JP2010032850A - 変調光学系およびプロジェクタ - Google Patents

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JP2010032850A JP2008195867A JP2008195867A JP2010032850A JP 2010032850 A JP2010032850 A JP 2010032850A JP 2008195867 A JP2008195867 A JP 2008195867A JP 2008195867 A JP2008195867 A JP 2008195867A JP 2010032850 A JP2010032850 A JP 2010032850A
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Abstract

【課題】耐久性等に関する高い信頼性を有し、組み込み時の調整が容易な光学素子を偏光
方向の切換用に特定色の光路上に組み込んだ変調光学系を提供すること。
【解決手段】複合光学フィルタ25e,25gを構成する基板RSが、旋光部材として、
光学軸OAがシステム光軸SAに略平行な方向に延びる水晶板で形成されており、システ
ム光軸SAに沿って入射したB及びR光の偏光面を90°回転(旋光)させる。よって、
B及びR光の第1及び第3光路OP1,OP3で偏光面を90°回転させることができ、
クロスダイクロイックプリズム27に入射させるB及びR光を反射に適するS偏光とする
ことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の光変調装置で形成された画像を合成する変調光学系に関し、特にプロ
ジェクタへの組み込みに適する変調光学系およびプロジェクタに関する。
従来のプロジェクタとして、合成前の特定色の光路上に1/2波長板を設けて照明用の
直線偏光の偏光方向を90°切替え、光合成用のプリズムでの結合効率を向上させている
ものが存在する(特許文献1等参照)。
画像表示装置として、複数の反射型空間光変調装置を備え、各反射型空間光変調装置の
読出側に、変調素子の実際の配向方向の理想的な配向方向からのズレを補償してコントラ
ストを改善するため、偏光方向を微小回転させるα水晶等の旋光手段を設けたものが存在
する(特許文献2参照)。
反射型液晶表示装置として、反射型液晶表示素子と偏光ビームスプリッタとの間に、光
源から光線のうち周辺光線の傾きを補償してコントラストを改善するため、偏光方向を微
小回転させる水晶板等の波長板を設けたものが存在する(特許文献3参照)。
液晶プロジェクタの照明光学系として、光源の後段に偏光ビームスプリッタと1/2波
長板とを設けて偏光方向を揃えるものが存在し、この場合、1/2波長板として、例えば
水晶が用いられる(特許文献4参照)。
特開2001−100311号公報 特開平7−128651号公報 特開2006−235312号公報 特開2004−309853号公報
しかしながら、特許文献1において、1/2波長板として一般的に用いられている有機
フィルムは、耐久性の点で信頼性が低い。また、1/2波長板の場合、材料にかかわらず
入射偏光に対して光学軸が傾くとその影響で射出偏光の方向が大きくずれてしまう。この
ため、組み込み時に軸方向を考慮する必要があり、偏光度の高い光を使用する場合には、
特にその軸方向に精度が必要となり、組み込み時の調整が容易でない。
なお、特許文献2、3の装置は、水晶板によって理想的な配向方向又は偏光方向からの
微小なズレを補償するものであり、特定色の光路において偏光方向を90°切替えるもの
ではない。
特許文献4の装置は、色分離前の照明光についてその偏光方向を切替えて揃えるもので
あり、特定色の光路において偏光方向を90°切替えるものではない。
そこで、本発明は、耐久性等に関する高い信頼性を有し、組み込み時の調整が容易な光
学素子を偏光方向の切換用に特定色の光路上に組み込んだ変調光学系およびプロジェクタ
を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る第1の変調光学系は、(a)照明装置から射出
された各色の照明光をそれぞれ変調する複数の光変調装置と、(b)複数の光変調装置で
変調された各色の変調光を合成する光合成部とを備え、(c)複数の光変調装置のうち少
なくとも1つの光変調装置は、偏光変調型の変調パネルと、変調パネルの光射出側に配置
される偏光素子と、旋光部材とを有し、(c1)旋光部材は、光学軸がシステム光軸に略
平行な方向に延びる少なくとも1枚の水晶板で形成され、システム光軸に沿って入射した
光束の偏光方向を90°回転させる。なお、旋光部材を2枚の水晶板で構成する場合、各
水晶板によって偏光方向を例えば45°回転させる。
上記変調光学系では、旋光部材が、光学軸がシステム光軸に略平行な方向に延びる少な
くとも1枚の水晶板で形成され、システム光軸に沿って入射した光束の偏光方向を90°
回転させるので、特定色の光路で偏光面を90°回転させることができる。この際、水晶
板のシステム光軸まわりの回転角に依存して偏光方向の回転量がズレることを防止できる
ので、水晶板の組み込み時の調整が容易である。また、水晶板によって旋光部材を構成す
ることにより、耐久性等の観点で高い信頼性を確保することができる。
また、本発明の具体的な態様又は観点によれば、上記液晶表示装置において、少なくと
も1つの光変調装置が、旋光部材のシステム光軸に平行な方向とシステム光軸に垂直な方
向とに関する屈折率差を補償する光学補償素子をさらに備える。この場合、水晶板の光学
軸に対して傾斜して入射する光束に生じる位相差を光学補償素子によって補償することが
でき、良好な入射角度依存性を確保することができる。
本発明の別の態様では、変調パネルが、光透過型の液晶パネルであり、旋光部材を構成
する水晶板は、液晶パネルの光入射側及び光射出側のいずれか一方に配置される。この場
合、液晶パネルに入射する照明光の偏光方向を事前に90°回転させることができ、或い
は液晶パネルから射出される変調光の偏光方向を事後に90°回転させることができる。
本発明のさらに別の態様では、変調パネルが、光透過型の液晶パネルであり、旋光部材
を構成する水晶板が、液晶パネルの光入射側及び光射出側の双方に配置される。この場合
、液晶パネルに入射する照明光の偏光方向と液晶パネルから射出される変調光の偏光方向
とを、結果として追加的に90°回転させることができる。
本発明のさらに別の態様では、旋光部材を構成する水晶板のうち少なくとも1枚は、液
晶パネルの光射出側及び光入射側の一方に配置される偏光素子を支持するための支持基板
として機能する。この場合、水晶板のうち少なくとも1枚を偏光素子の効率的な冷却手段
として用いることができる。
本発明のさらに別の態様では、水晶板が、支持基板として、液晶パネルの光射出側に配
置される偏光素子を支持する。この場合、加熱されやすい光射出側の偏光素子を効率的に
冷却することができる。通常、水晶基板を液晶パネルの光射出側に配置して偏光素子を冷
却する場合、水晶基板の光学軸は基板面内に存在し、偏光素子の軸と水晶の軸を精度良く
合わせる必要がある。一方、本発明の場合は基板面内に軸が存在しないため偏光素子と水
晶の軸を合わせる必要がなくなる。
本発明のさらに別の態様では、システム光軸が、所定の平面上にあり、光合成部が、所
定の平面に垂直に配置された複数のダイクロイックミラーを有し、複数の光変調装置が、
変調によって偏光方向を90°回転させ、上記少なくとも1つの光変調装置が、複数のダ
イクロイックミラーのうち少なくとも1つで反射される色の光路上に配置される。この場
合、ダイクロイックミラーで反射される色の光路において、ロスを低減するような偏光方
向に切り替えるべく旋光部材を配置することになる。
本発明のさらに別の態様では、上記少なくとも1つの光変調装置が青色及び赤色の光路
上に配置される。この場合、青色及び赤色をS偏光としてダイクロイックミラーに入射さ
せることができ、ダイクロイックミラーでの合成効率を高めることができる。
本発明に係る第2の変調光学系は、(a)照明装置から射出された各色の照明光をそれ
ぞれ変調する複数の光変調装置と、(b)複数の光変調装置で変調された各色の変調光を
合成する光合成部とを備え、(c)複数の光変調装置のうち少なくとも1つの光変調装置
は、偏光変調型の変調パネルと、変調パネルの光射出側に配置される偏光素子と、旋光部
材とを有し、(c1)旋光部材は、光学軸がシステム光軸に略平行な方向に延びる水晶板
を含んで形成され、水晶板は、システム光軸に沿って入射した光束の偏光方向を45°回
転させる。
上記変調光学系では、旋光部材が、光学軸がシステム光軸に略平行な方向に延びる少な
くとも1枚の水晶板で形成され、システム光軸に沿って入射した光束の偏光方向を45°
回転させるので、特定色の光路で偏光面を45°回転させることができる。この際、水晶
板のシステム光軸まわりの回転角に依存して偏光方向の回転量がズレることを防止できる
ので、水晶板の組み込み時の調整が容易である。また、水晶板によって旋光部材を構成す
ることにより、耐久性等の観点で高い信頼性を確保することができる。
本発明に係るプロジェクタは、(a)照明光を射出する照明装置と、(b)上記した変
調光学系と、(c)変調光学系からの光を投射する投射部とを備える。
上記プロジェクタでは、変調光学系において、システム光軸に光学軸を略一致させた水
晶板で構成される旋光部材がシステム光軸に沿って入射した光束の偏光方向を90°回転
させるので、水晶板の組み込み時の調整が容易であり、偏光面を調整する部品等に関し高
い信頼性を維持することができる。これにより、組立が比較的容易で高い信頼性を有する
プロジェクタを提供することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る第1実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェクタの光学系の
構成を説明する概念図である。
本プロジェクタ10は、光源光を発生する光源装置21と、光源装置21からの光源光
を青緑赤の3色に分離する色分離光学系23と、色分離光学系23から射出された各色の
照明光によって照明される光変調部25と、光変調部25から射出された各色の像光を合
成するクロスダイクロイックプリズム27と、クロスダイクロイックプリズム27を経た
像光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ29とを備える。このうち、光変調部
25及びクロスダイクロイックプリズム27は、照明光からカラーの像光を形成するため
の変調光学系を構成する。
以上のプロジェクタ10において、光源装置21は、光源ランプ21aと、凹レンズ2
1bと、一対のレンズアレイ21d,21eと、偏光変換部材21gと、重畳レンズ21
iとを備える。このうち、光源ランプ21aは、例えば高圧水銀ランプ等であるランプ本
体22aと、光源光を回収して前方に射出させる凹面鏡22bとを備える。凹レンズ21
bは、光源ランプ21aからの光源光を平行化する役割を有するが、例えば凹面鏡22b
が放物面鏡である場合には、省略することもできる。一対のレンズアレイ21d,21e
は、マトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって
凹レンズ21bを経た光源ランプ21aからの光源光を分割して個別に集光・発散させる
。偏光変換部材21gは、詳細は省略するが、PBS及びミラーを組み込んだプリズムア
レイと、当該プリズムアレイに設けた射出面上にストライプ状に貼り付けられる波長板ア
レイとを備える。この偏光変換部材21gは、レンズアレイ21eから射出した光源光を
例えば図1の紙面に垂直(より具体的には、後述するクロスダイクロイックプリズム27
の第1ダイクロミラー27aと第2ダイクロミラー27bの交線に平行)な第1偏光方向
の直線偏光のみに変換して次段光学系に供給する。重畳レンズ21iは、偏光変換部材2
1gを経た照明光を全体として適宜収束させることにより、光変調部25に設けた各色の
液晶ライトバルブ25a,25b,25cに対する重畳照明を可能にする。つまり、両レ
ンズアレイ21d,21eと重畳レンズ21iとを経た照明光は、以下に詳述する色分離
光学系23を経て、光変調部25に設けられた各色の液晶パネル26a,26b,26c
を均一に重畳照明する。
色分離光学系23は、第1及び第2ダイクロイックミラー23a,23bと、フィール
ドレンズ23f,23g,23hと、反射ミラー23j,23m,23n,23oとを備
え、光源装置21とともに照明装置を構成する。ここで、第1ダイクロイックミラー23
aは、青緑赤の3色のうち例えば青(B)色を透過させ、緑(G)及び赤(R)色を反射
する。また、第2ダイクロイックミラー23bは、入射した緑赤の2色のうち例えば緑(
G)色を反射し、赤(R)色を透過させる。これにより、光源光を構成するB光、G光、
及びR光は、第1、第2、及び第3光路OP1,OP2,OP3にそれぞれ導かれ、異な
る照明対象にそれぞれ入射する。具体的に説明すると、光源装置21からの光源光は、反
射ミラー23jで光路を折り曲げられて第1ダイクロイックミラー23aに入射する。こ
の第1ダイクロイックミラー23aを通過したB光は、反射ミラー23mを経て、液晶ラ
イトバルブ25aに対向するフィールドレンズ23fに入射する。また、第1ダイクロイ
ックミラー23aで反射されて第2ダイクロイックミラー23bでさらに反射されたG光
は、液晶ライトバルブ25bに対向するフィールドレンズ23gに入射する。さらに、第
2ダイクロイックミラー23bを通過したR光は、レンズLL1,LL2及び反射ミラー
23n,23oを経て、液晶ライトバルブ25cに対向するフィールドレンズ23hに入
射する。なお、各フィールドレンズ23f,23g,23hは、各液晶ライトバルブ25
a,25b,25cに入射する照明光の入射角度を調節する機能を有する。レンズLL1
,LL2及びフィールドレンズ23hは、リレー光学系を構成している。このリレー光学
系は、第1レンズLL1の像を、第2レンズLL2を介してほぼそのままフィールドレン
ズ23hに伝達する機能を有する。
光変調部25は、上記した各色用の3つの光路OP1,OP2,OP3に対応して、3
つの液晶ライトバルブ25a,25b,25cを備える。各液晶ライトバルブ25a,2
5b,25cは、入射した照明光の強度の空間分布を変調する非発光型の光変調装置であ
る。
ここで、第1光路OP1に配置されたB色用の液晶ライトバルブ25aは、B光によっ
て照明される液晶パネル26aと、液晶パネル26aの入射側に配置される複合光学フィ
ルタ25eと、液晶パネル26aの射出側に配置される偏光フィルタ25hとを備える。
この液晶ライトバルブ25aは、色分離光学系23に設けたフィールドレンズ23fの後
段に配置されており、第1ダイクロイックミラー23aを透過したB光によって均一に照
明される。
液晶ライトバルブ25aにおいて、入射側の複合光学フィルタ25eは、入射したB光
について、紙面に垂直な第1偏光方向の直線偏光を90°旋光させて紙面に平行(より具
体的には、クロスダイクロイックプリズム27の第1ダイクロミラー27aと第2ダイク
ロミラー27bの交線に垂直)な第2偏光方向の直線偏光に切り換えるとともに、第2偏
光方向の直線偏光のみを選択的に透過させて液晶パネル26aに導く。液晶パネル26a
は、偏光変調型の変調素子又は変調パネルとして、これに入射した第2偏光方向の直線偏
光を画像信号に応じて例えば部分的に第1偏光方向の直線偏光に変換する。射出側の偏光
フィルタ25hは、液晶パネル26aを経て変調された第1偏光方向の直線偏光のみを選
択的に透過させる。
他の液晶ライトバルブ25b,25cのうち、R色用の液晶ライトバルブ25cは、B
色用の液晶ライトバルブ25aと同様の構成となっている。つまり、液晶ライトバルブ2
5cは、R光によって照明される液晶パネル26cと、液晶パネル26cの入射側に配置
される複合光学フィルタ25gと、液晶パネル26cの射出側に配置される偏光フィルタ
25jとを備える。この液晶ライトバルブ25cは、色分離光学系23のフィールドレン
ズ23hの後段に配置されており、第2ダイクロイックミラー23bを透過したR光によ
って均一に照明される。液晶ライトバルブ25cにおいて、入射側の複合光学フィルタ2
5gは、入射したR光について、紙面に垂直な第1偏光方向の直線偏光を、90°旋光さ
せて第2偏光方向の直線偏光に切り換えて選択的に透過させることにより、液晶パネル2
6aに導く。液晶パネル26bは、これに入射した第2偏光方向の直線偏光を画像信号に
応じて例えば部分的に第1偏光方向の直線偏光に変換する。射出側の偏光フィルタ25j
は、液晶パネル26cを経て変調された第1偏光方向の直線偏光のみを選択的に透過させ
る。
一方、G色用の液晶ライトバルブ25bは、旧来型のものであり、G光によって照明さ
れる液晶パネル26bと、液晶パネル26bの入射側に配置される偏光フィルタ25fと
、液晶パネル26bの射出側に配置される偏光フィルタ25iとを備える。この液晶ライ
トバルブ25bは、色分離光学系23のフィールドレンズ23gの後段に配置されており
、第2ダイクロイックミラー23bで反射されたG光によって均一に照明される。液晶ラ
イトバルブ25cにおいて、偏光フィルタ25fは、入射したG光について、紙面に垂直
な第1偏光方向の直線偏光を選択的に透過させて液晶パネル26aに導く。液晶パネル2
6bは、これに入射した第1偏光方向の直線偏光を画像信号に応じて例えば部分的に第2
偏光方向の直線偏光に変換する。偏光フィルタ25iは、液晶パネル26bを経て変調さ
れた第2偏光方向の直線偏光のみを選択的に透過させる。
図2は、図1に示すプロジェクタ10の光変調部25を構成するB光用の液晶ライトバ
ルブ25aの構造を説明する拡大断面図である。
液晶ライトバルブ25aにおいて、入射側に設けた複合光学フィルタ25eは、水晶製
の基板RS上に樹脂製の第1偏光フィルムPF1を接着したものであり、入出射面の法線
がそれぞれシステム光軸SAすなわちZ軸に平行になっている。複合光学フィルタ25e
は、旋光部材を具体化した水晶板である基板RSによって、紙面に垂直なY方向に沿った
第1偏光方向のS偏光をシステム光軸SAのまわりに90°回転させて紙面に平行なX方
向に沿った第2偏光方向のP偏光に変換する。また、複合光学フィルタ25eは、偏光素
子としての第1偏光フィルムPF1によって、X方向に沿った第2偏光方向のP偏光のみ
を通過させる。なお、複合光学フィルタ25eの入射面と射出面とには、反射防止膜AR
1が設けられており、迷光の発生を防止している。
一方、射出側に設けた偏光フィルタ25hは、水晶製の基板PS上に樹脂製の第2偏光
フィルムPF2を接着したものであり、入出射面の法線がそれぞれシステム光軸SAすな
わちZ軸に平行になっている。偏光フィルタ25hは、偏光素子としての第2偏光フィル
ムPF2によってY方向に沿った第1偏光方向のS偏光のみを通過させ、P偏光(非変調
光)を吸収等により排除する。ここで、第2偏光フィルムPF2を支持する基板PSは、
光学軸がシステム光軸SAに垂直な方向に延びる水晶板であり、Y方向に沿った第1偏光
方向のS偏光をそのままシステム光軸SAに沿って射出させる。第2偏光フィルムPF2
の支持基板を水晶製の基板PSとすることにより、第1偏光フィルムPF1よりも比較的
加熱されやすい状態にある第2偏光フィルムPF2を効率良く冷却することができる。な
お、偏光フィルタ25hの入射面と射出面とには、反射防止膜AR2が設けられており、
迷光の発生を防止している。
以上の説明から明らかなように、複合光学フィルタ25eを構成する第1偏光フィルム
PF1と、偏光フィルタ25hを構成する第2偏光フィルムPF2とは、クロスニコルを
構成するように配置されている。これら第1及び第2偏光フィルムPF1,PF2の間に
挟まれた液晶パネル26aは、第1偏光フィルムPF1側から入射した入射光LIを入力
信号に応じて画素単位で部分的にP偏光からS偏光に変化させ、変化後の変調光を射出光
LOとして第2偏光フィルムPF2側に射出する。この際、基板RSによって、第1偏光
フィルムPF1に入射する青光の入射光LIの偏光方向を予め90°回転させてS偏光か
らP偏光に切り換えているので、液晶ライトバルブ25aから射出される変調光を、後述
する光合成に適するS偏光状態の射出光LOとすることができる。
図3(A)〜3(C)は、複合光学フィルタ25eを構成する水晶製の基板RSの機能
を説明する図である。図3(A)に示すように、基板RSを構成する水晶は、z方向に延
びる光学軸OAの方向の屈折率が相対的に大きな正の一軸性の屈折率楕円体RIEに対応
する光学的異方性を有する。この屈折率楕円体RIEは、光学軸OAのまわりに完全な回
転対称ではなく、x方向の屈折率nxがy方向の屈折率nyよりも僅かに大きくなってい
る。さらに、屈折率楕円体RIEは、結晶構造に起因して基板RS内で一様に分布するの
ではなく、図3(B)に示すように、光学軸OAに沿った深さ位置に対応して回転してい
る。つまり、基板RSの厚み方向に関して、例えば表面から深さΔdの位置では、短軸側
の屈折率nx,nyの方向が角度θ回転し、表面から深さ2Δdの位置では、短軸側の屈
折率nx,nyの方向が角度2θ回転するといった屈折率の旋回が生じている。よって、
基板RSを構成する水晶の光学軸OAを図2のZ方向に一致させた場合、この基板RSに
垂直に入射する任意の直線偏光の偏光面は、基板RSの厚みd1に応じてZ方向に平行な
軸のまわりに回転する。つまり、基板RSの厚みd1を調整することにより、例えば図3
(C)に示すように、Y方向に沿った偏光面を有する状態で基板RSに入射した直線偏光
を、基板RSの通過後に、X方向に沿った偏光面を有する直線偏光に変換することができ
る。なお、B光の場合、90°の旋光量を与えるための厚みd1は、おおよそ2.2mm
程度となる。また、図示の例では、90°旋光させるので、水晶の旋光方向を問題として
いない。つまり、基板RSの材料である水晶が右旋性であっても左旋性であっても、同じ
厚みで90°の旋光量とすることができる。
なお、図2に示す偏光フィルタ25hを構成する水晶製の基板PSは、光学軸OAをX
方向又はY方向に一致させており、図3(B)、3(C)に示す旋光現象を生じさせない
。ただし、X方向とY方向との間に屈折率の不均衡が生じるが、第2偏光フィルムPF2
の偏光方向をY方向に一致させているので、液晶ライトバルブ25aからの射出光LOは
、Y方向に沿った偏光面を有する状態に維持される。
両フィルタ25e,25h間に位置する液晶パネル26aは、ツイストネマティックモ
ードで動作する液晶(すなわちツイストネマティック型の液晶)で構成される液晶層71
を挟んで、入射側に第1基板72と、射出側に第2基板73とを備える。これらの基板7
2,73は、ともに平板状であり、複合光学フィルタ25e等と同様に、入出射面の法線
がシステム光軸SAすなわちZ軸に平行になるように配置されている。液晶パネル26a
の入射面と射出面とには、反射防止膜AR3が設けられており、迷光の発生を防止してい
る。
液晶パネル26aにおいて、第1基板72の液晶層71側の面上には、透明な共通電極
75が設けられており、その上には、例えば配向膜76が形成されている。一方、第2基
板73の液晶層71側の面上には、マトリクス状に配置された複数の透明画素電極77と
、各透明画素電極77に電気的に接続されている薄膜トランジスタ(不図示)とが設けら
れており、その上には、例えば配向膜78が形成されている。ここで、第1及び第2基板
72,73と、これらに挟まれた液晶層71と、電極75,77とは、光能動素子、すな
わち入射光LIの偏光状態を入力信号に応じて変調するための液晶デバイス80として機
能する部分である。この液晶デバイス80を構成する各画素部分PPは、1つの画素電極
77と、共通電極75の一部と、両配向膜76,78の一部と、液晶層71の一部とを含
む。なお、第1基板72と共通電極75との間には、各画素部分PPを区分するように格
子状のブラックマトリクス79が設けられている。
以上の液晶デバイス80において、配向膜76,78は、液晶層71を構成する液晶性
化合物を必要な方向に配列させるためのものである。入射側の配向膜76は、これに接す
る液晶性化合物を第1ラビング方向(例えばX軸方向)に配向させ、射出側の配向膜78
は、これに接する液晶性化合物を第2ラビング方向(例えばY軸方向)に配向させる。液
晶層71に電圧が印加されないオフ状態において、配向膜76は、液晶性化合物の光学軸
を第1偏光フィルムPF1の偏光面であるXZ面を含んだ方向に配向させる役割を有し、
配向膜78は、液晶性化合物の光学軸を第2偏光フィルムPF2の偏光面であるYZ面を
含んだ方向に配向させる役割を有する。結果的に、液晶層71中の液晶性化合物の光学軸
は、第1基板72から第2基板73にかけて徐々にねじれるように配置される。つまり、
第1及び第2基板72,73の内側すなわち配向膜76,78に隣接して液晶層71の両
端側に配置される一組の液晶性化合物の光学軸は、XY平面上に投影した場合、互いに例
えば90°のツイスト角をなす。これにより、一対の偏光フィルムPF1,PF2の間に
挟まれた液晶層71をノーマリホワイトモードで動作させることになり、電圧非印加のオ
フ状態で最大透過状態(光オン状態)を確保することができる。つまり、液晶パネル32
6aは、光オン状態の白表示時に、P偏光をS偏光に切替えて通過させるとともに、光オ
フ状態の黒表示時に、P偏光をそのまま変化させないで通過させる。
以上では、図2等に基づいてB光用の液晶ライトバルブ25aの構造及び機能を説明し
たが、R光用の液晶ライトバルブ25cも、B光用の液晶ライトバルブ25aと同様の構
造及び機能を有する。つまり、複合光学フィルタ25gのうち水晶製の基板RSによって
、赤色の入射光LIのS偏光からP偏光に切り換え、複合光学フィルタ25gのうち樹脂
製の第1偏光フィルムPF1によって、P偏光のみを選択的に透過させ、液晶パネル26
cの変調によってP偏光からS偏光に変化させ、偏光フィルタ25jによって、液晶ライ
トバルブ25cから射出される変調光をS偏光状態の射出光LOとすることができる。な
お、R光の場合、水晶製の基板RSの厚みd1は、おおよそ4.4mm程度となる。
図4は、光変調部25を構成するG光用の液晶ライトバルブ25bの構造を説明する拡
大断面図である。この場合、B光用の液晶ライトバルブ25aと異なり、複合光学フィル
タ25eに代えて偏光フィルタ25fが用いられており、G色の入射光LIは、S偏光の
まま維持される。すなわち、偏光フィルタ25fは、石英ガラス製の基板GS上に樹脂製
の第1偏光フィルムPF1を接着したものであり、等方的な屈折率を有する基板GSを通
過した入射光LIは、旋光作用を受けず、そのままの偏光状態に維持されて第1偏光フィ
ルムPF1に入射する。この結果、液晶パネル26bでS偏光をP偏光にする変調が行わ
れ、液晶ライトバルブ25bから射出される変調光は、P偏光状態の射出光LOとなる。
なお、図4において、XYZ軸は、液晶パネル26bを基準とするものであり、図2上の
XYZ軸とは異なる方向となっている。ただし、X方向は、図1の紙面に平行でありP偏
光の偏光方向に一致し、Y方向は、図1の紙面に垂直でありS偏光の偏光方向に一致する
点で、図2、4は互いに共通している。
図1に戻って、クロスダイクロイックプリズム27は、光合成部に相当するものであり
、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り
合わせた界面には、X字状に交差する一対のダイクロミラー27a,27bが形成されて
いる。両ダイクロミラー27a,27bは、特性が異なる誘電体多層膜で形成されている
。すなわち、一方の第1ダイクロミラー27aはB光を反射し、他方の第2ダイクロミラ
ー27bは変調後のR光を反射する。このクロスダイクロイックプリズム27は、液晶ラ
イトバルブ25aからの変調後のB光を第1ダイクロミラー27aで反射して進行方向右
側に射出させ、液晶ライトバルブ25bからの変調後のG光を第1及び第2ダイクロミラ
ー27a,27bを介して直進・射出させ、液晶ライトバルブ25cからの変調後のR光
を第2ダイクロミラー27bで反射して進行方向左側に射出させる。なお、既に説明した
ように、第1及び第2ダイクロミラー27a,27bは、紙面に垂直なS偏光状態のB及
びR光を反射し、両ダイクロミラー27a,27bは、紙面に平行なP偏光状態のG光を
透過させる。これにより、クロスダイクロイックプリズム27におけるBGR光の合成効
率を高めることができ、色ムラの発生を抑えることができる。
投射レンズ29は、投射部又は投射光学系として、クロスダイクロイックプリズム27
で合成されたカラーの像光を、所望の倍率でスクリーン(不図示)上に投射する。つまり
、各液晶パネル26a〜26cに入力された駆動信号或いは画像信号に対応する所望の倍
率のカラー動画やカラー静止画がスクリーン上に投射される。
上記プロジェクタ10では、光変調部25において、複合光学フィルタ25e,25g
を構成する基板RSが、旋光部材又は旋光性素子として、光学軸OAがシステム光軸SA
に略平行な方向に延びる水晶板で形成されており、システム光軸SAに沿って入射したB
及びR光の偏光方向を90°回転させる。よって、B光の第1光路OP1とR光の第3光
路OP3とにおいて偏光面を90°回転(旋光)させることができ、クロスダイクロイッ
クプリズム27に入射させるB及びR光を反射に適するS偏光とすることができる。この
際、水晶製の基板RSは、システム光軸SAに平行な光学軸OAを有しており、基板RS
のシステム光軸SAのまわりの回転角に依存して入射光LIの偏光方向の回転量が90°
からズレることを防止できるので、第1偏光フィルムPF1をシステム光軸SAのまわり
に自由に回転させることができ、基板RSすなわち複合光学フィルタ25e,25gの組
み込み時の調整が容易になる。また、水晶製の基板RSは、耐熱性に優れ、光劣化がない
ので、耐久性等の観点で高い信頼性を有する光変調部25を提供することができる。
なお、本実施形態では、水晶製の基板RSを支持基板として第1偏光フィルムPF1を
支持しているので、第1偏光フィルムPF1の冷却効率を高めることができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明に係る第2実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェクタについて説明
する。第2実施形態のプロジェクタは、第1実施形態のプロジェクタを変形したものであ
り、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図5は、本実施形態において光変調部25を構成するB光及びR光用の液晶ライトバル
ブ25a,25cの構造を説明する拡大断面図である。この場合、B光用の液晶ライトバ
ルブ25aにおいて、複合光学フィルタ125eは、水晶製の基板RSと樹脂製の第1偏
光フィルムPF1との他に、サファイア製の光学補償素子CPを備える。この光学補償素
子CPは、基板RSに貼り付けられており、基板RSの光学的な異方性を補償する役割を
有する。つまり、水晶製の基板RSの屈折率が図6(A)に示すような光学軸OA方向に
細長い(正の一軸性の)屈折率楕円体RIEに相当するので、図6(B)に示すような光
学軸OA方向に扁平な(負の一軸性の)屈折率楕円体RIEcの特性を有するサファイア
製の光学補償素子CPを隣接して配置する。光学補償素子CPの厚みdcを適宜調節すれ
ば、図6(C)に示すように、全体として円形の屈折率楕円体RIEtの特性を有するフ
ィルタ支持体を得ることができる。つまり、基板RS及び光学補償素子CPからなるフィ
ルタ支持体全体として、システム光軸OAに平行な方向と垂直な方向とに関して見かけ上
の屈折率を一致させることができる。よって、多様な角度で複合光学フィルタ125eに
入射するB光をS偏光からP偏光に一様に変換することができ、複合光学フィルタ125
eの角度特性を改善でき、結果的に液晶ライトバルブ25aの視野角特性を改善できる。
なお、サファイアは水晶のような旋光性を有しておらず、基板RSの厚みd1のみでB光
の旋光量を調整できる。光学補償素子CPの厚みdcは、基板RSの厚みd1の1.6倍
程度となる。具体的には、基板RSの厚みd1が2.2mmであるとすると、光学補償素
子CPの厚みdcは3.5mm程度となる。
R光用の液晶ライトバルブ25cにおいても、図5に示すように、複合光学フィルタ1
25gは、水晶製の基板RSと樹脂製の第1偏光フィルムPF1との他に、基板RSに隣
接してサファイア製の光学補償素子CPを備える。この光学補償素子CPも、水晶製の基
板RSの光学的な異方性を補償する役割を有する。光学補償素子CPの厚みdcは、水晶
製の基板RSの厚みd1の1.6倍程度となる。
以上では、光学補償素子CPをサファイア製としたが、サファイアに代えて多層の蒸着
膜からなるものを用いることもできる。この場合、光学補償素子CPは、基板RS上に屈
折率の異なる薄膜を多数積層することで形成される。
〔第3実施形態〕
以下、本発明に係る第3実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェクタについて説明
する。第3実施形態のプロジェクタは、第1実施形態のプロジェクタを変形したものであ
り、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図7は、第3実施形態における光変調部25を構成するB光用の液晶ライトバルブ25
aの構造を説明する拡大断面図である。
液晶ライトバルブ25aにおいて、入射側に設けた偏光フィルタ225eは、石英ガラ
ス製の基板GS上に第1偏光フィルムPF1を接着したものである。この場合、偏光フィ
ルタ225eは、第1偏光フィルムPF1によって、Y方向に沿った第1偏光方向のS偏
光のみを通過させる。なお、第1偏光フィルムPF1を支持する石英製の基板GSは、等
方的な屈折率を有し、Y方向に沿った第1偏光方向のS偏光をそのまま通過させるだけで
あり偏光状態に影響を与えない。
一方、射出側に設けた複合光学フィルタ225hは、光学軸をシステム光軸SAに一致
させた水晶製の基板RSによって、X方向に沿った第2偏光方向のP偏光をシステム光軸
SAのまわりに90°回転させてY方向に沿った第1偏光方向のS偏光に変換する。また
、複合光学フィルタ225hは、第2偏光フィルムPF2によって、Y方向に沿った第1
偏光方向のS偏光のみを通過させる。これにより、複合光学フィルタ225hは、液晶ラ
イトバルブ25cから射出される変調光をS偏光状態の射出光LOとすることができ、ク
ロスダイクロイックプリズム27に入射させるB光をS偏光とすることができる。ここで
、第2偏光フィルムPF2は、水晶製の基板RSによって支持されており、第2偏光フィ
ルムPF2の冷却効率は、極めて高いものとなっている。
図8は、光変調部25を構成するR光用の液晶ライトバルブ25cの構造を説明する拡
大断面図である。
液晶ライトバルブ25cにおいて、入射側に設けた偏光フィルタ225gは、石英ガラ
ス製の基板GS上に第1偏光フィルムPF1を接着したものである。この場合、偏光フィ
ルタ225gは、第1偏光フィルムPF1によって、Y方向に沿った第1偏光方向のS偏
光のみを通過させる。なお、第1偏光フィルムPF1を支持する石英製の基板GSは、等
方的な屈折率を有し、Y方向に沿った第1偏光方向のS偏光をそのまま通過させるだけで
ある。
一方、射出側に設けた複合光学フィルタ225jは、第2偏光フィルムPF2によって
、X方向に沿った第2偏光方向のP偏光のみを通過させる。また、複合光学フィルタ22
5hは、光学軸をシステム光軸SAに一致させた水晶製の基板RSによって、X方向に沿
った第2偏光方向のP偏光をシステム光軸SAのまわりに90°回転させてY方向に沿っ
た第1偏光方向のS偏光に変換する。これにより、複合光学フィルタ225jは、液晶ラ
イトバルブ25cから射出される変調光をS偏光状態の射出光LOとすることができ、ク
ロスダイクロイックプリズム27に入射させるR光をS偏光とすることができる。ここで
、第2偏光フィルムPF2は、水晶製の基板RSによって支持されており、第2偏光フィ
ルムPF2の冷却効率は、極めて高いものとなっている。
光変調部25を構成するG光用の液晶ライトバルブ25bについては、第1実施形態と
同じであり、説明を省略する。
なお、図7の例では、クロスニコル内に水晶製の基板RSを設けて偏光面を回転させて
いるが、クロスニコル外に水晶製の基板RSを設けて偏光面を回転させることもできる。
すなわち、複合光学フィルタ225hの内側に液晶パネル26aに対向して第2偏光フィ
ルムPF2を設け、複合光学フィルタ225hの外側に水晶製の基板RSを設けることが
できる。また、図8の例では、クロスニコル外に水晶製の基板RSを設けて偏光面を回転
させているが、クロスニコル内に水晶製の基板RSを設けて偏光面を回転させることもで
きる。すなわち、複合光学フィルタ225jの内側に液晶パネル26aに対向して水晶製
の基板RSを設け、複合光学フィルタ225hの外側に第2偏光フィルムPF2を設ける
ことができる。以上において、第2偏光フィルムPF2の偏光方向は、図7、8に示すも
のに対して90°異なる。
以上の第3実施形態でも、水晶製の基板RSにサファイア等で形成された光学補償素子
CP(図5参照)を貼り付けることによって、角度特性を改善することができる。
〔第4実施形態〕
以下、図9を参照して、本発明に係る第4実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェ
クタについて説明する。第4実施形態のプロジェクタ310は、第1実施形態のプロジェ
クタを変形したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
第4実施形態のプロジェクタ310の場合、第1実施形態の場合と異なり、光源装置2
1に紙面に対し平行なP偏光を形成させる。つまり、システム光軸SAを含む平面に平行
なP偏光が光変調部25に供給される。ここで、システム光軸SAを含む紙面に平行な平
面は、クロスダイクロイックプリズム27の第1及び第2ダイクロミラー27a,27b
との交線に垂直になっている。この結果、各色用の液晶ライトバルブ25a,25b,2
5cには、第1及び第2ダイクロミラー27a,27bの交線に垂直な偏光方向の直線偏
光が入射する。
光変調部25において、B光用の液晶ライトバルブ25aは、旋光部材を備えない点で
、図4に示すG光用の液晶ライトバルブ25bと類似する構造を有する。具体的には、液
晶ライトバルブ25aにおいて、偏光フィルタ325eは、入射したB光について、紙面
に平行なP偏光を選択的に透過させて液晶パネル326aに導く。液晶パネル326aは
、これに入射したP偏光を画像信号に応じてS偏光に変換する。偏光フィルタ325hは
、液晶パネル326aを経て変調されたS偏光のみを選択的に透過させて他の偏光を排除
する。
また、R光用の液晶ライトバルブ25cも、旋光部材を備えない点で、図4に示すG光
用の液晶ライトバルブ25bと類似する構造を有する。具体的には、液晶ライトバルブ2
5cにおいて、偏光フィルタ325gは、入射したR光について、紙面に垂直なP偏光を
選択的に透過させて液晶パネル326cに導く。液晶パネル326cは、これに入射した
P偏光を画像信号に応じてS偏光に変換する。偏光フィルタ325jは、液晶パネル32
6cを経て変調されたS偏光のみを選択的に透過させて他の偏光を排除する。
G光用の液晶ライトバルブ25bは、図2に示すR光用の液晶ライトバルブ25aと類
似する構造を有する。具体的には、液晶ライトバルブ25bにおいて、複合光学フィルタ
325fは、入射したG光について、P偏光を90°旋光させて紙面に垂直なS偏光に切
り換えるとともに、S偏光のみを選択的に透過させて液晶パネル326bに導く。液晶パ
ネル326bは、これに入射したS偏光を画像信号に応じてP偏光に変換する。偏光フィ
ルタ325iは、液晶パネル326bを経て変調されたP偏光のみを選択的に透過させて
他の偏光を排除する。なお、G光の場合、複合光学フィルタ325fを構成する水晶製の
基板RSの厚みd1は、おおよそ3.5mm程度となる。
〔第5実施形態〕
以下、本発明に係る第5実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェクタについて説明
する。第5実施形態のプロジェクタは、第1実施形態のプロジェクタを変形したものであ
り、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
図10は、本実施形態の光変調部25を構成するB光用の液晶ライトバルブ25aの構
造を説明する拡大断面図である。複合光学フィルタ425eは、水晶製の基板RS上に第
1偏光フィルムPF1を接着したものである。このうち、水晶製の基板RS1は、光学軸
をシステム光軸SAに一致させた旋光部材であり、Y方向に沿った第1偏光方向(クロス
ダイクロイックプリズム27のダイクロミラー27a,27bの交線に平行な方向)のS
偏光をシステム光軸SAの進行方向の例えば時計まわりに45°回転させて傾斜状態の右
45°偏光に変換する。また、第1偏光フィルムPF1は、基板RS1を経た右45°偏
光を選択的に透過させて液晶パネル426aに導く。以上において、基板RS1は、45
°の旋光のため、第1実施形態の基板RSが有する厚みの半分の厚みd2=d1/2を有
する。
液晶パネル426aは、これに入射した右45°偏光を画像信号に応じて右135°偏
光すなわち左45°偏光に変換する。つまり、液晶パネル426aは、黒表示時に、右4
5°偏光をそのまま変化させないで通過させ、白表示時に、右45°偏光を左45°偏光
に切替えて通過させる。
複合光学フィルタ425hは、水晶製の基板RS2上に第2偏光フィルムPF2を接着
したものである。このうち、第2偏光フィルムPF2は、液晶パネル426aからの左4
5°偏光を選択的に透過させるとともに右45°偏光を排除する。また、水晶製の基板R
S2は、光学軸をシステム光軸SAに一致させた旋光部材であり、左45°偏光をシステ
ム光軸SAの進行方向の例えば時計まわりに45°回転させてY方向に沿った第1偏光方
向のS偏光に変換して液晶ライトバルブ25a外に射出させる。以上において、基板RS
2は、45°の旋光のため、第1実施形態の基板RSが有する厚みの半分の厚みd2=d
1/2を有する。
R光用の液晶ライトバルブ25cも、B光用の液晶ライトバルブ25aと同様の構造及
び機能を有する。つまり、図10に示すように、複合光学フィルタ425gのうち水晶製
の基板RS1によって、S偏光を右45°偏光に切り換え、第1偏光フィルムPF1によ
って、右45°偏光のみを選択的に透過させ、液晶パネル426cの変調によって右45
°偏光から左45°偏光に変化させ、複合光学フィルタ425jのうち第2偏光フィルム
PF2によって、左45°偏光のみを選択的に透過させ、水晶製の基板RS2によって左
45°偏光をS偏光にして液晶ライトバルブ25c外に射出させる。
なお、G光用の液晶ライトバルブ25bは、図4に示す構造と同様の構造とすることが
できる。
本実施形態の場合も、1/4波長板等を用いることなく、クロスダイクロイックプリズ
ム27に入射させるB光及びR光をS偏光とすることができる。さらに、複合光学フィル
タ425e,425hについては、これらを共通部品化することも可能である。
第5実施形態の変形例として、図10に示す水晶製の基板RSと図5に示すサファイア
製の光学補償素子CPとを対向配置して、角度特性を改善することができる。ただし、こ
の場合の光学補償素子CPの厚みは、図5の場合の半分となる。
また、第5実施形態の変形例として、水晶製の基板RS1,RS2を偏光フィルムPF
1,PF2によるクロスニコルの内側に配置することもできる。この場合、偏光フィルム
PF1,PF2の偏光方向は、Y方向又はX方向に平行となる。
また、第5実施形態の変形例として、45°旋光用の水晶製の基板RS1,RS2を配
置して偏光面を切り換える光路を、BR光用の第1及び第3光路とするのではなく、G光
用の第2光路とすることができる。
また、第5実施形態の変形例として、水晶製の基板RS1,RS2は、右旋光に限らず
左旋光の材料とすることもできる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能で
あり、例えば次のような変形も可能である。
すなわち、図1に示す光源装置21において紙面に対し45°傾斜した偏光を形成する
。そして、図2等に示す液晶ライトバルブ25a,25cにおいて、複合光学フィルタ2
5e,25gで偏光面を時計回りに45°回転させて液晶パネル26a,26cに導くも
のとする。また、図4等に示す液晶ライトバルブ25aにおいて、偏光フィルタ25fが
第1偏光フィルムPF1を水晶板で支持する構造を有するものとし、偏光面を反時計回り
に45°回転させて液晶パネル26bに導くものとできる。この場合、照明光を予め傾斜
させ、各色の光路に適するP偏光又はS偏光にすることになる。
また、液晶パネル26a,26b,26cは、TN型に限らず、VAその他の各種タイ
プの液晶パネルに置き換えることができる。
また、上記実施形態のプロジェクタ10では、光源装置21を、光源ランプ21a、一
対のレンズアレイ21d,21e、偏光変換部材21g、及び重畳レンズ21iで構成し
たが、レンズアレイ21d,21e等については省略することができ、光源ランプ21a
も、LED等の別光源に置き換えることができる。
上記実施形態では、3つの液晶ライトバルブ25a〜25cを用いたプロジェクタ10
の例のみを挙げたが、本発明は、2つの液晶ライトバルブを用いたプロジェクタ、或いは
、4つ以上の液晶ライトバルブを用いたプロジェクタにも適用可能である。
上記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行なうフロントタイプのプロ
ジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射
を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
第1実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェクタの光学系を説明する図である。 図1のプロジェクタを構成するB光用の液晶ライトバルブ等の拡大断面図である。 (A)〜(C)は、複合光学フィルタに組み込まれた水晶板の機能を説明する図である。 図1のプロジェクタを構成するG光用の液晶ライトバルブの拡大断面図である。 第2実施形態におけるB光用の液晶ライトバルブ等の拡大断面図である。 (A)〜(C)は、複合光学フィルタに組み込まれた光学補償素子の機能を説明する図である。 第3実施形態におけるB光用の液晶ライトバルブの拡大断面図である。 第3実施形態におけるR光用の液晶ライトバルブの拡大断面図である。 第4実施形態の変調光学系を組み込んだプロジェクタの光学系を説明する図である。 第5実施形態におけるB光用の液晶ライトバルブ等の拡大断面図である。
符号の説明
10…プロジェクタ、 21…光源装置、 21a…光源ランプ、 21d,21e…
レンズアレイ、 21g…偏光変換部材、 21i…重畳レンズ、 23…色分離光学系
、 23a…第1ダイクロイックミラー、 23b…第2ダイクロイックミラー、 25
…光変調部、 25a,25b,25c…液晶ライトバルブ、 25e,25g…複合光
学フィルタ、 25f,25h,25i,25j…偏光フィルタ、 26a,26b,2
6c…液晶パネル、 27…クロスダイクロイックプリズム、 27a…第1ダイクロミ
ラー、 27b…第2ダイクロミラー、 29…投射レンズ、 71…液晶層、 72,
73…基板、 80…液晶デバイス、 AR1,AR2,AR3…反射防止膜、 LI…
入射光、 LO…射出光、 OA…光学軸、 OP1…第1光路、 OP2…第2光路、
OP3…第3光路、 PF1…第1偏光フィルム、 PF2…第2偏光フィルム、 P
S,RS1,RS2…水晶製の基板、 RS…石英ガラス製の基板、 SA…システム光

Claims (10)

  1. 照明装置から射出された各色の照明光をそれぞれ変調する複数の光変調装置と、
    前記複数の光変調装置で変調された各色の変調光を合成する光合成部とを備え、
    前記複数の光変調装置のうち少なくとも1つの光変調装置は、偏光変調型の変調パネル
    と、前記変調パネルの光射出側に配置される偏光素子と、旋光部材とを有し、
    前記旋光部材は、光学軸がシステム光軸に略平行な方向に延びる少なくとも1枚の水晶
    板で形成され、前記システム光軸に沿って入射した光束の偏光方向を90°回転させる、
    変調光学系。
  2. 前記少なくとも1つの光変調装置は、前記旋光部材の前記システム光軸に平行な方向と
    前記システム光軸に垂直な方向とに関する屈折率差を補償する光学補償素子をさらに備え
    る、請求項1に記載の変調光学系。
  3. 前記変調パネルは、光透過型の液晶パネルであり、前記旋光部材を構成する水晶板は、
    前記液晶パネルの光入射側及び光射出側のいずれか一方に配置される、請求項1及び請求
    項2のいずれか一項に記載の変調光学系。
  4. 前記変調パネルは、光透過型の液晶パネルであり、前記旋光部材を構成する水晶板は、
    前記液晶パネルの光入射側及び光射出側の双方に配置される、請求項1及び請求項2のい
    ずれか一項に記載の変調光学系。
  5. 前記旋光部材を構成する前記水晶板のうち少なくとも1枚は、前記液晶パネルの光射出
    側及び光入射側の一方に配置される偏光素子を支持するための支持基板として機能する、
    請求項3及び請求項4のいずれか一項に記載の変調光学系。
  6. 前記水晶板は、前記支持基板として、前記液晶パネルの光射出側に配置される偏光素子
    を支持する、請求項5に記載の変調光学系。
  7. 前記システム光軸は、所定の平面上にあり、前記光合成部は、前記所定の平面に垂直に
    配置された複数のダイクロイックミラーを有し、前記複数の光変調装置は、変調によって
    偏光方向を90°回転させ、前記少なくとも1つの光変調装置は、前記複数のダイクロイ
    ックミラーのうち少なくとも1つで反射される色の光路上に配置される、請求項1から請
    求項6までのいずれか一項に記載の変調光学系。
  8. 前記少なくとも1つの光変調装置は、青色及び赤色の光路上に配置される、請求項7に
    記載の変調光学系。
  9. 照明装置から射出された各色の照明光をそれぞれ変調する複数の光変調装置と、
    前記複数の光変調装置で変調された各色の変調光を合成する光合成部とを備え、
    前記複数の光変調装置のうち少なくとも1つの光変調装置は、偏光変調型の変調パネル
    と、前記変調パネルの光射出側に配置される偏光素子と、旋光部材とを有し、
    前記旋光部材は、光学軸がシステム光軸に略平行な方向に延びる水晶板を含んで形成さ
    れ、前記水晶板は、前記システム光軸に沿って入射した光束の偏光方向を45°回転させ
    る、変調光学系。
  10. 照明光を射出する照明装置と、
    請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の変調光学系と、
    前記変調光学系からの光を投射する投射部と、
    を備えるプロジェクタ。
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