JP2010072124A - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1ヒータ25によって加熱される定着部材21と、第2ヒータ34によって加熱される加圧部材31と、を備える。そして、第1ヒータ25はPIDコントローラ51によって制御され、第2ヒータ34はオンオフコントローラ53によって制御される。
【選択図】図4
Description
詳しくは、このような定着装置には、定着ベルトや定着ローラ等の定着部材を加熱するヒータ(第1ヒータ)の他に、加圧ローラ等の加圧部材を加熱するヒータ(第2ヒータ)が設置されている。そして、定着部材や加圧部材がそれぞれ所望の温度になるように、定着部材の温度(定着温度)を検知する温度センサによる検知温度に基いてそれぞれのヒータが制御される。
さらに、特許文献3等には、定着部材を加熱するヒータに突入電流が入力されるのを回避することを目的として、交流電流のゼロクロス点でヒータを点灯又は消灯させて通電時の位相角を変化させる位相制御方式(このような制御方式を、ソフトスタート又はソフトストップとも呼ぶ。)が開示されている。
特に、装置のウォームアップタイムをさらに短縮化するために定着部材として熱容量の小さな定着ベルト等を用いた定着装置においては、ヒータの制御周期を短くしつつ、チラツキ現象を生じさせないためにソフトスタート又はソフトストップを充分におこなってしまうと、ソフトスタート又はソフトストップを実行する時間の制御周期に占める割合が大きくなって、ヒータのデューティと単位時間あたりのヒータ発熱量との線形性へ与える影響は大きくなり、ウォームアップタイムの短縮化を鈍化させることなく、定着温度のフィードバック制御を高精度化することが難しくなる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2及び図3に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21、定着補助ローラ22、加熱ローラ23、第1ヒータ25(第1加熱手段)、温度検知手段としての第1温度センサ40A、温度検知手段としての第2温度センサ40B、加圧部材としての加圧ローラ31、第2ヒータ34(第2加熱手段)、分離板37、ガイド板35、等で構成されている。
定着部材として熱容量の低い定着ベルト21を用いることで、装置の昇温特性が向上する。
加熱ローラ23の肉厚を1mm以下に設定することで、加熱体の熱容量が低下して装置の昇温特性が向上する(立ち上がり時間が短縮化される。)。ここで、本実施の形態における加熱ローラ23は、アルミニウムで形成され、肉厚が0.6mm、外径が35mmに設定されている。
第1ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に非接触で対向する2つの温度センサ(第1温度センサ40Aと第2温度センサ40Bとである。)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、温度センサ40A、40B(サーモパイル)の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、第1ヒータ25に交流電圧が印加される。このような第1ヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度(目標制御温度)に調整制御することができる。なお、第1ヒータ25の出力制御については、第2ヒータ34の出力制御とともに、後でさらに詳しく説明する。
また、本実施の形態では、第1温度センサ40Aが幅方向中央部に配設され、第2温度センサ40Bが幅方向端部に配設されている。そして、2つの温度センサ40A、40Bの温度検知結果から定着ベルト21上の幅方向の平均温度や温度偏差を求め、それに基いて第1ヒータ25の出力制御をおこなっている。
なお、本実施の形態では、2つの温度センサ40A、40B(温度検知手段)の温度検知結果に基いて第1ヒータ25の出力制御をおこなったが、1つの温度センサ(例えば、第1温度センサ40A)の温度検知結果のみに基いて第1ヒータ25の出力制御をおこなうこともできる。
また、本実施の形態では、2つの温度センサ40A、40B(温度検知手段)を定着ベルト21に直接的に対向させたが、2つの温度センサ40A、40B(温度検知手段)を伝熱板を介して定着ベルト21に間接的に対向させることもできる。
また、本実施の形態では、温度センサ40A、40B(温度検知手段)としてサーモパイルを用いたが、温度センサ40A、40B(温度検知手段)としてサーミスタを用いることもできる。
そして、加圧ローラ31は、不図示の加圧機構によって定着ベルト21を介して定着補助ローラ22に圧接する。こうして、加圧ローラ31と定着ベルト21との間に、所望のニップ部が形成される。なお、上述の加圧機構は加圧解除(又は減圧)ができるように構成されている。
第2ヒータ34の出力制御は、制御部50によって、温度センサ40A、40Bの検知結果に基いておこなわれる。なお、第2ヒータ34の出力制御については、第1ヒータ25の出力制御とともに、後でさらに詳しく説明する。
なお、本実施の形態では、定着ベルト21に対向する温度センサ40A、40Bの検知結果に基いて第2ヒータ34の出力制御をおこなったが、加圧ローラ31の表面温度を直接的に検知する温度センサを設置して、その温度センサの検知結果に基いて第2ヒータ34の出力制御をおこなってもよい。
また、定着ベルト21の外周面に対向する位置であって、ニップ部の出口側近傍には、分離板37が配設されている。分離板37を設置することで、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21の走行に沿って定着ベルト21に巻き付いてしまう不具合を軽減することができる。
装置本体1のメインスイッチが投入されると、2つのヒータ25、34に交流電圧が印加(給電)される。なお、記録媒体Pの通紙時(通紙モード時)には、第1ヒータ25及び第2ヒータ34のそれぞれへの通電が続けておこなわれる。
そして、プリント指令が入力されると、定着ベルト21(定着補助ローラ22、加熱ローラ23)及び加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。その後、給紙部7から記録媒体Pが給送されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが記録媒体P上に未定着画像として担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
本実施の形態における画像形成装置は、ウォームアップ時、待機時、プリント時(通紙時)に、制御部(制御回路)50によって、温度検知手段としての温度センサ40A、40B(サーモパイル)で測定した定着ベルト21の温度に基づいてヒータ25、34を制御して定着ベルト21が最適の温度になるよう制御している。その際、定着ベルト21を加熱する第1ヒータ25はPID制御されて、加圧ローラ31を加熱する第2ヒータ34はオンオフ制御される。
詳しくは、第1ヒータ25は、所定のアルゴリズムに基づいて温度センサ40A、40Bの検知結果と予め定められた目標温度(目標制御温度)との偏差から算出される値になるように通電のデューティが可変されるPID制御がおこなわれる。これに対して、第2ヒータ34は、温度センサ40A、40Bの検知結果が所定値よりも小さいときに通電のデューティが100%となり、温度センサ40A、40Bの検知結果が所定値よりも大きいときに通電のデューティが0%となるように、オンオフ制御がおこなわれる。
図4に示すように、制御回路50には、第1ヒータ25のPID制御をおこなうためのPIDコントローラ51及びPWM駆動回路52と、第2ヒータ34のオンオフ制御をおこなうためのオンオフコントローラ53と、が設けられている。
なお、本実施の形態では、第1ヒータ25の制御周期を200〜1000〔ms〕に設定している。第1ヒータ25の制御周期を100〔ms〕程度に設定してしまうと、定着温度のフィードバック制御が高精度化される反面、突入電流の発生が多くなって蛍光灯等の照明機器のチラツキ現象が悪化してしまう。具体的に、第1ヒータ25の制御周期を100〔ms〕程度に設定して、周波数が50Hzの商用電源を用いた場合には、第1ヒータ25の制御周期内のゼロクロス点が10回になってしまい、第1ヒータ25をデューティ10%刻みでしか制御できなくなる。
なお、本実施の形態では、第2ヒータ34の制御周期を200〜2000〔ms〕に設定している。第2ヒータ34を制御する温度コントローラはオンオフコントローラ53であるため、PID制御をおこなう場合に比べて、当然に温度リップルが大きくなる(10〜20deg程度の温度リップルである。)。しかし、第2ヒータ34による加圧ローラ31の加熱は、加圧ローラ31から定着ベルト21へ補助的に熱供給することが目的であるため、カラー用のトナーを定着する場合であっても、加圧ローラ31の温度制御に10〜20deg程度の温度リップルが生じても、定着画像の品質にはほとんど影響しない。したがって、定着画像の良好な品質を得られることが可能な加圧ローラ31の温度リップルの上限を予め定めておき、その温度リップルを生じさせる制御周期を選択することで、加圧ローラ31の第2ヒータ34を制御する温度コントローラとしてオンオフコントローラ53を不具合なく用いることができる。
オンオフ制御の制御周期がPID制御の制御周期よりも長くなることで、ソフトスタート又はソフトストップの実行の有無に係らず、オンオフ制御における突入電流の発生を低減することができるため、チラツキ現象がさらに軽減されることになる。また、ソフトスタート又はソフトストップを実行した場合であっても、高調波の発生が軽減されるとともに、入力(電力供給)と出力(温度センサの検知結果)との線形性を確保することができる。
これにより、トナーの溶融に必要な充分な熱量が定着ベルト21に供給されて、エネルギー効率の良い定着装置20を提供することができる。そして、本実施の形態では、定格ワット数が大きい第1ヒータ25を短い制御周期にてPID制御しても、第2ヒータ34側でオンオフ制御しているため、チラツキ現象の発生が充分に軽減されることになる。
図5は、2つの第1ヒータ25(ハロゲンヒータ)を設置した、別形態の定着装置20を示す構成図である。ここで、2つの第1ヒータ25のうち、一方の第1ヒータ25は定着ベルト21の幅方向中央部を加熱するものであって、他方の第1ヒータ25は定着ベルト21の幅方向両端部を加熱するものである。このように、第1ヒータ25を幅方向に分割して、記録媒体Pのサイズに応じて通電する第1ヒータ25の組み合わせを可変することで、幅方向のサイズが小さな記録媒体(小サイズ紙)が連続通紙されたときに、定着ベルト21の幅方向両端部(非通紙領域)が過昇温する不具合が抑止される。
具体的に、図5に示す定着装置20では、一方の第1ヒータ25(ハロゲンヒータ)の定格ワット数が700ワットに、他方の第1ヒータ25(ハロゲンヒータ)の定格ワット数が500ワットに、第2ヒータ34(ハロゲンヒータ)の定格ワット数が250ワットに設定されている。また、2つの第1ヒータ25はともにPID制御(制御周期は400〔ms〕である。)され、第2ヒータ34はともにオンオフ制御(制御周期は1000〔ms〕である。)されている。2つの第1ヒータ25の制御周期のズレは200〔ms〕に設定されている(第2ヒータ34の制御周期のズレは任意に設定されている。)。すべてのヒータ25、34のソフトスタートの区間は制御周期の開始から120〔ms〕に設定されている。また、定着ベルト21と加圧ローラ31の目標温度は、約160℃に設定されている。また、記録媒体Pの搬送速度(プロセス線速)は140mm/秒程度に設定されている。
本願発明者が実験をおこなったところ、2つの第1ヒータ25に加えて第2ヒータ34についてもPID制御をおこなってしまうと、チラツキ現象が生じてしまうことを確認した。これに対して、第1ヒータ25を複数設けて突入電流の発生を少なくして、さらに第2ヒータ34をオンオフ制御することで、第1ヒータ25に生じる突入電流の上限値に余裕ができてチラツキ現象が確実に低減されることを確認した。
また、本実施の形態では定着部材として定着ベルト21を用いた定着装置20に対して本発明を適用したが、定着部材として定着ローラや定着フィルムや定着パッドを用いた定着装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。そして、これらの場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 定着補助ローラ、
23 加熱ローラ、
25 第1ヒータ、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
34 第2ヒータ、
40A 第1温度センサ(温度検知手段)、
40B 第2温度センサ(温度検知手段)、
51 PIDコントローラ、
53 オンオフコントローラ、 P 記録媒体。
Claims (10)
- 第1ヒータによって加熱されるとともに、トナー像を溶融して記録媒体に定着する定着部材と、
前記定着部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともに、第2ヒータによって加熱される加圧部材と、
を備え、
前記第1ヒータはPID制御され、前記第2ヒータはオンオフ制御されることを特徴とする定着装置。 - 前記定着部材の温度を検知する温度検知手段を備え、
前記第1ヒータは、所定のアルゴリズムに基づいて前記温度検知手段の検知結果と予め定められた目標温度との偏差から算出される値になるように通電のデューティが可変されるPID制御がおこなわれ、
前記第2ヒータは、前記温度検知手段の検知結果が所定値よりも小さいときに通電のデューティが100%となり前記温度検知手段の検知結果が所定値よりも大きいときに通電のデューティが0%となるようにオンオフ制御がおこなわれることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記第1ヒータ又は/及び前記第2ヒータは、制御周期ごとにソフトスタート又はソフトストップが実行されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記第1ヒータの制御周期が、前記第2ヒータの制御周期よりも短くなるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記第1ヒータの定格ワット数が、前記第2ヒータの定格ワット数よりも大きくなるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記第1ヒータは、1つのハロゲンヒータであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
- 前記第1ヒータは、複数のハロゲンヒータであって、
前記複数のハロゲンヒータのうち少なくとも1つは、その定格ワット数が前記第2ヒータの定格ワット数よりも大きくなるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。 - 前記第1ヒータ及び前記第2ヒータは、記録媒体の通紙時にそれぞれ通電されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着部材は、複数のローラ部材に張架された定着ベルトであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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