JP2010030225A - セルロースアシレートフィルム、位相差膜、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基層と基層に積層された表層を有し、表層に分子量が2000以上の紫外線吸収ポリマーを含有するセルロースアシレートフィルム。
【選択図】なし
Description
液晶表示装置に使用される偏光板には、セルロースアシレートフィルムが保護フィルムとして使用されることが一般的であった。このセルロースアシレートフィルムについても、できるだけエネルギー負荷の小さい製造方法が求められており、フィルムの薄膜化はこれに対する有力な手段として期待されている。
また、本発明は、液晶表示装置、特にVAモードの液晶表示装置、の視野角の拡大及び視野角に依存したカラーシフトの軽減に寄与する光学補償フィルム及び偏光板を提供することを課題とする。
さらに、他の添加剤がセルロースアシレートに対する相溶性が不十分でブリードアウトを生じやすい化合物の場合、上層に紫外線吸収ポリマーを含有する層を設けることにより、効果的にブリードアウトを抑制できることを見出した。
さらに、高分子化した紫外線吸収剤を、レターデーション発現剤を添加する層の上層に添加することにより、レターデーション発現剤によるレターデーション発現を阻害することなく、効果的に耐光性を向上できることを見出した。
〔1〕
基層と基層に積層された表層を有し、表層に分子量が2000以上の紫外線吸収ポリマーを含有するセルロースアシレートフィルム。
〔2〕
表層における前記紫外線吸収ポリマーの濃度が3質量%以上15質量%以下である〔1〕に記載のセルロースアシレートフィルム。
〔3〕
基層にオクタノール/水分配係数が7.0以上で分子量2000以下の疎水化剤を含有する〔1〕又は〔2〕に記載のセルロースアシレートフィルム。
〔4〕
〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを含む位相差膜。
〔5〕
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを有する偏光板。
〔6〕
一対の第1及び第2の偏光子と、該一対の偏光子の間に配置された液晶セルと、前記第1の偏光子と前記液晶セルとの間に、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムと、を有する液晶表示装置。
また、本発明によれば、液晶表示装置、特にVAモードの液晶表示装置、の視野角の拡大に寄与する位相差膜、光学補償フィルム及び偏光板を提供することができる。
特に本発明によれば上記のような性能を有する光学補償フィルムを安定的かつ高い生産性で提供することができる。
まず、本発明のセルロースアシレートフィルムの表層について詳しく説明する。
本発明の表層は分子量2000以上の紫外線吸収ポリマーを含有する。紫外線吸収ポリマーの吸収極大の波長は250nm以上380nm以下であることが好ましい。この範囲に吸収極大を有するポリマーを添加することにより、フィルムが着色することなく効果的に耐光性を付与することができる。
本発明に用いられる紫外線吸収ポリマーの質量平均分子量は2000以上である。200以上30000以下であることが好ましく、より好ましくは5000以上20000以下である。紫外線吸収ポリマーの質量平均分子量が2000以上であれば表層から内層への紫外線吸収ポリマーの拡散が抑制できるため好ましい。
本発明では下記一般式(1)で表される紫外線吸収モノマーとエチレン性不飽和モノマーから合成される紫外線吸収性共重合ポリマーを好ましく用いることができる。
置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基など)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−1−イル基など)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基など)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基など)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、アシル基(例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基など)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基など)、アミノ基、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基など)、アニリノ基(例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基など)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基など)、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基など)、スルファモイルアミノ基(例えば、ジメチルスルファモイルアミノ基など)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、フェニルスルホニル基など)、スルファモイル基(例えば、エチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基など)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基など)、ウレイド基(例えば、3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基など)、イミド基(例えば、フタルイミド基など)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ブチルチオ基など)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)等が挙げられるが、好ましくは、アルキル基、アリール基である。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基などが挙げられる。また、上記アルキル基は更にハロゲン原子、置換基を有していてもよく、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、置換基としては、例えば、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基など)、アシル基(例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アミノ基、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基など)、アニリノ基(例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基など)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基など)、ヒドロキシル基、シアノ基、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基など)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基など)が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基などが挙げられる。かかるアルキル基は、更にハロゲン原子、置換基を有していてもよく、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、置換基としては、例えば、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基など)、アシル基(例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アミノ基、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基など)、アニリノ基(例えば、アニリノ基、N−メチルアニリノ基など)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基など)、ヒドロキシル基、シアノ基、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基など)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基など)が挙げられる。
R7として、好ましくは水素原子である。
Xとして、好ましくは−COO−である。
重合性基として好ましくは不飽和エチレン系重合性基である。
不飽和エチレン系重合性基の具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、シアン化ビニル基、2−シアノアクリルオキシ基、1,2−エポキシ基、ビニルベンジル基、ビニルエーテル基などが挙げられるが、好ましくは、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基アクリルアミド基、メタクリルアミド基である。また、重合性基を部分構造として有するとは、上記重合性基が直接、若しくは2価以上の連結基によって結合していることを意味し、2価以上の連結基とは、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン、1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、シクロヘキサン−1,4−ジイルなど)、アルケニレン基(例えば、エテン−1,2−ジイル、ブタジエン−1,4−ジイルなど)、アルキニレン基(例えば、エチン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイン−1,4−ジイルなど)、少なくとも一つの芳香族基を含む化合物から誘導される連結基(例えば、置換若しくは無置換のベンゼン、縮合多環炭化水素、芳香族複素環、芳香族炭化水素環集合、芳香族複素環集合など)、ヘテロ原子連結基(酸素、硫黄、窒素、ケイ素、リン原子など)が挙げられるが、好ましくは、アルキレン基、及び、ヘテロ原子で連結する基である。これらの連結基は更に組み合わせて複合基を形成してもよい。
該紫外線吸収ポリマーの質量平均分子量は、公知の分子量調節方法で調整することができる。そのような分子量調節方法としては、例えば四塩化炭素、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸オクチル等の連鎖移動剤を添加する方法等が挙げられる。重合温度は通常室温から130℃、好ましくは50℃から100℃で行われる。
共重合可能な他の重合性モノマーとしては、例えば、スチレン誘導体(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレンなど)、アクリル酸エステル誘導体(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなど)、メタクリル酸エステル誘導体(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等)、アルキルビニルエーテル(例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなど)、アルキルビニルエステル(例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなど)、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和化合物が挙げられる。好ましくは、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニルである。
親水性エチレン性不飽和モノマーは、上記紫外線吸収性共重合体中に、5〜50質量%含まれることが好ましい。含有量が5質量%以上で相溶性が改良し、50質量%以下でメチレンクロライドなどの溶剤への溶解性が良化するため好ましい。親水性エチレン性不飽和モノマーの更に好ましい含量は10〜25質量%である。
次に本発明の表層で好ましく用いられるメインポリマーについて詳しく説明する。本発明においてメインポリマーとは、表層全体の50質量%以上を占めるポリマーを指すものとする。
本発明のメインポリマーは、セルロースアシレートが特に好ましく、中でもアシル基の平均炭素数が4以下のセルロースアシレートが最も好ましい。
以下に本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートについて詳しく説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムの表層は、きしみを防止するため、無機微粒子を含有することが好ましい。以下本発明に用いることができる無機微粒子について説明する。
本発明に使用される無機微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。無機微粒子は、珪素を含むものがヘイズが低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
ここで無機微粒子のフィルム表層中の平均濃度とは、フィルム表面からフィルム厚み方向3μm以内の範囲内における無機微粒子の平均濃度であり、無機微粒子のフィルム中の平均濃度とはフィルム全体における無機微粒子の平均濃度をいう。
本発明においてフィルム表層中の平均濃度は0.05質量%〜1.0質量%であることが好ましく、0.1質量%〜0.3質量%であることが更に好ましい。また、フィルム中の平均濃度は0.0001質量%〜0.3質量%であることが好ましく、0.0001質量%〜0.1質量%であることが更に好ましい。
ここでフィルム表層中における無機微粒子の平均濃度は具体的には以下の方法によって測定することができる。
フィルム表層中における無機微粒子の濃度は、フィルム表層中の光電子スペクトルを測定し、これによって得られる無機微粒子由来の原子と炭素原子に由来するシグナルの強度比を基に算出することができる。光電子スペクトルの測定を行うにあたっては島津製作所(株)製ESCA−3400を用いることができる。
さらに具体的な方法を無機微粒子として、二酸化ケイ素微粒子を用いた場合について説明する。各々のフィルムついて前記ESCA−3400に付属のイオンエッチング装置にて表面を削り(条件:イオンガン、電圧2kV、電流20mA)、ケイ素と炭素に帰属できるシグナルの強度比Si2p/C1sを測定する。
前記測定はフィルム表面からフィルム膜厚方向に約1μmの間隔で測定を行い、フィルム表面から3μm以内の範囲内におけるSi2p/C1sの値の平均値から二酸化ケイ素無機微粒子のフィルム表層中の濃度を算出できる。
さらにフィルム表層中における無機微粒子の濃度を測定する他の方法としては、フィルム断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察する方法によって直接的に無機子数をカウントする方法も挙げることができる。この場合、前記フィルム表層中においてカウントした無機微粒子数の単位領域あたりの値からフィルム表層中における無機微粒子の濃度を算出することができる。いずれの場合においても二酸化ケイ素無機微粒子濃度が既知のサンプルにおいて事前に検量線データを準備しておくことで算出が可能となる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの表層には、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。
単糖または2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の例としては、例えば、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、フルクトース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、トレハロサミン、コウジビオース、ニゲロース、マルトース、マルチトール、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、ラクトサミン、ラクチトール、ラクツロース、メリビオース、プリメベロース、ルチノース、シラビオース、スクロース、スクラロース、ツラノース、ビシアノース、セロトリオース、カコトリオース、ゲンチアノース、イソマルトトリオース、イソパノース、マルトトリオース、マンニノトリオース、メレジトース、パノース、プランテオース、ラフィノース、ソラトリオース、ウンベリフェロース、リコテトラオース、マルトテトラオース、スタキオース、バルトペンタオース、ベルバルコース、マルトヘキサオース、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトールなどを挙げることができる。
これらの中で、さらに好ましいものはエーテル基またはエステル基であり、特に好ましくはエステル基である。
すなわち、キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシローステトラブチレート、グルコースペンタブチレート、フルクトースペンタブチレート、マンノースペンタブチレート、ガラクトースペンタブチレート、マルトースオクタブチレート、セロビオースオクタブチレート、スクロースオクタブチレート、キシリトールペンタブチレート、ソルビトールヘキサブチレート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエート、サッカロースオクタアセテート、サッカロースオクタベンゾエートなどが好ましく、キシローステトラアセテート、グルコースペンタアセテート、フルクトースペンタアセテート、マンノースペンタアセテート、ガラクトースペンタアセテート、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシリトールペンタアセテート、ソルビトールヘキサアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエート、サッカロースオクタアセテート、サッカロースオクタベンゾエートなどがさらに好ましく、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエート、サッカロースオクタアセテート、サッカロースオクタベンゾエートなどが特に好ましい。
本発明において、炭水化物系可塑剤は、単独で配合してもよいし、2種以上併用してもよい。また、他の可塑剤と併用してもよい。他の可塑剤としては、アルキルフタリルアルキルグリコレート類、カルボン酸エステル類、多価アルコールの脂肪酸エステル類などが好ましく用いることができる。
[基層]
つぎに本発明のセルロースアシレートフィルムの基層について詳しく説明する。
本発明の基層は固有複屈折性が高いことに特徴がある。セルロースアシレート層の固有複屈折性を高める方法としては、セルロースアシレートのアシル置換度を低くする方法、および分極率異方性の大きい化合物を添加する方法の、2つがある。以下にそれぞれの方法について本発明における好ましい形態について詳しく説明する。
本発明の基層に用いるセルロースアシレートのアシル置換度が2.30〜2.95が好ましい。セルロースアシレート自体の固有複屈折を大きくする場合、前記アシル置換度は2.30〜2.80がさらに好まく、最も好ましくは2.40〜2.70である。また、アシル基の平均炭素数は2以上4以下が好ましく、2以上3.5以下がさらに好ましい。
本発明の基層に用いるセルロースアシレートは本発明の表層に用いるセルロースアシレートと同様の方法により調製することができる。
セルロースアシレートのアシル置換度を低くすると、フィルムの含水率が大きくなり、環境湿度によるフィルム物性変化、レターデーション変化が大きくなる問題が生じる。この問題を改良する方法として、基層にオクタノール/水分配係数が7.0以上で分子量2000以下の疎水化剤を含有することが好ましい。本発明のセルロースアシレートフィルムにはオクタノール/水分配係数(以下logPと称する)が7.0以上20.0以下の疎水化剤を含有することがより好ましい。さらに好ましくは8.0以上16.0以下である。logPは化合物の親疎水性を示す指標であり、logPが大きい方が化合物の疎水性が高くなる。logPが低すぎると疎水性が不足し、環境湿度によるフィルム物性変化、レターデーション変化に対して十分な低減効果が得られにくい。一方、logPが大きすぎるとセルロースアシレートとの相溶性が不足し、フィルムの内部で相分離をおこしてフィルムの透明度が低下する問題を生じやすい。
疎水化剤の分子量は2000以下であることが好ましく、より好ましくは1500以下である。疎水化剤の分子量を2000以下とすることでセルロースアシレートに対する相溶性が高くなり好ましい。
例えば、一般式(I)で表されるレターデーション発現剤の場合、例示化合物(1)〜(51)、(53)〜(150)、(163)〜(190)を本発明の疎水化剤として好ましく用いることができる。
また、一般式(a)で表されるレターデーション発現剤の場合は、例示化合物(2)、(3)、(9)、(10)、(29)、(41)等を本発明の疎水化剤として好ましく用いることができる。
また、一般式(III)で表されるレターデーション発現剤の場合は、例示化合物(I)−1〜(I)−8、(I)−10〜(I)−12、(I)−19〜(I)−23、(I)−25〜(I)−28、(I)−30〜(I)−32等を本発明の疎水化剤として好ましく用いることができる。
また、炭水化物をベンゾイル基等の芳香族アシル基で置換した化合物も本発明の疎水化剤として好ましく用いることができる。以下にあげる可塑剤は本発明の疎水化剤の好ましい例である。
キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエート
本発明の基層はレターデーション発現剤を添加することにより、固有複屈折性を高めることもできる。以下に本発明の基層で好ましく用いられるレターデーション発現剤について詳しく説明する。
本発明のセルロースアシレートに添加するレタデーション発現剤としては、一般式(I)で表される化合物が好ましい。
なお、ハメットの置換基定数のσp、σmに関しては、例えば、稲本直樹著「ハメット則−構造と反応性−」(丸善)、日本化学会編「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応V」2605頁(丸善)、仲谷忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同人)、ケミカル レビュー、91巻,165〜195頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。
nは0〜2の整数を表し、好ましくは0、1である。
さらに、前記スキームに示したように、化合物(1−E)のテトラヒドロフラン溶液に、メタンスルホン酸クロライドを加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを滴下し攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミンを加え、化合物(1−D)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、その後、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)のテトラヒドロフラン溶液を滴下することで、例示化合物(1)を得ることができる。
一般式(I)で表される化合物の含有量は、フィルムを形成するセルロースアシレートに対して0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましく、1〜12質量部であることがさらに好ましく、1〜7質量部であることが最も好ましい。
上記一般式(a)において、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、芳香族基であり、L2およびL3は、それぞれ独立に、−O−CO−または−CO−O−基より選ばれる二価の連結基であり、Xは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基またはエチニレン基である。
本明細書において、芳香族基は、アリール基(芳香族性炭化水素基)、置換アリール基、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基を含む。
アリール基および置換アリール基の方が、芳香族性ヘテロ環基および置換芳香族性ヘテロ環基よりも好ましい。芳香族性へテロ環基のヘテロ環は、一般には不飽和である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性へテロ環は一般に最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が好ましく、窒素原子または硫黄原子がさらに好ましい。
芳香族基の芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびピラジン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基のアルキル部分とアルキル基とは、さらに置換基を有していてもよい。アルキル部分およびアルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ基、ニトロ、スルホ、カルバモイル、アルキルカルバモイル基、スルファモイル、アルキルスルファモイル基、ウレイド、アルキルウレイド基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アミド基および非芳香族性複素環基が含まれる。アルキル部分およびアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基およびアルコキシ基が好ましい。
以下に、一般式(a)で表される化合物の具体例を示す。
具体例(2)および(3)は、幾何異性体に加えて光学異性体(合計4種の異性体)を有する。幾何異性体については、同様にトランス型の方がシス型よりも好ましい。光学異性体については、特に優劣はなく、D、Lあるいはラセミ体のいずれでもよい。 具体例(43)〜(45)では、中心のビニレン結合にトランス型とシス型とがある。上記と同様の理由で、トランス型の方がシス型よりも好ましい。
次に本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法について説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムはソルベントキャスト法により製造されるのが好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号及び同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の公報を参考にすることができる。また、前記セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されていてもよい。延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等の公報を参考にすることができる。
共流延法により製造する場合には、先ず、各層用のセルロースアセテート・ドープを調製する。共流延法(重層同時流延)は、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でも良い)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフイルムを成形する流延法である。図1に、共流延ギーサ3を用い、流延用支持体4の上に表層用ドープ1とコア層用ドープ2を3層同時に押出して流延する状態を断面図で示した。
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。またここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することにより、それぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造方法において、セルロースアシレートフィルムは延伸処理される。延伸処理によってさらにセルロースアシレートフィルムに所望のレターデーションを付与することが可能である。セルロースアシレートフィルムの延伸方向は幅方向、長手方向のいずれでも好ましいが、幅方向が特に好ましい。
セルロースアシレートフィルムの製造に係わる、金属支持体上におけるドープの乾燥は、一般的には、金属支持体(ドラム又はベルト)の表面側、つまり金属支持体上にあるウェブの表面から熱風を当てる方法、ドラム又はベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反対側である裏面から接触させて、伝熱によりドラム又はベルトを加熱し表面温度をコントロールする裏面液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。流延される前の金属支持体の表面温度は、ドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよい。しかし乾燥を促進するためには、また金属支持体上での流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より1〜10℃低い温度に設定することが好ましい。なお流延ドープを冷却して乾燥することなく剥ぎ取る場合はこの限りではない。
また、フィルム全層に対する表層の比率は、1〜20%の範囲であることが好ましく、更に1〜15%の範囲が好ましく、特に1〜10%の範囲が好ましい。フィルム表層はフィルムの片側のみにあってもよいがフィルムの両側にあったほうがより好ましい。
フィルム厚さの調整は、所望の厚さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、金属支持体速度等を調節すればよい。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(21)及び数式(22)よりRthを算出することもできる。
数式(21)におけるnxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
Rth(λ)は前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。
式(a1) 20nm≦Re(548)≦200nm
式(a2) 80nm≦Rth(548)≦400nm
式(a1)’ 40nm≦Re(548)≦150nm
式(a2)’ 20nm≦Re(548)≦300nm
また、本発明は、本発明のセルロースアシレートフィルムを有する偏光板にも関する。
偏光板は、偏光子およびその両側に配置された二枚の透明保護膜からなる。一方の保護膜として、本発明のセルロースアシレートフィルムを用いることができる。他方の保護膜は、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよい。偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護膜として用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護膜処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護膜で構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
同じく、実質的に垂直であるとは、本発明のセルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが90±5°以内であることをいい、90±1°以内、好ましくは90±0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°より大きいと、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下して光抜けが生じて好ましくない。
(j)−6.0≦ΔCT≦6.0
(k)−10.0≦ΔP≦0.0
ここで、変化量とは試験後測定値から試験前測定値を差し引いた値である。
この要件を満たすことによって偏光板の使用中あるいは保管中の安定性が確保される。
本発明における偏光板は、ディスプレイの視認性向上のための反射防止フィルム、輝度向上フィルムや、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層等の機能層を有する光学フィルムと複合した機能化偏光板として好ましく使用される。
本発明における偏光板は反射防止フィルムと組み合わせて使用することができる。反射防止フィルムは、フッ素系ポリマー等の低屈折率素材を単層付与しただけの反射率1.5%程度のフィルム、または薄膜の多層干渉を利用した反射率1%以下のフィルムのいずれも使用できる。本発明では、透明支持体上に低屈折率層、および低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、高屈折率層、中屈折率層)を積層した構成が好ましく使用される。また、日東技報,vol.38,No.1,May,2000,26頁〜28頁や特開2002−301783号公報などに記載された反射防止フィルムも好ましく使用できる。
高屈折率層の屈折率>中屈折率層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
前記含シリコーン化合物はポリシロキサン構造を有する化合物が好ましいが、反応性シリコーン(例えば、サイラプレーン(チッソ(株)製)や両末端にシラノール基含有のポリシロキサン(特開平11−258403号公報)等を使用することもできる。シランカップリング剤等の有機金属化合物と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを触媒共存下に縮合反応で硬化させてもよい(特開昭58−142958号公報、同58−147483号公報、同58−147484号公報、特開平9−157582号公報、同11−106704号公報、特開2000−117902号公報、同2001−48590号公報、同2002−53804号公報記載の化合物等)。
低屈折率層には、上記以外の添加剤として充填剤(例えば、二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)等の一次粒子平均径が1〜150nmの低屈折率無機化合物、特開平11−3820号公報の[0020]〜[0038]に記載の有機微粒子等)、シランカップリング剤、滑り剤、界面活性剤等を含有させることも好ましく行うことができる。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
このような超微粒子は、粒子表面を表面処理剤で処理したり(シランカップリング剤等:特開平11−295503号公報、同11−153703号公報、特開2000−9908号公報、アニオン性化合物或は有機金属カップリング剤:特開2001−310432号公報等)、高屈折率粒子をコアとしたコアシェル構造としたり(特開2001−166104号公報等)、特定の分散剤を併用する(例えば、特開平11−153703号公報、米国特許第6,210,858B1明細書、特開2002−2776069号公報等)等の態様で使用することができる。
前記高屈折率層の屈折率は、1.70〜2.20であることが好ましい。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましい。
前記中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
本発明における偏光板は、輝度向上フィルムと組み合わせて使用することができる。輝度向上フィルムは、円偏光もしくは直線偏光の分離機能を有しており、偏光板とバックライトとの間に配置され、一方の円偏光もしくは直線偏光をバックライト側に後方反射もしくは後方散乱する。バックライト部からの再反射光は、部分的に偏光状態を変化させ、輝度向上フィルムおよび偏光板に再入射する際、部分的に透過するため、この過程を繰り返すことにより光利用率が向上し、正面輝度が1.4倍程度に向上する。輝度向上フィルムとしては異方性反射方式および異方性散乱方式が知られており、いずれも本発明における偏光板と組み合わせることができる。
本発明における偏光板は、さらに、ハードコート層、前方散乱層、アンチグレア(防眩)層、ガスバリア層、滑り層、帯電防止層、下塗り層や保護層等を設けた機能性光学フィルムと組み合わせて使用することも好ましい。また、これらの機能層は、前述の反射防止フィルムにおける反射防止層、あるいは光学異方性層等と同一層内で相互に複合して使用することも好ましい。これらの機能層は、偏光子側および偏光子と反対面(より空気側の面)のどちらか片面、または両面に設けて使用できる。
本発明における偏光板は耐擦傷性等の力学的強度を付与するため、ハードコート層を透明支持体の表面に設けた機能性光学フィルムと組み合わせることが好ましく行われる。ハードコート層を、前述の反射防止フィルムに適用して用いる場合は、特に、透明支持体と高屈折率層の間に設けることが好ましい。
前記ハードコート層は、光および/または熱による硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応により形成されることが好ましい。ハードコート層の具体的な構成組成物としては、例えば、特開2002−144913号公報、同2000−9908号公報、国際公開第00/46617号パンフレット等記載のものを好ましく使用することができる。
ハードコート層の膜厚は、0.2μm〜100μmであることが好ましい。
ハードコート層の強度は、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
前方散乱層は、本発明における偏光板を液晶表示装置に適用した際の、上下左右方向の視野角特性(色相と輝度分布)改良するために使用される。本発明では、前方散乱層は屈折率の異なる微粒子をバインダー分散した構成が好ましく、例えば、前方散乱係数を特定化した特開11−38208号公報、透明樹脂と微粒子との相対屈折率を特定範囲とした特開2000−199809号公報、ヘイズ値を40%以上と規定した特開2002−107512号公報等の構成を使用することができる。また、本発明における偏光板をヘイズの視野角特性を制御するため、住友化学(株)の技術レポート「光機能性フィルム」31頁〜39頁に記載された「ルミスティ」と組み合わせて使用することも好ましく行うことができる。
アンチグレア(防眩)層は、反射光を散乱させ映り込みを防止するために使用される。アンチグレア機能は、液晶表示装置の最表面(表示側)に凹凸を形成することにより得られる。アンチグレア機能を有する光学フィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
フィルム表面に凹凸を形成する方法は、例えば、微粒子を添加して膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号公報等)、比較的大きな粒子(粒子サイズ0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成する方法(例えば、特開2000−281410号公報、同2000−95893号公報、同2001−100004号公報、同2001−281407号公報等)、フィルム表面に物理的に凹凸形状を転写する方法(例えば、エンボス加工方法として、特開昭63−278839号公報、特開平11−183710号公報、特開2000−275401号公報等記載)等を好ましく使用することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルム、該フィルムを用いた偏光板は、様々な表示モードの液晶セル、液晶表示装置に用いることができる。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(シャープ技報第80号11頁)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(月刊ディスプレイ5月号14頁(1999年))が含まれる。
紫外線吸収ポリマーP1〜P3の合成
特開2007−41280号公報の段落170から段落177の方法により下記の繰り返し単位を含む紫外線吸収ポリマーP1〜P3(モノマー:例示化合物MUV−19)、を合成した。
(セルロースアシレート溶液Aの調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
・セルロースアセテート(置換度2.84) 100.0質量部
・可塑剤A:D-(+)サッカロースオクタアセテート 4.0質量部
(東京化成製)
・メチレンクロライド 366.5質量部
・メタノール 54.8質量部
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、添加剤溶液を調製した。
・レターデーション発現剤(104) 11.0質量部
・棒状化合物(8) 9.0質量部
・メチレンクロライド 58.5質量部
・メタノール 8.7質量部
・セルロースアシレート溶液A 12.8質量部
レターデーション発現剤溶液Aを8.0質量部とをそれぞれ濾過後にインラインミキサーを用いて混合し、さらにセルロースアシレート溶液Aを92.0質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、基層用ドープを作製した。
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
・セルロースアシレート(置換度2.84) 100.0質量部
・可塑剤A:D-(+)サッカロースオクタアセテート 4.0質量部
(東京化成製)
・紫外線吸収ポリマー P1 6.0質量部
・メチレンクロライド 366.5質量部
・メタノール 54.8質量部
(マット剤溶液Bの調製)
下記の組成物を分散機に投入し、撹拌して各成分を溶解し、マット剤溶液Bを調製した。
・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子 2.0質量部
“AEROSIL R972”日本アエロジル(株)製
・メチレンクロリド 76.3質量部
・メタノール 11.4質量部
・セルロースアシレート溶液B 10.3質量部
(表層用ドープ101の調製)
上記マット剤溶液Bを1.3質量部とセルロースアシレート溶液Bを98.7質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、表層用ドープを作製した。
上述の表層用ドープ101および基層用ト゛ーフ゜101をバンド流延機を用いて、共流延法で流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、150℃の条件でテンターを用いて延伸倍率30%で横延伸した後にクリップを外して135℃で20分間乾燥させ、延伸後の膜厚が基層が50μm、支持体面側の表層(以下表層1)および空気側の表層(以下表層2)がそれぞれ2.5μmになるように、セルロースアシレートフィルム101を作製した。それぞれの組成は表1に示した。
(セルロースアシレートフィルム試料102の作製)
(基層用ドープ102の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
・セルロースアセテート(置換度2.78) 100.0質量部
・トリフェニルフォスフェート 8.0質量部
・レターデーション発現剤(I−2) 10.0質量部
・メチレンクロライド 366.5質量部
・メタノール 54.8質量部
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
・セルロースアシレート(置換度2.78) 100.0質量部
・トリフェニルフォスフェート 8.0質量部
・紫外線吸収ポリマーP1 7.0質量部
・メチレンクロライド 366.5質量部
・メタノール 54.8質量部
下記の組成物を分散機に投入し、撹拌して各成分を溶解し、マット剤溶液Bを調製した。
・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子 2.0質量部
“AEROSIL R972”日本アエロジル(株)製
・メチレンクロリド 76.3質量部
・メタノール 11.4質量部
・セルロースアシレート溶液C 10.3質量部
上記マット剤溶液Cを1.3質量部とセルロースアシレート溶液Cを98.7質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、表層用ドープ102を作製した。
上述の表層用ドープ102および基層用ドープ102をバンド流延機を用いて、共流延法で流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、140℃の条件でテンターを用いて延伸倍率25%で横延伸した後にクリップを外して135℃で20分間乾燥させ、延伸後の膜厚が基層が60μm、支持体面側の表層(以下表層1)および空気側の表層(以下表層2)がそれぞれ3μmになるように、セルロースアシレートフィルム102を作製した。それぞれの組成は表1に示した。
(セルロースアシレートフィルム試料103の作製)
(基層用ドープ103の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液を調製した。
・セルロースアセテートプロピオネート
(アセチル置換度1.50、プロピル置換度0.90) 100.0質量部
・可塑剤C 9.0質量部
・メチレンクロライド 366.5質量部
・メタノール 54.8質量部
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
・セルロースアセテートプロピオネート
(アセチル置換度1.50、プロピル置換度0.90) 100.0質量部
・可塑剤C:D-(+)−サッカロースオクタベンゾエート 9.0質量部
・紫外線吸収ポリマー P1 8.0質量部
・メチレンクロライド 366.5質量部
・メタノール 54.8質量部
下記の組成物を分散機に投入し、撹拌して各成分を溶解し、マット剤溶液Dを調製した。
・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子 2.0質量部
“AEROSIL R972”日本アエロジル(株)製
・メチレンクロリド 76.3質量部
・メタノール 11.4質量部
・セルロースアシレート溶液D 10.3質量部
上記マット剤溶液Dを1.3質量部とセルロースアシレート溶液Dを98.7質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、表層用ドープを作製した。
上述の表層用ドープ103および基層用ドープ103をバンド流延機を用いて、共流延法で流延した。得られたウェブをバンドから剥離し、140℃の条件でテンターを用いて延伸倍率37%で横延伸した後にクリップを外して125℃で20分間乾燥させ、延伸後の基層の膜厚が45μm、支持体面側の表層(以下表層1)および空気側の表層(以下表層2)の膜厚がそれぞれ3μmになるように、セルロースアシレートフィルム103を作製した。それぞれの組成は表1に示した。
(セルロースアシレートフィルム試料104〜105の作製)
実施例1において表層に添加する紫外線吸収ポリマーの種類および添加量を表1の量に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明のセルロースアシレートフィルム104〜105を作製した。
セルロースアシレートフィルム103において、表層および基層に添加する紫外線吸収ポリマーの添加量を表1の量に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例のセルロースアシレートフィルム108及び109を作製した。
セルロースアシレートフィルム101において、表層および基層に添加する紫外線吸収ポリマーの添加量を表1の量に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例のセルロースアシレートフィルム201および202を作製した。
セルロースアシレートフィルム102において、表層および基層に添加する紫外線吸収ポリマーの添加量およびレターデーション発現剤の種類および添加量を表1の量に変更した以外は実施例2と同様にして、比較例のセルロースアシレートフィルム203〜205を作製した。
可塑剤B:トリフェニルフォスフェート
可塑剤C:D-(+)−サッカロースオクタベンゾエート
前述の方法により自動複屈折計KOBRA−WR(王子計測器(株)製)を用いて波長446nm、548nm、628nmにおいて3次元複屈折測定を行い、面内のレターデーションReおよび傾斜角を変えてReを測定することで得られる膜厚方向のレターデーションRthを求めた。表2に、各波長におけるRe及びRthをそれぞれ示す。
1m×1mにセルロースアシレートフィルムを切り出し、セルロースアシレート表面のブリードアウトを目視で以下の基準により評価した。
○:ブリードアウトなし
△:ブリードアウトの発生した面積が20%未満
×:ブリードアウトの発生した面積が20%以上
(株)スガ試験機社製スーパーキセノンウェザーメーターSX75で、60℃50%RHの環境下に200時間光を照射した後のフィルムのステインを目視で以下の基準により評価した。
○:着色なし
×:黄色に着色
特に実施例101と比較例202の比較においては、紫外線吸収ポリマーを表層に添加した方が内層に添加した場合に比べ、高レターデーションが発現し好ましいことがわかる。
〔セルロースアシレートフィルム301の作製〕
(セルロースアシレート溶液Dの調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液51を調製した。
セルロースアシレート溶液51組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.81、平均重合度360のセルロースアセテート
100.0質量部
トリフェニルフォスフェート 7.0質量部
ビフェニルフォスフェート 4.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 402.0質量部
メタノール(第2溶媒) 60.0質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物を分散機に投入し、撹拌して各成分を溶解し、マット剤溶液52を調製した。
マット剤溶液52組成
――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 75.0質量部
メタノール(第2溶媒) 12.7質量部
セルロースアシレート溶液51 10.3質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら撹拌して、各成分を溶解し、波長分散制御剤溶液を調製した。
レターデーション発現剤溶液53組成
―――――――――――――――――――――――――――――――
レターデーション発現剤(I−2) 20.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 58.4質量部
メタノール(第2溶媒) 8.7質量部
セルロースアシレート溶液51 12.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――
上記で作製した各セルロースアシレートフィルム試料101の表面をアルカリ鹸化処理した。1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に55℃で2分間浸漬し、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、前記のアルカリ鹸化処理した各ポリマーフィルムと、同様のアルカリ鹸化処理したフジタックTD80UL(富士写真フイルム社製)を用意し、これらの鹸化した面が偏光膜側となるようにして偏光膜を間に挟んで貼り合わせ、各セルロースアシレートフィルム試料101とTD80ULが偏光膜の保護フィルムとなっている偏光板101を得た。この際、セルロースアシレートフィルム試料101のMD方向およびTD80ULの遅相軸が、偏光膜の吸収軸と平行になるように貼り付けた。
偏光板101の作製において、セルロースアシレートフィルム試料101をセルロースアシレートフィルム試料102〜109、201〜205、301に変えた以外は偏光板101の作製と同様にして、偏光板102〜109、偏光板201〜205、および偏光板301を作製した。
偏光板101の作製において、セルロースアシレートフィルム試料101をフジタックTD80UL(富士写真フイルム社製)に変えた以外は偏光板101の作製と同様にして、偏光板401を作製した。
図3の構成において、32(バックライト側偏光板)および30(視認者側偏光板)を表3に示す組み合わせとして、液晶表示装置A〜Nをそれぞれ作製した。VA液晶セルはVAモードの液晶TV(Bravia J5000、SONY(株)製)の表裏の偏光板および位相差板を剥して用いた。
(パネルの色味視野角評価)
上記作製方法のようにして作製したVAモードの液晶表示装置AからNについて、図3中の偏光板32側にバックライトを設置し、各々について測定機(EZ−Contrast XL88、ELDIM社製)を用いて、暗室内で黒表示および白表示の輝度を測定し、黒表示におけるコントラスト比を算出した。
白表示の輝度/黒表示の輝度から正面コントラストを算出し、以下の基準で評価した。
○:正面コントラストが2000以上
△:正面コントラストが1000以上2000未満
×:正面コントラストが1000未満
黒表示において、液晶セルの法線方向から一対の偏光板の透過軸の中心線方向(方位角45度)に極角60度における白表示の輝度/黒表示の輝度から斜めコントラストを算出し、以下の基準で評価した。
結果を以下の基準で評価した。
○:斜めコントラストが85以上
△:斜めコントラストが70以上85未満
×:斜めコントラストが70未満
2: コア層用ドープ
3: 共流延ギーサ
4: 流延用支持体
6: 上偏光板
7: 上偏光板吸収軸
8: 上光学異方性層
9: 上光学異方性層配向制御方向
10:液晶セル上電極基板
11:上基板配向制御方向
12:液晶分子
13:液晶セル下電極基板
14:下基板配向制御方向
15:下光学異方性層
16:下光学異方性層配向制御方向
17:下偏光板
18:下偏光板吸収軸
30:上側偏光板
31:VAモード液晶セル
32:下側偏光板
33:セルロースアシレートフィルム
34:偏光子
Claims (6)
- 基層と基層に積層された表層を有し、表層に分子量が2000以上の紫外線吸収ポリマーを含有するセルロースアシレートフィルム。
- 表層における前記紫外線吸収ポリマーの濃度が3質量%以上15質量%以下である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 基層にオクタノール/水分配係数が7.0以上で分子量2000以下の疎水化剤を含有する請求項1又は2に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを含む位相差膜。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを有する偏光板。
- 一対の第1及び第2の偏光子と、該一対の偏光子の間に配置された液晶セルと、前記第1の偏光子と前記液晶セルとの間に、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムと、を有する液晶表示装置。
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