JP2010070405A - ダイヤモンド膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイヤモンド微粉末を成膜前処理に用いても、凝集なく、高密度にかつ均一に基材表面に分散する方法を示し、ダイヤモンド成長後の表面が十分平滑で異常成長なく、かつ基材との密着性の高いダイヤモンド膜の製造方法を提供する。
【解決手段】基材1上に形成されたダイヤモンド膜2であって、ダイヤモンド膜2の平均膜厚6の値の3/4以上の横方向差し渡しサイズ5を有する突起部4で定義される、膜2の成長面の異常成長ダイヤモンド突起部4が、1cm当たり100個以下であるダイヤモンド膜2。ダイヤモンド膜2は、立方晶ダイヤモンドと六方晶ダイヤモンドとを含むダイヤモンド粉末を用意する工程と、ダイヤモンド粉末を液体溶媒中で撹拌する工程と、ダイヤモンド粉末を撹拌したダイヤモンド分散液中で基材1表面にダイヤモンドを種付け処理する工程とを備え、しかる後に基材1上に化学的気相合成法により製造される。
【選択図】図1

Description

本発明はダイヤモンド膜及びその製造方法に関し、特に、薄膜での平滑性と密着性が要求される切削又は耐磨工具用途、放熱基板などの電子部品用途や電気化学用電極、及び光学部品などに適用可能なダイヤモンド膜及びその製造方法に関するものである。
ダイヤモンドは現存する物質中最高の硬度を持ち、その平滑面は極めて低い摩擦係数を有することから、従来より天然産単結晶ダイヤモンドや人工ダイヤモンド粉末を原料として、工具用途への応用がなされてきた。さらに1980年代に化学的気相合成(CVD)法によるダイヤモンド薄膜の形成技術が確立されてからは、3次元状の基材に対してダイヤモンドを成膜することで、切削・耐磨工具用途に応用が図られてきた。一方、ダイヤモンドの熱伝導率も物質中最高であることから、現在では放熱基板などの電子部品用途にも拡大している。さらに、広い電位窓、耐腐食性を生かした電気化学用電極、あるいは紫外から赤外までの広い透過光特性を利用した光学部品などの用途にも応用展開されつつある。
これらの工具用途、電子部品、電気化学、及び光学部品用途に適用するCVDダイヤモンド膜は、一般的に多結晶膜であり、金属及び合金、セラミックス、さらにSiやSiC半導体基板等の基材上に成膜される。この成膜前処理としては、ダイヤモンド粉末を直接基材上に擦りつけたり、あるいはダイヤモンド粉末を分散させた溶液に基材を浸し、超音波を印加することで基材中にダイヤモンドを埋め込んだりする例がある。これは、傷付けや埋め込みダイヤモンドによって、成膜時のダイヤモンドの初期核発生密度を増加させ、成膜を容易にするために行われている。
この成膜前処理には種々の方法が考案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には基体表面に2〜100nmのダイヤモンド超微粒子を付着させた後、このダイヤモンド超微粒子を結晶核とする、膜状ダイヤモンドの形成法が示されている。この方法により、薄膜で、密着性よくダイヤモンドが成膜できるとしている。また、特許文献3には、ダイヤモンド粉末の表面に極性基と非極性基を共存分布させることにより、基材表面に対してダイヤモンドの付着性を高める方法が記載されている。これにより、基材表面の人工ダイヤモンド核形成を高めることができるとしている。
特開平5−058784号公報 特開2003−261399号公報 特開平11−343197号公報
ところで、上記に例示した方法に共通する、200nm以下のダイヤモンド微粉末を基材に埋め込んだり付着させたりする工程を導入しても、ダイヤモンド成膜後には所々ダイヤモンドの異常成長部が発生する問題があった。ここで言う異常成長部とは、基材表面を観察した際、ダイヤモンドの平均膜厚に対して3/4以上の横方向差し渡しサイズを有する突起部のことである(図1)。横方向差し渡しサイズとは、異常成長を上面から観察した際に、異常成長内部に水平方向に引ける最長の直線サイズのことである。切削工具等の表面にこの異常成長部が存在した場合、ここを起点に膜が剥離したり、電気化学用電極では異常成長部が集中的に腐食したりする問題が発生する。
本発明者らはこの原因として、ダイヤモンド微粉末が基材表面上で凝集して凝集体(クラスター)となり、これがダイヤモンド成膜時までそのまま取り残され、結果としてダイヤモンド成膜後に異常成長部分となるためと予想した。凝集体の原因は、粉末の粒径が小さくなればなるほど、重量当たりの粉末の表面積が増大し表面エネルギーが増えるので、粉末がそれぞれ凝集しやすくなるためと考えられる。この凝集体のサイズや分布はまちまちで制御不可能であることから、凝集の問題が解決されない限り、ダイヤモンドの均一な成膜は困難である。
前記従来技術では、ダイヤモンド粉末の付着工程の後に、基材を液体で洗浄する工程が含まれるものもある。この方法では一部の粗大凝集体は基材表面から除去可能であるが、全部を除去することは不可能であり、かつ、せっかく基材表面に分散付着したダイヤモンド粉も除去されるので、その後のダイヤモンド成長時に核発生密度が低下する問題もある。
さらに、近年では膜厚及び粒径が1μm以下の超平滑ダイヤモンド膜を利用した切削工具などが開発されつつある。この様な薄いダイヤモンドを基材全面に成膜するには、微細なダイヤモンド粉末を、均一に、高密度に、かつ凝集なく、成膜面全面に付着させるかあるいは埋め込む必要がある。この時、初期核発生密度がある程度以上なければ、超硬合金などの切削工具基材に密着性よくダイヤモンドを成膜することはできない。ところが、異常成長を抑制しつつ、均一かつ高密度にダイヤモンドを核発生させる方法は、従来技術では確立されていない。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、ダイヤモンド微粉末を成膜前処理に用いても、凝集なく、高密度にかつ均一に基材表面に分散する方法を示し、成長後の表面が十分平滑で異常成長なく、かつ基材との密着性の高いダイヤモンド膜を得ることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は以下の態様を有する。
(1)基材上に形成されたダイヤモンド膜であって、該ダイヤモンド膜の平均膜厚値の3/4以上の横方向差し渡しサイズを有する突起部で定義される、膜成長面の異常成長ダイヤモンド突起部が、1cm2当たり100個以下であることを特徴とする、ダイヤモンド膜。
(2)前記ダイヤモンド膜の、少なくとも基材との界面の一部には、六方晶ダイヤモンドが存在することを特徴とする、前記(1)に記載のダイヤモンド膜。
(3)前記(1)又は(2)記載のダイヤモンド膜を化学的気相合成法によって基材上に製造する方法であって、立方晶ダイヤモンドと六方晶ダイヤモンドとを含むダイヤモンド粉末を用意する工程と、前記ダイヤモンド粉末を液体溶媒中で撹拌する工程と、前記ダイヤモンド粉末を撹拌した溶液であるダイヤモンド分散液中で基材表面にダイヤモンドを種付け処理する工程とを備え、しかる後に基材上に化学的気相合成法によってダイヤモンド膜を形成することを特徴とする、ダイヤモンド膜の製造方法。
(4)前記ダイヤモンド粉末を液体溶媒中で撹拌する工程の後に、ダイヤモンド分散液から、ダイヤモンド粉末の凝集体を分離する工程を備えることを特徴とする、前記(3)に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(5)前記ダイヤモンド粉末を液体溶媒中で撹拌する工程は、溶液全体に超音波を印加する工程を含むことを特徴とする、前記(3)又は(4)に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(6)前記ダイヤモンド粉末の粒径は、1nm以上100nm以下であることを特徴とする、前記(3)から(5)のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(7)前記ダイヤモンド粉末を撹拌する液体溶媒は、水、アルコール又はアセトンの中の一種類、あるいは二種類以上混合したものからなることを特徴とする、前記(3)から(6)のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(8)前記ダイヤモンド分散液からダイヤモンド粉末の凝集体を分離する工程は、ダイヤモンド分散液を遠心分離してダイヤモンド粉末の凝集体を取り除く工程を含むことを特徴とする、前記(4)から(7)のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(9)前記ダイヤモンド分散液からダイヤモンド粉末の凝集体を分離する工程は、ダイヤモンド分散液を容器中で放置して、沈殿したダイヤモンド粉末の凝集体を取り除く工程を含むことを特徴とする、前記(4)から(7)のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(10)前記ダイヤモンド分散液を放置する容器は、密封容器であることを特徴とする、前記(9)に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(11)前記ダイヤモンド分散液から分離するダイヤモンド凝集体の直径は0.2μm以上であることを特徴とする、前記(4)から(10)のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(12)前記ダイヤモンド凝集体を分離した後に、ダイヤモンド分散液の溶媒を追加又は蒸発させることにより、ダイヤモンド分散液中のダイヤモンド粉末濃度を減少、あるいは増加させることを特徴とする、前記(4)から(11)のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(13)前記ダイヤモンド分散液の溶媒を追加又は蒸発させることによって、ダイヤモンド分散液中のダイヤモンド粉末濃度を、溶媒を追加又は蒸発させる前の0.1倍以上8倍以下に減少、あるいは増加させることを特徴とする、前記(12)記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(14)前記ダイヤモンドを種付け処理する工程に用いるダイヤモンド分散液のダイヤモンド粉末濃度は、溶媒1Lに対しダイヤモンド粉末が0.01g以上80g以下であることを特徴とする、前記(3)から(13)のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
(15)前記方法で基材に対して種付け処理した後、熱フィラメントCVD法により、H2に対するCH4比率1%でダイヤモンドを5分間形成した際、基材表面に、ダイヤモンドの成長核密度が1cm2当たり1×1010個以上の領域が少なくとも1mm2以上存在し、かつ、直径1μm以上のダイヤモンド粒子が1cm2当たり100個以下であることを特徴とする、前記(3)から(14)のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
本発明のダイヤモンド膜及びその製造方法によると、基材上全面均一に核発生密度が高く、かつ異常成長部のない平坦なダイヤモンド膜を得ることができ、ダイヤモンド被覆工具、電子部品、電気化学電極、及び光学部品等への利用に好適となる。
本発明者らは、ダイヤモンド粉末が分散した溶液を利用するダイヤモンドの種付け処理(成膜前処理)について、処理後のダイヤモンド粉末の基材表面への分散状態を詳細に観察した結果、基材表面でダイヤモンド粉末が凝集した状態にある現象を確認した。さらに、凝集したダイヤモンド粉末の一部は、基材を純水やアルコールなどで洗浄した後でも基材表面に留まることも確認した。この後、ダイヤモンドをCVD法で成膜すると、ダイヤモンド凝集体からはそのままダイヤモンド膜が成長し、基板から直接成長した膜と重なって異常成長となることが分かった(図1)。
本発明では、成膜前処理に通常用いられる立方晶ダイヤモンド粉末だけでなく、これに六方晶ダイヤモンドを添加することで、基材表面のダイヤモンド粉末の凝集を比較的容易に抑止でき、基材の洗浄が不要なので核発生密度を高められることを見出した。ここで用いる六方晶ダイヤモンドは、公知の衝撃法やその他任意の方法で製造されたものを利用することができる。立方晶及び六方晶ダイヤモンドは粒子中に混晶で存在していてもよいし、それぞれの粒子を混合してもよい。六方晶ダイヤモンドのダイヤモンド粉末全体に占める割合は任意の比率でよいが、好ましくは1質量%以上70質量%以下、より好ましくは10質量%以上40質量%以下が望ましい。六方晶ダイヤモンドの判定には、粉末X線回折法、透過型電子顕微鏡回折像、電子線後方散乱回折像、ラマン分光法等の既存、あるいは今後確立される任意の手法が適用できる。さらに、ダイヤモンド粉末は未精製の黒鉛等が不純物として混ざっていてもよいが、好ましくは精製済みで、その純度は質量比で80%以上あることが望ましい。これらの条件で種付け処理することにより、効率的に基材表面へのダイヤモンド粉末の塗布が行われ、凝集を抑止しつつ、核発生密度を高めることができる。
さらに本発明においては、ダイヤモンド粉末を液体溶媒中で攪拌した工程の後に、ダイヤモンド分散液から凝集体を分離し、取り除いた後の分散液中で基材上にダイヤモンドを種付け処理することが望ましい。本発明者らは、一旦ダイヤモンド凝集体を取り除いたダイヤモンド分散液を作製すれば、この分散液中ではダイヤモンド粒子は再び凝集しないことを見出した。そして、この分散液中で種付け処理を行えば、基材を取り出して乾燥させてもダイヤモンド粉末は凝集せず基材表面上に分散されたまま残るので、異常成長なくダイヤモンド膜を成膜することができる。
ダイヤモンド粉末を液体溶媒中で撹拌する工程は、溶液全体に超音波を印加する工程を含むことがより望ましい。ダイヤモンド粉末は、通常の大気中での保管時には大部分が凝集体として存在している。溶媒中で機械的に撹拌しても、凝集体全てが分散することは少ない。撹拌工程に超音波処理を加えることにより、効率よく凝集体と分散粒子に分けることができる。超音波を印加する方法としては、公知の方法で行うことができる。
ダイヤモンド粉末の粒径は、1nm以上100nm以下であることが望ましい。従来、粒径10nm以下の、一般にナノダイヤモンドと呼ばれるダイヤモンド粉末を用いれば、核発生密度が高く、緻密なダイヤモンド膜が得られるとされていた。しかし、本発明者らは前述のように粒径が小さくなればなるほど、逆に粒子が凝集しやすくなり、異常成長の核となることを確認した。本発明では、六方晶ダイヤモンドを添加した上で凝集体をあらかじめ取り除くことにより、ナノダイヤを用いても凝集なく、かつ、ナノダイヤの利点を活かした緻密な種付け処理が可能となる。粒径は100nm以下であれば小さいほど緻密な種付け処理が可能となるが、小さくなりすぎれば、逆にダイヤモンド成膜時に基板上のダイヤモンド粒子がエッチング等で失われる確率が高くなる。種付け処理に有効な粒径は1nm以上100nm以下であれば本発明の目的とするダイヤモンド成膜に有効であるが、特に5nm以上20nm以下の粒径のダイヤモンド粒子を用いればより好適となる。粒径の測定には、市販の粒度分布測定装置(光散乱法、レーザー回折法、ラインスタート法)や、電子顕微鏡(透過型、走査型)を用いることができる。これらに限らず、任意の測定法で上記粒径範囲に入る粉末を用いることで、本発明で目的とするダイヤモンド膜を得ることができる。
ダイヤモンド粉末を撹拌する液体溶媒は、水、アルコール又はアセトンの中の一種類、あるいは二種類以上混合したものを用いてもよい。ダイヤモンド粉末を水(特に純水)中に撹拌すれば、通常は完全に分散せず一部には凝集体が含まれる。本発明はこの現象を逆に利用したもので、凝集体を一旦取り除けば、既に分散して浮遊体となっているダイヤモンド粒子はもはや凝集することがなく、ダイヤモンドの種付け処理に好適となる。アルコール又はアセトンも水と同様の効果があるが、常温で揮発性であるため処理後の基材の乾燥はより容易である。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール他任意のアルコールが利用でき、メチルアルコール及びエチルアルコールが好ましい。種付け処理後の基材は、ダイヤモンド粉末を含まない液体で洗浄してもよいが、本発明の手法を用いれば基材を洗浄せずに乾燥させても、基材表面での凝集を抑止することができる。
ダイヤモンド粉末と液体溶媒の混合比は、溶媒1Lに対しダイヤモンド粉末0.1g以上10g以下であることが望ましい。ダイヤモンド粉末の分散比率は、少なすぎれば成膜時の核発生密度が低下し、逆に多すぎても飽和量以上のダイヤモンド粉末は全て凝集体となるので効率的でない。本発明者らは実験の結果、上記の混合比範囲内であれば成膜時の核発生密度が十分で、かつ適量が凝集体となり取り除くことができることを確認した。
ダイヤモンド分散液からダイヤモンド粉末の凝集体を分離する工程は、ダイヤモンド分散液を遠心分離してダイヤモンド粉末の凝集体を取り除く工程を含むことを特徴としてもよい。ダイヤモンド分散液を遠心分離器で遠心分離することにより、凝集体を効率よく取り除くことができる。遠心分離の時間および加速度は、ダイヤモンドの粒径、溶媒、分離したい凝集体のサイズなどにより異なる。
ダイヤモンド分散液からダイヤモンド粉末の凝集体を分離する工程は、ダイヤモンド分散液を容器中で放置し、沈殿したダイヤモンド粉末の凝集体を取り除く工程を含むことを特徴としてもよい。溶液中で撹拌したダイヤモンド粉末は、放置しても静電気力や分子間力により自然に引き寄せられて凝集するものがある。容器中で分散液を放置することによって凝集体は自然に容器下部に沈殿し、上澄み液部分には引力と斥力が釣り合って凝集しない粉末が分散することになる。本発明者らは実験によって、この上澄み部分が基材の種付け処理に適することを見出した。この沈殿させる工程に用いる容器は密封容器であることが望ましい。凝集体の沈殿には時間がかかるので、分離中に溶媒が蒸発すれば粉末濃度が連続的に変化して問題となる場合がある。密封容器を用いることで上澄み液中のダイヤモンド粉末濃度を維持することができる。
ダイヤモンド分散液から分離するダイヤモンド凝集体の直径は0.2μm以上であることが望ましい。ダイヤモンド成膜時に基材表面に凝集体があれば異常成長の核となるが、その直径が0.2μm未満であればその大きさは小さく、成膜後の表面を荒らすことは少ない。すなわち、ダイヤモンド分散液から分離するダイヤモンド凝集体の直径を0.2μm以上とすることにより、異常成長のないダイヤモンド膜を成膜することができる。
本発明は、ダイヤモンド凝集体を分離した後のダイヤモンド分散液の溶媒を蒸発させるか、溶媒を追加することにより、ダイヤモンド分散液中のダイヤモンド粉末濃度を増加あるいは減少させることを特徴としてもよい。このダイヤモンド粉末濃度は、溶媒を蒸発あるいは追加する前の0.1倍以上8倍以下の範囲であり、調整後、種付け処理する工程に用いるダイヤモンド分散液のダイヤモンド粉末濃度は溶媒1Lに対しダイヤモンド粉末が0.01g以上80g以下の範囲で含まれることが望ましい。ダイヤモンド凝集体を取り除いた後のダイヤモンド分散液は必然的にダイヤモンド粉末濃度が低下することになる。ダイヤモンドを成膜する基材の種類によっては、凝集体を取り除いた後のダイヤモンド分散液をそのまま種付け処理に用いると、核発生密度が十分でなく、膜の密着性が得られなかったり、空乏が生じたりする場合がある。この場合、ダイヤモンド分散液の溶媒を蒸発させてダイヤモンド粉末の濃度を増加させることにより、基材上に付着するダイヤモンド粒子の密度を高くすることができる。その結果、ダイヤモンドの核発生密度が増加し、緻密で密着性のよいダイヤモンド膜を得ることができる。ダイヤモンドを成膜する基材の種類によっては、ダイヤモンド分散液をそのまま種付け処理に用いると、基材上でダイヤモンド粉末が再凝集するため、成膜時に異常成長などの要因となる場合がある。この場合、溶媒を分散液に加える工程を追加することによって、所望のダイヤモンド粉末濃度を得ることができる。
ダイヤモンド凝集体を取り除いた後のダイヤモンド分散液中で、基材上にダイヤモンドを種付け処理する工程は、ダイヤモンド分散液中に基材を浸漬し、全体に超音波を印加する方法が好ましい。最終的に基材に種付け処理を行う工程は、ダイヤモンド分散液中に基材を浸すだけではなく、同時に超音波振動を加えることで、基材表面へのダイヤモンド粒子の付着をより強力に行うことができる。超音波を印加する方法としては、一般的にダイヤモンドの種付け処理で行われている公知の方法を用いることができる。
ダイヤモンドを成膜するための基材には、本発明で目的とする任意の基材、例えば、超硬合金、サーメット等の金属あるいは合金基板、シリコン、窒化珪素等の半導体あるいはセラミックス基板、及び石英等を用いることができる。超硬合金や鉄系合金等、そのままではダイヤモンドの核形成が劣る基板を用いる場合には、酸エッチング等公知の任意の手法で基板に前処理を行うことで本発明の高密度で異常成長のないダイヤモンド核発生を行うことができる。
基材上にダイヤモンドを成膜する方法は、公知の任意のCVD法を用いることができる。これらの中で、熱フィラメントCVD法は比較的粒径の小さいダイヤモンド粉末を種付け処理に用いても、ダイヤモンド核発生までに種付け粒子が失われる確率が低く、本発明で目的とするような異常成長のない平滑表面を得るためにより好ましい方法である。
本発明のダイヤモンド膜は、前記方法で基材に対して種付け処理された後、熱フィラメントCVD法でH2に対するCH4比率が1%でダイヤモンドを5分間形成した際に、基材表面のダイヤモンドの成長核密度(核発生密度)が1cm2当たり1×1010個以上の領域が少なくとも1mm2以上存在し、かつ、直径1μm以上のダイヤモンド粒子が1cm2当たり100個以下となることが望ましい。この、ダイヤモンドを形成する他の条件は特に指定するものではないが、代表的には、フィラメントにはタングステンを用い、その温度は1900℃以上2300℃以下とし、ガス圧力は6.7×102Pa以上1.5×104Pa以下とし、基材表面温度は600℃以上1200℃以下とすることで得られる。この時、ダイヤモンドの核発生密度とその面積が前記値以上であれば、その後の成長において密着性のよいダイヤモンド膜が得られるが、好ましくは核発生密度は1cm2当たり1×1011個以上で、その面積は10mm2以上存在することが望ましい。さらにこの時、直径1μm以上のダイヤモンド粒子が1cm2当たり100個以下とすることで、その後の異常成長の核となることを抑止することができ、全面均一に平滑なダイヤモンド膜表面を得ることができる。但し、本発明のダイヤモンド膜及びその製造方法では、前記の核発生におけるダイヤモンド成長条件で限定的に得られる物ではなく、任意の成長方法、成長条件を適用することができる。
ダイヤモンド核発生密度、直径1μm以上のダイヤモンド粒子の個数は、ダイヤモンド表面を走査型電子顕微鏡で観察し、求めることができる。
本発明で得られるダイヤモンド膜は、その平均膜厚値の3/4以上の横方向差し渡しサイズを有する突起物で定義される、膜成長面の異常成長ダイヤモンド突起部が1cm2当たり100個以下となる。異常成長が前記密度以下である限り、本発明で目的とする用途に適用可能となるが、好ましくは1cm2当たり30個以下、より好ましくは10個以下であることが望ましい。
本発明で得られるダイヤモンド膜は、ダイヤモンド膜の、少なくとも基材との界面の一部に六方晶ダイヤモンドが存在することが好ましい。六方晶ダイヤモンドは、種付け処理で用いたダイヤモンド粉末が残留していてもよいし、CVDダイヤモンド層として存在してもよい。六方晶ダイヤモンドが存在することにより、ダイヤモンド膜と基材の密着性をより良好に保つことができる。六方晶ダイヤモンドの判定には、公知の任意の手法を用いることができるが、X線回折法、電子線後方散乱回折法、透過電子顕微鏡回折像等で判定することができる。
本発明のダイヤモンド膜及びその製造方法について、実施例に基づいてさらに具体的に説明する。
(実施例1)
ここでは、本発明の実施例として、ダイヤモンド粉末を用いた基材への種付け処理の例を示す。まず、粒径5〜100nmのダイヤモンド粉末を2g用意し、純水1L中で溶液全体に超音波を印加して撹拌した(図2)。このダイヤモンド粉末は粉末X線回折法で計測した結果、立方晶ダイヤモンドと六方晶ダイヤモンドからなり、六方晶ダイヤモンドがダイヤモンド粉末全体に対して11質量%の割合で含まれていた。また、その純度は質量換算で95%であった。その後、全体を密封容器に移し、遠心分離装置によって、ダイヤモンド粒子の凝集体と、ダイヤモンド分散溶液に分離した(図3)。ダイヤモンド凝集体と、凝集体を分離後に分散液中に残ったダイヤモンド粒子を取り出して透過型電子顕微鏡(TEM)でそれぞれ観察したところ、凝集体の直径は0.2μm以上5μm以下の範囲にあり、分散液中の粒子は直径200nm未満で分散されたままであった。前記、分離の工程の後、ダイヤモンド分散溶液を開放容器に移し、溶媒を半分蒸発させてダイヤモンド粉末の濃度を2倍に増加させた(図4)。濃度調整後のダイヤモンド分散溶液のダイヤモンド粉末濃度は、溶媒1Lに対しダイヤモンド粉末が0.8gであった。次にダイヤモンド成膜用基材として、10×10×3mm3の超硬合金(WC/Co)の平板を用意し、種付けの前処理として、アセトン及び純水で超音波洗浄した後に硝酸に浸して、表面近傍のCoを除去した。この基材を、ダイヤモンド粉末濃度増加後のダイヤモンド分散液に浸し、全体に超音波を印加させて15分間種付け処理を行った(図5)。その後、基材をダイヤモンド分散液から取り出し、大気中で乾燥させた。
種付け処理後の基材に対して、公知の熱フィラメントCVD装置でダイヤモンドの成長を行った。成長条件は、フィラメント温度2050℃、基材表面温度900℃、1%CH4/H2ガス組成とし、圧力4.0×103Paでまず5分間核発生テストした。基材取り出し後、走査型電子顕微鏡(SEM)で基材表面を観察した結果、表面には直径0.3μm程度のダイヤモンド核が均一に形成されており、その密度は表面全面において1.1×1010〜1.0×1011個/cm2であった。さらに、基材上に形成されたダイヤモンド核の中で、直径1μm以上のダイヤモンド粒子は、表面全体を観察した結果8個であった。
そしてこの後、再度上記の成長条件で60時間ダイヤモンドを成長させたところ、平均膜厚20μmのダイヤモンド膜が得られた。SEMで成膜後の表面を観察したところ、横方向差し渡しサイズ15μm以上の異常成長粒子(異常成長ダイヤモンド突起部)は、基材表面全体で8個であった。さらにこのダイヤモンド膜と基材境界部分を収束イオンビーム(FIB)加工で切り出し、断面方向から境界部分をTEMで観察したところ、大部分は立方晶ダイヤモンドであったが、一部に六方晶ダイヤモンドの回折像が認められた。
(比較例1)
ここで比較例として、実施例1における種付け処理に用いるダイヤモンド粉末を、六方晶ダイヤモンドを含まず立方晶ダイヤモンドのみからなる粉末に変更して処理を行った。ダイヤモンド粉末の粒径や、使用した溶媒、分散液の精製方法、種付け処理方法及び時間は先の実施例と同様とした。濃度調整後のダイヤモンド分散溶液のダイヤモンド粉末濃度は、溶媒1Lに対しダイヤモンド粉末が0.008gであった。その後、ダイヤモンドの形成条件・時間も同様の成長を行った。まず、成長時間5分後では、基材表面におけるダイヤモンドの核発生密度が1.0×1010個/cm2以上の領域の面積は0.7mm2に留まり、残る部分の核発生密度は2.5×108〜9.9×109個/cm2であった。さらに、基材上に形成されたダイヤモンド核の中で、直径1μm以上のダイヤモンド粒子は、表面全体を観察した結果110個であった。その後、同条件で60時間ダイヤモンドを成長させたところ実施例1と同様の平均膜厚20μmのダイヤモンド膜が得られた。SEMで成膜後の表面を観察したところ、横方向差し渡しサイズ15μm以上の異常成長粒子は、基材表面全体で110個であった。得られたダイヤモンド膜と基材の界面をTEMで観察した結果、全面立方晶ダイヤモンドからなり、六方晶ダイヤモンドは観察されなかった。
この後、比較のため実施例1及び比較例1で得た基材に対してJIS Z 2245で規定されるロックウェル硬さ試験に基づき、ダイヤモンド膜表面にダイヤモンド圧子を押し込んだところ、比較例1のダイヤモンド膜は全面剥離したものの、実施例1のダイヤモンド膜は圧痕部分のみの剥離に留まり、ダイヤモンド膜の密着性に差があることが確認された。
(実施例2)
本実施例では、実施例1の図2に示したダイヤモンド粉末を撹拌後の溶液について、密封容器に移し替えてそのまま放置した例を示す。放置する前までのダイヤモンド撹拌液の調製工程は、溶媒にエチルアルコールを使用した点を除いて実施例1と同様である。ダイヤモンド撹拌液は、放置後3日で図3と同様にダイヤモンド粒子の凝集体と、ダイヤモンド分散溶液に分離した。凝集体の直径は0.2μm以上0.4μm以下であった。その後、沈殿したダイヤモンド凝集体部分を取り除いた溶液に、同体積のエチルアルコールを追加してダイヤモンド分散濃度を0.5倍に低下させた(図6)。濃度調整後のダイヤモンド分散溶液のダイヤモンド粉末濃度は、溶媒1Lに対しダイヤモンド粉末が0.02gであった。
ダイヤモンドを成膜する基材は1インチ径Siウェハとし、前記ダイヤモンド分散濃度が低下後の分散液に基材を浸して、超音波印加による種付け処理を15分間行った。この後、実施例1と同様の方法で基材上にダイヤモンド膜を成膜した。但し、フィラメント温度は2150℃、基板表面温度は1000℃とした。まず、5分間核発生後のダイヤモンド核発生密度は、ウェハ全面に渡り1.0×1010〜9.0×1010個/cm2であった。そして、直径1μm以上のダイヤモンド粒子は、表面全体を観察した結果15個であった。その後、100時間成長後のダイヤモンド平均膜厚は80μmであり、全面緻密な膜となった。SEMで成膜後の表面を観察したところ、横方向差し渡しサイズ60μm以上の異常成長粒子は、基材表面全体で15個であった。このダイヤモンド膜と基材を劈開し、断面方向から境界部分を電子線後方散乱回折装置で観察したところ、大部分は立方晶ダイヤモンドであったが、一部に六方晶ダイヤモンドの回折像が認められた。このダイヤモンドの成長面を研磨し、Si基板を酸溶解除去したところ、異常成長による曇りなく、紫外から赤外まで透明なダイヤモンド自立基板を得ることができた。
(実施例3〜7)
本実施例では、六方晶ダイヤモンドの存在比、粒子径、ダイヤモンド粒子分散液の調製法等を変更した例について述べる。それぞれのダイヤモンド分散液条件を実施例1〜2及び比較例1と合わせて表1に示す。
Figure 2010070405
実施例3〜7におけるダイヤモンド膜を形成する基材は実施例1と同様の超硬合金とした。表1に記載以外の諸条件は全て実施例1と同様として、まず、5分間のダイヤモンド核発生と、その後の60時間のダイヤモンド成長を行った結果、表2の結果を得た。
尚、実施例6における5分間核発生後の核発生密度が1×1010個/cm2以上の領域の面積は1.2mm2であった。
Figure 2010070405
表2に示したように、実施例全てについて、比較的異常成長を抑制しつつ、高密度にダイヤモンド核発生することができ、その後ロックウェル試験において良好な膜密着性を得ることができた。
以上説明したように、本発明のダイヤモンド膜では、ダイヤモンド種付け処理において凝集なく、高密度にかつ均一に基材表面に分散することができ、ダイヤモンド成長後の表面が十分平滑で均一、かつ基材との密着性の高いダイヤモンド膜を形成することができる。その結果、切削・耐磨工具や、電気化学用電極、光学部品等への利用に好適となる。
(a)はダイヤモンド膜成長面の異常成長ダイヤモンド突起物を上面から見た模式図であり、(b)は基材上に残留したダイヤモンド凝集体とここから成長した異常成長ダイヤモンド突起物の縦断面模式図である。 ダイヤモンド粉末と液体溶媒を撹拌する工程を示す図である。 ダイヤモンド撹拌液を遠心分離した後の様子を示す図である。 ダイヤモンド分散液の溶媒を蒸発させる工程を示す図である。 ダイヤモンド粒子を基材上に超音波処理で種付けする工程を示す図である。 ダイヤモンド分散液の濃度を低下させる工程を示す図である。
符号の説明
1…ダイヤモンド成膜用基材
2…ダイヤモンド膜
3…ダイヤモンド凝集体
4…異常成長部
5…差し渡しサイズ
6…ダイヤモンド膜厚
7…ダイヤモンド攪拌液
8…攪拌容器
9…超音波振動板
10…超音波発生器
11…密封容器
12…ダイヤモンド分散液
13…ダイヤモンド凝集体
14…ダイヤモンド粒子濃縮液
15…ダイヤモンド濃度低下液

Claims (15)

  1. 基材上に形成されたダイヤモンド膜であって、
    該ダイヤモンド膜の平均膜厚値の3/4以上の横方向差し渡しサイズを有する突起部で定義される、膜成長面の異常成長ダイヤモンド突起部が、
    1cm2当たり100個以下であることを特徴とする、
    ダイヤモンド膜。
  2. 前記ダイヤモンド膜の、少なくとも基材との界面の一部には、六方晶ダイヤモンドが存在することを特徴とする、
    請求項1に記載のダイヤモンド膜。
  3. 請求項1又は2記載のダイヤモンド膜を化学的気相合成法によって基材上に製造する方法であって、
    立方晶ダイヤモンドと六方晶ダイヤモンドとを含むダイヤモンド粉末を用意する工程と、
    前記ダイヤモンド粉末を液体溶媒中で撹拌する工程と、
    前記ダイヤモンド粉末を撹拌した溶液であるダイヤモンド分散液中で基材表面にダイヤモンドを種付け処理する工程とを備え、
    しかる後に基材上に化学的気相合成法によってダイヤモンド膜を形成することを特徴とする、
    ダイヤモンド膜の製造方法。
  4. 前記ダイヤモンド粉末を液体溶媒中で撹拌する工程の後に、ダイヤモンド分散液から、ダイヤモンド粉末の凝集体を分離する工程を備えることを特徴とする、
    請求項3に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  5. 前記ダイヤモンド粉末を液体溶媒中で撹拌する工程は、溶液全体に超音波を印加する工程を含むことを特徴とする、
    請求項3又は4に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  6. 前記ダイヤモンド粉末の粒径は、1nm以上100nm以下であることを特徴とする、
    請求項3から5のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  7. 前記ダイヤモンド粉末を撹拌する液体溶媒は、水、アルコール又はアセトンの中の一種類、あるいは二種類以上混合したものからなることを特徴とする、
    請求項3から6のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  8. 前記ダイヤモンド分散液からダイヤモンド粉末の凝集体を分離する工程は、ダイヤモンド分散液を遠心分離してダイヤモンド粉末の凝集体を取り除く工程を含むことを特徴とする、
    請求項4から7のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  9. 前記ダイヤモンド分散液からダイヤモンド粉末の凝集体を分離する工程は、ダイヤモンド分散液を容器中で放置して、沈殿したダイヤモンド粉末の凝集体を取り除く工程を含むことを特徴とする、
    請求項4から7のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  10. 前記ダイヤモンド分散液を放置する容器は、密封容器であることを特徴とする、
    請求項9に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  11. 前記ダイヤモンド分散液から分離するダイヤモンド凝集体の直径は0.2μm以上であることを特徴とする、請求項4から10のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  12. 前記ダイヤモンド凝集体を分離した後に、ダイヤモンド分散液の溶媒を追加又は蒸発させることにより、ダイヤモンド分散液中のダイヤモンド粉末濃度を減少、あるいは増加させることを特徴とする、
    請求項4から11のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  13. 前記ダイヤモンド分散液の溶媒を追加又は蒸発させることによって、ダイヤモンド分散液中のダイヤモンド粉末濃度を、溶媒を追加又は蒸発させる前の0.1倍以上8倍以下に減少、あるいは増加させることを特徴とする、
    請求項12に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  14. 前記ダイヤモンドを種付け処理する工程に用いるダイヤモンド分散液のダイヤモンド粉末濃度は、溶媒1Lに対しダイヤモンド粉末が0.01g以上80g以下であることを特徴とする、請求項3から13のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
  15. 前記方法で基材に対して種付け処理した後、熱フィラメントCVD法により、H2に対するCH4比率1%でダイヤモンドを5分間形成した際、
    基材表面に、ダイヤモンドの成長核密度が1cm2当たり1×1010個以上の領域が少なくとも1mm2以上存在し、
    かつ、直径1μm以上のダイヤモンド粒子が1cm2当たり100個以下であることを特徴とする、
    請求項3から14のいずれか一項に記載のダイヤモンド膜の製造方法。
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