JP2010073469A - 有機エレクトロルミネッセンス発光素子、及びそれを用いたディスプレイ、照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス発光素子、及びそれを用いたディスプレイ、照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機エレクトロルミネッセンス発光素子の素子内部に閉じ込められた導波光成分を効率よく取り出して発光効率を向上させ、更に耐熱性の向上、モアレ、色にじみの発生を押さえた有機エレクトロルミネッセンス発光素子を提供する。
【解決手段】一対の電極110,111の間に有機発光層112を挟持した発光素子の光出射側の電極110上に積層された封止膜119に、接着層25を介して複数の凹凸構造12を有する光取り出しフィルム10Aを貼合した有機エレクトロルミネッセンス発光素子において、該接着層25または該光取り出しフィルム10Aが粒子を含有していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
【選択図】図6

Description

本発明は、ディスプレイ、照明、バックライト等に有効に利用できる有機エレクトロルミネッセンス発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス発光素子のように発光層自体から発光を取り出す固体内発光素子では、発光層の屈折率と出射媒質との屈折率によりきまる臨界角以上の発光光は全反射し、内部に閉じ込められ、導波光として失われる。
古典的なスネルの法則による計算では、発光層の屈折率をnとすると発生した光が外部に取り出される光取り出し効率η=1/2nで近似される。そのため、約80%の光が導波光として素子側面方向の損失光として失われている。
導波光を外部に取り出すには、発光層と出射面との間に、反射・伝送角を乱れさせる領域を形成し、スネルの法則を崩し、本来導波光として全反射される光の伝送角を変化させてやる必要がある。有機エレクトロルミネッセンス発光素子にそのような構造を形成して、取り出し効率を向上させる方法は多数提案されている。
例えば、特開平9−63767号公報には基板表面に凹凸構造を設けた有機エレクトロルミネッセンス発光素子が、特開平11−214163号公報には素子自体に立体構造や傾斜面を形成した有機エレクトロルミネッセンス発光素子、そのほかにも、基板の形状を物理的に変化させ、素子内部に閉じ込められた導波光を取り出す試みは多数されている。
前述したように、古典的な計算では有機エレクトロルミネッセンス発光素子の取り出し効率は17%程度であり、80%以上の導波光は素子内部に閉じ込められると述べたが、ナノメートル程度の薄膜層からなる有機エレクトロルミネッセンス発光素子では、光の干渉効果やマイクロキャビティー効果などにより、現象は更に複雑である。
Soneらの報告(IDW’03,p1297)でも有機エレクトロルミネッセンス発光素子のガラス基板上に凹凸を形成された輝度向上度は1.4倍と報告されている。
このように実際の有機エレクトロルミネッセンス発光素子では、古典論から推測されるほど、導波光の光取り出しによる輝度向上効果は大きくならないが、それでも、有機エレクトロルミネッセンス発光素子内に閉じ込められた導波光はある程度取り出すことができる。特に有機エレクトロルミネッセンス発光素子を発光面積の大きい平面照明用途に適応する場合は、前記の提案が好適に応用できる。
このような問題に対し、最近では、面発光素子の出射面にプリズムやレンズ状の光取り出しフィルムを凹凸面が面発光素子の射出面に向くようにして取り付け、光路変換機能を持たせて輝度向上させる手段が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、発光層と出射面との間に、反射・伝送角を乱れさせる領域を形成する手法においてディスプレイに適用する場合に色にじみを解決するために発光領域に上記凹凸面を近づけることが考えられるが、耐熱性という新たな課題とモアレ、色にじみの発生が懸念点として挙げられる。
特開2000−148032号公報 特開2006−59543号公報
従って、本発明はこのような事情に照らして、有機エレクトロルミネッセンス発光素子の素子内部に閉じ込められた導波光成分を効率よく取り出して発光効率を向上させ、更に耐熱性の向上、モアレ、色にじみの発生を押さえた有機エレクトロルミネッセンス発光素子(面発光体)を提供することを目的とする。
本発明は、凹凸構造を持つ光取り出しフィルム、封止膜、更にはそれらを密着させるための接着層の屈折率を粒子等により調整することで、光取り出し効率に優れる有機エレクトロルミネッセンス発光素子を提供し、これにより低消費電力で長寿命化が可能である工業的に有用な有機エレクトロルミネッセンス発光素子を提供することにある。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.一対の電極の間に有機発光層を挟持した発光素子の光出射側の電極上に積層された封止膜に、接着層を介して複数の凹凸構造を有する光取り出しフィルムを貼合した有機エレクトロルミネッセンス発光素子において、該接着層または該光取り出しフィルムが粒子を含有していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
2.前記封止膜、接着層、及び光取り出しフィルムの各々の屈折率差が0.0以上、0.3以下であることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
3.前記粒子の体積平均分散粒径が1nm以上、100nm未満であることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
4.前記接着層及び光取り出しフィルムの可視光透過率が75%以上であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子を用いたことを特徴とするディスプレイ。
6.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子を用いたことを特徴とする照明装置。
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス発光素子の素子内部に閉じ込められた導波光成分を効率よく取り出して発光効率を向上させ、更に耐熱性の向上、モアレ、色にじみの発生を押さえた有機エレクトロルミネッセンス発光素子を提供することができる。
本発明は、凹凸構造を持つ光取り出しフィルム、封止膜、更にはそれらを密着させるための接着層の屈折率を粒子等により調整することで、光取り出し効率に優れる有機エレクトロルミネッセンス発光素子が得られ、これにより低消費電力で長寿命化が可能である工業的に有用な有機エレクトロルミネッセンス発光素子を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス発光素子は、請求項1の発明にあるように、一対の電極の間に有機発光層を挟持した発光素子の光出射側の電極上に積層された封止膜に、接着層を介して複数の凹凸構造を有する光取り出しフィルムを貼合しており、該接着層または該光取り出しフィルムが粒子を含有していることを特徴とする。かかる構成において、有機エレクトロルミネッセンス発光素子の画像特性、機械的強度を低下させることなく、素子内部に閉じ込められた導波光成分を効率よく取り出して発光効率を向上させ、更に粒子を含有することで耐熱性の向上、モアレ、色にじみの発生を押さえた本発明の効果を奏するものである。
請求項2の発明は、凹凸構造を持つ光取り出しフィルム、封止膜、更にはそれらを密着させるための接着層の屈折率において、各々の屈折率差が0.0以上、0.3以下である構成により、特に耐熱性の向上、モアレ、色にじみの発生を押さえた有機エレクトロルミネッセンス発光素子を提供するものである。
請求項3の発明は、前記粒子の体積平均分散粒径が1nm以上、100nm未満であることにより、特に耐熱性の向上、モアレ、色にじみの発生を押さえた有機エレクトロルミネッセンス発光素子を提供するものである。
請求項4の発明は、前記接着層及び前記光取り出しフィルムの透過率が75%以上であることにより、光取り出し効率に優れる有機エレクトロルミネッセンス発光素子を提供するものである。
そして、請求項5、請求項6の発明は、本発明の光取り出し効率に優れ、耐熱性の向上、モアレ、色にじみの発生を押さえた有機エレクトロルミネッセンス発光素子を用いたディスプレイ、照明装置である。
以下、本発明を詳細に説明する。
有機エレクトロルミネッセンス発光素子(以下、有機EL発光素子という)には、所謂ボトムエミッション型とトップエミッション型とがある。ボトムエミッション型の有機EL発光素子は、ガラス基板等の絶縁基板上に、第1の電極または一方の電極としての透明電極(ITO等)、電界の印加で発光する多層の有機膜(有機発光層とも言う)、第2の電極または他方の電極としての反射性の金属電極を順次積層した発光機構で有機EL素子が構成される。この有機EL素子をマトリクス状に多数配列し、それらの積層構造を覆って封止缶と称する他の基板或いは封止膜を設け、上記発光構造を外部の雰囲気から遮断している。そして、例えば透明電極を陽極とし、金属電極を陰極として両者の間に電界を印加することで有機多層膜にキャリア(電子と正孔)が注入され、該有機多層膜が発光する。この発光をガラス基板側から外部に出射する構成となっている。
一方、トップエミッション型の有機EL発光素子は、上記した一方の電極を反射性を有する金属電極とし、他方の電極をITO等の透明電極とし、両者の間に電界を印加することで発光層が発光し、この発光を上記他方の電極側から出射する構成を特徴としている。トップエミッション型では、駆動回路上も発光エリアとして利用できる特徴を有している。又、トップエミッション型では、ボトムエミッション型における封止缶として、ガラス板、または透明封止フィルム(封止膜)等の透明材料が使用される。
このような有機EL発光素子では、陰極や有機層中に水分や酸素等が侵入することで劣化が起こり、輝度低下、ダークスポットやエッジグロース等の欠陥を引き起こす問題がある。この水分や酸素などの浸入を防止するため、陰極や有機層を保護するための封止が必須であり、この封止手段としては、次のような構成が提案されている。即ち、
(1)回路及び発光部を形成した基板を封止用基板で挟み込み封止する手段。
(2)ガス透過性の低い有機物(樹脂)や無機化合物、金属などの薄膜を回路及び発光部上全体に、単層または組み合わせにより複層成膜することにより封止する手段。
等が挙げられる。
最初に本発明の実施形態に係る有機ELを添付図面に基づいて具体的に説明する。尚、本発明の有機EL発光素子は下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
光取り出しフィルムとして、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)に示すように、透光性基板11の片面に先端側が収縮した四角錐台状(図1)、円錘台状(図2)の凸部12が縦横に連続して形成されたプリズムアレイシート10Aを用いることが好ましい。図では四角錐台状凸部、円錘台状凸部を示しているが、形状はこれらに限定されるものではない。三角錐台、六角錘台、ハニカム形状、楕円錘形状、多角錐形状、更に底面が円及び楕円及び多角形、上面が楕円、円、多角形である組み合わせ錘形状のような形状が縦横に連続して形成されたプリズムアレイシートを用いてもよい。
本発明では輝度向上効果において、最も好ましい凸部の形状は図2で示す円錐台状の凸部を有するプリズムアレイシートである。
光取り出しフィルムの透光性基板材料としては、可視光領域で実質的に透明な材料を用いることが好ましい。具体的には、光取り出しフィルム及び後述する接着層の可視光透過率は、良好な光取り出し効率を発現する上で75%以上であることが好ましい。日立製作所製U−4000型分光光度計を使用して、JIS R5756に基づいて反射スペクトルを測定して可視光透過率(%)を算出できる。
具体的な透光性基板材料としては、例えばトリアセチルセルロースやセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートのようなセルロースエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂、更に、上記熱可塑性樹脂の基材或いはガラス基材上にアクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂で構成された樹脂を塗設、型取りして光取り出しフィルムとすることも好ましい。
本発明の透光性基板はフィルム成型されることが好ましく、公知の溶液流延法、または溶融流延法によって長尺のフィルムに成型される。
上記凸部の形成は、予め作製された金型に上記樹脂を流し込むか、押し当てて型をとり、次いで剥離することで形成する方法が挙げられるが、これに限定されるものではないが、例えば次のような方法が挙げられる。
光取り出しフィルム上に複数の凸部が形成されるために必要な複数の凹部を持つ金型を、エッチング、レーザー等により各凹部の寸法精度を所望の範囲内に抑え作製する。この金型を予め前記透光性基板上にUV硬化樹脂液を塗布した層に押し当て、UV照射して固化、剥離することにより、個々の凸部の高さを制御した光取り出しフィルムを得ることができる。
光取り出しフィルムは、粒子を含んでも含まなくてもよいが、光学的に接着層、封止膜の屈折率に対し、0.0以上、0.3以下の屈折率差を有するように材料を選択することが好ましい。
ここで本発明の特徴である粒子について説明する。
〈粒子〉
本発明に用いる粒子は接着層または光取り出しフィルムに添加され、それらの屈折率や物性を調整することにより、本発明の効果である耐熱性の向上、モアレ、色にじみ発生の抑制が達成されるものである。即ち、封止膜、接着層、及び光取り出しフィルムの各々の屈折率差が0.0以上、0.3以下となるように、該粒子は接着層または光取り出しフィルムに適宜添加されることが好ましい。
本発明では用いる粒子に制限はなく、無機粒子、有機粒子を区別することなく使用することができるが、安定性、扱い易さ、効果の発現のし易さ等の観点から無機粒子であることが好ましい。
無機粒子は、体積平均分散粒径が1nm以上、100nm未満であることが好ましく、1nm以上、70nm以下であることがより好ましく、1nm以上、50nm以下であることが更に好ましい。体積平均分散粒径が1nm以上であれば、無機粒子の分散性を確保することができ、所望の性能を得ることができ、また体積平均分散粒径が100nm以下であれば、本発明の効果に照合して、得られる接着層や光取り出しフィルムの屈折率や物性を制御することができる。ここでいう体積平均分散粒径とは、分散状態にある無機粒子を、同体積の球に換算した時の直径を言う。尚、粒子の体積平均分散粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて確認できるほか、BET法により比表面積を測定することで推算することも可能である。
無機粒子の形状は、特に限定されるものではないが、好適には球状の微粒子が用いられる。また、粒径の分布に関しても特に制限されるものではないが、本発明の効果をより効率よく発現させるためには、広範な分布を有するものよりも、比較的狭い分布を持つものが好適に用いられる。尚、無機粒子の形状、分布は、SEM、TEMを用いて確認することができる。
無機粒子としては、例えば、酸化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、これら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム等、或いは、リン酸塩、硫酸塩等、を挙げることができる。
また、無機粒子として、半導体結晶組成の微粒子も好ましく利用できる。該半導体結晶組成には、特に制限はないが、光学素子として使用する波長領域において吸収、発光、蛍光等が生じないものが望ましい。具体的な組成例としては、例えば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫等の周期表第14族元素の単体、リン(黒リン)等の周期表第15族元素の単体、セレン、テルル等の周期表第16族元素の単体、炭化ケイ素(SiC)等の複数の周期表第14族元素からなる化合物、酸化錫(IV)(SnO)、硫化錫(II、IV)(Sn(II)Sn(IV)S)、硫化錫(IV)(SnS)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(或いはIII−V族化合物半導体)、硫化アルミニウム(Al)、セレン化アルミニウム(AlSe)、硫化ガリウム(Ga)、セレン化ガリウム(GaSe)、テルル化ガリウム(GaTe)、酸化インジウム(In)、硫化インジウム(In)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物(或いはII〜VI族化合物半導体)、硫化砒素(III)(As)、セレン化砒素(III)(AsSe)、テルル化砒素(III)(AsTe)、硫化アンチモン(III)(Sb)、セレン化アンチモン(III)(SbSe)、テルル化アンチモン(III)(SbTe)、硫化ビスマス(III)(Bi)、セレン化ビスマス(III)(BiSe)、テルル化ビスマス(III)(BiTe)等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化銅(I)(CuO)、セレン化銅(I)(CuSe)等の周期表第11族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表第9族元素と周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(MoS)、酸化タングステン(IV)(WO)等の周期表第6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO)、酸化タンタル(V)(Ta)等の周期表第5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン(TiO、Ti、Ti、Ti等)等の周期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCrSe)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCrSe)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO)等が挙げられる。尚、G.Schmidら;Adv.Mater.,4巻,494頁(1991)に報告されている(BN)75(BF2)15F15や、D.Fenskeら;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,29巻,1452頁(1990)に報告されているCu146Se73(トリエチルホスフィン)22のように構造の確定されている半導体クラスターも同様に例示される。
これらの無機粒子は、1種類の無機粒子を用いてもよく、また複数種類の無機粒子を併用してもよい。また、複合組成の無機粒子を用いることも可能である。
(無機粒子の製造方法及び表面修飾)
無機粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、ハロゲン化金属やアルコキシ金属を原料に用い、水を含有する反応系において加水分解することにより、所望の酸化物微粒子を得ることができる。この際、微粒子の安定化のために有機酸や有機アミンなどを併用する方法も用いられる。より具体的には、例えば、二酸化チタン微粒子の場合、ジャーナル・オブ・ケミカルエンジニアリング・オブ・ジャパン第31巻1号21−28頁(1998年)や、硫化亜鉛の場合は、ジャーナル・オブ・フィジカルケミストリー第100巻468−471頁(1996年)に記載された公知の方法を用いることができる。例えば、これらの方法に従えば、体積平均分散粒径が5nmの酸化チタンは、チタニウムテトライソプロポキサイドや四塩化チタンを原料として、適当な溶媒中で加水分解させる際に適当な表面修飾剤を添加することにより容易に製造することができる。また、体積平均分散粒径が40nmの硫化亜鉛は、ジメチル亜鉛や塩化亜鉛を原料とし、硫化水素或いは硫化ナトリウムなどで硫化する際に、表面修飾剤を添加することにより製造することができる。表面修飾する方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、水が存在する条件下で加水分解により粒子の表面に修飾する方法が挙げられる。この方法では、酸またはアルカリなどの触媒が好適に用いられ、微粒子表面の水酸基と、表面修飾剤が加水分解して生じる水酸基とが、脱水して結合を形成することが一般に考えられている。
使用可能な表面修飾剤としては、例えば、シランカップリング剤:テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−メチルフェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルフェノキシシランなどが挙げられる。
また、チタンカップリング剤:テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート及びビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネート等が挙げられる。
その他、アルミネート系カップリング剤や、アミノ酸系分散剤、各種シリコンオイルを表面処理に用いることも可能である。
これら表面処理剤は、反応速度などの特性が異なり、表面修飾の条件などに適した化合物を用いることができる。また、1種類のみを用いても、複数種類を併用してもよい。さらに、用いる化合物によって得られる表面修飾微粒子の性状は異なることがあり、接着層や光取り出しフィルムに用いられる樹脂材料との親和性を、表面修飾する際に用いる化合物を選ぶことによって図ることも可能である。
表面修飾剤の割合は、特に限定されるものではないが、表面修飾後の粒子に対して、表面修飾剤の割合が10〜99質量%であることが好ましく、30〜98質量%であることがより好ましい。
無機粒子の添加は、光取り出しフィルムの場合には、樹脂100質量部当たり0.1質量部〜50質量部、好ましくは0.5質量部〜45質量部である。光取り出しフィルムの場合は、フィルム全体に均一に分散させても、或いは凸部のみに粒子を局在させてもよい。
接着層の場合には、接着性を阻害しない観点から樹脂100質量部当たり0.1質量部〜45質量部、好ましくは0.2質量部〜40質量部である。
(その他の配合剤)
本発明に係る光取り出しフィルムの調製工程や成型工程においては、必要に応じて各種添加剤(配合剤ともいう)を添加することができる。添加剤については、格別限定はないが、酸化防止剤、熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤などの安定剤;滑剤、可塑剤などの樹脂改質剤;軟質重合体、アルコール性化合物等の白濁防止剤;染料や顔料などの着色剤;帯電防止剤、難燃剤、などが挙げられる。これらの配合剤は、単独で、或いは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明に記載の効果を損なわない範囲で適宜選択される。本発明においては、特に、光取り出しフィルムは可塑剤または酸化防止剤を含有することが好ましい。
〈可塑剤〉
可塑剤としては、特に限定はないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を挙げることができる。
リン酸エステル系可塑剤では、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等、トリメリット酸系可塑剤では、例えば、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、ピロメリット酸エステル系可塑剤では、例えば、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等、グリコレート系可塑剤では、例えば、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステル系可塑剤では、例えば、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を挙げることができる。さらに、高温化でのハンドリングによる着色を防止する必要がある場合、高純度アミドワックスや脂肪酸エステルを用いることも好ましい。例えば、エチレンビスステアリン酸アミド、エルカ酸、オレイン酸などのアミド、ラウリン酸メチルやステアリン酸ブチル、ベヘニン酸ベヘニルなどのモノエステル、ネオペンチルポリオール長鎖脂肪酸エステルやジペンタエリスリトール長鎖脂肪酸エステルなどのポリオールのエステルなどを用いることが好ましい。
(酸化防止剤)
酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなく、成型時の酸化劣化等によるレンズの着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、本発明の熱可塑性複合材料100質量部に対して好ましくは0.001〜20質量部、より好ましくは0.01〜10質量部である。
フェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタン[即ち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート))]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)などのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
そのほか、ジフェニルアミン誘導体などのアミン系酸化防止剤、ニッケルや亜鉛のチオカルバメートなども酸化防止剤として用いることができる。
(耐光安定剤)
耐光安定剤としては、ベンゾフェノン系耐光安定剤、ベンゾトリアゾール系耐光安定剤、ヒンダードアミン系耐光安定剤などが挙げられるが、本発明においては、レンズの透明性、耐着色性等の観点から、ヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)を用いるのが好ましい。このようなHALSの具体例としては、低分子量のものから中分子量、高分子量のものを選ぶことができる。
例えば、比較的分子量の小さいものとして、LA−77((株)ADEKA製)、Tinuvin765(チバ・ジャパン社製)、Tinuvin123(チバ・ジャパン社製)、Tinuvin440(チバ・ジャパン社製)、Tinuvin144(チバ・ジャパン社製)、HostavinN20(ヘキスト社製)中程度の分子量として、LA−57((株)ADEKA製)、LA−52((株)ADEKA製)、LA−67((株)ADEKA製)、LA−62((株)ADEKA製)、さらに分子量の大きいものとして、LA−68((株)ADEKA製)、LA−63((株)ADEKA製)、HostavinN30(ヘキスト社製)、Chimassorb944(チバ・ジャパン社製)、Chimassorb2020(チバ・ジャパン社製)、Chimassorb119(チバ・ジャパン社製)、Tinuvin622(チバ・ジャパン社製)、CyasorbUV−3346(Cytec製)、CyasorbUV−3529(Cytec製)、Uvasil299(GLC製)などが挙げられる。
本発明に係る光取り出しフィルムに対する上記配合剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.02〜15質量部、特に好ましくは0.05〜10質量部である。添加量が少なすぎると耐光性の改良効果が十分に得られず、屋外で長時間使用する場合等に着色が生じる。一方、HALSの配合量が多過ぎると、ヘイズが出やすくなり透明性が劣化する。
次に、本発明に係る有機EL発光素子の構成を図によって説明する。
図3に示すように、有機EL発光層23を挟持して透明電極22、対向電極24、及び透明電極22上に設けられた封止膜21によって構成された有機EL素子20を用い、この有機EL素子20より発光された光の出射面21a上に、接着層25を介して上記プリズムアレイシート10Aにおける円錐台状になった凸部12の先端面12aを粘着剤で接着させるようにし、有機EL発光素子30を形成した。この際後述する図5に示すように凸部先端面は接着層25の内部に埋没させることが好ましい。凸部12の先端を接着層に埋没させることにより光取り出しフィルムと接着層の接着性が良く、高温、高湿などの悪条件下で剥がれることが少なく、かつ画面全体を均一に接着することができる。
上記本発明の目的である接着性と光取り出し効率を満足する上で、図5に示す凸部の埋没する深さYと凸部の高さHの関係が下記条件式の範囲を満たすことが好ましい。
0.001H≦Y≦0.5H
このように有機EL素子20の出射面21aに、プリズムアレイシート10Aにおける円錘台状になった凸部12の先端面12aを粘着剤で接着させると、プリズムアレイシート10Aの凸部12が有機EL素子20の出射面21aに向けて収縮した形状になると共に、このプリズムアレイシート10Aの凸部12と有機EL素子20の出射面21aとの間の空間部13は空気層となる。
そして、このように有機EL素子20の出射面21aにプリズムアレイシート10Aにおける円錘台状になった凸部12の先端面12aを接着させて、上記の有機EL素子20を発光させると、図4(接着層25は不図示)に示すように、プリズムアレイシートを設けない場合には有機EL素子20の出射面21aにおいて全反射される光が、プリズムアレイシート10Aの凸部12の先端面12aが接着された部分においては、全反射されずにこのプリズムアレイシート10A内に導かれるようになる。
そして、このようにプリズムアレイシート10A内に導かれた光の多くは、有機EL素子20の出射面21aに向けて収縮した凸部12と空間部13との界面である凸部12の傾斜面12bにおいて反射され、この反射された光がプリズムアレイシート10Aの出射面14に導かれて出射されるようになる。また、図4に示すように、プリズムアレイシート10Aの凸部12の先端面12aが接着されていない出射面21aの部分から出射される光であっても、出射面21aから垂直方向に出射される光は、凸部12の傾斜面12bで進行方向が若干変更されるが、プリズムアレイシート10Aの正面側に出射されるようになり、また出射面21aからプリズムアレイシート10Aにおける凸部12の傾斜面12bと直交するような方向に出射された光は、この傾斜面12bから凸部12内に導かれ、この凸部12の反対側の傾斜面12bで反射されてプリズムアレイシート10Aの正面側に出射されるようになる。
ここで、上記のようにプリズムアレイシートを設けない場合には有機EL素子20の出射面21aにおいて全反射される光が、上記の凸部12の先端面12aからこのプリズムアレイシート10Aの内部に適切に導かれるようにするためには、このプリズムアレイシート10Aの屈折率と上記の有機EL素子20の封止膜21の屈折率との差を0.0以上、0.3以下にすることが好ましい。
また、上記のようにプリズムアレイシート10Aに円錘台状になった凸部12を設けるにあたり、この凸部12における傾斜面12b相互が交差する頂角θが大きくなって、上記の有機EL素子20の出射面21aに対する凸部12の傾斜面12bの傾斜角度αが小さくなり過ぎると、プリズムアレイシートを設けない場合に有機EL素子20の出射面21aにおいて全反射される光がこのプリズムアレイシート10Aの内部に導かれたとしても、この光が凸部12の傾斜面12bに当たらずに、プリズムアレイシート10Aの出射面14に導かれ、このプリズムアレイシート10Aの出射面14において全反射されて戻されるようになり、プリズムアレイシート10Aの出射面14から出射される光の強度が低下する。
一方、凸部12における傾斜面12b相互が交差する頂角θが小さくなって、有機EL素子20の出射面21aに対する凸部12の傾斜面12bの傾斜角度αが大きくなり過ぎると、上記のようにプリズムアレイシート10Aの内部に導かれた光が、この凸部12の傾斜面12bにおいて反射されずに、この凸部12を通過して空間部13に導かれ、さらにこの空間部13を通過して再度プリズムアレイシート10Aの内部に導かれるようになり、この光が上記のようにプリズムアレイシート10Aの出射面14において全反射されて戻されるようになり、プリズムアレイシート10Aの出射面14から出射される光の強度が低下する。
このため、上記の凸部12における傾斜面12b相互が交差する頂角θは、このプリズムアレイシート10Aにおける波長550nmの光に対する屈折率をnとした場合に、(1/n−0.35)<sinθ<(1/n+0.3)の条件を満たすことが好ましく、さらに1/n<sinθ<(1/n+0.25)の条件を満たすようにすることがより好ましい。また、傾斜角度αは、45°≦α≦70°の範囲にある時に光り取り出し効率が高く好ましい。
図5に、プリズムアレイシート10Aを有機EL素子20の出射面に接着する部分を詳細に説明する。有機EL素子20の出射面21aに透明な接着層25、プリズムアレイシート10Aの順に積層して、プリズムアレイシート10Aの凸部12の先端面12aと接着層25と有機EL素子20の出射面21aとが互いに光学的に密着するように構成する。ここで、接着層の厚みは、5μm以上であることが望ましい。
また、図5で示す上記の凸部12の光学的な高さh(凸部の高さHから接着層に埋没している深さYを引いた高さ)のとり得る範囲については、凸部12における上記の頂角θや凸部12のピッチpによっても変化するが、一般にこの凸部12の光学的な高さhが低過ぎると、有機EL素子20の出射面21aにおいて、プリズムアレイシートを設けない場合に全反射される光がこのプリズムアレイシート10Aの内部に導かれたとしても、この光が凸部12の傾斜面12bに当たらずに、プリズムアレイシート10Aの出射面14に導かれ、このプリズムアレイシート10Aの出射面14において全反射されて戻されるようになる。一方、この凸部12の光学的な高さhが高くなり過ぎると、この凸部12の傾斜面12bにおいて光の反射に利用されない部分が生じると共に、凸部12のピッチpが同じ場合、有機EL素子20の出射面21aに接着される凸部12の先端面12aの面積が小さくなって、このプリズムアレイシート10Aの内部に導かれる光の量が少なくなる。このため、この凸部12の光学的な高さhは、凸部12のピッチpに対して、0.28p≦h≦1.1pの条件を満たすことが好ましい。ここで凸部のピッチpとは、隣り合う凸部の中心間距離をいう。凸部のピッチpは、ディスプレイ用途の場合では、ディスプレイの一画素の半分の大きさから1μmの範囲であることが好ましい。凸部のピッチは、使用されるディスプレイの解像度に左右されるが、通常市販されているディスプレイの解像度から、おおよそ67μmから1μmの範囲である。画素の大きさとは、正方形状の画素を想定した場合の一辺の大きさ表す。尚、画素の形状が他形状の場合、1画素の中心を通る直線を引いた場合の最小の長さのことを意味する。照明用の光取り出しフィルムの場合とは異なりディスプレイ用途に使用する場合、ピッチが使用されるディスプレイの画素の大きさの50%よりも大きいと十分な光取り出し効率が得られない場合や解像度の低下を引き起こす場合がある。そのため使用される画素の大きさの50%以下であることが好ましく、更に好ましくは画素の3分の1以下であることが好ましい。
また、凸部のピッチが1μmより小さい範囲になると、光の干渉現象などを引き起こし画質の低下をもたらす原因となる点や更に波長同等もしくは波長よりも小さなピッチになると光取り出しの効果が十分に得られない結果となるため凸部のピッチは1μm以上が好ましい。
接着層25に用いられる粘着剤としては、接着層の少なくとも一部分において25℃での貯蔵弾性率が1.0×10〜1.0×10Paである粘着剤が用いられていることが好ましい。より好ましくは1.0×10〜1.0×10Paであり、上記粘着剤の弾性率が1.0×10Pa未満であると、十分な粘着強度が得られず、プリズムアレイシートの軸ズレや耐熱試験をしたときに剥がれが発生し、弾性率が1.0×10Paを超えると、粘着剤が硬過ぎるために、前記凸部の先端部の一部が接着層の内部に埋まった状態に加工することが難しい。粘着剤の種類は特に限定されないが、粘着剤を塗布し、貼り合わせた後に種々の化学反応により高分子量体または架橋構造を形成する硬化型粘着剤を用いてもよい。
粘着剤の具体例としては、例えば、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、水性高分子−イソシアネート系粘着剤、熱硬化型アクリル粘着剤等の硬化型粘着剤、湿気硬化ウレタン粘着剤、ポリエーテルメタクリレート型、エステル系メタクリレート型、酸化型ポリエーテルメタクリレート等の嫌気性粘着剤、シアノアクリレート系の瞬間粘着剤、アクリレートとペルオキシド系の2液型瞬間粘着剤等が挙げられる。
本発明においては、粘着剤としては、アクリル系粘着剤が特に好ましい。アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸共重合体を主成分とするものである。(メタ)アクリル酸共重合体は、第1成分として(メタ)アクリル酸の炭素数4〜18のアルキルエステルモノマー60〜99質量%を含み、さらに第2成分として、エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマー0.1〜10質量%、及び、第3成分として、上記第1、第2成分と共重合可能なその他の単量体0〜39.9質量%を有するものである。
第1成分の(メタ)アクリル酸の炭素数4〜18のアルキルエステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられ、共重合体中に60〜99質量%、好ましくは70〜98質量%含まれるとよい。
第2成分のエチレン性不飽和カルボン酸含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、モノアルキルマレイン酸、モノアルキルイタコン酸、モノアルキルフマル酸等が挙げられ、共重合体に0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%含まれるとよい。
第3成分の、他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、ジビニルベンゼン、エチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等のオレフィン系不飽和化合物等が例示できる。これらは、使用しなくてもよいが、添加する場合は共重合体中に39.9質量%程度までの範囲で、適宜配合することができる。この成分は、粘着剤の凝集力向上に効果がある。
粘着物性の向上のため、アクリル系粘着剤に粘着付与剤を配合することが好ましい。粘着付与剤を配合することにより、例えばポリオレフィン等の被着体に対する粘接着性も改善される。本発明で使用される粘着付与剤としては、例えばロジン等の天然樹脂、変成ロジン、ロジン及び変成ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変成体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキルフェノール−アセチレン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体等が挙げられるが、粘着剤の透明性の観点から脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキル−フェノール−アセチレン系樹脂が好ましい。また、粘着付与剤の配合割合は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して1〜50質量部である。
上記接着層の形成方法としては特に限定されず、一般的方法、例えば、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、コンマコーター、バーコーター、スプレー塗布、インクジェット法等の方法が挙げられる。
以下に封止膜を有する有機EL発光素子の具体的構成を詳細に述べる。
(断面構造)
図6を参照して、有機EL発光素子100の断面構造を説明する。但し、以下の説明は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
有機EL発光素子100は、所謂「トップエミッション構造」の有機EL発光素子である。トップエミッション構造では、光を素子基板側ではなく封止膜側から取り出すため、素子基板に配置された各種回路の大きさに影響されず、発光面積を広く確保できる効果がある。そのため、電圧及び電流を抑えつつ輝度を確保することが可能であり、発光素子の寿命を長く維持することができる。
この有機EL発光素子100は、陽極110と陰極111(一対の電極)の間に発光層112(有機発光層)を挟持した複数の発光素子121及び発光素子121を区切る画素隔壁113を有する素子基板120Aと、この素子基板120Aに対向配置された封止膜119が設けられている。
(素子基板)
図6に示すように、有機EL発光素子100は、各種配線(例えば、TFT等)が形成された素子基板120A上に、窒化珪素等からなる無機絶縁層114が被覆されている。また、無機絶縁層114にはコンタクトホール(不図示)が形成され、前述した陽極110が駆動用TFT123に接続されている。無機絶縁層114上にはアルミ合金等からなる金属反射板115が内装された平坦化層116が形成されている。
この平坦化層116上には、陽極110と陰極111が発光層112を挟持して形成され発光素子121として構成しているものである。また、この発光素子121を区分するように絶縁性の画素隔壁113が配置されている。
本実施形態において、陽極110は、仕事関数が5eV以上の正孔注入層の高いITO(Indium Thin Oxide:インジウム錫酸化物)等の金属酸化物導電膜が用いられる。
尚、本実施形態においては、トップエミッション構造のため、陽極110は必ずしも光透過性を有する材料を用いる必要はなく、アルミ等からなる金属電極を用いてもよい。この構成を採用した場合は、前述した金属反射板115は設けなくてよい。
陰極111を形成するための材料としては、本実施形態はトップエミッション構造であることから光透過性を有する材料である必要があり、従って透明導電材料が用いられる。透明導電材料としては、ITOが好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide:IZO/アイ・ゼット・オー(登録商標))等を用いることができる。尚、本実施形態ではITOを用いている。
また、陰極111は、電子注入効果の大きい(仕事関数が4eV以下)材料が好適に用いられる。例えば、カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、リチウム金属、又はこれらの金属化合物である。金属化合物としては、フッ化カルシウム等の金属フッ化物や酸化リチウム等の金属酸化物、アセチルアセトナトカルシウム等の有機金属錯体が該当する。また、これらの材料だけでは、電気抵抗が大きく電極として機能しないため、発光部分を避けるようにアルミニウムや金、銀、銅などの金属層をパターン形成したり、ITOや酸化錫などの透明な金属酸化物導電層との積層体と組み合わせて用いてもよい。
尚、本実施形態では、フッ化リチウムとマグネシウム−銀合金、ITOの積層体を、透明性が得られる膜厚に調整して用いるものとする。
有機EL発光層に用いられる材料として、例えば特開平8−311442号公報に記載のナフタセンまたはペンタセン誘導体を発光層に添加した赤色発光素子が挙げられる。また、発光材料としてトリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体等のキレート錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が、青色から赤色までの可視領域の発光材料として挙げられ、特に青色発光材料としてフェニルアントラセン誘導体を用いた素子が開示されている。更に特開2001−160489号にはアザフルオランテ化合物を黄色から緑色発光層に用いることが開示されている。
発光層112は、白色に発光する白色発光層を採用している。この白色発光層は、真空蒸着プロセスを用いて素子基板120Aの全面に形成されている。白色発光材料としては、スチリルアミン系発光材料、アントラセン系ドーパミント(青色)、或いはスチリルアミン系発光材料、ルブレン系ドーパミント(黄色)が用いられる。
尚、発光層112の下層或いは上層に、トリアリールアミン(ATP)多量体正孔注入層、TDP(トリフェニルジアミン)系正孔輸送層、アルミニウムキノリノール(Alq)層(電子輸送層)を成膜することが好ましい。
また、素子基板120A上には、電極保護層117が形成され発光素子121及び画素隔壁113を被覆している。
この電極保護層117は、透明性や密着性、耐水性、ガスバリア性を考慮して珪素酸窒化物などの珪素化合物で構成することが望ましい。また、電極保護層117の膜厚は100nm以上が好ましく、画素隔壁113を被覆することで発生する応力によるクラック発生を防ぐため、膜厚の上限は200nm以下に設定することが好ましい。
尚、本実施形態においては、電極保護層117を単層で形成しているが、複数層で積層してもよい。例えば、低弾性率の下層と高耐水性の上層とで電極保護層117を構成してもよい。
電極保護層117上には、有機緩衝層118が形成され電極保護層117を被覆している。この有機緩衝層118は、画素隔壁113の形状の影響により、凹凸状に形成された電極保護層117の凹凸部分を埋めるように配置され、更に、その上面は略平坦に形成される。有機緩衝層118は、素子基板120Aの反りや体積膨張により発生する応力を緩和し、不安定な形状の画素隔壁113からの電極保護層117の剥離を防止する機能を有する。また、有機緩衝層118の上面が略平坦化されるので、有機緩衝層118上に形成される硬い被膜からなる後述する封止膜119も平坦化される。従って、応力が集中する部位がなくなり、これにより、封止膜119でのクラックの発生を防止する。
有機緩衝層118は、硬化前の原料主成分としては、減圧真空下でスクリーン印刷法により形成するために、流動性に優れ、かつ溶媒や揮発成分の無い、全てが高分子骨格の原料となる有機化合物材料である必要があり、好ましくはエポキシ基を有する分子量3000以下のエポキシモノマー/オリゴマーが用いられる(モノマーの定義:分子量1000以下、オリゴマーの定義:分子量1000〜3000)。例えば、ビスフェノールA型エポキシオリゴマーやビスフェノールF型エポキシオリゴマー、フェノールノボラック型エポキシオリゴマー、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキレートなどがあり、これらが単独もしくは複数組み合わされて用いられる。
また、エポキシモノマー/オリゴマーと反応する硬化剤としては、電気絶縁性や接着性に優れ、かつ硬度が高く強靭で耐熱性に優れる硬化被膜を形成するものが良く、透明性に優れ、かつ硬化のばらつきの少ない付加重合型がよい。例えば、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの酸無水物系硬化剤が好ましい。更に、酸無水物の反応(開環)を促進する反応促進剤として1,6−ヘキサンジオールなど分子量が大きく揮発しにくいアルコール類やアミノフェノールなどのアミン化合物を微量添加することで低温硬化しやすくなる。これらの硬化は60〜100℃の範囲の加熱で行われ、その硬化被膜はエステル結合を持つ高分子となる。
また、硬化時間を短縮するためよく用いられるカチオン放出タイプの光重合開始剤を用いてもよいが、硬化収縮が急激に進まないよう反応の遅いものが良く、また、塗布後の加熱による粘度低下で平坦化を進めるように最終的には熱硬化を用いて硬化物を形成するものが好ましい。
更に、電極保護層117や後述する封止膜119との密着性を向上させるシランカップリング剤や、イソシアネート化合物などの捕水剤、硬化時の収縮を防ぐ微粒子などの添加物を混入しても良い。また、減圧雰囲気下で印刷形成するため、塗布した際に気泡が発生しにくくするために、含水量は0.01質量%(100ppm)以下に調整しておく。
これらの原料毎の粘度は、1000mPa・s(室温:25℃)以上が好ましい。塗布直後に発光層112へ浸透して、ダークスポットと呼ばれる非発光領域を発生させないためである。また、これらの原料を混合した緩衝層形成材料の粘度としては、500〜20000mPa・s、特に2000〜10000mPa・s(室温)が好ましい。
また、有機緩衝層118の最適な膜厚としては、3〜10μmが好ましい。有機緩衝層118の膜厚が厚いほうが異物混入した場合等に封止膜119の欠陥を防ぐが、有機緩衝層118を合わせた層厚が10μmを超えると、側面に拡散してしまう光が増えるため光を取り出す効率が低下してしまう。
また、硬化後の特性としては、有機緩衝層118の弾性率が1〜10GPaであることが好ましい。10GPa以上では、画素隔壁13上を平坦化した際の応力を吸収することができず、1GPa以下では耐摩耗性や耐熱性等が不足するためである。
有機緩衝層118上には、有機緩衝層118を被覆し、かつ電極保護層117の終端部まで覆うような広い範囲で、封止膜119が形成されている。
封止膜119は、酸素や水分が浸入するのを防止するためのもので、これにより酸素や水分による発光素子121の劣化等を抑えることができる。封止膜とは、酸素及び水分の透過を阻止する層であれば、その組成等は特に限定されるものではない。酸素の透過度が23℃、0%RHにおいて0.005ml/m/day以下が好ましく、また、JIS K7129 B法に従って測定した水蒸気透過度が0.1g/m/day以下が好ましい。封止膜を構成する材料として、透明性、ガスバリア性、耐水性を考慮して、好ましくは窒素を含む珪素化合物、即ち珪素窒化物や珪素酸窒化物などによって形成される。具体的には無機酸化物が好ましく、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等を挙げることができる。
封止膜119の弾性率は、100GPa以上、具体的には200〜250GPa程度が好ましい。また、封止膜119の膜厚は、200〜600nm程度が好ましい。200nm未満であると、異物に対する被覆性が不足し部分的に貫通孔が形成されてしまい、ガスバリア性が損なわれてしまうおそれがあるからであり、600nmを越えると、応力によるクラックが生じてしまうおそれがあるからである。
更に、封止膜119としては、積層構造としてもよいし、その組成を不均一にして特にその酸素濃度が連続的に、或いは非連続的に変化するような構成としてもよい。尚、積層構造とした場合の膜厚は、第一封止膜としては、200〜400nmが好ましく、200nm未満では有機緩衝層18の表面及び側面被覆が不足してしまう。異物等の被覆性を向上させる第二封止膜としては、200〜800nmが好ましい。総厚1000nm以上を超えるとクラックの発生頻度が上がること及び経済的な面で好ましくない。
また、本実施形態では、有機EL発光素子100をトップエミッション構造としていることから、封止膜119は光透過性を有する必要があり、従ってその材質や膜厚を適宜に調整することにより、本実施形態では可視光領域における光線透過率を例えば80%以上にしている。
封止膜は、前述した原材料をスプレー法、スピンコート法、スパッタリング法、イオンアシスト法、プラズマCVD法、大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVD法等を適用して形成することができる。
更に封止膜119上に接着層25を介して光り取り出しフィルム10Aが接着され、本発明の有機EL発光素子が形成される。
<表示装置、照明装置>
本発明の有機EL発光素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特にカラーフィルタや光拡散板などと組み合わせた各種表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の有機EL発光素子を適用したディスプレイ、照明装置について説明する。
本発明の有機EL発光素子は、多色または白色の表示装置に用いられる。多色または白色の表示装置の場合は、発光層形成時のみシャドーマスクを設け、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で膜を形成できる。発光層のみパターニングを行う場合、その方法に限定はないが、好ましくは蒸着法、インクジェット法、印刷法である。蒸着法を用いる場合においてはシャドーマスクを用いたパターニングが好ましい。
また、作製順序を逆にして陰極、電子輸送層、正孔阻止層、発光層ユニット、正孔輸送層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた多色または白色の表示装置に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。更に、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。尚、印加する交流の波形は任意でよい。
本発明に係る有機EL発光素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。
本発明に用いられる白色有機EL発光素子においては、必要に応じ製膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよいし、電極と発光層をパターニングしてもよいし、素子全層をパターニングしてもよい。発光層に用いる発光ドーパントとしては特に制限はなく、例えば、液晶表示装置におけるバックライトであれば、CF(カラーフィルタ)特性に対応した波長範囲に適合するように、白金錯体、また公知の発光ドーパントの中から任意のものを選択して組み合わせて、また本発明に係る光取り出しフィルムと組み合わせて、白色化すればよい。
このように、本発明に係わる白色の有機EL発光素子は、CF(カラーフィルタ)と組み合わせて、また、CF(カラーフィルタ)パターンに合わせ素子及び駆動トランジスタ回路を配置することで、有機エレクトロルミネッセンス素子から取り出される白色光をバックライトとして、青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタを介して青色光、緑色光、赤色光を得ることで、低駆動電圧で長寿命のフルカラーの有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを形成できる。
また、本発明の有機EL発光素子は、種々な表示装置にバックライトとして適用可能であるが、反射型、透過型、半透過型LCD或いはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型等の各種駆動方式のLCDを有する液晶表示装置のバックライトとしても好ましく用いられる。特に画面が30型以上、特に30〜54型の大画面の表示装置では、正面輝度が高くコントラストの高い画像が得られるという効果があった。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
<有機EL発光素子101の作製>
図3に示す有機EL素子20を作製した。
この有機EL素子20は、下記基板上に有機EL発光層23を挟持して透明電極22、対向電極24、及び透明電極22上に設けられた封止膜21によって構成されている。
ここで、有機EL素子20の基板には厚みが0.7mm、サイズが40mm×52mmの金属反射板を片面に設置した無アルカリガラスを用い、他方の面に対向電極24として、真空蒸着法によって膜厚が110nmになったアルミニウムからなる電極を設けた。
そして、該対向電極24の上に正孔注入材料としてm−MTDATAを用い、真空蒸着法によって膜厚が10nmになった正孔注入層を形成した。次いで、正孔注入層の上に正孔輸送材料としてα−NPDを用い、真空蒸着法で膜厚が30nmになった正孔輸送層を形成した。次いで、この正孔輸送層の上にCBPをホスト材料として用い、Ir(ppy)をドーパント材料として6質量%含むように、白色発光となる発光材料を真空蒸着法により蒸着させて膜厚が30nmになった発光層を形成した。
この発光層の上に、BAlqを真空蒸着法により10nm蒸着させて正孔阻止層を形成した。更に、この正孔阻止層の上にAlqを真空蒸着法により40nm形成して電子輸送層とした。更に、LiFを真空蒸着法により0.5nm形成して電子注入層とした。そして、この電子注入層の上に、ITOを110nmの厚みに成膜し、フォトリソグラフィー法によって電極形状にパターニングし、35×46mmの大きさにした透明電極22を形成した。
Figure 2010073469
Figure 2010073469
更に、下記手順により透明封止フィルム(封止膜)を作製し、透明電極22以下を封止するように接着した。
〈透明封止フィルム(封止膜)の作製〉
基材として、厚さ125μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人・デュポン社製フィルム)上に、UV硬化型アクリル樹脂塗膜を5μmの厚みで設けた上に、特開2003−303520号公報記載の大気圧プラズマ放電処理装置及び下記放電条件で、酸化珪素膜(SiO)を2層積層した屈折率1.48の透明封止フィルムを作製した。
(大気圧プラズマ放電処理装置)
上記大気圧プラズマ放電処理装置を用い、下記の条件で、プラズマ放電を行って、厚さ約200nmの層1を形成した。
〈ガス条件〉
放電ガス:窒素ガス 95.7体積%
薄膜形成性ガス:ヘキサメチルジシロキサン
(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.3体積%
添加ガス:水素ガス 4.0体積%
〈電源条件〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 8W/cm
第2電極側 電源種類 パール工業社製高周波電源
周波数 13.56MHz
出力密度 7W/cm
次いで、下記の条件で、プラズマ放電を行って、厚さ約250nmの層2を積層形成した。
〈ガス条件〉
放電ガス:窒素ガス 95.9体積%
薄膜形成性ガス:テトラエトキシシラン
(リンテック社製気化器にて窒素ガスに混合して気化) 0.1体積%
添加ガス:水素ガス 4.0体積%
〈電源条件〉
第1電極側 電源種類 応用電機社製高周波電源
周波数 80kHz
出力密度 10W/cm
第2電極側 電源種類 パール工業社製高周波電源
周波数 13.56MHz
出力密度 7W/cm
次いで、複数の円錐台形状凸部を持つプリズムアレイシートを得るため、平板状金型を切削加工し、円錐台ホール形状の金型を作製した。その後、図7の模式図に示すように、TAC基材(トリアセチルセルロースフィルム)上にUV硬化樹脂を塗布し、その塗布層側に円錐台ホール形状の金型を押し当て、TAC基材裏面側からUV照射して塗布層を硬化した後、剥離して複数の凸部を有するプリズムアレイシート10A(A)を得た。
プリズムアレイシート10A(A)は、波長550nmの光に対する屈折率が1.5、円錘台状の凸部12の底面に対する傾斜角度αは60°であり、30個の凸部の高さHの平均値は25μm、凸部のピッチは30μmであった。屈折率はアッベの屈折率計を用いて測定した。また、プリズムアレイシート10A(A)の可視光透過率は90%であり良好な透明性を有していた。可視光透過率は、日立製作所製U−4000型分光光度計を使用して、JIS R5756に基づいて反射スペクトルを測定して算出した。
上記プリズムアレイシート10A(A)を用い、図3に示すように、このプリズムアレイシート10A(A)の凸部12を上記の有機EL素子20の出射面21aに対向するように、接着層を介して凸部先端面が2.5μmの深さになるように、25℃、相対湿度55%環境下で埋没させて接着し有機EL発光素子101を作製した。接着層にはアクリル溶剤型粘着剤(日本合成化学製コーポニール5836)を用い、粒子として体積平均分散粒径16nmの日本アエロジル製R972Vをアクリル樹脂100質量部に対し5質量部加え接着層を形成した。基材を除いた接着層の厚みは25μmであった。また、出射面積に対する凸部接着面積の割合は18%であった。接着層の屈折率は1.50であった。
尚、粒子の体積平均分散粒径は、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いて粒子の写真撮影を行い、次いで画像処理を行い粒子を同体積の球に換算した時の直径として求めた。
また、接着層の透過率は85%であり良好な透明性を有していた。
<有機EL発光素子102の作製>
上記有機EL素子20の封止膜25上を、ガス材料として窒化珪素とエポキシの混合物(SiN+エポキシ)に変更した以外は同様にして作製した屈折率1.80の透明封止フィルム(封止膜)によって有機EL発光素子101の作製と同様にして封止した。
光取り出しフィルムは体積平均分散粒径15nm、屈折率1.8のTiOをポリカーボネート(PC)樹脂100質量部に対し15質量部加え混練し、上記作製した平板状金型を用いて成型してプリズムアレイシート10A(B)を作製した。プリズムアレイシートの屈折率は1.80であった。また、プリズムアレイシート10A(B)の透過率は82%であり良好な透明性を有していた。
上記プリズムアレイシート10A(B)を用い、図3に示すように、このプリズムアレイシート10A(B)の凸部12を上記の有機EL素子20の出射面21aに対向するように、接着層を介して凸部先端面が2.5μmの深さになるように、25℃、相対湿度55%環境下で埋没させて接着し、有機EL発光素子102を作製した。接着層にはECH変性フェノキシアクリレート(東亞合成アロニックスM101)を用い、上記TiOをアクリル樹脂100質量部に対し30質量部加え接着層を形成した。基材を除いた接着層の厚みは25μmであった。また、出射面積に対する凸部接着面積の割合は18%であった。接着層の屈折率は1.80であった。また、接着層の透過率は78%であり良好な透明性を有していた。
<有機EL発光素子103〜111の作製>
表2、3に記載の封止膜、光取り出しフィルム、更に表1に記載の接着層樹脂材料を用いた表2、3に記載の接着層の構成で、有機EL発光素子101、102の作製と同様にして、有機EL発光素子103〜111を作製した。
Figure 2010073469
Figure 2010073469
Figure 2010073469
《有機EL発光素子の評価》
作製した有機EL発光素子101〜111を用いて以下の評価を行った。
(耐熱性:線膨張係数)
エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製TMA/SS6100型熱応力歪測定装置を用いて、窒素雰囲気下、一分間に5℃の割合で30℃〜100℃まで上昇させて時の値を測定して求めた。荷重を5gにし、引っ張りモードで測定を行った。値が小さいほど耐熱性に優れる。
○:50〜70ppm/℃未満
△:70〜90ppm/℃未満
×:90ppm/℃以上
(モアレ)
ディスプレイを目視で観察して評価した。
○:縞模様が現れない
△:縞模様が確認
×:縞模様がはっきり確認
(色にじみ)
ディスプレイを目視で観察して評価した。
○:色(画素)が混ざっていない
△:色が少し混ざっている
×:色が混色している
(光取り出し効率)
プレサイスゲージ(株)の有機EL発光効率測定装置EL1003を用いて測定した。測定条件は光取り出しフィルムのついていない有機EL素子の正面輝度が1000cd/mになるように4V、66mAの電流・電圧をかけた。光取り出しフィルムのついていない有機EL素子の正面輝度を1.0とした時の相対値で表した。
◎:1.7〜1.9倍
○:1.5〜1.7倍
△:1.3〜1.5倍
×:1.0〜1.3倍
以上の評価結果を表4に示す。
Figure 2010073469
表4より、本発明の有機EL発光素子101〜107、110、111は、比較例108、109に対し、光取り出し効率に優れ、更に耐熱性、モアレ、色にじみに優れた有機EL発光素子であることがわかる。
尚、本発明の有機EL発光素子であるが、用いた粒子の粒径が大きい有機EL発光素子110、封止膜、接着層、光取り出しフィルムの屈折率差が大きい有機EL発光素子111は、色にじみや光取り出し効率がやや劣っていた。
実施例2
次いで有機EL発光素子101〜111をCF(カラーフィルタ)、及びCF(カラーフィルタ)パターンに合わせ素子及び駆動トランジスタ回路とを組み合わせ、有機EL発光層から取り出される白色光をバックライトとして、青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタを介して青色光、緑色光、赤色光を得ることで、有機ELディスプレイを作製したところ、本発明の有機EL発光素子101〜107、110、111を用いると優れた輝度を有する長寿命な有機ELディスプレイが得られることが分かった。
実施例3
次いで有機EL発光素子101〜111を、VA型液晶表示装置である富士通製15型ディスプレイVL−150SDの予め内蔵されていたバックライトの替わりに用いたところ、本発明の有機EL発光素子101〜107、110、111を用いると優れた輝度を有する液晶表示装置が得られることが分かった。
実施例4
次いで有機EL発光素子101〜111の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、照明装置を形成したところ、本発明の有機EL発光素子101〜107、110、111を用いると優れた輝度を有する照明装置が得られることが分かった。
先端側が収縮した形状の凸部を有する光取り出しフィルムの模式図である。 先端側が収縮した形状の凸部を有する別の光取り出しフィルムの模式図である。 本発明の有機EL発光素子の模式図である。 本発明の有機EL発光素子における光の出射を示す模式図である。 光取り出しフィルムの凸部が接着層に埋没している様子を示した模式図である。 トップエミッション方式での有機EL発光素子の構成図である。 凸部の形成工程を示す模式図である。
符号の説明
10A プリズムアレイシート
11 透光性基板
12 凸部
13 空間部
14 出射面
20 有機EL素子
21 封止膜
22 透明電極
23 有機EL発光層
24 対向電極
25 接着層
30 有機EL発光素子
100 有機EL発光素子
110 陽極(一対の電極)
111 陰極(一対の電極)
112 発光層(有機発光層)
117 電極保護層
118 有機緩衝層
119 封止膜
120A 素子基板
121 発光素子

Claims (6)

  1. 一対の電極の間に有機発光層を挟持した発光素子の光出射側の電極上に積層された封止膜に、接着層を介して複数の凹凸構造を有する光取り出しフィルムを貼合した有機エレクトロルミネッセンス発光素子において、該接着層または該光取り出しフィルムが粒子を含有していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  2. 前記封止膜、接着層、及び光取り出しフィルムの各々の屈折率差が0.0以上、0.3以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  3. 前記粒子の体積平均分散粒径が1nm以上、100nm未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  4. 前記接着層及び光取り出しフィルムの可視光透過率が75%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子を用いたことを特徴とするディスプレイ。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光素子を用いたことを特徴とする照明装置。
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