JP2010069688A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性を向上することができる液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を噴射するノズル開口21に連通する圧力発生室12を含む個別流路が設けられた流路形成基板10と、流路形成基板10に積層され、個別流路に連通するリザーバ部32が設けられたリザーバ形成基板30とを具備し、リザーバ部32は、リザーバ形成基板30を厚さ方向に貫通する貫通部33と、流路形成基板10とは反対側の面に開口し個別流路が設けられた領域に対向して設けられた凹部34とを備え、凹部34の底面には、柱状の押圧部36が、リザーバ形成基板30の厚さ方向に沿って立設されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクなどの液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
液体を噴射する液体噴射ヘッドの代表例としては、インクを噴射するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。このようなインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、液体を噴射するノズルに連通する圧力発生室を含む個別流路が形成された流路形成基板と、個別流路に連通するリザーバが設けられたリザーバ形成基板とを、接着剤を介して接合したものが知られている。
ここで、このようなインクジェット式記録ヘッドの小型化を実現する先行技術としては、リザーバの一部が、リザーバ形成基板を厚さ方向に貫通する貫通部と、流路形成基板とは反対側の面に開口し個別流路が設けられた領域に対向して設けられた凹部とで構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。つまり特許文献1では、リザーバの一部と個別流路とを、リザーバ形成基板および流路形成基板の積層方向で重なるように設けることで、小型化が実現されている。
特開2007−301736号公報
ところで、一般にリザーバ形成基板と流路形成基板とは、両者を挟み込む治具で押圧することで接合しているが、このような治具は、各基板の外側に向かって開口するリザーバ及び個別流路と直接接触しない。つまり、特許文献1は、リザーバ形成基板と流路形成基板とを挟み込んで接合する治具に、直接接触しないリザーバの一部と個別流路とが、流路形成基板およびリザーバ形成基板の接合方向で重なって設けられている構成になっている。こういった構成では、リザーバ形成基板と流路形成基板とを治具で挟み込んで接合する際に、リザーバ形成基板と流路形成基板との間のリザーバの一部及び個別流路に対向する領域が十分に押圧されないので、当該領域に接合不良が生じる可能性があった。リザーバ形成基板と流路形成基板との間のリザーバの一部及び個別流路に対向する領域は、インクが流れる流路に関わる領域であるため、当該領域に接合不良が生じてしまうと、インク吐出特性にも悪影響を与えてしまう虞があるし、当然製品の信頼性の低下を招いてしまう虞がある。
また、上記のようなインクジェット式記録ヘッドには、リザーバを含む流路内の圧力変動を吸収するために、リザーバの開口部を撓み変形可能な薄膜状の可撓部を有するコンプライアンス基板で封止したものが知られている。しかしながら、このような構成では、可撓部は非常に高頻度で変形されるため、コンプライアンス基板の接合状態があまりよくない場合、使用中にコンプライアンス基板の接合状態がさらに悪化してしまう可能性があった。こうした接合状態の悪化は、製品の信頼性の低下にも繋がってしまう。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、信頼性を向上することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室を含む個別流路が設けられた流路形成基板と、前記流路形成基板に積層され、前記個別流路に連通するリザーバ部が設けられたリザーバ形成基板とを具備し、前記リザーバ部は、前記リザーバ形成基板を厚さ方向に貫通する貫通部と、前記流路形成基板とは反対側の面に開口し前記個別流路が設けられた領域に対向して設けられた凹部とを備え、前記凹部の底面には、柱状の押圧部が、前記リザーバ形成基板の厚さ方向に沿って立設されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、押圧部により、リザーバ形成基板と流路形成基板との間の個別流路に対応する領域に、十分に押圧力が付与されるようになるので、当該領域における接合不良を確実に防止することができる。リザーバ形成基板と流路形成基板とを互いに押圧して接合する際、リザーバ形成基板と流路形成基板とを挟持して接合する治具等に押圧部が接触し、リザーバ形成基板と流路形成基板との間の個別流路に対応する領域に、直接的に押圧力を付与することができるからである。そして、リザーバ形成基板と流路形成基板との間の個別流路に対応する領域の接合が良好になされることによって接合不良が解消され、信頼性の向上を図ることができる。
ここで、前記押圧部が、前記リザーバ形成基板における前記流路形成基板側の接合部分に対向する位置に設けられていることが好ましい。これによれば、押圧部により、リザーバ形成基板と流路形成基板とを互いに押圧して接合する際に、リザーバ形成基板における流路形成基板側の接合部分に、十分に押圧力が付与されるようになるので、リザーバ形成基板と流路形成基板との間の個別流路に対応する領域の接合不良を、さらに確実に防止することができる。
また、前記押圧部が、前記凹部の前記貫通部との境界部分に設けられていることが好ましい。これによれば、押圧部と、リザーバ形成基板の流路形成基板とは反対側の面における凹部の外周部分とにより、凹部の縁部に対応する領域に十分に押圧力が付与されるようになるので、リザーバ形成基板と流路形成基板との間の個別流路に対応する領域の接合不良を、さらに確実に防止することができる。
また、前記押圧部が、前記リザーバ形成基板と一体的に形成されていることが好ましい。これによれば、新たな部材で押圧部を形成しなくてもよく、製造コストを低減することができる。また、リザーバ形成基板と一体的に形成されているので良好な強度が保持され、製品の信頼性をさらに向上させることができる。
また、前記リザーバ形成基板の前記流路形成基板とは反対側の面には、前記リザーバ部の開口部を封止する撓み変形可能な可撓部を備えるコンプライアンス基板が接合され、前記コンプライアンス基板は、該コンプライアンス基板の外枠部分から前記押圧部に相対向する位置まで延設された梁状の桟を備えることが好ましい。これによれば、桟によってコンプライアンス基板の接合強度を向上させることができ、製品の信頼性をさらに向上させることができる。
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置にある。かかる態様では、信頼性が向上された液体噴射装置を実現することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。また、図2は、図1の平面図であり、図3は、図2のA−A′断面図である。
図示するように、本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドIは、インクの流れる流路が形成される流路形成基板10と、流路形成基板10の他方面側に接合されるノズルプレート20と、流路形成基板10の一方面側に接合されるリザーバ形成基板30とを具備する。
流路形成基板10は、結晶面方位が(110)面のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には酸化膜からなる弾性膜50が形成されている。そして、流路形成基板10には、他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12がその幅方向(短手方向)に並設されている。
流路形成基板10には、圧力発生室12の長手方向一端部側に、隔壁11によって区画され各圧力発生室12に連通するインク供給路13と連通路14とが設けられている。連通路14の外側には、各連通路14と連通する連通部15が設けられている。この連通部15は、後述するリザーバ形成基板30のリザーバ部32と連通して、各圧力発生室12の共通のインク室(液体室)となるリザーバ100の一部を構成する。
ここで、インク供給路13は、圧力発生室12よりも狭い断面積となるように形成されており、連通部15から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。例えば、インク供給路13は、リザーバ100と各圧力発生室12との間の圧力発生室12側の流路を幅方向に絞ることで、圧力発生室12の幅より小さい幅で形成されている。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、各連通路14は、圧力発生室12の幅方向両側の隔壁11を連通部15側に延設してインク供給路13と連通部15との間の空間を区画することで形成されている。
なお、流路形成基板10の材料として、本実施形態ではシリコン単結晶基板を用いているが、勿論これに限定されず、例えば、ガラスセラミックス、ステンレス鋼等を用いてもよい。
上述のように設けられた流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路13とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、酸化ジルコニウム(ZrO)等からなる絶縁体膜55が積層形成されている。
また、この絶縁体膜55上には、例えば白金(Pt)やイリジウム(Ir)等からなる下電極膜60と、圧電材料の一例であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば白金(Pt)やイリジウム(Ir)等からなる上電極膜80とが積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70および上電極膜80を含む部分をいう。
一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極および圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、下電極膜60を複数の圧力発生室12に対向する領域に亘って連続して設けることで、複数の圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80および圧電体層70を各圧電素子300毎に切り分けることで、上電極膜80を各圧電素子300の個別電極としている。
なお、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエータと称する。上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55および下電極膜60が振動板として作用する。
また、圧電素子300の個別電極である各上電極膜80には、絶縁体膜55上まで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。なお、図示はしないが、リード電極90は、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線を介して駆動回路に電気的に接続されている。
そして、圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300を保持する圧電素子保持部31と、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成するリザーバ部32とが設けられたリザーバ形成基板30が、接着剤35を介して接合されている。
圧電素子保持部31は、圧電素子300に対向するリザーバ形成基板30の流路形成基板10側の一部を厚さ方向に除去することで形成されており、圧電素子300の運動を阻害しない程度の大きさを備えている。なお、圧電素子保持部31は、密封されていても、密封されていなくてもよい。また、圧電素子保持部31は、各圧電素子300毎に独立して設けてもよく、複数の圧電素子300に亘って連続して設けるようにしてもよい。本実施形態では、圧電素子保持部31を複数の圧電素子300に亘って連続して設けるようにした。
また、リザーバ部32は、リザーバ形成基板30を厚さ方向に貫通する貫通部33と、流路形成基板10の開口面とは反対側で且つ個別流路(圧力発生室12、インク供給路13、および連通路14)が設けられた領域に対向して設けられた凹部34とで構成されている。ここでいう「個別流路が設けられた領域」とは、個別流路そのものと、個別流路を区画する隔壁11とを含む領域のことを指す。また、凹部34は、リザーバ形成基板30において、流路形成基板10とは反対側に開口している。本実施形態では、貫通部33と凹部34とが連続しており、リザーバ部32は、個別流路の短手方向(幅方向)に沿って連続して設けられている。また、貫通部33は、上述した連通部15に対向する位置に設けられており、両者の間の弾性膜50および絶縁体膜55の一部が除去され、連通部15に連通されている。また、凹部34は、貫通部33との境界部分から圧力発生室12側の端部に至るまで一定の深さで設けられている。そして、これらリザーバ部32と連通部15とで、リザーバ100が構成されている。
このように構成されたリザーバ部32の凹部34には、凹部34の底面からリザーバ形成基板30の厚さ方向に沿って立設された柱状の押圧部36が、個別流路の短手方向(幅方向)に沿って複数設けられている。押圧部36は、本実施形態では、凹部34の貫通部33との境界部分であって、且つ、リザーバ100の貫通部33と圧電素子保持部31とを隔絶する隔壁37に対向する位置に設けられている。ここで、隔壁37は、図示するように流路形成基板10側の面に接着剤35が塗布されており、リザーバ形成基板30において流路形成基板10側に配設された部材である絶縁体膜55に直接接触している。換言すると、隔壁37は、リザーバ形成基板30における流路形成基板10側の接合部分である。つまり、本実施形態の押圧部36は、凹部34の貫通部33との境界部分であって、且つ凹部34においてリザーバ形成基板30における流路形成基板10側の接合部分に対向する位置に設けられている。また、押圧部36は、本実施形態では、リザーバ形成基板30と一体的に形成されており、その大きさは、リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを互いに押圧して接合する際に破壊しない程度の強度を備え、且つリザーバ100におけるインクの流れを妨げない程度に設けられている。なお、このような構成により凹部34は、その周囲を、押圧部36と、リザーバ形成基板30の流路形成基板10とは反対側の面における凹部34の外側部分とによって、覆われることになる。
上記のように構成された押圧部36は、リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを互いに押圧して接合する際、リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを挟持する治具等に直接接触する。したがって、本実施形態では、リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを互いに押圧して接合する際に、この押圧部36によって、リザーバ形成基板30と流路形成基板10との間の個別流路に対応する領域(本実施形態では、リザーバ形成基板30,絶縁体膜55,弾性膜50,および流路形成基板10における個別流路に対応する領域)に、直接的に押圧力を付与することができる。したがって、当該領域の接合不良を確実に防止することができる。そして、このようにリザーバ形成基板30と流路形成基板10との間の個別流路に対応する領域の接合が良好になされることによって良好なインク吐出特性を保持することができると共に、接合不良の解消により信頼性の向上を図ることができる。
また、押圧部36は、凹部34において、リザーバ形成基板30における流路形成基板10側の接合部分(本実施形態では、隔壁37の流路形成基板10側の面)に対向する位置に設けられている。このような構成では、リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを互いに押圧して接合する際に、接着剤35が塗布されている凹部34に対向するリザーバ形成基板30における流路形成基板10側の接合部分に、直接的に押圧力が付与される。これにより、リザーバ形成基板30と流路形成基板10との間の個別流路に対応する領域の接合不良を、さらに確実に防止することができる。また、押圧部36は、具体的には、隔壁37に対向する位置に設けられている。したがって、本実施形態では、リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを互いに押圧して接合する際、隔壁37をしっかりと接合することができ、リザーバ100内に貯留されたインクが圧電素子保持部31内に流入してしまうことも確実に防止することができる。
また、押圧部36は、凹部34の貫通部33との境界部分に設けられている。このような構成では、リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを互いに押圧して接合する際に、押圧部36と、リザーバ形成基板30の流路形成基板10とは反対側の面における凹部34の外周部分とにより、凹部34の縁部に対応する領域は、直接的に押圧力が付与される。つまり凹部34は、平面視においてその周囲を、凹部34よりも突出している部分である押圧部36と、凹部34に隣接するリザーバ形成基板30の流路形成基板10とは反対側の面とに囲まれており、リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを互いに押圧して接合する際に、凹部34の縁部に対応する領域は、直接的に押圧力が付与される。これにより、リザーバ形成基板30と流路形成基板10との間の個別流路に対応する領域の接合不良を、さらに確実に防止することができる。
ここで、リザーバ100は上述した構成に限定されるものではない。例えば、流路形成基板10の連通部15を圧力発生室12毎に複数に分割して、リザーバ部32のみをリザーバとしてもよい。また、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10とリザーバ形成基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50,絶縁体膜55等)にリザーバ100と各圧力発生室12とを連通するインク供給路13を設けるようにしてもよい。
このようなリザーバ形成基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましい。本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、リザーバ形成基板30の流路形成基板10とは反対側の面には、封止膜41および固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。
また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。つまり、封止膜41の開口部43に対向する部分は、リザーバ100を含む流路の圧力変動で撓み変形し、リザーバ100内の圧力変動を吸収する可撓部となっている。なお、可撓部は、リザーバ100内の圧力変動を十分に吸収できる程度の大きさを備えている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口44からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60および圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
上述したように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIでは、押圧部36により、リザーバ形成基板30と流路形成基板10との間の個別流路に対応する領域に、十分に押圧力が付与されるようになるので、当該領域における接合不良を確実に防止することができる。そして、リザーバ形成基板30と流路形成基板10との間の個別流路に対応する領域の接合が良好になされることによって、良好なインク吐出特性を保持することができると共に、接合不良の解消により信頼性の向上を図ることができる。また、リザーバ部32と個別流路とが、リザーバ形成基板30および流路形成基板10の積層方向で重なって設けられているので、小型化も実現することができる。つまり、本実施形態によれば、小型化が実現され、良好な液体吐出特性が保証され、且つ信頼性が向上されたインクジェット式記録ヘッドを実現することができる。
また、本実施形態では、押圧部36が、凹部34において、リザーバ形成基板30における流路形成基板10側の接合部分に対向する位置に設けられている。これにより、リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを互いに押圧して接合する際に、リザーバ形成基板30における流路形成基板10側の接合部分、すなわちリザーバ形成基板30において流路形成基板10側に配設された部材に直接接触する部分に、十分に押圧力が付与されるようになるので、リザーバ形成基板30と流路形成基板10との間の個別流路に対応する領域の接合不良を、さらに確実に防止することができる。また、押圧部36は、具体的には、凹部34においてリザーバ100の貫通部33と圧電素子保持部31とを隔絶する隔壁37に対向する位置に設けられているので、リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを互いに押圧して接合する際に隔壁37をしっかりと接合して、リザーバ100内に貯留されたインクが圧電素子保持部31内に流入してしまうことも確実に防止することができる。
また、本実施形態では、押圧部36が、凹部34の貫通部33との境界部分に設けられている。これにより、凹部34の縁部に対応する領域は、押圧部36とリザーバ形成基板30の流路形成基板10とは反対側の面における凹部34の外周部分とによって、十分に押圧力が付与されるようになるので、リザーバ形成基板30と流路形成基板10との間の個別流路に対応する領域の接合不良を、さらに確実に防止することができる。
また、本実施形態では、押圧部36がリザーバ形成基板30と一体的に形成されている。これによれば、新たな部材で押圧部36を製作しなくてもよく、製造コストを低減することができる。また、リザーバ形成基板30と一体的に形成されているので良好な強度が保持され、製品の信頼性をさらに向上させることができる。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの平面図であり、図5は図4のB−B′断面図である。なお、実施形態1と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図示するように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIIでは、コンプライアンス基板40Aに、具体的にはコンプライアンス基板40Aの一部を構成する固定板42Aに、梁状の桟45が一体的に設けられている。すなわち、桟45は、固定板42Aの一部を構成している。
桟45は、コンプライアンス基板40Aの一部を構成する固定板42Aに、固定板42Aの外枠部分から押圧部36に相対向する位置まで個別流路の長手方向に沿って延設された梁状の部分であって、個別流路の並設方向に沿って複数設けられている。また、桟45は、封止膜41を介して押圧部36と接合されている。本実施形態では、封止膜41の開口部43に対向する部分において、桟45に対向する部分以外が可撓部となっている。
このように構成された本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIIでは、封止膜41が押圧部36と桟45とで挟持されるので封止膜41の接合強度が向上され、さらに桟45が押圧部36に接合されるので、固定板42Aの接合強度も向上される。このように構成された本実施形態によれば、リザーバ形成基板30に対するコンプライアンス基板40Aの接合強度を大幅に向上することができ、製品の信頼性をさらに向上させることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、押圧部36が、凹部34においてリザーバ形成基板30における流路形成基板10との接合部分に対向する位置で、且つ凹部34における貫通部33との境界部分に設けられていたが、押圧部36の位置はこれに限定されるものではなく、凹部34に形成されていればよい。リザーバ形成基板30と流路形成基板10とを接合する際に、リザーバ形成基板30と流路形成基板10との間の個別流路に対応する領域を、しっかりと押圧して接合することができるからである。
また、上述した実施形態では、押圧部36がリザーバ形成基板30と一体的に形成されていたが、押圧部36がリザーバ形成基板30と別部材で構成されていてもよい。例えば、柱状の部材をリザーバ形成基板30に接合して、押圧部36としてもよい。
また、上述した実施形態では、凹部34が一定の深さで設けられていたが、例えば、貫通部33との境界部分から遠ざかるにつれて徐々に浅くなっていくような形状であってもよい。いずれにしても、凹部34の形状は特に限定されるものではない。
また、個別流路を形成する前の流路形成基板10とリザーバ部32を形成したリザーバ形成基板30とを積層した後に、個別流路を形成してもよい。この場合であっても、押圧部36が設けられていることで、両基板の接着面をしっかりと押圧して接合不良の発生を確実に防止することができる。
また、上述した実施形態では、圧力発生室12に圧力を付与する圧力発生手段として、薄膜型の圧電素子300を備えたインクジェット式記録ヘッドを例示したが、圧力発生手段はこれに限定されるものではない。例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電素子や、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子等であってもよい。また、圧力発生手段は、振動板と電極を所定の隙間を開けて配置し、静電気力で振動板の振動を制御する、いわゆる静電アクチュエータや、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口21から液滴を吐出するタイプのものであってもよい。
そして、上述したようなインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図6は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図6に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1Aおよび1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2Aおよび2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1Aおよび1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1Aおよび1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物およびカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1Aおよび1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ3に沿ってプラテン8が設けられている。このプラテン8は図示しない紙送りモータの駆動力により回転できるようになっており、給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、上述した実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図。 本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの平面図。 本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図。 本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの平面図。 本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図。 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図。
符号の説明
I,II インクジェット式記録ヘッド、 10 流路形成基板、 11 隔壁、 12 圧力発生室、 13 インク供給路、 14 連通路、 15 連通部、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 リザーバ形成基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 33 貫通部、 34 凹部、 35 接着剤、 36 押圧部、 37 隔壁、 40,40A コンプライアンス基板、 41 封止膜、 42,42A 固定板、 43 開口部、 44 インク導入口、 45 桟、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 100 リザーバ、 300 圧電素子

Claims (6)

  1. 液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室を含む個別流路が設けられた流路形成基板と、前記流路形成基板に積層され、前記個別流路に連通するリザーバ部が設けられたリザーバ形成基板とを具備し、
    前記リザーバ部は、前記リザーバ形成基板を厚さ方向に貫通する貫通部と、前記流路形成基板とは反対側の面に開口し前記個別流路が設けられた領域に対向して設けられた凹部とを備え、
    前記凹部の底面には、柱状の押圧部が、前記リザーバ形成基板の厚さ方向に沿って立設されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記押圧部が、前記リザーバ形成基板における前記流路形成基板側の接合部分に対向する位置に設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記押圧部が、前記凹部の前記貫通部との境界部分に設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記押圧部が、前記リザーバ形成基板と一体的に形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドにおいて、
    前記リザーバ形成基板の前記流路形成基板とは反対側の面には、前記リザーバ部の開口部を封止する撓み変形可能な可撓部を備えるコンプライアンス基板が接合され、
    前記コンプライアンス基板は、該コンプライアンス基板の外枠部分から前記押圧部に相対向する位置まで延設された梁状の桟を備えることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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JP2016164004A (ja) * 2016-06-15 2016-09-08 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
JP2019014263A (ja) * 2018-09-27 2019-01-31 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置

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