JP2010065077A - 食用油の濾過材およびこれを用いた濾過方法 - Google Patents

食用油の濾過材およびこれを用いた濾過方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉末の吸着剤を食用油の濾過材として使用するに当たり、沈殿時に締固めを起こり難くし、且つ、空気中への粉じんの飛散も抑制された食用油の濾過材を提供する。
【解決手段】セルロースを必須成分として2種以上の粉末状の吸着性濾過材を混合してなる。また、セルロースと他の吸着性濾過材を混合時に静電引力により結合してなる。さらに、混合後の吸着性濾過材をパルプまたはセルロースの繊維からなる袋、あるいは耐熱性および耐油性を有する素材からなる袋に封入してなる。さらにまた、セルロースは他の吸着性濾過材との混合前に予めアルカリ性に調整する。一方、濾過材は、食用油が比較的高温のときに、当該濾過材の重量以下の少量のウォータミストと共に前記食用油に投入することが好ましい。
【選択図】図1

Description

この発明は、天ぷらやフライ類等に揚油として使用した食用油を再利用可能に精製するための濾過材に係り、より詳しくは、2種類以上の粉末状の吸着性濾過材を撹拌混合してなる食用油の濾過材とこれを用いた濾過方法に関するものである。
食用油を天ぷらやフライ類等の揚油として使用すると、熱と揚げ種に含まれる水分により油脂が加水分解して遊離脂肪酸を生成すると共に、この遊離脂肪酸が熱酸化して過酸化物等を生成し、食用油が劣化(酸敗)することが広く知られている。このようにして劣化した食用油は、風味が損なわれ、異臭を放ち、また色も黄褐色から焦げ茶に黒ずむばかりか、粘性も高まり、揚げ種の種類や数にもよるが、調理中または調理後に単に揚げカスを除去するだけでは、せいぜい数回の揚げ物調理で使用に耐えなくなる。
ここで油脂の劣化度を示す主な指標として酸価(AV)と過酸化物価(POV)があるが、例えば、揚げ物調理を行う食品営業者を対象とした国の指針「弁当およびそうざいの衛生規範」では、酸価が2.5を越えたものは、その全てを新しい油脂に交換することとある。しかしながら、上記基準を超えるなど、劣化した食用油を全て廃棄処分としたのでは、資源の有効活用や地球環境の保全といった近年の趨勢に反することになる。
そこで、食用油の劣化進行を抑えて使用期間を実質的に延長する手段として、従来から揚げ物調理後の食用油を濾過して再生する試みが数多く提案されている。その代表的なもものとしては、濾過材に繊維フィルターを用いる他、シリカ(二酸化ケイ素)や活性白土等の吸着剤を用いたものがある。実際、シリカ等に酸化マグネシウム等のアルカリ成分を混合させたものを食用油に投入すれば、その吸着作用により油中の夾雑物が除去され、脱色および酸価低下などの効果が確認されている。ここで吸着剤は、上述したシリカや活性白土以外にも活性炭やゼオライトなどが採用され、より精製効果を高めるために、3種以上の吸着剤を組み合わせた試みもなされている(例えば、特許文献1)。
特開2005−213309号公報
上述した繊維フィルターも吸着剤も油中の夾雑物を組織に付着させて除去する点で同じであるが、繊維フィルターによればフライヤーに直接投入することで、その排油口を利用して食用油を自然濾過できるという利点があるが、吸着剤よりも目が粗いため夾雑物の除去率が悪い。これに対して、吸着剤はその多孔性により比表面積が大きいため、夾雑物の除去率が高く、特に、吸着剤を粉末に造粒して、食用油にそのまま投入し、撹拌することで、吸着剤と夾雑物との接触機会が増大し、より除去率を高めることができる。
しかしながら、シリカや活性白土を粉末化した吸着剤は、放置すれば最密充填の状態で沈殿し、油底にまるで水溶き片栗粉のような固い沈殿層を形成する。従って、粉末状の吸着剤をフライヤーやこれに接続した循環式ろ過器に直接投入すると、その排油口を目詰まりさせてしまう。これは、排油口に繊維フィルターを設置している場合も同じである。このため、粉末状の吸着剤を用いる場合は、フライヤーから使用済みの食用油を一度別の容器に移し替え、この別の容器で吸着処理を行った後、吸着剤が完全に沈殿するまで待って、上澄みの食用油だけを汲み取り、フライヤーに戻すといった手間が生ずる。また、上記別の容器は次回も利用するため、上澄みの食用油をフライヤーに戻した後に、当該別の容器から沈殿した吸着剤を除去する手間もある。
この点、特許文献1には、粉末状の吸着剤を不織布からなる袋に詰め込んでカートリッジ化することが記載されており、この場合、処理後の吸着剤(カートリッジ)を簡単に除去することができるが、吸着剤を油中に拡散することはできないため、粉末とすることで高まった夾雑物の除去率が犠牲になる。また、当該カートリッジを油中に放置すれば粉末状の吸着剤が袋内で締め固まるから、やはり繊維フィルターのように排油口を利用して食用油を自然濾過することができない。
また全く別の課題として、シリカや活性白土を粉末としたものは、その粉じんが空気中に飛散しやすく、これを人が繰り返し吸入すると肺疾患を起こす恐れがあり、特に、結晶質のシリカはじん肺の一種である珪肺症を引き起こすことで知られているが、従来は、単にマスク着用を義務づけるだけで、その危険性を技術的に回避する手段は何ら講じられていない。
本発明は、上述した従来の課題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、粉末の吸着剤を食用油の濾過材として使用するに当たり、沈殿時に締固めを起こり難くし、且つ、空気中への粉じんの飛散も抑制された食用油の濾過材を提供することである。
上記目的を達成するために本発明では、セルロースを必須成分として2種以上の粉末状の吸着性濾過材を混合するという手段を用いた。セルロース粉体は、それ自身も油中の夾雑物を吸着する作用を行うと共に、油中に浸漬することで沈殿し、沈殿時に食用油を通過・濾過する機能をそれ自体が持って堆積する。また、セルロース粉体は、混合時に、その静電引力によって他の吸着性濾過材と結合させた。従って、粉末状でありながら、空気中に飛散しにくい濾過材とすることができる。
なお、本発明では、他の吸着性濾過材としてシリカ、(活性)白土、活性炭、珪藻土、ゼオライト等を例示でき、これらの中から1種を選定したもの、あるいは2種以上を選定し混合したものを採用することができるが、人体に衛生上の影響がなく、食用油に投入することで油中の夾雑物を吸着するものであれば、他の成分を採用してもよい。また、酸化マグネシウム等のアルカリ成分を同時に混合したものも本発明に含まれる。
このように、吸着性濾過材粉体とセルロール粉体を混合してなる本発明の濾過材を使用するには、両粉体を充分に撹拌混合しておき、粉末のまま使用済みの食用油に投入する。あるいは、水分(水酸基結合)や澱粉をさらに混ぜて塊状(団子状)等に押し固めものを食用油に投入することもできる。この場合、粉じんの更なる飛散防止効果が得られると共に、濾過材そのものの取扱いが容易となる。そして、投入後、食用油を撹拌することで濾過材を油中に拡散させることで、吸着処理を行う。塊状の場合も、比較的高温の食用油に投入すれば、瞬時にばらけていくので、同様に撹拌し、吸着処理を行うことができる。このとき、食用油の撹拌時間が長いほど、濾過材と夾雑物の接触機会が増え、吸着効果が高くなるが、撹拌と放置を繰り返し行ってもよい。
そして、一定時間吸着処理を行った後は、食用油から濾過材を分離除去する必要があるが、本発明では、食用油の移し替え時あるいは循環式ろ過器による循環時に、粉末状の濾過材をフィルターでこし取り、濾過材を食用油から分離除去する。ここでフィルターは、食用油を濾過することはもちろん、食用油に投入した濾過材をこし取って(回収して)食用油から濾過材を大まかに分離することで、後処理が簡便となり、また全体の濾過時間を早める作用を行う。こうしたろ過効率に加え、コスト面からフィルターにはセルロース繊維製のものを用いることが好ましい。ただし、この他、パルプやレーヨンを素材としてもよく、また、その形状も、シート状の他、袋(巾着袋)等の立体形状とするなど、限定しない。さらに、多層構造とすることもできる。特に、パルプからセルロース繊維を生成する場合は、パルプに含まれるでんぷん、タンパク質が油脂のペクチン等と結合すると酸化が促進されるため、これらを酸で洗い落としたものを用いる。さらに、当該酸洗浄後、セルロース繊維をアルカリ性、より好ましくは鹸化を避けるため弱アルカリ性にph調整しフィルターを構成する。このようなph調整は、濾過材のセルロース粉末に施すこともあり、少なくとも何れか一方のセルロース成分を弱アルカリ性に調整しておけば、脱酸処理することができる。
なお、濾過材のほうに例えば酸化マグネシウムなどの脱酸剤を混合しておくことも可能で、この場合、フィルターは上述した弱アルカリ性水溶液の噴霧によるph調整が不要となり、通常の紙フィルターを用いるなど、フィルター構造を簡易にすることができる。さらに、濾過材は一定量を袋詰めとした形態であってもよく、この場合、投入量の管理および濾過材の食用油からの分離除去が容易となる。
さらに、上述した濾過方法において、濾過材は、食用油が比較的高温のときに、当該濾過材の重量以下の少量のウォータミストと共に前記食用油に投入することが好ましい。この場合、ウォータミストが一定の温度下にある食用油に接触すると触媒作用により吸着を促進するからである。さらに、濾過材の必須成分であるセルロースがウォータミストにより膨潤し、水の比重でセルロースが他の吸着性濾過材を掴んだ状態で早く沈殿し、且つ、沈殿物をまとめる(凝固)効果を奏する。なお、「食用油が比較的高温」とは、調理終了後まもないときの油温という程度の意味である。
本発明の濾過材は、これを油中に投入すれば、本来の吸着作用により酸敗の原因となる夾雑物を除去して、脱色、臭いの低減、酸価促進を抑えることができ、結果、食用油の寿命を長くすることができるという基本的な効果に加えて、特に必須成分としてセルロース粉末を混合してなるので、このセルロース粉末は他の吸着性濾過材と結合・沈殿し、それ自体が食用油を通過・濾過するフィルター機能を発揮する。また、混合時にセルロース粉末と他の吸着性濾過材を静電引力によって結合してるので、他の吸着性濾過材が粉じんとなって空気中に飛散することを抑制できるため、作業環境が悪化することもない。
さらに、粉末状の濾過材をセルロース等の繊維からなる袋に封入したので、本濾過材の保管や投入量の管理が容易であり、また処理後の本濾過材を容易に食用油から除去することができる。
一方、本発明の濾過方法によれば、セルロース粉末入りの濾過材とセルロース等の繊維からなるフィルターとで二重に食用油を精製することができ、濾過材を粉末のまま投入する場合は夾雑物をより高度に除去できる一方、個包装の状態で投入する場合はより簡単に食用油を精製することができる。また、上記フィルターを用いることで、食用油から濾過材を容易に分別回収することができ、後処理も簡便となる。
また、フィルターはアルカリ性(鹸化を避けるため弱アルカリが好ましい)にph調整したものを使用するから、ここを通過する際に食用油をアルカリ精製でき、酸価をより効果的に低下させることができる。さらに、フィルターは、ふんわりとした柔らかな態様とすることで、食用油の濾過速度を速め、また効率よく食用油から濾過材を分離・回収することができる。また、濾過材を少量のウォーターミストと共に投入したので、その触媒作用により吸着が促進され、全体の濾過効果をさらに高めることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。本発明の濾過材は、セルロース粉末を含む2種以上の粉末状の吸着性濾過材を混合することで製造することができる。本発明においてセルロース粉末は必須の成分であるが、他の吸着性濾過材はシリカ、(活性)白土、珪藻土、ゼオライト、活性炭等、従来公知の吸着性濾過材から選定される1または2以上を混合したものを採用することができる。セルロース粉末の主な機能は、本濾過材を油中に投入し撹拌したとき、その吸着作用によって夾雑物を吸着する他、当該撹拌後に本濾過材を沈殿させたとき、他の吸着性濾過材の間にあって食用油の通路を確保することである。即ち、セルロース粉末を混合することで、吸着性濾過材が最密充填の状態で沈殿することが回避され、結果、沈殿した本濾過材は食用油を自然濾過可能に通過させる一種のフィルター効果を有する。また、投入前は、セルロース粉末と他の吸着性濾過材が静電引力によって結合しているため、粉じんの飛散が抑制され、特に他の吸着性濾過材として吸着性能に優れるが、じん肺の要因ともなるシリカや活性白土を採用したとしても、作業環境が悪化することがない。
次に、本濾過材を用いた食用油の濾過方法について説明する。先ず、本濾過材の投入量は、食用油に対して2wt%程度が適切である。これは粉末状の吸着性濾過材を食用油の再生剤として使用する場合と同じである。ただし、食用油の劣化度に応じて、投入量を上下させることも可能である。また、セルロース粉末と他の吸着性濾過材の混合比率は、セルロース粉末の上述したフィルター機能および他の吸着性濾過材の飛散防止機能を得るように設定される。
一方、本濾過材の投入形態は、大別して三通りある。第一に、粉末状のまま本濾過材を食用油に投入することであり、第二に、水分(水酸基結合)や澱粉をさらに混ぜて塊状(団子状)等に押し固めて投入することであり、第三に、本濾過材をセルロース等の繊維からなる袋(巾着袋を含む)に封入した個包装の状態で食用油に投入することである。第一の投入形態によれば、撹拌によって本濾過材が食用油に拡散するので、夾雑物の接触機会が増える。また、第二の投入形態も、投入直後から油中でばらけ始め、撹拌によって油中に拡散させることができる。一方、第三の投入形態によれば、本濾過材の保管および投入量の管理が容易である上、処理後の除去も簡便に行うことができる。
そして、何れの投入形態であっても、最終段階では処理後の本濾過材を食用油から分離除去しなければならない。このため、食用油を自然濾過する場合と循環式ろ過器を用いて循環濾過する場合とでは実施の形態が異なる。そこで、粉末状投入および個包装投入の各投入形態について、図1〜3に従い、食用油を自然濾過する場合と循環濾過する場合とに分けて、それぞれの実施形態を説明する。なお、粉末状投入と塊状投入は、投入時の形態が異なるのみで、投入後の油中での挙動や吸着性にさほど大きな差はないので、以下の実施形態において粉末状投入は塊状投入に変更可能なものとして説明する。
図1は、粉末投入による自然濾過方法の手順を示したものであって、先ず調理後の食用油をフライヤーFからその下に設置した別の容器A(フライヤーに予め備え付けられた容器の他、全くの別容器であってもよい)に移し替え、この別容器Aに本濾過材を粉末状のまま投入し、かき混ぜる。その後、例えば10分程度放置し、再度かき混ぜる。このとき本濾過材が別容器Aに沈殿しないように撹拌することが好ましい。この後、再度放置して、本濾過材が完全に沈殿した後、食用油をさらに別のこし取り容器Bに移し替える。このこし取り容器Bは、例えば一斗缶の底板を取り除き、逆さにして使用するもので、その注ぎ口を排油口として、この排油口にはセルロース等の繊維からなるフィルターCを設置している。このときフィルターCの上部にはメッシュ状の漏斗および紙フィルターを設置することが好ましい。そして、こし取り容器BをフライヤーFの上に乗せた状態で、本濾過材が沈殿した別容器Aから上澄みの食用油をこし取り容器Bに静かに注ぎ入れる。このように食用油を静かに注ぎ入れることで、大半の本濾過材は別容器Aに残り、また食用油と共にこし取り容器Bに注がれる本濾過材は上記フィルターCによってこし取られ、結果、食用油から本濾過材を完全に除去することができる。また、食用油がフィルターCを通過する際も、油中の夾雑物が除去される。
なお、図1では、本濾過材を粉末状のまま(塊状を含む)投入することを説明したが、本濾過材を袋詰めした個包装の場合も、同様の手順で自然濾過を行うことができる。ただし、個包装の本濾過材の場合、吸着性濾過材は袋ごと除去できるため、吸着性濾過材のこし取り作業が不要となる。つまり、フライヤーFに個包装の本濾過材を投入して撹拌することで、一応の吸着処理が完了し、このフライヤーFの排油口にフィルターCを設置して食用油を別容器Aに移し替えるようにすれば、上述したこし取り容器Bを省略することができる。
図2は、個包装とした本濾過材による循環濾過方法を説明するもので、フライヤーFにはポンプ式の循環ろ過器Dが直接接続されている。そして、フライヤーFの排油口にはセルロース繊維等のフィルターCを設置すると共に、このフィルターC上に個包装の本濾過材をセットした状態で、食用油をフライヤーFから循環ろ過器Dに落とし込み、循環ろ過器Dを通常運転して、食用油を所定時間濾過する。
一方、図2の構成において、循環濾過方法を説明すると、先ず循環ろ過器Dのポンプを停止した状態として、フライヤーFから食用油を循環ろ過器に落とし込み、この落とし込んだ食用油に対して、本濾過材を粉末状のまま投入し、一定時間撹拌して吸着処理を行う。この間、循環ろ過器Dのポンプは停止したままである。そして、所定時間後、ポンプを駆動して循環ろ過器Dを通常運転する。これによって、食用油はろ過器Dにおいて本濾過材により吸着処理され、また処理後の本濾過材はろ過器Dによってこし取られ、本濾過材を分離回収した後の食用油がフライヤーFに戻されることになる。
さらに、図2の構成において、粉末状のまま本濾過材を投入する場合の別の循環濾過方法として、フライヤーFからろ過器Dに食用油を落とし込む前に、一旦、別容器に食用油を移し替え、この別容器内に本濾過材を投入撹拌し、所定時間放置後に、別容器の上澄みをろ過器に移し替えることも可能である。この場合も、ろ過器Dの底面にはパルプ等で成型したフィルターを設置しておき、最終的には当該フィルターを通じて食用油をろ過器DからフライヤーFに戻される。この別方法によれば、本濾過材による吸着処理を別容器にて行うため、その間、フライヤーFの清掃やメンテナンスが行うことができるため、例えば一日の業務終了後に採用する濾過方法として好適である。
なお、上述した濾過方法においてフィルターCは、本濾過材をこし取る他、それ自身の吸着機能によって食用油の夾雑物を除去する機能を併せ持つが、より好ましくは、ph7.5程度の弱アルカリ性としたセルロース繊維によって成形する。食用油が通過する際に食用油を中和し、より効果的に酸価を低下させることができるからである。上記ph値は一例であり、より中和作用を高めるためにフィルターCのph値を高くすることも可能であるが、フィルターCのph値は適宜調整することができる。
[実験例]
次の条件で本濾過材の性能を検証した。
1.対象の食用油:持ち帰り弁当専門店で揚げ物調理に2回使用したもの
2.本濾過材:
シリカ50g、活性白土50g、酸化マグネシウム25g、水40g、セルロース5g
3.比較例:ミズカライフ(シリカ105g、酸化マグネシウム45g、水澤化学工業製)
上記1の食用油100gに対して、2.および3.の混合量からなる本濾過材および比較例の吸着性濾過材をそれぞれ2wt%、4wt%投入した。
その結果、本濾過材および比較例とも同程度に、色、臭い、粘度が改善された。
なお、本濾過材において、シリカと活性白土の配合比(シリカ:活性白土)を2:8まで変更して検証を行ったが、この場合も上記実験例と同様、良好な結果となった。
また、上記実験例とは別に、試験紙(エイブイチェッカー:東洋濾紙製)を用いて、本濾過材の投入量と酸価の関係について検証した。その結果、処理前は0.5であった使用済み食用油の酸価が、本濾過材を4wt%投入すると0.3に低下し、さらに10wt%投入したときは酸価が0付近となった。このことから、本濾過材の投入量が多くなるほど、食用油の酸価を低下させることが明らかになった。
本発明で処理した食用油は繰り返し揚げ物調理に使用でき、最終的にはディーゼル車等の代替燃料として使用することも可能である。また、処理後の本濾過材は、肥料に使用することも可能で、資源の再利用および環境保全を高度に達成することができる。さらに、精製対象は使用済みの食用油だけでなく、機械油にも応用することが可能である。
本発明の第一実施形態に係る濾過方法の手順を示した説明図 本発明の第二実施形態に係る濾過方法の手順を示した説明図
符号の説明
F フライヤー
A 別容器
B こし取り容器
C フィルター
D ポンプ式の循環ろ過器

Claims (10)

  1. セルロースを必須成分として2種以上の粉末状の吸着性濾過材を混合してなることを特徴とした食用油の濾過材。
  2. セルロースと他の吸着性濾過材を混合時に静電引力により結合してなる請求項1記載の食用油の濾過材。
  3. 請求項1または2記載の濾過材をパルプまたはセルロースの繊維からなる袋、あるいは耐熱性および耐油性を有する素材からなる袋に封入してなる食用油の濾過材。
  4. セルロースは他の吸着性濾過材との混合前に予めアルカリ性に調整したものである請求項1、2または3記載の食用油の濾過材
  5. 使用済みの食用油をフライヤーから別容器またはフライヤーに備え付けの別容器に移し替え、この別容器に請求項1または2記載の濾過材を粉末状のまま投入して一定時間撹拌した後、直ちにまたは前記別容器に前記濾過材を沈殿させた後、さらにこの食用油を排油口にセルロース等の繊維フィルターを設置したこし取り容器に移し替え、前記繊維フィルターで前記濾過材をこし取りながら前記食用油を自然濾過することを特徴とした食用油の濾過方法。
  6. フライヤーにポンプ式の循環ろ過器を接続してなる場合において、前記ポンプを停止した状態で前記循環ろ過器にフライヤーから使用済み食用油を落とし込むと共に、この落とし込んだ前記食用油に請求項1または2記載の濾過材を粉末状のまま投入して撹拌し、所定時間後、前記ポンプを駆動して前記濾過材を前記循環ろ過器でこし取りながら前記食用油を一定時間循環濾過することを特徴とした食用油の濾過方法。
  7. フライヤーにポンプ式の循環ろ過器を接続してなる場合において、前記フライヤーの前記循環ろ過器に通ずる排油口にはセルロース等の繊維フィルターを設置したうえ、当該繊維フィルターの上に請求項3記載の濾過材を設置した状態で、前記ポンプを駆動して前記食用油を一定時間循環濾過することを特徴とした食用油の濾過方法。
  8. フライヤーにポンプ式の循環ろ過器を接続してなる場合において、使用済みの食用油を前記フライヤーから別容器またはフライヤーに備え付けの別容器に移し替え、この別容器に請求項1または2記載の濾過材を粉末状のまま投入して一定時間撹拌した後、所定時間放置する一方、前記ろ過器にパルプまたはセルロース等の繊維フィルターをセットし、前記放置後の食用油の上澄みを前記別容器から前記ろ過器に移し替えた後、前記ポンプを駆動して前記食用油を一定時間循環濾過することを特徴とした食用油の濾過方法。
  9. 繊維フィルターは、セルロース繊維を酸洗浄後、弱アルカリ性に調整してなる請求項5、7または8記載の食用油の濾過方法。
  10. 濾過材は、食用油が比較的高温のときに、当該濾過材の重量以下の少量のウォータミストと共に前記食用油に投入する請求項5〜9のうち何れか一項記載の食用油の濾過方法。
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