JP2010070653A - 絶縁シート及び積層構造体 - Google Patents

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Yasunari Kusaka
康成 日下
Hiroshi Maenaka
寛 前中
Takuji Aoyama
卓司 青山
Isao Higuchi
勲夫 樋口
Takashi Watanabe
貴志 渡邉
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Abstract

【課題】熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を導電層に接着するのに用いられ、未硬化状態でのハンドリング性に優れており、耐熱性、絶縁破壊特性及び熱伝導性に優れた硬化物を与える絶縁シートを提供する。
【解決手段】水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有し、重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B1)及び芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2)の内の少なくとも一方のモノマー(B)と、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物もしくはその変性物である硬化剤(C)と、フィラー(D)とを含有する絶縁シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を導電層に接着するのに用いられる絶縁シートに関し、より詳細には、未硬化状態でのハンドリング性に優れており、かつ耐熱性、絶縁破壊特性及び熱伝導性に優れた硬化物を与える絶縁シート、及び該絶縁シートが用いられた積層構造体に関する。
近年、電気機器の小型化及び高性能化が進行している。それに伴って、電子部品の実装密度が高くなってきており、電子部品から発生する熱を放散させる必要が高まっている。熱を放散させる方法として、高い放熱性を有し、かつ熱伝導率が10W/m・K以上のアルミニウム等の熱伝導体を、発熱源に接着する方法が広く採用されている。この熱伝導体を発熱源に接着するために、絶縁性を有する絶縁接着材料が用いられている。絶縁接着材料には、熱伝導率が高いことが強く求められている。
上記絶縁接着材料の一例として、下記の特許文献1には、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、硬化促進剤、エラストマー及び無機充填剤を含有する接着剤組成物を、ガラスクロスに含浸させた絶縁接着シートが開示されている。
ガラスクロスを用いない絶縁接着材料も知られている。例えば、下記の特許文献2の実施例には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノールノボラック、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びアルミナを含む絶縁接着剤が開示されている。ここでは、エポキシ樹脂の硬化剤として、3級アミン、酸無水物、イミダゾール化合物、ポリフェノール樹脂及びマスクイソシアネート等が挙げられている。
特開2006−342238号公報 特開平8−332696号公報
しかしながら、特許文献1に記載の絶縁接着シートでは、ハンドリング性を高めるために、ガラスクロスが用いられていた。ガラスクロスを用いた場合には、薄膜化が困難であり、かつレーザー加工性又はドリル穴開け加工等の各種加工が困難であった。さらに、ガラスクロスを含む絶縁接着シートの硬化物の熱伝導率は比較的低いため、充分な放熱性が得られないことがあった。さらに、ガラスクロスに接着剤組成物を含浸させるために、特殊な含浸設備を用意しなければならなかった。
特許文献2に記載の絶縁接着剤は、未硬化状態では自立性を有するシートではなかった。硬化前の絶縁接着剤は、ゲル化していない状態であるか、又はBステージ状態であるため、ハンドリング性が悪かった。
本発明の目的は、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を導電層に接着するのに用いられ、未硬化状態でのハンドリング性に優れており、耐熱性、絶縁破壊特性及び熱伝導性に優れた硬化物を与える絶縁シート、及び該絶縁シートが用いられた積層構造体を提供することにある。
本発明によれば、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を導電層に接着するのに用いられる絶縁シートであって、水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有し、かつ重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B1)及び芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2)の内の少なくとも一方のモノマー(B)と、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物もしくはその変性物である硬化剤(C)と、フィラー(D)とを含有し、前記ポリマー(A)と、前記モノマー(B)と、前記硬化剤(C)とを含む絶縁シート中の全樹脂成分の合計100重量%中に、前記ポリマー(A)を20〜60重量%の範囲内、前記モノマー(B)を10〜60重量%の範囲内、かつ前記ポリマー(A)と前記モノマー(B)とを合計100重量%未満の量で含有することを特徴とする、絶縁シートが提供される。
上記ポリマー(A)は、芳香族骨格を有することが好ましい。この場合には、絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
上記ポリマー(A)の上記官能基は、水酸基、リン酸基、カルボキシル基及びスルホン酸基からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。この場合には、絶縁シートの硬化物の絶縁破壊特性及び熱伝導性をさらに一層高めることができる。
上記ポリマー(A)の上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基のpKaは2〜10の範囲内にあることが好ましい。上記官能基のpKaが上記範囲内にある場合には、絶縁シートの硬化物の絶縁破壊特性及び熱伝導性をさらに一層高めることができる。
上記ポリマー(A)は、フェノキシ樹脂を含むことが好ましい。フェノキシ樹脂を用いた場合、絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度Tgは、95℃以上であることが好ましい。この場合には、樹脂の熱劣化をより一層抑制できる。
上記硬化剤(C)は、多脂環式骨格を有する酸無水物、もしくはテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られた脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物もしくはその変性物であることが好ましい。また、上記硬化剤(C)は、下記式(1)〜(3)の内のいずれかで表される酸無水物であることがより好ましい。これらの好ましい硬化剤(C)を用いた場合には、絶縁シートの柔軟性、耐湿性又は接着性をより一層高めることができる。
Figure 2010070653
Figure 2010070653
Figure 2010070653
上記式(3)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、又は水酸基を示す。
上記硬化剤(C)は、メラミン骨格もしくはトリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂であることも好ましい。この好ましい硬化剤(C)を用いた場合、絶縁シートの硬化物の柔軟性や難燃性をより一層高めることができる。
上記フィラー(D)は、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。また、上記フィラー(D)は、球状アルミナ、破砕アルミナ及び球状窒化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。これらの好ましいフィラー(D)を用いた場合、絶縁シートの硬化物の放熱性をより一層高めることができる。
本発明に係る積層構造体は、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体と、前記熱伝導体の少なくとも一方の面に積層された絶縁層と、前記絶縁層の前記熱伝導体が積層された面とは反対側の面に積層された導電層とを備え、前記絶縁層が、本発明に従って構成された絶縁シートを硬化させることにより形成されていることを特徴とする。
本発明に係る積層構造体では、前記熱伝導体は金属であることが好ましい。
本発明によれば、水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有し、かつ重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B)及び芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2)の内の少なくとも一方のモノマー(B)と、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物又もしくはその変性物である硬化剤(C)と、フィラー(D)とが上記特定の割合で含有されているため、未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性を高めることができる。さらに、絶縁シートの硬化物の耐熱性、絶縁破壊特性及び熱伝導性を高めることができる。
本発明に係る積層構造体は、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体の少なくとも片面に、絶縁層を介して導電層が積層されており、該絶縁層が、本発明に従って構成された絶縁シートを硬化させて形成されているので、導電層側からの熱が絶縁層を介して上記熱伝導体に伝わりやすい。このため、熱伝導体によって熱を効率的に放散させることができる。
本願発明者らは、水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有し、かつ重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B1)及び芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2)の内の少なくとも一方のモノマー(B)と、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物もしくはその変性物である硬化剤(C)と、フィラー(D)とを上記特定の割合で含む組成を採用することによって、未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性を高めることができ、かつ絶縁シートの硬化物の耐熱性、絶縁破壊特性及び熱伝導性を高めることができることを見出し、本発明を成すに至った。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る絶縁シートは、水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有し、かつ重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B1)及び芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2)の内の少なくとも一方のモノマー(B)と、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物もしくはその変性物である硬化剤(C)と、フィラー(D)とを含有する。
(ポリマー(A))
本発明に係る絶縁シートに含まれているポリマー(A)は、水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有し、かつ重量平均分子量が1万以上であれば特に限定されない。ポリマー(A)は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリマー(A)は、水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有する。水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有するポリマー(A)は、フィラー(D)との親和性が高い。従って、絶縁シート中でのフィラー(D)の分散性、およびポリマー(A)とフィラー(D)との密着性を高めることができる。このため、フィラー(D)と樹脂層の界面に空隙などが発生せずに、絶縁シート硬化物の絶縁破壊特性及び熱伝導性をより一層高めることができる。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基としては、例えば、水酸基(pKa=16)、リン酸基(pKa=7)、カルボキシル基(pKa=4)又はスルホン酸基(pKa=2)等が挙げられる。
ポリマー(A)の上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基は、水酸基、リン酸基、カルボキシル基及びスルホン酸基からなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましく、リン酸基、カルボキシル基及びスルホン酸基からなる群から選択された少なくとも1種であることがより好ましい。これらの好ましい官能基を有するポリマー(A)を用いた場合には、絶縁シート硬化物の絶縁破壊特性及び熱伝導性をより一層高めることができる。
なかでも、絶縁シート硬化物の絶縁破壊特性及び熱伝導性をさらに一層高めることができるので、ポリマー(A)の上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基は、カルボキシル基又はリン酸基であることが好ましい。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基のpKaは、2〜10の範囲内にあることが好ましく、3〜9の範囲内にあることがより好ましい。pKaが2未満であると、ポリマー(A)の酸性度が高すぎて、樹脂成分中のエポキシ成分及びオキセタン成分の反応が促進されやすい。このため、絶縁シートを未硬化状態で貯蔵した場合、絶縁シートの貯蔵安定性が不足することがある。pKaが10を超えると、絶縁シート中でのフィラー(D)の分散性を高める効果が不足することがある。このため、絶縁シートの硬化物の絶縁破壊特性及び熱伝導性を充分に高めることが困難になることがある。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有するポリマー(A)として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基又は水酸基などの水素結合性の水素原子を含む官能基を有する重合体等が挙げられる。このような重合体を得る方法として、例えば水素結合性の水素原子を含む官能基を有する単量体と他の単量体とを共重合する方法、ベースとなる幹ポリマーに水素結合性の水素原子を含む官能基を有する単量体をグラフト共重合する方法、又は水素結合性の水素原子を含む官能基の誘導基を有するポリマーの該誘導基を、上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基に変換する方法等が挙げられる。
上記水素結合性の水素原子を含む官能基を有するポリマーの具体例としてはカルボン酸基含有スチレン系ポリマー、カルボン酸基含有フェノキシ樹脂、カルボン酸基含有ポリエステル、カルボン酸基含有ポリエーテル、カルボン酸基含有(メタ)アクリル系ポリマー、カルボン酸基含有脂肪族系ポリマー、カルボン酸含有ポリシロキサン系ポリマー、リン酸基含有スチレン系ポリマー、リン酸基含有フェノキシ樹脂、リン酸基含有ポリエステル、リン酸基含有ポリエーテル、リン酸基含有(メタ)アクリル系ポリマー、リン酸基含有脂肪族系ポリマー、リン酸基含有ポリシロキサン系ポリマー、スルホン酸含有スチレン系ポリマー、リン酸基含有フェノキシ樹脂、スルホン酸基含有ポリエステル、スルホン酸基含有ポリエーテル、スルホン酸ポリマー含有(メタ)アクリル系ポリマー、スルホン酸基含有脂肪族系ポリマー、スルホン酸基含有ポリシロキサン系ポリマー、水酸基含有スチレン系ポリマー、水酸基含有フェノキシ樹脂、水酸基含有ポリエステル、水酸基含有ポリエーテル、水酸基含有(メタ)アクリル系ポリマー、水酸基含有脂肪族系ポリマー又は水酸基含有ポリシロキサン系ポリマー等が挙げられる。水素原子を含む官能基を有するポリマー(A)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
絶縁シート100重量%中に、ポリマー(A)は0.01〜20重量%の範囲内で含有されることが好ましく、0.1〜10重量%の範囲内で含有されることがより好ましい。水素結合性の水素原子を含む官能基を有するポリマー(A)が上記範囲内で含有される場合、フィラー(D)の凝集を抑制でき、かつ絶縁シートの硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性を充分に高めることができる。
上記ポリマー(A)は、芳香族骨格を有することが好ましい。この場合には、絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
上記ポリマー(A)が芳香族骨格を有する場合、上記ポリマー(A)は、芳香族骨格をポリマー全体の中に有していればよく、主鎖骨格内に含んでいてもよく、側鎖中に含んでいてもよい。ポリマー(A)は、芳香族骨格を主鎖骨格内に有することが好ましい。この場合には、硬化物の耐熱性をさらに一層高めることができる。
上記芳香族骨格は特に限定されない。上記芳香族骨格の具体例としては、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格又はビスフェノールA型骨格等が挙げられる。なかでも、ビフェニル骨格又はフルオレン骨格が好ましい。この場合には、硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
上記ポリマー(A)は水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有し、かつ重量平均分子量が1万以上であれば特に限定されない。上記ポリマー(A)として、任意の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等を用いることができる。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されない。上記熱可塑性樹脂の具体例として、スチレン系樹脂、フェノキシ樹脂、フタレート樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ケトン系樹脂又はノルボルネン系樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂は特に限定されない。上記熱硬化性樹脂の具体例として、尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ系樹脂、フェノール系樹脂、熱硬化性ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂又はアミノアルキド系樹脂等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂として、スーパーエンプラと呼ばれる耐熱性樹脂群を使用できる。上記スーパーエンプラは特に限定されない。上記スーパーエンプラとしては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンもしくはポリエーテルケトン等の熱可塑性樹脂、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、ベンゾオキサジン、又はポリベンゾオキサゾールとベンゾオキサジンとの反応物等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂はそれぞれ、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。熱可塑性樹脂のみが用いられてもよく、熱硬化性樹脂のみが用いられてもよく、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との双方が用いられてもよい。
上記ポリマー(A)は、スチレン系重合体及びフェノキシ樹脂の内の少なくとも一方であることが好ましく、フェノキシ樹脂であることがより好ましい。また、ポリマー(A)は、フェノキシ樹脂を含むことが好ましい。これらの好ましいポリマー(A)を用いた場合、硬化物の酸化劣化を防止でき、かつ硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
上記スチレン系重合体としては、具体的には、スチレン系モノマーの単独重合体、又はスチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体等が挙げられる。なかでも、スチレン−メタクリル酸グリシジルの構造を有するスチレン系重合体が好ましい。
上記スチレン系モノマーとして、具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン又は3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。スチレン系モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル又はメタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。アクリル系モノマーは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フェノキシ樹脂は、具体的には、例えばエピハロヒドリンと2価フェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、又は2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びジシクロペンタジエン骨格からなる群から選択された少なくとも1つの骨格を有するフェノキシ樹脂であることが好ましい。中でも、フルオレン骨格及びビフェニル骨格の内の少なくとも一方を有するフェノキシ樹脂が好ましい。これらの好ましいフェノキシ樹脂を用いた場合、硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
上記フェノキシ樹脂は、下記式(4)〜(9)で表される骨格の内の少なくとも1つの骨格を有することが好ましい。
Figure 2010070653
上記式(4)中、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Xは単結合、炭素数1〜7の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、又は−CO−である。
Figure 2010070653
上記式(5)中、R1aは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、mは0〜5の整数である。
Figure 2010070653
上記式(6)中、R1bは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、lは0〜4の整数である。
Figure 2010070653
Figure 2010070653
上記式(8)中、R及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン原子であり、Xは−SO−、−CH−、−C(CH−、又は−O−であり、kは0又は1の値である。
Figure 2010070653
上記ポリマー(A)として、例えば、下記式(10)又は下記式(11)で表されるフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
Figure 2010070653
上記式(10)中、Aは上記式(4)〜(6)のいずれかで表される構造を有し、かつその構成は上記式(4)で表される構造が0〜60モル%、上記式(5)で表される構造が5〜95モル%、及び上記式(6)で表される構造が5〜95モル%であり、Aは水素原子、又は上記式(7)で表される基であり、nは平均値で25〜500の数である。
Figure 2010070653
上記式(11)中、Aは上記式(8)又は上記式(9)で表される構造を有し、nは少なくとも21以上の値である。
上記ポリマー(A)のガラス転移温度Tgは、60〜200℃の範囲内にあることが好ましく、90〜180℃の範囲内にあることがより好ましい。ポリマー(A)のTgが低すぎると、樹脂が熱劣化することがある。ポリマー(A)のTgが高すぎると、ポリマー(A)と他の樹脂との相溶性が悪くなり、硬化物の耐熱性が低下することがある。
上記ポリマー(A)がフェノキシ樹脂を含む場合、フェノキシ樹脂のガラス転移温度Tgは、95℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、110〜200℃の範囲内にあることがさらに好ましく、110〜180℃の範囲内にあることが特に好ましい。フェノキシ樹脂のTgが低すぎると、樹脂が熱劣化することがある。フェノキシ樹脂のTgが高すぎると、フェノキシ樹脂と他の樹脂との相溶性が悪くなり、硬化物の耐熱性が低下することがある。
上記ポリマー(A)の重量平均分子量は、10,000以上である。上記ポリマー(A)の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000の範囲内にあることが好ましく、30,000〜1,000,000の範囲内にあることがより好ましく、40,000〜250,000の範囲内にあることがさらに好ましい。重量平均分子量が小さすぎると、樹脂が熱劣化することがある。重量平均分子量が大きすぎると、ポリマー(A)と他の樹脂との相溶性が悪くなり、硬化物の耐熱性が低下することがある。
上記ポリマー(A)は、絶縁シート中の全樹脂成分の合計100重量%中に、20〜60重量%の範囲内で含有される。上記ポリマー(A)は、絶縁シート中の全樹脂成分の合計100重量%中に、30〜50重量%の範囲内で含有されることが好ましい。ポリマー(A)の量が多すぎると、フィラー(D)の分散が困難になることがある。ポリマー(A)の量が少なすぎると、未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性に劣ることがある。なお、全樹脂成分とは、ポリマー(A)、モノマー(B)、硬化剤(C)及び必要に応じて添加される他の樹脂成分の総和をいう。
(モノマー(B))
本発明に係る絶縁シートは、エポキシモノマー(B1)及びオキセタンモノマー(B2)の内の少なくとも一方のモノマー(B)を含む。エポキシモノマー(B1)は芳香族骨格を有する。エポキシモノマー(B1)の重量平均分子量は600以下である。オキセタンモノマー(B2)は芳香族骨格を有する。オキセタンモノマー(B2)の重量平均分子量は600以下である。
本発明に係る絶縁シートは、モノマー(B)として、エポキシモノマー(B1)のみが用いられてもよく、オキセタンモノマー(B2)のみが用いられてもよく、エポキシモノマー(B1)とオキセタンモノマー(B2)との双方が用いられてもよい。
上記エポキシモノマー(B1)は、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であれば特に限定されない。上記エポキシモノマー(B1)の具体例としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンテン骨格を有するエポキシモノマー、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格を有するエポキシモノマー、又はピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。これらのエポキシモノマー(B1)は、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、又はビスフェノールS型のビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマーとしては、ジシクロペンタジエンジオキシド、又はジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ナフタレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、又は1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
上記アダマンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンテン、又は2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンテン等が挙げられる。
上記フルオレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、又は9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ビフェニル骨格を有するエポキシモノマーとしては、4,4’−ジグリシジルビフェニル、又は4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等が挙げられる。
上記バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、又は1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等が挙げられる。
上記キサンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等が挙げられる。
上記オキセタンモノマー(B2)は、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であれば特に限定されない。上記オキセタンモノマー(B2)の具体例としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、又はオキセタン化フェノールノボラック等が挙げられる。これらのオキセタンモノマー(B2)は、1種のみが用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシモノマー(B1)及びオキセタンモノマー(B2)の重量平均分子量、すなわちモノマー(B)の重量平均分子量は、600以下である。モノマー(B)の重量平均分子量の好ましい下限は200、好ましい上限は550である。モノマー(B)の重量平均分子量が小さすぎると、モノマー(B)の揮発性が高すぎて絶縁シートの取扱い性が低下することがある。モノマー(B)の重量平均分子量が大きすぎると、絶縁シートが固くかつ脆くなったり、絶縁シートの硬化物の接着性が低下したりすることがある。
上記ポリマー(A)と、上記モノマー(B)と、上記硬化剤(C)とを含む絶縁シートに含まれている全樹脂成分の合計100重量%中に、モノマー(B)は10〜60重量%の範囲内で含有される。上記全樹脂成分の合計100重量%中に、モノマー(B)は10〜40重量%の範囲内で含まれることが好ましい。ポリマー(A)及びモノマー(B)はそれぞれ、ポリマー(A)と、モノマー(B)との合計が100重量%未満となる量で含まれる。モノマー(B)の量が少なすぎると、絶縁シートの硬化物の接着性や耐熱性が低下することがある。モノマー(B)の量が多すぎると、絶縁シートの柔軟性が低下することがある。
(硬化剤(C))
本発明に係る絶縁シートに含まれている硬化剤(C)は、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物もしくはその変性物である。この硬化剤(C)を用いることにより、耐熱性、耐湿性及び電気物性のバランスに優れた絶縁シートの硬化物を得ることができる。硬化剤(C)は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記フェノール樹脂は特に限定されない。上記フェノール樹脂の具体例としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、又はポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。なかでも、絶縁シートの柔軟性や難燃性をより一層高めることができるので、メラミン骨格を有するフェノール樹脂、トリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂が好ましい。
上記フェノール樹脂の市販品としては、明和化成社製のMEH−8005、MEH−8010及びNEH−8015、ジャパンエポキシレジン社製のYLH903、大日本インキ社製のLA−7052、LA−7054、LA−7751、LA−1356及びLA−3018−50P、並びに群栄化学社製のPS6313及びPS6492等が挙げられる。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、その水添加物又はその変性物は、特に限定されない。芳香族骨格を有する酸無水物、その水添加物又はその変性物としては、例えば、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、グリセロールビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。なかでも、メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸を用いた場合には、絶縁シートの硬化物の耐水性を高めることができる。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、その水添加物又はその変性物の市販品としては、サートマー・ジャパン社製のSMAレジンEF30、SMAレジンEF40、SMAレジンEF60及びSMAレジンEF80、マナック社製のODPA−M及びPEPA、新日本理化社製のリカジットMTA−10、リカジットMTA−15、リカジットTMTA、リカジットTMEG−100、リカジットTMEG−200、リカジットTMEG−300、リカジットTMEG−500、リカジットTMEG−S、リカジットTH、リカジットHT−1A、リカジットHH、リカジットMH−700、リカジットMT−500、リカジットDSDA及びリカジットTDA−100、並びに大日本インキ化学社製のEPICLON B4400、EPICLON B650、及びEPICLON B570等が挙げられる。
また、脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物又はその変性物は、多脂環式骨格を有する酸無水物、テルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物又はその変性物であることが好ましい。この場合には、絶縁シートの柔軟性、耐湿性又は接着性などをより一層高めることができる。また、脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物又はその変性物としては、メチルナジック酸無水物、ジシクロペンタジエン骨格を有する酸無水物又はその変性物等も挙げることができる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物又はその変性物の市販品としては、新日本理化社製のリカジットHNA及びリカジットHNA−100、並びにジャパンエポキシレジン社製のエピキュアYH306、エピキュアYH307、エピキュアYH308H及びエピキュアYH309等が挙げられる。
また、上記硬化剤(C)は、下記式(1)〜(3)の内のいずれかで表される酸無水物であることがより好ましい。この場合には、絶縁シートの柔軟性、耐湿性又は接着性をより一層高めることができる。
Figure 2010070653
Figure 2010070653
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上記式(3)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、又は水酸基を示す。
硬化速度や硬化物の物性などを調整するために、上記硬化剤に加えて、硬化促進剤を用いてもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されない。硬化促進剤の具体例としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアジン類、有機リン系化合物、4級ホスホニウム塩類、有機酸塩などのジアザビシクロアルケン類、有機金属化合物類、4級アンモニウム塩類又は金属ハロゲン化物等が挙げられる。上記有機金属化合物類としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫又はアルミニウムアセチルアセトン錯体等が挙げられる。
上記硬化促進剤として、高融点のイミダゾール硬化促進剤、高融点の分散型潜在性硬化促進剤、マイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、又は高温解離型かつ熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等を使用することもできる。これらの硬化促進剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記高融点の分散型潜在性促進剤としては、ジシアンジアミド又はアミンをエポキシモノマー等に付加したアミン付加型促進剤等が挙げられる。上記マイクロカプセル型潜在性促進剤としては、イミダゾール系、リン系又はホスフィン系の促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性促進剤が挙げられる。上記高温解離型かつ熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤としては、ルイス酸塩又はブレンステッド酸塩等が挙げられる。
なかでも、上記硬化促進剤は、高融点のイミダゾール系硬化促進剤であることが好ましい。高融点のイミダゾール系硬化促進剤を用いた場合、反応系を容易に制御でき、かつ絶縁シートの硬化速度や硬化物の物性などをより一層容易に調整できる。融点100℃以上の高融点の硬化促進剤は、取扱性に優れている。従って、硬化促進剤の融点は100℃以上であることが好ましい。
(フィラー(D))
本発明に係る絶縁シートにフィラー(D)が含まれていることにより、絶縁シートの硬化物の放熱性を高めることができる。
また、上記ポリマー(A)が水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有するので、フィラー(D)の分散性を高めることができる。このため、絶縁シートの硬化物の絶縁破壊特性及び熱伝導性をより一層高めることができる。
上記フィラー(D)は特に限定されない。フィラー(D)は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。上記フィラー(D)は、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。これらの好ましいフィラー(D)を用いた場合には、絶縁シートの硬化物の放熱性をより一層高めることができる。
上記フィラー(D)は、球状アルミナ、破砕アルミナ及び球状窒化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種であることがより好ましい。この場合には、絶縁シートの硬化物の放熱性をより一層高めることができる。
フィラー(D)は球状のフィラーであってもよく、破砕されたフィラーであってもよい。
上記破砕されたフィラーとしては、破砕アルミナ等が挙げられる。破砕されたフィラーは、例えば、一軸破砕機、二軸破砕機、ハンマークラッシャー又はボールミル等を用いて、塊状の無機物質を破砕することにより得られる。破砕されたフィラーを使用することにより、絶縁シート中のフィラー(D)が、橋掛け又は効率的に近接された構造となりやすい。従って絶縁シートの硬化物の熱伝導性をより一層高めることができる。また、破砕されたフィラーは、一般的に、通常のフィラーに比べて安価である。このため、破砕されたフィラーを使用することにより、絶縁シートのコストを低減できる。
また、破砕されたフィラーを用いた場合、接触している破砕面同士が強く凝集する傾向がある。このため、破砕されたフィラーを用いた場合には、絶縁シート中に破砕されたフィラーを高密度に分散させることは困難である。このため、未硬化状態の絶縁シートのハンドリング性、絶縁シートの硬化物の絶縁破壊特性及び熱伝導性が低下することがある。しかしながら、破砕されたフィラーとともにポリマー(A)を用いることで、絶縁シート中に、破砕されたフィラーを高密度に分散させることができる。従って、未硬化状態の絶縁シートのハンドリング性、絶縁シートの硬化物の絶縁破壊特性及び熱伝導性を高めることができる。
破砕されたフィラーの平均粒子径は、12μm以下であることが好ましい。平均粒子径が12μmを超えると、絶縁シート中に、破砕されたフィラーを高密度に分散させることができず、絶縁シートの硬化物の絶縁破壊特性が低下することがある。破砕されたフィラーの平均粒子径の好ましい上限は10μmであり、好ましい下限は1μmである。フィラーの平均粒子径が小さすぎると、破砕されたフィラーを高密度に充填させることが困難となることがある。
破砕されたフィラーのアスペクト比は、特に限定されない。破砕されたフィラーのアスペクト比は、1.5〜20の範囲内にあることが好ましい。アスペクト比が1.5未満のフィラーは、比較的高価である。従って、絶縁シートのコストが高くなる。上記アスペクト比が20を超えると、破砕されたフィラーの充填が困難となることがある。
破砕されたフィラーのアスペクト比は、例えば、デジタル画像解析方式粒度分布測定装置(商品名:FPA、日本ルフト社製)を用いて、フィラーの破砕面を測定することにより求めることができる。
上記フィラー(D)が球状のフィラーである場合、球状のフィラーの平均粒子径は、0.1〜40μmの範囲内にあることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満であると、高い密度で充填することが困難なことがある。平均粒子径が40μmを超えると、絶縁シートの硬化物の絶縁破壊特性が低下することがある。
上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
絶縁シート100体積%中、上記フィラー(D)は50〜90体積%の範囲内で含有されることが好ましい。フィラー(D)の量が50体積%未満であると、絶縁シートの硬化物の放熱性が充分に高められないことがある。フィラー(D)の量が90体積%を超えると、絶縁シートの柔軟性及び接着性が著しく低下するおそれがある。
(ゴム粒子(E))
本発明に係る絶縁シートは、ゴム粒子(E)を含むことが好ましい。
上記ゴム粒子(E)は特に限定されない。上記ゴム粒子(E)として、例えば、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンイソプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム又は天然ゴム等が好適に用いられる。なかでも、上記ゴム粒子(E)は、シリコーンゴムであることが好ましい。シリコーンゴムを用いた場合には、絶縁シートの硬化物の応力緩和性及び柔軟性を高めることができる。
上記ゴム粒子(E)と上記フィラー(D)とを併用した場合、絶縁シートの硬化物の線熱膨張率を低くすることができるとともに、硬化物に応力緩和能を発現させることができる。さらに、高温下や冷熱サイクル条件下での硬化物の剥離やクラック等がより一層生じ難くなる。
絶縁シート100重量%中に、上記ゴム粒子(E)は0.1〜40重量%の範囲内で含有されることが好ましく、0.3〜20重量%の範囲内で含有されることがより好ましい。ゴム粒子(E)の量が少なすぎると、硬化物の応力緩和性が十分に発現しないことがある。ゴム粒子(E)の量が多すぎると、硬化物の接着性が低くなることがある。
(他の成分)
本発明に係る絶縁シートは、ハンドリング性をより一層高めるために、ガラスクロス、ガラス不織布又はアラミド不織布等の基材物質を含んでいてもよい。もっとも、基材物質を含まなくても、本発明の絶縁シートは、室温(23℃)において未硬化状態でも優れたハンドリング性を有する。絶縁シートは基材物質を含まないことが好ましく、特にガラスクロスを含まないことがより好ましい。本発明では、上記各成分(A)〜(D)が上記特定の割合で含有されているため、上記基材物質を含まなくても、未硬化状態でのハンドリング性に優れた絶縁シートを得ることができる。絶縁シートが上記基材物質を含まない場合、絶縁シートの厚みを薄くすることができ、かつ絶縁シートの熱伝導率をより一層高めることができる。さらに、絶縁シートが上記基材物質を含まない場合、必要に応じて絶縁シートにレーザー加工又はドリル穴開け加工等の各種加工を容易に行うこともできる。
また、本発明の絶縁シートは、必要に応じて、チキソ性付与剤、分散剤、難燃剤又は着色剤を含有していてもよい。
上記チキソ性付与剤は特に限定されない。上記チキソ性付与剤としては、ポリアマイド樹脂、脂肪酸アマイド樹脂、ポリアミド樹脂又はフタル酸ジオクチル樹脂等が挙げられる。
上記分散剤としては、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤又はノニオン性分散剤等が挙げられる。
上記アニオン性分散剤としては、脂肪酸せっけん、アルキルサルフェート、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム又はアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。上記カチオン性分散剤としては、デシルアミン酢酸塩、トリメチルアンモニウムクロライド又はジメチル(ベンジル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。
上記ノニオン性分散剤としては、ポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールエステル、ソルビタンエステル、ソルビタンエステルエーテル、モノグリセライド、ポリグリセリンアルキルエステル、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルポリエーテルアミン、アミンオキサイド又はエチレングリコールジステアレート等が挙げられる。
上記難燃剤は特に限定されない。上記難燃剤としては、金属酸化物、リン系化合物、窒素系化合物、層状複水和物、アンチモン系化合物、臭素系化合物又は臭素含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記金属酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石こう又は水酸化カルシウム等が挙げられる。上記リン系化合物としては、赤りん、ポリリン酸アンモニウム、トリフェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、リン酸エステル、リン含有エポキシ樹脂、リン含有フェノキシ樹脂又はリン含有ビニル化合物等が挙げられる。上記窒素系化合物としては、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、リン酸メラミン又はこれらに表面処理が施されたメラミン誘導体等が挙げられる。上記層状複水和物としては、ハイドロタルサイト等が挙げられる。上記アンチモン系化合物としては、三酸化アンチモン又は五酸化アンチモン等が挙げられる。上記臭素系化合物としては、デカブロモジフェニルエーテル又はトリアリルイソシアヌレート6臭化物等が挙げられる。上記臭素含有エポキシ樹脂としては、テトラブロモビスフェノールA等が挙げられる。なかでも、金属水酸化物、リン系化合物、臭素系化合物又はメラミン誘導体が好適に用いられる。
上記着色剤として、例えばカーボンブラック、黒鉛、フラーレン、チタンカーボン、二酸化マンガン、顔料又は染料が用いられる。上記顔料としては、フタロシアニン等が挙げられる。
(絶縁シート)
本発明に係る絶縁シートの製造方法は、特に限定されない。例えば、上述した材料を混合した混合物を溶剤キャスト法又は押し出し成膜等の方法でシート状に成形することにより、絶縁シートを得ることができる。シート状に成形する際に、脱泡することが好ましい。本発明に係る絶縁シートは、上記各成分(A)〜(D)を上記特定の割合で含むので、未硬化状態でのハンドリング性に優れている。また、絶縁シートは、室温(23℃)において自立性を有し、取扱性にも優れている。
絶縁シートの膜厚は特に限定されない。絶縁シートの膜厚は、10〜300μmの範囲内にあることが好ましく、50〜200μmの範囲内にあることがより好ましく、70〜120μmの範囲内にあることがさらに好ましい。膜厚が薄すぎると、絶縁性が低下することがある。膜厚が厚すぎると、金属体を導電層に接着したときに放熱性が低下することがある。
特に膜厚が厚い場合に、本発明に係る絶縁シートの絶縁破壊特性を極めて高めることができる。もっとも、本発明では、膜厚が薄くても、絶縁シートの絶縁破壊特性を充分に高めることができる。
また、本発明に係る絶縁シートの未硬化状態でのガラス転移温度Tgは、25℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が25℃を超えると、室温において固くかつ脆くなることがあり、未硬化状態での絶縁シートのハンドリングが低下する原因となる。
絶縁シートの硬化物の熱伝導率は、1.5W/m・k以上であることが好ましい。絶縁シートの硬化物の熱伝導率は、2.0W/m・k以上であることがより好ましく、3.0W/m・k以上であることがさらに好ましい。熱伝導率が低すぎると、硬化物の放熱性が低くなることがある。
絶縁シートの硬化物の絶縁破壊電圧は、30kV/mm以上であることが好ましい。絶縁シートの硬化物の絶縁破壊電圧は、40kV/mm以上であることがより好ましく、50kV/mm以上であることがさらに好ましい。絶縁破壊電圧が低すぎると、例えば電力素子用のような大電流用途に用いられた場合に、絶縁性が低くなることがある。
絶縁シートの硬化物の体積抵抗率は、1014Ω・cm以上であることが好ましく、1016Ω・cm以上であることがより好ましい。体積抵抗率が低すぎると、導体層と熱伝導体との間の絶縁を保てないことがある。
絶縁シートの硬化物の熱線膨張率は、30ppm/℃以下であることが好ましく、20ppm/℃以下であることがより好ましい。熱線膨張率が高すぎると、硬化物の耐冷熱サイクル性が低下することがある。
本発明に係る絶縁シートは、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を導電層に接着するのに用いられる。また、本発明に係る絶縁シートは、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体の少なくとも片面に、絶縁層を介して導電層が積層されている積層構造体の絶縁層を構成するのに好適に用いられる。
本発明に係る積層体は、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体と、熱伝導体の少なくとも一方の面に積層された絶縁層と、絶縁層の熱伝導体が積層された面とは反対側の面に積層された導電層とを備える。該絶縁層が本発明に従って構成された絶縁シートを硬化させることにより形成されている。
例えば、両面に銅回路が設けられた積層板又は多層配線板、銅箔、銅板、半導体素子又は半導体パッケージ等の各導電層に、絶縁シートを介して金属体を接着させた後、絶縁シートを硬化させることにより、上記積層構造体を得ることができる。
図1に、本発明の一実施形態に係る積層構造体を模式的に部分切欠正面断面図で示す。
図1に示す積層構造体1は、発熱源としての導電層2の表面2aに、絶縁層3を介して、熱伝導体4が積層されている。絶縁層3は、本発明の絶縁シートを硬化させて形成されている。熱伝導体4としては、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体が用いられている。
上記積層構造体1では、絶縁層3が高い熱伝導率を有するので、導電層2側からの熱が絶縁層3を介して熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体4に伝わりやすい。このため、積層構造体1では、熱伝導体4によって熱を効率的に放散させることができる。
上記熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体は特に限定されない。上記熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体としては、例えば、アルミニウム、銅、アルミナ、ベリリア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム又はグラファイトシート等が挙げられる。
上記熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体は、銅又はアルミニウムであることが好ましい。銅又はアルミニウムは、放熱性に優れている。
本発明に係る絶縁シートは、基板上に半導体素子が実装されている半導体装置の導電層に、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を接着するのに好適に用いられる。本発明に係る絶縁シートは、半導体素子以外の電子部品素子が基板上に搭載されている電子部品装置の導電層に、熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を接着するのにも好適に用いられる。
半導体素子が大電流用の電力用デバイス素子である場合には、絶縁シートの硬化物には、絶縁性又は耐熱性等により一層優れていることが求められる。従って、このような用途に、本発明の絶縁シートは好適に用いられる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の材料を用意した。
ポリマー(A)
(1)カルボキシル基含有アクリル樹脂(新中村化学社製、商品名:PSY−130、Mw=30,000、Tg=109℃)
(2)スルホン酸基含有スチレン樹脂(日本エヌエスシー社製、商品名:VERSA−TL 72、Mw=70,000、Tg=98℃)
(3)リン酸基含有アクリル樹脂(合成例1で合成、Mw=12,000、Tg=97℃)
合成例1:
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレート0.7モルとグリシジルメタクリレート0.3モルとを加えた後、溶媒としてのメチルエチルケトン及び触媒としてのアゾビスイソブチロニトリルをさらに加え、窒素雰囲気下、80℃で18時間攪拌した。その後、冷却し、重合禁止剤としてのメチルハイドロキノンを加えた。この溶液に水1モルを加えて、40℃に維持し、攪拌しつつ無水リン酸0.1モルを徐々に添加した。その後、3時間反応させ、リン酸基を含有するポリマーの溶液を得た。
(4)高耐熱フェノキシ樹脂(東都化成社製、商品名:FX−293、Mw=43,700、Tg=163℃)
ポリマー(A)以外のポリマー
(1)エポキシ基含有アクリル樹脂(日本油脂社製、商品名:マープルーフG−0130S、Mw=9,000,Tg=69℃)
エポキシモノマー(B1)
(1)ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、商品名:エピコート828US、Mw=370)
(2)ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、商品名:エピコート806L、Mw=370)
(3)3官能グリシジルジアミン型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート630、Mw=300)
(4)フルオレン骨格エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製、商品名:オンコートEX1011、Mw=486)
(5)ナフタレン骨格液状エポキシ樹脂(大日本インキ化学社製、商品名:EPICLON HP−4032D、Mw=304)
オキセタンモノマー(B2)
(1)ベンゼン骨格オキセタン樹脂(宇部興産社製、商品名:エタナコールOXTP、Mw=362.4)
エポキシモノマー(B1)及びオキセタンモノマー(B2)以外のモノマー
(1)ヘキサヒドロフタル酸骨格液状エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名:AK−601、Mw=284)
(2)ビスフェノールA型固体状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:1003、Mw=1300)
硬化剤(C)
(1)脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製、商品名:MH−700)
(2)芳香族骨格酸無水物(サートマー・ジャパン社製、商品名:SMAレジンEF60)
(3)多脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製、商品名:HNA−100)
(4)テルペン骨格酸無水物(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピキュアYH−306)
(5)ビフェニル骨格フェノール樹脂(明和化成社製、商品名:MEH−7851−S)
(6)アリル骨格フェノール樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YLH−903)
(7)トリアジン骨格フェノール樹脂(大日本インキ化学社製、商品名:フェノライトKA−7052−L2)
(8)メラミン骨格フェノール樹脂(群栄化学工業社製、商品名:PS−6492)
(9)イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール(イミダゾール系硬化促進剤、四国化成社製、商品名:2MZA−PW)
無機フィラー(D)
(1)球状アルミナ(デンカ社製、商品名:DAM−10、平均粒子径10μm)
(2)破砕アルミナ(日本軽金属社製、商品名:LS−242C、平均粒子径2μm)
(3)窒化ホウ素(昭和電工社製、商品名:UHP−1、平均粒子径8μm)
(4)窒化アルミ(東洋アルミ社製、商品名:TOYALNITE―FLX、平均粒子径14μm)
(5)炭化ケイ素(信濃電気製錬社製、商品名:シナノランダムGP#700、平均粒子径17μm)
ゴム粒子(E)
(1)コアシェル型ゴム微粒子(三菱レーヨン社製、商品名:KW4426、メチルメタクリレートからなるシェルと、ブチルアクリレートからなるコアとを有するゴム微粒子、平均粒径5μm)
(2)シリコンゴム微粒子(東レ・ダウコーニング社製、商品名:トレフィルE601、平均粒径2μm)
添加剤
(1)エポキシシランカップリング剤(信越化学社製、商品名:KBE403)
溶剤
(1)メチルエチルケトン
(実施例1)
ホモディスパー型攪拌機を用いて、下記の表1に示す割合(配合単位は重量部)で各原料を配合し、混練し、絶縁材料を調製した。
膜厚50μmの離型PETシートに、上記絶縁材料を100μmの厚みになるように塗工し、90℃のオーブン内で30分乾燥して、PETシート上に絶縁シートを作製した。
(実施例2〜21及び比較例1〜4)
使用した各原料の種類及び配合量を下記の表1〜3に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして絶縁材料を調製し、PETシート上に絶縁シートを作製した。
(実施例及び比較例の評価)
(1.ハンドリング性)
PETシートと、該PETシート上に形成された絶縁シートとを有する積層シートを460mm×610mmの大きさに切り出して、テストサンプルを用意した。このテストサンプルを用いて、室温(23℃)でPETシートから未硬化状態の絶縁シートを剥離したときのハンドリング性を下記の基準により評価を行った。
〇:絶縁シートの変形がなく、容易に剥離可能
△:絶縁シートを剥離できるものの、シート伸びや破断が発生する
×:絶縁シートを剥離できない
(2.熱伝導率)
京都電子工業社製熱伝導率計「迅速熱伝導率計QTM−500」を用いて、絶縁シートの熱伝導率を測定した。
(3.絶縁破壊電圧)
絶縁シートを100mm×100mmの大きさに切り出して、未硬化状態のテストサンプルを得た。得られたテストサンプルを120℃オーブン内で1時間、更に200℃オーブン内で1時間硬化させ、絶縁シートの硬化物を作製した。耐電圧試験器(MODEL7473、EXTECH Electronics社製)を用いて、絶縁シートの硬化物に1kV/秒の速度で電圧が上昇するように、交流電圧を印加した。絶縁シートの硬化物が破壊した電圧を、絶縁破壊電圧とした。
(4.半田耐熱試験)
1mm厚のアルミ板と35μm厚の電解銅箔間に絶縁シートを挟み、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間、絶縁シートをプレス硬化し、銅張り積層板を形成した。この銅張り積層板を50mm×60mmの大きさに切り出し、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを288℃の半田浴に銅箔側を下に向けて浮かべ、銅箔の膨れ又は剥がれが発生するまでの時間を測定し、以下の基準で判定した。
〇:3分経過しても膨れ及び剥離の発生なし
△:1分経過後、かつ3分経過する前に膨れ又は剥離が発生した
×:1分経過する前に膨れ又は剥離が発生
結果を下記の表1〜3に示す。
Figure 2010070653
Figure 2010070653
Figure 2010070653
図1は、本発明の一実施形態に係る積層構造体を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
符号の説明
1…積層構造体
2…導電層
2a…表面
3…絶縁層
4…熱伝導体

Claims (13)

  1. 熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を導電層に接着するのに用いられる絶縁シートであって、
    水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有し、かつ重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、
    芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B1)及び芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2)の内の少なくとも一方のモノマー(B)と、
    フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物もしくはその変性物である硬化剤(C)と、
    フィラー(D)とを含有し、
    前記ポリマー(A)と、前記モノマー(B)と、前記硬化剤(C)とを含む絶縁シート中の全樹脂成分の合計100重量%中に、前記ポリマー(A)を20〜60重量%の範囲内、前記モノマー(B)を10〜60重量%の範囲内、かつ前記ポリマー(A)と前記モノマー(B)とを合計100重量%未満の量で含有することを特徴とする、絶縁シート。
  2. 前記ポリマー(A)が芳香族骨格を有する、請求項1に記載の絶縁シート。
  3. 前記ポリマー(A)の前記官能基が、水酸基、リン酸基、カルボキシル基及びスルホン酸基からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1または2に記載の絶縁シート。
  4. 前記ポリマー(A)の前記水素結合性を有する水素原子を含む官能基のpKaが2〜10の範囲内にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁シート。
  5. 前記ポリマー(A)がフェノキシ樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁シート。
  6. 前記フェノキシ樹脂のガラス転移温度Tgが95℃以上である、請求項5に記載の絶縁シート。
  7. 前記硬化剤(C)が、多脂環式骨格を有する酸無水物、もしくはテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られた脂環式骨格を有する酸無水物、その水添加物もしくはその変性物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の絶縁シート。
  8. 前記硬化剤(C)が、下記式(1)〜(3)の内のいずれかで表される酸無水物である、請求項7に記載の絶縁シート。
    Figure 2010070653
    Figure 2010070653
    Figure 2010070653
    上記式(3)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、又は水酸基を示す。
  9. 前記硬化剤(C)が、メラミン骨格もしくはトリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の絶縁シート。
  10. 前記フィラー(D)が、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の絶縁シート。
  11. 前記フィラー(D)が、球状アルミナ、破砕アルミナ及び球状窒化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の絶縁シート。
  12. 熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体と、
    前記熱伝導体の少なくとも一方の面に積層された絶縁層と、
    前記絶縁層の前記熱伝導体が積層された面とは反対側の面に積層された導電層とを備え、
    前記絶縁層が、請求項1〜11のいずれか1項に記載の絶縁シートを硬化させることにより形成されていることを特徴とする、積層構造体。
  13. 前記熱伝導体が金属であることを特徴とする、請求項12に記載の積層構造体。
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