JP2010038245A - サイレントチェーン - Google Patents

サイレントチェーン Download PDF

Info

Publication number
JP2010038245A
JP2010038245A JP2008201879A JP2008201879A JP2010038245A JP 2010038245 A JP2010038245 A JP 2010038245A JP 2008201879 A JP2008201879 A JP 2008201879A JP 2008201879 A JP2008201879 A JP 2008201879A JP 2010038245 A JP2010038245 A JP 2010038245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
inner plate
silent chain
pin hole
chain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008201879A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kabai
毅 樺井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsubakimoto Chain Co
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsubakimoto Chain Co filed Critical Tsubakimoto Chain Co
Priority to JP2008201879A priority Critical patent/JP2010038245A/ja
Publication of JP2010038245A publication Critical patent/JP2010038245A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

【課題】インナープレートの応力が集中しやすい部分での変形、強度低下、破損等を防止することができ、強度低下を生じることなく軽量化を図ることができるサイレントチェーンを提供することを目的とする。
【解決手段】サイレントチェーン1のインナープレート4は、応力が集中しやすい部分の板厚が、少なくとも一方のプレート面の盛り上がり部によりそれ以外の部分より厚く形成されている。インナープレート4のピン孔2周辺部分はプレート面4aに形成されたピン孔2外周縁部の盛り上がり部6により厚く、クロッチ部5周辺部分はクロッチ部縁部の盛り上がり部7により厚くなっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、動力伝達に用いるサイレントチェーンに関し、詳しくは、サイレントチェーンを構成するインナープレートの応力集中部分の強度低下を防止できるようにしたサイレントチェーンに関する。
サイレントチェーンは、一対のピン孔と一対の歯とを有するインナープレートを1枚ずつ又は2,2枚重ねてチェーン長手方向及びチェーン幅方向に多数配置し、前記ピン孔に挿入した丸ピンやロッカーピンなどの連結ピンにより連結して屈曲可能に形成されている。このサイレントチェーンは、駆動側スプロケットと従動側スプロケットとに巻掛けられ、インナープレートの歯とスプロケット歯との噛合いにより動力を伝達するようになっている。
前記のようなサイレントチェーンには、インナープレートの歯の形状により種々の噛合いタイプがあり、主なものとして、いわゆるインナープレートの歯の内側フランク面がスプロケット歯との噛合いに関与する内股噛合い・外股着座タイプのサイレントチェーン、インナープレートの歯の外側フランク面がスプロケット歯との噛合いに関与する外股噛合い・外股着座タイプのサイレントチェーンがある。
前記内股噛合い・外股着座タイプのサイレントチェーンは、各々のインナープレートの歯がスプロケット歯と噛合うとき、まず、インナープレート進行方向前方の歯の内側フランク面がスプロケット歯に接触して噛合い、この内側フランク面がスプロケット歯の歯面に沿ってスプロケット歯底側に滑り込み、この滑り込みの途上において、内側フランク面から外側フランク面に噛合いが移行して、一対の歯の外側フランク面がスプロケット歯の歯面に沿って順にスプロケット歯底側に滑り込み、インナープレートの一対の歯の両外側フランク面がスプロケット歯に接触して噛合って着座し動力の伝達を行う。この内股噛合い・外股着座タイプのサイレントチェーンは、スプロケット歯との噛合い過程で内側フランク面及び外側フランク面の両方がスプロケット歯と接触する。
また、前記の外股噛合い・外股着座タイプのサイレントチェーンは、インナープレート進行方向後方の歯の外側フランク面がスプロケット歯に接触して噛み合い始め、そのまま噛合い動作終了まで歯面に沿って接触し続け、その途上で前方歯の外側フランク面がスプロケット歯に接触して、一対の歯の両外側フラン面がスプロケット歯に接触して噛合って着座し動力を伝達する。この外股噛合い・外股着座タイプのサイレントチェーンは、スプロケット歯との噛合い過程で外側フランク面のみがスプロケット歯と接触する。
前記サイレントチェーンは、インナープレート両面が平坦面で板厚が一定のもので、隣接して相対的に回動するインナープレートどうしが平坦面で摺動接触するため、潤滑油がインナープレートどうしの隙間やサイレントチェーンの歯とスプロケットとの間に浸透しにくく、摩擦力や屈曲抵抗が大きく、インナープレートや連結ピンが摩耗しやすくなり強度低下が生じる、という問題がある。このような問題を解決すべく、インナープレートのピン孔外周縁部を立ち上げて円筒部とし、この円筒部が隣接するインナープレートに接触するようにしたサイレントチェーンが公知である(特許文献1参照。)。
特開2001−182780号公報
前記従来のサイレントチェーンは、インナープレートどうしの摩擦力や屈曲抵抗を小さくした点で優れたものである。しかし、前記のように、内股噛合い・外股着座タイプ、外股噛合い・外股着座タイプ等いずれのタイプのサイレントチェーンも、インナープレートの歯とスプロケット歯との噛み合いにより動力を伝達するため、動力伝達時の負荷により、インナープレートのクロッチ部(一対の歯間内股の股上部)周辺部分やピン孔周辺部分に応力集中が起きやすいと共に、歯の内側フランク面、外側フランク面にも応力集中が起きやすい。このような応力集中によりインナープレートは変形するが、特に、クロッチ部周辺部分でインナープレートが変形すると、連結ピンとピン孔とが偏摩耗してさらに変形が促進されるため強度低下が生じ、クロッチ部周辺部分での破損、ひいてはサイレントチェーンの破損にいたる、という問題がある。かかる問題を解決するために、インナープレートの板厚(肉厚)全体を厚くしたり、チェーン幅方向に並ぶインナープレートの枚数を増やすとサイレントチェーンの重量増加、伝動効率の低下が生じる、という問題がある。
本発明は、前記課題を解決し、インナープレートの応力が集中しやすい部分での変形、強度低下、破損等を防止することができ、強度低下を生じることなく軽量化を図ることができるサイレントチェーンを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る本発明は、一対のピン孔と一対の歯とを有するインナープレートがチェーン長手方向及びチェーン幅方向に多数配置され該ピン孔に挿入した連結ピンにより連結されてなるサイレントチェーンにおいて、前記インナープレートの応力が集中しやすい部分の板厚は、少なくとも一方のプレート面の盛り上がり部によりそれ以外の部分より厚く形成され、前記インナープレートのピン孔周辺部分及びクロッチ部周辺部分の板厚は他の部分より厚いサイレントチェーン、としたものである。なお、上記連結ピンは、丸ピンでも、長ピン及び短ピンからなる所謂ロッカーピンでも構わない。
請求項2に係る本発明は、前記請求項1に係る本発明のサイレントチェーンにおいて、前記インナープレートのピン孔周辺部分は、ピン孔の全外周に亘る外周縁部の板厚が厚いものである。
請求項3に係る本発明は、前記請求項1に係る本発明のサイレントチェーンにおいて、前記インナープレートのピン孔周辺部分は、ピン孔上下部位で板厚が厚いものである。
請求項4に係る本発明は、前記請求項1乃至3のいずれかに係る本発明のサイレントチェーンにおいて、前記インナープレートのクロッチ部に連なる内側フランク面周辺部分の板厚が厚いものである。
請求項5に係る本発明は、前記請求項1乃至4のいずれかに係る本発明のサイレントチェーンにおいて、前記インナープレートの外側フランク面周辺部分の板厚が厚いものである。
請求項1に係る本発明によれば、一対のピン孔と一対の歯とを有するインナープレートがチェーン長手方向及びチェーン幅方向に多数配置され該ピン孔に挿入した連結ピンにより連結されてなるサイレントチェーンにおいて、前記インナープレートの応力が集中しやすい部分の板厚は、少なくとも一方のプレート面の盛り上がり部によりそれ以外の部分より厚く形成され、前記インナープレートのピン孔周辺部分及びクロッチ部周辺部分の板厚は他の部分より厚いので、インナープレートの応力が集中しやすい部分が補強されるため、インナープレートの変形、強度低下、破損等を防止することができ、サイレントチェーンの高強度化を図ることができる。特に、クロッチ部周辺部分の板厚が厚いため、インナープレートはクロッチ部周辺部分での変形が防止され、この変形に起因する強度低下を防止することができる。また、応力が集中しやすい部分の板厚を厚くして強度低下を防止することにより、相対的にそれ以外の部分の板厚を薄くすることが可能となるため、強度低下を生じることなくサイレントチェーンの軽量化を図ることができる。さらに、従来のプレート両面が平坦面で板厚が一定のインナープレートで形成したサイレントチェーンと同じチェーン幅のものとした場合は、同程度の強度を維持して軽量化を図ることができ、同じ重量のものとした場合は、チェーン幅方向のインナープレートの枚数を増加してさらなる高強度化を図ることができできる。
請求項2に係る本発明のサイレントチェーンによれば、前記請求項1に係る本発明のサイレントチェーンが奏する効果に加えて、前記インナープレートのピン孔周辺部分は、ピン孔の全外周に亘る外周縁部の板厚が厚いので、隣接するインナープレート間に隙間ができるため、潤滑油がインナープレート間、連結ピンとピン孔との間に浸透しやすくなり、その結果、インナープレートのプレート面、ピン孔、連結ピンの摩耗を抑制でき、屈曲抵抗を低減できると共に、インナープレートの歯とスプロケット歯との摩耗を抑制することができる。
請求項3に係る本発明のサイレントチェーンによれば、前記請求項1に係る本発明のサイレントチェーンが奏する効果に加えて、前記インナープレートのピン孔周辺部分は、ピン孔上下部位で板厚が厚いので、隣接するインナープレート間に隙間ができるため、潤滑油がインナープレート間、ピン孔と連結ピンとの間に浸透しやすくなり、その結果、インナープレートのプレート面、ピン孔、連結ピンの摩耗を抑制でき、屈曲抵抗を低減できると共に、インナープレートの歯とスプロケット歯との摩耗を抑制することができる。
請求項4に係る本発明のサイレントチェーンによれば、前記請求項1乃至3に係る本発明のサイレントチェーンが奏する効果に加えて、前記インナープレートのクロッチ部に連なる内側フランク面周辺部分の板厚が厚いので、クロッチ部周辺部分と共に内側フランク面周辺部分の強度低下を防止でき、内側フランク面の摩耗を抑制することができる。
請求項5に係る本発明のサイレントチェーンによれば、請求項1乃至4に係る本発明のサイレントチェーンが奏する効果に加えて、前記インナープレートの外側フランク面周辺部分の板厚が厚いので、外側フランク面周辺部分の強度低下、外側フランク面の摩耗を抑制することができる。
本発明の実施例1を図1〜図5を参照して説明する。サイレントチェーン1は、図1に示すように、一対のピン孔2,2と一対の歯3,3とを有するインナープレート4を1枚ずつチェーン長手方向に交互に位置をずらせてチェーン幅方向に多数配置すると共に、チェーン幅方向最外にガイドプレート10を配置し、これらインナープレート4、ガイドプレート10を連結ピン11で連結して形成したものである。なお、図1における符号8は内側フランク面、9は外側フランク面である。また、図1では煩雑にならないように、クロッチ部縁部の盛り上がり部7の図示を省略している。
図3〜図5に示すように、インナープレート4の表裏両プレート面4a,4bには、応力が集中しやすい部分であるピン孔2周辺部分及びクロッチ部5(一対の歯3,3間内股の股上部)周辺部分において表裏両プレート面4a,4bの対象位置に盛り上がり部6,7が形成され、この盛り上がり部6,7により、板厚がそれ以外の部分より厚くなっている。すなわち、ピン孔2周辺部分は、ピン孔2の全外周に亘る外周縁部の盛り上がり部6により板厚が厚く、クロッチ部5周辺部分は、クロッチ部縁部の盛り上がり部7により板厚が厚くなっている。なお、クロッチ部縁部の盛り上がり部7は両終端に向けて下がり傾斜面7’とすることが好ましい(図5参照。)。
このインナープレート4で形成されたサイレントチェーン1は、図1に示すように、チェーン幅方向に並んで隣接するインナープレート4のピン孔2外周縁部の盛り上がり部6の先端どうしが接触するので、隣接するインナープレート4,4間に隙間ができ、潤滑油がインナープレート4,4間、ピン孔2と連結ピン11との間に浸透しやすくなり、その結果、インナープレート4のプレート面4a,4b、ピン孔2、連結ピン11等の摩耗を抑制でき、屈曲抵抗を低減できると共に、インナープレート4の歯3及びスプロケット歯(図示略)の摩耗を抑制することができる。この場合、インナープレート4のピン孔2外周縁部の盛り上がり部6はプレート面4a,4bからの高さが全て同じであるが、クロッチ部縁部の盛り上がり部7はクロッチ部5を補強できればよいので、外周縁部の盛り上がり部6と同じ高さでも、倍の高さとして隣接するインナープレート4のプレート面4bに接触するようにしても構わない。
本発明実施例2を図6〜図9を参照して説明する。この実施例2のサイレントチェーン(図示略)に用いるインナープレート12は、前記実施例1のインナープレートの一方のプレート面のみに盛り上がり部6,7を形成し、他方のプレート面を平坦面としたものに相当する。そこで、インナープレート12について同一態様部材には同一符号を付して以下説明する。
この実施例2のサイレントチェーン(図示略)は、前記実施例1のサイレントチェーン1と同じように、チェーン長手方向、チェーン幅方向に多数配置したインナープレート12を連結ピン11で連結して形成したものである。
図6〜図9に示すように、インナープレート12の一方のプレート面12aのみに、応力が集中しやすい部分であるピン孔2周辺部分及びクロッチ部5周辺部分において盛り上がり部6,7が形成され、他方のプレート面12bが平坦面で、盛り上がり部6,7により板厚がそれ以外の部分より厚くなっている。すなわち、プレート面12aのピン孔2周辺部分は、ピン孔2の全外周に亘る外周縁部の盛り上がり部6により板厚が厚く、クロッチ部5周辺部分は、クロッチ部縁部の盛り上がり部7により板厚が厚くなっている。
このインナープレート12で形成されたサイレントチェーンは、チェーン幅方向に並ぶ隣接するインナープレート12どうしは、ピン孔2外周縁部の盛り上がり部6、クロッチ部5縁部の盛り上がり部7の各先端が隣接するインナープレート12の平坦なプレート面12bに接触して隙間ができ、潤滑油がインナープレート12,12間、ピン孔2と連結ピン11との間に浸透しやすくなり、その結果、インナープレート12のプレート面12a,12b、ピン孔2、連結ピン11等の摩耗を抑制でき、屈曲抵抗を低減できると共に、インナープレート12の歯3及びスプロケット歯(図示略)の摩耗を抑制することができる。この場合、インナープレート12のピン孔2外周縁部の盛り上がり部6及びクロッチ部5縁部の盛り上がり部7のプレート面12aからの高さは全て同じである。
以上実施例1,2のサイレントチェーンに用いるインナープレート4,12の構造について説明したが、実施例1,2のサイレントチェーンの奏する効果について以下説明する。インナープレート4,インナープレート12の応力が集中しやすいピン孔周辺部分及びクロッチ部周辺部分をピン孔2外周縁部の盛り上がり部6、クロッチ部5縁部の盛り上がり部7により板厚を厚くしたので、インナープレート4,12の変形、強度低下、破損等を防止することができ、サイレントチェーンの高強度化を図ることができる。特に、クロッチ部5周辺部分の板厚を厚くすることで、インナープレート4,12はクロッチ部5周辺部分での変形が防止され、この変形に起因するピン孔2と連結ピン11の摩耗も抑制され、強度低下を防止することができる。
また、応力が集中しやすいピン孔周辺部分及びクロッチ部周辺部分における板厚を厚くして強度低下を防止することにより、相対的にそれ以外の部分の板厚を薄くすることが可能となるため、強度低下を生じることなくサイレントチェーンの軽量化を図ることができる。さらに、従来のプレート両面が平坦面で板厚が一定のインナープレートで形成したサイレントチェーンと同じチェーン幅のものとした場合は、同程度の強度を維持して軽量化を図ることができ、同じ重量のものとした場合は、チェーン幅方向のインナープレート4,12の枚数を増加してさらなる高強度化を図ることができできる。
本発明実施例3を図8〜図10を参照して説明する。実施例3のサイレントチェーン(図示略)に用いるインナープレート13は、前記実施例1のインナープレートのピン孔周辺部分におけるピン孔上下部位で板厚を厚くした点で異なるのみである。そこで、インナープレート13について同一態様部材には同一符号を付して以下説明する。
この実施例3のサイレントチェーン(図示略)は、前記実施例1のサイレントチェーン1と同じように、チェーン長手方向、チェーン幅方向に多数配置したインナープレート13を連結ピン11で連結して形成したものである。
図10〜図12に示すように、インナープレート13の表裏両プレート面13a,13bには、応力が集中しやすい部分であるピン孔2周辺部分及びクロッチ部5周辺部分において表裏両プレート面13a,13bの対象位置に盛り上がり部14,7が形成され、この盛り上がり部14,7により、板厚がそれ以外の部分より厚くなっている。すなわち、ピン孔2の上下部分に応力集中が起きやすく、この部分での強度低下を防ぐため、ピン孔2周辺部分は、ピン孔2上下部位で外周縁部の一部である円弧状部の盛り上がり部14,14により板厚が厚く、クロッチ部5周辺部分は、クロッチ部縁部の盛り上がり部7により板厚が厚くなっている。また、ピン孔2の上下にある盛り上がり部14,14は両終端部側が下がり傾斜面14’になっている。
このインナープレート13で形成されたサイレントチェーンは、チェーン幅方向に並んで隣接するインナープレート13のピン孔2上下部位の盛り上がり部14の先端どうしが接触するので、隣接するインナープレート13,13間に隙間ができ、潤滑油がインナープレート13,13間、ピン孔2と連結ピン11との間に浸透しやすくなり、その結果、インナープレート13のプレート面13a,13b、ピン孔2、連結ピン11等の摩耗を抑制でき、屈曲抵抗を低減できると共に、インナープレート13の歯3及びスプロケット歯(図示略)の摩耗を抑制することができる。この場合、隣接するインナープレート13,13の盛り上がり部14の先端どうしが接触すると、サイレントチェーンが真っ直ぐなときは、盛り上がり部14,14の下がり傾斜面14’により2箇所で隙間ができ、サイレントチェーンが屈曲したときは隣接するインナープレート13どうしが相対的に回動して下がり傾斜面14’がずれて4箇所で隙間ができ、これら隙間からピン孔2と連結ピン11との間に潤滑油が入るようになる。なお、インナープレート13のピン孔2上下部位の盛り上がり部14,14はプレート面13a,13bからの高さが全て同じであるが、クロッチ部縁部の盛り上がり部7はクロッチ部5を補強できればよいので、外周縁部の盛り上がり部14と同じ高さでも、倍の高さとして隣接するインナープレート13のプレート面13bに接触するようにしても構わない。
本発明実施例4を図13〜図15を参照して説明する。この実施例4のサイレントチェーン(図示省略)に用いるインナープレート15は、前記実施例3のインナープレートの一方のプレート面のみに盛り上がり部14,7を形成し、他方のプレート面を平坦面としたものに相当する。そこで、インナープレート15について同一態様部材には同一符号を付して以下説明する。
この実施例4のサイレントチェーン(図示省略)は、前記実施例1のサイレントチェーンと同じように、チェーン長手方向、チェーン幅方向に多数配置したインナープレート15を連結ピン11で連結して形成したものである。
図13〜図15に示すように、インナープレート15の一方のプレート面15aのみに、応力が集中しやすい部分であるピン孔2周辺部分及びクロッチ部5周辺部分において盛り上がり部14,7が形成され、他方のプレート面15bが平坦面で、盛り上がり部14,7により板厚がそれ以外の部分より厚くなっている。すなわち、ピン孔2周辺部分は、ピン孔2上下の一部外周縁部の盛り上がり部14により板厚が厚く、クロッチ部5周辺部分はクロッチ部縁部の盛り上がり部7により板厚が厚くなっている。
このインナープレート15で形成されたサイレントチェーン(図示略)は、チェーン幅方向に並ぶ隣接するインナープレート15どうしは、ピン孔2外周縁部の盛り上がり部14、クロッチ部5縁部の盛り上がり部7の各先端が隣接するインナープレート15の平坦なプレート面15bに接触して隙間ができ、潤滑油がインナープレート15,15間、ピン孔2と連結ピン11との間に浸透しやすくなり、その結果、インナープレート15のプレート面15a,15b、ピン孔2、連結ピン11等の摩耗を抑制でき、屈曲抵抗を低減できると共に、インナープレート1の歯3及びスプロケット歯(図示略)の摩耗を抑制することができる。
以上実施例3,4のサイレントチェーンに用いるインナープレート13,15の構造について説明したが、実施例3,4のサイレントチェーンの奏する効果について以下説明する。インナープレート13,15の応力が集中しやすいピン孔周辺部分及びクロッチ部周辺部分をピン孔2上下部位で外周縁部の一部である円弧状部の盛り上がり部14、クロッチ部5縁部の盛り上がり部7により板厚を厚くしたので、インナープレート13,15の変形、強度低下、破損等を防止することができ、サイレントチェーンの高強度化を図ることができる。特に、クロッチ部5周辺部分の板厚を厚くすることで、インナープレート13,15はクロッチ部5周辺部分での変形が防止され、この変形に起因するピン孔2と連結ピン11の摩耗も抑制され、強度低下を防止することができる。
また、応力が集中しやすいピン孔2周辺部分及びクロッチ部5周辺部分の板厚を厚くして強度低下を防止することにより、相対的にそれ以外の部分の板厚を薄くすることが可能となるため、強度低下を生じることなくサイレントチェーンの軽量化を図ることができる。さらに、従来のプレート両面が平坦面で板厚が一定のインナープレートで形成したサイレントチェーンと同じチェーン幅のものとした場合は、同程度の強度を維持して軽量化を図ることができ、同じ重量のものとした場合は、チェーン幅方向のインナープレート13,15の枚数を増加してさらなる高強度化を図ることができできる。
本発明実施例5を図16〜図19を参照して説明する。この実施例5のサイレントチェーン(図示省略)に用いるインナープレート16は、前記実施例1〜実施例4のインナープレート4,12,13,15において、さらに歯3のクロッチ部に連なる内側フランク面周辺部分の板厚、外側フランク面周辺部分の板厚を厚く変形したものに相当する。実施例5の一例として前記実施例2の一方のプレート面が平坦面からなるインナープレート4を変形したインナープレート16について、同一態様部材には同一符号を付して以下説明する。
図16〜図19に示すように、インナープレート16は、プレート面16aのピン孔2周辺部分においてピン孔2の全外周に亘る外周縁部の盛り上がり部6により板厚が厚く、クロッチ部5周辺部分及び内側フランク面8周辺部分は、クロッチ部5に連なる内側フランク8面縁部の盛り上がり部17により板厚が厚く、外側フランク面9周辺部分は、外側フランク面9縁部の盛り上がり部18により板厚が厚くなっている。
このインナープレート16で形成されたサイレントチェーンは、チェーン幅方向に並んぶインナープレート16のピン孔2外周縁部の盛り上がり部6、クロッチ部5に連なる内側フランク8面縁部の盛り上がり部17、外側フランク面9縁部の盛り上がり部18の先端が隣接するインナープレート16の平坦なプレート面16bに接触するので、隣接するインナープレート16,16間に隙間ができ、潤滑油がインナープレート16,16間、ピン孔2と連結ピン11との間に浸透しやすくなり、その結果、インナープレート16のプレート面16a,16b、ピン孔2、連結ピン11等の摩耗を抑制でき、屈曲抵抗を低減できると共に、インナープレート16の歯3及びスプロケット歯(図示略)の摩耗を抑制することができる。
実施例5のサイレントチェーンの奏する効果について以下説明する。インナープレート16は、応力が集中しやすい部分をピン孔2外周縁部の盛り上がり部6、クロッチ部5に連なる内側フランク8面縁部の盛り上がり部17、外側フランク面9周辺部分における外側フランク面9縁部の盛り上がり部18により板厚が厚くなっているので、インナープレート16の変形、強度低下、破損等を防止することができ、サイレントチェーンの高強度化を図ることができる。特に、クロッチ部5周辺部分及び内側フランク面8周辺部分における盛り上がり部17により板厚を厚くしたので、インナープレート16はクロッチ部5周辺部分での変形が防止され、この変形に起因するピン孔2と連結ピン11の摩耗も抑制され、強度低下を防止することができる。
また、応力が集中しやすい部分の板厚を厚くして強度低下を防止することにより、相対的にそれ以外の部分の板厚を薄くすることが可能となるため、強度低下を生じることなくサイレントチェーンの軽量化を図ることができる。さらに、従来のプレート両面が平坦面で板厚が一定のインナープレートで形成したサイレントチェーンと同じチェーン幅のものとした場合は、同程度の強度を維持して軽量化を図ることができ、同じ重量のものとした場合は、チェーン幅方向のインナープレート16の枚数を増加してさらなる高強度化を図ることができできる。
この実施例5では、一方のプレート面にピン孔2外周縁部の盛り上がり部6、クロッチ部5に連なる内側フランク8面縁部の盛り上がり部17、外側フランク面9周辺部分における外側フランク面9縁部の盛り上がり部18を形成し、他方のプレート面を平坦面として、応力が集中しやすい部分の板厚を厚くしたが、他方のプレート面にも対象位置にこれら盛り上がり部を形成して応力が集中しやすい部分の板厚を厚くしても構わない。
また、プレート面には、ピン孔2外周縁部の盛り上がり部6のほかに、クロッチ部5に連なる内側フランク8面縁部の盛り上がり部17のみを形成したもの、あるいは、このクロッチ部5に連なる内側フランク8面縁部の盛り上がり部17を形成しないで、クロッチ部縁部の盛り上がり部7と外側フランク面9縁部の盛り上がり部18とを形成したものとしてもよい。
本発明実施例1のサイレントチェーンの一部平面図である。 実施例1のインナープレートの正面図である。 インナープレートの上面図である。 図1のA−A線断面図である。 インナープレートの側面図である。 実施例2のインナープレートの正面図である。 インナープレートの上面図である。 図6のB−B線断面図である。 インナープレートの側面図である。 実施例3のインナープレートの正面図である。 インナープレートを上方から見た上面図である。 インナープレートの側面図である。 実施例4のインナープレートの正面図である。 インナープレートの上面図である。 インナープレートの側面図である。 実施例5のインナープレートの斜視図である。 インナープレートの正面図である。 インナープレートを下方から見た下面図である。 インナープレートの側面図である。
符号の説明
1 サイレントチェーン 2 ピン孔
3 歯 4 インナープレート
4a,4b プレート面 5 クロッチ部
6 ピン孔外周縁部の盛り上がり部
7 クロッチ部縁部の盛り上がり部
7’ 下がり傾斜面
8 内側フランク面 9 側フランク面
10 ガイドプレート 11 連結ピン
12 インナープレート 12a,12b プレート面
13 インナープレート 13a,13b プレート面
14 ピン孔上下部位の盛り上がり部 14’ 下がり傾斜面
15 インナープレート 15a,15b プレート面
16 インナープレート 16a,16b プレート面
17 クロッチ部に連なる内側フランク面縁部の盛り上がり部
18 外側フランク面縁部の盛り上がり部

Claims (5)

  1. 一対のピン孔と一対の歯とを有するインナープレートがチェーン長手方向及びチェーン幅方向に多数配置され該ピン孔に挿入した連結ピンにより連結されてなるサイレントチェーンにおいて、
    前記インナープレートの応力が集中しやすい部分の板厚は、少なくとも一方のプレート面の盛り上がり部によりそれ以外の部分より厚く形成され、
    前記インナープレートのピン孔周辺部分及びクロッチ部周辺部分の板厚は他の部分より厚いことを特徴とするサイレントチェーン。
  2. 前記インナープレートのピン孔周辺部分は、ピン孔の全外周に亘る外周縁部の板厚が厚いことを特徴とする請求項1記載のサイレントチェーン。
  3. 前記インナープレートのピン孔周辺部分は、ピン孔上下部位で板厚が厚いことを特徴とする請求項1記載のサイレントチェーン。
  4. 前記インナープレートのクロッチ部に連なる内側フランク面周辺部分の板厚が厚いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサイレントチェーン。
  5. 前記インナープレートの外側フランク面周辺部分の板厚が厚いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のサイレントチェーン。
JP2008201879A 2008-08-05 2008-08-05 サイレントチェーン Withdrawn JP2010038245A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008201879A JP2010038245A (ja) 2008-08-05 2008-08-05 サイレントチェーン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008201879A JP2010038245A (ja) 2008-08-05 2008-08-05 サイレントチェーン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010038245A true JP2010038245A (ja) 2010-02-18

Family

ID=42011013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008201879A Withdrawn JP2010038245A (ja) 2008-08-05 2008-08-05 サイレントチェーン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010038245A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012162147A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合材構造体、これを備えた航空機主翼および航空機胴体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012162147A (ja) * 2011-02-04 2012-08-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合材構造体、これを備えた航空機主翼および航空機胴体
US9751608B2 (en) 2011-02-04 2017-09-05 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Composite material structure, and aircraft wing and aircraft fuselage provided therewith

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4327192B2 (ja) チェーン伝動装置
JP5360813B2 (ja) 両面駆動用サイレントチェーン並びにそれを用いた両面駆動用サイレントチェーン伝動装置
JP5944200B2 (ja) サイレントチェーン
JP5259775B2 (ja) 動力伝達チェーン
JP2009103185A (ja) チェーン伝動装置
JP5094806B2 (ja) サイレントチェーン
JP2006046649A (ja) 伝動チェーン
JP4874081B2 (ja) サイレントチェーン
KR101784144B1 (ko) 사일런트 체인
JP3470036B2 (ja) サイレントチェーン伝動装置
JP2006144852A (ja) サイレントチェーン
JP2004169747A (ja) サイレントチェーン
JP2004183851A (ja) サイレントチェーン
JP2008232158A (ja) サイレントチェーン
US8998759B2 (en) Silent chain
JP2011196546A (ja) 両側式逆歯チェーン
JP2013130267A (ja) チェーン
JP2006002811A (ja) 両面噛合い型サイレントチェーン
JP2010038245A (ja) サイレントチェーン
US20100304911A1 (en) Vibration-proof silent chain
US20120071287A1 (en) Silent chain having deformable guide plates
US20090247340A1 (en) Chain transmission device
JP2015155741A (ja) サイレントチェーン
JP2009144742A (ja) サイレントチェーン
JP4701002B2 (ja) 弾性クローラとクローラ走行装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20111101