JP2010025758A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特殊染色を施すことなく、特定組織を他の組織と区別可能にする。
【解決手段】例えば弾性繊維は、細かい繊維の集合からなり、帯状や束状になっているとされており、要因は不明であるが、このような形態的特徴によって、弾性繊維または該弾性繊維に隣接する領域においては、ある条件下では、減衰することなく、逆に光強度が増加するという現象が実験的に確認されたものである。そこで、弾性繊維が有する光学的特徴に基づき、透過観察系で照明光のみを撮影した照明光画像とH&E染色標本画像を取得し、取得したH&E染色標本画像の各画像位置のうちで照明光画像と比較し光強度が増加している領域を抽出し、または、表示することで、特殊染色を施すことなく、特定組織を他の組織と区別できるようにした。
【選択図】 図1−2

Description

本発明は、例えば色素によって染色された生体の病理標本画像に対する画像処理装置および画像処理方法に関するものである。
生体組織標本、特に病理標本では、臓器摘出によって得たブロック標本や針生検によって得た標本を数μm程度に薄切りした後、様々な所見を得るために顕微鏡を用いて拡大観察することが広く行われている。中でも、光学顕微鏡を用いた透過観察は、機材が比較的安価で取り扱いが容易である上、歴史的に古くから行われてきたこともあって、最も普及している観察方法の一つである。この場合、薄切りされた生体標本は、光をほとんど吸収および散乱せず、無色透明に近いため、観察に先立って色素による染色を施すのが一般的である。
染色手法としては種々のものが提案されており、その総数は100種類以上にも達するが、特に病理標本に関しては、色素として青紫色のヘマトキシリンと赤色のエオジンとの2つを用いるヘマトキシリン−エオジン染色(以下、“H&E染色”という)が標準的に用いられている。
H&E染色された病理標本に対して、癌かどうか、癌の場合にはその悪性度はどのレベルかが主な診断項目となる。ここで、癌の悪性度は、大きさや深さ、血管やリンパ管への浸潤の有無を確認する必要がある。特に、血管やリンパ管への浸潤の有無は、他臓器への転移の有無を診断する指標であり、治療方法の選択に大きく影響する。
ところが、血管やリンパ管は、正常な組織状態では、形態的に位置を特定できるが、癌が進行すると組織の形態が崩れ、その視認が難しくなってしまう。このため、H&E染色では視認が難しい血管壁を構成する組織(弾性繊維)に対して特殊な染色を施すことで、色を変えて視覚的に強調する手法が臨床的に行われている。
特開2006−153742号公報
しかしながら、特殊染色を施す手法の場合、臨床現場でのコストや作業工程を増加させてしまうという問題がある。
このため、実際に特殊染色を施すことなく、画像処理によって特定組織を抽出しようとする試みが提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、H&E染色標本内の組織(細胞核、細胞質、間質、空孔)の色情報(色相、彩度、明度)や平均輝度に基づいて各組織の特徴量を決定し、細胞分類に用いる分類テーブルを作成するようにしている。
つまり、特許文献1では、色情報や平均輝度値を特徴量としている。しかし、H&E染色標本において弾性繊維のように周囲組織と比較して色や輝度の違いが分かりにくい組織を抽出する場合には、抽出が困難であり、結局は、特殊染色を施さざるを得ない場合も多い。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、特殊染色を施すことなく、特定組織を他の組織と区別可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像処理装置は、照明光を用いた透過観察系で観察対象物を撮影した観察対象画像を取得する画像取得手段と、該取得した観察対象画像内の位置で、前記照明光を撮影した場合よりも光強度が増加している領域を抽出対象の領域として抽出する抽出手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる画像処理装置は、照明光を用いた透過観察系で観察対象物を撮影した観察対象画像を取得する画像取得手段と、該取得した観察対象画像内の位置で、前記照明光を撮影した場合よりも光強度が増加している領域を抽出対象の領域として表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる画像処理方法は、照明光を用いた透過観察系で観察対象物を撮影した観察対象画像を取得する画像取得工程と、該取得した観察対象画像内の位置で、前記照明光を撮影した場合よりも光強度が増加している領域を抽出対象の領域として抽出する抽出工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる画像処理方法は、照明光を用いた透過観察系で観察対象物を撮影した観察対象画像を取得する画像取得工程と、該取得した観察対象画像内の位置で、前記照明光を撮影した場合よりも光強度が増加している領域を抽出対象の領域として表示する表示工程と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる画像処理装置および画像処理方法によれば、観察対象物が有する光学的特徴を利用することで、画像処理によって、観察対象物を他の組織と区別することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態である画像処理装置および画像処理方法について説明する。本発明は、実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。
まず、図1−1および図1−2を参照して、従来方式と対比して、本実施の形態の概要について説明する。図1−1は、従来の特殊染色方式の画像例を示す説明図である。図1−1中に示すH&E染色画像は、癌の進行に伴う形状変化を生じた弾性繊維を含む画像例を示すものである。H&E染色画像では、弾性繊維を視認しにくいため、従来は、図1−1中の特殊染色画像に示すように、特殊染色を施すことで、弾性繊維を構造が不明瞭であっても視認できるように可視化しているものである。中央部の白っぽい領域周りのギザギザ状の黒い部分が弾性繊維として可視化されている。
これに対して、本実施の形態では、弾性繊維の形態的特徴を利用するようにしたものである。一般に、光が半透明物質を透過する場合、物質の固有値とその厚さに基づいて減衰する(Lambert-Beerの法則)。すなわち、染色標本を透過する光は、染色された標本に含まれる色素によって減衰する。したがって、本来、染色標本画像において光強度が増加する現象は、撮影条件などによるノイズであると見なされる。しかしながら、弾性繊維または該弾性繊維に隣接する領域においては、ある条件下では、減衰することなく、逆に光強度が増加するという特異な現象(光学的特徴)が実験的に確認された。このような特異な現象が生じる要因は必ずしも明らかではないが、観察対象物の形態的特徴が要因として考えられる。例えば、観察対象物である特定の組織(例えば弾性繊維)は、細かい繊維の集合からなり、帯状や束状になっているとされている。このような形態的特徴によって、上述のような特異な現象が生じるものと考えられる。
そこで、観察対象物(本実施の形態では弾性繊維のような特定組織)が有する形態的特徴ないし光学的特徴に基づき、図1−2中に示すように、透過観察系で照明光を主に撮影した画像(H&E染色された染色標本を載置するスライドガラスの画像)とH&E染色画像とを取得し、照明光画像とH&E染色画像との比較により各画像位置での光強度比をとり、一般にはノイズと考えられている光強度が増加している領域を光強度増加領域画像として抽出または表示するようにしたものである。図1−2中の、右側の画像例は、差分をとることにより抽出された光強度増加領域を示す画像例であり、白っぽい部分が光強度の増加した弾性繊維または弾性繊維に隣接する狭い領域を示している。このように、弾性繊維が有する形態的特徴光学的特徴を利用することで、特殊染色を施すことなく、弾性繊維を他の組織と明確に区別し得るものとなる。
図2は、本実施の形態の画像処理方法を実施する画像処理装置の構成例を示す概略ブロック図である。本実施の形態の画像処理装置は、H&E染色された病理染色標本を観察対象とする光学顕微鏡に搭載された画像処理装置であり、画像処理部100と操作部109とメモリ110と制御部111とを備える。
画像処理部100は、画像撮像部101と対象領域抽出部102と光強度比算出部103と焦点位置決定部104と光強度増加領域作成部105と光強度比閾値処理部106と重畳画像作成部107と表示部108とを備える。ここで、各部の概略機能について説明する。画像撮像部101は、H&E染色された染色標本の画像と標本組織が存在していないスライドガラスのみの部分(以下、単にガラスという)の画像(照明光のみを撮影したガラス画像)とを撮像し、染色標本画像やガラス画像を取得するためのものである。対象領域抽出部102は、ガラス画像と染色標本画像とから処理対象領域を抽出するためのものである。光強度比算出部103は、ガラス画像と染色標本画像の対応する各画像位置における光強度比を算出するためのものである。焦点位置決定部104は、変化させた複数の焦点位置から最適な焦点位置を決定するためのものである。光強度増加領域画像作成部105は、決定された最適な焦点位置において光強度が増加している領域を選択し、画像化する処理を行うためのものである。光強度比閾値処理部106は、算出された光強度に対して閾値処理を行い、最適な光強度増加領域を抽出するためのものである。重畳画像作成部107は、光強度増加領域と判定された位置と染色標本画像の位置とを対応付けて重畳画像を作成するためのものである。表示部106は、画像、その他の各種情報を表示するためのものであり、LCD,ELD等のフラットパネルディスプレイ或いはCRTディスプレイからなる。
メモリ109は、ガラス画像、染色標本画像や処理後のデータなど、各種データを一時的或いは永続的に記憶する。制御部111は、全体を統括的に制御するためのものである。操作部109は、各種処理に関する指示処理等を行うためのものである。
以下、各部の機能等について、詳細に説明する。まず、画像撮像部101は、16枚のバンドパスフィルタをフィルタホイールで回転させて切り替えながら、面順次方式でマルチバンド画像を撮像する。このような撮像方式は、例えば、特開平7−120324号公報等で開示され、広く知られている。これにより、標本の各点に対して16バンドの画素値を有するマルチバンド画像が得られる。各バンドの画素値は、波長帯域λにおける光の強度に該当する。
ここで、本来、色素は、観察対象となる染色標本内に3次元的に分布しているが、通常の透過観察系ではそのまま3次元像として捉えることはできず、染色標本内を透過した照明光をカメラの撮像素子上に投影した2次元像として観察される。したがって、ここでいう「標本の各点」とは、投影された撮像素子の各画素に対応する染色標本上の点を表し、染色標本上の点xは、マルチバンド画像上の位置xに対応しているものとする。
なお、画像撮像部101は、ガラス画像と染色標本画像の各画像位置における光強度の情報を取得できればよく、グレースケール画像やRGBカラー画像が得られる撮像系であってもよい。以下、本実施の形態では、染色標本画像は16バンドのマルチバンド画像を示すものとする。
ついで、画像撮像部101において、染色標本およびガラスを撮影する方法について図3−1〜図3−4を参照して説明する。本実施の形態では染色標本は複数の焦点位置で撮影するものとする。まず、図3−1に示すように、染色標本が載置されたガラスに対して、光学系121の染色標本に対する合焦点を探索し、この位置で染色標本を撮像し、染色標本画像を取得する。この際、染色標本内の弾性繊維以外の組織、例えば細胞核や赤血球などにピントが合う位置を合焦点とし、同一焦点位置でガラスのみの部分も撮影し、ガラス画像を取得する。ガラス画像は同一照明条件のもとに予め撮影したものを使用してもよい。また、同一照明条件のもとに予め撮影されたガラス画像から、ガラス画像が取り得る画素値を予め設定し、その画素値を持つガラス画像をモデルとして保持し、以降の処理で用いてもよい。さらに照明条件が異なる場合でも、ガラス画像と染色標本画像を正規化して用いればよい。
つぎに、図3−2に示すように、合焦点から距離αだけ染色標本に近づけた焦点位置で染色標本を撮像し、染色標本画像を取得する。さらに、図3−3に示すように、合焦点から距離βだけ染色標本に近づけた焦点位置で染色標本を撮像し、染色標本画像を取得する。そして、図3−4に示すように、合焦点から距離γだけ染色標本から遠ざけた焦点位置で染色標本を撮像し、染色標本画像を取得する。このようにして、焦点位置を所定数N回(合焦点は含まない)変更して、撮像を繰り返す。撮像された画像は、メモリ110に記憶される。所定数Nは、1以上、すなわち、合焦点から1回以上焦点をずらすものとする。所定数Nは、予め設定しておいてもよく、1回以上N回以内として、任意に変更可能としてもよい。
対象領域抽出部102は、ガラス画像および染色標本画像から処理の対象とならない領域、すなわち、背景領域や背景領域との境界部分を除く処理を行う。ここで、背景領域との境界部分は、ガラスと組織との境目に相当し、光の入射角と組織の厚みの影響で、光強度が増加する増加的干渉が起こる可能性がある。そこで、本実施の形態では、弾性繊維等と区別するために、背景領域との境界部分は、仮に光強度が増加していたとしても対象領域からは除外する。この処理は、後述の光強度増加領域を抽出した後に行うようにしてもよい。
以下、背景領域および背景領域の抽出方法について説明する。まず、染色標本画像をグレースケール画像に変換し、各画像位置の画素値に対して閾値処理を施すことにより背景領域を抽出する。背景領域は、ガラスに該当し、周囲の組織領域と比較して高輝度領域として区別できるため、グレースケール画像の画素値に対して閾値処理を施すことによって、背景領域を大まかに抽出することができる。ここで、閾値Thは、画素値のヒストグラムに基づいて自動的に決定することも可能である。例えば、グレースケール画像の画素平均をGmean、標準偏差をGstdとした場合、閾値Thは、
Th=Gmean + Gstd
として算出される。そして、閾値Thより大きな画素値を持つ画像位置を背景領域として抽出する。また、ガラス画像の画素値に基づいて背景領域を特定してもよい。例えば、ガラス画像をグレースケール画像に変換し、各画像位置の画素値に対して差分が所定範囲内にある画素を背景領域とみなしてもよい。
このようにして抽出された背景領域とその他の領域とを区別するために、指標を付与する。この指標を、対象領域ラベルと称する。前述のグレースケール画像の背景領域に対応する染色標本画像の画像位置には処理対象外を意味する対象領域ラベルS、その他の領域に対応する染色標本画像の画像位置には対象領域ラベルSを付与する。さらに、対象領域ラベルS,Sに基づいて、2値画像として表示部108に表示させることもできる。この際、表示部108に表示させた2値画像を観察しながら、操作部109によって閾値を直接設定するようにしてもよい。
つづいて、抽出された背景領域との境界となる画像位置を求める。これは、前述の2値画像からエッジを抽出すればよく、その方法としては、一般に知られたエッジ抽出フィルタ(例えば、ソーベルフィルタ)などを用いればよい。このように抽出された2値画像における背景領域との境界位置に対応する染色標本画像の画像位置には、背景領域と同じく、対象領域ラベルSを付与し、処理対象外として区別する。各画像位置に付与された対象領域ラベルSまたはSの情報は、メモリ110に記憶される。以下の処理では、対象領域ラベルSを持つ画像位置を処理対象とする。
まず、光強度比算出部103は、画像撮像部101で撮像した所定回数N回(合焦点を含まない)の焦点位置における染色標本画像およびガラス画像から、対象領域ラベルSを持つ画像位置の光強度比を算出する。ここで、画像位置P(x,y)における焦点位置j(j=1,2,3,…,N)の染色標本画像とガラス画像の光強度をそれぞれIi,j(x,y),Wi,j(x,y)とすると、光強度比Ri,j(x,y)は、
i,j(x,y)=Ii,j(x,y) / Wi,j(x,y)
として算出される。なお、添え字i(i=1,2,3,…,16)は、バンド番号を示している。
ここで、弾性繊維を含む或る染色標本画像の画像位置P(x,y)における光強度グラフおよび光強度比グラフを図4および図5に示す。図4は、バンド毎のガラス画像と染色標本画像のそれぞれの光強度(明るさ)を示すグラフであり、図5は、図4に示した結果を比率に換算して示すグラフである。本実施の形態では、光強度比が1.0以上の領域、すなわち、染色標本画像のうちでガラス画像と比較して光強度が増加している領域を抽出するものである。光強度が増加する領域は、弾性繊維または弾性繊維に隣接する狭い領域が該当する。
図6および図7は、図4および図5のうち、光強度比が1.0以上となる13〜16バンドにおける光強度グラフと光強度比グラフとを抽出し拡大して示すものである。この13〜16バンドは、波長630nm〜780nmの波長帯域の照明光により撮像された画像例に相当し、経験的に、光強度比が1.0以上になることが多いことが確認されている。よって、光強度の増加現象が生じやすい複数の特定波長帯域に絞って光強度比を算出することで、光強度が増加する領域を抽出するようにしてもよい。
ここで、光強度比が1.0より小さい画像位置の対象領域ラベルをSからSへ変更し、処理対象領域から除外する。このとき、対象領域ラベルSを持つ画像位置が、光強度の増加領域となる。各画像位置のバンド毎の光強度比、対象領域ラベル情報は、メモリ110に記憶される。
ついで、焦点位置決定部104は、各焦点位置について各画像位置の光強度比から最適な焦点位置を決定する。まず、染色標本画像内の対象領域ラベルSを持つ画像位置について、焦点位置j(j=1,2,3,…,N)における光強度比の平均Ei,jを求める。対象領域ラベルSを持つ画像位置の数をCount、対象領域ラベルSを持つ画像位置P(x,y)の光強度比の総和をΣRi,j(x,y)とすると、光強度比の平均Ei,jは、
i,j=ΣRi,j(x,y) /Count
により算出される。なお、添え字i(i=1,2,3,…,16)は、バンド番号を示している。そこで、光強度比の平均Ei,jが最大となる焦点位置kを最適焦点位置として決定する。このように、複数の焦点位置で対象画像を取得し、最終的に、最適焦点位置を決定することで、最も光強度増加が顕著に表れる画像によって、より最適な光強度増加領域を抽出することが可能となる。
図8は、合焦点、所定回数N回の焦点位置および焦点位置決定部104で決定した最適焦点位置kの例を示す説明図である。決定された最適焦点位置kの情報は、メモリ110に記憶される。
つづいて、光強度増加領域作成部105は、焦点位置決定部104で決定した最適焦点位置kの対象領域ラベルS,Sに基づいて、光強度増加領域の画像を作成する。図9に、光強度増加領域とそれ以外の領域とを2値画像化(光強度増加領域:白、それ以外の領域:黒)して作成された光強度増加領域画像Uの例を示す。光強度増加領域画像Uの情報は、メモリ110に記憶される一方、必要に応じて表示部108に送られ表示に供される。
さらに、光強度閾値処理部106は、対象領域ラベルSを持つ画像位置の光強度に対して、ガラス画像の光強度に基づいて閾値処理を施すことにより、より最適な光強度増加領域を抽出する。
最適焦点位置k、画像位置P(x,y)におけるガラス画像の光強度Wi,k(x,y)に対する画像全体の光強度の標準偏差をWstdとすると、強度閾値Thは、
Th =Wstd/2
となるように決定する。
そして、画像位置P(x,y)における染色標本画像の光強度Ii,k(x,y)とガラス画像の光強度Wi,k(x,y)との差分Δ=Ii,k(x,y)−Wi,k(x,y)が強度閾値Thよりも大きい場合のみ、光強度増加領域に該当する画像位置とする。
一方、強度閾値Th以下の画像位置の対象領域ラベルをSからSへ変更する。後述するように、強度閾値Thは、事前に作成された光強度増加領域画像Uを表示部108で確認しながら、操作部109から直接設定するようにしてもよい。更新された対象領域ラベルS,Sに基づいて、光強度増加領域作成部105において光強度増加領域画像Uが作成される。図10は、光強度増加領域画像Uの画像例を示す説明図である。光強度増加領域画像Uの情報は、メモリ110に記憶される一方、必要に応じて表示部108に送られ表示に供される。
このようにして染色標本画像の各画像位置における対象領域ラベルが決定すると、弾性繊維の位置情報を提供することができる。すなわち、光強度増加領域が弾性繊維に該当する場合には、直接、その画像位置が当てはまる。また、弾性繊維に隣接する狭い領域が該当する場合には、対象領域ラベルSに囲まれている領域を弾性繊維と見なすことができる。これは、後述するような画像化による呈示の他に、例えば、その領域の持つ特徴量を新たに算出することも可能となる。
さらに、重畳画像作成部107は、メモリ110に記憶されている合焦点における染色標本画像と光強度増加領域画像Uとから重畳画像を作成し、作成した重畳画像の情報を表示部108へ送る。すなわち、染色標本画像上に光強度増加領域画像Uを重畳させて表示させる。図11は、重畳画像の表示例を示す説明図である。これによれば、特殊染色方式の場合と同様に、弾性繊維の位置を視認可能とした画像を呈示することができる。
表示部108は、前述したように、メモリ110に記憶されている各焦点位置(合焦点を含む所定回数N+1分)での染色標本画像や、光強度増加領域画像U,Uや、重畳画像を表示する。さらには、各画像位置の光強度グラフ、光強度比グラフを表示させることもできる。ここで、複数の画像やグラフがメモリ110に記憶されている場合には、表示する画像やグラフを、操作部109を通じてユーザが選択できるようにしてもよい。
操作部109は、ユーザに対し、光強度閾値処理部106における強度閾値Thを指定する機能を提供する。すなわち、ユーザは、表示部108に表示された光強度増加領域画像Uを観察することで、マウスなどを用いて光強度グラフに基づき任意の閾値を指定することを可能とする。また、対象領域抽出部102に対して背景領域の境界位置を直接指定する機能も提供している。さらには、操作部109の操作によって、表示可能な画像全てを表示させたり、表示画像を選択することも可能である。
従来の特殊染色方式の画像例を示す説明図である。 本発明の弾性繊維の抽出処理の画像例の概要を示す説明図である。 本発明の実施の形態の画像処理装置の構成例を示す概略ブロック図である。 複数の焦点位置で染色標本およびガラスを撮影する方法を示す説明図である。 複数の焦点位置で染色標本およびガラスを撮影する方法を示す説明図である。 複数の焦点位置で染色標本およびガラスを撮影する方法を示す説明図である。 複数の焦点位置で染色標本およびガラスを撮影する方法を示す説明図である。 バンド毎のガラス画像と染色標本画像のそれぞれの光強度(明るさ)を示すグラフである。 図4に示した結果を比率に換算して示すグラフである。 13〜16バンドのガラス画像と染色標本画像のそれぞれの光強度(明るさ)を抽出し拡大して示すグラフである。 図6に示した結果を比率に換算し拡大して示すグラフである。 合焦点、所定回数N回の焦点位置および決定した最適焦点位置kの例を示す説明図である。 2値画像化して作成された光強度増加領域画像Uの画像例を示す説明図である。 光強度増加領域画像Uの画像例を示す説明図である。 重畳画像の表示例を示す説明図である。
符号の説明
101 画像撮像部
102 対象領域抽出部
103 光強度比算出部
104 焦点位置決定部
105 光強度増加領域画像作成部
106 光強度比閾値処理部
107 重畳画像作成部
108 表示部

Claims (16)

  1. 照明光を用いた透過観察系で観察対象物を撮影した観察対象画像を取得する画像取得手段と、
    該取得した観察対象画像内の位置で、前記照明光を撮影した場合よりも光強度が増加している領域を抽出対象の領域として抽出する抽出手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記抽出手段は、前記観察対象画像内の位置で、前記照明光を撮影した場合の画素値に相当する画素値よりも大きな値に相当する画素値を示す領域を前記抽出対象の領域として抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像取得手段は、前記照明光を撮影した照明光画像を取得し、
    前記抽出手段は、前記観察対象画像と前記照明光画像とを比較して、前記観察対象画像内の位置で前記照明光画像の画素値よりも大きな値を示す領域を抽出することで、前記抽出対象の領域を抽出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像取得手段は、前記照明光を撮影した照明光画像を取得し、
    前記抽出手段は、前記照明光画像と前記観察対象画像の各画像位置におる光強度比に基づいて、前記抽出対象の領域を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記抽出手段は、前記光強度比が、所定の閾値より大きい領域を前記抽出対象の領域として抽出することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記抽出手段は、前記観察対象画像内の所定の高輝度領域と当該高輝度領域の境界部分の領域とを除外した領域を、前記抽出対象の領域として抽出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  7. 前記抽出手段は、前記観察対象画像内の前記観察対象物以外の領域を、前記抽出対象の領域として抽出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  8. 前記観察対象画像は、波長630nm〜780nmの照明光により撮影された画像に相当する画像であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  9. 前記観察対象物は、色素によって染色された病理標本であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  10. 前記抽出対象の領域は、弾性繊維あるいは該弾性繊維に隣接する領域であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  11. 前記画像取得手段は、観察対象に対して複数の焦点位置で撮影して前記観察対象画像を取得することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  12. 照明光を用いた透過観察系で観察対象物を撮影した観察対象画像を取得する画像取得手段と、
    該取得した観察対象画像内の位置で、前記照明光を撮影した場合よりも光強度が増加している領域を抽出対象の領域として表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  13. 前記表示手段は、前記病理標本画像上に前記抽出対象の領域を重畳表示することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 照明光を用いた透過観察系で観察対象物を撮影した観察対象画像を取得する画像取得工程と、
    該取得した観察対象画像内の位置で、前記照明光を撮影した場合よりも光強度が増加している領域を抽出対象の領域として抽出する抽出工程と、
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  15. 前記画像取得工程は、観察対象に対して複数の焦点位置で撮影して前記観察対象画像を取得することを特徴とする請求項14に記載の画像処理方法。
  16. 照明光を用いた透過観察系で観察対象物を撮影した観察対象画像を取得する画像取得工程と、
    該取得した観察対象画像内の位置で、前記照明光を撮影した場合よりも光強度が増加している領域を抽出対象の領域として表示する表示工程と、
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
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