JP2010053071A - ビスイミドフェノール化合物及びその製造方法並びに高分子化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂の耐熱性改良が期待されるイミド基を有し、一般的なケトン系溶剤中での反応に十分な溶解性を有し、単純化された分子構造によって十分なイミド基含量を有する、耐熱性高分子材料の原料モノマーとして有用なビスイミドフェノール化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるビスイミドフェノール化合物。
Figure 2010053071

(Rは、最安定構造の理論計算で、2つの共役平面の成す二面角αの絶対値|α|が45゜以上90゜以下の官能基、Rは、水素原子又は|α|が0゜以上45゜未満の官能基。R、R、Rは水素原子、水酸基又は炭素数1〜10の有機基。Rは炭素数1〜10の有機基。n=0〜3。R〜Rはハロゲン原子ではない。各R〜Rのうちのいずれか一つは水酸基。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規ビスイミドフェノール化合物及びその製造方法と、このビスイミドフェノール化合物をモノマーの少なくとも一部として重合して得られる高分子化合物に関する。
イミド化合物は耐熱性に優れていることが知られており、イミド基を導入したイミドフェノール化合物は、耐熱性が要求される高分子材料の原料として有用である。耐熱性高分子材料の代表的なものとして、芳香族ポリイミド樹脂があるが、融点が非常に高い上、一般的な有機溶剤(例えばケトン系)に対する溶解性が非常に低く、作業性、加工性の面で問題が多い。例えば、ポリイミドを溶液として用いるには、N−メチルピロリドンのような高極性溶剤が必要であるが、N−メチルピロリドンのような高極性溶剤は沸点が非常に高いため、除去が困難であり、後工程でフクレの原因となりやすいなどの問題がある。
この対策として、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の溶液を用い、溶剤を除去した後に加熱或いは化学的手法によってイミド環を閉環してポリイミド樹脂とする方法が知られている(非特許文献1)が、この方法では閉環時の体積収縮によって反りが起こるなどの問題がある。
一方で、ビスイミドフェノール化合物をモノマーとして用いる方法も開示されている(特許文献1〜4)。しかし、これまでに知られているビスイミドフェノール化合物は、一般的な有機溶剤、例えばケトン系溶剤への溶解性が十分でなかったり、また溶解性を付与するために分子構造を複雑にした結果、イミド基の濃度が低下してしまったりするものであった。
また、主鎖にエステル基を導入して溶解性を上げた例もあるが(特許文献5)、エステル基は加水分解の問題があるため好ましくない。
特開平1−319528号公報 特開平2−70722号公報 特開平3−209858号公報 特開2007−91799号公報 特開2003−82101号公報 「耐熱性高分子電子材料の展開」シーエムシー出版、2008年、92頁
本発明はこのような状況を鑑みてなされたものであり、その課題は、樹脂の耐熱性改良が期待されるイミド基を含有し、一般的なケトン系溶剤中での反応に十分な溶解性を有し、また単純化された分子構造によって十分なイミド基含量を有する、耐熱性高分子材料の原料モノマーとして有用な芳香族ビスイミドフェノール化合物を提供することにある。
本発明者らは前記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、特定の構造を有することで、ケトン系溶剤への十分な溶解性を発現するビスイミドフェノール化合物を見出した。また、特定のアミノフェノール化合物と芳香族カルボン酸二無水物とを反応させることにより、このビスイミドフェノール化合物を製造することができることを見出した。
即ち、本発明の要旨は、下記一般式(I)で表されるビスイミドフェノール化合物、に存する。
Figure 2010053071
(一般式(I)において、Rは、以下に定義される|α|が45゜以上、90゜以下となる一価の官能基を示し、Rは、水素原子又は以下に定義される|α|が0゜以上、45゜未満となる一価の官能基を示す。
、R及びRは、各々独立に、水素原子、水酸基又は炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
は、炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
nは0〜3の整数である。
複数のR〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、R〜Rはハロゲン原子であることはなく、また、各R〜Rのうちのいずれか一つは水酸基であることにより、化合物中には2個の水酸基を有する。)
{|α|の定義}
|α|とは、下記式(I−1)に示す構造において、理論計算に基づいた最安定構造を算出した際、2つの共役平面の成す二面角αの絶対値である。
Figure 2010053071
(式中、RはR又はRに該当する。)
ここで、二面角の理論計算は、OSとして「Microsoft社製Windows XP Professional Version 2002 Service Pack2」、ソフトに「Gaussian社製Gaussian03 x86-Win32版Rev.B.05」を用いて、AM1法(オプションとして「opt=verytight」を指定)により、最安定構造を計算して行われる。
αとしては、隣接する4つの原子、C(イミドのカルボニル炭素)−N(イミドの窒素)−C(芳香環)−C(芳香環)の成す以下の(1)〜(4)の4種の二面角の内、絶対値が最小のものとする。なお、C〜Cは下記式(I−Ia)に示される。
(1) C−C−N−C
(2) C−C−N−C
(3) C−C−N−C
(4) C−C−N−C
Figure 2010053071
(式中、RはR又はRに該当する。)
本発明の別の要旨は、下記一般式(II)で表されるアミノフェノールと、下記一般式(III)で表される芳香族カルボン酸二無水物とを脱水縮合させることを特徴とする、上記ビスイミドフェノール化合物の製造方法、に存する。
Figure 2010053071
(一般式(II)において、R〜Rはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
Figure 2010053071
(一般式(III)において、R及びnはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
本発明の更に別の要旨は、上記ビスイミドフェノール化合物をモノマーの少なくとも一部として重合して得られる高分子化合物、に存する。
本発明によれば、樹脂の耐熱性改良が期待されるイミド基を含有するビスイミドフェノール化合物であって、一般的なケトン系溶剤中での反応に十分な溶剤溶解性を有し、また単純化された分子構造によって十分なイミド基含量を有する、耐熱性高分子材料の原料モノマーとして有用な新規芳香族ビスイミドフェノール化合物が提供される。
しかも、本発明のビスイミドフェノール化合物は、連結基の−C(CF−以外にハロゲン原子を含まない低ハロゲン系化合物であるので、近年の脱ハロゲン化の流れの中で非常に好適である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[ビスイミドフェノール化合物]
本発明のビスイミドフェノール化合物は、下記一般式(I)で表されるものであり、ケトン系溶剤に対する溶解度が高いために、重合反応等における取り扱い性に優れ、また、分子中のイミド基濃度が高いことから、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂等に耐熱性を付与するための原料モノマーとして有用である。
Figure 2010053071
(一般式(I)において、Rは、以下に定義される|α|が45゜以上、90゜以下となる一価の官能基を示し、Rは、水素原子又は以下に定義される|α|が0゜以上、45゜未満となる一価の官能基を示す。
、R及びRは、各々独立に、水素原子、水酸基又は炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
は、炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
nは0〜3の整数である。
複数のR〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、R〜Rはハロゲン原子であることはなく、また、各R〜Rのうちのいずれか一つは水酸基であることにより、化合物中には2個の水酸基を有する。)
{|α|の定義}
|α|とは、下記式(I−1)に示す構造において、理論計算に基づいた最安定構造を算出した際、2つの共役平面の成す二面角αの絶対値である。
Figure 2010053071
(式中、RはR又はRに該当する。)
ここで、二面角の理論計算は、OSとして「Microsoft社製Windows XP Professional Version 2002 Service Pack2」、ソフトに「Gaussian社製Gaussian03 x86-Win32版Rev.B.05」を用いて、AM1法(オプションとして「opt=verytight」を指定)により、最安定構造を計算して行われる。
αとしては、隣接する4つの原子、C(イミドのカルボニル炭素)−N(イミドの窒素)−C(芳香環)−C(芳香環)の成す以下の(1)〜(4)の4種の二面角の内、絶対値が最小のものとする。なお、C〜Cは下記式(I−Ia)に示される。
(1) C−C−N−C
(2) C−C−N−C
(3) C−C−N−C
(4) C−C−N−C
Figure 2010053071
(式中、RはR又はRに該当する。)
なお、本発明において、「有機基」とは炭素原子を含む基であり、また、「官能基」とは有機基と水酸基などの無機基との総称である。
<溶解性発現の説明>
イミド基含有化合物、特に芳香族イミド化合物は、イミド基を含む共役平面同士がスタッキングすることによる強い凝集力によって優れた物性を示す一方で、溶剤溶解性が非常に低く、取り扱いが困難であった。
本発明のビスイミドフェノール化合物が溶剤に対する溶解性に優れる理由の詳細は明らかではないが、以下のように推定される。
(1) イミド基のオルト位に適切な大きさの置換基Rを有することで、イミド基を含む共役平面が捻れを持ち、分子間のスタッキングが適度に阻害される。
(2) イミド基の両オルト位が非対称(R≠R)であることで結晶性が低下する。
(3) 連結基部分にトリフルオロメチル基を導入することで、フッ素原子の静電反発作用により、フタル酸部分の分子間相互作用が適度に弱められることにより、上述の共役平面の捻れのみの場合よりも更に溶解性を向上させることができる。
本発明のビスイミドフェノール化合物では、これらの要因が協奏的に作用することによって良好な溶剤溶解性が発現している。
ただし、捻れを生じさせる置換基Rが大きすぎる場合は、イミド化合物の特徴である分子間のスタッキングを完全に阻害してしまい、十分な物性が得られない可能性があるため、該置換基Rは適度な大きさに留めるのが好ましい。
<R
は上記|α|が45゜以上、90゜以下の、ハロゲン原子以外の一価の官能基である。Rの|α|の下限は、分子間の重なりによる溶剤溶解性低下が起こりにくいことから、好ましくは48°、より好ましくは51°である。一方、|α|の上限は、置換基がイミド化合物の特徴である分子間のスタッキングの起きる適度な大きさであることから、好ましくは75°、より好ましくは60°である。
は、上記|α|を満たした上で、炭素イミドフェノール分子中のイミド基濃度、及び、イミド化合物に期待される物性が発現しやすい、即ち、分子量が過度に大きくないことにより、イミド基含量を十分なものとし、また、イミド化合物に期待される物性が、立体障害により分子間の相互作用が阻害されることにより損なわれないと思われることから、炭素数1〜10の有機基が好ましく、炭素数1〜3の有機基が更に好ましく、炭素数1〜2の有機基が特に好ましい。
の具体例は、炭化水素基、芳香族基、アシル基(アルデヒド、ケトン)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(エステル)、アルコキシル基、アリ−ロキシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルボキサミド基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリ−ルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルホ基、トリアルキルシリル基等が挙げられる。中でも、|α|が好適範囲であることから、直鎖又は二級炭化水素基、アシル基(アルデヒド、ケトン)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(エステル)、アルコキシル基、アリ−ロキシル基、置換されたアミノ基、置換されたカルボキサミド基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリ−ルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルホ基が好ましく、とりわけ、直鎖炭化水素基、ホルミル基を除くアシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(エステル)、置換されたアミノ基、スルホニル基、スルホ基が好ましい。
なお、|α|が45〜90°の官能基を表1に、また、これらのうち特にRとして好適な官能基(|α|=48〜75°)について、その|α|と共に表2に示す(以下においてPhはフェニル基を、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を示す。)。
Figure 2010053071
Figure 2010053071
表2に示す官能基のうち、Rとしては特に下記表3に示すもの(|α|=51〜60°)が好ましい。
Figure 2010053071
<R
は、水素原子又は上記|α|が0°以上、45°未満のハロゲン原子以外の一価の官能基である。|α|が0°となるのは、Rがイミド基のカルボニル酸素と強く相互作用するルイス酸性を有した置換基の場合であり、こうした場合にはRによる二面角の形成をRが阻害し、十分な溶解性を確保できない可能性があることから、|α|の下限は、好ましくは10°、より好ましくは20°である。また、大きな捻れを生じさせる置換基は、Rによって生じた二面角を更に増大し、好ましい範囲を逸脱させるおそれがあることから、|α|の上限は、好ましくは43°である。
の具体例としては、下記表4に|α|を示す水素原子又は官能基のような立体的に小さい水素原子又は官能基が挙げられ、この内、水素原子又は水酸基などの、立体的に小さく、ルイス酸性が小さい水素原子又は官能基が好ましい。
Figure 2010053071
<R〜R
〜Rは、各々独立に、水素原子、水酸基、又は炭素数1〜10のハロゲン原子以外の一価の有機基を示すが、R〜Rのうち、隣接する2つの基が互いに結合してベンゼン環に縮合する、炭素数20以下の環を形成してもよい。
〜Rとしての炭素数1〜10の有機基としては、特に限定されないが、各基の分子量が大きくなると相対的なイミド基含量が低下するため、炭素数3以下の有機基であることが好ましい。
〜Rの具体例としては、各々独立に、水素原子、炭化水素基、芳香族基(複素環基を含む)、カルボニル基(アルデヒド、ケトン、エステル、アミド等)、アルコキシ基、アシロキシ基、アルキルチオ基、アリ−ロキシ基、ジアルキルアミノ基が挙げられる。R〜Rが炭化水素基の場合、炭素数が10以下であれば置換基を有していてもよく、該置換基としては、複素環基、カルボニル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルキルチオ基、アリ−ロキシ基、シリル基が挙げられる。
〜Rとしては、各々独立に、水素原子、水酸基又はメチル基であることが好ましい。
<R〜Rの水酸基>
本発明のビスイミドフェノール化合物においては、R〜Rのうち、いずれか一つは水酸基である必要がある。
これは、本発明のビスイミドフェノール化合物を原料モノマーとして用いて高分子量化する場合に、反応可能な置換基がないと重合できないこと、また、最も汎用性の高い反応性の置換基が水酸基であることによる。
ただし、一分子中に水酸基が3個以上あり、3官能以上になるとゲル化するので、R〜Rのいずれか一つずつが水酸基であり、一分子中のイミド基に結合した2個のベンゼン環に各々1個ずつの水酸基が結合していればよい。
<R
は、各々独立に、炭素数1〜10のハロゲン原子以外の一価の有機基を示し、1つのベンゼン環上でRが隣接する位置にある場合、隣接する2つのRは互いに結合してベンゼン環に縮合する、炭素数20以下の環を形成していてもよい。
としては、炭素数1〜10のハロゲン原子以外の有機基であれば、特に限定されないが、各基の分子量が大きくなると、相対的なイミド基含量が低下するため、炭素数3以下の有機基であることが好ましい。
の具体例としては、各々独立に、炭化水素基、芳香族基(複素環基を含む)、カルボニル基(アルデヒド、ケトン、エステル、アミド等)、ジアルキルアミノ基が挙げられる。Rが炭化水素基の場合、炭素数が10以下であれば置換基を有していてもよく、該置換基としては、複素環基、カルボニル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルキルチオ基、アリ−ロキシ基、シリル基が挙げられる。
なお、R〜Rは、ハロゲン原子でないため、近年の脱ハロゲン化の流れの中で、ハロゲン濃度が低くなり、優れている。
<n>
nは0〜3の整数であるが、nが大きく、ビスイミドフェノール化合物の分子量が大きくなると、相対的なイミド基含量が低下するため、nは0又は1が好ましい。
<対称性>
本発明のビスイミドフェノール化合物において、−C(CF−基で連結される左右の環構造のベンゼン環部分に結合するR〜Rと、Rの個数を表すnは、左右で各々同一でも異なってもよいが、同一の方が分子の対称性がよく、高分子量化した際にイミドの特徴である凝集力を損なわないことから好ましい。
<分子量>
本発明のビスイミドフェノール化合物の分子量の下限は654であるが、その上限としては、1200以下、特に1000以下、とりわけ800以下であることが好ましい。
本発明のビスイミドフェノール化合物の分子量が過度に小さいと、本発明のビスイミドフェノール化合物の分子設計が不可能であり、逆に過度に大きいと、ビスイミドフェノール化合物中のイミド基含量が小さくなり、好ましくない。
<イミド基含量>
本発明のビスイミドフェノール化合物のイミド基含量(本発明のビスイミドフェノール化合物1g当たりのイミド基のモル量)は、イミド基含量の多い、耐熱性高分子材料の原料モノマーとして有用なビスイミドフェノール化合物となり得ることから、0.22mmol/g以上、特に0.8mmol/g以上、とりわけ1.5mmol/g以上であることが好ましい。なお、イミド基含量の最大値は、理論的には3.05mmol/gである。
イミド基含量等の本発明のビスイミドフェノール化合物の構造は、H−NMR(核磁気共鳴スペクトル分析法:重ジメチルスルホキシド溶媒)、IR(赤外線吸収スペクトル法)、MS(質量分析法)によって確認することができる。
<溶剤に対する溶解度>
本発明のビスイミドフェノール化合物は、ケトン系溶剤に対する溶解度が非常に高い。具体的には、本発明のビスイミドフェノール化合物の内、好ましいものは、ケトン系溶剤に対し、60℃で0.5重量%以上の溶解度を示し、更に好ましいものは3.0重量%以上の溶解度を示し、特に好ましいものは6.0重量%以上の溶解度を示し、最も好ましいものは8.0重量%以上の溶解度を示す。
ここで、ケトン系溶剤とは、ケトン基を有する液体を指す。中でも、ビスイミドフェノールの反応を妨げないように非プロトン性であることが望ましく、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジイソプロピルケトン、ジ−tert−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキシルメチルケトン、アセトフェノン、アセチルアセトン等が挙げられる。
これらの溶剤に対する溶解度がごく僅かであっても、部分的にでも溶解していれば温度や時間をかけることで反応は進行するが、実際の作業性を考慮すると溶解度は高いことが好ましい。
なお、本発明のビスイミドフェノール化合物の溶剤に対する溶解度の測定方法は以下の通りである。
{溶解度の測定方法}
サンプル瓶に、ビスイミドフェノール化合物と溶剤を入れ、時々手で振り混ぜながら、油浴中で60℃で2時間加熱した際の溶解性を目視で確認する。高濃度から測定を開始し、溶け残りがある場合には少量ずつ溶剤を足して濃度を下げ、完全に溶解した時点の濃度を溶解度とする。
<用途>
本発明のビスイミドフェノール化合物の用途としては、例えば、耐熱性に優れたエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボート樹脂、フェノール樹脂等の製造原料モノマー等として有用である。
[ビスイミドフェノール化合物の製造方法]
本発明のビスイミドフェノール化合物の製造方法には特に制限はないが、例えば、下記一般式(II)で表されるアミノフェノールと、下記一般式(III)で表される芳香族カルボン酸二無水物を脱水縮合させる本発明の製造方法により製造することができる。
Figure 2010053071
(一般式(II)において、R〜Rはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
Figure 2010053071
(一般式(III)において、R及びnはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
前記一般式(II)で表されるアミノフェノール(以下、単に「アミノフェノール」と称す。)と、前記一般式(III)で表される芳香族カルボン酸二無水物(以下単に「芳香族カルボン酸二無水物」と称す。)の脱水縮合は、フェノール性水酸基によるエステル生成の副反応を最小化する観点から、イミド閉環(脱水)が起こらない温度条件でこれらの原料をアミック酸としてから(以下「一段目反応」と称す場合がある。)、反応温度を上げてイミド環を形成させる(以下「二段目反応]と称す場合がある。)手法で行うのが好ましい。
アミック酸を生成させる際に、活性プロトンが存在すると酸無水物基と副反応を起こし、アミック酸の生成を阻害することから、アミック酸の生成は非プロトン性の有機溶剤中で加熱して行うのが好ましい。
アミック酸からイミド環を形成させる脱水反応は、生成したアミック酸を更に加熱して行ってもよく、また、脱水剤を用いて行ってもよい。この脱水反応は、溶剤存在下でも不在下でも構わない。
以下、アミノフェノールと芳香族カルボン酸二無水物との脱水縮合反応による本発明のビスイミドフェノール化合物の製造方法につき、詳細に説明する。
<アミノフェノール>
前記一般式(II)で表されるアミノフェノールとしては、例えば、次のようなものが挙げられる。
(|α|=51°〜60°のもの)
<安息香酸類:R=COOH>
2−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−エチル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−プロピル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−エトキシ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−アセチルアミノ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,6−ジメチル安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−エチルチオ安息香酸、2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸、5−アセチル−2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−アセチル−2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸、2−アミノ−5−エトキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−5−ベンジロキシ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−4−メチル−5−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−4−メトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−6−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、6−アミノ−3−エチル−2−ヒドロキシ安息香酸
<安息香酸メチル類:R=COOMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸メチル、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸メチル、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸メチル、2−アミノ−5−エトキシ−3−ヒドロキシ安息香酸メチル、3,4−メトキシカルボニル−2−アミノフェノール、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−アセチルアミノ安息香酸メチル、2−アミノ−3−ヒドロキシ−6−[(2−トリメチルシリルエトキシ)メトキシ]安息香酸メチル、2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル、5−アセチル−2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸メチル、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニル安息香酸メチル、2−アミノ−5−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−4−メトキシカルボニル−5−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−4−ベンゾイルオキシ−5−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−4−メトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸メチル、2−アミノ−6−ヒドロキシ安息香酸メチル、6−アミノ−3−エチル−2−ヒドロキシ安息香酸メチル
<アセトフェノン類:R=COMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシアセトフェノン、2−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルアセトフェノン、2−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルアセトフェノン、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,6−ジメチルアセトフェノン、2−アミノ−4−ヒドロキシアセトフェノン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−プロピルアセトフェノン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−フェニルアセトフェノン、2−アミノ−5−ヒドロキシアセトフェノン、2−アミノ−3−メトキシ−5−ヒドロキシアセトフェノン、2−アミノ−5−ヒドロキシ−6−メチルアセトフェノン、2−アミノ−6−ヒドロキシアセトフェノン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−4−メチルアセトフェノン
<ジメチルアニリン類:R=NMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−5−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン
<アセチルアニリン類:R=NHCOMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−5−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−4−カルボキシ−5−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−4−エトキシカルボニル−5−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−4−アセチル−5−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−N−アセチルアニリン
<スルホン酸メチル類:R=SOMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシフェニルスルホン酸メチル、2−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホン酸メチル、2−アミノ−5−ヒドロキシフェニルスルホン酸メチル、2−アミノ−6−ヒドロキシフェニルスルホン酸メチル
<メチルスルホン類:R=SOMe>
(2−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メチルスルホン、(2−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メチルスルホン、(2−アミノ−5−ヒドロキシフェニル)メチルスルホン、(2−アミノ−6−ヒドロキシフェニル)メチルスルホン
<アミノフェノール類:R=Me>
4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,5−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,3,6−トリメチルフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノ−4−メチルフェノール、3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール、3−アミノ−2,5−ジメチルフェノール、5−アミノ−2,4−ジメチルフェノール、5−アミノ−3,4−ジメチルフェノール、5−アミノ−2,3,4−トリメチルフェノール、5−アミノ−2,3,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,4−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,5−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,4,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,5,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,4,5−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,4,5,6−テトラメチルフェノール
2−アミノ−6−イソプロピル−3−メチルフェノール、2−アミノ−4,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノール、2−アミノ−3−メチル−6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−アミノ−2,3−ジメチル−6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−アミノ−3−メチル−5−(2−トリル)フェノール、2−(1−アダマンチル)−5−アミノ−4−メチルフェノール、4−アミノ−2−イソプロピル−5−メチルフェノール、4−アミノ−2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、4−アミノ−2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール、4−アミノ−2−(1,1−ジメチルプロピル)−5−メチルフェノール、4−アミノ−5−メチル−2−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、4−アミノ−2−(4−シクロヘキシルブチル)−5−メチルフェノール、4−アミノ−6−エチル−2,3−ジメチルフェノール、2−ヒドロキシ−6−メチル−3−アニシジン、2−ヒドロキシ−3,4−ジメチル−5−アニシジン、2−ヒドロキシ−6−メチル−4−アニシジン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−アニシジン、5−ヒドロキシ−3−メチル−4−アニシジン、5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−アニシジン、2−アミノ−5−ヘキサデシルオキシ−4−イソブチル−3−メチルフェノール、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−3−イソプロピル−6−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸、3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸メチル、4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸メチル、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3−メチルアセトフェノン、4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチルアセトフェノン、2−アミノ−4−シアノ−3,5−ジメチルフェノール、N,N−ジメチル−3−アミノ−4,5−ジメチル−2−ヒドロキシベンズアミド、N,N−ジメチル−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−メチルベンズアミド、2−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルメチル)−3−メチルフェノール、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3−メチルベンゾフェノン、4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾフェノン、2−アセトキシ−4−アミノ−6−イソプロピル−3−メチルフェノール、2−アセチルアミノ−4−アミノ−5−メチルフェノール、4−アセチルアミノ−2−アミノ−3−メチルフェノール、6−アセチルアミノ−2−アミノ−3−メチルフェノール、N,N−ジベンジル−2−(4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパンアミド、2−アミノ−3−メチル−4,6−ビス(N−ピペリジニルメチル)フェノール、4−アミノ−3−メチル−2,6−ビス(N−ピペリジニルメチル)フェノール、2−アミノ−3−メチル−4,6−ビス(N−ピロリジニルメチル)フェノール、4−アミノ−3−メチル−2−(3−チオフェニル)フェノール、4−アミノ−3−メチル−6−(3−チオフェニル)フェノール、4−アミノ−3−メチル−6−(3−チオフェニルメチル)フェノール
(|α|=48°〜75°のもの)
<R=Et>
3−アミノ−2−エチルフェノール、4−アミノ−3−エチルフェノール、4−アミノ−3−エチル−2,6−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジエチルフェノール、3−アミノ−4−エチルフェノール、5−アミノ−4−エチル−2−メトキシカルボニルフェノール、2−アミノ−3−エチルフェノール、2−アミノ−3,5−ジエチルフェノール
<R=iPr>
3−アミノ−2−イソプロピルフェノール、4−アミノ−3−イソプロピルフェノール、4−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール、2−アセチル−4−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール、4−アミノ−6−カルボキシ−3−イソプロピルフェノール、4−アミノ−2,5−ジイソプロピルフェノール、3−アミノ−4−イソプロピルフェノール、2−アミノ−3−イソプロピルフェノール、2−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール
<R=OMe>
3−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−5−メチル−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−2,5−ジメトキシアニリン、5−アセチル−4−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−5−エトキシカルボニル−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2,5−ジメトキシアニリン、4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−2−アニシジン、5−アセチル−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−アニシジン、4−アミノ−2,3−ジメトキシ−6−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメトキシフェノール、4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−4−メチル−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−2,4−ジメトキシアニリン、5−ヒドロキシ−3−メチル−2,4−ジメトキシアニリン、5−ヒドロキシ−4−ベンゾイルアミノ−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−4−アセチルアミノ−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−アセチル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−[2−(N,N−ジプロピルアミノ)エチル]−2−アニシジン、2−ヒドロキシ−3−カルボキシメチル−4,6−ジメトキシアニリン、6−ヒドロキシ−2,4−ジメトキシアニリン、3−ヒドロキシ−2,4−ジメトキシアニリン、2,3,4−トリメトキシ−6−アミノフェノール
<R=SMe>
2−メチルチオ−3−アミノフェノール、3−メチルチオ−4−アミノフェノール、4−メチルチオ−3−アミノフェノール、2−メトキシ−4−メチルチオ−5−アミノフェノール、2,4−メチルチオ−5−アミノフェノール、3−メチルチオ−2−アミノフェノール
<R=CONH>
2−アミノ−6−ヒドロキシベンズアミド、2−アミノ−5−ヒドロキシベンズアミド、2−アミノ−4−ヒドロキシベンズアミド、5−アセチル−2−アミノ−4−ヒドロキシベンズアミド、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メトキシカルボニルベンズアミド、2−アミノ−4−ヒドロキシ−5−エトキシカルボニルベンズアミド、2−アミノ−3−ヒドロキシベンズアミド、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチルベンズアミド
(|α|=45°〜90°のもの)
<R=tBu>
3−アミノ−2−tert−ブチルフェノール、3−アミノ−2,5−ジ−tert−ブチルフェノール、3−アミノ−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−アミノ−3−tert−ブチルフェノール、4−アミノ−2,5−ジ−tert−ブチルフェノール、3−アミノ−4−tert−ブチルフェノール、5−アミノ−2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−アミノ−3−tert−ブチルフェノール、2−アミノ−3,5−ジ−tert−ブチルフェノール、2−アミノ−3,6−ジ−tert−ブチルフェノール
<R=Ph>
3−アミノ−2−フェニルフェノール、4−アミノ−3−フェニルフェノール、4−アミノ−2,5−ジフェニルフェノール、3−アミノ−4−フェニルフェノール、5−アミノ−2−メトキシカルボニル−4−フェニルフェノール、2−アミノ−3−フェニルフェノール
<R=SiMe>
3−アミノ−2−トリメチルシリルフェノール、4−アミノ−3−トリメチルシリルフェノール、3−アミノ−4−トリメチルシリルフェノール、2−アミノ−3−トリメチルシリルフェノール
<R=CONHMe>
2−アミノ−6−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、2−アミノ−5−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、2−アミノ−4−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、2−アミノ−3−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド
中でも、分子量が小さく、置換基の反応性が低いことから、以下のものが好ましい。
<R=NMe>
2−アミノ−3−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−5−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン、2−アミノ−6−ヒドロキシ−N,N−ジメチルアニリン
<R=Me>
4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,5−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,3,6−トリメチルフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、3−アミノ−4−メチルフェノール、3−アミノ−2,6−ジメチルフェノール、3−アミノ−2,5−ジメチルフェノール、5−アミノ−2,4−ジメチルフェノール、5−アミノ−3,4−ジメチルフェノール、5−アミノ−2,3,4−トリメチルフェノール、5−アミノ−2,3,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3−メチルフェノール、2−アミノ−3,6−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,4−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,5−ジメチルフェノール、2−アミノ−3,4,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,5,6−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,4,5−トリメチルフェノール、2−アミノ−3,4,5,6−テトラメチルフェノール、2−アミノ−6−イソプロピル−3−メチルフェノール、4−アミノ−2−イソプロピル−5−メチルフェノール、4−アミノ−6−エチル−2,3−ジメチルフェノール、2−ヒドロキシ−6−メチル−3−アニシジン、2−ヒドロキシ−3,4−ジメチル−5−アニシジン、2−ヒドロキシ−6−メチル−4−アニシジン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−アニシジン、5−ヒドロキシ−3−メチル−4−アニシジン、5−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−アニシジン、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸、5−アミノ−2−ヒドロキシ−3−イソプロピル−6−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−3,6−ジメチル安息香酸、3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸メチル、4−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸メチル
<R=Et>
3−アミノ−2−エチルフェノール、4−アミノ−3−エチルフェノール、4−アミノ−3−エチル−2,6−ジメチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジエチルフェノール、3−アミノ−4−エチルフェノール、2−アミノ−3−エチルフェノール、2−アミノ−3,5−ジエチルフェノール
<R=iPr>
3−アミノ−2−イソプロピルフェノール、4−アミノ−3−イソプロピルフェノール、4−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール、2−アセチル−4−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール、4−アミノ−2,5−ジイソプロピルフェノール、3−アミノ−4−イソプロピルフェノール、2−アミノ−3−イソプロピルフェノール、2−アミノ−3−イソプロピル−6−メチルフェノール
<R=OMe>
3−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−5−メチル−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−アニシジン、5−アセチル−4−ヒドロキシ−2−アニシジン、4−ヒドロキシ−3−メチル−5−メトキシ−2−アニシジン、5−アセチル−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−アニシジン、4−アミノ−2,3−ジメトキシ−6−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメトキシフェノール、5−ヒドロキシ−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−4−メチル−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−アニシジン、5−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−メチル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−アセチル−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−5−[2−(N,N−ジプロピルアミノ)エチル]−2−アニシジン、6−ヒドロキシ−2,4−ジメトキシアニリン、3−ヒドロキシ−2,4−ジメトキシアニリン、2,3,4−トリメトキシ−6−アミノフェノール
これらのうち、特に、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメチルフェノール、3−アミノ−2−メチルフェノール、2−アミノ−3−メチルフェノールなどが、得られるビスイミドフェノール化合物の溶解性と凝集力のバランスや、入手の容易さから好ましい。
これらのアミノフェノールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、対称性のよいビスイミドフェノール化合物を製造する上で、好ましくは1種のみを用いる。
<芳香族カルボン酸二無水物>
前記一般式(III)で表される芳香族カルボン酸二無水物としては、例えば、2,2’,3,3’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ジフェニルプロパン)テトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ジフェニルプロパン)テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ジフェニルプロパン)テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。中でも、それ自体の分子の対称性がよく、ビスイミドフェノール化合物全体としての対称性をよくしてイミドの性質を十分に発揮させ、前記|α|を適切に設定することで必要な溶解性を確保することができ、また、入手容易であることから、3,3’,4,4’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ジフェニルプロパン)テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<溶剤>
一段目反応に用いられる溶剤は、前述の如く、活性プロトンが存在すると酸無水物基と反応する可能性があり、アミック酸生成を妨げることから、非プロトン性有機溶剤が好ましい。二段目反応に溶剤を用いる場合、その溶剤には特に制限はない。この場合、アミック酸を生成する一段目反応とイミド環を生成する二段目反応で用いる溶剤は、同一でも異なってもよいが、簡便性の点では、溶剤交換の煩雑さを避けるために同一とするか、或いは異なる溶剤を用いる場合は二段目反応において、更に別の溶剤を追加するようにすることが好ましい。
一段目のアミック酸を生成する際に用いる有機溶剤は、芳香族カルボン酸二無水物とアミノフェノールを部分的にでも溶解可能で、かつ反応条件において原料と反応しない非プロトン性有機溶剤であればよく、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クメン、アニソール等の芳香族系溶剤などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。混合して用いる場合は、反応初期から混合されていてもよく、また反応の途中で添加されてもよい。
<原料比率・原料温度>
反応に供する芳香族カルボン酸二無水物とアミノフェノールとのモル比率は、両原料が残留しない反応当量の1:2が最も好ましい。しかしながら、除去容易なアミノフェノールが芳香族カルボン酸二無水物に対し、必要量以上(芳香族カルボン酸二無水物1モルに対し2モル以上)であっても構わない。即ち、アミノフェノールは酸処理によって水溶化するため、反応後に残留しても除去が容易である。一方、酸無水物基は、アルカリ処理によってジカルボン酸のアルカリ塩とし、水溶化することは可能であるが、生成したビスイミドフェノールもアルカリ塩となることから、アミノフェノールに比べて芳香族カルボン酸二無水物は、分離、精製しにくい。反応に供する芳香族カルボン酸二無水物とアミノフェノールのモル比率としては、芳香族カルボン酸二無水物:アミノフェノールが1:2〜1:4が好ましく、1:2〜1:3が更に好ましく、1:2が特に好ましい。
一段目反応と二段目反応を溶剤を用いて行う場合、アミノフェノールの反応溶液中濃度としては0.2〜95重量%、特に1〜55重量%、とりわけ3〜35重量%とすることが好ましい。また、芳香族カルボン酸二無水物の反応溶液中濃度としては0.02〜88重量%、特に2〜64重量%、とりわけ、5〜50重量%とすることが好ましい。
また、反応溶液中の芳香族カルボン酸二無水物とアミノフェノールの合計濃度は特に限定されないが、作業性の問題から、アミック酸を生成する一段目反応では8〜85重量%が好ましく、イミド環を生成する二段目反応では5重量%以上が好ましい。なお、この二段目反応は無溶剤で行われても構わない。
<触媒>
一段目反応も、二段目反応も、多くの場合、無触媒でも十分に反応は進行するが、必要に応じて触媒を用いてもよい。触媒としては、例えばピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンのような芳香族アミン;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、N,N’−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−メチルピペリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、ウロトロピン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンのような3級アミン化合物;酢酸、トリフルオロ酢酸、フェノール化合物、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ホウ酸、リン酸のようなブレンステッド酸性化合物;アルカリ金属、アルカリ土類金属、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモン、ビスマス、ランタノイド類、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、マンガン、レニウム、鉄、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛等を含むルイス酸性化合物等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
触媒の使用量には特に制限はないが、反応点となる酸無水物基に対して概ね10モル%以下、例えば1〜5モル%程度とするのが好ましい。
なお、触媒の有無により、以下に記載する反応条件を変える必要はない。
<脱水剤>
二段目反応の脱水反応を脱水剤を用いる化学的手法で行う場合、その方法としては、例えば無水酢酸とピリジンのように酸無水物と塩基を併用する方法や、酸ハライドと塩基を併用する方法、またN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカルボジイミド系化合物やリン酸系の脱水縮合剤を用いる方法が挙げられる。
これらの脱水剤の使用量としては特に制限はないが、例えば酸無水物基に対して1.0〜2.0モル当量程度とすることが好ましい。
これらの脱水剤を用いる場合、一段目反応終了後に、上記適当量の脱水剤を反応系に添加して二段目反応を行えばよい。
<反応条件>
反応温度、反応時間などの反応条件は、イミド環が生成される条件であればよいが、作業性の観点から以下の範囲内が好ましい。
即ち、アミック酸を生成する一段目反応では、反応温度は、イミドの閉環反応(脱水)が起こらない条件が望ましいことから、上限として110℃が好ましく、100℃が更に好ましく、95℃が特に好ましく、90℃が最も好ましい。また、同下限は、低すぎると反応速度が遅くなり効率が低下することから、5℃が好ましく、40℃が更に好ましく、60℃が特に好ましい。この一段目反応のアミック酸の生成反応の反応時間は温度にもよるが、下限が通常0.5時間、好ましくは1時間、同上限が通常12時間、好ましくは6時間である。
反応圧力は、常圧または加圧が好ましく、常圧が更に好ましい。
一段目反応において、加熱時の突沸を防ぐため、反応系を撹拌することが好ましく、撹拌にはメカニカルスターラーやマグネチックスターラーを用いることができる。撹拌速度は特に限定されない。
二段目反応のイミド環の生成段階で、加熱による脱水を行う場合の反応温度は、水が揮発して反応系外に除去されるに十分な温度が必要であることから、下限は好ましくは120℃、より好ましくは130℃、特に好ましくは140℃であり、同上限は、生成物の熱分解を防ぐ観点から、好ましくは250℃、より好ましくは200℃がよい。脱水反応は、除去された水の量が理論量に達するまで行われ、ほとんどの場合24時間以内である。
脱水剤を用いる化学的手法によって脱水を行う場合の反応温度は、水を加熱留去する必要性がないことから、通常5〜100℃とする。
脱水剤を用いて脱水を行う場合、溶剤を必要とするが、加熱による脱水を行う場合は、溶剤は存在してもしなくてもよく、例えばある溶剤中でアミック酸を生成させた後に、別の高沸点の溶剤に置換して加熱脱水を行ったり、或いはアミック酸から溶剤を留去して無溶剤で加熱脱水を行ったりすることもできる。
二段目反応において、溶剤を用いる場合、反応圧力は常圧でよく、溶剤を用いない場合には常圧でも減圧でもよいが、脱水をスムーズに進行させるためには減圧であることが好ましい。また、溶剤を用いる場合、一段目反応と同様に加熱時の突沸を防ぐため、反応系を撹拌することが好ましく、撹拌にはメカニカルスターラーやマグネチックスターラーを用いることができる。撹拌速度は特に限定されない。
二段目反応を無溶剤で行う場合には継続的な撹拌は不要である。
<その他の添加剤>
本発明の方法では、本発明の反応を大幅に妨げなければ、反応系に、酸化防止剤、界面活性剤等の添加剤を加えてもよいが、イミド化の反応を妨げないよう必要最低限に止めるべきであり、これらの添加剤を添加する場合、添加量は原料の5重量%以下とすることが好ましい。
これらの添加剤としては、イミド環の形成の点から、原料以外の1級アミン、2級アミン、フェノール類を除くアルコール、原料以外の酸無水物、イソシアネート化合物等以外の物質が好ましい。
<反応の進行状況の確認>
反応の進行は、薄層クロマトグラフィ(TLC)やガスクロマトグラフィ(GC)、液体クロマトグラフィ(LC)等によって原料の消費をモニターすることで確認することができる。また、加熱脱水法においてはより簡便に、除去された水の量によって反応の進行を確認することができる。例えば、溶媒を用いる方法においては、Dean−Stark管を用いることで水の量を測定することができ、溶媒を用いない方法においては、重量の減少によって除去された水の量を知ることができ、これによって反応の進行を確認することができる。
<生成物の回収、精製>
一段目反応及び二段目反応を経て生成したビスイミドフェノール化合物は、溶剤を用いた場合には溶液となるか、あるいは析出して分散液か沈殿物となる。溶液となっている場合には溶剤を蒸発させて除去したり、又はビスイミドフェノール化合物が溶解しない貧溶媒を混合することで析出させたりして固体として得ることができる。分散液や沈殿物となっている場合にはそのまま濾取することも可能であるし、貧溶媒と混合することでさらに濾取しやすくすることもできる。濾過は加圧、常圧、減圧濾過のいずれを用いてもよい。
濾取したビスイミドフェノールは、原料の比率が適切であれば十分な純度で得られるが、残留アミノフェノールや微量の着色成分等の不純物が問題となる場合には、更に精製することもできる。
精製法としては、ビスイミドフェノールが溶解せず、不純物が溶解する溶剤を用いて洗浄除去する方法が最も簡便であり、この場合、用いる溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;トルエン、キシレン等の芳香族類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。どの溶剤が適切であるかは、ビスイミドフェノールによって異なる。また、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の酸で洗浄することで、残留アミノフェノールをより効率的に除去することができる。
不純物が結晶中に取り込まれて、洗浄では除去が困難である場合には、再結晶法が有効である。再結晶は、濾取したビスイミドフェノールを一旦溶剤に溶解し、貧溶媒を加えて再度析出させた後、濾取することにより行うことができる。ビスイミドフェノールを溶解する溶剤と貧溶媒の組み合わせとしては特に限定されないが、例えばアセトン/水、N−メチルピロリドン/水、N−メチルピロリドン/トルエン等が挙げられる。更にこれを濾取した後、前述の洗浄を行ってもよい。
ビスイミドフェノールの乾燥法は特に限定されず、加温されていてもいなくてもよく、減圧されていてもいなくてもよい。
上記の好ましい条件で反応及び精製を行えば、収率は良好であり、通常、本発明の方法によれば、80〜100%の収率で目的とするビスイミドフェノール化合物を得ることができる。
なお、不純物として混入する可能性のあるものとしては、例えば、未反応の原料、アミノフェノール中に含まれる不純物のジアミンが反応してできたイミドオリゴマー、残留溶剤、アミンの酸化物等が挙げられる。
[高分子化合物]
本発明の高分子化合物は、上述の本発明のビスイミドフェノール化合物を原料モノマーの少なくとも一部として用い、これを重合するか、或いは他のモノマーと共重合してなるものであり、具体的にはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下において、純度を示す「%」はすべて「重量%」である。
また、合成された化合物のH−NMRは、Bruker AV400Mを用いて、重DMSO(ジメチルスルホキシド)溶媒中、室温で測定した。また、IRは、FT/IR−230(日本分光(株)製)を用いて、KBr錠剤を作成し、透過法で測定した。MSはPolaris Q((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用い、イオン源温度200℃、イオン化法はEI、イオン化エネルギー70eVで、直接導入法で測定した。
[実施例1]
メカニカルスターラー、Dean−Stark管、及び環流冷却管を装備した2Lフラスコに、6FDA((株)ダイキンファインケミカル研究所製、純度99.7%)(製品名)(又は3,3’,4,4’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ジフェニルプロパン)テトラカルボン酸二無水物(別名))100g(225mmol)とN−メチルピロリドン(三菱化学(株)製、純度99.9%)300mlを加え、撹拌しながら4−アミノ−m−クレゾール(製品名)(又は4−アミノ−3−メチルフェノール(別名))(和光純薬工業(株)製、純度98%以上)55g(450mmol)を少量ずつ投入した。これを80℃の油浴で2時間加熱した後、トルエン150mlを加え、油浴温度を160℃に上げた。トルエンが還流開始してから3時間後、Dean−Stark管にほぼ理論量の水が留出したことを確認し、油浴を外して室温まで撹拌しながら冷却した。ここに1.5Lの水を加えると、生成物が析出した。これをブフナー漏斗で濾取し、3Lの水、1Lのエタノールで洗浄した後、135℃で減圧乾燥して溶剤を除去し、下記式(A1)で表される薄黄色のN,N’−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−(ビス(トリフルオロメチル)メチレン)ジフタルイミドを得た。収量132.5g(203mmol、収率90%)。この化合物において、一般式(I)のRに相当するメチル基(Me)の|α|は55.8°である。
Figure 2010053071
この化合物の分析結果は以下の通りである。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ2.05(6H,s,-CH3),6.70(2H,dd,J=2.4,8.4Hz,Ar-H),6.76(2H,d,J=2.4Hz,Ar-H),7.14(2H,d,J=8.4Hz,Ar-H),7.79(2H,s,Ar-H),7.94(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),8.15(2H,d,J=8.0Hz,Ar-H),9.72(2H,s,-OH)
IR(KBr):3473,1782,1718,1610,1591,1506,1460,1437,1387,1300,1257,1155,1111,984,966,852,750,725,700cm-1
MS:m/z654([M+],100%),655([M+]+1,31.4%),656([M+]+2,6.3%),657([M+]+3,1.0%)
[比較例1]
6FDAを3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(三菱化学(株)製、純度99.8%)100g(340mmol)とし、4−アミノ−m−クレゾール(製品名)(又は4−アミノ−3−メチルフェノール(別名))(和光純薬工業(株)製、純度98%以上)の量を84g(680mmol)とした以外は実施例1と同様に行って、下記式(B1)で表されるN,N’−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−ジフタルイミドを得た。収量167g(332mmol、収率98%)。この化合物において、一般式(I)のRに相当するメチル基(Me)の|α|は55.8°である。
Figure 2010053071
[比較例2]
6FDAを4,4’−オキシジフタル酸無水物(製品名)(東京化成工業(株)製、純度98%)100g(322mmol)とし、4−アミノ−m−クレゾール(製品名)(又は4−アミノ−3−メチルフェノール(別名))(和光純薬工業(株)製、純度98%以上)の量を79g(644mmol)とした以外は実施例1と同様に行って、下記式(B2)で表されるN,N’−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−オキシジフタルイミドを得た。収量164g(316mmol、収率98%)。この化合物において、一般式(I)のRに相当するメチル基(Me)の|α|は55.8°である。
Figure 2010053071
[比較例3]
6FDAを3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業(株)製、純度96%以上)100g(279mmol)とし、4−アミノ−m−クレゾール(製品名)(又は4−アミノ−3−メチルフェノール(別名))(和光純薬工業(株)製、純度98%以上)の量を69g(558mmol)とした以外は実施例1と同様に行って、下記式(B2)で表されるN,N’−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−スルホニルジフタルイミドを得た。収量136g(240mmol、収率86%)。この化合物において、一般式(I)のRに相当するメチル基(Me)の|α|は55.8°である。
Figure 2010053071
[比較例4]
6FDAを3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(和光純薬工業(株)製、純度96%以上)100g(310mmol)とし、4−アミノ−m−クレゾール(製品名)(又は4−アミノ−3−メチルフェノール(別名))(和光純薬工業(株)製、純度98%以上)の量を76g(620mol)とした以外は実施例1と同様に行って、下記式(B4)で表されるN,N’−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4,4’−オキソメチレンジフタルイミドを得た。収量164g(309mmol、収率99%)。この化合物において、一般式(I)のRに相当するメチル基(Me)の|α|は55.8°である。
Figure 2010053071
[溶解性の比較]
溶剤としてシクロヘキサノン(和光純薬工業(株)製、グレードS、純度99%以上)を用い、60℃に加熱した状態での溶解度を、前述の溶解度の測定方法に従って、目視で測定した。結果を表5に示した。
Figure 2010053071
以上の結果から、連結基部分にトリフルオロメチル基を有することが、ビスイミドフェノールの溶剤溶解性向上に非常に効果が高いことが分かる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表されるビスイミドフェノール化合物。
    Figure 2010053071
    (一般式(I)において、Rは、以下に定義される|α|が45゜以上、90゜以下となる一価の官能基を示し、Rは、水素原子又は以下に定義される|α|が0゜以上、45゜未満となる一価の官能基を示す。
    、R及びRは、各々独立に、水素原子、水酸基又は炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
    は、炭素数1〜10の有機基を示すが、隣接する2つの基が結合してベンゼン環に縮合する炭素数20以下の環を形成してもよい。
    nは0〜3の整数である。
    複数のR〜Rは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、R〜Rはハロゲン原子であることはなく、また、各R〜Rのうちのいずれか一つは水酸基であることにより、化合物中には2個の水酸基を有する。)
    {|α|の定義}
    |α|とは、下記式(I−1)に示す構造において、理論計算に基づいた最安定構造を算出した際、2つの共役平面の成す二面角αの絶対値である。
    Figure 2010053071
    (式中、RはR又はRに該当する。)
    ここで、二面角の理論計算は、OSとして「Microsoft社製Windows XP Professional Version 2002 Service Pack2」、ソフトに「Gaussian社製Gaussian03 x86-Win32版Rev.B.05」を用いて、AM1法(オプションとして「opt=verytight」を指定)により、最安定構造を計算して行われる。
    αとしては、隣接する4つの原子、C(イミドのカルボニル炭素)−N(イミドの窒素)−C(芳香環)−C(芳香環)の成す以下の(1)〜(4)の4種の二面角の内、絶対値が最小のものとする。なお、C〜Cは下記式(I−Ia)に示される。
    (1) C−C−N−C
    (2) C−C−N−C
    (3) C−C−N−C
    (4) C−C−N−C
    Figure 2010053071
    (式中、RはR又はRに該当する。)
  2. 下記一般式(II)で表されるアミノフェノールと、下記一般式(III)で表される芳香族カルボン酸二無水物とを脱水縮合させることを特徴とする、請求項1に記載のビスイミドフェノール化合物の製造方法。
    Figure 2010053071
    (一般式(II)において、R〜Rはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
    Figure 2010053071
    (一般式(III)において、R及びnはそれぞれ一般式(I)におけると同義である。)
  3. 請求項1に記載のビスイミドフェノール化合物をモノマーの少なくとも一部として重合して得られる高分子化合物。
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