JP2010030689A - 逆止機能ノズルを備えるフレキシブル包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆止機能と液切れ性とに優れると共に、充填物である液状被包装物の注出特性(袋内被包装物を最後まで円滑に注出できること)にも優れるフィルム状逆止ノズルを備える非自立型のフレキシブル包装袋を提案する。
【解決手段】フィルム状逆止ノズル1を突設してなるフレキシブル包装袋において、包装袋本体2は、表裏の少なくとも一方の軟質積層フィルムの非シール部分が、少なくとも、上部または、前記フィルム状逆止ノズル側の側縁近傍に、凹凸構造を有する積層フィルムによって構成されており、その凹凸構造部分で、表裏の軟質積層フィルムの隙間を20μm以上としてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、重ね合わせた表裏2枚のもしくは1枚の軟質積層プラスチックフィルムによって構成されるセルフシール逆止機能つきフィルム状逆止ノズル(液体注出ノズル)を突設してなるフレキシブル包装袋に関するものである。
軟質積層プラスチックフィルムからなるセルフシール逆止機能つきの、液体注出ノズル、即ち、フィルム状逆止ノズルを備えるフレキシブル包装袋としては、発明者らの提案に係る特許文献1、2に開示されたものがある。
特開2005−15029号公報 特開2005−59958号公報
特許文献1、2に開示されている包装袋は、醤油その他の液体調味料やサラダオイルのような流体物を液中シール充填することにより、実質的に液状の被包装物だけを内包する液状物充填包装体として用いられる。そして、この液状物充填包装体から液状の被包装物を注出する場合、その被包装物が全く大気に触れることがないという特徴がある。
従って、このような包装袋内に気密に封入されている液状の被包装物は、酸化等の化学変化を起すことがないので、長く当初のままの状態に維持できるという利点がある。
ところで、従来の包装袋のフィルム状逆止ノズルは、表裏2枚の軟質積層プラスチックフィルムの相互間での毛細管作用による介在液状物の拡散によってセルフシール逆止機能を発揮し、この場合、包装袋本体もまた、液中シール充填された液状被包装物による毛細管作用により、注出量相当量に当たる面積が密着した状態で、収縮ないしは潰れ変形することになる。
そしてこのことが、包装袋内の液状被包装物の次の注出時に、上述した表裏のフィルムどうしの強い密着力に起因して、袋内被包装物の円滑な流出を時として、阻害する場合があった。
また、従来の前記包装袋は、基本的に、液中シール充填によって、包装袋本体内には液状の被包装物のみが充填されるようになっているが、時として、完全なガスレス充填ができない場合や、被包装物の内蔵ガスが、充填ののち事後的に発生して袋内に溜まることがあり、このガスが、前記フィルム状逆止ノズルの逆止作用を阻害するおそれがあることがわかった。
そこで、本発明は、従来技術が抱えている上述した課題を解決することを目的として、特に、逆止機能と液切れ性とに優れると共に、充填物である液状被包装物の注出特性(袋内被包装物を最後まで円滑に注出できること)にも優れるフィルム状逆止ノズルを備える非自立型のフレキシブル包装袋を提案する。
上記目的を実現するために鋭意研究した結果、発明者らは、下記要旨構成を有する本発明の構成に想到した。
即ち、本発明は、軟質積層フィルムからなる包装袋本体の側部に、重なり合うプラスチックフィルムの相互間への液状物の介在下で逆止機能を発揮するフィルム状逆止ノズルを突設してなるフレキシブル包装袋において、前記包装袋本体は、表裏の少なくとも一方の軟質積層フィルムの非シール部分が、少なくとも、上部または、前記フィルム状逆止ノズル側の側縁近傍に、凹凸構造を有する積層フィルムによって構成されており、その凹凸構造部分で、表裏の軟質積層フィルムの隙間を20μm以上としてなることを特徴とする逆止機能ノズルを備えるフレキシブル包装袋を提案する。
本発明において、上記のフレキシブル包装袋は、
(1)積層フィルムに形成した前記凹凸構造は、表裏の軟質積層フィルムの一方もしくは両方に、エンボス加工、ブラスト加工、ローレット加工、しわ加工、縦・横縞加工を、面状、島状、ストライプ状に施して、一部模様もしくは全面模様として形成されたものであること、
(2)前記フィルム状逆止ノズルは、重なり合う1枚もしくは2枚の軟質積層プラスチックフィルムを、ノズル基端辺となる部分を除く周縁部分で相互に融着させて、中央部分に非融着の注出通路を区画して、包装袋本体の側部に、これの基端部を融着接合させたものであって、包装袋本体を傾動させて被包装物を注出した際に、該被包装物が通過することによって、前記注出通路内が濡れた状態となる積層フィルムの内表面どうしが、該注出通路内表面に被包装物が介在することによる相互の密着作用によって、外気の侵入を阻止する逆止機能を発揮するものであること、
(3)前記フィルム状逆止ノズルは、表裏の少なくとも一方の軟質積層プラスチックフィルムの切り裂き予定位置とその近傍を除くノズル基端部側に凹凸構造を有すること、
(4)前記フィルム状逆止ノズルの基端部は、対面するシーラント層が低温融着されて、注出通路内表面が仮封止されていること、
(5)前記包装袋本体は、それの上横シール部分の、前記フィルム状逆止ノズルの上縁より高い位置に、ガス溜め空間を有すること、
が、より好ましい解決手段となる。
本発明よれば、液体注出ノズル、即ち、セルフシール逆止機能をもつフィルム状逆止ノズルを備えるフレキシブル包装袋の新規な構成を採用することにより、液中シール充填された被包装物(基本的に、液状被包装物のみからなるようにガスレス充填されたもの)の酸化等の品質劣化を防ぐことができると共に、包装袋本体を構成している積層フィルムの少なくとも一部を凹凸構造とすることで、再注出時などに、いつでも円滑な注ぎ出しを可能とすることができる。
また、本発明によれば、包装袋本体に形成した上記凹凸構造の付加によって注ぎ出しが円滑にできる一方で、フィルム状逆止ノズルを所定の位置で切り裂いて開口を形成(包装袋を開封)した後も、被包装物の注出に当ってはもちろん、その注出の停止後においてなお、包装袋内への外気の侵入を確実に防ぐことができるので、袋内残留被包装物を長く新鮮な状態のままに保持することができる。
ここで、ノズル基端部内面を、低温融着処理による仮封止状態としてときは、ハンドリング時などで逆止機能特性が阻害されることがないフィルム状逆止ノズルつきフレキシブル包装袋を提供することができる。
また、フィルム状逆止ノズルの、少なくとも切り裂き予定位置とその近傍を除く基端部側に凹凸構造を付与した場合は、フレキシブル包装袋全体として注出特性に優れた包装袋を提供することができる。
本発明のフレキシブル包装袋は、2層もしくは3層の軟質の積層フィルムからなる包装袋本体に対し、それのいずれか一方の側縁の上部に、基本的には、軟質で薄い積層プラスチックフィルム2枚(表裏一対)を重ね合わせて対面させ、かつ、重なり合うそれらのフィルム相互間に形成される注出通路内に、毛細管作用によって液状物が介在することで逆止機能を発揮するようになっているフィルム状逆止ノズル(特開2005−59958号開示のような液体注出ノズル)を、側方や斜め上方向に突出させた状態で融着させたもの、または、包装袋本体と一体に形成したものである。
ここで、フィルム状逆止ノズルは、例えば、包装袋本体の側縁上部の内表面(シーラント層)に、ノズルを構成している軟質積層プラスチックフィルムの最外層であるシーラント層を介して、ノズル基端部を融着接合されるものであり、このノズルに設けられる注出通路と袋本体内を連通させてなるものである。例えば、このノズルは、熱可塑性の、一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層と、それを挟む表裏内、外の両面にシーラント層を具え、かつそれら表裏のそれぞれの側の積層フィルム、たとえば、2枚で一対の積層フィルムにおける対面するシーラント層どうし、または半幅に折返してなる1枚の積層フィルムの、互いに対向するシーラント層どうしを、基端辺を除く周縁部分で相互に融着させて、全体として略楔形をなし、中心部が融着していない注出通路となるように形成したものである。
このフィルム状逆止ノズルは、包装袋本体からの突出長さXを30〜100mm程度、ノズル最小幅先端位置Yを20〜80mm程度の大きさとしたものが代表的なものであり、例えば、包装袋本体は、被包装物の重量によっても異なるが、一般に、NY15/PE60の厚い腰のある2層積層フィルムを用いるのに対して、このフィルム状逆止ノズルは、被包装物の負荷を受けないので、PE20/NY15/PE20の薄い3層積層フィルムにすることが好ましく、薄ければ薄い程よく、腰の弱いフィルムの方が前記逆止機能が良好になる。
できれば、重なり合う表裏一対のフィルムは、フラット性(平坦度)の高いものの方が高い逆止効果が得られる。
このようなフィルム状逆止ノズルは、重なり合う(表裏で対面する)2枚で一対の積層フィルムどうしの、たとえばポリエチレン層、ポリプロポピレン層、エチレンビニルアルコール(EVA)、アイオノマーあるいは、EVOHなどを用いることが好適なシーラント層どうしを、所要の形状(楔形)となるようにその内側端縁部分を残して、その周縁部を、たとえば、ヒートシール、高周波シールまたは、インパルスシール等によって、融着させることにより、製造することができる。
このようにして製造される、多くは、3層(シーラント層ベースフィルム層シーラント層)構造の軟質積層プラスチックフィルムよりなるフィルム状逆止ノズルは、それの基端部分の外表面であるシーラント層を、軟質積層フィルム(主として2層)からなる包装袋本体の一側部の内表面のシーラント層(同種フィルムからなるシーラント層)に、ヒートシールすることにより融着されて、該包装袋本体から突出した状態に取付けられる。これにより、包装袋本体に対し、その側縁の上部や頂部等から外方へ突出したフィルム状逆止ノズルを備えるフレキシブル包装袋が得られる。
ところで、このフィルム状逆止ノズルの基端部外表面を、包装袋本体の側部内表面に融着接合するに当っての、該フィルム状逆止ノズルの内表面のシーラント層どうしの相互融着を防止するためには、注出通路につながるノズルの基端部内側に、より高融点のまたは熱溶融しない離型シートを差し込むことや、ノズルの内外表面のそれぞれのシーラント層の融着温度を、たとえば、材質の変更、あるいは押出しラミネート条件の変更等によって相互に異ならせて、ノズル内表面のシーラント層の融点を、ノズル外表面のシーラント層フィルムのそれより高くすること等が好ましい。
ここで、包装袋本体内への、醤油などの液体、ごまなどの固形物を含む液体調味料、スープその他の液状被包装物(これらの液体中にやや大形の固形物を封入した場合でも可)の充填は、前記フィルム状逆止ノズルの、包装袋本体への接合(ヒートシール)工程と同時に、または、その接合工程の後に行うことができる。
このような液状物の充填包装のためには、たとえば、液中シール方法により充填を行うこと(空気や窒素ガス等が混入しないように充填する液中シール充填を行うこと)、または、被包装物を充填した後に袋内の抜気を行うこと等によって、包装袋本体内からガスを十分に排除した充填を行う。その理由は、フィルム状逆止ノズルに前記逆止機能を発揮させる上で、袋内被包装物を脱気シールした状態で密封する必要があるためである。また、このことは、被包装物の酸化等を防止する上で好ましい。
ところで、フレキシブル包装袋内に充填した液状の被包装物の注出は、前記フィルム状逆止ノズルの先端部寄りに形成される開口予定部分(引き裂き誘導疵やノッチの付加位置)を切り取って開封することによって行う。即ち、ノズルの開口後、液状物充填包装体の本体を、ノズル開口(注ぎ口)が下方に向く姿勢となるように傾動させることによって行うことができる。
この場合、軟質の積層フィルムからなるフィルム状逆止ノズルは、被包装物の水頭圧の作用や手指による液状物充填包装体の胴部の加圧により、表・裏の側に離隔して注出通路を開放すると同時に、ノズル開口を開放し、該被包装物の許容する。
なお、フィルム状逆止ノズルのノズル開口(注ぎ口)を通じて、被包装物を注出するときは、軟質積層フィルムからなる包装袋本体は、被包装物の注出にもかかわらず、該フィルム状逆止ノズルからの外気の吸い込み(逆流)が全くないので、包装袋本体はその注出体積分に相当する量だけ収縮ないしは潰れ変形することになる。
このように、フレキシブル包装袋内に液状物を充填してなる液状物充填包装体は、これを傾動させることによって、所要量の被包装物を袋内から注出させることができるが、この包装体を元の起立姿勢に復帰させると、ノズル開口部からの該被包装物の流出が停止する。
この流出の停止により、該フィルム状逆止ノズルの注出通路内は、毛細管作用により、液状被包装物が全体にわたって常に介在して濡れた状態になる。そのために、この停止と同時に、注出通路の内面どうしは、その毛細管作用により相互に強く密着した状態となり、ノズル先端部に設けた前記ノズル開口は密着したままとなるので、外気の、包装袋本体内への侵入は確実に阻止されることになる。
従って、このようなフィルム状逆止ノズルを備える包装袋では、袋内に充填されている液状被包装物は、それの注出前はもちろん、注出中および注出後においても、外気との接触から一切遮断されて保護されることになり、袋内被包装物の酸化、汚損等が有効に防止されることになる。
この発明の構成要素としての包装袋本体のフィルム構成は、それの外表面に位置するベースフィルム層および、内表面に位置するシーラント層のそれぞれを、フィルム状逆止ノズルのそれと同種のベースフィルム層およびシーラント層とすることができる。
ただし、フィルム状逆止ノズルと包装袋本体とが別体に構成される場合には、それらの間に中間層を介装することもできる。また好ましくは、軟質積層フィルムからなる包装袋本体の内表面を形成するシーラント層を、該ノズルの最外層のシーラント層と同種の樹脂材料により構成する。これによれば、該ノズルの、包装袋本体の融着接合強度を十分に高めることができる。
例えば、2層もしくは3層構造の、包装袋本体用の軟質積層フィルムにおいて、一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層は、厚みが8〜30μmのポリエチレンテレフタレートフィルム層(PET層)やナイロン樹脂フィルム層(NY層)、エチレンビニルアルコール(EVOH)などにて構成することが好ましい。また、この包装袋本体に用いる軟質積層フィルムのシーラント層は、10〜60μmの厚みの無延伸のPE層またはPP層、EVA層、アイオノマー層、EVOH層などにより構成することができる。
ところで、上記ベースフィルム層の厚みを8μm未満としたときは、水蒸気不透過性、ガスバリア性等が不足するおそれがあり、一方、30μmを越える厚みとしたときは、軟質積層フィルムの曲げ強さが大きくなりすぎて、被包装物の注出の停止後の、注出通路内面の密着性が損われるおそれがある。
また、シーラント層については、それが10μm未満の厚さでは、十分なシール強度を確保できないおそれがあり、60μmを越えると、軟質積層フィルムの曲げ強さが大きくなりすぎるおそれがある。この厚みが合計で補償される限り、このそれぞれのシーラント層を2層以上のフィルムで構成することも可能である。
また、かかる包装袋本体に用いる軟質積層フィルムとしては、一定量の液状物を充填することから、腰の強いものが求められる。本発明においては、軟質積層フィルムの単位幅(15mm)当りの曲げ強さ、いいかえれば腰度は、特開2005−59958号公報の図10に開示されているような腰度測定装置を用いて測定した値が40〜300mNとなる程度にすることが好ましい。
腰度が40mN未満では、包装袋からの被包装物の注出に当っての、それの注出方向等の安定性が劣る他、包装袋本体の腰弱感が否めず、包装袋それ自体の強度不足が顕在化するおそれがある。一方、300mNを越えると、積層フィルムの積層構造のいかんにかかわず、フィルム状逆止ノズルを含めた全体の逆止機能が低下するおそれがある。
ところで、かかるフィルム構成を有する包装袋本体に対し、上述したフィルム状逆止ノズルを突設してなる本発明の上記フレキシブル包装袋としては、繰り返し注出を行う場合に対応し、とくに再注出の場合であっても、最初の場合と同じように、制御された所定量の注ぎ出しが円滑にできるものであることが望ましい。
そのため、本発明では、図2にドットを施して示すように、少なくとも、包装袋本体の、表・裏の少なくとも一方の積層フィルムであること、袋のシール(横シール、縦シール、ノズルと本体との接合シール)部分を除く部分に、エンボス加工やブラスト加工、ローレット加工、しわ加工、縦・横縞加工等が施された凹凸構造14を有するものを使用する。
シール部分を除く理由は、シール部分に凹凸があるとシール不良を起こすからである。
主に、包装袋本体2に、このような凹凸構造14を形成する理由は、フィルム状逆止ノズルの作用により、液状被包装物を注出した後は、該フィルム状逆止ノズルの逆止作用のみならず、包装袋本体内もまた、外気の侵入(逆流)が阻止され、液状被包装物の介在下で、これらの軟質積層フィルム間には毛細管作用が働いて、それらのフィルムが強く密着した状態になるのである。すなわち、該包装袋本体内は、注出した液状物の相当量に当たる体積分だけ、フィルムの収縮ないしは袋本体の潰れ変形が発生した状態になって、それぞれの軟質積層フィルムが相互に密着することになる。
その結果、充填した液状の被包装物を、該フィルム状逆止ノズルを通じて再度、注出する当り、包装袋本体内に十分な液量(液高さ)があるとき(水頭圧が大きいとき)は、スムースな注ぎ出しがある程度補償されるが、袋内液量が少なくなると、水頭圧が小さくなって、注ぎ出し圧力が前記積層フィルムどうしの、毛細管作用による密着力に負けて、円滑な注ぎ出しや液戻りが阻害されるようになる。
しかも、袋内被包装物の液量が少なくなると、該包装袋本体に皺が生じて、これが堰として作用することによって、液の流れが淀み、かつ液の流路が断たれて円滑な注ぎ出しが困難になる。
これに対し、注ぎ出し量を確保するべく、袋胴部の加圧力を増大さた場合は、意図しない過大な量が吐出するおそれがあり、安定した注出を確保することができなくなる。
このような弊害を除くために、本発明では、包装袋本体の、少なくとも前記フィルム状逆止ノズル近傍における縦・横の範囲の毛細管作用に基づく積層フィルムの密着力を少し緩和し、液流の停滞、淀み、詰りを防止して、流路を確保するようにした。
つまり、フィルム状逆止ノズルの注出通路内および包装袋本体に生じている毛細管作用による密着力を、フィルム状逆止ノズルの逆止作用を低下させることなく緩和するために、本発明では、重ね合わせる包装袋本体用の軟質積層フィルムの少なくとも一方について、これにエンボス加工やブラスト加工などを施して凹凸構造14を付与し、前記毛細管作用が働かないか弱まるようにする。
包装袋本体2は、包装袋本体の表裏となる軟質積層フィルムの相互間の隙間(縦シール、横シール、ノズルと本体との接合シール部分を除く)、即ち、その隙間に介在する液層の厚みが、通常、2〜5μm程度で上述した毛細管作用に基づく密着力を発生させているので、軟質積層フィルムに設ける前記凹凸構造14部分では、軟質積層フィルムの一方もしくは双方を、例えばエンボス加工によって、フィルム相互間の隙間が20μm以上、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上になるような凹凸を付与する。
この場合、包装袋本体2の前記毛細管作用は完全に消失するか小さくなり、積層フィルムどうしの密着力が低下することになる。その結果、少なくとも、この凹凸構造14が付与された個所では、常に流路が確保された状態となり、袋内液量が極端に少なくなったような場合でも、液状の被包装物の常にスムースな注出が確保される。
上記の凹凸加工は、円柱や角柱等の凹凸模様を有するエンボスロール(特開2008−12669号公報)などを用いて規則的な模様の他、不規則な模様を付与する加工が好ましい。
また、こうしたエンボス加工に代えて、ランダムな皺加工、ブラスト加工、ローレット加工、縦、横の縞状の加工を施すものであってもよい。これらは、凹凸位置がずれて、20μm以上の隙間が形成されるように組み合わせたものが望ましい。例えば、製袋機において、製袋前(縦シール前)または製袋後に熱ロール(70〜80℃)を使って成形することができる。
発明者らは、テックバリアNY15蒸着面/蒸着面テックバリアPET12/XA−HD40の軟質積層フィルム構成になる包装袋本体内に、被包装物として醤油を液中シール充填し、この包装袋本体、即ち、液状物充填包装体を傾けて、液が出なくなったときの残量を測る実験を行った。
その結果、表1に示すように、凹凸加工を施した軟質積層フィルムを用いた場合に効果が顕著であることがわかった。なお、この実験では、図1に示すように、該包装袋本体のフィルム状逆止ノズル近傍にエンボス加工による凹凸模様を縦縞模様状に施したものを、凹凸加工を施していない包装袋本体と比較した。その結果、本発明に適合する例では、残量が少なく、最後まで使い切ることができると共に、注ぎ出しを円滑に行うことができた。
Figure 2010030689
本発明において、上記の凹凸構造14は、包装袋本体の非シール部分の少なくとも一部、即ち、上部またはフィルム状逆止ノズル1側の袋側縁に沿う縦方向に1〜複数の模様として施したものなどが、再注出時の流路確保に有効である。
その他、図2(a)〜(h)に例示するような各種のパターンが有効であり、これらは面状、島状、ストライプ状として、一部模様もしくは全面模様の形に施される。
次に、本発明に係るフレキシブル包装袋について、図面に即して、具体的な形態を説明する。
図2に示すフレキシブル包装袋は、軟質の積層フィルムからなる包装袋本体2のたとえば左側縁上部に、フィルム状逆止ノズル1を突設した例であり、該袋本体2の接合部の内表面側のシーラント層に、該フィルム状逆止ノズル1の基端部における最外層のシーラント層、好ましくは、包装袋本体のシーラント層と同種の樹脂材料からなるシーラント層を重ね合わせてヒートシールして融着接合したものである。場合によっては、これらの融着接合部の注出通路内面のシーラント樹脂を高融点のものとして、この部分を低温融着させることで仮封止部12を形成したものとすることが好ましい。
ここで、このフィルム状逆止ノズル1は、熱可塑性のベースフィルム層、たとえば5〜40μm、好ましくは10〜30μmの厚みの二軸延伸のPET層もしくはNY層と、そのベースフィルム層の両面に積層したそれぞれのシーラント層、たとえば5〜80μm、好ましくは10〜60μmの厚みの無延伸のPE層もしくはPP層との3層からなる、表裏のそれぞれの側に配設される積層フィルム、すなわち、輪郭形状がともに同一の楔形等の表裏2枚の積層フィルムまたは、中央部で表裏に折返してなる一枚の積層フィルムを、内面側シーラント層の相互の対向姿勢で、基端辺を除く周縁部分で、好ましくはヒートシールによって、図に斜線を施して示すように相互に融着させることによって構成することができる。
ところで、このようなフィルム状逆止ノズル1は、図3に、図1の、ノズル幅方向のIIII−III線に沿う拡大断面図で示すように、相互に融着される表裏それぞれの積層フィルム3、4を、ベースフィム層5、5’と、このベースフィルム層5、5’の両面に積層したそれぞれのシーラント層6、6’、7、7’との3層構造としたところにおいて、互いに対向する内面側のシーラント層6、6’どうしを、基端辺を除く周縁部分で、所定の幅、たとえば0.5〜3mmの幅、好ましくは1.0〜2.0mmの幅にわたって、好適にはヒートシールにより所要の形態(楔形)となるように融着させることで、簡易迅速に製造することができる。
かかるフィルム状逆止ノズル1は、できるだけ平坦な軟質積層プラスチックフィルムを重ね合わせて融着させるようにすることがすぐれた逆止機能を付与する上で好ましい。
そして、このノズルの基端部では、外面側のシーラント層7、7’を包装袋本体2の内表面(シーラント層)に、これも好ましくはヒートシールによって融着させることで、その包装袋本体2に、適正かつ確実に、しかも簡単に接合させることができる。
なお、このフィルム状逆止ノズル1の外面、即ち外側シーラント層7、7’の切り裂き予定線(開口予定部)から基端部側にかけての外表面には、液だれを防止し、液切れを向上させるための撥水剤もしくは撥油剤の、図4にドットを施して示すような塗布層(撥水、撥油塗布層)10を、少なくとも開口端と下縁部に沿って設けることが好ましい。これと共に、フィルム状逆止ノズル1の内側シーラント層6の内表面、とくに注出通路13の内表面には、逆止機能を助勢するための濡れ処理層11を設けることが好ましい。
このように構成してなるフィルム状逆止ノズル1は、軟質積層フィルムからなる包装袋本体への被包装物の液中シール充填と同時にまたは、被包装物の液中シール充填に先だって、たとえば、その包装袋本体2の側部の、シーラント層相互の融着部で、包装袋本体2の内表面に、ノズル1の基端部外表面のシーラント層7、7’を、好ましくはヒートシールによって融着接合させることで包装袋の一部とされ、包装袋本体2の、図1では上端部分から側方へ突設させる。
なお、本発明のフレシキブル包装袋8は、液状の被包装物を液中シール充填して、包装袋内にガスが侵入しないように充填することが、前記フィルム状逆止ノズル1のセルフシール逆止機能を十分に発揮させる上で必要である。
しかし、時として、注出時にごく少量の外気が侵入することがある他、被包装物自体が内蔵するガスが、事後的に袋内に発生することがあるので、こうしたガスを、一時的に貯留し、フィルム状逆止ノズル1からの逆止注出を確実にするためには、包装袋本体2の上部、即ちフィルム状逆止ノズル1よりも上の位置にある上部横シール部分に、必要に応じて、図1、図4に示すようなガス溜め空間18を、袋の幅方向に1〜複数個設けることが好ましい。
このようなフレキシブル包装袋は、そこへ液状の被包装物を、好ましくは抜気下で液中シール充填することにより、図5に例示するような膨満形態をとる液状物充填包装体8になるが、軟質のフレキシブル包装袋それ自体は、通常は自立性も定型性も有しないので、被包装物の搬送、保管、陳列、使用等に当っては、図6に示しかつ後で詳しく述べるような自立型外包装容器9、硬質容器の他、例えば、スタンディングポウチ9内に収納して、このポウチ9に固有の剛性に伴って自立性および定型性を付与して、使用形態となるようにすることが好ましい。
前記フレキシブル包装袋の使用に当っては、前記フィルム状逆止ノズル1の引き裂き予定部の先端部側を引裂き除去もしくは切除してノズル開口、すなわち注ぎ口を確保した状態で、このフレキシブル包装袋内の液状被包装物を、たとえば、スタンディングポウチ9を傾動させる姿勢で、該フィルム状逆止ノズル1に設けた注ぎ口からの外気の侵入、吸入なしに注出させる。この一方で、そのスタンディングポウチ9の起立復帰に基づく注出の停止に伴い、フィルム状逆止ノズルの内表面は、その内表面を濡らす液状被包装物からなる液膜の介在下で、それを全体にわたって密着させて、外気の、包装袋本体2内への侵入を確実に阻止する。
これによれば、包装袋本体2内に、液状被包装物を液中シール充填して得られる充填包装体は、被包装物注出量相当分の収縮ないしは潰れ変形の下で、該包装袋本体内への外気の取り込みを伴うことなく注出することができるとともに、その注出の停止後は、フィルム状逆止ノズルの注出通路内面の逆止機能による密着封止をもって、包装袋本体内への外気の侵入を阻止することで、該包装袋本体内に残留する被包装物の、外気による汚損、酸化等を十分に阻止することができる。
これによって所要量の液状被包装物を注出した後は、自立型外包装容器であるスタンディングポウチ9を起立姿勢に復帰させてその注出を停止することにより、フィルム状逆止ノズル1の先端部に設けた注ぎ口の自動的な密着閉止をもたらす。
ここで、フィルム状逆止ノズル1のこの逆止機能に由来する密着閉止は、先にも述べたように、フィルム状逆止ノズル1が水頭圧から解放されて、表裏の軟質積層プラスチックフィルム3、4が、フィルム状逆止ノズル1の製造時の原形状に復帰することおよび、フィルム状逆止ノズル1内の被包装物が包装袋本体2内へ戻流するに際して表裏のフィルム3、4が減圧雰囲気におかれることにより、軟質なそれらのフィルムの内表面(シーラント層6、6’)どうしが、内表面に付着した液状被包装物の介在下での毛細管作用により、ノズル幅の全体にわたって相互に負圧吸着されること等によって行われることになる。
そして、このようなセルフシール逆止機能に基づくフィルムどうしの密着閉止は、潰れ変形等した包装袋本体2が、固有の弾性復元力に基いて包装袋本体12内を減圧傾向とする場合により確実に維持されることになる。
なお、本発明において用いる前記フィルム状逆止ノズル1は、それの基端部を、軟質包装袋本体2の側部、多くは、側部上端部分からの突出姿勢で、外表面側を低融点シーラント層とし、包装袋本体2の内表面の低融点のシーラント層と融着接合させる一方、フィルム状逆止ノズル1の内表面側のシーラント層に高融点シーラント層を用いることにより、たとえば、本来のヒートシール強度の半分以下の接着強度で、相対的に低温で融着された仮封止部12(図1参照)とすることが好ましい。
ただし、上記の仮封止部12の形成に当っては、それの形成位置を、フィルム状逆止ノズルの「基端部分」の、包装袋本体2への融着接合位置に対応する位置、またはこの対応位置よりも包装袋本体2の内側に幾分偏った位置、もしくは逆に、その対応位置より、包装袋本体の外側に幾分偏った位置とすることもできるが、これらのいずれの場合にあっても、フィルム状逆止ノズルがそれら本来の機能を発揮するのに十分な長さ(5〜8mm程度)の、被包装物注出通路形成部分を、仮封止部12の外側に残存させることが必要である。
またここで、上記仮封止部12の形成に当っては、高融点シーラント層および低融点シーラント層を使い分けることになるが、これらのシーラント層をともに、直鎖状低密度ポリエチレンを含む低密度ポリエチレンによって形成することができる他、高融点シーラント層を、中密度もしくは高密度ポリエチレンにより形成し、低融点シーラント層を低密度ポリエチレンにより形成することもできる。なお、同一材質になるポリエチレンの、融点の高低の選択は、たとえば、シーラント層の積層に際する押出しラミネート条件等を相互に変化させることによって実現することも可能である。
なおここで、低温融着による仮封止部12は、完全な融着接合部を形成する場合に比して、ヒートシール手段の加熱温度、加圧力および加圧時間の少なくとも一つを低減させることによって実現することもできる。
そして、上述したいずれの場合にあっても、仮封止部12のヒートシール強度は、0.3〜3(N/15mm)、とくには、0.5〜2(N/15mm)、なかでも、0.7〜1(N/15mm)の範囲とすることが好ましく、その仮封止部12の開封荷重を50〜350(N)、とくには、80〜300(N)、なかでも、100〜200(N)の範囲とすることが好ましい。
本発明において、上述したフィルム状逆止ノズルを備えるフレキシブル包装袋では、好ましくは、上述したように、フィルム状逆止ノズルの、包装袋本体2への融着接合位置の近傍で、そのフィルム状逆止ノズルの基端部分等に、たとえば、本来のヒートシール強度の半分以下のヒートシール強度の仮封止部12を設け、包装袋に充填包装した液状被包装物の、その仮封止部よりノズル先端側への流入を仮封止部12によって確実に阻止することにより、その被包装物が、たとえ50〜100℃に加熱されたものであっても、フィルム状逆止ノズルの、被包装物注出通路の大部分を、その注出通路を膨らませる向きの永久変形から十分に保護することができる。
従って、フィルム状逆止ノズルの、仮封止部より先端側の部分には、フィルム状逆止ノズル1の機能を常に十分に発揮させることができ、包装袋からの被包装物の注出に際する、その包装袋本体内への外気の侵入を完全に防止することができ、また、被包装物の注出停止時のセルフシール逆止機能を十分に発揮させることができる。
ところで、袋内被包装物が常温近くまで冷却された後の、その被包装物の包装袋からの注出に当っては、包装袋に、たとえばそれの厚み方向に荷重を作用させて仮封止部12の開封をもたらすとともに、フィルム状逆止ノズルの先端部分を切り裂きもしくは切断除去して、注出口を形成し、かかる状態で、包装袋を傾動させ、注出口が下向きに向く注出姿勢とする。
なおここで、包装袋の、仮封止部12を除く他の融着接合部は、たとえば、仮封止部12の2倍以上の強度でヒートシールされていることから、その仮封止部12を開封するに必要な荷重が作用しても、不測の破袋を生じることはない。
これがため、加熱された被包装物による膨満変形を受けていないフィルム状逆止ノズル1部分は、袋内の被包装物の注出に伴う、包装袋本体2内への外気の侵入を、包装袋本体2の潰れ変形の下での、注出口の、必要にして十分な開放下で有効に防止することができ、また、包装袋の、起立姿勢への復帰に基づく注出の停止に際し、被包装物に濡れたその注出ノズル部分の元形状への復帰によるセルフシール逆止機能によって包装袋本体内への外気の侵入を確実に阻止することができる。
ここで、高融点シーラント層および低融点シーラント層のそれぞれをともに低密度ポリエチレンにより形成した場合、または、高融点シーラント層を、中密度もしくは高密度ポリエチレンにより形成し、低融点シーラント層を低密度ポリエチレンにより形成した場合のいずれにおいても、所期した通りのシール強度を有する仮封止および、フィルム状逆止ノズルの所要の融着接合を簡単かつ容易に実現することができる。
また、この包装袋および、前述した包装袋のいずれにおいても、仮封止部12のヒートシール強度は、0.3〜3(N/15mm)、とりわけ、0.7〜1(N/15mm)の範囲とすることが、仮封止部12の不測の開封を防止する一方で、他の融着接合部に何の影響をも及ぼすことなく、その仮封止部を作為的に開封する上で好ましい。
すなわち、それが0.3(N/15mm)未満では、加熱状態の液状被包装物の、袋内容量等との関連の下で、仮封止部12に意図しない開封が起こるおそれがあり、一方で、3(N/15mm)を越えると、仮封止部12を開封するのに要する荷重が、他の融着接合部等にも不測の影響(破袋や開封)を及ぼすおそれがある。
ところで、仮封止部12の開封のための荷重は、50〜350(N)、とりわけ100〜200(N)の範囲とすることが、シール部を含む他の個所の破袋などを招かず、輸送や作業中に誤って開封しないようにするために有効である。
即ち、開封荷重が50(N)未満では、被包装物を充填包装した包装袋の積み重ねにより、下段側の包装袋で、仮封止部が開封されるおそれがあり、逆に、350(N)を越える場合やヒートシール強度が高すぎる場合、仮封止部を開封するに要する荷重によって、他の融着接合部が影響を受けるおそれがある。
本発明者らの研究によれば、例えば、軟質包装袋本体2(NY15/PET12/LLDPE40)の側縁部上部に、図1に示すようなフィルム状逆止ノズルの基端部を、低温融着して仮封止してなるものにおいて、かかるフィルム状逆止ノズルのフィルムの積層構造を、直鎖状低密度ポリエチレン層(低融点シーラント層)/二軸延伸ポリエチレンテレフターレート層/直鎖状低密度ポリエチレン層(高融点シーラント層)とし、この積層フィルムを、ヒートシート温度をパラメータとして、シリンダ付きヒートシーラーにより、300kPaのシリンダ圧力で3秒間加熱加圧したときの仮封止部のヒートシール強度(N/15mm)を、引張試験機(TENSILON RTG−1300)にて、引張速度200mm/min、フィルム幅15mmの条件で測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2010030689
上述した非自立型の液状物充填包装体8を収納するために用いられる自立型外包装容器9としては、少なくとも下部は筒状の袋状とした積層フィルムによって形成したものが好適に用いられ、とくに下端部には平底形の底部16を設けて自立できるようにしたものが用いられる。そして、この外包装容器9には、前記フィルム状逆止ノズル1に対応する位置となる側部の上部に、前記フィルム状逆止ノズルと略同形状の、このノズルを包囲する張り出し小袋9aを突設したものが好適であり、例えば、スタンデイングポウチ9が用いられる。
また、この外包装容器9は、好ましくは、その頂部が、図6に示すように、収納する液状物充填包装体8の頂部と一緒にヒートシールされるか、または、図7に示すように、頂部がチャック17等で開閉可能になったものとして該液状物包装体を交換可能に収納できるようにしたものが好ましい。
かかる液物充填包装構造体おいて、上記自立型外包装容器9は、例えば、一軸もしくは二軸延伸ベースフィルム層と、シーラント層とを具える積層フィルムからなり、ベースフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルム層またはナイロン樹脂フィルム層からなり、一方、シーラント層が、ポリエチレン層またはポリプロピレン層からなる積層フィルムを用いた、スタンディングパウチ等の形態をとるものが好適に用いられる。しかし、本発明では、該外包装容器として、こうした軟質フィルムからなる袋状のステンディングパウチだけでなく、少なくとも本体部分は、他の自立する円筒状プラスチック容器であってもよい。
そして、この自立型外包装容器袋9の一側部上部に設けた前記ノズルを包囲する張り出し小袋9aには、フィルム状逆止ノズル1の切り裂き開口部の位置に対応するところに、Iノッチ、Vノッチ、Uノッチ、ベースノッチおよびダイヤカットなどの開封からなる引き裂き誘導疵を設け、図6に示すようなフィルム状逆止ノズル1を露出させるための切り取り部15を設ける。この切り取り部15で小袋9aを切り取って開封することにより、その内部に収納した上記の非自立型のフレキシブル包装袋、即ち、液状物充填包装体8に突設したフィルム状逆止ノズルの突出部分を露出させることができ、さらにノズル開口部を開封して使用状態に供する。
その液状物充填包装体8を、スタンディングポウチ9内に収納したのち、場合によっては、図6に示すように、その上端部横シール部8aを、スタンディングポウチ9の上辺部に、一部(スポット)または全幅にわたってともにヒートシールして融着し、懸吊状態にて収納する。こうした場合には、液状物が充填された液状物充填包装体8を、スタンディングポウチ9内にしっかり固定した状態に保持することができると共に、液状被包装物の円滑な流出を助勢する効果がある。
しかも、この場合、この液状物充填包装体8の取り扱い時や流通時の種々の衝撃に対しても十分に保護することができるようになると共に、該液状物充填包装体8が位置ずれするようなことがなくなり、ピンホール等の発生や、フィルム状逆止ノズルの変形、破損さらには誤開封を阻止することもできる。
また、液状物充填包装体8をスタンディングポウチ9内に収納した後は、フィルム状逆止ノズル1の近傍、とくに底部付近または上部、あるいは包装袋本体上部の1ケ所または2ケ所以上、さらには底部を固定することは、液状被包装物を最後まで円滑に全て注出する場合に有効に作用させる上で有効である。
この発明に係るフィルム状逆止ノズルの実施形態を示す正面図である。 積層フィルム1の凹凸加工域を例示する略線図である。 フィルム状逆止ノズルの開口予定位置の拡大断面図である。 フィルム状逆止ノズルに塗布層を設けた状態を示す正面図である。 液状物充填包装体の斜視図である。 液状物充填包装構造体の正面図である。 液状物充填包装構造体の他の形態を示す正面図である。
1 フィルム状逆止ノズル
2 包装袋本体
3、4 積層フィルム
5、5’ ベースフィム層
6、6’ 内側シーラント層
7、7’ 外側シーラント層
8 充填包装体
9 自立型外包装容器
10 撥水・撥油塗布層
11 濡れ処理層
12 仮封止部
13 注出通路
14 凹凸構造
15 切り取り部
16 底部
17 チャック
18 ガス渦の空間

Claims (6)

  1. 軟質積層フィルムからなる包装袋本体の側部に、重なり合うプラスチックフィルムの相互間への液状物の介在下で逆止機能を発揮するフィルム状逆止ノズルを突設してなるフレキシブル包装袋において、
    前記包装袋本体は、表裏の少なくとも一方の軟質積層フィルムの非シール部分が、少なくとも、上部または、前記フィルム状逆止ノズル側の側縁近傍に、凹凸構造を有する積層フィルムによって構成されており、その凹凸構造部分で、表裏の軟質積層フィルムの隙間を20μm以上としてなることを特徴とする逆止機能ノズルを備えるフレキシブル包装袋。
  2. 積層フィルムに形成した前記凹凸構造は、表裏の軟質積層フィルムの一方もしくは両方に、エンボス加工、ブラスト加工、ローレット加工、しわ加工、縦・横縞加工を、面状、島状、ストライプ状に施して、一部模様もしくは全面模様として形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の逆止機能ノズルを備えるフレキシブル包装袋。
  3. 前記フィルム状逆止ノズルは、重なり合う1枚もしくは2枚の軟質積層プラスチックフィルムを、ノズル基端辺となる部分を除く周縁部分で相互に融着させて、中央部分に非融着の注出通路を区画して、包装袋本体の側部に、これの基端部を融着接合させたものであって、
    包装袋本体を傾動させて被包装物を注出した際に、該被包装物が通過することによって、前記注出通路内が濡れた状態となる積層フィルムの内表面どうしが、該注出通路内表面に被包装物が介在することによる相互の密着作用によって、外気の侵入を阻止する逆止機能を発揮するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の逆止機能ノズルを備えるフレキシブル包装袋。
  4. 前記フィルム状逆止ノズルは、表裏の少なくとも一方の軟質積層プラスチックフィルムの切り裂き予定位置とその近傍を除くノズル基端部側に凹凸構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の逆止機能ノズルを備えるフレキシブル包装袋。
  5. 前記フィルム状逆止ノズルの基端部は、対面するシーラント層が低温融着されて、注出通路内表面が仮封止されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の逆止機能ノズルを備えるフレキシブル包装袋。
  6. 前記包装袋本体は、それの上横シール部分の、前記フィルム状逆止ノズルの上縁より高い位置に、ガス溜め空間を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の逆止機能ノズルを備えるフレキシブル包装袋。
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