JP2010059293A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料ならびに有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は平面光源や表示に使用される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
陰極から注入された電子と、陽極から注入された正孔とが、これら両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する際に発光する有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機EL)素子は、固体発光型の表示素子としての用途が有望視され、近年活発に研究開発が行われている。
この研究は、イーストマン・コダック社のC.W.Tang氏らにより有機薄膜を積層したEL素子に端を発しており、この報告では、金属キレート錯体を発光層、アミン系化合物を正孔注入層に使用することで、6〜10Vの直流電圧での輝度が数1000(cd/m2)、最大発光効率が1.5(lm/W)の緑色発光を得ている(非特許文献1)。現在、様々な研究機関でフルカラーディスプレイの実用化に向けて、有機EL素子の高効率化、高耐久化の研究が進められており、有機EL素子用材料としてさまざまな構造の材料が検討されている。
有機EL素子は、これまで様々な材料を用いた素子の研究が進められており、ピロール誘導体を用いた有機EL素子の検討も行われてきた。たとえば、発光材料として、チエニル基やジシアノエテニル基、スチリル基を有するピロール誘導体や(特許文献1〜3)、りん光型有機EL素子のホスト材料としてカルバゾリル基を有するピロール誘導体が検討されている(特許文献4〜6)。
Appl.Phys.Lett.,第51巻,913頁,1987年
特開2000-260567号公報
特開2003-129044号公報
特開2004-075980号公報
特開2004-311410号公報
特開2004-311412号公報
特開2004-335427号公報
本発明の課題は、有機ELの性能向上のために、従来の技術に述べたピロール環を有する材料を用いた有機EL素子よりも、高効率を示し、また、長寿命で、かつ、点灯初期の輝度の低下が緩やかな、有機EL素子用材料および有機EL素子を提供することである。更には、低電圧駆動、長寿命、耐熱性などの優れた特性を示す有機EL素子を提供することである。
本発明者は、以上の諸問題を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、下記一般式[1]で表される化合物であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に関する。
[式中、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基であり、
Ar3は、置換もしくは未置換の縮合芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の縮合芳香族複素環基であり、
Ar4は、水素原子、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基であり、
Ar5は、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、または、置換もしくは未置換のアリールオキシ基である。ここで、R1およびR2が結合して環を形成しても良い。]
Ar3は、置換もしくは未置換の縮合芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の縮合芳香族複素環基であり、
Ar4は、水素原子、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基であり、
Ar5は、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、または、置換もしくは未置換のアリールオキシ基である。ここで、R1およびR2が結合して環を形成しても良い。]
さらに本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に一層または多層の有機層を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも一層が上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層である有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
さらに本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に少なくとも一層の発光層を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層である有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
さらに本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に少なくとも一層の発光層を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層ホスト材料として上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
さらに本発明は、陽極と陰極とからなる一対の電極間に少なくとも一層の発光層を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、電子輸送層が上記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層である有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
一般式[1]で表される化合物を用いた有機EL素子は、高輝度、高効率、長寿命で、かつ高い初期安定性を実現する。
以下に、本発明の一般式[1]で表される化合物について詳しく説明する。上記一般式[1]におけるAr1およびAr2は、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基を表す。
ここで、2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントレニレン基、フルオレニレン基、テトラセニレン基、ペンタセニレン基、ペリレニレン基等が挙げられる。これらの中で、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントレニレン基が好ましい。
また、2価の芳香族複素環基としては、ピリジレン基、キノリニレン基、イソキノリニレン基、フェナントロリニレン基、ベンゾチエニレン基、ベンゾフリレン基、インドリレン基などが挙げられる。これらの中で、ピリジレン基、キノリニレン基、ベンゾフリレン基が好ましい。
また、上記一般式[1]におけるAr3は、置換もしくは未置換の縮合芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の縮合芳香族複素環基を表す。
ここで、縮合芳香族炭化水素基としては、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの中で、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基が好ましい。
また、縮合芳香族複素環基としては、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフリル基、インドリル基、フェナントロリニル基、カルバゾリル基等が挙げられる。これらの中で、キノリニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフリル基、カルバゾリル基が好ましい。
また、上記一般式[1]におけるAr4は、水素原子、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基を表す。
ここで、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの中で、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基が好ましい。
また、芳香族複素環基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフリル基、インドリル基、フェナントロリニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。これらの中で、ピリジル基、ピラジニル基、キノリニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフリル基、カルバゾリル基が好ましい。
また、上記一般式[1]におけるAr5は、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基を表す。
ここで、Ar5における芳香族炭化水素基、および、芳香族複素環基としては、Ar4における芳香族炭化水素基、および、芳香族複素環基と同じものが挙げられる。
上記Ar1〜Ar5は置換基を有してもよい。ここで、Ar1〜Ar5が有してもよい置換基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルコキシ基、または、アリールオキシ基が挙げられる。
ここで、アルキル基としては、炭素数1〜18個からなるアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基が挙げられる。アルキル基として、さらに好ましくは炭素数1〜4個からなるアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
また、芳香族炭化水素基としては、Ar4における芳香族炭化水素基と同じものが挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、Ar4における芳香族複素環基と同じものが挙げられる。
また、アルコシキ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。これらの中で、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基が好ましい。
また、アリールオキシ基とはAr4における芳香族炭化水素基と同様の基に、−O−、が結合したものであり、フェノキシ基、ナフチルオキシ基が挙げられる。
また、上記一般式[1]におけるR1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基を表し、また、R1およびR2が結合して環を形成しても良い。
ここで、R1およびR2におけるアルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルコキシ基、および、アリールオキシ基としては、Ar1〜Ar5におけるアルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルコキシ基、および、アリールオキシ基と同じものが挙げられる。
また、R1およびR2は、置換基を有していても良い。
ここで、R1およびR2が有しても良い置換基としては、Ar1〜Ar5が有しても良い置換基と同じものが挙げられる。
以下、表1に本発明の有機EL素子に用いることができる一般式[1]で表される有機EL素子用材料の代表例(例示化合物1〜147)を示すが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
上記一般式[1]で表される化合物群は、公知の方法で得ることができ、例えば、4−ブロモフェナシルブロミドと、4’−ブロモアセトフェノンなどを出発原料として、2〜3段階の反応を経て得ることが出来る(例えば、Synthesis,2000,1259、Organic Syntheses, Coll. Vol. 10, 418等に記載)。以下に反応例を挙げるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
次に、本発明の有機EL素子用材料を用いて作成することができる有機EL素子について説明する。
有機EL素子は、陽極と陰極間に一層または多層の有機層を形成した素子から構成されるが、ここで、一層型有機EL素子とは、陽極と陰極との間に発光層のみからなる素子を指す。一方、多層型有機EL素子とは、発光層の他に、発光層への正孔や電子の注入を容易にしたり、発光層内での正孔と電子との再結合を円滑に行わせたりすることを目的として、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子注入層、電子輸送層などを積層させたものを指す。したがって、多層型有機EL素子の代表的な素子構成としては、(1)陽極/正孔注入層/発光層/陰極、(2)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極、(3)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極、(5)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(7)陽極/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極、(8)陽極/発光層/電子注入層/陰極、(9)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、(10)陽極/正孔注入層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極等の多層構成で積層した素子構成が考えられる。
また、上述した各有機層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良く、いくつかの層が繰り返し積層されていても良い。そのような例として、近年、光取り出し効率の向上を目的に、上述多層型有機EL素子の一部の層を多層化する「マルチ・フォトン・エミッション」と呼ばれる素子構成が提案されている。これは例えば、ガラス基板/陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/電子注入層/電荷発生層/発光ユニット/陰極から構成される有機EL素子に於いて、電荷発生層と発光ユニットの部分を複数層積層するといった方法があげられる。
本発明の有機EL素子用材料は、上述したいかなる層に用いても構わないが、特に発光層または電子輸送層に好適に使用することができる。
発光層には、必要があれば、本発明の有機EL素子用材料に加えて、さらなる公知の発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を使用することもでき、発光層に用いる材料の種類およびその組成によって、発光輝度や発光効率の向上、赤色や青色、緑色など多様な発光色を得ることもできる。また、複数の発光材料を組み合わせることで、白色の発光を得ることもできる。
本発明の有機EL素子用材料と共に発光層に使用できる発光材料またはドーピング材料としては、アントラセン誘導体、ナフタレン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、テトラセン誘導体、コロネン誘導体、クリセン誘導体、フルオレセイン誘導体、ペリレン誘導体、フタロペリレン誘導体、ナフタロペリレン誘導体、ペリノン誘導体、フタロペリノン誘導体、ナフタロペリノン誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビスベンゾキサゾリン誘導体、ビススチリル誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、ピロメテン誘導体、ピラジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、キノリン金属錯体誘導体、ジフェニルエチレン誘導体、ビニルアントラセン誘導体、カルバゾール誘導体、ピラン誘導体、チオピラン誘導体、ポリメチン誘導体、メロシアニン誘導体、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン誘導体、ルブレン誘導体や、色素レーザー用や増白用の蛍光色素等があるが、これらに限定されるものではない。
上記材料の中でも好適に使用することのできる発光層構成材料としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、テトラセン誘導体、ペリレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、ピロメテン誘導体、キノリン系金属錯体があげられる。
また、本発明の有機EL素子用材料と共に発光層に使用できる発光材料またはドーピング材料としては、リン光発光材料を用いることもできる。この場合、本発明の化合物は発光層中のホスト材料として用いることができる。ここでいうリン光発光材料とは、励起三重項状態から基底状態へ遷移する際に発光する化合物を意味する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子に使用できるリン光発光材料は、例えば有機金属錯体があげられ、ここで金属原子は通常、遷移金属であり、好ましくは周期では第5周期または第6周期、族では6族から11族、さらに好ましくは8族から10族の元素が対象となる。具体的にはイリジウムや白金などである。また、配位子としては2−フェニルピリジンや2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジンなどがあり、これらの配位子上の炭素原子が金属と直接結合しているのが特徴である。別の例としてはポルフィリンまたはテトラアザポルフィリン環錯体などがあり、中心金属としては白金などが挙げられる。
また、発光層には、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂およびそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂などの高分子に、本発明の材料や上記発光層構成材料、また、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を混合したものも使用できる。
本発明の有機EL素子用材料および共に発光層に使用できる上記の化合物の発光層中での存在比率はどれが主成分であってもよい。つまり、上記の化合物および本発明における化合物のそれぞれの組み合わせにより、本発明における化合物は発光層を形成する主材料にも他の主材料中へのドーピンク材料にも成り得る。
正孔注入層には、発光層に対して優れた正孔注入効果を示し、かつ陽極界面との密着性と薄膜形成性に優れた正孔注入層を形成できる正孔注入材料が用いられる。また、このような材料を多層積層させ、正孔注入効果の高い材料と正孔輸送効果の高い材料とを多層積層させた場合、それぞれに用いる材料を正孔注入材料、正孔輸送材料と呼ぶことがある。そのような正孔注入材料あるいは正孔輸送材料の例としては、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾールチオン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、テトラヒドロイミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、アシルヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、芳香族三級アミン誘導体などの低分子化合物や、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリシラン誘導体などの高分子化合物が挙げられるが、素子作成に必要な薄膜を形成し、陽極からの正孔を注入ができて、正孔を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記材料の中でも特に好適に使用することのできる正孔注入材料あるいは正孔輸送材料としては、芳香族三級アミン誘導体およびフタロシアニン誘導体があげられる。芳香族三級アミン誘導体としては、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン、およびこれら芳香族三級アミン骨格を有するオリゴマーまたはポリマーがあげられ、これらは正孔注入材料、正孔輸送材料いずれにも好適に使用することができる。また、フタロシアニン(Pc)誘導体としては、例えば、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等のフタロシアニン誘導体があげられ、これらは特に正孔注入材料に好適に使用することができる。
電子注入層および電子輸送層には、発光層に対してそれぞれ優れた電子注入効果、電子輸送効果を示し、かつ陰極界面との密着性と薄膜形成性に優れた電子注入層を形成できる電子注入材料が用いられる。そのような電子注入材料の例としては、本発明の化合物のほかに、金属錯体化合物、含窒素五員環誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸誘導体、フレオレニリデンメタン誘導体、アントロン誘導体、シロール誘導体、カルシウムアセチルアセトナート、酢酸ナトリウムなどがあげられる。また、セシウム等の金属をバソフェナントロリンにドープした無機/有機複合材料やBCP、TPP、T5MPyTZ等も電子注入材料の例としてあげられるが(高分子学会予稿集,第50巻,4号,660頁,2001年、第50回応用物理学関連連合講演会講演予稿集,No.3,1402頁,2003年)、素子作成に必要な薄膜を形成し、陰極からの電子を注入できて、電子を輸送できる材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。
上記電子注入材料、電子輸送材料の中でも特に効果的な材料としては、本発明の化合物、金属錯体化合物または含窒素五員環誘導体があげられる。本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい金属錯体化合物としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、トリス(5−フェニル−8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)(フェノラート)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(4−メチル−8−キノリノラト)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−メチル−8−キノリノラト)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(5−フェニル−8−キノリノラト)(フェノラート)アルミニウム、ビス(5−シアノ−8−キノリノラト)(4−シアノ−1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)クロロアルミニウム、ビス(8−キノリノラト)(o−クレゾラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物、トリス(8−キノリノラト)ガリウム、トリス(2−メチル−8−キノリノラト)ガリウム、トリス(2−メチル−5−フェニル−8−キノリノラト)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、4−ジメチル−8−キノリノラト)(1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2、5−ジメチル−8−キノリノラト)(2−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−フェニル−8−キノリノラト)(フェノラート)ガリウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラト)(4−シアノ−1−ナフトラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(o−クレゾラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物の他、8−キノリノラトリチウム、ビス(8−キノリノラト)銅、ビス(8−キノリノラト)マンガン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(8−キノリノラト)亜鉛、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物があげられる。
また、本発明に使用可能な電子注入材料の内、好ましい含窒素五員環誘導体としては、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体があげられ、具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4’’−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4’’−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−5−(4’’−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等があげられる。
さらに、正孔阻止層には、発光層を経由した正孔が電子注入層に達するのを防ぎ、薄膜形成性に優れた層を形成できる正孔阻止材料が用いられる。そのような正孔阻止材料の例としては、ビス(8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム等のアルミニウム錯体化合物や、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラート)ガリウム等のガリウム錯体化合物、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等の含窒素縮合芳香族化合物があげられる。
さらに、本発明の有機EL素子の陽極に使用される材料は、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等の金属およびそれらの合金、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)等の導電性金属酸化物、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマー等があげられる。特に本発明の有機EL素子の陽極に使用される導電性材料としては、できるだけ抵抗値の低いものが好ましく、ITOガラス、NESAガラスが好適に使用される。
また、本発明の有機EL素子の陰極に使用される材料は、電子を効率よく有機EL素子に注入できる材料であれば特に限定されないが、一般に、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびこれらの合金があげられる。ここで、合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例としてあげられるが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの低仕事関数金属を含む合金が好ましい。また、フッ化リチウムのような無機塩を上記低仕事関数金属の替わりに使用することも可能である。また、これら陰極の作成方法としては、抵抗加熱、電子線ビーム照射、スパッタリング、イオンプレーティング、コーティングなどの業界公知の方法で作成することができる。以上述べた陽極および陰極は、必要に応じて二層以上の層構成により形成されていても良い。
本発明の有機EL素子からの発光を効率よく取り出すためには、発光を取り出す面の基板の材質が充分透明であることが望ましく、具体的には素子からの発光の発光波長領域における透過率が50%以上、好ましくは90%以上であることが望ましい。これら基板は、機械的、熱的強度を有し、透明であれば特に限定されるものではないが、例えば、ガラスの他、ポリエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、PET等の透明性ポリマーが推奨される。
また、本発明の有機EL素子の各層の形成方法としては、真空蒸着、電子線ビーム照射、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法、もしくはスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれかの方法を適用することができる。各層の膜厚は特に限定されるものではないが、膜厚が厚すぎると一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要となり効率が悪くなり、逆に膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生し、電界を印加しても充分な発光輝度が得にくくなる。したがって、各層の膜厚は、1nmから1μmの範囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がより好ましい。
また、有機EL素子の温度、湿度、雰囲気等に対する安定性向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、樹脂等により素子全体を被覆や封止を施したりしても良い。特に素子全体を被覆や封止する際には、光によって硬化する光硬化性樹脂が好適に使用される。
以上述べたように、本有機EL素子は、低い駆動電圧で高い色純度と輝度を示す発光を得ることが可能である。故に、本有機EL素子は、壁掛けテレビ等のフラットパネルディスプレイや平面発光体として、さらには、複写機やプリンター等の光源、液晶ディスプレイや計器類等の光源、表示板、標識灯等への応用が考えられる。
はじめに、実施例に先立って本発明の有機EL素子用材料の合成例を述べる。尚、合成例1〜20で製造する中間体の構造式は下記の通りである。
(合成例1)中間体1の合成
200mLフラスコに、塩化亜鉛(32.69g)、トルエン(100mL)、ジエチルアミン(13.16g)、t−ブタノール(13.33g)を入れ、窒素雰囲気下室温で3時間攪拌した。これに4−ブロモフェナシルブロミド(21.82g)、4’−ブロモアセトフェノン(10.41g)を加え、室温でさらに4日間攪拌した。反応液を5重量%硫酸水溶液に注ぎ込み30分攪拌し、淡黄色析出物をろ取し、水、メタノールで洗浄後減圧乾燥(40℃、1晩)して、中間体1(15.66g)を得た。 EI−MS(サーモエレクトロン社製 PolarisQ) m/z=394、396、398(分子量:396)。
200mLフラスコに、塩化亜鉛(32.69g)、トルエン(100mL)、ジエチルアミン(13.16g)、t−ブタノール(13.33g)を入れ、窒素雰囲気下室温で3時間攪拌した。これに4−ブロモフェナシルブロミド(21.82g)、4’−ブロモアセトフェノン(10.41g)を加え、室温でさらに4日間攪拌した。反応液を5重量%硫酸水溶液に注ぎ込み30分攪拌し、淡黄色析出物をろ取し、水、メタノールで洗浄後減圧乾燥(40℃、1晩)して、中間体1(15.66g)を得た。 EI−MS(サーモエレクトロン社製 PolarisQ) m/z=394、396、398(分子量:396)。
(合成例2)中間体2の合成
合成例1において4’−ブロモアセトフェノンの代わりにアセトフェノン(6.29g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体2(11.04g)を得た。EI−MS m/z=316 318(分子量:317)。
合成例1において4’−ブロモアセトフェノンの代わりにアセトフェノン(6.29g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体2(11.04g)を得た。EI−MS m/z=316 318(分子量:317)。
(合成例3)中間体3の合成
合成例1において4’−ブロモアセトフェノンの代わりに1−アセチル−4−ブロモナフタレン(13.04g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体3(15.91g)を得た。EI−MS m/z=444 446 448(分子量:446)。
合成例1において4’−ブロモアセトフェノンの代わりに1−アセチル−4−ブロモナフタレン(13.04g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体3(15.91g)を得た。EI−MS m/z=444 446 448(分子量:446)。
(合成例4)中間体4の合成
200mLフラスコに中間体1(10.00g)、トルエン(100mL)、アニリン(4.85g)、p−トルエンスルホン酸(0.45g)を加え、窒素雰囲気下8時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、析出物をろ取した。得られたろ過物をトルエン(400mL)で再結晶して中間体4(9.01g)を得た。EI−MS m/z=451 453 455(分子量:453)。
200mLフラスコに中間体1(10.00g)、トルエン(100mL)、アニリン(4.85g)、p−トルエンスルホン酸(0.45g)を加え、窒素雰囲気下8時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し、析出物をろ取した。得られたろ過物をトルエン(400mL)で再結晶して中間体4(9.01g)を得た。EI−MS m/z=451 453 455(分子量:453)。
(合成例5)中間体5の合成
合成例4においてアニリンの代わりに1−ナフチルアミン(7.23g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体5(10.8g)を得た。EI−MS m/z=501 503 505(分子量:503)。
合成例4においてアニリンの代わりに1−ナフチルアミン(7.23g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体5(10.8g)を得た。EI−MS m/z=501 503 505(分子量:503)。
(合成例6)中間体6の合成
合成例4において中間体1の代わりに中間体2(8.01g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体6(7.96g)を得た。EI−MS m/z=373 375(分子量:374)。
合成例4において中間体1の代わりに中間体2(8.01g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体6(7.96g)を得た。EI−MS m/z=373 375(分子量:374)。
(合成例7)中間体7の合成
合成例4において中間体1の代わりに中間体3(11.26g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体7(9.16g)を得た。EI−MS m/z=501 503 505(分子量:503)。
合成例4において中間体1の代わりに中間体3(11.26g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体7(9.16g)を得た。EI−MS m/z=501 503 505(分子量:503)。
(合成例8)中間体8の合成
合成例1において4’−ブロモアセトフェノンの代わりに4’−クロロアセトフェノン(8.09g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体5(11.89g)を得た。EI−MS m/z=350 352(分子量:352)。
合成例1において4’−ブロモアセトフェノンの代わりに4’−クロロアセトフェノン(8.09g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体5(11.89g)を得た。EI−MS m/z=350 352(分子量:352)。
(合成例9)中間体9の合成
合成例4において中間体1の代わりに、中間体8(8.88g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体9(9.31g)を得た。EI−MS m/z=407 409(分子量:409)。
合成例4において中間体1の代わりに、中間体8(8.88g)を用いて同様の反応を行ったところ、中間体9(9.31g)を得た。EI−MS m/z=407 409(分子量:409)。
(合成例10)中間体10の合成
300mLフラスコに中間体9(5.00g)、1−ナフタレンボロン酸(3.16g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.71g)、トルエン(100mL)、2M炭酸カリウム水溶液(100mL)を入れ、窒素雰囲気下5時間80℃で攪拌した。反応液を冷却後、有機層を分離し、水層をトルエンで抽出(50mL×3回)した。これを先の有機層と合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別後、ろ液に活性炭(3.0g)を加え1時間攪拌した。活性炭をろ別後、ろ液を減圧濃縮し得られた淡褐色固体をシクロヘキサンで再結晶後、トルエン−メタノールで再沈殿させて中間体10(3.26g)を得た。EI−MS m/z=455(分子量:455)。
300mLフラスコに中間体9(5.00g)、1−ナフタレンボロン酸(3.16g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.71g)、トルエン(100mL)、2M炭酸カリウム水溶液(100mL)を入れ、窒素雰囲気下5時間80℃で攪拌した。反応液を冷却後、有機層を分離し、水層をトルエンで抽出(50mL×3回)した。これを先の有機層と合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤をろ別後、ろ液に活性炭(3.0g)を加え1時間攪拌した。活性炭をろ別後、ろ液を減圧濃縮し得られた淡褐色固体をシクロヘキサンで再結晶後、トルエン−メタノールで再沈殿させて中間体10(3.26g)を得た。EI−MS m/z=455(分子量:455)。
(合成例11)例示化合物16の合成
300mLフラスコに、中間体4(3.00g)、1−ナフタレンボロン酸(1.71g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.38g)、トルエン(100mL)、2mol/L炭酸カリウム水溶液(100mL)を加え、窒素雰囲気下80℃で、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、有機層を分離した。水層をクロロホルム(100mL×3)で抽出し、先の有機層と混ぜた。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、活性炭処理を行い、トルエン(150mL)で再結晶し、例示化合物16(2.38g)を得た。EI−MS m/z=548(分子量:548)。
300mLフラスコに、中間体4(3.00g)、1−ナフタレンボロン酸(1.71g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.38g)、トルエン(100mL)、2mol/L炭酸カリウム水溶液(100mL)を加え、窒素雰囲気下80℃で、3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、有機層を分離した。水層をクロロホルム(100mL×3)で抽出し、先の有機層と混ぜた。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、活性炭処理を行い、トルエン(150mL)で再結晶し、例示化合物16(2.38g)を得た。EI−MS m/z=548(分子量:548)。
(合成例12)例示化合物17の合成
合成例11において1−ナフタレンボロン酸の代わりに、9−アントラセンボロン酸(2.20g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物17(2.98g)を得た。EI−MS m/z=647(分子量:647)。
合成例11において1−ナフタレンボロン酸の代わりに、9−アントラセンボロン酸(2.20g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物17(2.98g)を得た。EI−MS m/z=647(分子量:647)。
(合成例13)例示化合物18の合成
合成例11において1−ナフタレンボロン酸の代わりに、10−フェニル−9−アントラセンボロン酸(2.96g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物18(3.56g)を得た。EI−MS m/z=799(分子量:799)。
合成例11において1−ナフタレンボロン酸の代わりに、10−フェニル−9−アントラセンボロン酸(2.96g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物18(3.56g)を得た。EI−MS m/z=799(分子量:799)。
(合成例14)例示化合物19の合成
合成例11において1−ナフタレンボロン酸の代わりに、9−フェナントレンボロン酸(2.20g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物17(3.17g)を得た。EI−MS m/z=647(分子量:647)。
合成例11において1−ナフタレンボロン酸の代わりに、9−フェナントレンボロン酸(2.20g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物17(3.17g)を得た。EI−MS m/z=647(分子量:647)。
(合成例15)例示化合物26の合成
合成例11において1−ナフタレンボロン酸の代わりに、N−フェニル−3−カルバゾールボロン酸(2.85g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物26(2.64g)を得た。EI−MS m/z=777(分子量:777)。
合成例11において1−ナフタレンボロン酸の代わりに、N−フェニル−3−カルバゾールボロン酸(2.85g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物26(2.64g)を得た。EI−MS m/z=777(分子量:777)。
(合成例16)例示化合物37の合成
合成例11において中間体4の代わりに中間体5(3.33g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物37(3.18g)を得た。EI−MS m/z=598(分子量:598)。
合成例11において中間体4の代わりに中間体5(3.33g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物37(3.18g)を得た。EI−MS m/z=598(分子量:598)。
(合成例17)例示化合物1の合成
合成例11において中間体4の代わりに中間体6(2.48g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物1(1.98g)を得た。EI−MS m/z=422(分子量:422)。
合成例11において中間体4の代わりに中間体6(2.48g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物1(1.98g)を得た。EI−MS m/z=422(分子量:422)。
(合成例18)例示化合物82の合成
合成例8において中間体4の代わりに中間体7(3.33g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物1(2.74g)を得た。EI−MS m/z=598(分子量:598)。
合成例8において中間体4の代わりに中間体7(3.33g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物1(2.74g)を得た。EI−MS m/z=598(分子量:598)。
(合成例19)例示化合物68の合成
200mLフラスコに中間体10(3.50g)、9−アントラセンボロン酸(2.56g)、THF(100mL),フッ化カリウム(1.60g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.35g)、トリ−t−ブチルホスフィン(0.16g)を入れ窒素雰囲気下室温で10時間攪拌した。反応液をメタノール(300mL)中に注ぎ込み析出物をろ取。これを、クロロホルム−メタノールで再沈殿し例示化合物68(3.04g)を得た。EI−MS m/z=597(分子量:597)。
200mLフラスコに中間体10(3.50g)、9−アントラセンボロン酸(2.56g)、THF(100mL),フッ化カリウム(1.60g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.35g)、トリ−t−ブチルホスフィン(0.16g)を入れ窒素雰囲気下室温で10時間攪拌した。反応液をメタノール(300mL)中に注ぎ込み析出物をろ取。これを、クロロホルム−メタノールで再沈殿し例示化合物68(3.04g)を得た。EI−MS m/z=597(分子量:597)。
(合成例20)例示化合物148の合成
合成例19において中間体10の代わりに、1−(4−クロロフェニル)−4−メチル−1,3,5−トリフェニルピロール(1.96g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物148(1.46g)を得た。EI−MS m/z=511(分子量:511)。
合成例19において中間体10の代わりに、1−(4−クロロフェニル)−4−メチル−1,3,5−トリフェニルピロール(1.96g)を用いて同様の反応を行ったところ、例示化合物148(1.46g)を得た。EI−MS m/z=511(分子量:511)。
実施例
以下、本発明の有機EL素子用材料を用いた有機EL素子について下記実施例により説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。実施例においては、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。蒸着(真空蒸着)は10-6Torrの真空中にて、基板の加熱や冷却といった温度制御はしない条件下で行った。また、素子の発光特性は、発光素子面積2mm×2mmの有機EL素子を用いて特性を測定した。
以下、本発明の有機EL素子用材料を用いた有機EL素子について下記実施例により説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。実施例においては、特に断りのない限り、混合比は全て重量比を示す。蒸着(真空蒸着)は10-6Torrの真空中にて、基板の加熱や冷却といった温度制御はしない条件下で行った。また、素子の発光特性は、発光素子面積2mm×2mmの有機EL素子を用いて特性を測定した。
実施例1
洗浄したITO電極付きガラス板上に、α−NPD(下記化合物A)を真空蒸着して膜厚60nmの正孔注入層を得た。次いで、本発明の例示化合物(16)を真空蒸着して膜厚30nmの発光層を得た。さらに、TPBI(下記化合物B)を真空蒸着して膜厚30nmの電子注入層を作成し、その上に、まずフッ化リチウムを1nm、次いでアルミニウム(Al)を150nm蒸着して電極を形成し、有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したとき青色発光を示し、発光効率は2.9cd/Aであった。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表2に示す。
洗浄したITO電極付きガラス板上に、α−NPD(下記化合物A)を真空蒸着して膜厚60nmの正孔注入層を得た。次いで、本発明の例示化合物(16)を真空蒸着して膜厚30nmの発光層を得た。さらに、TPBI(下記化合物B)を真空蒸着して膜厚30nmの電子注入層を作成し、その上に、まずフッ化リチウムを1nm、次いでアルミニウム(Al)を150nm蒸着して電極を形成し、有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したとき青色発光を示し、発光効率は2.9cd/Aであった。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表2に示す。
実施例2〜17
化合物(16)の代わりに、表2に示す化合物を用いて発光層を作成した以外は実施例1と同様に素子を作成した。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表2に示す。
化合物(16)の代わりに、表2に示す化合物を用いて発光層を作成した以外は実施例1と同様に素子を作成した。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表2に示す。
比較例1
以下に示す化合物(C)を用いて発光層を作成した以外は実施例1と同様に素子を作成した。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表2に示す。
以下に示す化合物(C)を用いて発光層を作成した以外は実施例1と同様に素子を作成した。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の化合物はいずれも、比較例1で作成した素子よりも、長寿命で且つ、高い効率が得られた。
実施例18
ITO電極付きガラス板上に、下記化合物(D)を真空蒸着して膜厚80nmの正孔注入層を得た。次に、表1の例示化合物(18)と下記化合物(E)とを3:100の組成比で共蒸着して膜厚35nmの発光層を形成した。さらにTPBIを蒸着して膜厚35nmの電子注入層を形成した。その上に、フッ化リチウムを1nm、さらにAlを100nm蒸着によって陰極を形成して有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの色度はCIE(x,y)=(0.12,0.13)の青色発光であり、発光効率は5.8cd/Aを示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表3に示す。
ITO電極付きガラス板上に、下記化合物(D)を真空蒸着して膜厚80nmの正孔注入層を得た。次に、表1の例示化合物(18)と下記化合物(E)とを3:100の組成比で共蒸着して膜厚35nmの発光層を形成した。さらにTPBIを蒸着して膜厚35nmの電子注入層を形成した。その上に、フッ化リチウムを1nm、さらにAlを100nm蒸着によって陰極を形成して有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの色度はCIE(x,y)=(0.12,0.13)の青色発光であり、発光効率は5.8cd/Aを示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表3に示す。
実施例19〜33
例示化合物(18)の代わりに表3に示す化合物を用いた以外は、実施例18と同様に素子を作成した。これらの素子は、発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光色は青色を示し、かつ発光効率がいずれも5cd/A以上を示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表3に示す。
例示化合物(18)の代わりに表3に示す化合物を用いた以外は、実施例18と同様に素子を作成した。これらの素子は、発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光色は青色を示し、かつ発光効率がいずれも5cd/A以上を示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表3に示す。
比較例2〜3
化合物(18)のかわりに、化合物(C)、(F)を用いた以外は実施例18と同様に素子を作成した。これらの素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表3に示す。
化合物(18)のかわりに、化合物(C)、(F)を用いた以外は実施例18と同様に素子を作成した。これらの素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表3に示す。
表3から明らかなように、本発明の化合物はいずれも、比較例2および3で作成した素子よりも、長寿命で且つ、高効率が得られた。
実施例34
ITO電極付きガラス板上に、下記化合物(G)を真空蒸着して膜厚60nmの正孔注入層を得た。次に、化合物(E)と例示化合物(17)とを100:3の重量組成比で共蒸着して膜厚30nmの発光層を形成した。さらに化合物(B)を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を形成した。その上に、酸化リチウム(Li2O)を1nm、さらにAlを100nm蒸着によって陰極を形成して有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率は6.3cd/Aを示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表4に示す。
ITO電極付きガラス板上に、下記化合物(G)を真空蒸着して膜厚60nmの正孔注入層を得た。次に、化合物(E)と例示化合物(17)とを100:3の重量組成比で共蒸着して膜厚30nmの発光層を形成した。さらに化合物(B)を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を形成した。その上に、酸化リチウム(Li2O)を1nm、さらにAlを100nm蒸着によって陰極を形成して有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率は6.3cd/Aを示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表4に示す。
実施例35〜50
化合物(17)のかわりに表4に示す化合物を用いた以外は、実施例34と同様に素子を作成した。これらの素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率はいずれも5cd/A以上を示し、また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表4に示す。
化合物(17)のかわりに表4に示す化合物を用いた以外は、実施例34と同様に素子を作成した。これらの素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率はいずれも5cd/A以上を示し、また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表4に示す。
比較例4
化合物(17)のかわりに化合物(F)を用いた以外は、実施例34と同様に素子を作成した。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表4に示す。
化合物(17)のかわりに化合物(F)を用いた以外は、実施例34と同様に素子を作成した。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表4に示す。
表4から明らかなように、本発明の化合物はいずれも、比較例4で作成した素子よりも、長寿命で高効率が得られた。
実施例51
ITO電極付きガラス板上に、化合物(D)を真空蒸着して膜厚60nmの正孔注入層を得た。次に、下記化合物(H)と例示化合物(16)とを3:100の組成比で共蒸着して膜厚40nmの発光層を形成した。さらにTPBIを蒸着して膜厚40nmの電子注入層を形成した。その上に、フッ化リチウムを1nm、さらにAlを100nm蒸着によって陰極を形成して有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したとき青色発光を示し、発光効率は6.5cd/Aを示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表5に示す。
ITO電極付きガラス板上に、化合物(D)を真空蒸着して膜厚60nmの正孔注入層を得た。次に、下記化合物(H)と例示化合物(16)とを3:100の組成比で共蒸着して膜厚40nmの発光層を形成した。さらにTPBIを蒸着して膜厚40nmの電子注入層を形成した。その上に、フッ化リチウムを1nm、さらにAlを100nm蒸着によって陰極を形成して有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したとき青色発光を示し、発光効率は6.5cd/Aを示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表5に示す。
実施例52〜66
化合物(16)のかわりに表5に示す化合物を用いた以外は、実施例51と同様に素子を作成した。これら素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率はいずれも5cd/A以上を示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表5に示す。
化合物(16)のかわりに表5に示す化合物を用いた以外は、実施例51と同様に素子を作成した。これら素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率はいずれも5cd/A以上を示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表5に示す。
比較例5〜6
化合物(16)のかわりに化合物(F)、下記化合物(I)を用いた以外は、実施例51と同様に素子を作成した。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表5に示す。
化合物(16)のかわりに化合物(F)、下記化合物(I)を用いた以外は、実施例51と同様に素子を作成した。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表5に示す。
表5から明らかなように、本発明の化合物はいずれも、比較例5,6で作成した素子よりも、長寿命で高効率が得られた。
実施例65
ITO電極付きガラス板上に、化合物(G)を真空蒸着して膜厚65nmの正孔注入層を得た。次に、下記化合物(J)と化合物(17)とを3:100の組成比で共蒸着して膜厚35nmの発光層を形成した。さらにTPBIを蒸着して膜厚30nmの電子注入層を形成した。その上に、フッ化リチウムを1nm、さらにAlを100nm蒸着によって陰極を形成して有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光色は青色であり、発光効率は6.8cd/Aを示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および100℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表6に示す。
ITO電極付きガラス板上に、化合物(G)を真空蒸着して膜厚65nmの正孔注入層を得た。次に、下記化合物(J)と化合物(17)とを3:100の組成比で共蒸着して膜厚35nmの発光層を形成した。さらにTPBIを蒸着して膜厚30nmの電子注入層を形成した。その上に、フッ化リチウムを1nm、さらにAlを100nm蒸着によって陰極を形成して有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光色は青色であり、発光効率は6.8cd/Aを示した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および100℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表6に示す。
実施例66〜79
化合物(17)のかわりに表6に示す化合物を用いた以外は、実施例65と同様に素子を作成した。これら素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率はいずれも4cd/A以上を示し、また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表6に示す。
化合物(17)のかわりに表6に示す化合物を用いた以外は、実施例65と同様に素子を作成した。これら素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率はいずれも4cd/A以上を示し、また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表6に示す。
比較例7〜8
化合物(17)のかわりに化合物(F)、化合物(I)を用いた以外は、実施例65と同様に素子を作成した。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表6に示す。
化合物(17)のかわりに化合物(F)、化合物(I)を用いた以外は、実施例65と同様に素子を作成した。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率を測定した。また、電流密度12.5mA/cm2で駆動させた時の初期輝度、および30℃の環境で100時間連続駆動させた後の輝度を測定した。結果を表6に示す。
表6から明らかなように、本発明の化合物はいずれも、比較例7,8で作成した素子よりも、長寿命で高効率が得られた。
実施例80
ITO電極付きガラス板上に、下記化合物(K)を蒸着して膜厚60nmの正孔注入層を形成した。次に、表1の化合物(25)と下記化合物(L)とを100:9の組成比で共蒸着して膜厚50nmの発光層を形成した。さらに、Balq(下記化合物M)を蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を形成し、続いてその上に、Alq3を真空蒸着して膜厚50nmの電子注入層を作成し、その上に、まずフッ化リチウムを1nm、次いでAlを200nm蒸着して電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したとき青色の発光を示し、発光効率は11.4cd/Aを示した。
ITO電極付きガラス板上に、下記化合物(K)を蒸着して膜厚60nmの正孔注入層を形成した。次に、表1の化合物(25)と下記化合物(L)とを100:9の組成比で共蒸着して膜厚50nmの発光層を形成した。さらに、Balq(下記化合物M)を蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を形成し、続いてその上に、Alq3を真空蒸着して膜厚50nmの電子注入層を作成し、その上に、まずフッ化リチウムを1nm、次いでAlを200nm蒸着して電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したとき青色の発光を示し、発光効率は11.4cd/Aを示した。
実施例81〜89
化合物(25)のかわりに表8に示す化合物を用いた以外は、実施例80と同様に素子を作成した。これらの素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率はいずれも9cd/A以上を示した。結果を表7に示す。
化合物(25)のかわりに表8に示す化合物を用いた以外は、実施例80と同様に素子を作成した。これらの素子を発光輝度300(cd/m2)で室温にて定電流駆動したときの発光効率はいずれも9cd/A以上を示した。結果を表7に示す。
実施例90
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、Bayer社製BAYTRON P VP CH8000)をスピンコート法にて製膜し、膜厚50nmの正孔注入層を得た。次いで、PVK(ポリビニルカルバゾール)を60%および、化合物(83)を5%および電子輸送材料(化合物(N))36%を2.5wt%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により40nmの膜厚の発光層を得た。さらにその上に、Caを20nm蒸着した後、Alを200nm蒸着して電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、最大発光輝度790(cd/m2)の青色発光が得られた。
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、Bayer社製BAYTRON P VP CH8000)をスピンコート法にて製膜し、膜厚50nmの正孔注入層を得た。次いで、PVK(ポリビニルカルバゾール)を60%および、化合物(83)を5%および電子輸送材料(化合物(N))36%を2.5wt%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により40nmの膜厚の発光層を得た。さらにその上に、Caを20nm蒸着した後、Alを200nm蒸着して電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、最大発光輝度790(cd/m2)の青色発光が得られた。
実施例91
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、Bayer社製BAYTRON P VP CH8000)をスピンコート法にて製膜し、膜厚50nmの正孔注入層を得た。次いで、PVK(ポリビニルカルバゾール)を60%および、化合物(91)を5%および電子輸送材料(化合物(O))35%を2.5wt%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により50nmの膜厚の発光層を得た。さらにその上に、Caを20nm蒸着した後、Alを200nm蒸着して電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、最大発光輝度680(cd/m2)の青色発光が得られた。
洗浄したITO電極付きガラス板上に、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシ)−2,5−チオフェン/ポリスチレンスルホン酸、Bayer社製BAYTRON P VP CH8000)をスピンコート法にて製膜し、膜厚50nmの正孔注入層を得た。次いで、PVK(ポリビニルカルバゾール)を60%および、化合物(91)を5%および電子輸送材料(化合物(O))35%を2.5wt%の濃度でトルエンに溶解させ、スピンコーティング法により50nmの膜厚の発光層を得た。さらにその上に、Caを20nm蒸着した後、Alを200nm蒸着して電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、最大発光輝度680(cd/m2)の青色発光が得られた。
実施例92
洗浄したITO電極付きガラス板上に、本発明の化合物(20)を真空蒸着して膜厚50nmの正孔注入層を得た。次いで化合物(A)を真空蒸着して50nmの正孔輸送層を得た。さらに、Alq3を真空蒸着して膜厚50nmの電子注入型発光層を作成し、その上に、まずフッ化リチウムを1nm、次いでAlを200nm蒸着して電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、最大発光輝度2570(cd/m2)の黄色発光が得られた。
洗浄したITO電極付きガラス板上に、本発明の化合物(20)を真空蒸着して膜厚50nmの正孔注入層を得た。次いで化合物(A)を真空蒸着して50nmの正孔輸送層を得た。さらに、Alq3を真空蒸着して膜厚50nmの電子注入型発光層を作成し、その上に、まずフッ化リチウムを1nm、次いでAlを200nm蒸着して電極を形成して、有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、最大発光輝度2570(cd/m2)の黄色発光が得られた。
実施例93〜95
化合物(20)のかわりに表8に示す化合物を用いた以外は、実施例92と同様に素子を作成した。これらの素子について通電試験を行った時の、最大発光輝度を表8に示す。
化合物(20)のかわりに表8に示す化合物を用いた以外は、実施例92と同様に素子を作成した。これらの素子について通電試験を行った時の、最大発光輝度を表8に示す。
実施例96
ITO電極付きガラス板上に、化合物(D)を蒸着して膜厚30nmの正孔注入層を形成した後、化合物(22)を蒸着して膜厚50nmの正孔輸送層を形成した。次に、Alq3を蒸着して膜厚40nmの電子注入性発光層を形成し、その上に、フッ化リチウムを1nm、さらにAlを200nm真空蒸着によって電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、最大発光輝度1950(cd/m2)の黄色発光が得られた。
ITO電極付きガラス板上に、化合物(D)を蒸着して膜厚30nmの正孔注入層を形成した後、化合物(22)を蒸着して膜厚50nmの正孔輸送層を形成した。次に、Alq3を蒸着して膜厚40nmの電子注入性発光層を形成し、その上に、フッ化リチウムを1nm、さらにAlを200nm真空蒸着によって電極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、最大発光輝度1950(cd/m2)の黄色発光が得られた。
実施例97〜99
化合物(22)のかわりに表9に示す化合物を用いた以外は、実施例96と同様に素子を作成した。これらの素子について通電試験を行った時の、最大発光輝度を表9に示す。
化合物(22)のかわりに表9に示す化合物を用いた以外は、実施例96と同様に素子を作成した。これらの素子について通電試験を行った時の、最大発光輝度を表9に示す。
実施例100
ITO電極付きガラス板上に、化合物(D)を真空蒸着して膜厚40nmの正孔注入層を得た。次に、Alq3を蒸着して膜厚40nmの発光層を形成した。さらに化合物(21)を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を形成した。その上に、フッ化リチウムを1nm、さらにAlを100nm蒸着によって陰極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、最大発光輝度1690(cd/m2)の黄色発光が得られた。
ITO電極付きガラス板上に、化合物(D)を真空蒸着して膜厚40nmの正孔注入層を得た。次に、Alq3を蒸着して膜厚40nmの発光層を形成した。さらに化合物(21)を蒸着して膜厚30nmの電子注入層を形成した。その上に、フッ化リチウムを1nm、さらにAlを100nm蒸着によって陰極を形成して有機EL素子を得た。この素子について通電試験を行ったところ、最大発光輝度1690(cd/m2)の黄色発光が得られた。
実施例101〜106
化合物(21)のかわりに表10に示す化合物を用いた以外は、実施例100と同様に素子を作成した。これらの素子について通電試験を行った時の、最大発光輝度を表10に示す。
化合物(21)のかわりに表10に示す化合物を用いた以外は、実施例100と同様に素子を作成した。これらの素子について通電試験を行った時の、最大発光輝度を表10に示す。
以上述べた実施例から明らかなように、本発明の有機EL素子用材料を用いた有機EL素子は発光効率の向上および長寿命化を達成することが可能である。
Claims (5)
- 下記一般式[1]で表される化合物であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
一般式[1]
[式中、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換の2価の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の2価の芳香族複素環基であり、
Ar3は、置換もしくは未置換の縮合芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の縮合芳香族複素環基であり、
Ar4は、水素原子、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基であり、
Ar5は、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、または、置換もしくは未置換の芳香族複素環基であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは未置換の芳香族複素環基、置換もしくは未置換のアルコキシ基、または、置換もしくは未置換のアリールオキシ基である。ここで、R1およびR2が結合して環を形成しても良い。] - 陽極と陰極とからなる一対の電極間に一層または多層の有機層を形成してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、少なくとも一層が請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層である有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層が発光層である請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を発光層ホスト材料として含有する請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する層が電子輸送層である請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015500824A (ja) * | 2011-12-05 | 2015-01-08 | ユニバーシティ オブ レスター | 新規ピロール誘導体 |
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2008
- 2008-09-03 JP JP2008225383A patent/JP2010059293A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015500824A (ja) * | 2011-12-05 | 2015-01-08 | ユニバーシティ オブ レスター | 新規ピロール誘導体 |
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