JP2010032869A - 回折構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性のない支持体にも回折構造を鮮明に表現することのできる金属反射層を有するホログラム等の回折構造を製造する回折構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】支持体上に少なくとも回折構造及び金属反射層を有する回折構造転写体を被転写体に転写する回折構造体の製造方法において、回折構造転写体上に電離放射線硬化型接着剤を塗布する工程、電離放射線硬化型接着剤を塗布した回折構造転写体を被転写体と貼り合せる工程、電離放射線を照射し電離放射線硬化型接着剤を硬化させる工程、回折構造転写体の支持体を剥離する工程、を含むことを特徴とする回折構造体の製造方法等を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】支持体上に少なくとも回折構造及び金属反射層を有する回折構造転写体を被転写体に転写する回折構造体の製造方法において、回折構造転写体上に電離放射線硬化型接着剤を塗布する工程、電離放射線硬化型接着剤を塗布した回折構造転写体を被転写体と貼り合せる工程、電離放射線を照射し電離放射線硬化型接着剤を硬化させる工程、回折構造転写体の支持体を剥離する工程、を含むことを特徴とする回折構造体の製造方法等を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明はこれまで熱エンボス及び金属反射層形成時の熱に耐性を持たないために回折構造及び金属反射層を形成できなかった支持体に転写により回折構造体および金属反射層を製造する回折構造体の製造方法に関するものである。
一般に、ホログラム等の回折構造体は、光の干渉を利用して立体的な画像を再生し得るものである。この画像は、回折構造を介して得られる。従来、回折構造は熱エンボス等により形成されるために、回折構造を形成されうる支持体には耐熱性を有するフィルムを用いる必要があった。そこで、耐熱性がない支持体にホログラムを形成する方法として、転写箔を耐熱性がない支持体に紫外線硬化型接着剤を用いて転写する方法を行ってきた。接着剤を硬化させる際に転写箔側から紫外線を照射するために、紫外線の透過率の良い透明なホログラム層及びホログラムを効果的に見せるための透明蒸着層が付与されてきた。
以下に、上記先行技術特許を示す。
特開2004−163522
そのため、耐熱性を持たない支持体は透明蒸着されたホログラムのみが形成され、金属反射層を有するホログラムを形成することができなかった。しかし、透明蒸着層ではホログラムの効果を十分に発揮することは難しく、金属蒸着を施すことにより回折構造をより鮮明に見せることができる。
そこで、本発明では耐熱性のない支持体にも回折構造を鮮明に表現することのできる金属反射層を有するホログラム等の回折構造を製造する回折構造体の製造方法を提供する。
本発明で、前記課題を解決するため、まず、請求項1では、支持体上に少なくとも可視光などの回折構造及び金属反射層を有する回折構造転写体を被転写体に転写する回折構造体の製造方法において、
回折構造転写体上に電離放射線硬化型接着剤を塗布する工程、
電離放射線硬化型接着剤を塗布した回折構造転写体を被転写体と貼り合せる工程、
電離放射線を照射し電離放射線硬化型接着剤を硬化させる工程、
回折構造転写体の支持体を剥離する工程、
を含むことを特徴とする回折構造体の製造方法を提供するものである。
回折構造転写体上に電離放射線硬化型接着剤を塗布する工程、
電離放射線硬化型接着剤を塗布した回折構造転写体を被転写体と貼り合せる工程、
電離放射線を照射し電離放射線硬化型接着剤を硬化させる工程、
回折構造転写体の支持体を剥離する工程、
を含むことを特徴とする回折構造体の製造方法を提供するものである。
また、請求項2では、支持体上に少なくとも回折構造及び金属反射層を有する回折構造転写体を被転写体に転写する回折構造体の製造方法において、
被転写体上に電離放射線硬化型接着剤を塗布する工程、
電離放射線硬化型接着剤を塗布した被転写体と回折構造転写体とを貼り合せる工程、
電離放射線を照射し電離放射線硬化型接着剤を硬化させる工程、
回折構造転写体の支持体を剥離する工程、
を含むことを特徴とする回折構造体の製造方法を提供するものである。
被転写体上に電離放射線硬化型接着剤を塗布する工程、
電離放射線硬化型接着剤を塗布した被転写体と回折構造転写体とを貼り合せる工程、
電離放射線を照射し電離放射線硬化型接着剤を硬化させる工程、
回折構造転写体の支持体を剥離する工程、
を含むことを特徴とする回折構造体の製造方法を提供するものである。
また、請求項3では、前記被転写体が熱軟化性材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の回折構造体の製造方法を提供するものである。
また、請求項4では、前記回折構造転写体の支持体と回折構造及び金属反射層の間に剥離層を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回折構造体の製造方法を提供するものである。
本件では、耐熱性のない支持体に金属蒸着層を有するホログラム箔を紫外線硬化型接着剤を用い転写することにより、鮮明なホログラム等の回折構造を有する回折構造体の製造方法を提供する。
本発明を実施するにあたって、最良の形態を説明する。
本発明の実施の形態を説明する。
ホログラム転写箔を製作するためには、転写箔の支持体の一方の面に剥離性保護層を形成し、この剥離性保護層上にホログラム形成層を設け、このホログラム形成層に熱エンボスを行いホログラムを形成した後、このホログラム層上に金属反射層を形成し、必要に応じて金属反射層の上に接着層を形成した構成をしている。
ここで転写箔の支持体としては、厚みが安定しており、且つ耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いるのが一般的であるが、これに限るものではない。その他の材料としては、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム等が耐熱性の高いフィルムとして知られており、同様の目的で使用する事が可能である。また、他のフィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、耐熱塩化ビニル等の材料でも、塗液の塗工条件や乾燥条件によっては使用可能である。
剥離性保護層を形成する樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、アクリル系樹脂ビニル系樹脂の混合物等を塗料化し、コーティング方については特に限定するものではなく、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷等の公知のコーティング方法で塗布をして乾燥することにより、厚さ1〜2μm程度の樹脂層を形成する。
また、ホログラム形成層を形成する樹脂としては、例えば飽和共重合ポリエステル等のポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共重合体等の塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、ポリアクリレートもしくはポリメタクリレート樹脂またはこれらの共重合体等の熱可塑性樹脂があり、これらを単独あるいは2種類以上混合して適用することができる。
さらに、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を、これらを単独あるいは2種類以上混合して適用することができる。
さらに、上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との混合物であっても適用することができ、上記樹脂を塗料化し、公知のコーティング法によりホログラム形成層を形成する。そして、その厚さとしては、0.3〜2μm程度、好ましくは0.5〜1.5μmとするのがよい。
次に、ホログラム形成層上にエンボスによるホログラムを形成するが、この場合、ホログラムパターンが形成されたニッケル製のプレス版を、当該ホログラム形成層に対して加熱押圧することによりホログラムを形成する。
次に、ホログラムが形成されたホログラム形成層上に金属反射層を形成するが、この金属反射層は入射光線を反射する層であり、アルミニウム、スズ等の金属、およびその化合物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成する。蒸着を行う金属としては、Al、Ag、Au、Sn、Ti等の金属単体が好ましい。そして、その厚さとしては、10〜55nm程度が好ましい。これは、Alで蒸着を行ったときの金属反射層の紫外線(365nm)の透過率は約0.1%〜65%である。
金属蒸着層は、紫外線もしくは電子線硬化型樹脂を硬化させるために十分な透過率を有することが望ましい。また、回折構造を鮮明に見せるためにも十分な金属反射率を必要とする。そこで、本発明における金属蒸着層の紫外線透過率は0.1%〜80%であることが好ましい。0.1%以下になると、紫外線照射量が多くなり、転写箔及び耐熱性のない支持体に熱による付加がかかり、熱ジワ等の発生の原因となる。また、紫外線透過率が80%を超えてしまうと、紫外線による支持体への熱のダメージは減るが、金属反射層の反射率が低下してしまいホログラムの効果が十分に発揮できなくなくなる。さらに好ましくは、金属反射層の紫外線透過率が0.5%〜5%であることが望ましい。この範囲の透過率があれば、支持体にダメージを与えない程度の紫外線照射量で紫外線硬化型接着剤を硬化させることが出来、金属反射率も十分なホログラム効果を発揮する反射率となりうる。
耐熱性を持たない支持体としては、セロハン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン(PO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどが挙げられる。シュリンクフィルムなどの熱に弱い支持体や脆性フィルム、厚みが3.5μm以下の薄いフィルムも使用でき、本発明では特に熱による変形や変質する支持体を用いることができる。
本発明に用いる転写用接着剤は紫外線もしくは電子線を照射することにより硬化するものであれば特にその組成等を限定するものではないが、組成物として安定な品質を有する紫外線硬化型もしくは電子線硬化型接着剤を用いることが出来る。この接着剤は、転写箔を転写する際の工程に応じたものを使用することが出来る。例えば、ラジカル重合反応を利用した紫外線照射直後に反応を開始し短時間で硬化するタイプの即効性ものや、カチオン重合もしくはアニオン重合を利用した紫外線照射後の所定時間経過後に硬化が開始するような遅効性のものを用いることが出来る。例として、接着剤塗布後に貼り合せてから紫外線を照射する場合は、ラジカル重合を利用した即効性の接着剤を用いることができ、また、接着剤塗布後に紫外線を照射してから貼り合せる場合はカチオン重合を利用した遅効性の接着剤を用いると良い。このように、加工機に応じて自由に接着剤を選択することが出来る。
紫外線硬化型接着剤もしくは電子線硬化型接着剤を塗工する方法としては、特に限定するものではなく、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷等の各種印刷機を用いて良い。また、全面に塗布しても良いしパターンで塗布しても良い。さらに、接着剤を全面に塗布してから、接着剤硬化を行う際の紫外線照射時にマスク等を用いてバターンで紫外線を照射して部分的に接着剤を硬化させても良い。紫外線硬化型接着剤もしくは電子線硬化型接着剤を塗工する支持体としては、転写箔側に塗布しても良いし、被転写側の耐熱性のない支持体に塗布しても良い。塗布する支持体及び塗工方法、使用する接着剤は転写工程順に応じて自由に選択してよい。また、支持体と転写箔を貼り合わせる工程としては、公知のラミネーター方法、装置を用いてよい。
接着剤を塗工後に支持体と転写箔を貼り合せる際に、接着剤の塗工面が平滑で無い場合に、泡等が入るので支持体側からホログラムを目視するとホログラムが見劣りするので転写箔側からのみしかホログラムを遜色なく観察することが出来なかった。しかし、特に、有機溶剤により接着剤を希釈して行うグラビア印刷においては、塗面の平滑性が非常に高いので貼り合わせする際に泡などが入りにくい。そのために、ホログラムを支持体側からでも転写箔側からでも遜色なく観察することが出来る。
上記のように作成した積層体をステッカーにすることやスレッド加工して紙に漉き込み漉き込み用紙をつくることが出来る。ステッカー加工を行う際に粘着層を設けるが、粘着層としてはブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリイソブチル、アクリル系などが挙げられる。これらの中には、アルキルメタクリレート、ビニルエステル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルモノマーなどの凝集成分や、不飽和カルボン酸、ヒドロキシル基含有モノマー、アクリロニトリルなどに代表される改質成分や、重合開始剤、可塑剤、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤などの添加剤を必要に応じて添加してもよい。粘着層を設ける側は転写箔側でも被転写支持体でもどちらでも良い。
次に漉き込み用紙について説明をする。前記の積層体を0.1mmから10mmの幅、より好ましくは1mmから5mmの幅にスリットしてスレッドを作成し、紙に漉き込むことにより漉き込み用紙を作製する。漉き込む際、積層体が少なくとも一部が露呈するように窓開きにしてもよい。また、紙基材との密着力をあげるように積層体に粘着層もしくは接着層を設けても良い。また、スレッドの本数は1本には限らず複数本でも良く、スレッドの配置の仕方は自由でスレッド同士は交わるように配置しても良いし交わらなくても良い。スレッドを紙に漉き込む際はホログラム保護のために表面に支持体を持ってくると良い。
紙基材の中にスレッド体を漉き込むにはいろいろな方法がある。その一つの方法としては、既に形成された2枚の紙基材の間にスレッド体を挿入して貼り合わせ、所定の部分においてスレッド体が露出するように一体的に貼り合わせる方法がある。また、円網あるいは短網または円網と長網などとの組み合わせにより、部分的にスレッド体が露出できる部分を予め設けた湿紙を作製した後、各湿紙を抄き合わせる工程中でスレッド体を湿紙間に見当を合わせて挿入し、一体化する方法もある。
本発明の積層体が熱収縮性プラスチックフィルムで製作された場合は、そのままシュリンクフィルムとして用いることも可能である。
次に実施例をあげて本発明について具体的に説明する。
厚さ25μmの透明のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体1の上に以下の層構成からなるホログラム転写箔を図2の様に形成した。アクリル樹脂を主成分とした塗工剤をグラビアコーティング法により約1.5μmの剥離性保護層2を成形し、次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とウレタン樹脂の混合物を塗料化しグラビアコーティング法により、ホログラム形成層3として、塗布膜厚2.0μmで塗布した。
ホログラムパターンが形成されたニッケル製のプレス版をホログラム形成層3に対し、版面温度160℃で加熱押圧することにより回折構造を形成したホログラム形成層3を得た。次に金属反射層4を真空蒸着法によってAlを膜厚約50nmで形成した。このときのホログラム転写箔の紫外線(365nm)の透過率が約0.3%であった。
次に、図3の様にTACフィルム5にグラビアコーターにて紫外線硬化型接着剤6を塗布した。塗布膜厚は6μmとした。その後、上記のように製作された転写箔とTACフィルム5を図4の様に貼り合わせ、可視光の回折構造を持つ紫外線硬化型接着剤6aとした。さらに、転写箔側から紫外線900mJ/cm2照射し紫外線硬化型接着剤6a硬化させ、紫外線硬化済樹脂6bとした。最後に転写箔の支持体1を剥離することによりTACフィルム5にホログラムを転写させることが出来た回折構造体が得られた。
その結果、熱に耐性のないためにホログラムエンボスが出来なかったTACフィルムにホログラムを形成することができた。さらに、ホログラム付TACフィルムに粘着層7と剥離紙8を図6の様に設け、抜き加工を行いステッカーとした。TACフィルムが脆性フィルムであるので脆性かつ金属蒸着されたホログラムを製作することが出来た。
1…支持体
2…剥離性保護層
3…回折構造を形成したホログラム形成層
4…金属反射層
5…TACフィルム
6…紫外線硬化型接着剤
6a…紫外線硬化前接着剤
6b…紫外線硬化済樹脂
7…粘着層
8…剥離紙
2…剥離性保護層
3…回折構造を形成したホログラム形成層
4…金属反射層
5…TACフィルム
6…紫外線硬化型接着剤
6a…紫外線硬化前接着剤
6b…紫外線硬化済樹脂
7…粘着層
8…剥離紙
Claims (4)
- 支持体上に少なくとも回折構造及び金属反射層を有する回折構造転写体を被転写体に転写する回折構造体の製造方法において、
回折構造転写体上に電離放射線硬化型接着剤を塗布する工程、
電離放射線硬化型接着剤を塗布した回折構造転写体を被転写体と貼り合せる工程、
電離放射線を照射し電離放射線硬化型接着剤を硬化させる工程、
回折構造転写体の支持体を剥離する工程、
を含むことを特徴とする回折構造体の製造方法。 - 支持体上に少なくとも回折構造及び金属反射層を有する回折構造転写体を被転写体に転写する回折構造体の製造方法において、
被転写体上に電離放射線硬化型接着剤を塗布する工程、
電離放射線硬化型接着剤を塗布した被転写体と回折構造転写体とを貼り合せる工程、
電離放射線を照射し電離放射線硬化型接着剤を硬化させる工程、
回折構造転写体の支持体を剥離する工程、
を含むことを特徴とする回折構造体の製造方法。 - 前記被転写体が熱軟化性材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の回折構造体の製造方法。
- 前記回折構造転写体の支持体と回折構造及び金属反射層の間に剥離層を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回折構造体の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008196110A JP2010032869A (ja) | 2008-07-30 | 2008-07-30 | 回折構造体の製造方法 |
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