JP2010042397A - 水素分離装置及び水素分離装置の運転方法 - Google Patents

水素分離装置及び水素分離装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水素分離性能に優れるとともに、耐久性にも優れた水素分離装置及び水素分離装置の運転方法を提供する。
【解決手段】原料流体が流動する第1流路7を形成する部材9及び第1流路7内に配置される部材の第1流路7内に露出する鉄含有金属表面21で、第1流路7内に存する流体の流動方向において水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の下流端より少なくとも上流の位置にある部分を鉄成分飛散防止皮膜31で被覆することによって、水素選択透過性金属膜12の欠陥を引き起こす鉄含有物質の第1流路7内への飛散が防止され、水素分離性能及び耐久性に優れた水素分離装置1とすることができる。
【選択図】図1A

Description

本発明は、水素分離装置及び水素分離装置の運転方法に関する。更に詳しくは、鉄含有物質の付着に起因する水素選択透過性金属膜の欠陥が低減されて水素透過性能と耐久性とに優れた水素分離装置及びその運転方法に関する。
水素ガスは石油化学の基本素材ガスとして大量に使用され、またクリーンなエネルギー源として期待されている。高純度の水素ガスは、天然ガス、ナフサ、石炭、又は炭化水素を原料(原料流体)とする各種の処理手段を経て製造された水素含有ガスから水素ガスを選択的に分離することにより得られる。
水素ガスを分離する一手段として水素分離装置を使用する方法があり、中でも無機多孔質支持体の少なくとも一側に水素ガスを選択的に透過させる選択透過能を有する水素選択透過性膜を備えた水素分離装置を使用する方法がある。
例えば、水素選択透過性膜として、パラジウムまたはパラジウム合金などの金属膜に代表される水素選択透過性金属膜が知られている。これは、パラジウム又はパラジウムを含有する合金などが有する水素のみを溶解する性質を利用している。
水素選択透過性金属膜を備えた水素分離装置は、高圧、高温、更には昇降温など厳しい環境下で水素分離処理を繰り返しながら稼動することが通常であった。このような使用態様に適応するため、例えば、水素分離装置を構成する部材としては、耐久性、熱伝導性及び密閉性を高めるために、金属製のものが好まれて使用されていた。しかし、従来の水素分離装置では、水素選択透過性金属膜の欠陥や水素分離性能の低下が依然として問題とされていた。
そこで、水素分離装置に関して、水素選択透過性金属膜の性能をより引き出すための技術開発が今日まで継続されてきた。
例えば、特許文献1においては、水素選択透過性金属膜の水素透過性能を回復及び安定化するために、水素選択透過性金属膜を酸素含有ガス中で加熱処理する技術が開示された。これにより、水素選択透過性金属膜に付着した炭素又は炭素系化合物が、酸素との反応によりガス化して取り除かれることを可能とした。
特許文献1の技術によれば、水素分離処理の合間に酸素含有ガス中での加熱処理を繰り返した場合、その都度水素選択透過性金属膜に付着した炭素又は炭素系化合物を除去できるため、酸素含有ガス中での加熱処理の後では水素分離性能は回復することが示された。
また、特許文献2〜4において、水素選択透過性金属膜の表面を保護層で被覆する技術が開示された。この保護層により、水素分離装置の流路内に浮遊する物質と水素選択透過性金属膜との直接の接触が阻止され、水素選択透過性金属膜の耐久性が向上した。
また、従来公知の技術では、水素選択透過性金属膜のまわりに、セラミック及び/又は金属を主成分とするフィルターを配設することにより、流路内に浮遊する物質を取り除き、水素選択透過性金属膜との接触を阻止することができる。
特開平8−257376号公報 特開2006−289345号公報 特開平11−114388号公報 特開2004−271525号公報
しかしながら、上記の特許文献1〜4に開示された技術を用いても、通常400℃以上という条件下で使用されるため、水素選択透過性金属膜の欠陥や水素分離性能の低下の問題は、依然として解消されたとは言い難い状況にあった。
例えば、特許文献1の技術では、酸素含有ガス中で加熱処理を行う。そのため、原料ガス(原料流体)の流路を形成する部材又は流路内に配置された部材を金属製(例えばステンレス製)とした場合、これら金属製の部材等は、酸化・還元作用を受けて金属表面が腐食する問題が残された。また、水素分離装置の流路を形成する部材としては、ステンレス等に代わる好適な材質のものが見出せない現状もあった。
特許文献2〜4の技術では、水素分離装置の流路内に浮遊する物質と水素選択透過性金属膜との接触は阻止できるものの、水素選択透過性金属膜の欠陥発生や水素分離性能の低下を確実に抑止するには至っていなかった。また、水素選択透過性金属膜の表面上に保護層を被覆する工程が煩雑になるという生産性及びメンテナンス面での問題が依然残されていた。
また、従来公知の技術では、フィルターの配設によっても、流路内に浮遊する物質と水素選択透過性金属膜との接触は阻止できるものの、フィルター配設に伴う生産性及びメンテナンス面での問題が依然残されていた。
上記の問題に鑑みて、本発明の課題は、水素分離性能に優れるとともに、耐久性にも優れた水素分離装置並びに水素分離性能及び耐久性に優れた水素分離装置の運転方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者は、鋭意検討した結果、水素分離装置の流路内に浮遊し、水素選択透過性金属膜に付着することで水素選択透過性金属膜に欠陥を与える物質として、鉄含有物質を見出した。
そこで、本発明者は、流路を形成する部材等の鉄含有金属表面を鉄成分飛散防止皮膜で被覆することにより上記課題が解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、以下に示す水素分離装置及び水素分離装置の運転方法が提供される。
[1] 原料流体を流入する原料入口と、前記原料流体より選択的に抽出される水素を流出する水素出口と、残余の前記原料流体を排出する残原料出口と、並びに前記原料入口から前記水素出口及び前記残原料出口まで通じる流体流路と、を有する反応容器と、前記流体流路に設けられて、前記原料入口及び前記残原料出口に通じる第1流路と前記水素出口に通じる第2流路とに前記流体流路を隔て、前記原料流体に含まれる水素を選択的に透過する水素選択透過性金属膜を有し、該水素選択透過性金属膜を通じて前記第1流路側から前記第2流路側へ水素を選択的に透過する水素選択透過部と、を備え、前記第1流路を形成する部材及び前記第1流路内に配置される部材の前記第1流路内に露出する鉄含有金属表面で、前記第1流路内に存する流体の流動方向において前記水素選択透過性金属膜の透過可能部の下流端より少なくとも上流の位置にある部分の少なくとも一部が鉄成分飛散防止皮膜で被覆された水素分離装置。
[2] 前記第1流路を形成する部材及び前記第1流路内に配置される部材の前記第1流路内に露出する前記鉄含有金属表面で、前記第1流路内に存する流体の流動方向において前記水素選択透過性金属膜の前記透過可能部の前記下流端より少なくとも上流の位置にある部分全てが前記鉄成分飛散防止皮膜で被覆された前記[1]に記載の水素分離装置。
[3] 前記反応容器の前記第1流路内に露出する前記鉄含有金属表面の全てを前記鉄成分飛散防止皮膜で被覆した前記[1]又は[2]に記載の水素分離装置。
[4] 前記水素選択透過性金属膜は、パラジウム(Pd)及び/又はパラジウムを含有する合金の金属膜である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の水素分離装置。
[5] 前記鉄成分飛散防止皮膜は、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)及び貴金属からなる群のうち少なくとも1種からなる金属皮膜又は金属酸化物皮膜である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の水素分離装置。
[6] 前記貴金属が、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)の少なくとも1種を含有する前記[5]に記載の水素分離装置。
[7] 前記水素選択透過部は、多孔質支持体とその表面上を被覆した前記水素選択透過性金属膜からなり、一方の端部が閉じられ他方の端部が内部の空洞部と通じる開口部とされた中空形状であり、前記水素選択透過部の前記開口部と接続し、前記水素選択透過部の前記開口部と前記水素出口とが通じるように前記水素選択透過部を固定する接合部を有し、前記第1流路内に露出する前記接合部の前記鉄含有金属表面で、前記第1流路内に存する流体の流動方向において前記水素選択透過性金属膜の前記透過可能部の前記下流端より少なくとも上流の位置にある部分が前記鉄成分飛散防止皮膜で被覆された前記[1]〜[6]のいずれかに記載の水素分離装置。
[8] 前記第1流路内に、触媒物質と、前記触媒物質を前記第1流路内の所定の位置に保持して前記触媒物質と前記水素選択透過部との接触を阻止し且つ前記原料流体の通過を許容する触媒保持部材と、を有し、前記触媒保持部材の表面のうち、前記第1流路内に露出する前記鉄含有金属表面で、前記第1流路内に存する流体の流動方向において前記水素選択透過性金属膜の前記透過可能部の前記下流端より少なくとも上流の位置にある部分が前記鉄成分飛散防止皮膜で被覆された前記[1]〜[7]のいずれかに記載の水素分離装置。
[9] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載の水素分離装置を、水素透過時の前記水素選択透過性金属膜を透過する水素の温度が300℃以上かつ900℃以下で使用する水素分離装置の運転方法。
[10] 前記水素選択透過性金属膜を透過する水素の前記温度が400℃以上かつ800℃以下である前記[9]に記載の水素分離装置の運転方法。
本発明の水素分離装置は、鉄成分飛散防止皮膜を有することで、高圧、高温及び昇降温等の厳しい環境下における長時間の使用によっても、水素選択透過性金属膜の欠陥発生が抑制されて、優れた水素透過性能と耐久性を発揮する効果を奏する。
本発明の水素分離装置の実施形態の一例を示す模式図である。 本発明の水素分離装置の実施形態の一例を示す模式図である。 本発明の水素分離装置の実施形態の一例を示す模式図である。 第1流路内の流体の流動方向及び鉄含有物質の浮遊経路を説明する模式図である。 本発明の水素分離装置の実施形態の一例を示す模式図である。 本発明の水素分離装置の実施形態の一例を示す模式図である。 本発明の水素分離装置の実施形態の一例を示す模式図である。 本発明の水素分離装置の実施形態の一例を示す模式図である。 従来一般的に使用されている水素分離装置の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
A.本発明の水素分離装置の概要:
まず、本発明の水素分離装置の概要について、図1A、1B、1Cを参照しつつ説明する。本発明の水素分離装置1は、原料入口3、水素出口4及び残原料出口5、原料入口3から水素出口4及び残原料出口5に通じる流体流路6を有する反応容器2、並びに流体流路6上に設けられた水素選択透過部11を有する。水素選択透過部11は、水素選択透過性金属膜12を有し、流体流路6に設けられて、原料入口3及び残原料出口5に通じる第1流路7と水素出口4に通じる第2流路8とに流体流路6を隔てている。この水素選択透過部11の水素選択透過性金属膜12を通じて、第1流路7に存する原料流体及びその生成物に含有される水素が選択的に第2流路8側に透過されて水素出口4から排出される。更に、本発明の水素分離装置1は、第1流路7を形成する部材9及び第1流路7内に配置される部材(図1A中の接合部22など)の第1流路7内に露出する鉄含有金属表面21で、第1流路7内に存する流体の流動方向において水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の下流端より少なくとも上流の位置にある部分が鉄成分飛散防止皮膜31で被覆されていることを特徴とする。
B.水素選択透過部:
水素選択透過部11について説明する。水素選択透過部11は、上述のように、流体流路6を第1流路7と第2流路8とに隔てている(図1A、1B、1C参照)。水素選択透過部11は、水素選択透過性金属膜12を通じて、原料流体又は原料流体からの生成物に含まれる水素の透過を選択的に許容し、残余の原料流体及びその生成物の通過は阻止する。なお、水素選択透過性金属膜を介した第1流路7と第2流路8との間の水素分圧の差が水素の透過の駆動力となる。
B‐1.水素選択透過性金属膜:
まず、水素選択透過部11の機能の中枢をなす水素選択透過性金属膜12について説明する。ここでいう水素選択透過性金属とは、パラジウム(Pd)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)など、水素を溶解・拡散することで、水素を選択的に透過させる性質を有する金属及びその合金のことをいう。
水素選択透過性金属膜は、水素を溶解・拡散させることによって、水素を選択的に透過させるため、水素選択透過性金属膜が加熱された状態で使用することが好ましい。水素透過時の水素選択透過性金属膜を透過する水素の温度としては、水素選択透過性金属膜の水素脆化を抑制する観点から300℃以上が好ましく、400℃以上がより好ましい。また、水素選択透過性金属膜や水素分離装置等の耐久性の観点から、水素透過時の水素選択透過性金属膜を透過する水素の温度は、900℃以下が好ましく、800℃以下がより好ましい。
好適な水素選択透過性金属としては、効率よく水素を選択的に透過することができるため、パラジウム又はパラジウムを含有する合金(以下、パラジウム合金ということにする)を挙げることができる。パラジウムの水素脆化防止と高温時の分離効率向上の観点からは、パラジウム合金で水素選択透過性金属膜12を形成することがより好適である。この場合、パラジウム合金におけるパラジウム以外の金属の含有量は、5〜50質量%であることが好ましい。また、パラジウム合金におけるパラジウム以外の金属として銀(Ag)又は銅(Cu)を含有することは、パラジウムの水素脆化防止のため最も好ましい。
なお、大部分が非パラジウムからなる水素選択透過膜であっても、原料流体が接触する面の少なくとも一部がパラジウム及び/又はパラジウム合金によって被覆されたものであれば、パラジウム及び/又はパラジウム合金からなる水素選択透過性金属膜12とみなす。
水素選択透過性金属として、パラジウムと銀との合金(Pd‐Ag合金)を用いる場合には、まず化学メッキ等によってパラジウムからなる層を形成した後、このパラジウムからなる層の表面に銀を更にメッキする。次いで、加熱してパラジウムと銀とを相互拡散させれば、パラジウムと銀との合金からなる水素選択透過性金属膜12を形成できる。なお、パラジウからなる層の表面に銀をメッキするに際しては、化学メッキをすることや、パラジウム(Pd)からなる層を電極とし、電気メッキすることが好ましい。この際、用いるパラジウムと銀との質量比(Pd:Ag)が、90:10〜70:30であることが好ましい。
B‐2.水素選択透過性金属膜と多孔質支持体との複合構造:
水素選択透過性金属膜12は、通常、薄膜でも水素選択透過性能を発揮できる。そこで、水素選択透過部11は、水素選択透過性金属膜12の薄膜を多孔質支持体14で裏打ちする複合構造としてもよい。このような複合構造の水素選択透過部11は、水素選択透過性金属膜12の機械的強度を高めることができるため好適である。上記の多孔質支持体14は、水素選択透過性金属膜12の水素選択透過性能を大きく損なわず、原料流体や水素などを内部に流通させるものであればよい。また、水素選択透過性金属膜12を多孔質支持体14で裏打ちした水素選択透過部11を用いる場合、水素選択透過性金属膜12が面する側は、第1流路7側でも第2流路8側でもよい。なお、もちろん、上記のような複合構造とせず、水素選択透過部11は、水素選択透過性金属膜12一層のみから構成してもよい。
多孔質支持体14としては、微細な細孔を有する材質のものが挙げられ、中でも、耐食性や耐熱性などに優れているため、セラミック及び/又は金属を主成分とするものが好ましい。多孔質支持体14を構成するセラミック成分としては、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ムライト、コーディエライト、ジルコニア等が挙げられる。多孔質支持体14を構成する金属成分としては、例えば、ステンレス、インコネル、インコロイ、パーマロイ、コバール、インバー、スーパーインバー、ニッケル、鉄・ニッケル合金等が挙げられる。なお、このセラミック及び/又は金属を主成分とする多孔質支持体14のセラミック又は金属以外の成分としては、不可避的に含有される成分や、この多孔質支持体14を形成する際に通常添加されるような成分を少量含有してもよい。なお、この多孔質支持体14の形状・大きさ・材質は、水素を含有する原料流体及びその生成物の水素選択透過性金属膜12への接触の許容及び第2流路8側へ透過した水素の第2流路8への放出など、水素選択透過部11の機能を損なわない限りは、あらゆるものが適用できる。
多孔質支持体14の表面上に水素選択透過性金属膜12を成膜する方法としては、特に限定されるものではない。具体的には、めっき処理、スパッタ処理又は化学気相堆積(CVD)処理等の従来の方法を好適に用いることができる。また、水素選択透過部11では、圧延等によって作製した水素選択透過性金属膜12を用いることもできる。中でも、大型の多孔質支持体14の表面に対しても比較的容易に成膜できる点から、めっき処理により多孔質支持体14の表面上に水素選択透過性金属膜12を成膜することがより好ましい。特に、化学めっき法(無電解めっき法)を採用した場合、多孔質支持体14の凹凸のある表面あるいは管形状の内面にも水素選択透過性金属膜12を均一な膜厚で成膜することができる。
C.流路及び流路を形成する部材:
まず、流体流路6など流路に関係した用語の定義をする。本発明の水素分離装置1における流体流路6とは、水素分離装置1の稼動時において、原料流体及びその生成物(水素選択透過部11を透過した水素もこれに含まれる)が通過する空間のことをいう。また、流体流路6を形成するとは、密封性の高い材質からなる流路部材によって閉じられた空間を形成することで、流体の流動範囲を制限し、流体が流動する通路を形成することをいう。
本発明の水素分離装置1の流体流路6を形成する部材は、密封性を保ち、耐圧性、耐熱性及び熱伝導性が良好な材質からなるものが望まれる。これらの要望に応じる流体流路6を形成する部材としては、金属製のものを挙げることができ、中でも耐食性及び経済性に優れているステンレス製のものが好適である。
本発明の水素分離装置1での流体流路6の形状及び大きさは、先述の流路を形成する部材の形状及び大きさから定められるが、原料流体又はその生成物から水素選択透過部11を通じて水素を選択的に分離するという本来の機能を損なわない限り、あらゆる設計でも許される。
D.流路内に配置される部材:
本発明の水素分離装置1は、上述の水素選択透過部11及び流路を形成する部材以外にも、流体流路6内に部材を配置してもよい。この配置される部材は、水素分離装置1に付与される機能に応じて適宜設計可能である。なお、本明細書では、水素選択透過部11も流体流路6内に配置される部材に属するものとする。
本発明の水素分離装置1は、図4、6に示すように、第1流路7内に原料流体の改質反応などを触媒する触媒物質23を配置することができる。この場合、この触媒物質23と水素選択透過性金属膜12との接触で、水素選択透過性金属膜12の損傷及び不要な化学反応を誘発するおそれがある。そこで、本発明の水素分離装置1は、触媒保持部材24によって、触媒物質23を第1流路7内の所定の位置に保持して、触媒物質23と水素選択透過部11との接触を阻止することが好ましい。触媒保持部材24は、原料流体及びその生成物の通過を許容する形状であり、水素選択透過性金属膜12による水素の選択的な透過を妨げないものであれば、特に限定されない。例えば、触媒保持部材24は、触媒物質23の短径よりも小さい開き目の金属製のメッシュあるいはセラミックスを主成分とする多孔質体などで、触媒物質23と水素選択透過部11との接触を阻止するものが挙げられる。触媒保持部材24の材質の好適なものの一例としては、ステンレスを挙げることができる(なお、図4、6の符号24で示す触媒保持部材24は、その鉄含有金属表面21が鉄成分飛散防止皮膜31で被覆されているものを表していることとする)。
以上、本発明の水素分離装置1の基本的な要素の説明をした。上述では、流路を形成する部材及び触媒保持部材などの好適な材質としてステンレスを挙げた。しかし、水素分離装置1に通常適用される400℃以上という過酷な稼働環境下では、高い耐食性を備えるステンレス製の部材の表面であっても、酸化還元による腐食及びこれに伴う鉄含有物質25の流路内への飛散が生じ、鉄含有物質25が水素選択透過性金属膜12に付着することによる水素選択透過性金属膜12の欠陥発生は回避し難い(図2参照、詳しくは後述)。そこで、本発明の水素分離装置1は、以下に述べる鉄成分飛散防止皮膜31を備える。
E.鉄成分飛散防止皮膜:
本発明の水素分離装置1は、第1流路7を形成する部材9及び第1流路7内に配置される部材(例えば、接合部22)の第1流路7内に露出する鉄含有金属表面21で、第1流路7内に存する流体の流動方向において水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の下流端より少なくとも上流の位置にある部分の少なくとも一部が鉄成分飛散防止皮膜31で被覆されることを必須とする。
また、本発明の水素分離装置1は、第1流路7を形成する部材9及び第1流路7内に配置される部材(例えば、接合部22)の第1流路7内に露出する鉄含有金属表面21で、第1流路7内に存する流体の流動方向において水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の下流端より少なくとも上流の位置にある部分全てが鉄成分飛散防止皮膜31で被覆されることが好ましい。
E‐1.鉄成分飛散防止皮膜に関する用語の定義:
ここで上記に用いた用語の定義をする。ここでいう鉄含有金属表面21とは、第1流路7を形成する部材9及び第1流路7内の配置された部材などの表面であって、中でも鉄含有金属で形成される表面のことをいう。なお、鉄含有金属とは、高純度の鉄はもちろん、ステンレスなどの有意な割合で鉄を成分に含む合金など鉄を含有する金属全てのことをいう。水素選択透過部11の透過可能部15とは、水素選択透過性金属膜12の第1流路側の表面のうち、第1流路内に存する水素と接触し、第2流路側への透過を開始させる部分のことをいう。例えば、図2に示すように、水素選択透過性金属膜12の表面で遮蔽性の高い部材(図2の例では接合部22)に覆われている部分は、水素選択透過性金属膜12の透過可能部15に該当しない。
「第1流路7内に存する流体の流動方向」は、水素分離処理時及び酸素含有ガスでの加熱処理時など、水素分離装置1の稼動期間において第1流路7内で流体が流動する方向から決定する。なお、第1流路7内に存する流体の流動方向は、可視化できる微粒子が分散した流体による風洞実験など、本発明の当業者にとっては簡易な予備実験で把握可能であろう。
第1流路7を形成する部材9などの鉄含有金属表面21から飛散した鉄含有物質25は、第1流路7内に存する流体の流動に乗って第1流路7内を浮遊する。そのため、図2の模式図から考察されるように、本発明の水素分離装置1では、第1流路7を形成する部材9及び第1流路7内に配置される部材(例えば、接合部22)の鉄含有金属表面21のうち、水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の下流端より少なくとも上流の位置にある部分を鉄成分飛散防止皮膜31で被覆すれば、鉄含有金属表面21から飛散して第1流路7内に浮遊する鉄含有物質25の水素選択透過性金属膜12への付着を防止できる。
このように、本発明の水素分離装置1では、鉄含有金属表面21のうち、水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の下流端より少なくとも上流の位置にある部分の一部を鉄成分飛散防止皮膜31で被覆した場合、鉄含有金属表面21から飛散して第1流路7内に浮遊する鉄含有物質25の量を抑制可能なため、水素選択透過性金属膜12での欠陥発生の抑制に効果を示す。
さらに、本発明の水素分離装置1は、鉄含有金属表面21のうち、水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の下流端より少なくとも上流の位置にある部分全てを鉄成分飛散防止皮膜31で被覆した場合、水素選択透過性金属膜12への鉄含有物質25の付着をより防止できるため、欠陥発生の抑制に対してより好適である。
本発明の水素分離装置1は、水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の下流端より下流の位置にある第1流路7を形成する部材9及び第1流路7内に配置される部材の鉄含有金属表面21を鉄成分飛散防止皮膜31で被覆してもよい。鉄含有物質25の飛散を確実に防止できる観点から、本発明の水素分離装置1では、第1流路7を形成する部材9及び第1流路7内に配置される部材の鉄含有金属表面21の全てを鉄成分飛散防止皮膜31で被覆することが好適である。
もちろん、本発明の水素分離装置1では、水素透過性能を妨げるあるいは被覆対象の部材の性能を損なわない限り、第1流路7を形成する部材9及び第1流路7内に配置される部材の鉄含有金属表面21以外の表面を鉄成分飛散防止皮膜31で被覆してもよい。また、本発明の水素分離装置1では、第2流路8を形成する部材10及び第2流路8内に配置される部材の表面を鉄成分飛散防止皮膜31で被覆してもよい。また、本発明の水素分離装置1では、原料流体中の鉄含有物質を捕捉するためのフィルター等を原料入口3内又は第1流路7内に設置することもできる。
上述のフィルター等は、セラミック及び/又は金属を主成分とするものが好ましい。フィルター等が鉄含有金属からなる場合には、その表面が鉄成分飛散防止皮膜で被覆されると好ましい。
E‐2.鉄成分飛散防止皮膜の材質:
鉄成分飛散防止皮膜31の具体的な態様は、鉄含有金属表面21からの鉄含有物質25の飛散を防止できれば特に限定されない。鉄成分飛散防止皮膜31が鉄含有金属表面21からの鉄含有物質25の飛散を防止する仕組みとしては、鉄含有金属表面21の防食処理、鉄含有金属表面21と原料流体との接触の隔絶などが挙げられる。また、例えば、鉄含有金属表面21と鉄成分飛散防止皮膜31との間の熱膨張率の違い起因した鉄成分飛散防止皮膜31の歪みを緩衝するため、鉄成分飛散防止皮膜31は、緻密ではなくゆとりを持たせた構造(例えば細孔を有する構造など)を有するものにしてもよい。更には、鉄成分飛散防止皮膜31は、強い磁性を帯びた材質からなるものにして、鉄含有金属表面21から乖離した鉄含有物質25を捕捉する作用を発揮させることもできる。ちなみに、水素選択透過性金属膜12に付着して水素選択透過性金属膜12の欠陥を引き起こす鉄含有物質25の大多数は、粒径1〜100μm程度であることを本発明者が観察している。
先に例示したような仕組みで鉄含有物質25の飛散を防止する鉄成分飛散防止皮膜31は、水素選択透過機能を妨げないものであれば、耐食性金属(後で更に詳しく述べる)、セラミックス及び樹脂やカーボン繊維などの有機系材質あるいはこれら素材の複合など、あらゆる材質により形成することが可能である。また、鉄成分飛散防止皮膜31は、採用する材質に合わせて、従来公知の技術によって形成すればよい。対象となる鉄含有金属表面21の材質・形状・熱膨張率、あるいは部材の大きさやその製造工程などに応じて、好適な材質を選択して鉄成分飛散防止皮膜31を形成すればよい。
セラミックスを主成分とする鉄成分飛散防止皮膜31では、対象の鉄含有金属表面21を形成する部材の熱伝導率などを考慮して、セラミックスの原料や皮膜を構成するセラミックスの結晶の配向度などを適宜設定するとよい。ここで、セラミックスとは、結晶性又は非結晶性の酸化物、窒化物、ホウ化物等を指す。例えば、ステンレスの鉄含有金属表面21に対してセラミックスを主成分とする鉄成分飛散防止皮膜31を被覆する場合、鉄成分飛散防止皮膜31の主成分となるセラミックとしては、ジルコニア、チタニア、アルミナ、シリカ等を用いるとよい。
また、樹脂やカーボン繊維などの有機系材質の鉄成分飛散防止皮膜31を用いる場合、本発明の水素分離装置1では、水素との化学反応並びに原料流体及びその生成物から水素原子を奪取するなど原料流体又はその生成物からの水素分離を妨げることがなければ、いかなる化合物からも鉄成分飛散防止皮膜31を形成することができる。本発明の水素分離装置1では、金属表面上へのコーティングなど防食皮膜として用いられる有機系皮膜はもちろん、例えば、特許3388797号公報に開示さたような有機磁性膜を鉄成分飛散防止皮膜31としてもよく、セラミックを主成分とする皮膜又は耐食性金属の金属皮膜(後述)の表面上を有機磁性膜で被覆することで鉄含有物質25の飛散を防止する性能を増強させてもよい。具体例を挙げると、本発明の水素分離装置1では、図4、6に示す触媒保持部材24の表面上を耐食性金属の金属皮膜で被覆して、さらにその表面上を有機磁性膜で被覆することで、鉄含有物質25の捕捉能力を付与してもよい。
E‐3.耐食性金属の金属皮膜からなる鉄成分飛散防止皮膜:
高温環境下での使用が可能で、様々な材質の表面上に成膜が可能であり、凹凸のある表面上などにも容易に成膜できる方法が確立されている観点からは、本発明の水素分離装置1では、耐食性金属からなる金属皮膜又は金属酸化物被膜を鉄成分飛散防止皮膜31とすることが好ましい。また、ステンレス等の金属部材との密着性の観点から、鉄成分飛散防止皮膜31は耐食性金属の金属皮膜であることがより好ましい。鉄成分飛散防止皮膜31としては、耐食性金属の中でも、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)及び貴金属からなる群の少なくとも1種からなる金属皮膜又は金属酸化物被膜を用いることが好適である。ここで、貴金属としては、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)等を好適に用いることができる。これら列挙した金属は、鉄と比較してパラジウムとの反応性が弱いか、耐食性金属が剥離して水素選択透過性金属膜12に付着しても水素選択透過性金属膜12が腐食しにくい利点がある。また、耐食性金属の金属皮膜は、ステンレス等の金属部材と熱膨張率の差異が少ない点でも優れている。さらに、これらの耐食性金属の中でも、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、銀(Ag)が、反応性やコストの面からより好ましく、クロム(Cr)又は銀(Ag)が特に好ましい。
具体例を挙げると、例えば、鉄含有金属表面21上に半光沢ニッケルめっきによる層を形成した後、さらにこの半光沢ニッケルめっきによる層の上に光沢ニッケルめっきに層を重ねる二重ニッケルめっきにより耐食性を向上させてもよい。また、本発明の水素分離装置1では、鉄含有金属表面21上にニッケルめっきによる層を形成した後、このニッケルめっきの層上にクロムめっきによる層を重ねる金属皮膜を鉄成分飛散防止皮膜31としてもよい。また、本発明の水素分離装置1では、上記のニッケル‐クロムの金属皮膜のうち、第1流路7に露出する上層のクロムめっきの層をマイクロポーラス(マイクロポーラスクロムめっき)にすることで、腐食電流を低減して防食性を向上することも可能である。
鉄成分飛散防止皮膜31を耐食性金属からなる金属皮膜又は金属酸化物被膜とする場合、この金属皮膜は、めっき処理、スパッタ処理又は化学気相堆積(CVD)処理、溶射等の従来の方法を用いて形成することができる。例えば、耐食性金属の金属皮膜からなる鉄成分飛散防止皮膜31をめっき処理により形成することは、大型の部材の表面に対して比較的容易に金属皮膜できるため好適である。特に、化学めっき法(無電解めっき法)を採用した場合、凹凸のある部材又は管形状になっている部材の鉄含有金属表面21にも耐食性金属の金属皮膜からなる鉄成分飛散防止皮膜31を均一の厚さで形成できる利点がある。
例えば、本発明の水素分離装置1では、ステンレスの鉄含有金属表面21に対してニッケルの金属皮膜を鉄成分飛散防止皮膜31として採用する場合、ニッケル金属皮膜の膜厚は0.1〜100μmであることが好ましい。また、本発明の水素分離装置1では、ステンレスの鉄含有金属表面21に対して金の金属皮膜を鉄成分飛散防止皮膜31として採用する場合、金の金属皮膜の膜厚は0.1〜10μmであることが好ましい。
以上のように、本発明の水素分離装置1では、鉄含有金属表面21を鉄成分飛散防止皮膜31で被覆することで、水素選択透過性金属膜12に付着して水素選択透過性金属膜12の欠陥を引き起こす鉄含有物質25が、鉄含有金属表面21から飛散して第1流路7内に浮遊することを防止できる。そのため、本発明の水素分離装置1では、水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の面積を増大させても、あるいは鉄含有金属表面21の面積を増大させても、鉄含有物質25の付着による水素選択透過性金属膜12の欠陥の発生率が有意に低減する。
F.水素分離装置の他の実施形態:
鉄成分飛散防止皮膜31の効果から、図1A、1Bに示すような、水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の面積を増大させた、一方の端部が閉じられ他方の端部が内部の空洞部と通じる開口部とされた中空形状の水素選択透過部11を備えた水素分離装置1でも長期の耐用期間を得ることができる。
図1Aに示す水素分離装置1の水素選択透過部11は、多孔質支持体14とその表面上を被覆した水素選択透過性金属膜12からなり、一方の端部が開口部13とされた袋管形状である。図1Bに示す水素分離装置1の水素選択透過部11は、同じく一方の端部が開口部13とされるが、他方の端部が封止部材26に嵌合されることで閉じられている中空形状となっている。また、図1A、1Bに示す水素分離装置1は、水素選択透過部11の開口部13と接続し、水素選択透過部11の開口部13と水素出口4とが通じるように水素選択透過部11を固定する接合部22を有している。更に、図1A、1Bに示す水素分離装置1では、第1流路7内に露出する接合部22及び封止部材26の鉄含有金属表面21で、第1流路7内に存する流体の流動方向において水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の下流端より少なくとも上流の位置にある部分が、鉄成分飛散防止皮膜31で被覆されている。
上記の接合部22は、水素選択透過部11の開口部13と嵌合し、他の第1流路7を形成する部材9又は第2流路8を形成する部材10、あるいは第1流路7又は第2流路8流路内に配置される部材と結合することで、水素選択透過部11の位置を固定できればその具体的な態様は特に限定されない。例えば、本発明の水素分離装置1では、図1A、1Bに示すように、第2流路を形成する部材10として、水素出口4と中空形状の水素選択透過部11の開口部13とをつなぐ管形状の部材を反応容器2内に配置してもよい。具体的に述べると、この管形状の第2流路を形成する部材10は、一方の端部を水素出口4に通じさせ、他方の端部を水素選択透過部11の開口部13に連通させる。この場合、管形状の第2流路を形成する部材10の端部と水素選択透過部11の開口部13との連通のために、図1A、図1Bに示すように水素選択透過部11を嵌合する接合部22を備えてもよい。
なお、上記の態様の水素分離装置1では、第1流路7内に露出する接合部22の鉄含有金属表面21のうち、第1流路7内に存する流体の流動方向において水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の下流端よりも少なくとも上流の位置にある部分を鉄成分飛散防止皮膜31で被覆されなければならない。更に、本発明の水素分離装置1では、図5、6に示されるように、鉄含有物質25の飛散の防止をより確かなものとするため、接合部22の鉄含有金属表面21の全てが、鉄成分飛散防止皮膜31で被覆されていることが好ましい。
図1A、1Bでは、一方の端部が閉じられ他方の端部が内部の空洞部と通じる開口部とされた中空形状の水素選択透過部11が1つ設置されているが、本発明の水素分離装置1では、水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の面積をさらに増大させるために、上記の中空形状を複数個配置するような構成としてもよい。あるいは、本発明の水素分離装置1では、襞状の形状を有する多孔質支持体14の表面上に水素選択透過性金属膜12を被覆することで、水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の面積を増大させてもよい。本発明の水素分離装置1は、水素選択透過性金属膜12の透過可能部15の面積を増大させるためのあらゆる形態も許容される。
また、本発明の水素分離装置1では、例えば、第1流路7を形成する部材9に対して、鉄成分飛散防止皮膜31によって鉄含有金属表面21を被覆したフィン形状のステンレス製の部材を設置することで原料流体の流動方向などを好適な状態に調整する実施形態でも、先述の実施形態と同様に長期の耐用期間を確保できる。
G.ヘリウムリーク量変化率:
本発明の水素分離装置1において、鉄成分飛散防止皮膜31による水素選択透過性金属膜12の欠陥を抑制する効果は、ヘリウムリーク量変化率に表れている。なお、本明細書のいうヘリウムリーク量変化率とは、累積稼働時間0時間の水素分離装置に対して、窒素雰囲気中で600℃まで昇温後、常圧の空気を0.5時間流体流路6内に導入して水素透過性能を安定化し、次いで0.7MPaの水素を流体流路6内に導入して300時間の水素分離処理を行う場合における、上記の水素分離処理前(水素分離処理累積時間:0時間)のヘリウムリーク量(Heリーク量(ml/min・cm))に対する上記の300時間の水素分離処理後(水素分離処理累積時間:300時間)のヘリウムリーク量の比、として定義する。本発明の水素分離装置1では、このヘリウムリーク量変化率が2.0以下であることが好適である。ヘリウムリーク量変化率を2.0以下とすることで、本発明の水素分離装置1は、その稼動期間において良好な水素分離性能を発揮することが可能である。なお、へリウムリーク量は、水素分離処理累積時間が0時間及び300時間の時点において、水素分離膜の一方の面側に0.9MPaのヘリウムガスを供給し、単位面積・単位時間あたりに、他方の面側に漏れてくるヘリウムガスの量を測定することによって求めることができる。
ヘリウムリーク量変化率は、鉄成分飛散防止皮膜31で被覆する範囲や鉄成分飛散防止皮膜31の膜厚や材質などを好適とするための指標となる。ヘリウムリーク量変化率を指標とすれば、本発明の技術的範囲に属する水素分離装置1の中から好適な実施形態、特に鉄成分飛散防止皮膜31の材質や被覆範囲などは、本発明の当業者であれば簡単な予備実験によって導き出せる。また、当業者の持ちうる技術水準から考えると、同じ設計の水素分離装置1では、ヘリウムリーク量変化率のバラツキを少なく製造することも可能である。すなわち、ヘリウムリーク量変化率は、本発明の水素分離装置1の発明を特徴づける重要な要素の1つと位置づけることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示す、鉄成分飛散防止皮膜31としてNi皮膜による被覆を内面に施したステンレス製の反応容器2に、以下の水素選択透過部11及び接合部22を備えた水素分離装置1を作製した。水素選択透過部11は、外径30mm、長さ500mmの袋管形状の多孔質アルミナ支持体の表面上に、水素選択透過性金属膜12としてめっき法によりPd‐Ag合金膜を成膜した。なお、PdとAgとの割合は、Pd80質量部に対して、Ag20質量部となるように調節した。水素選択透過部11は、その開口部13をステンレス製の金属接合部22に嵌合して固定した。なお、金属接合部22は、水素選択透過部11の開口部13近傍の表面を、鉄成分飛散防止皮膜31としてAgめっき処理によりAg皮膜で被覆した。得られた水素分離装置1について下記のように水素分離処理前後のヘリウムリーク量の測定を行った。
(実施例2)
鉄成分飛散防止皮膜31としてAuめっきを行ったステンレス製の金属接合部22を用いた以外は実施例1と同様にして水素分離装置1を作製し(図3)、得られた水素分離装置1について下記のように水素分離処理前後のヘリウムリーク量の測定を行った。
(実施例3)
実施例1と基本的に同様の構成の水素分離装置1に、図4に示す、鉄成分飛散防止皮膜31としてCrめっきにより表面上を被覆したステンレス製の金属カバーからなる触媒保持部材24を配置した。さらに、図4に示すように、この触媒保持部材24によって2つに隔てられた第1流路7内の空間のうち、水素選択透過部11のない側の空間にRu/アルミナ触媒物質23を配置し、得られた水素分離装置1について下記のようにメタン‐水蒸気改質処理の前後のヘリウムリーク量の測定を行った。
(比較例1)
図7に示す、金属接合部22及び反応容器2に鉄成分飛散防止皮膜31による被覆処理を行わなかった以外は実施例1と同様の水素分離装置1を作製した。得られた水素分離装置1について下記のように水素分離処理前後のヘリウムリーク量の測定を行った。
(評価1)
実施例1、2、及び比較例1の水素分離装置1を用いて、以下に説明する水素分離処理の前後のヘリウムリーク量の測定を行った。反応容器2を加熱することによって、水素選択透過部11を窒素雰囲気中で600℃まで昇温した後、原料入口3から常圧の空気を0.5h反応容器2内に導入することによって水素選択透過部11の水素透過性能の安定化をし、次いで原料入口3から0.7MPaの水素を反応容器2内に導入することによって水素分離処理を300時間行った。この水素分離処理の前後で、水素選択透過性金属膜12の一方の面側に0.9MPaのヘリウムガスを供給することによってヘリウムリーク量(ml/min・cm)を測定した結果及びヘリウムリーク量変化率を表1に示す。表1より、実施例1、2では、300時間の水素分離処理後も水素分離装置1のヘリウムリーク量が増加せず、ヘリウムリーク量変化率がそれぞれ1.2及び1.3であった。対して、比較例1では、300時間の水素分離処理後のヘリウムリーク量が増加し、ヘリウムリーク量変化率が89と高い値を示した。比較例1の水素選択透過性金属膜12のリーク箇所を電子顕微鏡にて観察した結果、鉄(Fe)とPd‐Ag合金との反応による欠陥が観察された。
Figure 2010042397
(評価2)
実施例3の水素分離装置1を用いて、以下にメタン‐水蒸気改質処理の前後のヘリウムリーク量の測定を行った。反応容器2を加熱することによって、水素選択透過部11を窒素雰囲気中で600℃まで昇温した後、原料入口3から0.4MPaの圧力でメタンと水蒸気を1:3の比率となるように反応容器2内に導入し、メタン‐水蒸気改質処理を300時間行った。このメタン‐水蒸気改質処理の前後で、水素選択透過性金属膜12の一方の面側に0.9MPaのヘリウムガスを供給することによってヘリウムリーク量(ml/min・cm)を測定した結果及びヘリウムリーク量変化率を表2に示す。
表2に示すように、実施例3の水素分離装置1は、メタン‐水蒸気改質処理後でもヘリウムリーク量が増加せず、ヘリウムリーク量変化率は1.8と低い値であった。
Figure 2010042397
本発明は、流体流路内にあらわれる鉄含有金属表面を鉄成分飛散防止皮膜で被覆することで、水素選択透過性金属膜に付着して水素選択透過性金属膜の欠陥を引き起こす鉄含有物質の流体流路内での浮遊が低減され、長時間の稼動によっても水素分離性能が低下しない水素分離装置及び水素分離装置の運転方法に関するものである。
1:水素分離装置、2:反応容器、3:原料入口、4:水素出口、5:残原料出口、6:流体流路、7:第1流路、8:第2流路、9:第1流路を形成する部材、10:第2流路を形成する部材、11:水素選択透過部、12:水素選択透過性金属膜、13:開口部、14:多孔質支持体、15:透過可能部、21:鉄含有金属表面、22:接合部、23:触媒物質、24:触媒保持部材、25:鉄含有物質、26:封止部材、31:鉄成分飛散防止皮膜、41:透過可能部の下流端よりも上流側、42:鉄含有物質の浮遊経路。

Claims (10)

  1. 原料流体を流入する原料入口と、前記原料流体より選択的に抽出される水素を流出する水素出口と、残余の前記原料流体を排出する残原料出口と、並びに前記原料入口から前記水素出口及び前記残原料出口まで通じる流体流路と、を有する反応容器と、
    前記流体流路に設けられて、前記原料入口及び前記残原料出口に通じる第1流路と前記水素出口に通じる第2流路とに前記流体流路を隔て、前記原料流体に含まれる水素を選択的に透過する水素選択透過性金属膜を有し、該水素選択透過性金属膜を通じて前記第1流路側から前記第2流路側へ水素を選択的に透過する水素選択透過部と、を備え、
    前記第1流路を形成する部材及び前記第1流路内に配置される部材の前記第1流路内に露出する鉄含有金属表面で、前記第1流路内に存する流体の流動方向において前記水素選択透過性金属膜の透過可能部の下流端より少なくとも上流の位置にある部分の少なくとも一部が鉄成分飛散防止皮膜で被覆された水素分離装置。
  2. 前記第1流路を形成する部材及び前記第1流路内に配置される部材の前記第1流路内に露出する前記鉄含有金属表面で、前記第1流路内に存する流体の流動方向において前記水素選択透過性金属膜の前記透過可能部の前記下流端より少なくとも上流の位置にある部分全てが前記鉄成分飛散防止皮膜で被覆された請求項1に記載の水素分離装置。
  3. 前記反応容器の前記第1流路内に露出する前記鉄含有金属表面の全てを前記鉄成分飛散防止皮膜で被覆した請求項1又は2に記載の水素分離装置。
  4. 前記水素選択透過性金属膜は、パラジウム(Pd)及び/又はパラジウムを含有する合金の金属膜である請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素分離装置。
  5. 前記鉄成分飛散防止皮膜は、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)及び貴金属からなる群のうち少なくとも1種からなる金属皮膜又は金属酸化物皮膜である請求項1〜4のいずれか一項に記載の水素分離装置。
  6. 前記貴金属が、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)の少なくとも1種を含有する請求項5に記載の水素分離装置。
  7. 前記水素選択透過部は、多孔質支持体とその表面上を被覆した前記水素選択透過性金属膜からなり、一方の端部が閉じられ他方の端部が内部の空洞部と通じる開口部とされた中空形状であり、
    前記水素選択透過部の前記開口部と接続し、前記水素選択透過部の前記開口部と前記水素出口とが通じるように前記水素選択透過部を固定する接合部を有し、
    前記第1流路内に露出する前記接合部の前記鉄含有金属表面で、前記第1流路内に存する流体の流動方向において前記水素選択透過性金属膜の前記透過可能部の前記下流端より少なくとも上流の位置にある部分が前記鉄成分飛散防止皮膜で被覆された請求項1〜6のいずれか一項に記載の水素分離装置。
  8. 前記第1流路内に、触媒物質と、前記触媒物質を前記第1流路内の所定の位置に保持して前記触媒物質と前記水素選択透過部との接触を阻止し且つ前記原料流体の通過を許容する触媒保持部材と、を有し、
    前記触媒保持部材の表面のうち、前記第1流路内に露出する前記鉄含有金属表面で、前記第1流路内に存する流体の流動方向において前記水素選択透過性金属膜の前記透過可能部の前記下流端より少なくとも上流の位置にある部分が前記鉄成分飛散防止皮膜で被覆された請求項1〜7のいずれか一項に記載の水素分離装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の水素分離装置を、水素透過時の前記水素選択透過性金属膜を透過する水素の温度が300℃以上かつ900℃以下で使用する水素分離装置の運転方法。
  10. 前記水素選択透過性金属膜を透過する水素の前記温度が400℃以上かつ800℃以下である請求項9に記載の水素分離装置の運転方法。
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