JP2010038743A - 電子コンパス - Google Patents

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Abstract

【課題】ピッチ角θが90°以上になった場合でも方位が反転しない電子コンパスを提供する。
【解決手段】携帯端末2の操作面20に垂直な方向を向くZ軸と、携帯端末2の横幅方向を向くX軸と、上記X軸とZ軸との双方に直交するY軸との3軸方向における、地磁気ベクトルMの各成分を検出する3軸磁気センサ21を備える。また、上記3軸方向における、重力加速度ベクトルGの各成分を検出する3軸加速度センサ22を備える。さらに、携帯端末2が向く方位を測定方位として算出する方位算出手段5を備える。方位算出手段5は、X軸に平行で操作面20の左側から右側へ向かう右向X軸ベクトルを地球座標系の水平面6に投影し、さらに地球座標系の鉛直線を中心に下向き矢視にて反時計回りに90°回転させた回転投影ベクトル4が向く方向を上記測定方位として算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯端末に設けられ、該携帯端末のピッチ角が90°以上になった場合でも方位が反転しない電子コンパスに関する。
従来から、携帯端末が向く方位を表示画面に表示する電子コンパスが知られている(下記特許文献1〜3参照)。
この電子コンパスは、図9(A)に示すごとく、携帯端末91に磁気センサ92と加速度センサ93とが設けられている。磁気センサ92は、携帯端末91に固定されたX軸、Y軸、Z軸の3軸方向における地磁気ベクトルMの各成分を検出する。ここでX軸は、携帯端末91の幅方向を向く軸であり、Y軸は携帯端末91の長手方向を向く軸である。また、Z軸は携帯端末91の操作面94に垂直な軸である。
同様に、加速度センサ93は上記3軸方向における、重力加速度ベクトルGの各成分を検出する。
重力加速度ベクトルGが検出されると、鉛直方向(Z’軸)が定まる。さらに、地磁気ベクトルMを検出することにより東西南北(Y’軸およびX’軸)が定まる。これにより、携帯端末91に固定されたXYZ座標系と、X’Y’Z’からなる地球座標系とを決定でき、これらの関係から、携帯端末91が東西南北のどの方角を向いているか算出できる。
より詳しくは、携帯端末91は水平面95に対して傾斜して保持されているため、携帯端末91の長手方向上側を向く単位ベクトルeを水平面95に投影して投影ベクトルey1を求め、この投影ベクトルey1の向く方向を携帯端末91の向く方位としている。具体的には、磁北を向く単位ベクトルe’と投影ベクトルey1とのなす角度αを算出し、図9(B)に示すごとく、携帯端末91が向く方向に対して角度αを向いた方位が北であることを表示画面に表示する。
特開2006−337057号公報 特開2007−40982号公報 特許第4034039号公報
しかし従来の電子コンパス90では、図9(A)、図9(B)に示すごとく、X軸周りの回転角θ(以下、ピッチ角とも記す)が90°未満の状態で電子コンパス90を使用する場合は正常に機能するが、携帯端末91をX軸まわりに回転して保持することによりピッチ角θが大きくなり、90°を超えると、図10(A)、図10(B)に示すごとく、表示される方位が反転する問題があった。
この問題は、携帯端末91が向く方角を算出するに際して、投影ベクトルey1を用いることに起因している。
すなわち図10(A)に示すごとく、ピッチ角θが90°以上となった場合、投影ベクトルey1がXY面に関して図9(A)の反対側に現れる。上述したように、この投影ベクトルey1の方向を携帯端末91が向く方位としているため、携帯端末91が反対方向を向いていると誤って算出される。例えば図9(B)では携帯端末91は北西を向いていると表示されているが、ピッチ角θが90°を超えると反転し、図10(B)に示すごとく南東を向いていると表示される。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、携帯端末のピッチ角θが90°以上になった場合でも方位が反転しない電子コンパスを提供しようとするものである。
本発明は、携帯端末に設けられ、該携帯端末の操作面に垂直な方向を向くZ軸と、上記携帯端末の横幅方向を向くX軸と、該X軸と上記Z軸との双方に直交するY軸との3軸方向における、地磁気ベクトルの各成分を検出する3軸磁気センサと、
上記3軸方向における、重力加速度ベクトルの各成分を検出する3軸加速度センサと、
上記地磁気ベクトルと上記重力加速度ベクトルとに基づいて定められる地球座標系と、上記携帯端末に固定された上記X軸と上記Y軸と上記Z軸とからなる携帯座標系との関係に基づいて、上記携帯端末が向く方位を測定方位として算出する方位算出手段と、
該方位算出手段により算出された上記測定方位を出力する出力手段と、
を備え、上記方位算出手段は、上記X軸に平行で上記操作面の左側から右側へ向かう右向X軸ベクトルを上記地球座標系の水平面に投影し、さらに上記地球座標系の鉛直線を中心に下向き矢視にて反時計回りに90°回転させた回転投影ベクトルが向く方向を上記測定方位として算出することを特徴とする電子コンパスにある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
本発明の電子コンパスは、回転投影ベクトルが向く方向を測定方位(携帯端末が向く方位)として算出する。
これにより、携帯端末をX軸まわりに回転して保持し、ピッチ角θが90°を超えた場合でも、測定方位が反転しなくなる。すなわち、本発明では右向X軸ベクトルを水平面に投影して投影ベクトルとし、鉛直軸を中心に投影ベクトルを下向き矢視にて反時計回りに90°回転することにより、回転投影ベクトルとしている。右向X軸ベクトルはX軸に平行であるため、携帯端末をX軸まわりに何度回転しても、右向X軸ベクトルの向きは変わらず、投影ベクトルの向きも変わらない。
そのため、この投影ベクトルを反時計回りに90°回転して求められる上記回転投影ベクトルも、携帯端末をX軸まわりに何度回転しても向きは変わらない。
この回転投影ベクトルの方向を測定方位(携帯端末の向く方位)として算出することにより、ピッチ角θが何度になっても測定方位を一定の方向に定めることが可能となる。そのため、従来の電子コンパスのように、ピッチ角θが90°を超えると測定方位が反転するような不具合が生じない。
以上のごとく、本発明によれば、携帯端末のピッチ角θが90°以上になった場合でも方位が反転しない電子コンパスを提供することができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明(請求項1)において、上記方位算出手段は、上記3軸磁気センサにより検出された上記地磁気ベクトル(Mx,My,Mz)と、上記3軸加速度センサにより検出された上記重力加速度ベクトル(Gx,Gy,Gz)とから、上記地球座標系における北を向く北向ベクトルと、上記回転投影ベクトルとがなす角度ηを、下記数式2
Figure 2010038743
を使って算出することにより、上記測定方位を求めることが好ましい(請求項2)。
この場合には、携帯端末が向く方位(測定方位)を確実に定めることができる。
また、上記出力手段は、上記携帯端末の操作面に設けた表示装置からなり、上記方位算出手段によって求められた上記測定方位を上記表示装置に表示するよう構成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、測定方位が表示装置に表示されるため、ユーザが測定方位を視認できる。
また、上記3軸磁気センサから連続的に出力される地磁気ベクトル情報と、上記3軸加速度センサから連続的に出力される重力加速度ベクトル情報とのうち、予め定められた周波数よりも高い高周波数成分を除去するローパスフィルタを備え、上記方位算出手段は、上記地磁気ベクトル情報と上記重力加速度ベクトル情報とのうち上記ローパスフィルタを通過した低周波数成分のみを用いて上記測定方位を算出することが好ましい(請求項4)。
この場合には、3軸磁気センサおよび3軸加速度センサからの出力情報のうち高周波数成分をカットすることができるため、地磁気および重力加速度に対する磁気および加速度のノイズを除去しやすくなる。これにより、例えば携帯端末を振ったため重力加速度情報が瞬間的に変化した場合や、携帯端末の近辺を磁石が通過したため地磁気情報が瞬間的に変化した場合でも、安定して携帯端末の向く方位を算出することができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電子コンパスにつき、図1〜図6を用いて説明する。
本例の電子コンパス1は、図1に示すごとく、携帯端末2の操作面20に垂直な方向を向くZ軸と、携帯端末2の横幅方向を向くX軸と、X軸とZ軸との双方に直交するY軸との3軸方向における、地磁気ベクトルMの各成分を検出する3軸磁気センサ21が、携帯端末2に設けられている。また、上記3軸方向における、重力加速度ベクトルGの各成分を検出する3軸加速度センサ22が携帯端末2に設けられている。
また、地磁気ベクトルMと重力加速度ベクトルGとに基づいて定められる地球座標系と、携帯端末2に固定されたX軸とY軸とZ軸とからなる携帯座標系との関係に基づいて、携帯端末2が向く方位を測定方位として算出する方位算出手段5(マイコン24)を備える。
さらに、方位算出手段5により算出された測定方位を出力する出力手段23を備える。そして方位算出手段5は、図2に示すごとく、X軸に平行で操作面20の左側から右側へ向かう右向X軸ベクトルeを地球座標系の水平面6に投影し、さらに地球座標系の鉛直線Z’を中心に下向き矢視にて反時計回りに90°回転させた回転投影ベクトル4が向く方向を測定方位として算出する。
図2に示すごとく、上記回転投影ベクトル4は、YZ面60と水平面6との交線L上に存在する。
換言すると、方位算出手段5は、YZ面と水平面6との交線Lに平行で互いに反対方向を向く2個のベクトル3、4’のうち、右向X軸ベクトルeを水平面6に投影し、地球座標系の鉛直線Z’を中心に下向き矢視にて反時計回りに90°回転した回転投影ベクトル4と一致する方(ベクトル4’)を選択し、このベクトル4’の方向を上記測定方位として算出している。
一方、方位算出手段5は、3軸磁気センサ21により検出された地磁気ベクトルM(Mx,My,Mz)と、3軸加速度センサ22により検出された重力加速度ベクトルG(Gx,Gy,Gz)とから、地球座標系における北を向く北向ベクトルe’と、回転投影ベクトル4とがなす角度ηを、下記数式3
Figure 2010038743
を使って算出することにより、測定方位を求める。
上記数式3が得られた背景を説明する。
3軸磁気センサ21は、磁石等により発生した磁気と、地磁気を検出することができる。磁石等によって生じる磁気が無い状況では地磁気を検知することができる。3軸磁気センサ21は3個のセンサから構成されており、これら3個のセンサにより地磁気ベクトルMのX軸成分Mx、Y軸成分My、Z軸成分Mzを検出する。これらのベクトル成分により、下記数式4に示すごとく、地磁気ベクトルMが定まる。
一方、3軸加速度センサ22は、該3軸加速度センサ22を動かした時に生じる運動加速度や重力加速度を検知することができる。運動加速度が生じない静止状態では重力加速度を検知することができる。3軸加速度センサ22は重力加速度ベクトルGのX軸成分Gx、Y軸成分Gy、Z軸成分Gzを検出する。これらのベクトル成分により、下記数式4に示すごとく、重力加速度ベクトルGが定まる。
Figure 2010038743
次に、地磁気ベクトルMと重力加速度ベクトルGとから、下記の演算をすることにより、地理上の東方向を向く単位ベクトルe’と、北方向を向く単位ベクトルe’(本発明の北向ベクトル)と、鉛直方向上側を向く単位ベクトルe’とを求める。
Figure 2010038743
このように単位ベクトルe’は、重力加速度ベクトルGを自身の絶対値で割り、向きを逆にしたものに等しい。また、単位ベクトルe’は、重力加速度ベクトルGと地磁気ベクトルMとの外積をその絶対値で割ったものに等しい。そしてe’は、e’とe’との外積に等しい。
また、得られた単位ベクトルe’,e’,e’を使って、下記数式6のごとく姿勢行列Eを定める。
Figure 2010038743
この姿勢行列Eは、地球座標系における単位行列を意味している。
一方、携帯座標系の各単位ベクトルe,e,eは、次のように表される。
Figure 2010038743
また、これらの単位ベクトルe,e,eを組み合わせることにより、携帯座標系における単位行列Aを定めることができる。
Figure 2010038743
次に、地球座標系のX’軸、Y’軸、Z’軸を各々回転することにより、地球座標系を携帯座標系に一致させる演算を考える。すなわち、上記姿勢行列E(地球座標系の単位行列)に、ある回転行列Rを掛けることにより、携帯座標系の単位行列Aに等しくなるような演算を考える。
Figure 2010038743
回転行列Rは、携帯端末2のロール角φ(Y軸回りの回転角)、ピッチ角θ(X軸回りの回転角)、ヨー角η(Z軸回りの回転角)を用いて、次のように表すことができる。
Figure 2010038743
数式10のうち、最初の行列は、携帯座標系のZ軸回りに地球座標系を角度ηだけ回転する行列である。また、2番目の行列は、Y軸回りに地球座標系を角度φだけ回転する行列である。同様に、3番目の行列は、X軸回りに地球座標系を角度θだけ回転する行列である。
この回転行列Rは、Z軸回りの回転行列Η、Y軸回りの回転行列Φ、X軸回りの回転行列Θ、の順に掛けている。この順番が重要で、後述するように、これ以外の順番で掛けると、本発明の効果を得られない。
一方、数式9の両辺に回転行列Rの逆行列R−1を掛けることにより、次の式が得られる。
Figure 2010038743
この式は、携帯座標系の単位行列AにR−1を掛けると、姿勢行列E(地球座標系の単位行列)に等しくなることを表している。R−1を計算し、ロール角φ、ピッチ角θ、ヨー角ηについて解くと、
Figure 2010038743
が得られる。このようにして、数式2で示したヨー角ηが求まる。
次に、マイコン24の構造について説明する。図1に示すごとく、携帯端末2にはマイコン24が組み込まれている。このマイコン24は、図4に示すごとく、CPU25と、ROM26と、RAM27と、I/O29と、これらを接続する接続ライン28とを備える。ROM26にはプログラム26pが記憶されており、CPU25がプログラム26pを読み出して実行することにより、本例の方位算出手段5が実現される。
また、I/O29には、3軸磁気センサ21と、3軸加速度センサ22と、表示装置23(出力手段)が接続されている。3軸磁気センサ21と3軸加速度センサ22から、地磁気ベクトル情報70と重力加速度ベクトル情報71とが入力される。地磁気ベクトル情報70および重力加速度ベクトル情報71は、各センサ21,22から連続的に出力される情報であり、これらのうち、予め定められた周波数よりも高い高周波数成分を除去するローパスフィルタ30が、マイコン24に設けられている。そして、方位算出手段5は、地磁気ベクトル情報70と重力加速度ベクトル情報71とのうちローパスフィルタ30によって除去されなかった低周波数成分のみを用いて携帯端末2の測定方位を算出する。
ここで高周波数成分とは、例えば携帯端末2を持つ手が震えることにより3軸加速度センサ22から出力される、重力加速度情報に対するノイズ成分や、または携帯端末2に磁石等が一時的に接近することにより3軸磁気センサ21から瞬間的に出力される、地磁気成分情報に対するノイズ成分である。また、本例のローパスフィルタ30は、CPU25により処理されるデジタルローパスフィルタである。
また、図4に示すごとく、マイコン24には表示装置23が接続されており、携帯端末2の測定方位を表示装置23に表示する。例えば図5に示すごとく、携帯端末2の長手方向上側(単位ベクトルe)に対し角度ηを向いた方向を、南北を表す矢印7が指すように、該矢印7を表示画面上に表示する。
次に、ROM26に記憶されたプログラム26pのフローチャートを図6に示す。プログラム26pをスタートすると、3軸磁気センサ21と3軸加速度センサ22とにより、地磁気ベクトルM及び重力加速度ベクトルGの計測を開始する(ステップS1)。その後、入力される地磁気ベクトル情報70と重力加速度ベクトル情報71とから高周波成分を除去し、低周波成分のみを抽出する(ステップS2)。次いで、上述した数式2に基づいてヨー角ηを算出する(ステップ3)。
次に、算出したヨー角ηを使って、携帯端末2が向く方位を表示装置23に表示する(ステップS4)。その後ステップS5に移り、プログラム26pを終了するか否かを判断する。プログラム26pを終了する操作がユーザにより行われた場合はYesと判断して終了する。終了操作が行われていない場合はNoと判断し、ステップS1に戻って再び地磁気ベクトル情報70及び重力加速度ベクトル情報71を計測する。
なお、3軸磁気センサ21は、いわゆるMI(Magneto−impedance)現象を利用したマグネト・インピーダンス・センサ素子を用いることができる。また、3軸加速度センサ22は、静電容量型加速度センサを用いることができる。
次に、本例の電子コンパス1の作用効果について説明する。
本例の電子コンパス1は図2、図3に示すごとく、回転投影ベクトル4が向く方向を測定方位(携帯端末2の向く方位)として算出する。
これにより、図3に示すごとく、携帯端末2をX軸まわりに回転して保持し、ピッチ角θが90°を超えた場合でも、測定方位が反転しなくなる。すなわち、本例では右向X軸ベクトルexを水平面6に投影して投影ベクトル40とし、鉛直軸Z’を中心に投影ベクトル3を下向き矢視にて反時計回りに90°回転することにより、回転投影ベクトル4としている。右向X軸ベクトルeはX軸に平行であるため、携帯端末2をX軸まわりに何度回転しても、右向X軸ベクトルeの向きは変わらず、投影ベクトル40の向きも変わらない。
そのため、この投影ベクトル40を反時計回りに90°回転して求められる上記回転投影ベクトル4も、携帯端末2をX軸まわりに何度回転しても向きは変わらない。
この回転投影ベクトル4の方向を測定方位(携帯端末2の向く方位)として算出することにより、ピッチ角θが何度になっても測定方位を一定の方向に定めることが可能となる。そのため、図10に示す従来の電子コンパスのように、ピッチ角θが90°を超えると測定方位が反転するような不具合が生じない。
また、本例では、回転投影ベクトル4と北向ベクトルe’とのなす角度ηを、下記数式13を使って算出している。
Figure 2010038743
この場合には、携帯端末2の測定方位を確実に定めることができる。
その理由を以下に説明する。例えば数式10に示した回転行列Rの代わりに、下記回転行列R’を考える。
Figure 2010038743
この回転行列R’は、Z軸回りの回転行列Η、X軸回りの回転行列Θ、Y軸回りの回転行列Φの順に掛けたものである。この場合、ピッチ角θ=90°を代入すると、回転行列R’は下記数式15のように表される。
Figure 2010038743
すなわち、三角関数の加法定理により行列の中身が、cos(η+φ)やsin(η+φ)など、η+φによって定まる値になってしまう。そのためヨー角ηは、η+φ=一定を満たすあらゆる数値をとることが可能となる。例えばη+φ=45°を代入すると、
Figure 2010038743
となり、ηは、η+φ=45°を満たすいろいろな値を取り得ることになる。つまり、θ=90°でηが不定になる。
これに対して本例では、上記数式10に示した回転行列Rを使っている。この回転行列Rにピッチ角θ=90°を代入すると、下記のようになる。
Figure 2010038743
この回転行列Rは、加法定理によりcos(η+φ)やsin(η+φ)などの関数にまとめることができない。従ってヨー角ηは、η+φ=一定を満たすどんな値でも取れることにはならない。そのため、θ=90°においてηは不定にならず、一義的に定まる。
また本例では、図4に示すごとく、地磁気ベクトル情報70と重力加速度ベクトル情報71とから高周波成分を除去するローパスフィルタ30を備えている。これにより、地磁気ベクトル情報70と重力加速度ベクトル情報71とからノイズを除去することができるため、携帯端末2が向く方向を安定して算出することが可能となる。
以上のごとく、本例によれば、携帯端末2のピッチ角θが90°以上になった場合でも方位が反転しない電子コンパス1を提供することができる。
(実験例)
実施例1の電子コンパス1の効果を確認した。上記数式2を使ってヨー角ηを算出し、回転投影ベクトル4が向く方向、すなわち携帯端末2の方位を求めるプログラム26pをマイコン24のROM26に書き込み、このマイコン24を3軸磁気センサ21および3軸加速度センサ22と接続して携帯端末2に搭載した。これを本発明の電子コンパス1に係るサンプルとし、携帯端末2のピッチ角θを0°、30°、45°、60°、90°に各々傾斜した状態で測定方位を算出した。そして正確な方位との誤差と求めた。この実験を、センサの個体を変えて4回行い、ピッチ角θと方位誤差との関係をグラフにした。また、方位誤差の平均値、標準偏差、最大値、最小値を求めて表にした。得られた結果を図7に示す。
このように、0°<θ<90°の範囲で測定方位の誤差が殆ど一定になり、θ=90°付近でも方位を正確に測定できることが分かる。
一方、数式14の回転行列R’を使ってヨー角ηを算出するプログラムを作成し、これをROM26に書き込んでマイコン24を作成するとともに、3軸磁気センサ21、3軸加速度センサ22と接続して携帯端末2に組み込んだ。これを、本発明の電子コンパス1に属さない比較例としてのサンプルにした。そして、図7と同様の実験を行った。得られた結果を図8に示す。
このように、0°<θ<60°までは方位誤差が一定だが、θ=90°で誤差が増大し、平均して52.5°にもなることが分かる。また、θ=90°では標準偏差も大きく、方位が測定不能になっていることがわかる。
また、θ=90°でのデータを図7と図8との間で比較すると、本発明に係る電子コンパス1(図7)は、θ=90°でも正確に方位を測定できることが確認できる。
実施例1における、携帯端末とX軸、Y軸、Z軸の関係を表す図。 実施例1における、0°<θ<90°の場合の、携帯端末と各座標およびベクトルとの関係を表す図。 実施例1における、90°<θ<180°の場合の、携帯端末と各座標およびベクトルとの関係を表す図。 実施例1における、方位算出手段の構成例。 実施例1における、測定方位の表示例。 実施例1における、図4に示すプログラムのフローチャート。 実験例1における、ピッチ角θと方位誤差との関係を表す(A)グラフ(B)表 比較例における、ピッチ角θと方位誤差との関係を表す(A)グラフ(B)表 従来例における、0°<θ<90°の場合の、(A)携帯端末と各座標およびベクトルとの関係を表す図(B)表示画面の例。 従来例における、90°<θ<180°の場合の、(A)携帯端末と各座標およびベクトルとの関係を表す図(B)表示画面の例。
符号の説明
1 電子コンパス
2 携帯端末
21 3軸磁気センサ
22 3軸加速度センサ
23 出力手段(表示装置)
4 回転投影ベクトル
40 投影ベクトル
5 方位算出手段
6 水平面
M 地磁気ベクトル
G 重力加速度ベクトル
右向X軸ベクトル
ey’ 北向ベクトル

Claims (4)

  1. 携帯端末に設けられ、該携帯端末の操作面に垂直な方向を向くZ軸と、上記携帯端末の横幅方向を向くX軸と、該X軸と上記Z軸との双方に直交するY軸との3軸方向における、地磁気ベクトルの各成分を検出する3軸磁気センサと、
    上記3軸方向における、重力加速度ベクトルの各成分を検出する3軸加速度センサと、
    上記地磁気ベクトルと上記重力加速度ベクトルとに基づいて定められる地球座標系と、上記携帯端末に固定された上記X軸と上記Y軸と上記Z軸とからなる携帯座標系との関係に基づいて、上記携帯端末が向く方位を測定方位として算出する方位算出手段と、
    該方位算出手段により算出された上記測定方位を出力する出力手段と、
    を備え、上記方位算出手段は、上記X軸に平行で上記操作面の左側から右側へ向かう右向X軸ベクトルを上記地球座標系の水平面に投影し、さらに上記地球座標系の鉛直線を中心に下向き矢視にて反時計回りに90°回転させた回転投影ベクトルが向く方向を上記測定方位として算出することを特徴とする電子コンパス。
  2. 請求項1において、上記方位算出手段は、上記3軸磁気センサにより検出された上記地磁気ベクトル(Mx,My,Mz)と、上記3軸加速度センサにより検出された上記重力加速度ベクトル(Gx,Gy,Gz)とから、上記地球座標系における北を向く北向ベクトルと、上記回転投影ベクトルとがなす角度ηを、下記数式1
    Figure 2010038743
    を使って算出することにより、上記測定方位を求めることを特徴とする電子コンパス。
  3. 請求項1または請求項2において、上記出力手段は、上記携帯端末の操作面に設けた表示装置からなり、上記方位算出手段によって求められた上記測定方位を上記表示装置に表示するよう構成されていることを特徴とする電子コンパス。
  4. 請求項1〜請求項3において、上記3軸磁気センサから連続的に出力される地磁気ベクトル情報と、上記3軸加速度センサから連続的に出力される重力加速度ベクトル情報とのうち、予め定められた周波数よりも高い高周波数成分を除去するローパスフィルタを備え、上記方位算出手段は、上記地磁気ベクトル情報と上記重力加速度ベクトル情報とのうち上記ローパスフィルタを通過した低周波数成分のみを用いて上記測定方位を算出することを特徴とする電子コンパス。
JP2008202682A 2008-08-06 2008-08-06 電子コンパス Expired - Fee Related JP5186645B2 (ja)

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