JP2010048361A - 軸連結装置およびトルクリミッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】液圧通路の溶接部が破壊しにくくて、寿命が長くて、信頼性が高い軸連結装置およびトルクリミッタと提供すること。
【解決手段】環状の第1部70と環状の第2部71との間に、略軸方向に延在する油圧拡張室26と、その油圧拡張室26よりも軸方向の外側に位置する環状の室80とを形成する。上記環状の室80の軸方向の外方かつ径方向の外方の角部を、滑らかな連結面83で形成する。第1部70と第2部71とのうちで径方向の内方に位置する第1部70の外周面において、軸方向において油圧拡張室26から溶接部72までに位置する部分の形状を、略円筒状にする。
【選択図】図2

Description

本発明は、液圧により筒部材の内周壁あるいは軸部材の外周壁を膨出させて、上記内周壁あるいは上記外周壁を他の部材に圧接して機械的結合を行う軸連結装置に関する。また、本発明は、トルクリミッタに関する。
従来、トルクリミッタとしては、特開昭62−159815号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
このトルクリミッタは、軸部材と、この軸部材に外嵌した筒部材とを備え、筒部材は、環状の油圧通路を有する。
上記油圧通路は、軸部材の軸方向に延在している。上記筒部材は、筒状の第1部と、筒状の第2部とを有し、上記第1部の外周面は、油圧通路を介して第2部の内周面に径方向に対向している。
上記第1部と、上記第2部とは、油圧通路の一端に軸方向に隣接する第1箇所および油圧通路の他端に軸方向に隣接する第2箇所で溶接されて接合されている。軸方向の断面において、上記第1箇所および第2箇所の夫々において、溶接部は、軸方向に油圧通路から離れるにしたがって、油圧通路の中心軸を中心として径方向の上下方向の寸法が大きくなるような末広がりの形状を有している。
上記トルクリミッタは、上記環状の油圧通路に油を封入して、油圧通路を径方向に拡張することにより、上記筒部材の第1部の内周面を縮径して、この内周面を軸部材の外周面に押しつけて、筒部材と軸部材とを摩擦結合して、軸部材と軸部材との間でトルクを伝達するようになっている。
上記トルクリミッタは、筒部材と、軸部材との間に、所定以上のトルクが作用して、筒部材に対する軸部材の相対回転が生じた場合、上記油圧通路に連通している油抜き通路の油圧通路側とは反対側の密封された端部が、上記相対回転に起因して破断して、外部に対して開口するようになっている。このようにして、上記油圧通路内の油を外部に排出して、筒部材と軸部材との摩擦結合を解除して、筒部材と軸部材との間のトルクの伝達を遮断するようになっている。
特開昭62−159815号公報(第1図)
上記従来のトルクリミッタにおいては、トルクの伝達時に、油圧通路を径方向に拡張して、筒部材を、軸部材に押圧する構成であるから、トルクの伝達時に、上記油圧通路の両側の溶接部が、常時、股裂き方向である径方向に引っ張り応力を受けることになる。すなわち、上記溶接部の周辺が繰返し加圧による応力振幅を受けることにより、上記溶接部の周辺に疲労が起こって、上記溶接部が破壊することを避けがたい。
そこで、本発明の課題は、液圧通路の両側にある溶接部が破壊しにくくて、寿命が長くて、信頼性が高い軸連結装置を提供することにある。
また、本発明の課題は、油圧通路の両側にある溶接部が破壊しにくくて、寿命が長くて、信頼性が高いトルクリミッタを提供することにある。
この課題を解決するために、この発明の軸連結装置は、
軸部材と、
上記軸部材に外嵌した筒部材と
を備え、
上記筒部材および上記軸部材のうちの一方の部材は、
径方向に対向する環状の第1部と環状の第2部との間に位置して略軸方向に延在すると共に、上記一方の部材の周面を上記筒部材および上記軸部材のうちの他方の部材の周面に押し付けるための環状の液圧通路と、
上記液圧通路の上記軸方向の一端側および他端側の少なくとも一方に位置すると共に、上記液圧通路の径方向の寸法よりも大きい径方向の寸法を有する環状の室と、
上記第1部と上記第2部とを接合している溶接部と
を有し、
上記環状の室は、
軸方向において上記液圧通路側とは反対側に位置すると共に、略径方向に延在する径方向延在面と、
径方向において上記液圧通路に対して上記他方の部材側とは反対側に位置する略円筒状の周面と、
上記径方向延在面と、上記略円筒状の周面とを滑らかに連結する環状の連結面と
を有し、
上記溶接部は、径方向延在面に対して上記液圧通路側とは反対側に位置する部分を有すると共に、上記連結面に間隔をおいて位置し、
上記第1部は、上記第2部よりも径方向の上記他方の部材側に位置し、
上記第1部の径方向の上記第2部側の周面は、軸方向において上記液圧通路から上記溶接部まで略円筒状の形状を有していることを特徴としている。
尚、上記溶接部には、上記一方の部材において、溶接材料が溶け込んでいる箇所である溶け込み部も含まれるものとする。
本発明者は、液圧通路の周辺において、最も大きな応力が作用する箇所を、多数のシュミレーションを行うことにより解析して、最も大きな応力が作用している箇所が、液圧通路の両側にある環状の室における径方向の他方の部材側とは反対側の周面において、軸方向の外方側に位置する角部であることを突きとめた。
また、従来のトルクリミッタにおいては、溶接部が、油圧通路の中心軸を中心として径方向の上下方向の寸法が大きくなるような末広がりの形状をしているから、軸方向の断面において、溶接部の油圧通路側の先端が、鋭角になり易くて、この先端が破断し易いことを突きとめた。
本発明によれば、環状の室において、軸方向の液圧通路側とは反対側に位置する径方向延在面と、径方向において液圧通路に対して他方の部材側とは反対側に位置する略円筒状の周面とが、環状の連結面で滑らかに連結されていると共に、溶接部が、連結面に間隔をおいて位置しているから、液圧通路の両側にある環状の室における径方向の他方の部材側とは反対側の周面において、軸方向の外方側に位置する角部である上記連結面の周辺、すなわち、最も大きな応力が作用している箇所に、溶接部が存在することがなく、かつ、この箇所に、破断が起こり易い尖った部分が存在することもない。
したがって、液圧通路の周辺において、最も大きな応力が作用している箇所に、溶接部が位置することがないから、その箇所の強度を大きくすることができる。また、その箇所に、尖った部分が存在することがなくて、その箇所に滑らかな面が存在しているから、その箇所に応力が集中することを緩和できる。したがって、液圧通路の一端側および他端側のうちの少なくとも一方の破損の可能性を格段に軽減することができる。
また、一実施形態では、
上記第1部と上記第2部との溶接は、隅肉溶接であり、
上記溶接部の一部は、上記環状の室における上記他方の部材側の周面と、上記径方向延在面とを、周方向の全周に亘って連結している。
尚、上記隅肉溶接(すみにくようせつ)とは、略直交する二つの面の隅に位置し、かつ、断面が略三角形になる溶接のことを言い、直角に組んだ鋼鈑の継ぎ目に、肉を盛るようにして行う溶接方法のことを言う。
上記実施形態によれば、上記第1部と上記第2部との溶接は、隅肉溶接であり、かつ、上記溶接部の一部が、上記第1部の径方向の上記第2部側の周面と、上記径方向延在面とを連結していて、溶け込みが十分であるから、溶接部の強度を大きくすることができる。
また、本発明のトルクリミッタは、
本発明の軸連結装置を備え、
上記液圧通路に封入した液体により上記液圧通路を上記一方の部材の径方向に拡張することにより、上記軸部材と上記筒部材とを摩擦係合する一方、上記液圧通路に封入された液体を上記液圧通路内から除去することにより、上記軸部材と上記筒部材との摩擦係合を解除することを特徴としている。
本発明によれば、液圧通路の両端の応力を軽減できて、液圧通路の両端の溶接部の破損を抑制できる。
本発明の軸連結装置およびトルクリミッタによれば、液圧通路の両端の応力を軽減できて、液圧通路の両端の溶接部の破損を抑制できる。
以下、この発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の軸連結装置を用いたトルクリミッタの軸方向の断面図である。
このトルクリミッタは、他方の部材としての軸部材1と、一方の部材としての筒部材2と、シャーバルブ6と、玉軸受17および玉軸受18とを有する。
上記軸部材1は、略円筒状の外周面20を有する本体部8と、本体部8の外面から突出する断面略L字形状の係止部9とを有する。上記軸部材1の外周面20は、一つの螺旋形状の油封止防止用の溝35を有している。この螺旋形状の溝35は、軸部材1の外周面20の軸方向の両側に開口している。また、上記螺旋形状の溝35のピッチは、軸部材1の軸径(外径)の1/10以上1/5以下になっている。この溝35は、動力伝達時に、余剰な潤滑油(後述するトラクションオイル)を溝35の開口を介して外部に排出させる役割を果たしている。言い換えると、上記溝35は、動力伝達時に、余剰な潤滑油を排出することで、リリーストルクが所定値より大きく低下することを防止し、リリーストルクを略設計値にする役割を果たしている。
上記筒部材2は、第1の筒部材10と、第2の筒部材11とからなっている。上記第1の筒部材10は、軸部材1の外周面20に当接する略円筒状の内周面21を有している。上記軸部材1の外周面20と、筒部材2の内周面21との間には、焼付き防止用の潤滑油であるトラクションオイルが塗布されている。上記軸部材1の螺旋形状の溝35は、上記軸部材1の外周面20と、筒部材2の内周面21との当接部分の軸方向両端に開口している。
このトラクションオイルは、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの脂環族の官能基や、これら官能基の一部を不飽和結合としたものや、上記官能基の一部の炭素原子を、酸素原子、硫黄原子、窒素原子で置き換えた官能基、さらには、これらの官能基を架橋して形成された官能基や、これらの官能基を縮合した縮合環を有する官能基や、または、これらの官能基を用いて形成された多環式の芳香族の官能基、を有するナフタレン系合成油やナフテン系鉱油である。また、上記トラクションオイルの他の例としては、例えば、分岐型アルキルベンゼンやアルキルナフタレンや、または、フェニル基やシクロヘキシル基を含むポリオルガノシロキサンがある。また、上記トラクションオイルの更なる例としては、例えば、α−アルキルスチレン二量体やα−アルキルスチレン二量体の水素化物があり、また、F−(CF(CF)CFO)n−Cの構造式で表されるパーフルオロポリエーテルやこのパーフルオロポリエーテルの誘導体がある。
また、これらのトラクションオイルをパラフィン系鉱油、ポリαオレフィン油など炭化水素系合成油、ジエステルやポリオールエステルなどエステル油、ポリアルキルグリコール油、アルキルジフェニルエーテル油、シリコーン油、パーフルオロアルキルポリエーテル油等公知の潤滑油と混合することもできる。
実用性を更に向上する目的で、酸化防止剤、防錆剤、清浄分散剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、極圧剤、耐摩耗添加剤、腐食防止剤、消泡剤、金属不活性化剤、着色剤等の添加剤を適量添加しても良い。
そして、これらのトラクションオイルのうちでも、圧力粘度指数が大きいことが好ましい。本用途では、18GPa−1 (40℃)以上が好ましく、25GPa−1 (40℃)以上が更にこのましく、32GPa−1 (40℃)以上がさらに好ましい。このようなトラクションオイルでは、軸とスリーブとの間の接触面圧によりガラス化しやすく、駆動力を伝えやすく、また、軸とスリーブとの直接接触を減少させ、軸とスリーブの固着を防ぎ、油圧室の油圧が低下し液状になると、トルク開放を容易になすことができる。
上記第2の筒部材11は、第1の筒部材10の略円筒状の外周面23に当接する略円筒状の内周面24を有している。また、上記第2の筒部材11は、シャーバルブ取付穴30と、液圧通路としての略筒状の油圧拡張室26とを有し、油圧拡張室26は、第2の筒部材11の内周面24の軸方向の所定長さに亘って略軸部材1の軸方向に延在している。
上記シャーバルブ6は、シャーバルブ取付穴30に嵌入されている。上記シャーバルブ6がシャーバルブ取付穴30に嵌入されている状態で、シャーバルブ6の一端部は、第2の筒部材11の外周面よりも径方向の外方に突出している。また、上記断面略L字形状の係止部9は、略径方向に延びると共に、第2の筒部材11の端面に軸方向に対向する径方向延在部50と、この径方向延在部50につながっていると共に、第2の筒部材11の外周面に沿って軸方向に延在する軸方向延在部51とを有している。上記シャーバルブ6の上記一端部は、係止部9の軸方向延在部51によって、係止されている。
また、上記シャーバルブ6は、一端のみが開口したチューブ27を有している。このチューブ27は、シャーバルブ6がシャーバルブ取付穴30に嵌入されている状態で、略軸部材1の径方向に延在している。また、シャーバルブ6がシャーバルブ取付穴30に嵌入されている状態でチューブ27の閉鎖側の一端部は、第2の筒部材11の外周面よりも径方向の外方に突出している。また、上記チューブ27の閉鎖側とは反対側の開口は、油通路37を介して油圧拡張室26の軸方向の一端部に連通している。図1において、38は、油圧拡張室26の油通路37に連通する開口を示している。上記油圧拡張室26のシャーバルブ6側は、密封空間になっている。
上記玉軸受17は、軸部材1の外面に外嵌固定された内輪40と、第2の筒部材11の内面に内嵌固定された外輪41と、内輪40の軌道面と外輪41の軌道面と間に配置された玉42とを有している。また、上記玉軸受18は、軸部材1の外面に外嵌固定された内輪44と、第1の筒部材10の内面に内嵌固定された外輪45と、内輪44の軌道面と外輪45の軌道面と間に配置された玉46とを有している。上記玉軸受17および18は、軸部材1が筒部材2に対して相対回転しているとき、軸部材1を筒部材2に対して回転自在に支持するようになっている。
図2は、筒部材2において、油圧拡張室26の軸方向の玉軸受17側の端部を示す軸方向の模式断面図である。
図2に示すように、筒部材2の第2の筒部材11は、環状の第1部70と、環状の第2部71と、環状の溶接部72とを有し、第1部70は、第2部71に径方向に対向している。上記第1部70は、第2部71よりも他方の部材である軸部材1側(径方向の内方側)に位置している。上記油圧拡張室26は、第1部70と、第2部71との間に位置している。
上記第2の筒部材11は、環状の室80を有する。上記環状の室80は、油圧拡張室26の軸方向の一端74よりも軸方向の外方に位置している。上記環状の室80は、油圧拡張室26に軸方向に間隔をおいて位置している。上記環状の室80は、第1径方向延在面81、第2径方向延在面87、第1円筒面82および第2円筒面88および連結面83を有する。上記第1径方向延在面81は、環状の室80において、軸方向の油圧拡張室26側とは反対側に位置する一方、第2径方向延在面87は、軸方向の油圧拡張室26側に位置している。また、上記第1円筒面82は、径方向において軸部材1側とは反対側に位置している一方、第2円筒面88は、径方向において軸部材1側に位置している。
上記連結面83は、第1径方向延在面81と、第1円筒面82とを連結している。上記第1径方向延在面81、連結面83および第1円筒面82は、滑らかにつながっている。厳密に表現すると、軸方向の断面において、上記第1径方向延在面81の連結面83側の端部、連結面83、および、第1径方向延在部81の連結面83側の端部が描く曲面は、その全ての範囲で微分可能になっている。
上記第1部70の軸方向の寸法は、第2部71の軸方向の寸法より小さくなっている。詳しくは、上記第1部70の軸方向の一端側の端面は、第2部71におけるその同じ側(第1部70の軸方向の一端側)の軸方向の端面よりも軸方向の内方に位置している。また、上記第1部70の軸方向の他端側の端面は、第2部71におけるその同じ側(第1部70の軸方向の他端側)の軸方向の端面よりも軸方向の内方に位置している。
上記溶接部72は、本体部96と、溶け込み部97とを有する。上記本体部96は、第1部70の軸方向の一方側の端面よりも軸方向の外方で、かつ、第2部71よりも径方向の内方側に位置している。一方、上記溶け込み部97は、本体部96の径方向の外方側と本体部96の軸方向の内方側に位置している。上記溶け込み部97は、本体部96につながっている。上記溶け込み部97は、第1部70に重なっている部分と、第2部71に重なっている部分と、環状の室80内に位置している部分84とを有している。
図2に示すように、溶け込み部97において環状の室80内に位置している部分84は、第1径方向延在部81と、第2円筒面88とを、滑らかに連結している。
上記第1部70の外周面において、軸方向において油圧拡張室26から溶接部72まで延在している部分は、略円筒状の形状を有している。
図2に示すように、上記第2部71の内周面は、軸方向において油圧拡張室26と環状の室80との間に、径方向の内方に突出する突出部99を有し、その突出部99は、円筒内周面を有する。上記突出部99の円筒内周面は、第1部70の外周面において上記略円筒状の形状をしている部分の一部に、隙間嵌めあるいは中間嵌めされている。上記突出部99の円筒内周面は、第1部70に対する第2部71の位置決めの目安として使用されるようになっている。
上記構成において、軸部材1または筒部材2に所定値以下の負荷(トルクの伝達を行う範囲の負荷)がかかっている場合には、図示しないカプラを介して油圧拡張室26に注入されたのち密封された油圧拡張用の油で、第1の筒部材10の内周面21を縮径して内周面21を軸部材1の外周面20に押し付けて、軸部材1と筒部材2とを摩擦結合して軸部材1と筒部材2との間でトルクを伝達するようになっている。この時、環状の室80内にも油圧拡張用の油は入り込んでいる。
一方、軸部材1または筒部材2に所定値以上の負荷(トルクの伝達を行う範囲よりも大きな負荷)がかかって、軸部材1の外周面20が、第1の筒部材10の内周面に対してスリップして、軸部材1と筒部材2の軸回りの位置が変化した場合、係止部9がシャーバルブ6の上記一端部(チューブ27の径方向の外方の端部)を切断して、油圧拡張室26内の油圧拡張用の油を、一端部が切断されたシャーバルブ6を介して外部に排出するようになっている。このようにして、第1の筒部材10の内周面21の軸部材1の外周面20に対する押圧力をなくして、軸部材1と筒部材2の摩擦結合を解いてトルクの伝達を遮断するようになっている。このようにして、軸部材1または筒部材2に過負荷が生じた場合において、トルクの伝達を遮断して、トルクリミッタに連結されている高価な機械を保護している。
本発明者は、数多の実験およびシミュレーションにより、次の事実を突きとめた。詳しくは、液圧通路の周辺において、油圧通路内に油圧拡張用の油を充填して第1部70を径方向の他方の部材側に変形させた時、最も大きな応力が作用する箇所を、多数のシミュレーションを行うことにより解析して、最も大きな応力が作用している箇所が、液圧通路の両側にある環状の室における径方向の他方の部材側とは反対側の周面において、軸方向の外方側に位置する角部であることを突きとめた。
また、従来のトルクリミッタにおいては、溶接部が、油圧通路の中心軸を中心として径方向の上下方向の寸法が大きくなるような末広がりの形状をしているから、軸方向の断面において、溶接部の油圧通路側の先端が、鋭角になり易くて、この先端が破断し易いことを突きとめた。
上記実施形態のトルクリミッタによれば、環状の室80において、軸方向の油圧拡張室側26とは反対側に位置する第1径方向延在面81と、径方向において油圧拡張室26に対して他方の部材である軸部材1側とは反対側に位置する第1円筒面82とが、環状の連結面83で滑らかに連結されていると共に、溶接部72が、連結面83に間隔をおいて位置しているから、油圧拡張室26の一方側にある環状の室80における径方向の軸部材1側とは反対側の第1円筒面82において、軸方向の外方側に位置する角部である連結面83の周辺、すなわち、最も大きな応力が作用している箇所に、溶接部72が存在することがなく、かつ、この箇所に、破断が起こり易い尖った部分が存在することもない。
したがって、上記油圧拡張室26の周辺において、最も大きな応力が作用している箇所に、溶接部72が位置することがないから、その箇所の強度を大きくすることができる。また、その箇所に、尖った部分が存在することがなくて、その箇所に滑らかな面が存在しているから、その箇所に応力が集中することを緩和できる。したがって、油圧拡張室26の一端側の破損の可能性を格段に軽減することができる。
また、上記実施形態のトルクリミッタによれば、上記第1部70と第2部71との溶接は、隅肉溶接であり、かつ、溶接部の72の一部84は、第1部70の径方向の第2部71側の周面と、第1径方向延在面81とを連結していて、溶け込みが十分であるから、溶接部72の強度を大きくすることができる。
尚、上記実施形態のトルクリミッタでは、油圧拡張室26の一方の側のみで、隅肉溶接を行うと共に、環状の室の角部を滑らかな連結面83で構成したが、この発明では、油圧拡張室の他方の側のみで、隅肉溶接を行うと共に、環状の室の角部を滑らかな連結面で構成しても良く、また、油圧拡張室の両側で、隅肉溶接を行うと共に、各側において、環状の室の角部を滑らかな連結面で構成しても良い。
また、上記実施形態のトルクリミッタでは、油圧拡張室26および環状の室80が、筒部材2の内部に存在していたが、この発明では、図3に示すように、油圧拡張室126が、軸部材101に存在していても良い。尚、この場合、溶接部72の大部分が、環状の室80の径方向の内方に位置している上記実施形態のトルクリミッタを異なり、図3に示すように、溶接部172の大部分が、環状の室180よりも径方向の外方に位置することになることは、言うまでもない。
また、上記実施形態では、液圧通路(油圧拡張室26)を備える軸連結装置を、過大な回転トルクの伝達を遮断するトルクリミッタに適用したが、この発明の軸連結装置は、実開平6−18733号公報に記載されているような装置であっても良く、詳しくは、軸部材と、環状のフランジとを備え、軸部材と環状のフランジとを、軸部材内またはフランジ内に設けた環状の液圧通路内に充填された液体の液圧によって、摩擦係合するような装置であっても良い。
本発明の第1実施形態のトルクリミッタの軸方向の断面図である。 筒部材において、油圧拡張室の軸方向の一方側の端部の周辺を示す軸方向の模式断面図である。 本発明の変形例のトルクリミッタを示す軸方向の断面図である。
符号の説明
1 軸部材
2 筒部材
26,126 油圧拡張室
70 第1部
71 第2部
72,172 溶接部
80,180 環状の室
81 第1径方向延在面
82 第1円筒面
83 連結面
84 溶接部のうちで環状の室内に位置している部分
88 第2円筒面
96 本体部
97 溶け込み部

Claims (3)

  1. 軸部材と、
    上記軸部材に外嵌した筒部材と
    を備え、
    上記筒部材および上記軸部材のうちの一方の部材は、
    径方向に対向する環状の第1部と環状の第2部との間に位置して略軸方向に延在すると共に、上記一方の部材の周面を上記筒部材および上記軸部材のうちの他方の部材の周面に押し付けるための環状の液圧通路と、
    上記液圧通路の上記軸方向の一端側および他端側の少なくとも一方に位置すると共に、上記液圧通路の径方向の寸法よりも大きい径方向の寸法を有する環状の室と、
    上記第1部と上記第2部とを接合している溶接部と
    を有し、
    上記環状の室は、
    軸方向において上記液圧通路側とは反対側に位置すると共に、略径方向に延在する径方向延在面と、
    径方向において上記液圧通路に対して上記他方の部材側とは反対側に位置する略円筒状の周面と、
    上記径方向延在面と、上記略円筒状の周面とを滑らかに連結する環状の連結面と
    を有し、
    上記溶接部は、径方向延在面に対して上記液圧通路側とは反対側に位置する部分を有すると共に、上記連結面に間隔をおいて位置し、
    上記第1部は、上記第2部よりも径方向の上記他方の部材側に位置し、
    上記第1部の径方向の上記第2部側の周面は、軸方向において上記液圧通路から上記溶接部まで略円筒状の形状を有していることを特徴とする軸連結装置。
  2. 請求項1に記載の軸連結装置において、
    上記第1部と上記第2部との溶接は、隅肉溶接であり、
    上記溶接部の一部は、上記環状の室における上記他方の部材側の周面と、上記径方向延在面とを、周方向の全周に亘って連結していることを特徴とする軸連結装置。
  3. 請求項1または2に記載の軸連結装置を備え、
    上記液圧通路に封入した液体により上記液圧通路を上記一方の部材の径方向に拡張することにより、上記軸部材と上記筒部材とを摩擦係合する一方、上記液圧通路に封入された液体を上記液圧通路内から除去することにより、上記軸部材と上記筒部材との摩擦係合を解除することを特徴とするトルクリミッタ。
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