JP2010071082A - 空調用冷凍回路 - Google Patents

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Takahiro Hoshida
隆宏 星田
Masato Takamatsu
正人 高松
Masahiro Suzuki
將弘 鈴木
Shuichi Yasuda
修一 安田
Takayuki Kato
崇行 加藤
Yuji Kaneshige
雄二 兼重
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Abstract

【課題】低コストで、動力損失を可及的に小さくしながら、長期間放置した場合の圧縮機の液洗い現象を防止可能な空調用冷凍回路を提供する。
【解決手段】本発明の空調用冷凍回路は、圧縮機1の吐出室17bと凝縮器3とを接続する第1、2配管9a、9bに吐出側封止弁33が設けられている。吐出側封止弁33は、搭載された状態で上下に延びる弁室35aと、弁室35aの側方を吐出室17bと連通させる吐出口35bと、弁室35aの上端を凝縮器3と連通させる吐出弁口35cと、搭載された状態で上下に移動可能に設けられ、差圧及び自重によって下降して吐出弁口35cを開放し、液冷媒L又は潤滑油によって浮上して吐出弁口35cを閉じる弁体37と、弁体37より下方で弁室35aの下端に形成され、圧縮機1の吸入室17aと連通する低圧口35dとを有する。特に、冷媒は、圧縮機1の使用温度範囲内で潤滑油と二層分離するものである。
【選択図】図3

Description

本発明は空調用冷凍回路に関する。
例えば、車両に搭載される空調用冷凍回路は、冷媒と潤滑油とを含む循環冷媒を循環させる圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を備えている。この冷凍回路においては、以下のような問題が指摘されている(特許文献1)。
すなわち、この冷凍回路が長期間放置された場合、図11に示すように、1日において、外気に比べて差は小さいものの、圧縮機は温度変化を生じる。圧縮機の温度変化が外気に比べて小さいのは、圧縮機が車両や家屋の比較的下方に搭載されているからである。このため、昼間は、圧縮機の温度が外気温と比べて低くされ、圧縮機内が液体状の冷媒(液冷媒)で満たされ、液冷媒が圧縮機外へオーバーフローする。このとき、液冷媒とともに潤滑油が圧縮機外に持ち去られ、所謂液洗い現象が生ずる。夜間には、逆に外気温と比べて圧縮機の温度が高くなるので、液冷媒が気化して冷凍回路に分散されるが、再び昼間になると、前述の液洗い現象が生じる。このように車両が長期間放置されている間、液洗い現象が繰り返され、図12の従来例に示すように、遂には圧縮機内の潤滑油が皆無となる所謂オイルレス状態となる場合がある。この状態で圧縮機が起動されれば、潤滑油が吸入ガスとともに戻ってくる迄に若干の時間が必要とされるため、圧縮機の摺動部が焼き付き易い。焼き付き防止のために、圧縮機の摺動部品の表面にコーティングや低摩擦材等の表面処理が施されているが、これらの表面処理には、高額な費用が必要になる。また、冷媒と潤滑油とが相溶しにくい組み合わせで使用される場合、液冷媒から分離した潤滑油(液冷媒より潤滑油が軽い場合)が積極的に圧縮機外に持ち去られることもある。
このため、特許文献2のように、圧縮機の吐出室と凝縮器とを接続する吐出通路に逆止弁を設けることも考えられる。この逆止弁は、吐出室と凝縮器とを連通させる吐出弁口と、吐出弁口を開閉可能に設けられた弁体と、弁体が吐出圧力に抗して吐出弁口を閉じる方向の付勢力をもつバネとを有している。
この冷凍回路によれば、圧縮機が運転されている状態では、弁体に吐出圧力が作用し、弁体がバネの付勢力に抗して吐出弁口を開放する。このため、循環冷媒は圧縮機の吐出室から圧縮機を除く冷凍回路に出て行き、冷凍作用が得られる。一方、圧縮機が停止している状態では、弁体に吐出圧力が作用せず、弁体がバネの付勢力によって吐出弁口を閉じる。このため、液冷媒は圧縮機の吐出室から圧縮機を除く冷凍回路に出て行かず、圧縮機内に潤滑油が確保され易い。このため、次に圧縮機を起動しようとしても、圧縮機内の潤滑油がその起動を好適に実現する。
特開平10−37858号公報 特開2002−5022号公報
しかし、上記空調用冷凍回路では、長期間放置した場合の圧縮機の液洗い現象を防止するためにバネで吐出弁口を閉じなければならず、起動時にはそのバネの付勢力の分だけ動力損失を生じてしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、低コストで、動力損失を可及的に小さくしながら、長期間放置した場合の圧縮機の液洗い現象を防止可能な空調用冷凍回路を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の空調用冷凍回路は、冷媒と潤滑油とを含む循環冷媒を循環させる圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を備えた空調用冷凍回路において、
前記圧縮機の吐出室と前記凝縮器とを接続する吐出通路には吐出側封止弁が設けられ、
該吐出側封止弁は、搭載された状態で上下に延びる弁室と、該弁室の側方を該吐出室と連通させる吐出口と、該弁室の上端を該凝縮器と連通させる吐出弁口と、搭載された状態で上下に移動可能に設けられ、差圧及び自重によって下降して該吐出弁口を開放し、液体状の前記冷媒又は前記潤滑油によって浮上して該吐出弁口を閉じる弁体と、該弁体より下方で該弁室の下端に形成され、該圧縮機の吸入室又はクランク室と連通する低圧口とを有することを特徴とする。
本発明の空調用冷凍回路では、圧縮機が運転されている状態では、吐出側封止弁の弁体は、差圧及び自重によって弁室内で下降し、吐出弁口を開放する。差圧は、吐出口による吐出圧力と低圧口による吸入圧力との差圧、又は吐出口による吐出圧力と低圧口によるクランク室圧力との差圧である。このため、循環冷媒は、圧縮機の吐出室から吐出口及び吐出弁口を経て、圧縮機を除く冷凍回路に出て行き、冷凍作用が得られる。一方、圧縮機が停止し、低圧口等から進入する液冷媒が吐出通路を満たせば、吐出側封止弁の弁体は、液冷媒又は潤滑油によって弁室内で浮上し、吐出弁口を閉じる。このため、液冷媒は、圧縮機の吐出通路から外部に出て行かず、圧縮機内に潤滑油が確保され易くなる。このため、次に圧縮機を起動しようとしても、圧縮機内の潤滑油がその起動を好適に実現する。このため、圧縮機の摺動部品に施す表面処理を簡易にしたり、冷媒と潤滑油との組み合わせを簡易にしたりすることも可能になる。
また、この空調用冷凍回路では、このように長期間放置した場合の圧縮機の液洗い現象を防止するためにバネを採用しておらず、バネによる動力損失を起動時に生じない。
したがって、本発明の空調用冷凍回路は、低コストで、動力損失を可及的に小さくしながら、長期間放置した場合の圧縮機の液洗い現象を防止することが可能である。
吐出側封止弁は吐出通路に設けられればよい。吐出通路は圧縮機内であってもよく、圧縮機と凝縮器とを接続する配管内であってもよい。
吐出通路には吐出側ケースが設けられ得る。その吐出側ケースには、弁室、吐出口、吐出弁口及び低圧口が形成されていることが好ましい(請求項2)。この場合、吐出通路内に弁室等を設け易い。
また、本発明の空調用冷凍回路は、吸入室と蒸発器とを接続する吸入通路に吸入側封止弁が設けられていることが好ましい(請求項3)。吸入側封止弁は、搭載された状態で上下に延びる弁室と、弁室の側方を吸入室又はクランク室と連通させる吸入口と、弁室の上端を蒸発器と連通させる吸入弁口と、搭載された状態で上下に移動可能に設けられ、差圧及び自重によって下降して吸入弁口を開放し、液体状の冷媒又は潤滑油によって浮上して吸入弁口を閉じる弁体と、弁体より下方で弁室の下端に形成され、吸入室又はクランク室と連通する低圧口とを有する。
この場合、圧縮機が運転されている状態では、吸入側封止弁の弁体は、差圧及び自重によって弁室内で下降し、吸入弁口を開放する。差圧は、吸入弁口による蒸発器出口圧力と低圧口による吸入圧力との差圧、又は吸入弁口による蒸発器出口圧力と低圧口によるクランク室圧力との差圧である。このため、循環冷媒は、蒸発器から吸入弁口及び吸入口を経て、圧縮機に戻り、冷凍作用が得られる。一方、圧縮機が停止し、低圧口等から進入する液冷媒が吸入通路を満たせば、吸入側封止弁の弁体は、液冷媒又は潤滑油によって弁室内で浮上し、吸入弁口を閉じる。このため、液冷媒は、圧縮機の吐出通路ばかりでなく、吸入通路からも外部に出て行かず、圧縮機内に潤滑油が確保され易くなる。また、この空調用冷凍回路では、バネによる動力損失を起動時に生じない。このため、この場合には本発明の作用効果が顕著になる。
吸入側封止弁は吸入通路に設けられればよい。吸入通路は圧縮機内であってもよく、蒸発器と圧縮機とを接続する配管内であってもよい。
吸入通路には吸入側ケースが設けられ得る。その吸入側ケースには、弁室、吸入口、吸入弁口及び低圧口が形成されていることが好ましい(請求項4)。この場合、吸入通路内に弁室等を設け易い。
弁体は、液冷媒又は潤滑油よりも比重の小さい材料で形成され得る。例えば、ゴム、樹脂(ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、PPS等)等で弁体を形成することが可能である。
圧縮機は、シリンダボア、吸入室、吐出室及びクランク室を有するハウジングと、ハウジングに回転可能に支承されつつ、クランク室内に臨む駆動軸と、クランク室内で駆動軸に支持された斜板と、シリンダボア内に往復動可能に収納されたピストンと、斜板とピストンとの間に設けられ、斜板の揺動運動をピストンの往復動に変換する運動変換機構とを有する固定容量型斜板式圧縮機であり得る(請求項5)。
ワンボックスカー等、吹き出し口が後席にもあるような車両に用いられる空調装置(いわゆるデュアルエアコン)には、大容量の斜板式圧縮機が多く採用されている。また、このような空調装置には、冷凍回路内に封入される循環冷媒の量が多いので、液冷媒が圧縮機外へオーバーフローする機会が多く、一緒に潤滑油も排出されてしまう傾向が強い。
冷媒は、圧縮機の使用温度範囲内で潤滑油と二層分離するものであることが好ましい(請求項6)。例えば、従来より汎用されているR134aは、圧縮機の使用温度範囲内では、潤滑油と溶解している。しかし、冷房能力が高い冷媒であるR410Aは、圧縮機の使用温度範囲内において、潤滑油と分離するおそれがある。圧縮機の使用温度範囲内において、冷媒が潤滑油と分離すると、圧縮機の使用温度によっては液冷媒上に潤滑油が分離される場合がある。この場合、液冷媒よりも先に潤滑油が圧縮機外にオーバーフローし易い。このため、このような冷媒を採用している場合に潤滑油のオーバーフローを防止できれば、本発明の効果が顕著となる。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
実施例1の空調用冷凍回路はデュアルエアコンに採用されている。この冷凍回路は、図1に示すように、圧縮機1、凝縮器3、膨張弁5及び蒸発器7を備えている。圧縮機1、凝縮器3、膨張弁5及び蒸発器7は配管9によって互いに接続されて車両に搭載されており、これらは冷媒と潤滑油とを含む循環冷媒を大量に循環させている。冷媒は、圧縮機の使用温度範囲内で潤滑油と二層分離するR410Aである。潤滑油はPAGである。
圧縮機1は固定容量型斜板式圧縮機である。なお、図1における下側を前側、上側を後側としている。この圧縮機では、互いに接合された一対のシリンダブロック11a、11bの前端に弁ユニット13aを介してフロントハウジング15が接合され、フロントハウジング15内の外周側には吐出室15aが形成されている。また、シリンダブロック11a、11bの後端には弁ユニット13bを介してリアハウジング17が接合され、リアハウジング17内には吸入室17a及び吐出室17bが形成されている。吸入室17aはリアハウジング17の中心側に形成され、吐出室17bはリアハウジング17の外周側に形成されている。シリンダブロック11a、11b、フロントハウジング15及びリアハウジング17がハウジングを構成する。吐出室15a、17bは図示しない単一の吐出室に連通している。
シリンダブロック11a、11bには駆動軸19が回転可能に支承されており、この駆動軸19とフロントハウジング15との間にはシール部材21が設けられている。また、シリンダブロック11a、11bには複数のシリンダボア11c、11dが前後に貫設され、前後で対をなす各シリンダボア11c、11d内には両頭型のピストン23が往復動可能に収容されている。各シリンダボア11c、11dとピストン23とにより、前後の圧縮室がピストン23の両ピストンヘッド側に区画されている。
駆動軸19には、吸入室17aと連通する導入孔19aが形成されているとともに、導入孔19aの前後において吸入案内溝19b、19cが各々径方向に貫設されている。また、シリンダブロック11a、11bには、吸入案内溝19b、19cを介して各シリンダボア11c、11dと導入孔19aとを連通する吸入通路11e、11fが貫設されている。
また、シリンダブロック11a、11b間にはクランク室25が区画形成されている。クランク室25内において、駆動軸19に斜板27が固定されている。斜板27には前後で対をなす半球状のシュー29a、29bが設けられており、各ピストン23は両ピストンヘッド間の首部が各対のシュー29a、29bによって係留されている。シュー29a、29bが運動変換機構に相当する。斜板27の両端面と各シリンダブロック11a、11bの内端面との間には一対のスラスト軸受31a、31bが設けられており、斜板27はスラスト軸受31a、31bを介して両シリンダブロック11a、11bの間に挟持されている。
単一の吐出室(以下、便宜上、図中の吐出室17bとする。)と凝縮器3とは配管9によって接続されている。配管9は、図2〜4に示すように、吐出室17bに連通する第1配管9aと、第1配管9aと一体をなし、凝縮器3に連通する第2配管9bとを有している。図1に示すように、蒸発器7と吸入室17aとは配管9の第3配管9cによって接続されており、図2〜4に示すように、第3配管9cは第4配管9dによって第2配管9bに接続されている。第1、2配管9a、9bが吐出通路を構成している。
第2配管9bに吐出側封止弁33が設けられている。吐出側封止弁33は、第2配管9b内に固定され、内部に弁室35aが形成された吐出側ケース35と、弁室35a内に収納された弁体37とからなる。
弁室35aは、冷凍回路が車両に搭載された状態で上下に延びるように円柱状に形成されている。吐出側ケース35には、弁室35aの側方を第1配管9a内と連通させる吐出口35bと、弁室35aの上端を第2配管9b内と連通させる吐出弁口35cと、弁体37より下方で弁室35aの下端に形成された低圧口35dとが形成されている。低圧口35dは第2配管9b内を経て第4配管9d内に連通している。
弁体37は液冷媒及び潤滑油よりも比重の小さいゴムによって中実に形成されている。この弁体37は、弁室35aの内周面を摺動可能なフランジ部37aと、フランジ部37aと同心にフランジ部37aから上方に突出し、フランジ部37aより小径の弁部37bとからなる。弁部37bの上面は吐出弁口35cより大径になっている。
上記のように構成された冷凍回路は、図1に示す圧縮機1の駆動軸19にプーリ又は電磁クラッチが結合され、車両に搭載される。プーリ又は電磁クラッチはベルトを介してエンジンによって駆動される。エンジンが駆動されている間、駆動軸19が回転駆動されれば、斜板27が駆動軸19と同期回転し、ピストン23が斜板27の傾斜角度に応じたストロークでシリンダボア11c、11d内を往復動する。また、駆動軸19が回転駆動されることにより、ピストン23に連動させて、吸入案内溝19b、19c及び吸入通路11e、11fを介して導入孔19aと圧縮室とを連通させたり、遮断したりする。このため、ピストン23がリアハウジング17側からフロントハウジング15側に移動すると、導入孔19aとリアハウジング17側の圧縮室とが連通し、循環冷媒が吸入室17a及び導入孔19aを経てリアハウジング17側の圧縮室内に吸入される。その際、フロントハウジング15側の圧縮室と導入孔19aとが遮断され、循環冷媒はフロントハウジング15側の圧縮室で圧縮された後、吐出室15aに吐出される。また、ピストン23がフロントハウジング15側からリアハウジング17側に移動すると、圧縮室の動作は上記と逆になる。
吐出室15a、17b内に吐出された高温かつ高圧の循環冷媒は単一の吐出室17bを経て配管9により凝縮器3に供給される。凝縮器3内の循環冷媒は低温かつ高圧にされて膨張弁5に供給される。膨張弁5に供給された冷媒は断熱条件下で減圧されて蒸発器7に供給される。そして、蒸発器に供給された冷媒は、空気から熱を得て気化する。こうして空調が行われる。
この間、圧縮機1が運転されている状態では、図2に示すように、吐出側封止弁33の弁体37が吐出弁口35cを開放している。すなわち、図5に示すように、弁体37の質量をM、重力加速度をg、吐出圧力をPd、第3配管9c内の吸入圧力をPs、クランク室25内の圧力であるクランク室圧力をPc、フランジ部37aの底面積をA、低圧口35dの断面積をB、吐出弁口35cの断面積をC、弁部37bの上面積をD、液冷媒又は潤滑油の比重をρ、液冷媒又は潤滑油に浸漬している弁体37の体積をVとする。この状態では、弁体37にF1=Mg+PdA−PsBの差圧及び自重が働く。このため、図2に示すように、弁体37が弁室35aの下端に位置し、吐出弁口35cを開放する。このため、循環冷媒は、圧縮機1の吐出室17bから吐出口35b及び吐出弁口35cを経て、圧縮機1を除く冷凍回路に出て行き、冷凍作用が得られる。
一方、圧縮機1が停止すれば、吸入室17aがクランク室25と平衡状態になる。そして、弁室35a内は、低圧口35d、第4配管9d、第2配管9b及び吸入室17aを経てクランク室25内の圧力となる。この状態で冷凍回路が放置されれば、図3に示すように、液冷媒Lが第1〜4配管9a、9b、9c、9d内を満たすこととなる。この場合、弁体37には、図5に示すように、F2=ρVg+PcA−(Mg+Pc(A−D)+PcC)の浮力が働く。このため、図3に示すように、弁体37は、液冷媒L又は潤滑油によって浮上し、吐出弁口35cを閉じる。このため、液冷媒Lは、圧縮機1の第1配管9aから外部に出て行かず、圧縮機1内に潤滑油が確保され易くなる。
次いで、圧縮機1を起動する場合、圧縮機1内の潤滑油がその起動を好適に実現する。この時、弁体37には、図5に示すように、F1=Mg+PcC+Pd(A−D)−ρVg+PsAの差圧及び自重が働く。このため、図4に示すように、弁体37が弁室35a内を下降し、吐出弁口35cを開放する。このため、冷凍作用が得られる。
特に、この冷凍回路の冷媒がR410Aである時、図6(A)に示すように、従来のR134aは、圧縮機1の使用温度で潤滑油と溶解しており、図6(B)に示すように、圧縮機1からこれがオーバーフローしたとしても、圧縮機1内にはある程度の潤滑油も残存する。この場合には、ある程度の起動性は確保される。
しかしながら、図6(A)に示すように、R410Aは、従来のR134aと異なり、圧縮機1の使用温度範囲内で潤滑油と二層分離してしまう。圧縮機1の使用温度範囲内において、図6(C)に示すように、液冷媒Lの上方に潤滑油が分離される場合がある。この場合、圧縮機1外に潤滑油のみがオーバーフローし易い。実施例1の冷凍回路は、この冷媒を採用しつつ、吐出側封止弁33によって潤滑油のオーバーフローを防止できる。
発明者らの試験結果によれば、図12に示すように、実施例1の冷凍回路では、放置日数が増えても、圧縮機1内の貯油量がほとんど減少しなかった。このため、この冷凍回路によれば、従来は放置日数の増加によって生じていた液洗い現象によるオイルレス状態を回避でき、圧縮機1の焼付きを防止できることがわかる。また、この冷凍回路では、圧縮機1の摺動部品に施す表面処理を簡易にしたり、冷媒と潤滑油との組み合わせを簡易にしたりすることも可能になる。
また、この冷凍回路では、この効果のために吐出側封止弁33にバネを採用しておらず、バネによる動力損失を起動時に生じない。
また、この冷凍回路は、吐出側ケース35を採用しているため、第2配管9b内に弁室35a等を設け易く、この点においても製造コストの低廉化を実現している。
したがって、この冷凍回路は、低コストで、動力損失を可及的に小さくしながら、長期間放置した場合の圧縮機1の液洗い現象を防止することが可能である。
(実施例2)
実施例2の空調用冷凍回路は、図7に示すように、蒸発器7と接続された第3配管9cに吸入側封止弁43が設けられている。吸入側封止弁43は、第3配管9c内に固定されている。吸入側封止弁43は、実施例1と同様、図8に示すように、内部に弁室45aが形成された吸入側ケース45と、弁室45a内に収納された弁体47とからなる。
吸入側ケース45には、弁室45aの側方を第5配管9e内と連通させる吸入口45bと、弁室45aの上端を第3配管9c内と連通させる吸入弁口45cと、弁体47より下方で弁室45aの下端に形成された低圧口45dとが形成されている。低圧口45dは第6配管9f及び第5配管9eを経て吸入室17aに連通している。第3、5配管9c、9eが吸入通路を構成している。弁体47は、弁室45aの内周面を摺動可能なフランジ部47aと、フランジ部47aと同心にフランジ部47aから上方に突出し、フランジ部47aより小径の弁部47bとからなる。
第2配管9bには実施例1と同様の吐出側封止弁33が設けられている。他の構成は実施例1と同様であり、同一の構成についてが同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この冷凍回路では、圧縮機1が運転されている状態では、蒸発器出口圧力をPseとし、吸入側封止弁43の弁体47にF1=Mg+PseA−PsBの差圧及び自重が働く。このため、弁体47は、弁室45a内で下降し、吸入弁口45cを開放する。このため、循環冷媒は、蒸発器7から吸入弁口45c及び吸入口45bを経て、圧縮機1に戻り、冷凍作用が得られる。
一方、圧縮機1が停止し、低圧口45d等から進入する液冷媒が第1〜3、5配管9a、9b、9c、9eを満たせば、吸入側封止弁43の弁体47には、F2=ρVg+PcA−(Mg+Pc(A−D)+PcC)の浮力が働く。このため、弁体47は、液冷媒L又は潤滑油によって弁室45a内で浮上し、吸入弁口45cを閉じる。このため、液冷媒Lは、圧縮機1の第1配管9aばかりでなく、第5配管9eからも外部に出て行かず、圧縮機1内に潤滑油が確保され易くなる。
次いで、圧縮機1を起動する場合、圧縮機1内の潤滑油がその起動を好適に実現する。この時、弁体47には、F1=Mg+PcC+Pc(A−D)−ρVg−PsAの差圧及び自重が働く。このため、弁体47が弁室45a内を下降し、吸入弁口45cを開放する。このため、冷凍作用が得られる。他の作用効果は実施例1と同様である。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
上記実施例1、2では中実の弁体37、47を採用したが、図9に示すように、内部に中空部39aを有する弁体39を採用することも可能である。また、図10に示すように、上端が開口した凹部41aを有する弁体41を採用することも可能である。これらの場合、弁体39、41が液冷媒Lや潤滑油によってより浮上しやすくなり、本発明の作用効果が顕著になる。
吐出側封止弁33は圧縮機1の吐出室17bと凝縮器3とを接続する吐出通路に設けられればよいので、それは圧縮機1内であってもよい。吸入側封止弁43は圧縮機1の吸入室17aと蒸発器7とを接続する吸入通路に設けられればよいので、それは圧縮機1内であってもよい。
本発明は空調装置に利用可能である。
実施例1の空調用冷凍回路、主として圧縮機の断面図である。 実施例1の空調用冷凍回路に係り、圧縮機が運転状態である場合の要部拡大断面図である。 実施例1の空調用冷凍回路に係り、圧縮機が停止状態である場合の要部拡大断面図である。 実施例1の空調用冷凍回路に係り、圧縮機が起動状態である場合の要部拡大断面図である。 実施例1に係る弁体の説明図である。 図(A)は油分比率と二層分離温度との関係を示すグラフ、図(B)は冷媒としてR134aを使用した場合の圧縮機の状態を示す説明図、図(C)は冷媒としてR410Aを使用した場合の圧縮機の状態を示す説明図である。 実施例2の空調用冷凍回路の構成図である。 実施例2の空調用冷凍回路に係り、要部拡大断面図である。 変形例の弁体の断面図である。 変形例の弁体の断面図である。 1日の時間と温度との関係を示すグラフである。 実施例と従来例とにおける放置日数と圧縮機内の貯油量との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…圧縮機
3…凝縮器
5…膨張弁
7…蒸発器
15a、17b…吐出室
9a、9b…吐出通路(第1、2配管)
33…吐出側封止弁
35a、45a…弁室
35b…吐出口
35c…吐出弁口
37、47、39、41…弁体
35d、45d…低圧口
35…吐出側ケース
L…液体状の冷媒(液冷媒)
9c、9e…吸入通路(第3、5配管)
43…吸入側封止弁
45b…吸入口
45c…吸入弁口
45…吸入側ケース
17a…吸入室
25…クランク室
11c、11d…シリンダボア
11a、11b、15、17…ハウジング(11a、11b…シリンダブロック、15…フロントハウジング、17…リアハウジング)
19…駆動軸
27…斜板
23…ピストン
29a、29b…運動変換機構(シュー)

Claims (6)

  1. 冷媒と潤滑油とを含む循環冷媒を循環させる圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を備えた空調用冷凍回路において、
    前記圧縮機の吐出室と前記凝縮器とを接続する吐出通路には吐出側封止弁が設けられ、
    該吐出側封止弁は、搭載された状態で上下に延びる弁室と、該弁室の側方を該吐出室と連通させる吐出口と、該弁室の上端を該凝縮器と連通させる吐出弁口と、搭載された状態で上下に移動可能に設けられ、差圧及び自重によって下降して該吐出弁口を開放し、液体状の前記冷媒又は前記潤滑油によって浮上して該吐出弁口を閉じる弁体と、該弁体より下方で該弁室の下端に形成され、該圧縮機の吸入室又はクランク室と連通する低圧口とを有することを特徴とする空調用冷凍回路。
  2. 前記吐出通路には吐出側ケースが設けられ、
    該吐出側ケースには、前記弁室、前記吐出口、前記吐出弁口及び前記低圧口が形成されている請求項1記載の空調用冷凍回路。
  3. 前記吸入室と前記蒸発器とを接続する吸入通路には吸入側封止弁が設けられ、
    該吸入側封止弁は、搭載された状態で上下に延びる弁室と、該弁室の側方を該吸入室又は前記クランク室と連通させる吸入口と、該弁室の上端を該蒸発器と連通させる吸入弁口と、搭載された状態で上下に移動可能に設けられ、差圧及び自重によって下降して該吸入弁口を開放し、液体状の前記冷媒又は前記潤滑油によって浮上して該吸入弁口を閉じる弁体と、該弁体より下方で該弁室の下端に形成され、該吸入室又は該クランク室と連通する低圧口とを有する請求項1又は2記載の空調用冷凍回路。
  4. 前記吸入通路には吸入側ケースが設けられ、
    該吸入側ケースには、前記弁室、前記吸入口、前記吸入弁口及び前記低圧口が形成されている請求項3記載の空調用冷凍回路。
  5. 前記圧縮機は、シリンダボア、前記吸入室、前記吐出室及び前記クランク室を有するハウジングと、該ハウジングに回転可能に支承されつつ、該クランク室内に臨む駆動軸と、該クランク室内で該駆動軸に支持された斜板と、該シリンダボア内に往復動可能に収納されたピストンと、該斜板と該ピストンとの間に設けられ、該斜板の揺動運動を該ピストンの往復動に変換する運動変換機構とを有する固定容量型斜板式圧縮機である請求項1乃至4のいずれか1項記載の空調用冷凍回路。
  6. 前記冷媒は、前記圧縮機の使用温度範囲内で前記潤滑油と二層分離するものである請求項1乃至5のいずれか1項記載の空調用冷凍回路。
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