JP2010048159A - オイル供給制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンのフューエルカットが実行された場合、エンジンの燃費を改善することができるとともに、簡単な制御でオイルによるエンジンの冷却能力の低下を抑制することができるオイル供給制御装置を提供すること。
【解決手段】オイルパンと、ポンプ機構と、オイル供給制御部と、オイル還流部と、OSVと、ECUの燃料供給制御部と、燃料供給制御部による燃料の供給制御が実行される直前のエンジンの負荷が基準負荷より高いか否かを判定するECUのエンジン負荷判定部とを備え、エンジン負荷判定部により、エンジンの負荷が基準負荷より高いと判定された場合、オイル供給制御部が、OSVを閉じ、エンジン負荷判定部により、エンジンの負荷が基準負荷より低いと判定された場合、オイル供給制御部が、OSVを開いて、オイル通路内を流通するオイルの一部をオイル還流通路を介してポンプ機構に還流させることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、オイル供給制御装置に関し、特に、エンジンのフューエルカット制御が実行されているとき、オイルの供給を制御することにより、燃費を向上させることができるオイル供給制御装置に関する。
自動車などの車両に設けられたエンジンにおいては、ポンプ機構によってオイルパン内に貯留されたオイルを吸入してメインオイルギャラリなどのオイル通路内に圧送し、オイル通路を介してピストン、吸・排気カムシャフトやクランクシャフトのジャーナルなどの潤滑部にオイルを供給している。また、エンジンの運転状態に応じて、オイル供給制御装置によりポンプ機構のオイルの供給をコントロールして、適量のオイルによりこれら潤滑部の潤滑および冷却を行うとともに、ポンプ機構の負荷を軽減し、エンジンの負荷を減少させて燃費の悪化を防止するようにしている。
従来、この種のオイル供給制御装置として、吐出圧または吐出量などの出力を調整することができるオイルポンプを備え、エンジンに供給される燃料をカットするフューエルカット手段により、エンジンがフューエルカットされたときに、オイルポンプの出力を調整するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来のオイル供給制御装置においては、エンジンがフューエルカットされたときに、オイルポンプの出力を低下させてオイルポンプの負荷を軽くすることにより、エンジンの負荷を軽くして、車両に作用する急激な減速力の増大を抑制し、車両のスムーズな減速を得るようにしている。また、オイルポンプの負荷を軽くし、エンジンの負荷を軽くすることにより、エンジンの燃費の悪化を防止している。
他方、フューエルカットが終了したとき、エンジンに燃料が供給されエンジンの出力トルクが上昇し、車両は加速可能な状態となる。このとき、オイルポンプの出力が増大するよう制御され、オイルポンプの負荷が増大する。オイルポンプの負荷が増大するとエンジンの負荷も増大し、車両の急激な加速が抑制され車両のスムーズな加速が得られるようにしている。
特開2004−124973号公報
しかしながら、このような従来のオイル供給制御装置においては、エンジンのフューエルカットがなされたとき、一律にオイルポンプの出力を低下させてオイルポンプの負荷を軽くするようにしているので、エンジンの潤滑部に供給するオイルの供給量が減少し、十分な潤滑および冷却がなされないという問題があった。また、オイルをピストンに向けて噴射するオイルジェットの油圧が低下して、オイルジェット噴射が停止してしまうので、オイルジェットによるピストンの冷却能力が低下してしまうという問題があった。
フューエルカットがなされたときであっても、エンジンの負荷が比較的大きく、オイルジェットによるピストンの冷却を必要とする領域がある。このような冷却必要領域において、フューエルカットがなされると、オイルポンプの出力が低下するので、ピストンの冷却要求に対応できないという問題があった。
本発明は、前述の従来の問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明は、エンジンのフューエルカットが実行された場合、エンジンの燃費を改善することができるとともに、簡単な制御でオイルによるエンジンの冷却能力の低下を抑制することができるオイル供給制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係るオイル供給制御装置は、目的を達成するため、(1)オイルを貯留するオイルパンと、前記オイルパンに貯留された前記オイルをオイル通路を介してエンジンの潤滑部に供給するポンプ機構と、前記オイルの供給を制御するオイル供給制御部とを備えたオイル供給制御装置において、前記オイル通路から分岐し前記オイル通路内の前記オイルの一部を前記ポンプ機構に還流させるオイル還流通路を有するオイル還流部と、前記オイル還流部に設けられ前記オイル還流通路を開閉するオイルスイッチバルブと、前記エンジンの運転状態に応じて前記エンジンへの燃料の供給を制御する燃料供給制御部と、前記燃料供給制御部によるフューエルカットが実行される直前の前記エンジンの負荷が基準負荷より高いか否かを判定するエンジン負荷判定部と、を備え、前記エンジン負荷判定部により、前記エンジンの負荷が前記基準負荷より高いと判定された場合、前記オイル供給制御部が、前記オイルスイッチバルブを閉じ、前記エンジン負荷判定部により、前記エンジンの負荷が前記基準負荷より低いと判定された場合、前記オイル供給制御部が、前記オイルスイッチバルブを開いて、前記オイル通路内を流通する前記オイルの一部を前記オイル還流通路を介して前記ポンプ機構に還流させるものから構成されている。
この構成により、燃料供給制御部の指令に基づいてフューエルカットが開始されると、エンジン負荷判定部の指令に基づいて、フューエルカット直前のエンジンの負荷が基準負荷と比較され、エンジンの負荷が基準負荷より高いか否かが判定される。エンジンの負荷が基準負荷よりも高いと判定されると、オイル供給制御部により、オイルスイッチバルブが閉じられて、オイル通路内を流通するオイルの一部がオイル還流通路を介してポンプ機構に還流されないので、従来技術におけるエンジンのようにフューエルカットの開始により、一律にオイル通路内の油圧が低下することはない。その結果、オイルをピストンに向けて噴射するオイルジェットに必要な油圧を確保することができ、フューエルカット制御時にオイルジェットによるピストンの冷却能力が低下してしまうという問題が解消される。また、フューエルカット制御時にエンジンの潤滑部に供給するオイルの供給量が減少し、十分な潤滑および冷却がなされないという問題が解消される。
また、フューエルカット制御時において、エンジンの負荷が基準負荷よりも比較的小さいと判定されたときには、オイル供給制御部により、オイルスイッチバルブが開かれて、オイル通路内を流通するオイルの一部がオイル還流通路を介してポンプ機構に還流するので、ポンプ機構から吐出されるオイルの圧力が低下し、ポンプ機構の仕事率が減少する。
この場合、クランクシャフトに連結されたポンプ機構の負荷が軽減されるので、クランクシャフトのフリクションが低減され、エンジンの負荷が軽減され、燃料消費率が向上し、いわゆる燃費が改善される。
本発明によれば、オイル通路から分岐したオイル還流部を形成し、このオイル還流部にオイルスイッチバルブを設けるだけの簡単な構造および簡単な制御で、エンジンのフューエルカット制御時において、エンジンの負荷の高低により、木目細かなオイルの供給制御が実行され、オイルによるエンジンの冷却および潤滑と、燃料消費率の向上、すなわち燃費の改善との両立が可能なオイル供給制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るオイル供給制御装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るオイル供給制御装置を適用した車両のエンジンの概略斜視図であり、図2は、エンジン内部の各潤滑部とオイルの流れを示すブロック図であり、図3は、ポンプ機構の回路図であり、図4は、ピストンを収容するシリンダブロックの部分断面図である。
まず、構成を説明する。
図1に示すように、エンジン1は、気筒内に収容されたピストン2と、可変バルブタイミング機構(VVT:Variable Valve Timing)3と、クランクシャフト4と、オイル供給制御装置5と、シリンダヘッド、シリンダブロックおよびクランクケースからなるエンジンブロック6と、エンジン1の内部を冷却する冷却部7と、気筒内に直接燃料を噴射する図示しない燃料噴射装置とを含んで構成されている。
ピストン2は、図示しない他の3個のピストンを含めて直列4気筒のエンジン1を構成している。なお、エンジン1は、直列4気筒のものに限られず、単気筒や任意に気筒配列された多気筒であってもよく、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなど、空気と混合し得る炭化水素などの液体または気体を燃料とする公知のエンジンであってもよい。
VVT3は、吸気カムシャフト31に連結され、ベーン型アクチュエータ32を駆動する吸気側油圧コントローラ33と、排気カムシャフト34に連結され、ベーン型アクチュエータ35を駆動する排気側油圧コントローラ36とを含んで構成されている。吸気側油圧コントローラ33および排気側油圧コントローラ36は、チェーン37を介してクランクシャフト4と連結されており、クランクシャフト4の動力で駆動されるようになっている。
吸気側油圧コントローラ33には、吸気側オイルコントロールバルブ(OCV:Oil Control Valve)33cが接続され、吸気側油圧コントローラ33に供給される油圧が制御されるようになっている。また、排気側油圧コントローラ36にも、排気側オイルコントロールバルブ(OCV)36cが接続され、排気側油圧コントローラ36に供給される油圧が制御されるようになっている。
吸気カムシャフト31には、ロッカーアーム41を介して吸気バルブ42が連結されるとともに、排気カムシャフト34には、ロッカーアーム43を介して排気バルブ44が連結されている。吸気バルブ42の開閉タイミングは、吸気側油圧コントローラ33により、排気バルブ44の開閉タイミングは、排気側油圧コントローラ36により、それぞれ遅角制御や進角制御が実行され、吸気および排気の効率を向上させるとともに、エンジン1の出力(kW)およびトルク(N・m)が調整されるようになっている。
例えば、吸気バルブ42を閉じるときの閉弁タイミングをピストン2の下死点(BDC:Bottom Dead Center)を超えて遅角させると、エンジン1の圧縮行程で混合気を圧縮する際、吸気バルブ42が閉じてからの燃焼室の容積比が小さくなり、圧縮比を低下させることができる。また、VVT3が、遅角させた開閉タイミングを進角すれば、低下した圧縮比を高めることができる。
クランクシャフト4は、クランクジャーナル11を介してエンジンブロック6に回転可能に支持されるとともに、コネクティングロッドを介してピストン2に連結されており、ピストン2の往復運動が伝達されて回転運動するようになっている。
オイル供給制御装置5は、オイルパン51と、オイルストレーナ52と、ポンプ機構53と、ポンプ機構53から吐出されたオイルをろ過するオイルフィルタ54と、オイル通路部55と、オイル還流部56と、オイルスイッチバルブ(OSV:Oil Switch Valve)57と、オイル噴射ノズル58と、ポンプ機構53を流通するオイルの流量を調節するストップバルブ59(図2参照)と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)60とを含んで構成されている。オイル供給制御装置5は、エンジン1内の各潤滑部10にオイルを供給し各潤滑部10を潤滑するとともに冷却するよう構成されている。
この潤滑部10は、エンジン1内の潤滑を必要とする構成要素で、例えば、図2に示すように、ピストン2と、クランクシャフト4を回転可能に支持するクランクジャーナル11と、コネクティングロッド12をクランクシャフト4に連結するクランクピン13と、吸気カムシャフト31と、排気カムシャフト34と、ロッカーアーム41、43、吸気カムシャフトジャーナル47と、排気カムシャフトジャーナル48とを含んで構成されている。
オイルパン51は、潤滑部10の各潤滑要素から還流されたオイルを貯留するケースからなり、エンジンブロック6の下部に固定されている。このオイルパン51に貯留されたオイル内には、オイルストレーナ52の吸入口が浸漬されており、この吸入口からオイルが吸入されるようになっている。
図3に示すように、ポンプ機構53は、ポンプ本体53hと、オイルストレーナ52から吸い込まれたオイルをポンプ本体53hに流通させる吸入パイプ53kと、ポンプ本体53hから吐出されたオイルをオイルフィルタ54に流通させる吐出パイプ53tを含んで構成されている。
図1に示すように、ポンプ本体53hは、例えば、トロコイドポンプ、ギヤポンプなどのオイルを吸入し吐出するポンプからなり、図示しないチェーンを介してクランクシャフト4に連結されており、クランクシャフト4とは別軸でクランクシャフト4により等速駆動されるようになっている。なお、ポンプ本体53hは、チェーンによらず、クランクシャフト4に直結されクランクシャフト4により等速駆動される構造のものでもよい。
オイル通路部55は、オイルフィルタ54で浄化されたオイルを潤滑部10の各潤滑要素に供給する複数のオイル通路55tを含んで構成されている。このオイル通路55tは、潤滑部10の潤滑要素にオイルを圧送するオイルパイプ55p内に形成されたもの、メインオイルギャラリ55mなどのエンジンブロック6の壁部内に形成されたもの、吸気カムシャフト31および排気カムシャフト34に向けてオイルを放出するオイルシャワーパイプ55s内に形成されたものを含んで構成されている。
また、オイル通路55tは、オイルパイプ55pから滴下されるオイルを通すよう内部空間により構成されるもの、エンジンブロック6の壁部の表面を伝わるよう壁部の表面により構成されたものなど、オイルを流通させる媒体によって構成されている。
オイル還流部56は、オイルフィルタ54の排出口54hとメインオイルギャラリ55mとを連通するオイル通路55tから分岐し、ポンプ機構53の吸入口と連通するオイル還流通路56kを有するオイル還流パイプ56pを含んで構成されている。このオイル還流通路56k内には、オイル還流通路56kを開閉するOSV57が設けられている。このOSV57は、エンジンブロック6に装着されており、ECU60によりその開閉が制御されるようになっている。なお、このOSV57は、エンジンブロック6以外のものに装着されていてもよく、例えば、ポンプ機構53に装着されていてもよい。
OSV57は、オイル還流通路56kを開閉する機能を有する開閉弁からなり、例えば、電磁力により動作するソレノイドバルブで構成されている。
図1および図4に示すように、オイル噴射ノズル58は、内部にオイル通路55tを有するパイプからなり、先端部がピストン2の方向に向くよう、基端部がエンジンブロック6に支持されている。この先端部にはオイル噴射口が形成されており、メインオイルギャラリ55mからオイル通路55tに供給されたオイルがオイル噴射口からピストン2の方向に噴射されるようになっている。
ECU60は、燃料供給制御部と、エンジン負荷判定部と、オイル供給制御部とを含んで構成されており、単一または複数のプログラムにより各部の動作が連続的に実行されるようになっている。
ECU60は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)、燃料供給制御部、エンジン負荷判定部およびオイル供給制御部の各部の動作を実行させるプログラムなどが記憶されたROM(Read Only Memory)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、バッテリを電源として作動し書換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、A/D変換器やバッファなどの入力インターフェース回路および駆動回路などの出力インターフェース回路を含んで構成されている。
エアフロメータ、クランクポシションセンサ、圧力センサ、アクセルポジションセンサ、スロットル開度センサ、水温センサ、油温センサ、燃圧センサなどのセンサが、ECU60の入力インターフェース回路に、それぞれ接続されており、これらのセンサから出力される情報は、入力インターフェース回路を介してECU60に取り込まれるようになっている。
ECU60においては、クランクポジションセンサなどのクランクシャフト4の回転数(rpm)を検知するセンサから入力された情報に基づいてエンジン回転数Ne(rpm)が求められるようになっている。また、スロットル開度センサ、エアフロメータ、アクセルポジションセンサおよびクランクポジションセンサなどのエンジン1の出力に関する情報に基づいて、エンジン1に搭載されたVVT3の吸気バルブ42、排気バルブ44の開閉タイミングが制御されるようになっている。
エアフロメータは、例えば、ホットワイヤ式エアフロメータからなり、吸気温度計測用の抵抗と、加熱抵抗とによりブリッジ回路とを含む公知のもので構成されており、吸入空気量が変化したときに、ブリッジ回路により、吸気温度計測用の抵抗と、加熱抵抗との温度差を常に一定に保つよう加熱抵抗への供給電力をフィードバック制御するようなものでもよい。この供給電力が電圧に変換され吸入空気量として、ECU60に出力するようになっており、ECU60において、予め設定されたエアフロメータの電圧と吸入空気の流量との関係から吸入空気量が算出されるよう構成されている。
このエアフロメータは、吸気通路内に吸気温度計測用の抵抗および加熱抵抗が露出するよう吸気管に装着されている。なお、吸気管に吸入空気量計測用のバイパス通路管を設け、このバイパス通路管の吸気通路内に吸気温度計測用の抵抗および加熱抵抗が露出するようバイパス通路管に装着し、エアクリーナからの吸気脈動の影響を受けにくくしてもよい。
また、エアフロメータは、他の計測手段であってもよい。例えば、吸気管内の負圧を圧力センサで検知し、検知圧力を吸入空気量に換算するDジェトロニックタイプでもよく、吸入空気の流れの中に障害物をおくとその後ろに渦が発生し、この渦の数が吸入空気の流れが速いほど多くなる現象を利用したカルマン渦式エアフロメータでもよい。また、吸気管内にプレートを設け、吸入空気がこのプレートを押すことでその動いた変位量から吸入空気量を算出する可動プレート式エアフロメータでもよい。
クランクポシションセンサは、例えば、クランクシャフト4に固定されたタイミングロータと電磁ピックアップセンサとを含む公知のもので構成されており、エンジンブロック6に固定されている。このクランクポジションセンサは、クランク位置、クランク角速度などのクランクの回転を検出し、検出された回転の信号は、ECU60に出力されるようになっている。
圧力センサは、例えば、高い感度を有する半導体ピエゾ抵抗を含む公知のもので構成されている。この半導体ピエゾ抵抗は、ECU60に接続されており、オイル通路部55内の圧力に応じた抵抗値を検知し電圧信号をECU60の入力インターフェース回路に入力するようになっている。このオイル圧力センサは、VVT3の上流側のオイル通路55t内に設けられ、吸気側油圧コントローラ33および排気側油圧コントローラ36に供給されるオイルの圧力(kPa)を検出するようになっている。
ECU60の燃料供給制御部は、燃料噴射装置の燃料噴射ノズルから噴射される燃料の噴射量の制御や噴射タイミングの進角制御または遅角制御を実行するとともに、エンジン1の運転状態に応じたフューエルカット制御を実行するよう構成されている。
噴射タイミングの制御の場合、具体的には、燃料の噴射開始時期および噴射終了時期を、クランクポジションセンサの検知情報から得られた所定のクランク角度に基づいて遅角または進角させ、空燃比制御性の向上や排気ガス中のエミッションの低減を促進させるとともに、エンジン1の最適なトルクおよび出力を得るようにしている。
また、フューエルカット制御の場合は、エンジン1の運転状態が減速時の場合や高回転時の場合に、燃料噴射装置の燃料噴射ノズルへの燃料の噴射信号を停止させ、燃料噴射を停止することにより実行され、減速時や高回転時の運転状態における燃料消費量を低減するようにしている。
減速時の運転状態においては、フューエルカット制御の開始条件が満たされたとき、例えば、アクセルペダルが非操作状態で、エンジン回転速度(rpm)が、予め設定された設定カット回転速度(rpm)以上のときであって、燃料の噴射の必要がなく、フューエルカット可能な状態と判定されたとき、燃料供給制御部によりフューエルカット制御が実行される。この設定カット回転速度は、単一のものでもよく、複数のものでもよい。例えば、車両のギヤシフト位置に基づいて設定されたギヤシフト位置に基づく設定カット回転速度G、エアコンなどの負荷の有無に基づいて設定された負荷に基づく設定カット回転速度F、エンジン1の冷却水温度に基づいて設定された冷却水温度に基づく設定カット回転速度Rなど、車両の運転状態に基づいて適宜設定された異なる3つの設定カット回転速度を駆使して木目細かな制御が実行されるよう構成してもよい。
また、寒冷地仕様、暖地仕様などの車種や、燃料の種別、エンジン1の種別、排気量などの車両が持っている特性、取得した実機評価のデータに基づいてフューエルカット制御の開始条件を適宜設定するようにしてもよい。例えば、前述のエンジン回転速度(rpm)以外のフューエルカット制御の開始条件が満たされたとき、フューエルカット制御を実行するようにしてもよい。具体的には、車速(km/h)、エアフロメータの吸入空気量(g/rev)、燃料圧力(kPa)、スロットル開度(%)の各所定値が満たされたとき、フューエルカット制御を実行するようにしてもよい。
高回転時の運転状態においては、例えば、エンジン1が過回転領域、すなわち、各車速毎に対応したエンジン1の通常使用最高回転数NeGを超え、かつオーバーレブ防止燃料カット回転数などの最高許容回転数NeC未満の領域となった場合、フューエルカット制御が実行され、エンジン1の回転速度の上昇が抑制され、エンジン1の損傷が防止される。具体的には、設定カット回転速度(rpm)を8,000rpmとし、エンジン1が8,000rpmを超えたときにフューエルカット制御が実行される。
なお、フューエルカット制御は、エンジン1が復帰回転速度(rpm)より低くなったとき、または、運転者によりアクセルべダルが操作され、スロットルが開かれるという加速要求があったときなど、燃料の噴射の必要が生じたときまで実行される。
この復帰回転速度は、エンジン1の駆動が停止した惰行走行をし続けたときに燃料噴射を再び開始する回転速度であり、例えば、前述の設定カット回転速度より一定回転速度下げた回転速度に設定されている。
ECU60のエンジン負荷判定部は、燃料供給制御部により、エンジン1のフューエルカット制御が実行される直前のエンジン負荷情報に基づいて得られた、エンジン1のフューエルカット制御の実行直前の直前エンジン負荷と、予め設定され、エンジン負荷の高低の基準となる基準エンジン負荷、すなわち基準負荷としての閾値とを比較するよう構成されている。この比較により、直前エンジン負荷が基準エンジン負荷より高いか否かが判定される。
エンジン負荷情報には、例えば、エアフロメータの吸入空気量(g/rev)の出力信号、圧力センサの吸入空気圧(kPa)やオイル圧力(kPa)の出力信号、アクセルポジションセンサのアクセル開度ACCの出力信号、スロットル開度センサのスロットル開度の出力信号、クランクポシションセンサのクランク回転の出力信号、水温センサの冷却水温(℃)の出力信号、油温センサの潤滑油温(℃)の出力信号、燃圧センサの燃料の圧力(kPa)の出力信号などの各出力信号からなる情報が含まれる。
ECU60は、これらのうちの任意に選択されたエンジン負荷情報に基づいて、具体的な直前エンジン負荷を算出するようになっている。これらのうちの任意に選択されたエンジン負荷情報は、単一であってもよく、複数であってもよい。
これらのエンジン負荷情報は、ECU60におけるエンジン負荷を予測しているRAMに一旦記憶させ、必要に応じて読み出して利用することができる。
基準エンジン負荷は、前述のエンジン負荷情報から得られた直前エンジン負荷に対応するもので、直接比較できるよう、直前エンジン負荷と同種の負荷であり、具体的には、直前エンジン負荷と基準エンジン負荷の単位が同一であることが好ましい。
この基準エンジン負荷は、寒冷地仕様、暖地仕様などの車種や、燃料の種別、エンジン1の種別、排気量などの車両が持っている特性により異なり、取得した実機評価のデータに基づいて車両の特性毎に適宜設定されたものであり、判定基準となる数値であってもよく、エンジン1の運転状態に応じたエンジン負荷マップなどの判定基準となるマップであってもよい。
この基準エンジン負荷については、実機評価においてどのような制御を優先させるかを決定することができる。具体的には、High側の油圧の制御を優先させて、フューエルカット制御の復帰後の性能、例えば、加速性維持、もたつきの解消などの向上を優先させるのか、それとも、Low側の油圧の制御を優先させて、燃費を向上させることを優先させるのか、いずれの制御を優先させるのかを、車両としての優位性に基づいて決定することができる。
このHigh側の油圧は、OSV57を閉じて、オイル通路55t内を流通するオイルの一部をオイル還流通路56kを介してポンプ機構53に還流させないようオイル還流通路56kを遮断することにより得られ、Low側の油圧は、OSV57を開いて、オイル通路55t内を流通するオイルの一部をオイル還流通路56kを介してポンプ機構53に還流させることにより得られる。
ECU60のオイル供給制御部は、エンジン負荷判定部によりフューエルカット直前のエンジン1の負荷情報に基づいて得られたエンジン1の直前エンジン負荷が、設定された基準エンジン負荷、すなわち基準負荷としての閾値よりも高くないと判定されたとき、OSV57を開いて、オイル通路55t内を流通するオイルの一部をオイル還流通路56kを介してポンプ機構53に還流させ、Low側の油圧で制御するよう構成されている。また、エンジン負荷判定部により直前エンジン負荷が、閾値よりも高いと判定されたとき、OSV57を閉じて、オイル通路55t内を流通するオイルの一部がオイル還流通路56kを介してポンプ機構53に還流しないようオイル還流通路56kを遮断させ、通常走行時のHigh側の油圧で制御するよう構成されている。
エンジンブロック6は、燃焼室6aを含むシリンダを画成するシリンダヘッドおよびシリンダブロックと、クランクケースとがボルトなどの締結具により締結され一体化されている。
このエンジンブロック6は、図示しない複数のエンジンマウントを介して車体にマウントされている。
図1に示すように、冷却部7は、流入する高温の冷却液を低温の外気で冷却するラジエータ7aと、冷却された冷却液をラジエータ7aからエンジンブロック6内に流入させるアッパーパイプ7bと、エンジンブロック6からラジエータ7aに冷却液を流入させるロアパイプ7cと、エンジンブロック6内で冷却液を流通させるようエンジンブロック6に設けられた図3に示すウォータジャケット7wとを含んで構成されている。
冷却部7は、さらに、ウォーターポンプ7pと、アッパーパイプ7bとロアパイプ7cとの間に介装されたバイパスパイプ7dと、このバイパスパイプ7dとアッパーパイプ7bの分岐部分に設けられたサーモスタット7tとを含んで構成されている。
冷却部7内の冷却液は、ラジエータ7a内で空冷され、アッパーパイプ7bからエンジンブロック6内のウォータジャケット7wに流入し、エンジンブロック6内の冷却液通路を流通したのち、ロアパイプ7cからラジエータ7aに還流するようになっている。
このサーモスタット7tは、ウォータジャケット7wに流入する冷却液の温度を検出し、この冷却液の温度が設定温度か否かで、すなわち、冷却液の温度に応じて冷却液がラジエータ7aを通る循環と、通らない循環のいずれかに切り替えるようになっている。例えば、冷却液の温度が80℃未満のとき、サーモスタット7tにより、冷却液がラジエータ7aを通らない循環に切り替わる。すなわち、アッパーパイプ7bとバイパスパイプ7dとが連通し、冷却液がロアパイプ7cからウォータジャケット7wに流入する。このとき、ECU60により、ウォーターポンプ7pが駆動し、冷却液がウォータジャケット7w、アッパーパイプ7b、バイパスパイプ7dおよびロアパイプ7c内を循環し、エンジン1の冷間時における暖気運転が促進されるようにしている。
他方、冷却液の温度が80℃以上のとき、サーモスタット7tにより、冷却液がラジエータ7aを通る循環に切り替わる。このとき、アッパーパイプ7bがラジエータ7a側に連通し、冷却液がバイパスパイプ7dを通らない状態、すなわち、冷却液がラジエータ7aを通る状態になり、冷却液がラジエータ7aで空冷され、アッパーパイプ7bからウォータジャケット7w内を流通し、ロアパイプ7cからラジエータ7aに還流し、エンジン1が好適に冷却されるようにしている。
燃料噴射装置は、気筒内に燃料噴射ノズルを露出させるようエンジンブロック6に設けられたインジェクタと、燃料を貯留する燃料タンクと、燃料を浄化する燃料フィルタと、燃料タンク内の燃料を燃料噴射ノズルに供給する燃料ポンプと、燃料を流通させる燃料パイプとを含んで構成されている。燃料噴射装置においては、高圧の燃料を燃焼室6a内に噴射し、効率よく爆発させるよう、燃焼室内に吸入される吸入空気と均一に混合させるようになっている。また、燃料噴射装置は、エンジン1の運転状態に応じて、ECU60の燃料供給制御部の指令により、フューエルカットや燃料の噴射タイミングの進角または遅角を実行するよう構成されている。
次に、本実施の形態に係るオイル供給制御装置5のオイル供給制御の動作について説明する。
図5は、オイル供給制御装置のオイル供給制御の動作を示すフローチャートである。
なお、図5に示すフローチャートは、ECU60のROMに格納されたオイル供給制御プログラムの実行内容を示すもので、このオイル供給制御プログラムは、燃料供給制御部、エンジン負荷判定部およびオイル供給制御部の各機能内容を実行する単一または複数のプログラムを含んで構成されている。このオイル供給制御プログラムは、ECU60のCPUによって実行される。
まず、ECU60は、エンジン1のスタータモータを作動するスタータスイッチがオンとなったことを検知、またはスタータスイッチがオンからオフに切り替わってから所定時間未満であることを検知した場合には、ECU60は、所定の時間間隔で、エンジン1がフューエルカットの開始条件を満たすか否かを判定し、フューエルカットの開始条件を満たす場合、フューエルカットが開始されると判定する(ステップS11)。
フューエルカットの開始条件は、例えば、アクセルペダルが非操作状態で、エンジン回転速度がA(rpm)以上であり、かつエアフロメータの吸入空気量が吸入空気量の設定範囲B〜B(g/rev)にあるときなどが含まれる。具体的には、エンジン回転速度A、吸入空気量の設定範囲B〜Bは、寒冷地仕様、暖地仕様などの車種や、燃料の種別、エンジン1の種別、排気量などの車両が持っている特性、取得した実機評価のデータに基づいて適宜選択される。
ECU60は、フューエルカットが開始されると判定された場合、フューエルカット直前のエンジン1の負荷情報を取得する(ステップS12)。フューエルカット直前のエンジン1の負荷情報は、例えば、エアフロメータの吸入空気量(g/rev)に基づいて、ECU60により予測され、RAMなどに記憶されたフューエルカット直前の直前エンジン負荷を含んで構成されている。
次いで、ECU60は、ROMに記憶されたエンジン負荷の高低の基準となる基準エンジン負荷、すなわち基準負荷としての閾値を、ROMから読み出して、フューエルカット直前のエンジン1の負荷情報から取得した直前エンジン負荷と比較する。この比較により、直前エンジン負荷が基準エンジン負荷より高いか否かが判定される(ステップS13)。
ECU60は、直前エンジン負荷が基準エンジン負荷より高いと判定した場合、OSV57を閉じて、オイル通路55t内を流通するオイルの一部がオイル還流通路56kを介してポンプ機構53に還流しないようオイル還流通路56kを遮断させ、通常走行時のHigh側の油圧で制御する(ステップS14)。
ECU60は、直前エンジン負荷が基準エンジン負荷より高くないと判定した場合、OSV57を開いて、オイル通路55t内を流通するオイルの一部をオイル還流通路56kを介してポンプ機構53に還流させ、Low側の油圧で制御する(ステップS15)。
また、ECU60は、ステップS14またはステップS15の制御を実行した後、フューエルカット制御の実行が終了したか否かを判断する(ステップS16)。
例えば、ECU60は、フューエルカット制御の実行を終了させてエンジン1を通常の燃料供給の状態に復帰させる復帰回転速度(rpm)より低くなったとき、または、運転者によりアクセルべダルが操作され、スロットルが開かれるという加速要求があったときなど、燃料の噴射の必要が生じたときにフューエルカット制御の実行が終了したと判断する。
ECU60は、フューエルカット制御の実行が終了したと判断した場合、通常走行時の油圧制御、すなわち、OSV57を閉じて、オイル通路55t内を流通するオイルの一部がオイル還流通路56kを介してポンプ機構53に還流しないようオイル還流通路56kを遮断させ、通常走行時のHigh側の油圧制御に戻す(ステップS17)。
次いで、ECU60は、例えば、クランクポジションセンサの出力信号に基づいて、エンジン1が停止したか否かを判定し、エンジン1が停止したと判定したとき、本実施の形態に係るオイル供給制御装置5のオイル供給制御を終了させる(ステップS18)。
また、ECU60は、ステップS11において、エンジン1のフューエルカットが開始していないと判定したとき、ステップS18に処理を移行させ、エンジン1が停止したか否かを判定する。
ECU60は、エンジン1が停止していないと判定したとき、エンジン1のフューエルカットが開始したか否かを判定するステップS11に戻る。
このように、本実施の形態に係るオイル供給制御装置5は構成されているので、次のような効果を得ることができる。
本実施の形態に係るオイル供給制御装置5は、オイルパン51と、オイル通路55tを介してエンジン1の潤滑部10に供給するポンプ機構53と、オイル還流部56と、OSV57と、ECU60の燃料供給制御部と、ECU60のエンジン負荷判定部とを備え、ECU60のエンジン負荷判定部により、エンジン1の負荷が閾値より高いと判定された場合、ECU60のオイル供給制御部により、OSV57が閉じられてHigh側の油圧で制御され、ECU60のエンジン負荷判定部により、エンジン1の負荷が閾値より低いと判定された場合、ECU60のオイル供給制御部により、OSV57が開かれてLow側の油圧で制御されるもので構成されている。
その結果、ECU60の燃料供給制御部によりフューエルカットが開始すると、ECU60のエンジン負荷判定部により、フューエルカット直前のエンジン1の負荷が閾値と比較され、その高低が判定される。
エンジン1の負荷が閾値よりも高いと判定されると、ECU60のオイル供給制御部により、OSV57が閉じられてHigh側の油圧で制御されるので、従来技術におけるエンジンのようにフューエルカットの開始により、一律にLow側の油圧で制御されることはない。エンジン1のフューエルカット制御時においても、エンジン1の負荷が比較的大きいときには、High側の油圧で制御され、オイルをピストンに向けて噴射するオイルジェットに必要な油圧を確保することができ、フューエルカット制御時にオイルジェットによるピストンの冷却能力が低下してしまうという問題が解消される。また、エンジン1の潤滑部に供給するオイルの供給量が減少し、十分な潤滑および冷却がなされないという問題が解消される。
図6は、本実施の形態に係るオイル供給制御装置のエンジン回転数Neに対するオイル通路内の油圧を示すグラフである。
また、フューエルカット制御時において、エンジン1の負荷が比較的小さいときには、図6に示すように、フューエルカット制御が終了するまで、Low側の油圧で制御されるので、吐出量(mm/sec)×圧力(kPa)で表されるポンプ機構53の仕事率(w)が減少する。すなわち、ポンプ機構53から吐出されたオイルの一部が、オイル還流部56からポンプ機構53に還流されるので、ポンプ機構53から吐出されるオイルの圧力(kPa)が低下してポンプ機構53の仕事率(w)が減少する。この場合、クランクシャフト4に連結されたポンプ機構53の負荷が軽減されるので、クランクシャフト4のフリクションが低減され、エンジン1の負荷が軽減され、燃料消費率(g/KWh:gは燃料の重量、KWは出力、hは時間)も向上し、いわゆる燃費がよくなるという効果がある。
このように、本実施の形態に係るオイル供給制御装置5においては、オイル通路55tから分岐したオイル還流部56を形成し、このオイル還流部56にOSV57を設けるだけの簡単な構造および簡単な制御で、エンジン1のフューエルカット制御時において、エンジン1の負荷の高低により、木目細かな、オイルの供給制御を実行することができ、オイルによるエンジンの冷却および潤滑と、燃料消費率の向上とを両立させることができるという効果がある。
なお、エンジン1が、オイルの圧力により吸気バルブ42および排気バルブ44の少なくともいずれか一方のバルブの開閉タイミングを変更しうるVVT3を備えたものであっても、VVT3の制御に悪影響を及ぼすことはない。すなわち、図6に示すように、エンジン1のフューエルカット制御時において、Low側の油圧で制御されたとき、Low側の油圧がオイルジェット油圧(kPa)の下限を下回り、オイルジェットの噴射が停止しても、なおLow側の油圧はVVT3を作動させる下限のVVT制御油圧(kPa)より大きいので、VVT3の進角制御または遅角制御に影響はない。
また、図6に示すように、ECU60は、ステップS16において、フューエルカット制御の実行が終了したと判断した場合、ステップS17において、エンジン1が速やかに通常走行時の油圧制御、すなわち、High側の油圧制御に戻されるので、オイルジェット油圧(kPa)の下限を超え、図4に示すように、オイル噴射ノズル58からピストン2に向けてオイルが噴射される。これにより、ピストン2がオイルにより冷却され、燃焼室6a内の混合気が冷却され、エンジン1のいわゆるノッキングの発生が抑制されるという効果が得られる。また、エンジン1がHigh側の油圧制御に戻されると、点火時期の進角制御が可能となり、燃焼室6a内の混合気の燃焼が改善される。すなわち、フューエルカット復帰後のエンジントルクを改善することができる。
本実施の形態に係るオイル供給制御装置5のポンプ機構53をクランクシャフト4に連結させ、エンジン1の動力によりポンプ機構53を駆動させる構造のもので構成し、オイル通路55tからポンプ機構53にオイルを還流させるオイル還流通路56kを形成し、エンジン1がフューエルカット制御され、エンジン負荷が比較的小さいとき、オイル還流通路56kに設けたOSV57を開いて、Low側の油圧にする場合について説明した。
しかしながら、本発明に係るオイル供給制御装置のポンプ機構においては、他の構造のもので構成してもよい。例えば、ポンプ機構を可変容量型のオイルポンプで構成し、エンジン1がフューエルカット制御され、エンジン負荷が比較的小さいとき、ポンプ機構の容量を小さくして、ポンプ機構の負荷を小さくし、燃費を向上させるようにしてもよい。さらに、ポンプ機構を大容量のポンプ機構と、小容量のポンプ機構との2個のポンプ機構で構成し、エンジン1がフューエルカット制御され、エンジン負荷が比較的小さいとき、小容量のポンプ機構に切り替えてポンプ機構の負荷を小さくし、燃費を向上させるようにしてもよい。
以上のように、本発明に係るオイル供給制御装置は、エンジンのフューエルカットが実行された場合、エンジンの燃費を改善することができるとともに、簡単な制御でオイルによるエンジンの冷却能力の低下を抑制することができるという効果を有し、エンジンの潤滑部にオイルを供給することにより、潤滑部の潤滑を行うことができるオイル供給制御装置に有用である。
本発明の実施の形態に係るオイル供給制御装置を適用した車両のエンジンの概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係るオイル供給制御装置が適用されるエンジン内部の各潤滑部とオイルの流れを示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るオイル供給制御装置のポンプ機構の回路図である。 本発明の実施の形態に係るオイル供給制御装置のピストンを収容するシリンダブロックの部分断面図である。 本発明の実施の形態に係るオイル供給制御装置におけるオイル供給制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るオイル供給制御装置のエンジン回転数Neに対するオイル通路内の油圧を示すグラフである。
符号の説明
1 エンジン
2 ピストン
3 VVT(可変バルブタイミング機構)
4 クランクシャフト
5 オイル供給制御装置
6 エンジンブロック
7 冷却部
10 潤滑部
51 オイルパン
52 オイルストレーナ
53 ポンプ機構
54 オイルフィルタ
55 オイル通路部
55t オイル通路
56 オイル還流部
56k オイル還流通路
57 OSV(オイルスイッチバルブ)
58 オイル噴射ノズル
59 ストップバルブ
60 ECU(電子制御ユニット、オイル供給制御部、燃料供給制御部、エンジン負荷判定部)

Claims (1)

  1. オイルを貯留するオイルパンと、前記オイルパンに貯留された前記オイルをオイル通路を介してエンジンの潤滑部に供給するポンプ機構と、前記オイルの供給を制御するオイル供給制御部とを備えたオイル供給制御装置において、
    前記オイル通路から分岐し前記オイル通路内の前記オイルの一部を前記ポンプ機構に還流させるオイル還流通路を有するオイル還流部と、
    前記オイル還流部に設けられ前記オイル還流通路を開閉するオイルスイッチバルブと、
    前記エンジンの運転状態に応じて前記エンジンへの燃料の供給を制御する燃料供給制御部と、
    前記燃料供給制御部によるフューエルカットが実行される直前の前記エンジンの負荷が基準負荷より高いか否かを判定するエンジン負荷判定部と、を備え、
    前記エンジン負荷判定部により、前記エンジンの負荷が前記基準負荷より高いと判定された場合、前記オイル供給制御部が、前記オイルスイッチバルブを閉じ、前記エンジン負荷判定部により、前記エンジンの負荷が前記基準負荷より低いと判定された場合、前記オイル供給制御部が、前記オイルスイッチバルブを開いて、前記オイル通路内を流通する前記オイルの一部を前記オイル還流通路を介して前記ポンプ機構に還流させることを特徴とするオイル供給制御装置。
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