JP2010069347A - 流体解析方法および流体解析装置 - Google Patents

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嘉奈子 伊藤
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Abstract

【課題】流体領域全体にわたって低い計算コストで複数の流体の流動特性を比較することのできる流体解析方法および流体解析装置を提供すること。
【解決手段】流体の流動状態と任意の時刻までの各時刻における流体中の仮想粒子の位置情報を結んだ流跡線とを求め、微小要素で表現された評価用モデルに流跡線のデータをマッピングし、流跡線が一部でも含まれる評価用モデルの微小要素を数え、評価用モデルの総微小要素数で割ったものを指標として算出し、複数の流体の流動特性を比較・評価する流体解析方法および流体解析装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、流体解析方法および流体解析装置に関する。
攪拌装置は化学工業をはじめとする多くの分野において反応器や混合機などとして、装置内の流体を均一に攪拌させることを主な目的の一つとして使用されている。
装置内の流体が均一に攪拌されているかという流動特性を検討するために、可視化実験により攪拌装置の攪拌性能を評価する手法が一般的に行われている。この手法は、装置内の攪拌性能を評価するために実装置に近い試作機を用意し、その装置の中に模擬液体を入れ、そこにインクなどのトレーサ成分を注入して模擬液体を攪拌し、その攪拌工程をカメラにより撮影する可視化実験を行う。その後、可視化実験で撮影した映像により攪拌装置の攪拌性能を定性的に評価し、その評価結果をもとに、攪拌槽や攪拌翼の種類・形状などの攪拌装置の構造や運転条件などを最適化するというものである。
しかしながら、この手法は時間と手間がかかるという課題があった。これは、装置内に投入されたトレーサの分散状態の可視化実験結果をもとに攪拌性能を評価するため、再現性を確保するために複数回、同じ条件で実験を繰り返す必要があるからである。また、攪拌装置を構成する攪拌槽や攪拌翼の形状が複雑な場合、試作機を製造するのが困難となるからである。
そこで上記課題を解決するために、流体解析により攪拌装置の攪拌性能を評価する手法が知られている。この手法は、攪拌装置内の流体を攪拌槽や攪拌翼の形状といった装置の構造に合わせて多数の微小要素で分割し、流体の物性値や装置の運転条件を設定した後、コンピュータにより各微小要素における速度および圧力などの流動状態を求める。その後、攪拌装置内の流体中に仮想粒子を所定の位置に所定の個数だけ配置し、流体解析により求めた速度データをもとに、仮想粒子の流跡線データを求める。この流跡線データを用いて攪拌性能の指標を算出し、攪拌性能の評価や攪拌装置の構造の最適化を行うものである(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。この手法によると同一条件であれば流体解析結果は常に同じ結果となるので、一度の流体解析で再現性のとれた結果を確保することができる。また、流体解析に要する時間は、試作機の製造に比べるとはるかに短くてすむ。以上のことから、従来の可視化実験で課題であった、実験に伴う時間や手間を大幅に省くことが可能となった。
特開平11−211744号公報 特開2004−231485号公報 保原充、大宮司久明(1992):数値流体力学、p.15-82
しかしながら、本発明者らの知見によれば、特許文献1および特許文献2にはそれぞれ次のような課題があった。
特許文献1の課題は、計算負荷が高いということである。その理由を図を用いて説明する。図1は特許文献1の攪拌性能評価指標の算出手順を示すフローチャートである。この手法は、図1に示すように、熱流動解析部で得られた流速場データに基づき、初期に被混合物流路内の所定の位置に所定の個数だけ配置された仮想粒子の流跡線データを求める。その後、各流跡線に対して、その流跡線上の点とこの点から所定距離内に存在する近傍の流跡線上の点とを結ぶベクトルの所定時間後の変化を計算し、線形近似によりベクトルの変化を表す変換行列を求め、この変換行列により任意の3次元領域を変換した際の領域の固有ベクトル方向への引き伸ばし率の最大値に対応する固有値の最大成分をその区間における領域の引き伸ばし率とする。この引き伸ばし率を所定時間ごとに流跡線の所定の位置まで繰り返し求め、その平均値により各流跡線に沿った混合の履歴を指標化し、各流跡線に対して得られた指標値データの平均値により流動特性の評価を行うシステムである。この手法では、流跡線近傍の仮想粒子の引き伸ばし率、すなわち拡散度合いを見るために、初期に多くの粒子を配置する必要がある。また、一つの流跡線に対して所定時間ごとに変換行列を求めて領域の引き伸ばし率を算出する必要がある。さらにこの領域の引き伸ばし率の算出を全ての流跡線に対して行う必要があるため、計算負荷が高くなるのである。
特許文献2の課題とは、複数の攪拌装置に対して局所的な攪拌性能の比較にとどまるということである。特許文献2では指標が3種類記載されており、いずれも攪拌装置の入口の任意の位置に2個以上の粒子から構成される仮想の粒子群を配置し、各粒子の流跡線データを求める。その後、所定時刻における各粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和と、前記所定時刻から所定時間経過後の時刻における前記粒子間の距離の総和との比率を前記所定時間で割った値を攪拌性能評価指標として算出するものと、所定時刻における各粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和と初期に配置された各粒子間の距離の総和との比率を初期時刻から所定時刻までの経過時間で割った値を攪拌性能評価指標として算出するものと、所定時刻における各粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和と初期に配置された各粒子間の距離の総和との比率を攪拌性能評価指標として算出するものである。この手法では、任意の入口から流入した仮想粒子の流跡線データに対応した攪拌性能を指標として複数の攪拌装置を比較することになるので、局所的な比較にとどまるのである。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、複数の攪拌装置の攪拌性能を攪拌装置全体にわたって定量的に低い計算コストで比較する方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、多数の微小要素で表現されるモデルを用いてコンピュータにより流体の流動特性を解析する流体解析方法であって、前記流体の流動状態と任意の時刻までの各時刻における前記流体中の仮想粒子の位置情報を結んだ流跡線とを求める流体解析工程と、前記流体解析工程に用いた微小要素で表現されるモデルとは別に微小要素で表現された評価用モデルに、前記流跡線のデータをマッピングし、前記流跡線が一部でも含まれる前記評価用モデルの微小要素を数え、前記流体の流動特性を評価する流動特性評価工程とを備えたことを特徴とする流体解析方法を提供する。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記流跡線が一部でも含まれる前記評価用モデルの微小要素数を前記評価用モデルの総微小要素数で割ったものを指標として算出し、前記流体の流動特性を比較・評価することを特徴とする流体解析方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、多数の微小要素で表現されるモデルを用いてコンピュータにより流体の流動特性を解析する流体解析装置であって、前記流体の流動状態と任意の時刻までの各時刻における前記流体中の仮想粒子の位置情報を結んだ流跡線とを求める流体解析手段と、前記流体解析手段に用いた微小要素で表現されるモデルとは別に微小要素で表現された評価用モデルに、前記流跡線のデータをマッピングし、前記流跡線が一部でも含まれる前記評価用モデルの微小要素を数え、前記流体の流動特性を評価する流動特性評価手段とを備えた流体解析手段と、前記流体解析手段のための流体解析結果を出力する結果出力手段とを有することを特徴とする流体解析装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、前記流体解析方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
また、本発明の別の形態によれば、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
なお、本発明において「攪拌装置」とは、押出スクリュや重合槽や反応器などの混合もしくは攪拌を行うための装置で、流体の充填された攪拌槽と流体を混合もしくは攪拌するための攪拌翼からなる装置をいう。
また、本発明において「流体」とは、気体や液体をいう。例えば空気や水のようなものが挙げられる。
また、本発明において「仮想粒子」とは、流体解析上、大きさと質量のない粒子として扱われ、流体の流動状態に影響を与えることはなく、流体の流動状態によって移動する仮想的な粒子をいう。
また、本発明において「流跡線」とは、初期時刻に所定の場所に配置した仮想粒子が任意の時刻までに流体の流動状態によって移動した後の位置情報を結んだ曲線をいう。
また、本発明において「流動特性」とは、混合もしくは攪拌による攪拌装置内の流体の均一の度合いを示す攪拌性能をいう。
本発明によれば、任意の時刻までに仮想粒子が移動した後の位置情報を結んだ流跡線が一部でも含まれる評価用モデルの微小領域数を数えることで、複数の攪拌装置の攪拌性能を攪拌装置全体にわたって低い計算コストで比較することができる。
以下、本発明の最良の実施形態の例を、図面を参照して詳細に説明する。
流体を攪拌翼を用いて攪拌する場合について、本実施形態の適用事例を図2により説明する。図2は本発明の一実施形態における攪拌装置の概略図である。
攪拌装置は図2に示す、流体の充填された攪拌槽1と流体を攪拌するための攪拌翼3と攪拌翼3が取り付けられた攪拌軸2から構成されており、攪拌軸2が回転することによって、充填された流体を攪拌する装置である。図2に示す攪拌装置は流体の流出入のない装置であるが、流体の流出入のある装置でも本実施例を適用することができる。ただし、本発明は形状の同じ攪拌槽に対して、構造の異なる攪拌翼による攪拌性能を評価するものである。
このような攪拌装置に本実施形態を適用し、攪拌装置内の攪拌性能を評価するための手順を図3と図4を用いて説明する。
図3は本発明の一実施形態における攪拌性能評価方法の概略手順を示すフローチャートである。図4は本発明の一実施形態における攪拌性能評価方法の概略図である。
図3の手順s1では、図4(a)に示すような攪拌槽4内に充填された流体を攪拌槽4や攪拌軸5、攪拌翼6の形状などの攪拌装置の構造に合わせて、図4(b)のように四面体や六面体などの多面体の解析用の微小要素で分割する。なお、攪拌軸や攪拌翼といった固体領域に関しても解析用の微小要素で分割し、流体と構造の連成解析により攪拌軸や攪拌翼に加わる流体力を解析することも可能である。
解析用の微小要素分割後は、微小要素に流体の粘度や密度などの物性を定義する。
次に、攪拌軸の回転数などの攪拌装置運転条件を設定する。その後、境界条件を設定する。本実施形態では、攪拌装置上部の流体表面はすべり境界とし、攪拌槽の側壁と底壁の表面および攪拌軸および攪拌翼の表面はすべりなし境界とした。ここで、すべり境界とはある物体と他の物体との界面での摩擦を考慮しないことを意味し、すべりなし境界とはある物体と他の物体との界面で摩擦を考慮することを意味する。攪拌槽上部の流体表面は、気体と接していると仮定し、流体と気体との界面で摩擦を考慮しないすべり境界を設定した。一方、攪拌槽の側壁と底壁および攪拌軸と攪拌翼の表面は流体と接しているので、摩擦を考慮するすべりなし境界を設定した。ただし、これに限られるものではない。また、攪拌性能の評価対象となる攪拌槽が絶えず流体の流入と流出を伴う場合は、それぞれ流入条件と流出条件を設定し、流速や流量などを定義する。
続いてどのパラメータ(速度や圧力、温度など)を出力するか、といった計算条件の設定を行う。
手順s2では、流体解析ソフトを使用して、攪拌装置内の流体の解析用の微小要素ごとに速度および圧力などの流体の流動状態を求める。
手順s3では、初期時刻における仮想粒子の投入個数や投入場所、仮想粒子の追跡終了時刻、追跡時間間隔である微小単位時間ステップを設定する。その後、手順s2で求めた攪拌装置内の流体の流動状態をもとに、微小単位時間ステップ毎の仮想粒子の位置を追跡終了時刻まで計算し、仮想粒子の流跡線を求める。
ここで、仮想粒子の投入個数および投入場所の決定方法を図5を用いて説明する。図5は攪拌装置内に初期配置した仮想粒子とその流跡線データの例を示す図である。
仮想粒子の投入個数は1個以上であれば、各仮想粒子の流跡線を求め、これらの流跡線データから攪拌性能の指標を算出し、構造の異なる複数の攪拌翼による攪拌性能を相対的に比較・評価することができる。しかしながら、図5(a)に示すように初期時刻に配置する仮想粒子9が1個とういうように少ない場合、前述の通り攪拌性能の指標は流跡線データから算出するため、局所的な攪拌性能の評価にとどまる。そこで、攪拌装置全体の評価を行うためには図5(b)に示すように、投入個数は多い方が好ましい。
投入場所に制限はないが、図5(c)に示すように攪拌装置内のある場所に仮想粒子を集中して配置すると、流跡線データがほぼ等しくなり、攪拌装置の局所的な攪拌性能の評価になるため、避けた方が好ましい。
以上のことから攪拌装置全体の攪拌性能を評価するためには、流体中に存在する仮想粒子の体積密度が一定の値となるように仮想粒子数を決定し、配置することが好ましい。
手順s4では、手順s3で求めた流跡線データを用いて流体の流動特性を評価するために、手順s1で流体解析に用いた微小要素とは別の微小要素で表現された評価用モデルを1つ作成する。その理由を以下に説明する。本発明の基本方針は初期時刻から任意の時刻までに仮想粒子が移動した後の位置情報を結んだ流跡線が一部でも含まれる評価用の微小要素の数を数え、攪拌性能の指標とするものである。従って、比較対象となる複数の攪拌装置で、装置内に充填された流体領域の体積は等しいが、攪拌翼の形状が異なるために流体解析工程で使用する解析用の微小要素のサイズや形状、総数などが異なる場合、流跡線が一部でも含まれる解析用の微小要素の数は、解析用の微小要素のサイズの影響を受けるので、相対的に比較することはできない。例えば、複数の攪拌装置で同じ流跡線が得られたとしても、流体領域が非常に小さな解析用の微小要素で分割されていると、流跡線が一部でも含まれる解析用の微小要素の数は多くなり、逆に流体領域が大きな解析用の微小要素で分割されていると、流跡線が一部でも含まれる解析用の微小要素の数は少なくなるからである。
そこで、流体解析工程で使用する解析用の微小要素のサイズや形状、総数などの影響を無視するために、手順s1で流体解析に用いた微小要素とは別の微小要素で表現された評価用モデルを1つ作成し、複数の攪拌装置に対して同じ評価用モデルを使用するのである。
この評価用モデルの大きさは、流体解析工程で使用した流体領域を包含するサイズであればよく、評価用モデルの形状は直方体や立方体、円柱などでもよい。評価用モデルは例えば図4の(d)に示すようなものである。
評価用モデルの形状を作成後、N個の評価用の微小要素に分割する。分割する形状は四面体や直方体,立方体などの六面体、多面体などでもよいが、いずれか一種の形状および同じサイズで評価用モデルを分割することが好ましい。評価用の微小要素に分割後の評価用モデルは例えば図4(e)に示すようなものである。
評価用モデルを分割する評価用の微小要素は、サイズが小さいほど流跡線データに沿って配置されるのでより厳密に複数の攪拌装置の攪拌性能を評価することが出来る。しかしながら評価用の微小要素の数が増大するので計算負荷は大きくなる。
手順s5では、手順s3で求めた流跡線データを評価用モデルにマッピングする。例を図4(f)に示す。このとき、評価用モデルと攪拌槽の位置関係が、複数の攪拌槽において同じになるように、流跡線データと評価用モデルを対応付ける。
手順s6では、評価用モデルの全ての微小要素に対して、流跡線が一部でも含まれる評価用の微小要素の数を累積する。評価用の微小要素のサイズが同じでない場合は、流跡線が一部でも含まれる評価用の微小要素の体積を累積する。
手順s7では、手順s6でカウントした流跡線が一部でも含まれる評価用の微小要素数N0と評価用の微小要素の総数Nとの比率N0/Nを攪拌性能の指標として算出する。評価用の微小要素のサイズが同じでない場合は、流跡線が一部でも含まれる評価用の微小要素の体積V0と評価用の全微小要素の体積Vとの比率V0/Vを攪拌性能の指標として算出する。これをもとに複数の攪拌性能を比較・評価する。この指標が大きいほど仮想粒子が攪拌槽内でより拡散しており、攪拌が早く進行することを意味するので、攪拌性能が高いと判断することができる。
以上の流体解析方法を用いて、構造の異なる2種類の攪拌装置に関して攪拌性能を比較・評価したので、その一例を以下に示す。
図6(a),(b)はそれぞれ本発明の一実施形態における攪拌装置1および攪拌装置2の概略図である。攪拌装置1は攪拌槽10と攪拌軸11、攪拌翼12、邪魔板13から構成され、攪拌装置2は攪拌槽10と攪拌軸11、攪拌翼12から構成される。
実施例は前記攪拌装置を市販の汎用流体解析ソフト(株式会社シー・ディー・アダプコの“STAR−CD”)により解析し、攪拌性能を評価したものである。本ソフトは、流体に運動方程式であるナヴィエ・ストークス方程式を有限体積法(非特許文献1)により解析するものである。
攪拌槽81の内径は160[mm]、高さは185[mm]であり、攪拌槽内の流体を分割する解析用の微小要素には四面体を使用した。
流体の物性値は攪拌装置1および攪拌装置2で共通で、流体の粘度は0.02[Pa・s]、流体の密度は1100[kg/m3]とした。攪拌装置の運転条件は、攪拌装置1の攪拌翼回転数は300[rpm]、攪拌装置2の攪拌翼回転数は130[rpm]である。
境界条件は前記の通り、攪拌槽の壁面および攪拌翼表面をすべりなし境界とし、流体上部をすべり境界とし、攪拌装置1および攪拌装置2の流体の流動特性を流体解析ソフトにより求めた。その後、初期時刻において仮想粒子の体積密度が一定となるよう、36個の仮想粒子を配置した。そして時間間隔Δt=0.05[sec]、終了時間T_end=50[sec]として、時刻0[sec]から50[sec]までの仮想粒子の位置情報である流跡線を求めた。
攪拌性能評価用モデルは攪拌装置1および攪拌装置2が収まるように、縦190[mm]、横190[mm]、高さ190[mm]の立方体とし、分割する評価用の微小要素のサイズは縦9.5[mm]、横9.5[mm]、高さ9.5[mm]の立方体(評価用の微小要素の総数N=8000)とした。
以上より攪拌性能指標を求めたところ、攪拌装置1の攪拌性能指標N0/N=3.6[%]、攪拌装置2の攪拌性能指標N0/N=3.0[%]となった。
従って、本実施例の攪拌装置および運転条件下では、攪拌装置2に比べて攪拌装置1の方が攪拌性能の指標が大きいため、攪拌性能が高いと判断することが出来る。
また、本実施例による攪拌性能評価の妥当性を検証するために実験を行ったので、その内容と結果について説明する。
本実施例で使用した図6に示されるアクリル容器で作成した攪拌装置1および攪拌装置2を用意し、それぞれの装置の中に密度と粘度が本実施例と同じである液体にヨウ素溶液を入れ、チオ硫酸ナトリウムを注入して液体を攪拌し、攪拌による液体の脱色工程をカメラにより撮影する可視化実験を行った。その後、可視化実験で撮影した映像により、チオ硫酸ナトリウムを注入してから攪拌槽内の着色液体が脱色に至るまでの時間を同じ条件下で3回ずつ測定し、その平均値を混合時間として計測した。表1に実験結果と本実施例の攪拌性能比較結果を示す。
Figure 2010069347
攪拌装置1の混合時間は7.8[sec]、攪拌装置2の混合時間は13.7[sec]であり、混合時間の短い攪拌装置1の方が攪拌装置2よりも攪拌性能が高いと判断できる。
以上のことから、本発明による攪拌性能の比較は実験結果と一致するため、妥当性があると言える。
本発明は、攪拌装置に限らず、押出スクリュや重合槽などにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
特許文献1の攪拌性能評価指標の算出手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における攪拌装置の概略図である。 本発明の一実施形態における攪拌性能評価方法の概略手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における攪拌性能評価方法の概略図である。 攪拌装置内に初期配置した仮想粒子とその流跡線データの例を示す図である。 本発明の一実施形態における攪拌装置1および攪拌装置2の概略図である。
符号の説明
1:攪拌槽
2:攪拌軸
3:攪拌翼
4:攪拌槽
5:攪拌軸
6:攪拌翼
7:解析用の微小要素
8:仮想粒子の流跡線
9:初期時刻に配置する仮想粒子
10:攪拌槽
11:攪拌軸
12:攪拌翼
13:邪魔板

Claims (5)

  1. 多数の微小要素で表現されるモデルを用いてコンピュータにより流体の流動特性を解析する流体解析方法であって、前記流体の流動状態と任意の時刻までの各時刻における前記流体中の仮想粒子の位置情報を結んだ流跡線とを求める流体解析工程と、前記流体解析工程に用いた微小要素で表現されるモデルとは別に微小要素で表現された評価用モデルに、前記流跡線のデータをマッピングし、前記流跡線が一部でも含まれる前記評価用モデルの微小要素を数え、前記流体の流動特性を評価する流動特性評価工程とを備えたことを特徴とする流体解析方法。
  2. 前記流跡線が一部でも含まれる前記評価用モデルの微小要素数を前記評価用モデルの総微小要素数で割ったものを指標として算出し、前記流体の流動特性を比較・評価することを特徴とする請求項1に記載の流体解析方法。
  3. 多数の微小要素で表現されるモデルを用いてコンピュータにより流体の流動特性を解析する流体解析装置であって、前記流体の流動状態と任意の時刻までの各時刻における前記流体中の仮想粒子の位置情報を結んだ流跡線とを求める流体解析手段と、前記流体解析手段に用いた微小要素で表現されるモデルとは別に微小要素で表現された評価用モデルに、前記流跡線のデータをマッピングし、前記流跡線が一部でも含まれる前記評価用モデルの微小要素を数え、前記流体の流動特性を評価する流動特性評価手段とを備えた流体解析手段と、前記流体解析手段のための流体解析結果を出力する結果出力手段とを有することを特徴とする流体解析装置。
  4. 請求項1または2に記載の流体解析方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  5. 請求項4に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017522415A (ja) * 2014-06-24 2017-08-10 ノヴァ ケミカルズ(アンテルナショナル)ソシエテ アノニム 攪拌反応器内の局所流体齢の制御

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