JP2010073452A - 端子付き絶縁電線およびその製造方法ならびに絶縁電線と端子との接続方法 - Google Patents

端子付き絶縁電線およびその製造方法ならびに絶縁電線と端子との接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁電線の導体と端子とを電気的に接続する際に、導体の撚りの崩れや座屈が生じにくく、導体に十分な回転力や押圧力が加えられる結果、接合強度に優れる端子付き絶縁電線およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】絶縁電線12の端部で導体16を露出させた後、導体16の端部を溶融・凝固させて溶融固化部18を形成し、この溶融固化部18と端子14とを加圧接触させた状態で端子14を高速回転させて溶融固化部18と端子14とを摩擦圧接することにより、端子付き絶縁電線10が製造される。この際、端子14の溶融固化部18との接触面14aに錫やハンダなどの低融点金属を固着させて溶融固化部18と端子14とを摩擦圧接することもできる。
【選択図】図3

Description

本発明は、端子付き絶縁電線およびその製造方法ならびに絶縁電線と端子との接続方法に関し、さらに詳しくは、自動車などの車両への配線に好適に用いられる端子付き絶縁電線およびその製造方法ならびに絶縁電線と端子との接続方法に関するものである。
従来より、電線と端子とを電気的に接続する技術として圧着端子による加締め加工が知られている。加締め加工による接続は、電線の芯線を圧着端子のバレルで包み込み、芯線とバレルとを接触させた状態でバレルの外側から押圧して、芯線とバレルとを圧着することにより行なわれる。加締め加工による接続は、芯線とバレルとの間の機械的な接触によるものである。
機械的な接触の場合、その接触部分で接触抵抗が発生しやすい。接触部分で接触抵抗が発生すると、接触部分で発熱しやすくなる。また、発熱により金属表面に酸化皮膜が形成されやすく、接触抵抗の上昇につながる。そのため、長期の使用等により接続信頼性が低下しやすい。また、例えば電線の芯線や端子にアルミニウムやアルミニウム合金を用いる場合には、金属表面に生じる酸化皮膜の影響による接触抵抗の上昇とそれに伴う発熱などの課題が多い。
これに対し、溶接・接合により電線と端子とを電気的に接続する技術がある。このような技術としては、例えば、抵抗溶接や超音波溶接などの溶融溶接方法や、拡散現象や変形現象を利用して接合する拡散接合、摩擦圧接、常温圧接、ガス圧接等の固相接合方法などがある。これらの技術においては、接合部において、接触抵抗や発熱の問題は生じない。このうち固相接合方法は、溶融溶接の困難な材料や異種材料などにおいても接合ができるため、適用範囲が広い。
例えば特許文献1には、摩擦圧接による電線導体と端子の接続方法が開示されている。具体的には、図5に示すように、絶縁電線32の導体36の端部と端子34の端部34aとを加圧接触させた状態で端子34を回転させ、所望の摩擦熱を確保した後、端子34を停止させて導体36の端部と端子34の端部34aとを接合する摩擦圧接法が開示されている。
特開2004−311061号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、導体36の端部において導体36を露出させただけの状態で導体36の端部に回転力や押圧力を加えると、導体36が撚線である場合には、図5(b)に示すように、回転トルクによって撚りが崩れ、ばらばらになった素線36aが押圧力に負けて曲がる場合がある。そうすると、回転トルクと押圧力が導体36の端部に十分に加わらず、加圧接触部分で十分な摩擦熱が得られにくい。また、導体36が単芯線である場合であっても、導体36が細くなるにつれて座屈しやすくなるため、導体36の端部に回転力や押圧力が加わりにくく、十分な摩擦熱が得られにくい。そのため、十分な接合強度が得られにくい。
また、摩擦圧接以外の固相接合においても、導体の端部と端子の端部とを加圧接触させるため、導体が細くなるにつれて座屈しやすくなる。そのため、導体の端部を露出させただけの状態では、導体の端部に端子の端部を加圧接触させたときに十分な押圧力を加えにくい。そのため、十分な接合強度が得られにくい。
本発明が解決しようとする課題は、絶縁電線の導体と端子とを電気的に接続する際に、導体の撚りの崩れや座屈が生じにくく、導体に十分な回転力や押圧力が加えられる結果、接合強度に優れる端子付き絶縁電線を提供することにある。また、他の課題としては、接合強度に優れる端子付き絶縁電線の製造方法および接合強度に優れる絶縁電線と端子との接続方法を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る端子付き絶縁電線は、絶縁電線と前記絶縁電線の導体に接続された端子とを備え、前記絶縁電線が前記導体の端部を溶融・凝固させて形成された溶融固化部を有し、前記溶融固化部と前記端子とが固相接合されていることを要旨とするものである。
この際、前記溶融固化部と前記端子とは摩擦圧接されていると良い。そして、前記溶融固化部と前記端子との接合部に前記導体を形成する金属および前記端子を形成する金属よりも低融点の金属を含有していても良い。また、前記導体と前記端子とは互いに異種の金属で形成されていても良い。この際、前記導体はアルミニウム、アルミニウム合金、銅、または、銅合金よりなり、前記端子は銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金よりなると良い。
一方、本発明に係る端子付き絶縁電線の製造方法は、絶縁電線の導体に端子を接続するものであって、前記導体の端部を溶融・凝固させて溶融固化部を形成し、前記溶融固化部と前記端子とを加圧接触させて固相接合することを要旨とするものである。
この際、前記溶融固化部と前記端子とを加圧接触させた状態において前記絶縁電線および前記端子の少なくとも一方を回転させて前記溶融固化部と前記端子とを摩擦圧接すると良い。
そして、本発明に係る絶縁電線と端子との接続方法は、絶縁電線の導体に端子を接続するものであって、前記導体の端部を溶融・凝固させて溶融固化部を形成し、前記溶融固化部と前記端子とを加圧接触させて固相接合することを要旨とするものである。
この際、前記溶融固化部と前記端子とを加圧接触させた状態において前記絶縁電線および前記端子の少なくとも一方を回転させて前記溶融固化部と前記端子とを摩擦圧接すると良い。
本発明に係る端子付き絶縁電線は、絶縁電線の導体の端部に導体金属を溶融・凝固させて形成された溶融固化部を有し、この溶融固化部と端子とが固相接合されている。すなわち、端子と固相接合される導体の端部に導体金属の塊が形成され、固相接合する際にはこの塊で端子の押圧力を受けている。そのため、導体が細線であっても導体が座屈しにくく、端子の押圧力が逃げにくい。また、導体が撚線である場合には撚りが崩れにくく、端子の押圧力が逃げにくい。これにより、導体の端部に端子から十分な押圧力が加わるため、導体と端子との接合強度を高くすることができる。このため、接続信頼性に優れる。
そして、絶縁電線の導体と端子とが摩擦圧接される場合には、例えば端子の高速回転により導体の端部には回転トルクと押圧力が加わる。この場合においても、導体の端部には溶融固化部(導体金属の塊)が形成されているため、例えば導体が撚線である場合には撚りが崩れにくい。そのため、回転トルクと押圧力が逃げにくい。また、導体が細線であっても導体が座屈しにくく、回転トルクと押圧力が逃げにくい。これにより、導体の端部に端子から十分な回転トルクや押圧力が加わるため、導体と端子との接合強度を高くすることができる。このため、接続信頼性に優れる。
このとき、溶融固化部と端子との接合部に導体を形成する金属および端子を形成する金属よりも低融点の金属を含有していれば、低融点の金属が溶融する温度まで固相接合する際の加熱温度を低くした状態で、低融点金属の拡散接合等により接合することができる。これにより、導体や端子に対する熱の負荷が低減できる。また、例えば摩擦圧接する場合においては、低融点の金属を含有させることにより、摩擦熱を発生させる際の端子の回転数を下げて、接合時における接合部の温度を低下させることができる。これにより、導体や端子に対する熱の負荷が低減できる。
また、本発明に係る端子付き絶縁電線は、導体と端子とが固相接合されるものであるため、例えば導体がアルミニウムよりなり、端子が銅よりなる場合等、導体と端子とが互いに異種の金属で形成されていている場合においても接合することができる。
そして、本発明に係る端子付き絶縁電線の製造方法によれば、導体の端部を溶融・凝固させて溶融固化部を形成し、この溶融固化部と端子とを加圧接触させて固相接合する。そのため、例えば導体が細線や撚線であっても、導体金属の塊である溶融固化部が端子の押圧力を確実に受けとめることができる。これにより、導体の端部と端子との接合部には十分な押圧力が伝達されるため、導体と端子との接合強度を高くすることができる。このため、接続信頼性に優れる端子付き絶縁電線を製造することができる。
そして、溶融固化部と端子とを加圧接触させた状態にして、絶縁電線および端子の少なくとも一方を回転させて溶融固化部と端子とを摩擦圧接する場合においても、導体金属の塊である溶融固化部が回転トルクと押圧力を確実に受けとめることができる。このとき例えば導体が撚線であっても、端子と接触するのは溶融固化部であるため、回転トルクによって撚りが崩れるおそれはない。そのため、導体端部に確実に回転トルクと押圧力が加えられる。
また、本発明に係る絶縁電線と端子との接続方法によれば、導体の端部を溶融・凝固させて溶融固化部を形成し、この溶融固化部と端子とを加圧接触させて固相接合するため、例えば導体が細線や撚線であっても、導体金属の塊である溶融固化部が端子の押圧力を確実に受けとめることができる。これにより、導体端部と端子との接合部に十分な押圧力が伝達されるため、導体と端子との接合強度を高くすることができる。このため、接続信頼性に優れる接続を形成することができる。
そして、溶融固化部と端子とを加圧接触させた状態にして、絶縁電線および端子の少なくとも一方を回転させて溶融固化部と端子とを摩擦圧接する場合においても、導体金属の塊である溶融固化部が回転トルクと押圧力を確実に受けとめることができる。このとき例えば導体が撚線であっても、端子と接触するのは溶融固化部であるため、回転トルクによって撚りが崩れるおそれはない。そのため、導体端部に確実に回転トルクと押圧力が加えられる。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る端子付き絶縁電線10は、絶縁電線12と、絶縁電線12の導体16に接続された端子14とを備えている。絶縁電線12は、導体16の外周に絶縁体20が被覆されてなるものである。
導体16の端部には、導体金属を溶融・凝固させて形成された溶融固化部18を有している。溶融固化部18の形状は特に限定されるものではない。溶融固化部18は、導体金属が溶融・凝固されて塊状になっているものであれば良い。
形成される溶融固化部18の大きさは特に限定されるものではない。通電電流値より、予め最適な大きさ・断面積を算出し、算出したその値をもとに溶接条件を制御して、必要最低限度以上の大きさの塊を形成すれば良い。
溶融固化部18を形成する方法としては、各種溶融方法を用いることができる。例えば、TIG(タングステンイナートガス)溶接などのアーク溶接や、レーザ溶接、火炎を用いたガス溶接、酸化鉄と純アルミニウムの還元反応などの反応を利用したテルミット溶接などの各種溶融溶接方法などを例示することができる。このような各種溶融溶接方法であれば、確実に導体金属を溶融させて塊を形成することができる。
導体16は、複数本の素線を撚り合わせてなる撚線であっても良いし、単芯線であっても良い。例えば導体16が撚線よりなる場合であっても、端子14と接触する導体16の端部に上記溶融固化部18を形成しているため、導体16と端子14とを摩擦圧接する場合において、接合する際の高速回転によって撚りが崩れて素線がばらけるおそれはない。
また、導体16の断面積も特に限定されるものではないが、導体断面積が小さくなるほど絶縁電線12の腰が弱くなり、接合時の押圧力等により絶縁電線12が座屈しやすくなる。したがって、特に細径電線の場合において、本発明の効果は高い。このような観点から、好適な導体断面積の範囲としては、例えば0.3〜100mmである。
端子14の形状は、特に限定されるものではない。例えば円筒形状であっても良いし、角筒形状であっても良い。また、その他の形状をしていても良い。端子14は、導体16の端部と接触させる接合面14aを有する。この接合面14aは、図示されるように平面状であっても良いし、曲面、あるいは、凹凸面であっても良い。
なお、ここでいう端子14は、それ自体で相手側端子と嵌合接続されるものであっても良いし、図2(a)〜(d)に示すように、相手側端子と嵌合接続する形状の異なる各種端子22a、22b、22cに嵌合接続される中間的な端子(中間端子14’)であっても良い。また、相手側端子と嵌合接続する各種端子22a、22b、22cと嵌合接続可能な共通の中間端子14’であっても良い。中間端子14’を用いることにより、共通の端子付き絶縁電線を製造し、相手側端子の形状に応じた形状の各種端子22a、22b、22cと組み合わせることにより、使用範囲の拡大を図ることができる。
導体16および端子14を形成する金属としては、特に限定されるものではない。導体16および端子14を形成する一般的な金属であれば良い。例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などを例示することができる。導体16および端子14は、同じ種類の金属でそれぞれ形成されていても良いし、互いに異なる種類の金属でそれぞれ形成されていても良い。導体16および端子14が互いに異なる種類の金属でそれぞれ形成されていても、導体16と端子14とを接合することが可能である。このような例としては、例えば、導体16がアルミニウムよりなり、端子14が銅よりなる場合などを示すことができる。
そして、溶融固化部18と端子14とは、固相接合されている。固相接合では、母材を溶融させず固相状態のままで接合するため、溶融溶接が困難な材料や異種金属材料の接合ができる。また、導体16および端子14の母材を溶融させて接合するのではないため、母材への負荷も小さい。固相接合では、接合部において金属結合が形成されるため、機械的な接触と比較して、接合部で酸化皮膜が生じ、接触抵抗が増大するおそれはない。固相接合の形態としては、例えば、接合面間に生じる原子の拡散により接合する拡散接合や、圧接させて接合面を変形させることにより接合する圧接接合などが挙げられる。いずれの接合においても、溶融固化部18と端子14とが加圧接触されることにより接合されている。
拡散接合としては、溶融固化部18と端子14とを直接接触させて接合する固相拡散接合であっても良いし、導体16を形成する金属および端子14を形成する金属よりも低融点の金属のインサート材を用い、加熱により加圧圧接部分に一時的に液相を生じさせてこれを等温凝固させることにより接合する液相拡散接合であっても良い。
圧接接合としては、導体16と端子14の相対的な回転運動による摩擦熱により加圧圧接部分を加熱して溶融固化部18の端部と端子14の端部とが適当な軟化状態になったところで加圧して接合する摩擦圧接や、常温下で溶融固化部18と端子14とを加圧接触させ、塑性変形させながら接合する常温圧接や、溶融固化部18と端子14とを加圧接触させた加圧接触部をガスバーナで加熱しながら接合するガス圧接などが挙げられる。
上記液相拡散接合において示したように、溶融固化部18と端子14との接合部には、導体16を形成する金属および端子14を形成する金属よりも低融点の金属を含有していても良い。このような低融点の金属としては、例えば錫やハンダなどが挙げられる。低融点金属を含有する場合、低融点金属が溶融する温度まで固相接合する際の加熱温度を低くした状態で、低融点金属の拡散接合等により接合することができる。これにより、導体16や端子14に対する熱の負荷が低減できる。また、例えば摩擦圧接する場合においては、低融点の金属を含有させることにより、摩擦熱を発生させる際の端子14の回転数を下げて、接合時における接合部の温度を低下させることができる。これにより、導体16や端子14に対する熱の負荷が低減できる。
絶縁体20を形成する絶縁材料は、特に限定されるものではない。例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)や、オレフィン系樹脂などのノンハロゲン樹脂など、絶縁性材料であれば良い。特に、難燃性に優れる材料を用いると良い。導体16を被覆する絶縁体20の厚みも、特に限定されるものではなく、例えば細径電線においては、0.1〜0.3mm厚の範囲内で形成すれば良い。
端子付き絶縁電線10は、例えば、自動車などの車両への配線に好適に用いられる。絶縁電線12は、電力線であっても良いし、信号線であっても良い。
次に、本発明に係る端子付き絶縁電線の製造方法(以下、本製造方法ということがある。)について図3を用いて詳細に説明する。本製造方法は、導体16の端部を溶融・凝固させて溶融固化部18を形成し、形成された溶融固化部18と端子14とを加圧接触させて固相接合するものからなる。
まず、導体16の端部に溶融固化部18を形成する。これに先立って、図3(a)に示すように、絶縁電線12の端部で絶縁体20を皮剥してその内部にある導体16を露出させる。その後、図3(b)に示すように、導体16の端部を溶融・凝固させて溶融固化部18を形成する。
溶融固化部18を形成する方法としては、上述するように、各種溶融方法を用いることができる。例えば、アーク溶接や、レーザ溶接、ガス溶接、テルミット溶接などの各種溶融溶接方法などを例示することができる。溶融溶接する際には、絶縁電線12に通電する電流値に基づいて予め最適な溶融固化部18の大きさを算出し、算出したその値をもとに溶接条件を制御すれば良い。上記各種溶融方法により導体16の端部を溶融後、冷却してこれを凝固させることにより、溶融固化部18を形成することができる。
次いで、形成された溶融固化部18と端子14とを固相接合する。固相接合の形態としては、上述するように、例えば、固相拡散接合、液相拡散接合などの拡散接合や、摩擦圧接、常温圧接、ガス圧接などの圧接接合などが挙げられる。いずれの接合においても、溶融固化部18と端子14とを加圧接触させる。溶融固化部18と端子14とを加圧接触させることにより、金属表面の酸化皮膜を除去するとともに、金属表面の(ミクロな)凹凸やうねりを平滑にし、接合界面における空隙を除去して、清浄金属同士を接触させる。
この際、加圧接触部分を加熱しても良い。そうすることにより、接触部分の金属は軟化し、変形がより速やかに進行するとともに、原子の拡散も活発にすることができる。なお、固相接合する際の条件、例えば温度、加圧力等は適宜定めれば良い。例えば加圧力は、通常、数ton程度であれば良い。
また、この際、溶融固化部18と端子14との間に、導体16を形成する金属および端子14を形成する金属よりも低融点の金属を挿入しても良い。例えば、端子14の接触面14aに予め低融点の金属を固着等させる方法により、溶融固化部18と端子14との間に低融点の金属を挿入することができる。このような低融点の金属としては、上記するように、錫、ハンダなどを示すことができる。低融点の金属を挿入する場合、低融点金属の拡散接合等により接合することができるため、低融点金属が溶融する温度まで固相接合する際の加熱温度を低くすることができる。これにより、導体16や端子14に対する熱の負荷が低減できる。
図3(c)には、上記固相接合のうちの摩擦圧接を例に挙げて示している。図3(c)に示すように、形成された溶融固化部18と端子14とを加圧接触させつつ端子14を高速回転させて、加圧接触部分に摩擦熱を発生させる。このときの回転数および回転時間は、溶融固化部18および端子14が軟化する温度まで加圧接触部分が温度上昇する程度であれば良い。例えば回転数は、数千回転/秒程度であれば良い。このとき、例えば加圧接触部分を外から加熱すれば、端子の回転数を低減することができる。
この際、端子14の加圧力により導体16が座屈しないように、また、端子14の回転に同期して溶融固化部18が回転しないように、導体16と溶融固化部18を固定することが好ましい。溶融固化部18が回転すると、十分な摩擦熱が発生しにくくなり、接合強度が低下しやすい。また、導体16へのダメージが生じやすい。
導体16と溶融固化部18の固定は、例えば図4(a)(b)に示すような固定部材24を用いて行なうことができる。すなわち、一対の把持部24a、24bで導体16と溶融固化部18を把持することにより固定することができる。溶融固化部18の端部は端子14と接合される部分であるため、溶融固化部18のうち、端子14と接合される端部を除く部分を把持するようにすることが好ましい。
また、一対の把持部24a、24bの把持力では溶融固化部18が同期して回転してしまうのを抑えられない場合には、溶融固化部18と接触する把持部24a、24bの接触面24cの全部または一部に、溶融固化部18と接触面24cとの間に適切な摩擦力を発生させる表面加工を施すことが好ましい。このような表面加工としては、例えば、ローレット加工や、ディンプル加工、突状のかぎ爪を形成する加工などが挙げられる。
その後、図3(d)に示すように、端子14の回転を停止させ、溶融固化部18と端子14とを加圧接触させた状態を保持する。このとき、さらに加圧力を高めて加圧接触させても良い。これにより、接合強度をさらに高めることができる。そして、以上の操作を経ることにより、本発明に係る端子付き絶縁電線10が得られる。
次に、本発明に係る絶縁電線と端子との接続方法(以下、本接続方法ということがある。)について説明する。本接続方法は、導体16の端部を溶融・凝固させて溶融固化部18を形成し、形成された溶融固化部18と端子14とを加圧接触させて固相接合するものからなる。
上記絶縁電線の製造方法で示したように、まず、絶縁電線12の端部で絶縁体20を皮剥してその内部にある導体16を露出させる。次いで、導体16の端部を溶融・凝固させて溶融固化部18を形成する。次いで、形成された溶融固化部18と端子14とを固相接合する。この際、上記絶縁電線の製造方法で示したように、溶融固化部18と端子14との間に、導体16を形成する金属および端子14を形成する金属よりも低融点の金属を挿入しても良い。以上により、絶縁電線12と端子14とが電気的に接続される。
以上、本発明に係る端子付き絶縁電線10によれば、端子14と固相接合される導体16の端部に導体金属を溶融・凝固させて形成された溶融固化部18が導体金属の塊となって、固相接合する際の端子14の押圧力を受けることができるため、導体16が細線であっても導体16が座屈しにくく、端子14の押圧力が逃げにくい。また、導体16が撚線である場合には撚りが崩れにくく、端子14の押圧力が逃げにくい。これにより、固相接合する際において導体16の端部に端子14から十分な押圧力が加わるため、導体16と端子14との接合強度は高い。このため、接続信頼性に優れる。
特に、絶縁電線12の導体16と端子14とが摩擦圧接される場合には、端子14の高速回転により導体16の端部には回転トルクと押圧力が加わる。この場合においても、端子14に接触される導体16の端部は導体16が露出されただけの状態ではなく溶融固化部18(導体金属の塊)が形成されているため、導体16が撚線である場合において撚りが崩れにくい。そのため、回転トルクと押圧力が逃げにくい。また、導体16が細線であっても、導体16が座屈しにくく、回転トルクと押圧力が逃げにくい。これにより、導体16の端部に端子14から十分な回転トルクや押圧力が加わるため、導体16と端子14との接合強度は高い。このため、接続信頼性に優れる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば上記実施形態では、摩擦圧接する際に、端子14を高速回転させるようにしているが、絶縁電線12を高速回転させるようにしても同様の効果が得られることは勿論である。また、例えば端子14と絶縁電線12の両方を互いに反対方向に高速回転させても良い。
本発明の一実施形態に係る端子付き絶縁電線を表す模式図である。 他の形態の端子を有する端子付き絶縁電線を表す模式図である。 本発明に係る端子付き絶縁電線の製造方法を説明する工程図である。 絶縁電線の導体と溶融固化部を固定する固定部材の一例を表す模式図である。 従来の端子付き絶縁電線の製造方法を説明する工程図である。
符号の説明
10 端子付き絶縁電線
12 絶縁電線
14 端子
14a 接触面
16 導体
18 溶融固化部
20 絶縁体

Claims (9)

  1. 絶縁電線と前記絶縁電線の導体に接続された端子とを備えた端子付き絶縁電線であって、
    前記絶縁電線は、前記導体の端部を溶融・凝固させて形成された溶融固化部を有し、
    前記溶融固化部と前記端子とが固相接合されていることを特徴とする端子付き絶縁電線。
  2. 前記溶融固化部と前記端子とは、摩擦圧接されていることを特徴とする請求項1に記載の端子付き絶縁電線。
  3. 前記溶融固化部と前記端子との接合部には、前記導体を形成する金属および前記端子を形成する金属よりも低融点の金属を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の端子付き絶縁電線。
  4. 前記導体と前記端子とは、互いに異種の金属で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の端子付き絶縁電線。
  5. 前記導体はアルミニウム、アルミニウム合金、銅、または、銅合金よりなり、前記端子は銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金よりなることを特徴とする請求項4に記載の端子付き絶縁電線。
  6. 絶縁電線の導体に端子を接続してなる端子付き絶縁電線の製造方法であって、
    前記導体の端部を溶融・凝固させて溶融固化部を形成し、
    前記溶融固化部と前記端子とを加圧接触させて固相接合することを特徴とする端子付き絶縁電線の製造方法。
  7. 前記溶融固化部と前記端子とを加圧接触させた状態において前記絶縁電線および前記端子の少なくとも一方を回転させて前記溶融固化部と前記端子とを摩擦圧接することを特徴とする請求項6に記載の端子付き絶縁電線の製造方法。
  8. 絶縁電線の導体に端子を接続する絶縁電線と端子との接続方法であって、
    前記導体の端部を溶融・凝固させて溶融固化部を形成し、
    前記溶融固化部と前記端子とを加圧接触させて固相接合することを特徴とする絶縁電線と端子との接続方法。
  9. 前記溶融固化部と前記端子とを加圧接触させた状態において前記絶縁電線および前記端子の少なくとも一方を回転させて前記溶融固化部と前記端子とを摩擦圧接することを特徴とする請求項8に記載の絶縁電線と端子との接続方法。
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