JP2010054620A - 光信号モニタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1のスラブ導波路12に楔形の溝20を形成し、その溝に光学樹脂を充填し、さらにヒータ30を実装する。ヒータ30に電力を印加すると、光学樹脂21が局所的に加熱されて屈折率が変化する。光学樹脂21の屈折率温度係数の絶対値を石英のそれよりも大きく選択することで、光学樹脂20部分での光路長が加熱により変化し、第2のスラブ導波路14の集光面において波長毎の集光位置が変化する。つまり、AWGの透過波長特性が可変である。したがって、ヒータ30を掃引駆動しつつ光信号光を入射し、出力光パワーが最大となる印加電力を求めることによって、波長検出が可能となる。また、光信号の波長成分よりも広範囲でヒータ30を掃引駆動しつつ光信号光を入射し、出力光パワーの最小と最大の比を取ることにより、OSNRを検出することが可能となる。
【選択図】図2
Description
を備え、前記いずれの導波路も、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、前記アレイ導波路回折格子に跨って溝が形成され、前記溝は、前記チャネル導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより形成されるか、または前記チャネル導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成され、前記溝には、前記チャネル導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されることを特徴とする。
図2に、第1の実施の形態を示す。また、図3は、図2のA−A’における断面図を示す。従来と同様に石英からなる導波路で構成されるAWGにおいて、従来の実施例と異なって、第1のスラブ導波路12に楔形の溝20を形成し、その溝に光学樹脂を充填して、さらに光学樹脂21を局所的に加熱するためのヒータ30が実装されている点に特徴がある。ここで使用される光学樹脂の屈折率温度係数は、石英のそれと異なるものを用いている。具体的には、石英の屈折率温度係数+1.1×10-5[1/℃]に対して、屈折率温度係数が、−37×10-5[1/℃]のシリコーン樹脂を、光学樹脂として用いた(特許文献1参照)。
図9に、第2の実施の形態を示す。また、図10は、図9のB−B’における断面図を示す。第1の実施例と異なるところは、ヒータ30として、溝21の周辺および溝21と溝21の間のクラッド3上に微細加工プロセスにより薄膜ヒータ32を集積した点である。薄膜ヒータ32にすることにより、第1の実施例でおこなった外付けヒータ30の実装工程を無くすことができるとともに、ヒータ実装による厚さ方向の増大を無くすことができるためモジュール化したとき薄型化を図ることができる。薄膜ヒータ32の材質として、例えばクロム、チタン等が挙げられるが、これらの材質だけになんら限定されるものではない。
図13に、第3の実施の形態を示す。また、図14は、図13のC−C’における断面図を示す。第2の実施例と異なるところは、薄膜ヒータ32を溝20の底部に微細加工プロセスにより集積した点である。第2の実施例における薄膜ヒータ32からの発熱は、一旦クラッド3を介して溝20に充填された光学樹脂21に伝導する。一方、本実施の形態によれば、薄膜ヒータ32上に直接光学樹脂21が接して充填されるため、薄膜ヒータ32からの発熱は直接光学樹脂21に伝導する。そのため、第2の実施例と比較して印加電力に対する透過波長特性の可変効率を高めることが可能になる。さらに、印加電力に対する透過波長特性の可変効率を改善する方策としては、溝20の分割数を多くしていき薄膜ヒータ32を集積できる溝20の数を増やすことで、加熱領域を密に局所化することによって一層の改善を図ることができる。また、可能であれば、溝20の側壁にもヒータを集積してもよい。
図15に、第4の実施の形態を示す。本実施の形態では、以上述べてきた実施の形態と異なって、第1のスラブ導波路12において、光学樹脂21を充填する溝20の配置に特徴がある。すなわち、前述の実施例で形成した楔形の溝を、第1の溝部と呼ぶことにすると、その第1の溝部とは逆の向きに第2の溝部を形成し、第1の溝部および第2の溝部の周辺にも、それぞれの溝に充填した光学樹脂を加熱できるようにヒータ32が集積してある点である。第1の溝部121周辺に配置されたヒータを第1のヒータ131、第2の溝部122周辺に配置されたヒータを第2のヒータ132と呼ぶことにする。但し、第1のヒータ131と第2のヒータ132はお互い独立して電力を印加できる電気配線40、41にしておく必要がある。第2のヒータ132を配置したことにより、第2の溝部122に充填された光学樹脂21においても、加熱により屈折率を変えるため光路長が変化し、その結果AWG10の第2のスラブ導波路14の集光面において各波長の集光位置が変化する。しかし、第2の溝部122は第1の溝部121に対して逆の向きなので、第1の溝部121に充填された光学樹脂21を加熱して得られる第2のスラブ導波路14の集光面の集光方向とは逆の向きに作用する。この点を応用して、通常は第1のヒータ131を駆動して透過波長特性を可変にして使用するところを、さらに第2のヒータ132を別途駆動することにより、透過波長特性の可変速度を制御することが可能になる。すなわち、第1のヒータ131と第2のヒータ132との間で制御回路を組んで駆動することにより、波長可変フィルタの掃引速度を可変にしたり、任意の透過波長特性ポイントに高速チューニングすることが可能になる。
図16に、第5の実施の形態を示す。本実施例が、先の実施例と異なる点は、CSP−PDアレイが第2のスラブ14の端面に取り付けられている点である。こうすることにより、出力導波路部分を無くすことができるので、光信号モニタの小型化をいっそう進めることが可能となる。尚、ヒータは、特にこの形態に限定されるものではない。
図17に第6の実施の形態を示す。これは、第1の光カプラ60と第2の光カプラ61と、これらふたつの光カプラを連結する第1のアーム導波路62と第2のアーム導波路63とで構成されるマッハツェンダ光干渉回路である。尚、本実施例では、第1および第2の光カプラを、方向性結合器で構成した例を示す。また、第1のアーム導波路の長さと第2のアーム導波路の長さは異なっており、第1のアーム導波路の長さが第2のアーム導波路の長さより長いとして以下説明する。第1の導波路材料で形成した本マッハツェンダ光干渉回路において、その第1のアーム導波路の一部に溝20を形成して、第1の導波路材料とは異なる第2の導波路材料をそこに充填する。例えば、第1の導波路材料として、屈折率温度係数α1が、+1.1×10-5[1/℃]の石英を、また、第2の導波路材料として、屈折率温度係数α2が、−37×10-5[1/℃]のシリコーン樹脂を用いる。
図20に第7の実施の形態を示す。これは、マッハツェンダ光干渉回路のアーム導波路をM段縦列に接続したM段ラティス光干渉回路である。さらに、M段ラティス光干渉回路は、M+1個の光カプラと、当該光カプラの隣接相互間に配置されたM個の遅延部とからなり、当該遅延部は、第1のアーム導波路と第2のアーム導波路より構成されており、第1のアーム導波路と第2のアーム導波路の長さの差はΔLに設定されている。
図23に第8の実施の形態を示す。これは、マッハツェンダ光干渉回路のアーム導波路をM段並列に接続したM段トランスバーサル光干渉回路である。M段トランスバーサル光干渉回路は、入力をM本の導波路に分波する光カプラ(第1の光分岐カプラに対応)と、当該光カプラに接続されたM本のアーム導波路(遅延導波路に対応)と、当該M本のアーム導波路を合波する光カプラ(第2の光分岐カプラに対応)より構成されている。第1のアーム導波路に対する第2から第Mのアーム導波路の光路長差は、それぞれ、ΔL+φ2、2ΔL+φ3、・・・、(M−1)ΔL+φMに設定されている。ただし、φMは、第Mのアーム導波路の位相である。
図25に第9の実施の形態を示す。これは、1入力2出力のマッハツェンダ光干渉回路をM段、多段に接続した1×2Mフィルタである。第m段目のマッハツェンダ光干渉回路の光路長差は、2M-m・ΔL+φm,kに設定されている。ただし、φm,kは、m段目の素子のうち、k個目の素子の位相である。例えば、図24の構成では、
1段目、1個目の素子の光路長差は、4ΔL+φ1,1
2段目、1個目の素子の光路長差は、2ΔL+φ2,1
2段目、2個目の素子の光路長差は、2ΔL+φ2,2
3段目、1個目の素子の光路長差は、ΔL+φ3,1
3段目、2個目の素子の光路長差は、ΔL+φ3,2
3段目、3個目の素子の光路長差は、ΔL+φ3,3
3段目、4個目の素子の光路長差は、ΔL+φ3,4
ここで、φ1,1=0、φ2,1=π/2、φ2,2=0、φ3,1=π/4、φ3,2=3π/4、φ3,3=π/2、φ3,4=0に設定した時の、その透過波長特性を図26(a)に示す。
図28に第10の実施の形態を示す。これは、2箇所において導波路70とリング導波路71との間に方向性結合器72を有するリング共振器80である。このリング共振器80は、入力ポートS1からの入力に対して、そのリング導波路の長さに依存して、その出力ポートS2からの出力特性において、急峻な透過波長特性を示す。さらに、リング共振器80の出力ポートS2にPD501を集積している。PD501は単チャンネルのCSP型PDアレイ500を実装してもよいが、その形態は特には問わない。リング導波路71の一部に形成された溝20に充填された光学樹脂21を、局所的に加熱することにより、その共振周波数(波長)を可変にすることができる。透過波長特性をヒータ加熱により掃引すると、それに応じてPD501からの光電流すなわちモニタ信号702が出力される。透過波長特性の掃引により、光パワーのみならず波長およびOSNRも検出することが可能である。
2 コア
3 クラッド(上部クラッド及び下部クラッドに対応)
10 AWG (波長可変フィルタに対応)
11 入力導波路(入力用のチャネル導波路に対応)
12 第1のスラブ導波路(入力側のスラブ導波路に対応)
13 アレイ導波路
14 第2のスラブ導波路(出力側のスラブ導波路に対応)
15 出力導波路(出力用のチャネル導波路に対応)
20 溝
21 光学樹脂(材料に対応)
30 ヒータ(材料を加熱または冷却する機構に対応)
31 (外付け)ヒータ
32 薄膜ヒータ
40 電気配線
60 第1の光カプラ(方向性結合器に対応)
61 第2の光カプラ(方向性結合器に対応)
62 第1のアーム導波路
63 第2のアーム導波路
70 入出力導波路
71 リング導波路
72 方向性結合器
80 リング共振器
121 第1の溝部
122 第2の溝部
131 第1のヒータ
132 第2のヒータ
200 光信号モニタ
201 AWG(波長可変フィルタに対応)
500 CSP型PDアレイ
501 PD(フォトダイオードに対応)
502 筐体
503 ガラス窓
700 光信号
701 AWGの透過特性
702 モニタ信号
Claims (8)
- 入力した波長多重光を分波して異なる波長の複数の光を出力する光信号モニタにおいて、
長さの異なる複数のチャネル導波路であって、前記複数のチャネル導波路間で生じる位相差の波長による変化により前記波長多重光を分波する複数のチャネル導波路と、
光の進行方向と交差するように配置され、各波長の光に対する前記位相差を温度により変化させる材料と、
前記材料を加熱または冷却する機構と、
出力部に配置された、1つ又は複数のフォトダイオードと
を備えることを特徴とする光信号モニタ。 - 所定の長さずつ異なる長さを有した前記複数のチャネル導波路で構成されるアレイ導波路回折格子と、
前記アレイ導波路回折格子と入力用のチャネル導波路との間に配置された入力側のスラブ導波路と、
前記アレイ導波路回折格子と複数の出力用のチャネル導波路との間に配置された出力側のスラブ導波路と
を備え、
前記いずれの導波路も、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、
前記入力側または出力側のスラブ導波路は、入力した各波長の光に対して、前記入力側のスラブ導波路からの複数のチャネル導波路を経て前期出力側のスラブ導波路に至る経路間で生じる位相差を変化させる前記材料を、光の進行方向と交差するように湾曲状に形成した溝に充填して含み、
前記溝は、前記入力側または出力側のスラブ導波路から前記上部クラッドおよび前記コアを除去することにより形成されるか、または前記入力側あるいは出力側のスラブ導波路から前記上部クラッド、前記コアおよび前記下部クラッドを除去することにより形成され、
前記材料は、前記材料が含まれるスラブ導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する材料であることを特徴とする請求項1に記載の光信号モニタ。 - 前記溝は、前記入力側または出力側のスラブ導波路に形成された、前記材料を充填するための複数の溝であり、
前記複数の溝はグループ化され、
前記材料を独立に加熱または冷却する機構をグループ毎に備えることを特徴とする請求項2に記載の光信号モニタ。 - 所定の長さずつ異なる長さを有した前記複数のチャネル導波路で構成されるアレイ導波路回折格子と、
前記アレイ導波路回折格子と入力用のチャネル導波路との間に配置された入力側のスラブ導波路と、
前記アレイ導波路回折格子と出力用のチャネル導波路との間に配置された出力側のスラブ導波路と
を備え、
前記いずれの導波路も、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、
前記アレイ導波路回折格子に跨って溝が形成され、
前記溝は、前記チャネル導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより形成されるか、または前記チャネル導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成され、
前記溝には、前記チャネル導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されることを特徴とする請求項1に記載の光信号モニタ。 - 前記溝は、前記アレイ導波路回折格子を構成する前記複数のチャネル導波路に跨って形成された、前記材料を充填するための複数の溝であり、
前記複数の溝はグループ化され、
前記第2の材料を独立に加熱または冷却する機構をグループ毎に備えることを特徴とする請求項4に記載の光信号モニタ。 - 前記複数のチャネル導波路は、
上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、
N+1(Nは、1以上の整数)個の光カプラと隣接する光カプラとに挟まれたN組のアーム導波路であり、
前記N組のアーム導波路のそれぞれは、光路長が異なる第1のアーム導波路と第2のアーム導波路で構成され、
前記第1のアーム導波路または前記第2のアーム導波路の少なくとも一方に溝が形成され、
前記溝は、前記溝が形成されるアーム導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより形成されるか、または前記溝が形成されるアーム導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成され、
前記溝には、前記溝が形成されるアーム導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されることを特徴とする請求項1に記載の光信号モニタ。 - 前記複数のチャネル導波路は、
上部クラッド、コア、下部クラッドで構成されており、
1つ又は複数の光分岐カプラを接続して構成された、M(Mは、2以上の整数)ポートの出力を有する第1の光分岐カプラのそれぞれの出力と、1つ又は複数の光分岐カプラを接続して構成された、前記第1の光分岐カプラの出力のポート数と同数の入力のポート数を有する第2の光分岐カプラのそれぞれの入力との間に設けられた、各々が異なる遅延量を有するM本の遅延導波路であり、
前記M本の遅延導波路のうちの少なくとも1つの一部に溝が形成され、
前記溝は、前記溝が形成される遅延導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより形成されるか、または前記溝が形成される遅延導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成され、
前記溝には、前記溝が形成される遅延導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の光信号モニタ。 - 前記複数のチャネル導波路は、円状のリング導波路、及び1つ又は2つの入出力導波路であり、
前記リング導波路は、上部クラッド、コア、及び下部クラッドで構成されており、
前記リング導波路は、前記リング導波路から前記上部クラッド及び前記コアを除去することにより、または前記リング導波路から前記上部クラッド、前記コア、及び前記下部クラッドを除去することにより形成される溝を備え、
前記溝には、前記リング導波路の実効屈折率の温度係数と異なる屈折率温度係数を有する前記材料が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の光信号モニタ。
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