上記のアンテナ設置支援装置の一実施形態であるアンテナ設置支援装置1について、図1〜図5を参照して説明する。アンテナ設置支援装置1は、複数のRFIDタグ(無線通信機器の一例)2と、RFIDタグ2と無線信号の送受信を行うアンテナ3とを備えた無線通信システム4において、アンテナ3の設置位置を決定する際に使用される。
図1に、無線通信システム4の概要図を示す。本実施形態では、無線通信システム4として、折畳みコンテナの貸出管理ソリューションを示している。
RFIDタグ2はパッシブ型であり、貸出管理のために必要な情報が埋め込まれ、アンテナ3からの電波をエネルギー源として動作し、アンテナ3からの電波の一部を反射波として情報を乗せて返す。このRFIDタグ2は、折畳みコンテナ5の所定箇所(折り畳まれた状態の側部)にそれぞれ取り付けられている(図1中、「○」を付して示している)。折畳みコンテナ5は、折り畳まれた状態で方形の板状であり、鉛直方向に積み重ねられて台車6に搭載されて運搬される。図1に示す例では、100個の折畳みコンテナ5が4つの山に分けて台車6に搭載されている。そして、台車6は、ラインLa,Lbで挟まれた間隔L[m]のゲート7の間を移動速度V[m/s]で移動する。このとき、ラインLa側の2つの山の折畳みコンテナ5は、RFIDタグ2がラインLa側を向くように積み重ねられ、ラインLb側の2つの山の折畳みコンテナ5は、RFIDタグ2がラインLb側を向くように積み重ねられている。
アンテナ3はリーダライタアンテナであり、RFIDタグ2に電波を供給して、通過したゲートの情報等をRFIDタグ2に書き込むと共に、RFIDタグ2からの反射波を受信して、貸出管理のために必要な情報を読み取る。アンテナ3は、ゲート7のラインLa,Lb上に設置されたアンテナポール8に取り付けられている。台車6がゲート7を通過する際に、ラインLa上のアンテナポール8に取り付けられたアンテナ3は、ラインLa側を向いたRFIDタグ2と通信し、ラインLb上のアンテナポール8に取り付けられたアンテナ3は、ラインLb側を向いたRFIDタグ2と通信する。このとき、アンテナ設置支援装置1は、複数のRFIDタグ2と一括で通信できるように、アンテナ3の設置位置(アンテナ3の設置数及び各アンテナ3の設置位置)を決定する。この決定された設置位置に応じて、ラインLa,Lb上でのアンテナポール8の位置及びアンテナポール8上でのアンテナ3の位置が決定される。
図2に、アンテナ設置支援装置1の機能ブロック図を示す。このアンテナ設置支援装置1は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、メモリ(ROM(Read Only Memory)11及び記憶部12)等により構成された電子ユニットを有し、その機能として、図2に示すように、制御部10と、記憶部12とを備えている。また、制御部10には、入力部13、表示部14が接続されている。入力部13は、例えばキーボードやタッチパネル等で構成され、ユーザによる操作の指示入力やデータの入力が行われる。また、表示部14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、操作指示やデータを入力するための入力画面や、入力データを図示する入力結果画面や、後述の出力データを図示する出力画面等が表示される。
記憶部12は、入力データファイル15と、出力データファイル16とを保存している。入力データファイル15には、入力データとして、入力されたRFIDタグ2の位置やアンテナ3の設置候補領域、RFIDタグ2やアンテナ3の送信・受信の放射パターン、後述の電力分布算出処理で用いられる伝搬経路算出のためのパラメータ(反射回数・回折回数等)や伝搬環境モデル等が保存される。出力データファイル16には、出力データとして、後述の電力分布算出処理の結果として取得される伝搬経路や電力分布、決定されたアンテナの設定位置等が保存される。
制御部10は、各種の情報処理を実行するものであり、その機能として、入力制御部と、データ制御部と、表示制御部とを備えている(図示は省略)。入力制御部は、入力部13からの操作指示入力を受け付ける処理や、入力部13からのデータ入力を受け付けてデータを入力データファイル15へ記憶させる処理を実行する。データ制御部は、入力データや出力データの記憶部12への書き込みや読み出しを実行する。表示制御部は、表示部8に表示する表示画面を作成させる処理や、作成された画面を表示部8に表示させる処理を実行する。
さらに、制御部10は、その機能として、機器位置設定部24と、アンテナ設置候補領域設定部25と、電力分布算出部26と、機器位置群算出部27と、電力総和算出部28と、アンテナ設置位置決定部29とを備えている。なお、図2中、放射パターン設定部23は第2実施形態に備えるものであるので、ここでは説明を省略する。
機器位置設定部24は、複数のRFIDタグ2の位置を機器位置(本実施形態ではタグ位置)としてそれぞれ設定する。具体的には、例えば、図1に例示したラインLa側については、タグ位置として、50個のRFIDタグ2の位置P1〜P50が設定される。
アンテナ設置候補領域設定部25は、アンテナ3の設置候補領域を設定する。具体的には、例えば、図1に例示したラインLa側については、アンテナ3の設置候補領域として面Ra(図1中、破線で囲まれた領域)が設定される。
電力分布算出部26は、予め設定された放射パターンを用いて各タグ位置から送信が行われた場合に、アンテナ3の設置候補領域が受ける電力の分布をそれぞれ算出する。具体的には、電力分布算出部26は、入力データファイル15から放射パターンを読み出して用いる。この放射パターンは、RFIDタグ2とアンテナ3の一般的な特性から予め設定されている。
詳細には、電力分布算出部26は、プレ処理部30と、伝搬経路計算部31と、ポスト処理部32とを備えている。プレ処理部30は、計算条件の設定・保存や、入力データファイル15から読み出した放射パターンの離散化処理等を行う。伝搬経路計算部31は、プレ処理部30により処理された放射パターンを用いて、入力データファイル15に保存された反射回数・回折回数等に達するまで、送信点(タグ位置)からの放射電磁波の伝搬経路を計算する。ポスト処理部32は、伝搬経路計算部31による計算の結果から、指定された受信点までの伝搬経路の抽出や、指定された受信点における受信電力の算出を行う。受信点としては、アンテナ3の設置候補領域を部分領域に分割し、各部分領域をそれぞれ代表する候補点を用いる(例えば、中心点)。これにより、アンテナ設置候補領域が受ける電力の分布が算出される。
機器位置群算出部27は、電力分布算出部26の算出結果に基づいて、アンテナ3の設置候補領域の部分領域毎に、部分領域が受ける電力が所定閾値Wth以上となる機器位置(タグ位置)群を算出する。閾値Wthは、RFIDタグ2とアンテナ3とが無線信号の送受信を行う際に十分な電力の範囲として予め定められる。具体的には、機器位置群算出部27は、各部分領域をそれぞれ代表する候補点毎に、候補点がタグ位置から受ける電力を閾値Wthと比較して、比較結果を示す電力フラグを設定する。このとき、機器位置群算出部27は、電力が閾値Wth以上の場合、電力フラグに1を設定し、電力が閾値Wth未満の場合、電力フラグに0を設定する。タグ位置群は、電力フラグの値が1となるタグ位置の集合として示される。
電力総和算出部28は、アンテナ3の設置候補領域の部分領域毎に、部分領域が各タグ位置からそれぞれ受ける電力の総和を算出する。
アンテナ設置位置決定部29は、電力分布算出部26の算出結果に基づいてアンテナ3の設置位置を決定する。詳細には、アンテナ設置位置決定部29は、機器位置群算出部27により算出されたタグ位置群に含まれるタグ位置の数に基づいて、アンテナ3の設置候補領域の部分領域を特定し、特定した部分領域をアンテナ設置位置として決定するものであり、部分領域を特定する第1の特定部33と第2の特定部34とを備える。
第1の特定部33は、機器位置群算出部27による算出結果に基づいて、アンテナ3の設置候補領域の部分領域のうち、全てのタグ位置から受ける電力が閾値Wth以上となる部分領域を特定する。具体的には、第1の特定部33は、電力フラグが全て1となる候補点を特定する。そして、アンテナ設置位置決定部29は、第1の特定部33により特定された部分領域を第1のアンテナ設置位置として決定する。
第2の特定部34は、第1の特定部33によりいずれの部分領域も特定されなかった場合に、アンテナ3の設置候補領域の部分領域のうち、機器位置群算出部27により算出されたタグ位置群に含まれるタグ位置の数が最も多い部分領域を特定する。具体的には、第2の特定部34は、電力フラグの値が1となるタグ位置が最も多い候補点を特定する。そして、アンテナ設置位置決定部29は、第2の特定部34により特定された部分領域を第2のアンテナ設置位置として決定する。
さらに、アンテナ設置位置決定部29は、第2のアンテナ設置位置について機器位置群算出部27により算出されたタグ位置群を第2のタグ位置群とする。そして、アンテナ設置位置決定部29は、第2のアンテナ設置位置を除いた部分領域について、機器位置群算出部27により算出されたタグ位置群に含まれる、第2のタグ位置群を除いたタグ位置の数に基づいて、アンテナ3の設置候補領域の部分領域を特定し、特定された部分領域をアンテナ設置位置として決定する。
また、アンテナ設置位置決定部29は、アンテナ設置位置を決定する際に、複数の部分領域が特定された場合に、特定された部分領域のうち、電力総和算出部28により算出された電力の総和が最も大きい部分領域をアンテナ設置位置として決定する。
制御部10の機能は、アンテナ設置支援装置1に備えられたCPU(開示のアンテナ設置支援処理を実行させる機能を備えたプログラムで用いるコンピュータに相当する)により、メモリ(ROM11)に保存されたプログラムを実行させることにより実現される。このプログラムは、開示のアンテナ設置支援処理を実行させる機能を備えたプログラムを含む。
次に、本実施形態のアンテナ設置支援装置1の作動(アンテナ設置支援処理)について、図3のフローチャートを参照して説明する。
ここで、比較として、従来のアンテナ設置支援処理について図10を参照して説明する。従来は、図10(a)に示すように、アンテナの位置を送信点として設定し、多数のRFIDタグが配置されている領域を受信面として設定する。そして、電力分布を算出するシミュレーションにより、アンテナからの放射電磁波の伝搬経路を計算して、アンテナから放射された電波が受信面に到達する軌跡を追跡し、受信面に到達した全ての伝搬軌跡の電力を加算することで、受信面が受ける電力を算出する。これにより、図10(b)に示すようにRFIDタグが配置されている領域が受ける電力の分布が算出される。この場合、全てのタグ位置での電力が、無線信号の送受信に十分な所定閾値以上となるまで、アンテナの位置を変更しながら電力分布を算出するシミュレーションを繰り返して、アンテナの設置位置を決定する。
これに対して、本実施形態のアンテナ設置支援処理では、図3を参照して、まず、STEP1で、機器位置設定部24は、N個(N≧2)のRFIDタグ2の位置をタグ位置Pi(i=1〜N)として設定する。図4(a)に、設定されたタグ位置Piの例を模式的に示す。図4(a)は、ユーザから入力部13を介して入力されたタグ位置Piのデータを3次元座標系上で図示する入力結果画面を例示する。図4(a)において、設定されたタグ位置Pi が「+」を付して示されている。図4(a)の例では、縦4×横5で面上に分布した20個(N=20)のタグ位置P1〜P20が設定されている。このように、多数のRFIDタグ2について想定される配置からタグ位置Piが設定できる。このタグ位置P1〜P20は、後述のSTEP4の電力分布算出処理で送信点として用いられる。
次に、STEP2で、アンテナ設置候補領域設定部25は、アンテナ3の設置候補領域Rを設定する。図4(a)の例では、タグ位置P1〜P20に対向した平面Rが設定されている。この平面Rは、後述のSTEP4の電力分布算出処理で受信面として用いられる。
次に、STEP3で、電力分布算出部26は、入力データファイル15から放射パターンを読み出す。
次に、STEP4で、電力分布算出部26は、STEP1で設定されたタグ位置P1〜PNから送信が行われた場合に、アンテナ3の設置候補領域Rが受ける電力の分布をそれぞれ算出する。具体的には、電力分布算出部26は、各タグ位置Piを送信点とし、アンテナ3の設置候補領域RをM個の部分領域Rj(j=1〜M)に分割して、各部分領域Rjをそれぞれ代表する候補点Qj(j=1〜M)を受信点とする。そして、電力分布算出部26は、各タグ位置Piからの放射電磁波の伝搬経路を計算して、各タグ位置Piから放射された電波が各候補点Qjに到達する軌跡を追跡し、各候補点Qj に到達した全ての電波の軌跡の電力を加算することで、各候補点Qjが受ける電力を算出する。そして、電力分布算出部26は、候補点Q1〜QMが受ける電力から、アンテナ3の設置候補領域Rが受ける電力の分布を算出する。
図4(b)に、算出された電力の分布を図示する出力画面を例示する。図4(b)には、アンテナ3の設置候補領域Rがタグ位置P1〜P20から受ける電力の総和の分布が示されている。図4(b)の例では、アンテナ3の設置候補領域Rが、縦10×横10で100個(M=100)の部分領域R1〜R100に分割され、部分領域R1〜R100 を代表する候補点Q1〜Q100が受ける電力が算出されている。この図では、部分領域R1〜R100に付された濃淡が、候補点Q1〜Q100が受ける電力の総和の大小を示している。
このように、本実施形態では、実際は送信側であるアンテナ3を受信側としてシミュレーションを行い、アンテナ3の設置候補領域Rでの電力分布を算出する。これにより、この電力分布を用いて、後述のSTEP5〜17で、1回のシミュレーション結果からアンテナ3の設置位置を決定できると共に、設置候補領域Rにおけるアンテナ3の最適な設置位置を算出することができる。
次に、STEP5で、機器位置群算出部27は、STEP4の算出結果に基づいて、アンテナ3の設置候補領域Rの部分領域Rj毎に、タグ位置Piから受ける電力Wi j (i=1〜N,j=1〜M)が所定閾値Wth以上となるタグ位置群を算出する。具体的には、機器位置群算出部27は、候補点Qjがタグ位置Piから受ける電力Wijから、電力フラグFij(i=1〜N,j=1〜M)を設定する。このとき、機器位置群算出部27は、電力Wijが閾値Wth以上の場合、電力フラグFijに1を設定し、電力Wijが閾値Wth未満の場合、電力フラグFijに0を設定する。候補点Qjについてのタグ位置群は、N個のタグ位置P1〜PNのうち、電力フラグF1j〜FNjの値が1となるタグ位置の集合として示される。
ここで、図5(a)に、STEP4で算出された、タグ位置Piから受ける電力Wijの分布を図示する出力画面を例示する。図5(a)の例では、図4(b)の例と同様、アンテナ3の設置候補領域Rが、縦10×横10で100個(M=100)の部分領域R1〜R100に分割され、部分領域R1〜R100を代表する候補点Q1〜Q100が受ける電力が算出されている。この図では、部分領域R1〜R100に付された濃淡が、候補点Q1〜Q100がタグ位置Piから受ける電力Wijの大小を示している。STEP4では、20個のタグ位置P1〜P20について、それぞれ図5(a)のような電力の分布が得られる。
このとき、図5(b)に示すように、電力Wij が、(タグ位置Piの個数)N×(候補点Qjの個数)Mの行列として得られる。そして、図5(c)に示すように、電力フラグFi j がN×Mの行列として得られる。このように、電力分布をN×Mの行列として表現し、さらに、電力フラグFi j の行列として表現することで、後述のSTEP6〜17で簡易な数値処理でアンテナ3の設置位置を決定することができる。
次に、STEP6で、第1の特定部33は、STEP5で算出した電力フラグFijの行列から、N個の電力フラグF1j〜FNjが全て1となる候補点Qjを特定する。これにより、全てのタグ位置P1〜PNから受ける電力W1j〜WNjが閾値Wth以上となる候補点Qjが特定される。上述の図5(c)に示す、STEP5で算出した電力フラグFi jの行列の一例について、説明上、電力フラグFijの行列が3×3の行列であるものとする。この場合、図5(c)の例では、3個の電力フラグ{F1j,F2j,F3j}が全て1となる候補点Qjとして、候補点Q3が特定される。
次に、STEP7で、アンテナ設置位置決定部29は、STEP6でN個の電力フラグF1j〜FNjが全て1となる候補点Qj が特定されたか否かを判断する。STEP7の判断結果がYES(全て1の候補点Qj が特定された)の場合、STEP8に進み、アンテナ設置位置決定部29は、STEP7で特定された候補点Qjが1つであるか否かを判断する。STEP8の判断結果がYES(特定された候補点Qjが1つ)の場合、STEP9に進み、特定された候補点Qjを、アンテナ3の第1の設置位置として決定する。そして、アンテナ設置支援処理が終了される。
図5(c)に示す例では、候補点Q3が1つ特定されているので、この候補点Q3 がアンテナ3の第1の設置位置として決定され、アンテナ設置支援処理が終了される。これにより、全てのRFIDタグ2と通信可能なアンテナ3の設置位置が決定される。
STEP8の判断結果がNO(特定された候補点Qjが複数ある)の場合、STEP10に進み、電力総和算出部28は、STEP6で特定された候補点Qjのそれぞれについて、タグ位置P1〜PNから受ける電力W1j〜WNjの総和Sj を算出する。この算出された電力の総和Sjが大きいほど、高い通信性能が得られる。
次に、STEP11で、アンテナ設置位置決定部29は、STEP6で特定された候補点Qjのうち、電力の総和Sjが最も大きい候補点Qjを選択する。そして、STEP9に進み、アンテナ設置位置決定部29は、STEP11で選択した候補点Qjをアンテナ3第1の設置位置として決定する。そして、アンテナ設置支援処理が終了される。これにより、全てのRFIDタグ2と通信可能で、且つ最も高い通信性能が得られる設置位置が決定される。
一方、STEP7の判断結果がNO(電力フラグが全て1の候補点Qjが特定されない)の場合、1つのアンテナ3で全てのRFIDタグ2と一括で通信することはできず、複数のアンテナ3を設置する必要がある。この場合、STEP12に進み、第2の特定部34は、STEP5で算出した電力フラグFijの行列から、N個の電力フラグ{F1j,F2j,…,FNj}について最も1が多い候補点Qjを特定する。図5(d)に、STEP5で算出した電力フラグFi jの行列の他の一例を示す。図5(d)に示す例について、説明上、電力フラグFi jの行列が3×3の行列であるものとする。この場合、図5(d)の例では、3個の電力フラグ{F1 j,F2 j,F3 j}が全て1となる候補点Qjが特定されないため、最も1が多い候補点Q3が特定される。
次に、STEP13で、アンテナ設置位置決定部29は、STEP12で特定された候補点Qjが1つであるか否かを判断する。STEP13の判断結果がYES(特定された候補点Qjが1つ)の場合、STEP14に進み、アンテナ設置位置決定部29は、特定された候補点Qjを、アンテナ3の第2の設置位置として決定する。図5(d)に示す例では、1つの候補点Q3が特定されているので、この候補点Qjがアンテナ3の第2の設置位置として決定される。これにより、最も多いRFIDタグ2と通信可能なアンテナ3の設置位置が決定される。
STEP13の判断結果がNO(特定された候補点Qjが複数ある)の場合、STEP15に進み、電力総和算出部28は、STEP10と同様に、STEP12で特定された候補点Qj のそれぞれについて、タグ位置P1〜PNから受ける電力W1j〜WNjの総和Sjを算出する。
次に、STEP16で、アンテナ設置位置決定部29は、STEP12で特定された候補点Qjのうち、電力の総和Sjが最も大きい候補点Qjを選択する。そして、STEP14に進み、アンテナ設置位置決定部29は、STEP16で選択した候補点Qjをアンテナ3の第2の設置位置として決定する。これにより、通信可能なRFIDタグ2が最も多く、且つ最も通信性能が高いアンテナ3の設置位置が決定される。
以下、STEP14で決定された第2の設置位置を候補点QXとして、候補点QX が受ける電力が所定閾値Wth以上となるタグ位置群を第2のタグ位置群とする。
次に、STEP17で、アンテナ設置位置決定部29は、STEP14で設置位置として決定された候補点QXの電力フラグ{F1X,F2X,…,FNX}と、他の(M−1)個の候補点Qyの電力値フラグ{F1y,F2y,…,FNy}との論理和(OR)を算出する。そして、アンテナ設置位置決定部29は、算出後の値で電力値フラグFijの行列を更新する。これにより、更新した電力フラグF'i jが、N×(M−1)の行列として得られる。更新した電力フラグF'i jは、STEP14で決定された第2の設置位置を除いた候補点Qyについて、候補点Qyが受ける電力が所定閾値Wth以上となる、第2のタグ位置群を除いたタグ位置群を示す。図5(e)に、図5(d)に示した電力フラグFi jを更新した電力フラグF'i jを示す。
次に、STEP6に戻り、アンテナ設置位置決定部29は、電力フラグFi jと同様に、更新した電力フラグF'i jの行列について、STEP6〜11の第1の特定処理、STEP12〜16の第2の特定処理を行い、アンテナ3の設置位置を決定していく。そして、STEP17で更新した電力フラグF'i jの行列について、第1の特定処理のSTEP9で、残りの全てのRFIDタグ2と通信可能なアンテナ3の設置位置が決定されるまで、これらの処理が繰り返される。
上述の図5(e)に示した例では、次のSTEP6で、第1の特定部33が、更新した電力フラグF'i jの行列から、N個の電力フラグF1y〜FNyが全て1となる候補点Qyを特定する。これにより、3個の電力フラグ{F1y,F2y,F3y}が全て1となる候補点Qyとして、候補点Q2が特定される。この場合、候補点Q2が1つ特定されているので、この候補点Q2がアンテナ3の第1の設置位置として決定され、アンテナ設置支援処理が終了される。これにより、アンテナ3の設置位置として、2個の候補点Q3,Q2が決定される。このように、通信可能なRFIDタグ2が最も多い設置位置、最も高い通信性能が得られる設置位置を優先して、全てのRFIDタグ2と通信可能となるまで、設置位置が順次決定されていくので、最適な設置位置が効率良く決定される。
以上が、アンテナ設置支援処理である。本実施形態によれば、1回のシミュレーション結果から、アンテナ3の設置位置を簡易な処理で容易に決定することができる。また、アンテナ3の設置候補領域Rにおける電力分布を用いてアンテナ3の設置位置が決定されるので、最適な設置位置が精度良く決定される。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のアンテナ設置支援装置1aについて図6〜図7を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態と、電力分布算出処理で用いる放射パターンを算出して設定する放射パターン設定部23を備える点が相違する。以下の説明では、第1実施形態と同じ構成は同じ符号を付して説明を省略する。
放射パターン設定部23は、機器位置設定部24により設定されたタグ位置と、入力データファイル15に保存されている、RFIDタグ2間の干渉を考慮しない、独立した放射パターンとを用いて、RFIDタグ2の干渉を考慮した、各RFIDタグ2からの放射パターンを算出する。この算出された放射パターンは、データ制御部を介して入力データファイル15に保存される。電力分布算出部26は、この算出された放射パターンを用いて電力分布を算出する。他の構成は第1実施形態と同じである。
本実施形態のアンテナ設置支援処理では、STEP3で、放射パターン設定部23は、入力データファイル15から予め定められた、RFIDタグ2の単独の放射パターンを読み出し、STEP1で設定されたタグ位置を用いて、RFIDタグ2間の干渉を考慮した放射パターンを算出する。
図6に、本実施形態における、RFIDタグ2の配置を示す。図6では、30個のRFIDタグ2が、間隔2[mm]で鉛直方向(Z軸方向)に積み重ねられている(図6中、「○」を付して示している)。タグ位置として、30個のRFIDタグ2の位置P1〜P30が設定される。なお、図6中、RFIDタグ2から水平方向(XY平面と平行な方向)に伸びた直線部はアンテナエレメントである。
このように、多数のRFIDタグ2が近接して配置されている場合、各RFIDタグ2の放射パターンは、電磁界の相互結合により、1個のRFIDタグ2が独立して配置されている場合とは相違したものとなる。そこで、電磁界シミュレーション等により、相互結合を考慮した放射パターンを算出する。
図7(a)に、1個のRFIDタグ2が独立して配置されている場合の放射パターンを示し、図7(b)に、30個のRFIDタグ2が図6に示すように配置されている場合の、タグ位置P15のRFIDタグ2の放射パターンを示す。なお、算出の条件として、タグ位置P15のRFIDタグ2のみに給電し、例えば、波源の内部インピーダンス、給電していないRFIDタグ2の終端インピーダンス等を設定する。図7(a)(b)において、3次元電磁界シミュレーションによる算出結果として、RFIDタグ2のタグ位置を原点として、3次元座標系でRFIDタグ2からの放射電磁波の伝搬経路に垂直な面が示されると共に、面を分割したメッシュ毎の電界強度の大小が色の濃淡で示されている。図7(a)(b)に示されるように、図6の多数のRFIDタグ2が近接して配置されている場合には、放射パターンの指向性が変化する。
本実施形態によれば、設定されたタグ位置を用いて、RFIDタグ2間の干渉を考慮して放射パターンを算出し、この算出した放射パターンを用いて電力分布を算出することで、実際の放射パターンが反映されて、電力分布の算出結果の精度が向上される。これにより、この電力分布の算出結果を用いたアンテナ3の設置位置の決定において精度を向上することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のアンテナ設置支援装置について図8を参照して説明する。第3実施形態は、第1実施形態と、無線通信機器がアクティブRFIDタグであり、アンテナがリーダアンテナである点が相違する。以下の説明では、第1実施形態と同じ構成は同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態のアンテナ設置支援装置1bは、複数のアクティブRFIDタグ(無線通信機器の一例)2bと、アクティブRFIDタグ2bと無線信号の送受信を行うリーダアンテナ3bとを備えた無線通信システム4bにおいて、リーダアンテナ3bの設置位置を決定する際に使用される。
図8に、本実施形態のアンテナ設置支援装置1bが適用される無線通信システム4bの概要図を示す。本実施形態では、無線通信システム4bとして、荷物管理ソリューションを示している。
アクティブRFIDタグ2bは、荷物管理のために必要な情報が埋め込まれ、電池を内蔵して動作し、自ら電波を発してリーダアンテナ3bと情報の送受信を行う。また、アクティブRFIDタグ2bは、センサを内蔵し、センサによる検出値の変化をリーダアンテナ3bに通知することが可能である。このアクティブRFID2は、荷物5bの側面の所定箇所にそれぞれ取り付けられている(図8中、荷物5bの側面の黒塗り部分に相当する)。荷物5bは、複数の山に分けて鉛直方向に積み重ねられ、台車6bに搭載されて、所定の移動経路(図中、矢印で示す)で運搬される。
リーダアンテナ3bは、アクティブRFIDタグ2bからの電波を受信して、荷物管理のために必要な情報を読み取る。リーダアンテナ3bは、台車6bの移動経路上の天井に取り付けられている。
アンテナ設置支援装置1bは、複数のアクティブRFIDタグ2bと一括で通信できるように、リーダアンテナ3bの設置位置(リーダアンテナ3bの設置数及び各リーダアンテナ3bの設置位置)を決定する。この決定された設置位置に応じて、天井のリーダアンテナ3bの位置が決定される。
機器位置設定部24は、複数のアクティブRFIDタグ2bの位置を機器位置としてそれぞれ設定する。具体的には、図8に示した例では、機器位置として8個のアクティブRFIDタグ2bの位置P1〜P8が設定される。
アンテナ設置候補領域設定部25は、リーダアンテナ3bの設置候補領域として、台車6bの移動経路上の天井面Rbを設定する。他の構成及び作動は第1実施形態と同じである。
本実施形態によれば、複数のアクティブRFIDタグ2と無線信号の送受信を行うリーダアンテナ3bの設置位置を、簡易な処理で精度良く決定することができる。
なお、本実施形態において、第2実施形態と同様に、設定されたタグ位置を用いて、RFIDタグ2b間の干渉を考慮して放射パターンを算出し、この算出した放射パターンを用いて電力分布を算出し、リーダアンテナ3bの設置位置を決定するものとしてもよい。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のアンテナ設置支援装置1cについて図9を参照して説明する。第4実施形態は、第1実施形態と、無線通信機器が無線LAN(Local Area Network)内蔵PC(Personal Computer)であり、アンテナがアクセスポイントである点が相違する。以下の説明では、第1実施形態と同じ構成は同じ符号を付して説明を省略する。
図9に、本実施形態のアンテナ設置支援装置1cが適用される無線通信システム4cの概要図を示す。本実施形態では、無線通信システム4cとして、室内の各机5c上に配置された無線LAN内蔵PC 2cが、アクセスポイント3cを介して通信するシステムを示している。アクセスポイント3cは、室内の壁に取り付けられている。
アンテナ設置支援装置1cは、複数の無線LAN内蔵PC 2cと一括で通信できるように、アクセスポイント3cの設置位置(アクセスポイント3cの設置数及び各アクセスポイント3cの設置位置)を決定する。この決定された設置位置に応じて、壁のアクセスポイント3cの位置が決定される。
機器位置設定部24は、複数の無線LAN内蔵PC 2cの位置を機器位置としてそれぞれ設定する。具体的には、図9に示した例では、機器位置として4個の無線LAN内蔵PC 2cの位置P1〜P4が設定される。
アンテナ設置候補領域設定部25は、アクセスポイント3cの設置候補領域として、壁面Rcを設定する。他の構成及び作動は第1実施形態と同じである。
本実施形態によれば、複数の無線LAN内蔵PC2cと無線信号の送受信を行うアクセスポイント3cの設置位置を、簡易な処理で精度良く決定することができる。
なお、本実施形態において、第2実施形態と同様に、設定されたタグ位置を用いて、PC 2c間の干渉を考慮して放射パターンを算出し、この算出した放射パターンを用いて電力分布を算出して、アクセスポイント3cの設置位置を決定するものとしてもよい。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 複数の無線通信機器と通信するアンテナの設置を支援するアンテナ設置支援装置であって、前記複数の無線通信機器の位置を機器位置としてそれぞれ設定する機器位置設定部と、前記アンテナの設置候補領域を設定するアンテナ設置候補領域設定部と、予め設定された放射パターンを用いて前記各機器位置から送信が行われた場合に、前記アンテナの設置候補領域が受ける電力の分布をそれぞれ算出する電力分布算出部と、前記電力分布算出部の算出結果に基づいて前記アンテナの設置位置を決定するアンテナ設置位置決定部と、を備えるアンテナ設置支援装置。
(付記2) 前記電力分布算出部の算出結果に基づいて、前記アンテナの設置候補領域の部分領域毎に、該部分領域が受ける電力が所定閾値以上となる機器位置群を算出する機器位置群算出部を備え、前記アンテナ設置位置決定部は、該機器位置群算出部により算出された機器位置群に含まれる機器位置の数に基づいて、前記アンテナの設置候補領域の部分領域を特定し、該特定した部分領域をアンテナ設置位置として決定する付記1記載のアンテナ設置支援装置。
(付記3) 前記アンテナ設置位置決定部は、前記機器位置群算出部による算出の結果から、前記アンテナの設置候補領域の部分領域のうち、全ての機器位置から受ける電力がそれぞれ前記所定閾値以上となる部分領域を特定する第1の特定部を備え、該第1の特定部により特定された該部分領域を第1のアンテナ設置位置として決定する付記2記載のアンテナ設置支援装置。
(付記4) 前記アンテナ設置位置決定部は、前記第1の特定部によりいずれの部分領域も特定されなかった場合に、前記機器位置群算出部により算出された機器位置群に含まれる機器位置の数が最も多い部分領域を特定する第2の特定部を備え、該第2の特定部により特定された部分領域を第2のアンテナ設置位置として決定する付記3記載のアンテナ設置支援装置。
(付記5) 前記アンテナ設置位置決定部は、前記第2のアンテナ設置位置について前記機器位置群算出部により算出された機器位置群を第2の機器位置群として、該第2のアンテナ設置位置を除いた部分領域について、前記機器位置群算出部により算出された機器位置群に含まれる、該第2の機器位置群を除いた機器位置の数に基づいて、該アンテナの設置候補領域の部分領域を特定し、特定された該部分領域を該アンテナ設置位置として決定する付記4記載のアンテナ設置支援装置。
(付記6) 前記アンテナの設置候補領域の部分領域毎に、該部分領域が各機器位置からそれぞれ受ける電力の総和を算出する電力総和算出部を備え、前記アンテナ設置位置決定部は、前記アンテナ設置位置を決定する際に、複数の部分領域が特定された場合に、特定された該部分領域のうち、該電力総和算出部により算出された電力の総和が最も大きい部分領域を決定する付記2〜5のうちいずれか記載のアンテナ設置支援装置。
(付記7) 前記機器位置設定部により設定された機器位置に基づいて、該機器位置間の干渉を考慮して前記放射パターンを算出して設定する放射パターン設定部を備える付記1〜6のうちいずれか記載のアンテナ設置支援装置。
(付記8) 複数の無線通信機器と通信するアンテナの設置を支援するアンテナ設置支援方法であって、複数の無線通信機器の位置を機器位置としてそれぞれ設定する機器位置設定ステップと、前記アンテナの設置候補領域を設定するアンテナ設置候補領域設定ステップと、予め設定された放射パターンを用いて前記各機器位置から送信が行われた場合に、前記アンテナの設置候補領域が受ける電力の分布を算出する電力分布算出ステップと、
前記電力分布算出ステップの算出結果に基づいて前記アンテナの設置位置を決定するアンテナ設置位置決定ステップと、を備えたアンテナ設置支援方法。
(付記9) 前記電力分布算出ステップの算出結果に基づいて、前記アンテナの設置候補領域の部分領域毎に、該部分領域が受ける電力が所定閾値以上となる機器位置群を算出する機器位置群算出ステップを備え、前記アンテナ設置位置決定ステップは、該機器位置群算出ステップにより算出された機器位置群に含まれる機器位置の数に基づいて、前記アンテナの設置候補領域の部分領域を特定し、該特定した部分領域をアンテナ設置位置として決定する付記8記載のアンテナ設置支援方法。
(付記10) 前記アンテナ設置位置決定ステップは、前記機器位置群算出ステップによる算出の結果から、前記アンテナの設置候補領域の部分領域のうち、全ての機器位置から受ける電力がそれぞれ前記所定閾値以上となる部分領域を特定する第1の特定ステップを備え、該第1の特定ステップにより特定された該部分領域を第1のアンテナ設置位置として決定する付記9記載のアンテナ設置支援方法。
(付記11) 前記アンテナ設置位置決定ステップは、前記第1の特定ステップによりいずれの部分領域も特定されなかった場合に、前記機器位置群算出ステップにより算出された機器位置群に含まれる機器位置の数が最も多い部分領域を特定する第2の特定ステップを備え、該第2の特定ステップにより特定された部分領域を第2のアンテナ設置位置として決定する付記10記載のアンテナ設置支援方法。
(付記12) 前記アンテナ設置位置決定ステップは、前記第2のアンテナ設置位置について前記機器位置群算出ステップにより算出された機器位置群を第2の機器位置群として、該第2のアンテナ設置位置を除いた部分領域について、前記機器位置群算出ステップにより算出された機器位置群に含まれる、該第2の機器位置群を除いた機器位置の数に基づいて、該アンテナの設置候補領域の部分領域を特定し、特定された該部分領域を該アンテナ設置位置として決定する付記11記載のアンテナ設置支援方法。
(付記13) 前記アンテナの設置候補領域の部分領域毎に、該部分領域が各機器位置からそれぞれ受ける電力の総和を算出する電力総和算出ステップを備え、前記アンテナ設置位置決定ステップは、前記アンテナ設置位置を決定する際に、複数の部分領域が特定された場合に、特定された該部分領域のうち、該電力総和算出ステップにより算出された電力の総和が最も大きい部分領域を決定する付記9〜12のうちいずれか記載のアンテナ設置支援方法。
(付記14) 前記機器位置設定ステップにより設定された機器位置に基づいて、該機器位置間の干渉を考慮して前記放射パターンを算出して設定する放射パターン設定ステップを備える付記8〜13のうちいずれか記載のアンテナ設置支援方法。
(付記15)
複数の無線通信機器と通信するアンテナの設置を支援するアンテナ設置支援処理をコンピュータに実行させる機能を備えたプログラムであって、複数の無線通信機器の位置を機器位置としてそれぞれ設定する機器位置設定処理と、前記アンテナの設置候補領域を設定するアンテナ設置候補領域設定処理と、予め設定された放射パターンを用いて前記各機器位置から送信が行われた場合に、前記アンテナの設置候補領域が受ける電力の分布を算出する電力分布算出処理と、前記電力分布算出処理の算出結果に基づいて前記アンテナの設置位置を決定するアンテナ設置位置決定処理と、をコンピュータに実行させる機能を備えたプログラム。
(付記16) 前記電力分布算出処理の算出結果に基づいて、前記アンテナの設置候補領域の部分領域毎に、該部分領域が受ける電力が所定閾値以上となる機器位置群を算出する機器位置群算出処理を備え、前記アンテナ設置位置決定処理は、該機器位置群算出処理により算出された機器位置群に含まれる機器位置の数に基づいて、前記アンテナの設置候補領域の部分領域を特定し、該特定した部分領域をアンテナ設置位置として決定する付記5記載のプログラム。
(付記17) 前記アンテナ設置位置決定処理は、前記機器位置群算出処理による算出の結果から、前記アンテナの設置候補領域の部分領域のうち、全ての機器位置から受ける電力がそれぞれ前記所定閾値以上となる部分領域を特定する第1の特定処理を備え、該第1の特定処理により特定された該部分領域を第1のアンテナ設置位置として決定する付記6記載のプログラム。
(付記18) 前記アンテナ設置位置決定処理は、前記第1の特定処理によりいずれの部分領域も特定されなかった場合に、前記機器位置群算出処理により算出された機器位置群に含まれる機器位置の数が最も多い部分領域を特定する第2の特定処理を備え、該第2の特定処理により特定された部分領域を第2のアンテナ設置位置として決定する付記17記載のプログラム。
(付記19) 前記アンテナ設置位置決定処理は、前記第2のアンテナ設置位置について前記機器位置群算出処理により算出された機器位置群を第2の機器位置群として、該第2のアンテナ設置位置を除いた部分領域について、前記機器位置群算出処理により算出された機器位置群に含まれる、該第2の機器位置群を除いた機器位置の数に基づいて、該アンテナの設置候補領域の部分領域を特定し、特定された該部分領域を該アンテナ設置位置として決定する付記18記載のプログラム。
(付記20) 前記アンテナの設置候補領域の部分領域毎に、該部分領域が各機器位置からそれぞれ受ける電力の総和を算出する電力総和算出処理を備え、前記アンテナ設置位置決定処理は、前記アンテナ設置位置を決定する際に、複数の部分領域が特定された場合に、特定された該部分領域のうち、該電力総和算出処理により算出された電力の総和が最も大きい部分領域を決定する付記16〜19のうちいずれか記載のプログラム。
(付記21) 前記機器位置設定処理により設定された機器位置に基づいて、該機器位置間の干渉を考慮して前記放射パターンを算出して設定する放射パターン設定処理を備える付記15〜20のうちいずれか記載のプログラム。
1,1a,1b,1c…アンテナ設置支援装置、2…パッシブRFIDタグ、3…リーダライタアンテナ、4…無線通信システム、10…制御部、11…ROM、12…記憶部、23…放射パターン設定部、24…機器位置設定部、25…アンテナ候補領域設定部、26…電力分布算出部、27…機器位置群算出部、28…電力総和算出部、29…アンテナ設置位置決定部、33…第1の特定部、34…第2の特定部、
2b…アクティブRFIDタグ、3b…リーダアンテナ
2c…無線LAN内蔵PC、3c…アクセスポイント。