圧:40kV/50mA
測定角:2θ=2.000°〜35.000°
サンプリング幅:0.020°
スキャンスピード:6.000°/min
参考例1
2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]ベンズアミドの製造
Figure 2010077109
(i)2−クロロ−3−メチル安息香酸メチルの製造
2−クロロ−3−メチル安息香酸(25.0g,146mmol)、濃硫酸(2mL)、メタノール(160mL)の混合物を80℃で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮後、酢酸エチルで希釈し8N水酸化ナトリウム水溶液で中和した。有機層を分離後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシム上で乾燥後、塩基性シリカゲルパッドで濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、標題化合物(18.0g,66%)を淡橙色油状物質として得た。得られた化合物はこれ以上の精製操作を行わずに次の反応に用いた。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 2.42 (3H, s), 3.93 (3H, s), 7.19 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.32 - 7.38 (1H, m), 7.56 (1H, dd, J = 1.2, 7.6 Hz).
(ii)3−(ブロモメチル)−2−クロロ安息香酸メチルの製造
2−クロロ−3−メチル安息香酸メチル(3.60g,19.4mmol)のアセトニトリル(60mL)溶液に1−ブロモピロリジン−2,5−ジオン(11.46g,64.3mmol)、2,2’−(E)−ジアゼン−1,2−ジイルビス(2−メチルプロパンニトリル)(960mg,5.84mmol)を加え、90℃で26時間攪拌した。反応混合物から不溶物を濾別後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→95/5)で精製し、目的物を含むフラクションを減圧下で濃縮し、標題化合物(3.42g,66%)を無色油状物質として得た。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 3.94 (3H, s), 4.64 (2H, s), 7.31 (1H, t, J = 7.7 Hz), 7.58 (1H, dd, J = 1.7, 7.7 Hz), 7.71 (1H, dd, J = 1.7, 7.7 Hz).
(iii)2−クロロ−3−(シアノメチル)安息香酸メチルの製造
3−(ブロモメチル)−2−クロロ安息香酸メチル(748mg,2.84mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(7mL)溶液にシアン化ナトリウム(412mg,8.41mmol)を加え、80℃で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル/ヘキサン(1:1)混合溶媒で希釈した。この溶液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。不溶物を濾別後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=2/98→20/80)で精製し、目的物を含むフラクションを減圧下で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルおよびヘキサンから再結晶し、標題化合物(470mg,79%)を白色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 3.91 (2H, s), 3.95 (3H, s), 7.39 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.66 - 7.72 (1H, m), 7.76 - 7.81 (1H, m).
(iv)2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)安息香酸メチルの製造
2−クロロ−3−(シアノメチル)安息香酸メチル(20.0g,95.3mmol)のジメチルスルホキシド(200mL)溶液を15℃に冷却し、60%水素化ナトリウム(11.6g,289mmol)を少量ずつ加え、室温で30分間攪拌した。この懸濁液に1,2−ジブロモエタン(16.5mL,191mmol)を15℃で10分間かけて滴下し、室温で4時間攪拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液(200mL)を加え、ジエチルエーテル/酢酸エチル(1:1,3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を水(200mL)、飽和食塩水(100mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。不溶物を濾別後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95/5→65/35)で精製し、標題化合物(13.5g,60%)を白色粉末として得た。
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz) δ 1.31 - 1.41 (2H, m), 1.75 - 1.85 (2H, m), 3.96 (3H, s), 7.32 (1H, t, J = 7.7 Hz), 7.49 (1H, dd, J = 1.7, 7.7 Hz), 7.74 (1H, dd, J = 1.7, 7.7 Hz).
(v)2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)安息香酸の製造
2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)安息香酸メチル(13.5g,57.3mmol)のテトラヒドロフラン(180mL)/メタノール(60mL)/水(60mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(3.62g,86.3mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣に6N塩酸(20mL)を滴下した。析出物を濾取後、水で洗浄し、標題化合物(11.4g,90%)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 1.40 - 1.50 (2H, m), 1.72 - 1.85 (2H, m), 7.45 (1H, t, J = 7.7 Hz), 7.68 (1H, dd, J = 1.7, 7.7 Hz), 7.73 (1H, dd, J = 1.7, 7.7 Hz), 13.60 (1H, br s).
(vi)2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ベンズアミドの製造
2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)安息香酸(16.0g,72.2mmol)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(0.1mL)を加え、さらに塩化オキサリル(7.2mL,84.0mmol)を0℃で滴下し、室温で2.5時間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮乾固し、塩化2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)ベンゾイルを淡黄色油状物として得た。
3−アミノ−4−フルオロフェノール(9.00g,70.8mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液と炭酸水素ナトリウム(13.9g,166mmol)水溶液(100mL)の二層系混合液を激しく攪拌しながら、上記で合成した塩化2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)ベンゾイルのテトラヒドロフラン(60mL)溶液を滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。有機層を分離後、水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下で留去した。残渣をヘキサン/酢酸エチル(120mL/40mL)から結晶化して、標題化合物(23.4g,100%)を褐色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 1.40 - 1.49 (2H, m), 1.76 - 1.85 (2H, m), 6.52 - 6.63 (1H, m), 7.07 (1H, dd, J = 9.0, 10.5 Hz), 7.39 (1H, dd, J = 2.9, 6.5 Hz), 7.47 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.53 - 7.60 (1H, m), 7.64 (1H, dd, J = 1.7, 7.6 Hz), 9.48 (1H, s), 10.30 (1H, s).
(vii)2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−{2−フルオロ−5−[(5−ニトロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}ベンズアミドの製造
2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ベンズアミド(23.0g,69.6mmol)、2−クロロ−5−ニトロピリジン(12.2g,77.1mmol)、炭酸カリウム(11.5g,83.1mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(70mL)の混合物を室温で4時間攪拌した。反応混合物にN,N−ジメチルホルムアミド(130mL)および水(250mL)を加え、室温にて1時間攪拌した。析出物を濾取し、水(200mL)で洗浄後、減圧下で乾燥し、標題化合物(29.3g,93%)を灰色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 1.38 - 1.51 (2H, m), 1.74 - 1.86 (2H, m), 7.08 - 7.19 (1H, m), 7.32 (1H, d, J = 9.1 Hz), 7.42 (1H, dd, J = 9.0, 10.3 Hz), 7.47 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.56 - 7.62 (1H, m), 7.65 (1H, dd, J = 1.7, 7.6 Hz), 7.85 (1H, dd, J = 2.8, 6.4 Hz), 8.65 (1H, dd, J = 2.6, 9.1 Hz), 9.06 (1H, d, J = 2.6 Hz), 10.62 (1H, s).
(viii)N−{5−[(5−アミノピリジン−2−イル)オキシ]−2−フルオロフェニル}−2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)ベンズアミドの製造
2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−{2−フルオロ−5−[(5−ニトロピリジン−2−イル)オキシ]フェニル}ベンズアミド(6.60g、14.6mmol)、還元鉄(1.68g、30.0mmol)、塩化カルシウム(3.33g、30.0mmol)、水(80mL)、エタノール(20mL)の混合物を80℃で、18時間攪拌した。室温に冷却し、水(250mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(250mL)、酢酸エチル(300mL)とセライト(50g)を加えて攪拌した。混合物をセライト濾過し、不溶物を酢酸エチル(100mL)で洗いこんだ。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をジエチルエーテルから結晶化させて標題化合物(4.23g,69%)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) δ 1.35 - 1.42 (2H, m), 1.80 - 1.85 (2H, m), 3.45 - 3.57 (2H, br s), 6.82 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.82 - 6.88 (1H, m), 7.02 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.12 (1H, dd, J = 7.5, 8.4 Hz), 7.38 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.50 (1H, dd, J = 1.5, 7.5 Hz), 7.66 (1H, dd, J = 1.8, 7.8 Hz), 7.70 (1H, d, J = 3.0 Hz), 7.97 - 8.03 (1H, br s), 8.28 (1H, dd, J = 3.0, 6.6 Hz).
(ix)N−{5−[(2−アミノ[1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル)オキシ]−2−フルオロフェニル}−2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)ベンズアミドの製造
N−{5−[(5−アミノピリジン−2−イル)オキシ]−2−フルオロフェニル}−2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)ベンズアミド(4.23g、10mmol)およびチオシアン酸カリウム(3.89g、40mmol)の酢酸溶液(50mL)に15℃下、臭素(2.40g、15mmol)を滴下し、室温で6時間撹拌した。黄色懸濁液をセライトで濾過し、黄色不溶物を酢酸(50mL)で洗いこんだ。濾液と洗浄液をあわせ、減圧下で濃縮した。残渣を0.1N水酸化ナトリウム水溶液(100mL)に懸濁させ、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→0/100)で精製した。得られた残渣をジエチルエーテルから結晶化して標題化合物(3.32g,69%)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300MHz) δ 1.41 - 1.49 (2H, m), 1.75 - 1.85 (2H, m), 6.95 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.97 - 7.03 (1H, m), 7.33 (1H, dd, J = 9.3, 10.2 Hz), 7.46 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.56 - 7.67 (4H, m), 7.69 (1H, dd, J = 2.9, 6.5 Hz), 7.73 (1H, d, J = 8.5 Hz), 10.53 (1H, s).
(x)2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]ベンズアミドの製造
N−{5−[(2−アミノ[1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル)オキシ]−2−フルオロフェニル}−2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)ベンズアミド(9.0g,18.8mmol)およびピリジン(2.3mL,28.1mmol)のテトラヒドロフラン(90mL)溶液に、氷冷下で塩化シクロプロパンカルボニル(1.89mL,20.8mmol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。さらに塩化シクロプロパンカルボニル(63μL,0.69mmol)を追加し、室温で12時間攪拌した。反応液に水(100mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を加え、懸濁液とした後、室温で30分間攪拌した。析出物を濾取し、水で繰り返し洗浄後、減圧下で乾燥し、標題化合物(9.85g,96%)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 1.01 - 1.09 (2H, m), 1.21 - 1.29 (2H, m), 1.39 (2H, dd, J = 5.4, 7.5 Hz), 1.62 - 1.70 (1H, m), 1.81 (2H, dd, J = 5.4, 7.5 Hz), 6.94 - 6.99 (1H, m), 7.03 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.19 (1H, dd, J = 9.0, 10.2 Hz), 7.39 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.50 (1H, dd, J = 1.5, 7.5 Hz), 7.68 (1H, dd, J = 1.5, 7.5 Hz), 7.98 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.06 (1H, d, J = 3.0 Hz), 8.39 (1H, dd, J = 2.7, 6.6 Hz), 9.99 (1H, br s).
実施例1
N−アセチル−2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]ベンズアミドの製造
Figure 2010077109
参考例1(x)で製造した2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]ベンズアミド(180mg,0.328mmol)のピリジン(2mL)溶液に、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(18.0mg,0.147mmol)、および無水酢酸(138μL,1.46mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物に水(5mL)を加え、酢酸エチル(5mL×4)で抽出した。有機層を合わせて水(5mL)、飽和食塩水(5mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95/5→20/80)、および分取液体クロマトグラフィー(0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸含有水=45/55→60/40)で精製した。得られた残渣をジイソプロピルエーテル/アセトンより粉末化し、標題化合物(68.5mg,35%)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 0.87 - 1.01 (4H, m), 1.26 - 1.44 (2H, m), 1.64 - 1.87 (2H, m), 1.91 - 2.07 (1H, m), 2.35 (3H, s), 7.07 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.22 - 7.32 (1H, m), 7.33 - 7.45 (2H, m), 7.50 (1H, dd, J = 2.5, 6.3 Hz), 7.52 - 7.61 (2H, m), 8.18 (1H, d, J = 8.7 Hz), 12.72 (1H, br s).
実施例2
2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−(シクロプロピルカルボニル)−N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]ベンズアミドの製造
Figure 2010077109
参考例1(x)で製造した2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]ベンズアミド(3.5g,6.39mmol)のピリジン(35mL)溶液に、10℃下、N,N−ジメチルピリジン−4−アミン(3.87g,31.7mmol)、塩化シクロプロパンカルボニル(3.0mL,33.1mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を氷水(70mL)に注ぎ、酢酸エチル(80mL×3)で抽出した。有機層を合わせて水(50mL)、飽和食塩水(30mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95/5→20/80)で精製した。得られた残渣を酢酸エチルから再結晶し、標題化合物(2.47g,63%)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 0.84 - 1.03 (8H, m), 1.33 - 1.44 (2H, m), 1.72 - 1.80 (2H, m), 1.81 - 1.93 (1H, m), 1.93 - 2.06 (1H, m), 7.13 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.29 - 7.64 (6H, m), 8.19 (1H, d, J = 8.7 Hz), 12.71 (1H, br s).
粉末X線回折のデータ (Cu−Kα線;回折角:2θ(°)): 2.52, 2.76, 4.22, 4.86, 5.24, 7.46, 8.46, 9.76, 10.18, 10.54, 11.36, 11.62, 12.38, 13.04, 13.52, 13.84, 14.14, 14.78, 15.28, 15.56, 15.88, 16.32, 16.6, 16.8, 17.34, 17.8, 18.68, 19.12, 19.54, 20.02, 21.02, 21.56, 21.98, 22.7, 22.94, 23.4, 23.8, 24.5, 24.86.
実施例3
{[2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)フェニル]カルボニル}[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]カルバミン酸エチルの製造
Figure 2010077109
参考例1(x)で製造した2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]ベンズアミド(151mg,0.278mmol)のピリジン(1.5mL)溶液に二炭酸ジエチル(197μL,1.36mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物に水(5mL)を加え、酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機層を合わせて水(5mL)、飽和食塩水(2mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95/5→20/80)で精製した後、酢酸エチルから結晶化し、標題化合物(77.6mg,45%)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 0.90 (3H, t, J = 7.1 Hz), 0.93 - 1.00 (4H, m), 1.39 - 1.49 (2H, m), 1.75 - 1.85 (2H, m), 1.93 - 2.06 (1H, m), 4.03 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.16 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.32 - 7.40 (1H, m), 7.43 - 7.51 (2H, m), 7.51 - 7.58 (1H, m), 7.59 - 7.70 (2H, m), 8.19 (1H, d, J = 8.7 Hz), 12.70 (1H, br s).
実施例4
{[2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)フェニル]カルボニル}[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]カルバミン酸 tert−ブチルの製造
Figure 2010077109
参考例1(x)で製造した2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]ベンズアミド(3.0g,5.47mmol)のピリジン(55mL)溶液に二炭酸ジ−tert−ブチル(3.58g,16.4mmol)のテトラヒドロフラン(17mL)溶液を5分間かけて滴下した。反応混合物を1時間攪拌した後、水(120mL)で希釈し、酢酸エチル(240mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(120mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物を濾別し、溶媒を減圧下で留去することで無色油状物を得た。この無色油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95/5→20/80)で精製し、目的のフラクションを集め、溶媒を減圧下で留去し、標題化合物(2.25g,63%)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 0.86 - 0.99 (4H, m), 1.14 (9H, s), 1.39 - 1.50 (2H, m), 1.72 - 1.85 (2H, m), 1.99 (1H, t, J = 5.5 Hz), 7.16 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.33 (1H, dd, J = 2.9, 4.1 Hz), 7.42 - 7.57 (3H, m), 7.61 - 7.72 (2H, m), 8.19 (1H, d, J = 8.7 Hz), 12.70 (1H, s).
実施例5
2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)(メチル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]ベンズアミドの製造
Figure 2010077109
参考例1(x)で製造した2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)−N−[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]ベンズアミド(199mg,0.363mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に炭酸セシウム(186mg,0.571mmol)、ヨウ化メチル(30μL,0.482mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加え、酢酸エチル(5mL×4)で抽出した。有機層を合わせて水(5mL)、飽和食塩水(5mL)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=80/20→20/80)及び塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10→34/66)で精製し、標題化合物(82.5mg,40%)を白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 0.99 - 1.11 (4H, m), 1.39 - 1.51 (2H, m), 1.73 - 1.86 (2H, m), 2.30 - 2.43 (1H, m), 3.90 (3H, s), 7.02 - 7.13 (1H, m), 7.18 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.38 (1H, t, J = 9.6 Hz), 7.46 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.55 - 7.70 (2H, m), 7.79 (1H, dd, J = 2.9, 6.5 Hz), 8.26 (1H, d, J = 8.8 Hz), 10.58 (1H, s).
実施例6
{[2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)フェニル]カルボニル}[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]カルバミン酸 tert−ブチル 酢酸溶媒和物の製造
Figure 2010077109
実施例4で製造した{[2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)フェニル]カルボニル}[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]カルバミン酸 tert−ブチル(200mg,0.31mmol)を80%酢酸(1.0mL)に38℃下で溶解し、攪拌下、室温まで冷却し、同温にて2時間攪拌した。析出した結晶を濾取した後、50%酢酸、水で順次洗浄した。得られた結晶を減圧下で乾燥し、標題化合物(200mg,91%)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 0.85 - 1.05 (4H, m), 1.14 (9H, s), 1.38 - 1.53 (2H, m), 1.74 - 1.85 (2H, m), 1.90 (3H, s), 1.94 - 2.07 (1H, m), 7.17 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.28 - 7.40 (1H, m), 7.42 - 7.57 (3H, m), 7.61 - 7.73 (2H, m), 8.20 (1H, d, J = 8.7 Hz), 11.95 - 12.93 (2H, br s).
粉末X線回折のデータ (Cu−Kα線;回折角:2θ(°)): 6.16, 7.72, 8.4, 8.78, 9.1, 10.84, 11.16, 11.64, 12.44, 12.64, 12.92, 13.38, 13.98, 14.26, 14.58, 15.4, 16.1, 16.42, 17.06, 17.74, 17.98, 18.48, 18.8, 19.72, 20.04, 20.34, 20.72, 21.08, 21.58, 21.92, 22.54, 22.94, 23.62, 24.04, 24.28, 24.82.
実施例7
{[2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)フェニル]カルボニル}[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]カルバミン酸 tert−ブチル エタノール溶媒和物の製造
Figure 2010077109
実施例4で製造した{[2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)フェニル]カルボニル}[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]カルバミン酸 tert−ブチル(50mg,0.077mmol)を10%含水エタノール(0.44mL)に55℃下で溶解し、攪拌下、室温まで冷却し、同温にて終夜攪拌した。析出した結晶を濾取した後、水で洗浄した。得られた結晶を減圧下で乾燥し、標題化合物(45mg,84%)を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 0.82 - 1.00 (4H, m), 1.06 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.14 (9H, s), 1.35 - 1.58 (2H, m), 1.71 - 1.85 (2H, m), 1.94 - 2.07 (1H, m), 3.38 - 3.53 (2H, m), 4.34 (1H, t, J = 5.1 Hz), 7.16 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.26 - 7.41 (1H, m), 7.41 - 7.57 (3H, m), 7.60 - 7.74 (2H, m), 8.19 (1H, d, J = 8.7 Hz), 12.70 (1H, br s).
粉末X線回折のデータ (Cu−Kα線;回折角:2θ(°)): 5.98, 9.76, 10, 11.64, 12.04, 12.98, 13.32, 14.46, 14.78, 15.16, 15.9, 16.56, 16.98, 17.76, 18.16, 18.58, 18.94, 19.32, 19.62, 20.08, 20.42, 20.98, 21.2, 21.46, 22.22, 22.56, 23.28, 23.44, 23.9, 24.32, 24.78.
実施例8
{[2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)フェニル]カルボニル}[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]カルバミン酸 tert−ブチル アセトン溶媒和物の製造
Figure 2010077109
実施例4で製造した{[2−クロロ−3−(1−シアノシクロプロピル)フェニル]カルボニル}[5−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ][1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル}オキシ)−2−フルオロフェニル]カルバミン酸 tert−ブチル(50mg,0.077mmol)をアセトン(0.6mL)に50℃下で溶解し、攪拌下、水(0.6mL)を加えた。室温まで冷却し、析出した結晶を濾取した後、水で洗浄した。得られた結晶を減圧下で乾燥し、標題化合物(45mg,85%)を白色結晶として得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.83 - 1.04 (4H, m), 1.14 (9H, s), 1.38 - 1.51 (2H, m), 1.73 - 1.87 (2H, m), 1.93 - 2.05 (1H, m), 2.09 (6H, s), 7.16 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.28 - 7.41 (1H, m), 7.41 - 7.56 (3H, m), 7.60 - 7.73 (2H, m), 8.19 (1H, d, J = 8.7 Hz), 12.70 (1H, s).
粉末X線回折のデータ (Cu−Kα線;回折角:2θ(°)): 9.7, 11.28, 11.66, 12.84, 13.18, 14.82, 15.46, 16.56, 17.2, 17.78, 18.26, 19.44, 20.06, 20.44, 20.9, 21.62, 21.9, 22.2, 22.48, 22.86, 23.16, 23.48, 23.78, 24.16, 24.44, 25.00.
製剤例1
本発明の化合物を有効成分として含有する医薬は、例えば、次のような処方によって製造することができる。
1.カプセル剤
(1)実施例2で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)、(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
2.錠剤
(1)実施例2で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
製剤例2
日局注射用蒸留水50mLに実施例2で得られた化合物50mgを溶解した後、日局注射用蒸留水を加えて100mLとする。この溶液を滅菌条件下でろ過し、次にこの溶液1mLずつを取り、滅菌条件下、注射用バイアルに充填し、凍結乾燥して密閉する。
試験例1
in vivoでの結腸癌細胞HT−29細胞内ERKリン酸化阻害作用
ヒト結腸癌細胞HT−29の細胞をHBSS(Lonza B05083)にて10,000,000細胞/mlとなるよう調製し、ヌードラット(日本クレア F344/N Jcl-rnu/rnu 雌)の皮下に200μl/匹ずつ26Gの注射筒を用いて注射した。注射1〜2週間後にデジタルノギス(ミツトヨ CD−15C)を用いて腫瘍の長径(mm)および短径(mm)を測定し、腫瘍体積(mm)=(長径 mm)×(短径 mm)×(短径 mm)/2(癌と化学療法 vol.7(6) p.949 1980.より引用)により腫瘍体積を算出した。腫瘍体積が、250mmから500mmの範囲にあるラットが必要数以上得られた時点でPCP(統計解析ソフト)を用いた群分けを行った(1群あたり2匹)。群分け後、各個体について電子天秤(ザルトリウス LP2200S)を用いて体重を測定した。
実施例2および4に記載の化合物について、各々、2.81mg/mlおよび2.96mg/mlとなるよう0.5%メチルセルロース懸濁液を調製した(乳鉢を用いて懸濁液を調製)。群分けを行った個体に対して、調製した懸濁液を10ml/kg(ラット体重)となるよう経口で投与した。投与から4時間後に腫瘍を採取し、RIPAバッファー(1%NP−40,0.5%デオキシコール酸ナトリウム,0.1%SDS,1% phosphatase inhibitor coktail2 SIGMA,0.1% protease inhibitor coktail3 Calbiochem)を用いて溶解した。
上記で得た腫瘍溶解液を15,000rmpで10分間遠心後、タンパク質量を補正し、等量の2×SDSサンプルバッファーを添加し95℃にて5分間加熱した。その後SDS−PAGEを行い、ウェスタンブロット法にてタンパク質をSequi−BlotTM PVDF Membrane(バイオラッド)に転写した。5%(w/v)となるようリン酸バッファーに溶解したブロックエース溶液(雪印)を用いてブロッキングを行い、0.4%ブロックエースを含むリン酸バッファーにて1000倍に希釈した抗リン酸化ERK1/2(Thr202/Tyr204)(Cell signaling社#9101)にて1晩反応させた。Tween20(和光純薬)を0.1%含むリン酸バッファーにてメンブレンを洗浄後、0.4%ブロックエースを含むリン酸バッファーにて1000倍に希釈したHRP標識ラビットIgGポリクローナル抗体(Cell signaling社#7074)にて1時間室温下で反応させた。メンブレンを上記と同手順で洗浄後、抗体により標識したリン酸化ERK1/2タンパク質をECL−plus Detection Reagent(アマシャムバイオサイエンス)を用いて化学発光させ、ルミノイメージアナライザーLAS−1000(富士フィルム)にて検出した。被検化合物を投与していない群の発光量を100%とし、残存発光量が対照群の何%となるかを算出した。結果を表1に示す(値は、各測定群における平均値を示す)。
Figure 2010077109
以上の結果から、本発明化合物が、生体内でRafを阻害することが示された。
本発明の化合物は、生体内で、Rafに対する優れた阻害作用を示すので、Raf関連疾患(例えば、癌等)の臨床上有用な予防・治療剤を提供することができる。また、本発明の化合物は、薬効発現、薬物動態、溶解性、他の医薬品との相互作用、安全性、安定性の点でも優れているので、医薬として有用である。
本出願は、日本で出願された特願2008-220046を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含される。

Claims (10)

  1. 式:
    Figure 2010077109

    [式中、
    は、アシル、または置換基を有していてもよい環状基を示し;
    は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示し;
    Xは、−O−または−NR−を示し;
    Yは、−NR−CO−または−CO−NR−を示し;
    およびZは、
    (1)Zが−NR−であり、かつZが=N−であるか、または
    (2)Zが−N=であり、かつZが−NR−であり;
    、RおよびRは、それぞれ同一または異なって、
    (1)水素原子、
    (2)C1−3アルキル、
    (3)−CO−C1−6アルキル、
    (4)−CO−C3−6シクロアルキル、
    (5)−CO−O−C1−6アルキル、
    (6)−CO−O−C3−6シクロアルキル、
    (7)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
    (8)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
    (9)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
    (10)−CO−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
    (11)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
    (12)−CO−O−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
    (13)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、
    (14)−CO−NH−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル、
    (15)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C1−6アルキル、または
    (16)−CO−N(C1−6アルキル)−C1−3アルキレン−O−CO−O−C3−6シクロアルキル
    を示し;そして
    環Aは、さらに置換基を有していてもよい環を示す。
    但し、以下の組み合わせを除く:
    Xが、−O−、−NH−または−N(CH)−であり、
    Yが、−NH−CO−または−CO−NH−であり、かつ
    が水素原子である。]
    で表される化合物またはその塩。

  2. Figure 2010077109

    (式中の各記号は、請求項1と同意義を示す。)で表される、請求項1記載の化合物。

  3. Figure 2010077109

    (式中の各記号は、請求項1と同意義を示す。)で表される、請求項1記載の化合物。
  4. 請求項1記載の化合物もしくはその塩を含有してなる医薬。
  5. Raf阻害薬である請求項4記載の医薬。
  6. 癌の予防・治療薬である請求項4記載の医薬。
  7. 哺乳動物に対して、請求項1記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とするRaf阻害方法。
  8. 哺乳動物に対して、請求項1記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする癌の予防・治療方法。
  9. Raf阻害薬を製造するための、請求項1記載の化合物またはその塩の使用。
  10. 癌の予防・治療薬を製造するための、請求項1記載の化合物またはその塩の使用。
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