以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の正面図であり、図2は、遊技盤2の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持したガラス枠13で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。さらに、ガラス枠13の上方の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。また、ガラス枠13の前面には演出用の電飾ランプが多数設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。この遊技領域4の略中央には、LCDから構成された表示画面28、演出ランプ31〜33、LED等を備えた図柄表示装置8が設けられている。この図柄表示装置8の左側には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が配設されており、特別図柄始動電動役物15の下方に大入賞口16が設けられている。そして、大入賞口16の左側に普通入賞口17,19が、右側に普通入賞口18,20が設けられている。尚、遊技盤2には、上記以外に種々の電飾ランプやその他の電飾用LED、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
次に、図柄表示装置8について説明する。図2に示すように、図柄表示装置8は、中央にLCDからなる表示画面28を備えている。この表示画面28には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知するために、表示画面28に横並びに3つのデモ図柄表示部が設けられている。そして、3つのデモ図柄表示部に表示されるデモ図柄を変動させた後に、当たり判定の結果を示す図柄を確定表示させる変動演出を行うことで、当たり判定の結果を遊技者に報知する。さらに、変動演出に同期させて表示画面28やスピーカ48等による様々な演出を行い、遊技者の興趣を惹き付ける。
また、表示画面28の右下には、2つの7セグメントLEDによって構成される特別図柄表示部25、及び1つのLEDによって構成される普通図柄表示部24が設けられている。そして、特別図柄表示部25には、大当たり判定の結果を遊技者に報知するために、アルファベットや数字、又はこれらの組み合わせからなる特別図柄が表示される。先述したデモ図柄の変動開始及び確定表示のタイミングは、特別図柄の変動開始及び停止のタイミングと一致する。また、普通図柄表示部24では、点灯状態が普通当たりの当選を示し、消灯が普通当たりの落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たり判定の結果を報知することを示す普通図柄の変動状態とされている。
また、特別図柄表示部25及び普通図柄表示部24の右下には、2つのLEDによって構成される特別図柄記憶数表示LED60及び普通図柄記憶数表示LED59が配設されている。特別図柄記憶数表示LED60は、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂特別図柄作動保留球数を表示し、普通図柄記憶数表示LED59は普通図柄作動保留球数を表示する。そして、2つのLEDのうちの下側のみの点灯が保留球数「1」、両方の点灯が「2」、下側の点滅が「3」、両方の点滅が「4」を示す。また、表示画面28の上方には、左から順に第一演出ランプ31、第二演出ランプ32、及び第三演出ランプ33が配設されている。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図3を参照して説明する。図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、ランプドライバ基板46、中継基板47、及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値と、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ70とが接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中継基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中継基板47には、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過を検出する普通図柄作動スイッチ71、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド72、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド73、大入賞口16に入賞した遊技球を検出するための大入賞口スイッチ75、普通入賞口17〜20に入賞した遊技球を検出するための普通入賞口スイッチ76、普通図柄表示部24、特別図柄表示部25、普通図柄記憶数表示LED59、及び特別図柄記憶数表示LED60が接続されている。そして、中継基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継と、主基板41から直接制御される表示部等への中継とを行っている。尚、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、及び普通入賞口17〜20に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
次いで、サブ統合基板58、演出制御基板43、及びランプドライバ基板46について説明する。サブ統合基板58には、CPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、ランプドライバ基板46、及びスピーカ48に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行っている。また、演出制御基板43はCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵しており、表示画面28の制御を行っている。また、ランプドライバ基板46にはCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、3つの演出ランプ31〜33が接続されている。そして、サブ統合基板58から送信されるコマンドに基づいて、演出ランプ31〜33の発光を制御している。
次いで、電源基板42について説明する。電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給している。遊技球発射装置37は、図示外の発射モータや、発射ハンドル7に設けられたタッチセンサ、発射装置停止スイッチ、及び発射強弱調整ボリューム等からなり、一定間隔(本実施の形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域へ発射する。
次に、主基板41のRAM52の記憶エリアについて、図4を参照して説明する。図4は、主基板41のRAM52の記憶エリアを示す概念図である。図4に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、普通図柄始動ゲート12や特別図柄始動電動役物15等の各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過した際に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数を記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄作動保留球数を記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等へ出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208等が設けられている。さらに、RAM52には図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶される各カウンタについて説明する。RAM52に記憶されるカウンタには、乱数を取得するための乱数取得カウンタ、時間を計測するためのタイマカウンタ、入賞球数を計数するための入賞球数カウンタ等がある。
まず、乱数取得カウンタについて説明する。乱数取得カウンタとしては、普通当たり判定カウンタ、大当たり判定カウンタ、大当たり特別図柄決定カウンタ、変動パターン決定カウンタ等がある。これらのカウンタの値は、割込信号発生回路57(図3参照)からの割込信号に基づいて実行されるメイン処理のカウンタ更新処理(S12、図8参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば「1」)ずつ加算される。また、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値までの範囲の数値内を循環するように構成されている。そして、更新により値が一巡して初期値と同じ値となる毎に、新たな初期値が取得され、その初期値に対して「1」ずつの加算が行われる。この新たな初期値の決定には、所定のアルゴリズムにより乱数を発生させる初期値乱数処理によって生成された乱数が用いられる。尚、これらの乱数取得カウンタは、後述するメイン処理の普通図柄処理(S16、図8参照)、及び特別図柄処理(図9及び図10参照)において使用される。
次いで、タイマカウンタについて説明する。タイマカウンタは時間を計測するために使用されるカウンタであり、時間の計測開始時に初期値として所定の値が記憶される。例えば、1秒を計測する場合には初期値として「500」が記憶される。そして、割込信号発生の間隔である2ms毎に行われるカウンタ更新処理(S12、図8参照)において「1」ずつ減算されて、値が「0」でなければ時間の計測中、値が「0」となることで所定時間が経過したと判断される。
次いで、入賞球数カウンタについて説明する。入賞球数カウンタは、大入賞口16が1回の開閉動作を行う間に、この大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を計数するために使用される。このカウンタの初期値は「0」であり、後述するメイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において入賞が検出される毎に「1」加算される。そして、大入賞口16が閉鎖すると初期化される。
次に、大当たり関係情報記憶エリア5205について、図5を参照して説明する。図5は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。この大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメイン処理の特別図柄処理(図9及び図10参照)において使用される。図5に示すように、大当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリア、及び第一〜第四記憶エリアが設けられている。そして、第一〜第四記憶エリアには、特別図柄始動電動役物15へ入賞し、まだ大当たり判定の結果が報知されていない遊技球(特別図柄作動保留球)の取得した乱数が記憶される。また、判定エリアには、現在行われている大当たり判定の結果報知や、大当たり遊技の基になった乱数が記憶されている。
この判定エリア及び第一〜第四記憶エリアのそれぞれには、大当たり判定カウンタの値が記憶される大当たり乱数欄、大当たり特別図柄決定カウンタの値が記憶される大当たり特別図柄決定乱数欄、及び変動パターン決定カウンタの値が記憶される変動パターン決定乱数欄が設けられている。そして、特別図柄始動電動役物15を遊技球が通過すると、RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する記憶エリアに各値が記憶され、この値に基づいて大当たり判定、大当たりと判定された場合の特別図柄の決定、及び変動パターンの決定が行われる。そして、判定エリアに記憶されている値に対する処理が終了したら、第一記憶エリアに記憶されている値が判定エリアにシフトされ、この値に基づいて次の大当たり判定等の処理が行われる。これに伴い、第二〜第四記憶エリアの各値が1つ番号の若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。すなわち、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。従って、特別図柄作動保留球数の上限は4つであり、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値は「4」より大きい値を取ることはない。尚、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203においても同様に判定エリア及び第一〜第四記憶エリアが設けられており、4球の遊技球の情報を保留できるようになっている。
次に、主基板41のROM53の記憶エリアについて、図6を参照して説明する。図6は、主基板41のROM53の記憶エリアを示す概念図である。ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41から各サブ基板に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、特別図柄表示部25に表示する特別図柄の組み合わせを記憶する特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304、特別図柄及びデモ図柄の変動パターンに関するテーブル等の情報を記憶する特別図柄変動パターン記憶エリア5305、大当たり判定、普通当たり判定、特別図柄の決定等が行われる際に参照される各種テーブルを記憶する判定テーブル記憶エリア5306等が設けられている。さらに、ROM53には、その他に図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
次に、ROM53の特別図柄変動パターン記憶エリア5305に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルについて、図7を参照して説明する。図7は、ROM53の特別図柄変動パターン記憶エリア5305に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルを示す概念図である。尚、本実施の形態では、時短状態中に用いられるテーブルの構成は通常状態中に用いられるテーブルと大きく変わらないため、通常状態中に用いられるテーブルの一部を例に挙げて説明する。
変動パターンとは、大当たり判定による判定結果を示す際に用いられる図柄の変動のパターンである。この変動パターンによって、特別図柄表示部25、及び表示画面28のデモ図柄表示部に表示される図柄の変動時間や、これらの図柄の変動に同期して表示画面28、演出ランプ31〜33、スピーカ48等によって行われる演出のパターンが決定される。そして、サブ統合基板58では、主基板41で決定された変動パターンに基づいて演出の具体的な態様を決定する。
図7に示すように、変動パターン決定テーブルでは、大当たり判定時の遊技状態(通常状態又は時短状態)、及び大当たり判定の結果(大当たり又ははずれ)に応じた変動時間が対応づけられている。本実施の形態では、3つのデモ図柄のうちの2つが同じ図柄(リーチ状態)となって行われるリーチ演出と、リーチ状態とならずにそのままはずれを示す図柄を停止させるリーチ非成立とが設けられている。そして、図柄の変動時間(演出時間)、リーチ演出を実行するか否か、実行するならばどのリーチ演出とするかは、変動パターンによって決定されることとなる。この変動パターンは、大当たり判定が行われた際に、判定結果、及びその時点での遊技状態に対応する複数の変動パターンの中から、変動パターン決定乱数欄(図5参照)に記憶されている乱数に基づいて決定される。さらに、変動パターン決定乱数の値によっては、特別なリーチの演出であり、必ず自身を契機として大当たり遊技状態となる特定リーチ演出が選択される。
次に、パチンコ機1の主基板41による動作の詳細について、図8乃至図10を参照して説明する。図8は、主基板41におけるメイン処理のフローチャートであり、図9及び図10は、メイン処理で実行される特別図柄処理のサブルーチンのフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリアに記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は、一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
まず、主基板41で行われるメイン処理について、図8を参照して説明する。図8に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や払出制御基板45、中継基板47等に出力される。制御コマンドには、決定された特別図柄の変動パターンを指示するコマンド、特別図柄を停止させるタイミングを指示するコマンド、大当たり遊技の開始を通知するコマンド、電動役物の開閉タイミングを指示するコマンド等、多数のコマンドがある。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理において、RAM52のコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、普通入賞口17〜20、及び大入賞口16への遊技球の入賞を検知するための処理が行われる。具体的には、これらの入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)により遊技球が検出されたか否かが判断され、遊技球が検出された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグがONとされる。さらに、大入賞口16の1回の開放中に入賞した遊技球の個数が入賞球数カウンタによって計数される。尚、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリアの全てのフラグがリセットされる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。先述したように、このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリアに記憶されている乱数取得カウンタの各値が所定量だけ加算され、タイマカウンタの各値が所定量だけ減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大当たり遊技中に、大入賞口16の開閉動作を指示するためのコマンドの処理が行われる。また、大当たり遊技の終了時に、大当たり遊技の基となった特別図柄の種類に応じて、確率変動時短状態及び非確率変動時短状態のいずれかを生起させるためのフラグ(確率変動フラグ及び時短中フラグ)の処理が行われる。ここで、大入賞口16が開放していることを示す大入賞口開放コマンドと、大入賞口16が閉鎖していることを示す大入賞口閉鎖コマンドとがRAM52のコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。この特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等の処理が行われる。この特別図柄処理については、図9及び図10のフローチャートを参照して後述する。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を所定時間開放させて遊技球の入賞を容易とする処理が行われる。尚、特別図柄始動電動役物15の1回の開放時間は、通常状態中よりも時短状態中の方が長い。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過した際に、普通当たり判定カウンタの値が普通当たり乱数として取得される。そして、取得された乱数に基づいて普通当たり判定が行われ、判定結果を普通図柄表示部24に表示させる処理が行われる。尚、普通図柄表示部24に表示される普通図柄の変動時間は、通常状態中よりも時短状態中の方が短い。
次いで、賞品球の払い出しを行う払出処理(S17)、及びエラーチェック(S18)が行われる。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、スピーカ48にエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがRAM52のコマンド関係記憶エリアに記憶される。次いで、情報出力処理(S19)において、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
次に、メイン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図9及び図10に示すフローチャートを参照して説明する。先述したように、特別図柄処理では、大当たり判定、図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等の処理が行われる。
はじめに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ関係記憶エリアには、特別図柄表示状態フラグ、大当たり遊技状態フラグ、確率変動フラグ、時短中フラグ等が記憶されている。特別図柄表示状態フラグは特別図柄表示部25の状態を示すフラグであり、特別図柄表示部25が変動している場合(変動中)には「1」、停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、変動中、停止表示中のいずれでもない場合には「0」が記憶されている。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となっている。また、確率変動フラグは、大当たりと判定される確率が通常状態中よりも高くなる確率変動中に「1」が記憶されて「ON」となる。そして、時短中フラグは、普通図柄の変動時間が通常よりも短くなり、特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開放時間が通常よりも長くなる時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。
図9に示すように、メイン処理の特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。スイッチ読込処理(S11、図8参照)において、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が検出されていない場合には(S21:NO)、そのままS26の判断へ移行する。
特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が検出されている場合には(S21:YES)、その遊技球についての乱数を取得する処理が行われる。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球数の数は「4」である。そこで、RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かの判断が行われ(S22)、「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS26の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数が「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S23)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205(図5参照)のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が、大当たり特別図柄決定乱数欄には大当たり特別図柄決定カウンタの値が、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が記憶される。
次いで、大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S26)。大当たり遊技状態である場合には、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であり、大当たり遊技状態であると判断された場合には(S26:YES)、そのままメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合には(S26:NO)、大当たり遊技状態ではないので、特別図柄表示部25及び変動演出の制御に関する処理が行われる。まず、特別図柄表示状態フラグにより、特別図柄表示部25が変動中であるか否かの判断が行われる(S27)。特別図柄表示状態フラグが「1」でなく、変動中でない場合には(S27:NO)、特別図柄が停止表示中であるか否かが判断される(S28)。特別図柄表示状態フラグが「2」でなく、特別図柄表示部25に表示されている特別図柄が停止表示中でなければ(S28:NO)、大当たり判定が行われる。
そこで、図10のフローチャートに示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かが判断される(S31)。RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S31:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S31:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算され(S32)、大当たり関係情報記憶エリア(図5参照)に記憶されている値がシフトされる。すなわち、第一記憶エリアに記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、第二〜第四記憶エリアに記憶されている乱数が番号の1つ若い記憶エリアへシフトされ、第四記憶エリアの値がクリアされる(S33)。
次いで、大当たり判定が行われる(S35)。ここで、大当たり判定を行うための判定テーブルには、通常状態中(非確率変動中)に用いられる低確率判定テーブルと、大当たりと判定される確率が非確率変動中よりも高くなる高確率判定テーブルとが設けられている。そして、大当たり判定は、確率変動状態が生起されているか否かに応じて、いずれかの判定テーブルが参照されて行われる。
大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S39:YES)、大当たり特別図柄決定乱数欄に記憶されている値に基づいて、ROM53の特別図柄組み合わせパターン記憶エリア5304に記憶されている大当たりの組み合わせの中の1つが決定される(S40)。そして、時短状態中であるか否かに応じて、変動パターンを決定する処理が行われる。時短中フラグが「ON」となっており、時短中であると判断された場合には(S41:YES)、変動パターン決定乱数欄(図5参照)に記憶されている値により、特別図柄変動パターン決定テーブル(図7参照)が参照されて、時短中の当たり変動パターンから1つが決定される(S42)。また、時短中でないと判断された場合には(S41:NO)、通常状態中の当たり変動パターンの中の1つが決定される(S43)。そして、S52の処理へ移行する。
また、大当たり判定によって大当たりと判定されなかった場合には(S39:NO)、はずれを示す特別図柄(本実施の形態では「−−」)が決定される(S46)。そして、時短中である場合には(S47:YES)、時短中のはずれ変動パターンの中の1つが決定されて(S48)、S52の処理へ移行する。また、時短中でない場合には(S47:NO)、通常状態中のはずれ変動パターンから1つが決定されて(S49)、S52の処理へ移行する。
次いで、決定された変動パターンを示すと共に、特別図柄及びデモ図柄の変動開始を指示するための変動パターン指定コマンドが、RAM52のコマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S52)。そして、変動パターン毎に決められている特別図柄の変動時間が特別図柄変動時間カウンタに記憶され(S53)、特別図柄が変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S54)、メイン処理へ戻る。
また、図9に示すS27の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部25が変動中であると判断された場合には(S27:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S71)。S53(図10参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S71:YES)、RAM52のコマンド関係記憶エリア5207に特別図柄停止コマンドが記憶される(S72)。この特別図柄停止コマンドは、特別図柄表示部25の特別図柄の変動停止、及び表示画面28等によって行われる変動演出の終了を指示するためのコマンドである。そして、所定の停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタに記憶され(S73)、特別図柄が停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S74)、メイン処理へ戻る。一方で、S71の判断において、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でなく、変動時間がまだ経過していない場合には(S71:NO)、特別図柄の変動が継続される。そこで、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。
また、S28の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部25が停止表示中であると判断された場合には(S28:YES)、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S75)。S73でセットされた特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には(S75:NO)、そのまま特別図柄処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方で、カウンタの値がカウンタ更新処理(S12、図8参照)において減算されて「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S75:YES)、特別図柄表示部25が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が特別図柄表示状態フラグに記憶される(S76)。そして、時短中フラグ処理が行われる(S77)。パチンコ機1では、当たり遊技終了後に生起された非確率変動時短状態は、大当たり判定が100回行われると終了する。そこで、S77の処理では、非確率変動時短状態中に大当たり判定が100回行われた場合に、時短中フラグを「0」とする処理が行われる。
次いで、先に行われた大当たり判定で大当たりと判定された場合には(S78:YES)、大当たり遊技状態であることを示す「1」が大当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされ(S79)、大当たり遊技を開始することをサブ統合基板58へ通知する大当たり遊技開始コマンドが記憶されて(S80)、メイン処理へ戻る。また、大当たりと判定されなかった場合には(S78:NO)、そのままメイン処理へ戻る。
次に、サブ統合基板58における処理について、図11乃至図18を参照して説明する。図11は、サブ統合基板58のROM583に記憶されているサブ演出態様決定テーブルを示す概念図である。図12は、サブ統合基板58のROM583に記憶されている特殊特典画像決定テーブルの概念図である。図13は、サブ統合基板58におけるサブ統合基板処理のフローチャートである。図14乃至図16は、パチンコ機1における表示画面28に表示された演出の一部の態様を表した図である。図17は、サブ統合基板処理で実行される特殊特典画像表示処理のサブルーチンのフローチャートである。図18は、パチンコ機1における大当たり遊技中に特殊特典画像81及びQRコード82が表示された表示画面28の一例を示す図である。
サブ統合基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、演出ランプ31〜33、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、主基板41において決定された演出パターンに応じて、大当たり判定の結果を示す変動演出の態様を決定し、決定した態様の演出を実行させる。
まず、サブ統合基板58のRAM582について説明する。RAM582には、主基板41により指定された変動パターンが記憶される変動パターン記憶エリア、各種カウンタが記憶されるカウンタ記憶エリア、演出制御基板43等に出力される制御コマンドが記憶されるコマンド関係情報記憶エリア、各種フラグが記憶されるフラグ関係記憶エリア等の記憶エリアが設けられている。
次いで、サブ統合基板58のROM583について説明する。ROM583には、CPU581がパチンコ機1の制御を補助するための各種プログラムが記憶されている。また、サブ統合基板58から演出制御基板43及びランプドライバ基板46に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア、演出態様を決定するためのサブ演出態様決定テーブルを記憶するテーブル記憶エリア等の各種記憶エリアが設けられている。さらに、後述する特殊特典画像81を選択するための特殊特典画像決定テーブル記憶エリア及び特殊特典カードを記憶する特殊特典カード記憶エリアも設けられている。
次いで、ROM583のテーブル記憶エリアに記憶されているサブ演出内容決定テーブルについて、図11を参照して説明する。図11に示すように、サブ演出態様決定テーブルでは、主基板41から指定されるそれぞれの変動パターンに、1又は複数の演出態様が対応付けられている。そして、後述するサブ統合基板処理(図13参照)では、指定された変動パターンに対応する演出態様の中の1つが、RAM582のカウンタ記憶エリアに記憶されている乱数に基づいて決定される。
次いで、サブ統合基板58のROM583に記憶されている特殊特典画像決定テーブルについて図12を参照して説明する。図12に示すように、特殊特典画像決定テーブルでは、表示画面28に表示される特殊特典画像とその特殊特典画像に対応付けられている番号とが列挙されている。この特殊特典画像は、詳細は後述するが、必ず大当たりとなるリーチ演出である特定リーチ演出の際、及び大当たり遊技中に表示画面28に表示される。この特殊特典画像に対応づけられている番号は、後述する大当たり遊技中に表示画面28に表示される枠表示番号83、84に相当する。そして、後述する特定リーチ演出では、特殊特典画像の1つが、RAM582のカウンタ記憶エリアに記憶されている乱数に基づいて決定される。
以下、サブ統合基板58で行われるサブ統合基板処理について、図13を参照して説明する。サブ統合基板処理が開始されると、まず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S101)。受信した場合には(S101:YES)、コマンドによって指定されている変動パターンが、RAM582の変動パターン記憶エリアに記憶される(S102)。そして、乱数が取得され、サブ演出内容決定テーブル(図11参照)が参照されて、変動パターンに対応する演出態様が決定される(S103)。そして、指定された変動パターンは特定リーチ演出か否かが判断される(S104)。特定リーチ演出である場合には(S104:YES)、特殊特典画像を表示するか否かを示す特殊特典画像表示フラグがオンとなり(S105)、デモ図柄変動が開始される(S106)。また、変動パターンが、特定リーチ演出でない場合には(S104:NO)、そのまま、デモ図柄変動が開始される(S106)。デモ図柄変動開始処理(S106)では、決定された演出態様に沿って、表示画面28、演出ランプ31〜33、及びスピーカ48による変動演出を開始させる制御が行われる。これにより、表示画面28内のデモ図柄の変動が開始される。
ここで、指定された変動パターンが、必ず大当たりとなる特定リーチ演出である場合には、次のような演出が行われる。図14に示すように、特定リーチ演出では、特典のカードが挿入されている袋である第1特典袋91及び第2特典袋92が表示画面28に表示される。遊技者は、パチンコ機1に設けられた操作部を用いて、どちらかの袋を選択することができる。特典袋の中から、遊技者が表示画面28の右に表示された袋である第1特典袋91が選択されると、図15に示すように、第1特典袋91が破られて、表示画面28に第1特典袋91のみ表示される。そして、図16に示すように特典袋の中から出てきた特殊特典カード93のみが表示される。ここで、この特殊特典カード93は、サブ統合基板58のROM583に記憶されている特殊特典画像テーブルの中から、RAM582のカウンタ記憶エリアに記憶されている乱数に基づいて決定される。ここで、詳細は後述するが、特定リーチ演出で出てきた特殊特典カード93に表現された画像と同じ画像が大当たり遊技中の特定のラウンドで、QRコード82と共に特殊特典画像81として表示画面28に表示される(図18参照)。また、特殊特典カード93が、サブ統合基板58のROM583に記憶される。そして、S101の判断へ戻る。
また、変動パターン指定コマンドを受信していない場合には(S101:NO)、特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S110)。受信した場合には(S110:YES)、実行していた変動演出を終了し、表示画面28のデモ図柄を確定表示させる処理が行われて(S111)、S101の判断へ戻る。
また、特別図柄停止コマンドを受信していない場合には(S110:NO)、大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S115)。受信した場合には(S115:YES)、大当たり遊技中の演出を開始させる処理が行われる(S116)。次いで、特殊特典画像表示処理が行われる(S117)。この特殊特典画像表示処理では、表示画面28に表示する特殊特典画像の指示、表示等の処理が行われる。この特典画像表示処理については、図17のフローチャートを参照して後述する。そして、特殊特典画像表示フラグがオンの場合は、特殊特典画像表示フラグがオフにされて(S118)、S101の判断へ戻る。また、大当たり遊技開始コマンドを受信していない場合には(S115:NO)、その他のコマンドを受信したか否かが判断され(S120)、受信した場合には(S120:YES)、受信したコマンドに応じた各種処理が行われて(S125)、S101の判断へ戻る。いずれのコマンドも受信していない場合には(S120:NO)、そのままS101の判断へ戻る。
次に、サブ統合基板処理の特殊特典画像表示処理(S117)の詳細について、図17及び図18を参照して説明する。先述したように、特典画像表示処理では、表示画面28に表示する特典画像の指示、表示等の処理が行われる。
図17に示すように、サブ統合基板処理で実行される特殊特典画像表示処理が開始されると、特殊特典画像を表示する特定のラウンドの値(フローチャート中では「R」と表記する。)が、1乃至15のいずれかであるかが乱数を用いて選択される。そして、サブ統合基板58のRAM582に記憶される(S130)。
次いで、サブ統合基板58のRAM582のカウンタ記憶エリアのラウンド数計数カウンタの値(フローチャート中では「N」と表記する。)が、初期値である「1」に初期化される(S132)。そして、ラウンド数計数カウンタの値が特定のラウンドの値と同じか否かが判断される(S133)。ラウンド数計数カウンタの値が、S130において記憶された特定のラウンドの値と同じでない場合には(S133:NO)、このラウンドは特殊特典画像を表示するラウンドではないので、S140の判断へ移行する。ラウンド数計数カウンタの値が特定のラウンドの値と同じである場合には(S133:YES)、大入賞口開放コマンドが受信されているか否かが判断される(S134)。大入賞口開放コマンドが受信されていない場合には、待機状態となる(S134:NO)。大入賞口開放コマンドが受信されている場合には(S134:YES)、特殊特典画像表示フラグがオンか否かが判断される(S136)。
特殊特典表示フラグがオンの場合(S136:YES)、特定リーチ演出で選択された特殊特典カード93と同じ画像を持つ特殊特典画像81と、QRコード82とが表示画面28に表示される(S138)。具体的には、図18に示すように、表示画面28の右側に特殊特典画像81と、表示画面28の左側にその特殊特典画像81に対応する特典画像を取得できる携帯電話向けURLの情報を持ったQRコード82とが同時に表示される。ここで、表示画面28に表示される特殊特典画像81は、サブ統合基板58のROM583に記憶された特殊特典カード93に表現された画像と同じである。したがって、遊技者は、大当たり遊技時に、特殊特典画像81が出現したラウンドにおいて、自身が持つカメラ付き携帯電話にQRコード82を読み取らせ、そのQRコード82が持つ携帯電話向けURLにアクセスさせ、必要な特殊特典画像81に対応する画像を取得することができる。特殊特典カード93は、特定リーチ演出の時にしか出現しないカードであり、希少性が高く、遊技者は、その希少性の高い画像を手に入れることになり、興趣の向上につながる。
特殊特典表示フラグがオンでない場合(S136:NO)、特殊特典画像81よりも出現割合が高い画像である通常特典画像が演出制御基板43のROMに記憶されている特典画像テーブル(図示外)から、RAM582のカウンタ記憶エリアに記憶されている乱数に基づいて決定される。そして、通常特典画像が、表示画面28にQRコードと共に表示される(S137)。ここで出現する通常特典画像は、大当たり遊技中に一般的に出現する特典画像であり、特殊特典画像81よりも容易に遊技者が手に入れることができる画像である。
また、図18に示すように、特殊特典画像81及びQRコード82は枠で囲われており、その枠の中には、同じ番号の枠表示番号83、84が付されている。そして、図12に示すように、演出制御基板のCPU43aが表示する特殊特典画像81の種類は限られている。したがって、以前、自らが取得したQRコード82が、再度、表示画面に表示されることも有り得る。その際に目印となるのが、枠表示番号83、84である。特殊特典画像81を見ただけでは、既に自らが持っている画像か否かを判断できなくとも、枠表示番号83、84により判断がしやすくなる。
そして、図17のフローチャートの説明に戻り、次いで、大入賞口閉鎖コマンドが受信されているか否かが判断される(S140)。受信した場合には(S140:YES)、特殊特典画像81及びQRコード82が非表示とされる(S142)。大入賞口閉鎖コマンドが受信されているということは、大当たり遊技のそのラウンドが終了したことを意味する。また、大入賞口閉鎖コマンドが受信されていない場合には(S140:NO)、特殊特典画像81及びQRコード82の表示が継続される。
次いで、サブ統合基板58のRAM582のカウンタ記憶エリアのラウンド数計数カウンタの値に「1」が加算される(S144)。そして、ラウンド数計数カウンタの値が最後のラウンドである15であるか否かが判断される(S146)。ラウンド数計数カウンタの値が15の場合(S136:YES)には、サブ統合基板処理へ戻る。ラウンド数計数カウンタの値が15でない場合、(S146:NO)には、S133の判断へ戻る。
以上説明したように、本実施の形態に係る遊技機では、特殊特典カードを出現させる特定リーチ演出である場合に、遊技者自らに2つの特典袋から1つを選択させる。そして、選択された特典袋から特殊特典カード93を表示させる。さらに、大当たり遊技中の特定のラウンドに、選択された特典袋から出てきた特殊特典カード93の画像と同じ画像である特殊特典画像81、及びQRコード82を同時に表示させ、遊技者がQRコードを通じて、特殊特典画像81に対応する画像を得ることができる。したがって、遊技者は、自らが選んだ特殊特典カード93に描かれた画像に対応する画像を得ることができ、興趣の向上につながる。
尚、本実施の形態における特別図柄始動電動役物15が本発明の「始動入賞口」に相当し、図9に示すS24で乱数を取得する主基板41のCPU51が本発明の「乱数取得手段」に相当し、図10に示すS35で大当たり判定を行う主基板41のCPU51が「大当たり判定手段」に相当する。また、図8に示すS13で特別電動役物である大入賞口16を開閉させるCPU51と図9に示すS79で大当たり遊技状態フラグをオンとする主基板CPU51とが「大当たり遊技実行手段」に相当する。そして、図13に示すS106でリーチ演出を制御するサブ統合基板のCPU581、及び演出制御基板のCPU43aが「特定リーチ演出制御手段」に相当する。また、図17に示すS138で特殊特典画像81及びQRコード82を表示させるサブ統合基板のCPU581、及び演出制御基板のCPU43aが「特殊特典画像表示制御手段」、「二次元コード表示制御手段」に相当する。さらに、QRコード82が「二次元コード」に相当し、特殊特典カード93が「特定リーチ演出画像」に相当する。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
大当たり遊技中の毎ラウンドにおいて、特典画像及びQRコードを出現させ、遊技者に画像を提供しても良い。また、QRコード82及び特殊特典画像81は、同時に表示画面に映し出される必要はなく、表示画面28に特殊特典画像81が表示された後、表示画面28にQRコード82が表示されても良い。また、二次元コードは、QRコード82に限られず、PDF417、Data Matrix、Maxi Code等の二次元コードでも良い。
また、本実施の形態で用いられている変動パターン決定テーブルは一例に過ぎず、テーブルの内容を適宜設定できることは言うまでもない。例えば、より多くの種類の変動パターンを設けてもよいし、大当たりとなった場合のみ実行される演出を行うための変動パターンを設けてもよい。また、本実施の形態で用いられているサブ演出態様決定テーブルも一例に過ぎず、テーブルの内容を適宜設定できることは言うまでもない。例えば、より多くの種類の演出態様を設けてもよいし、大当たりとなった場合のみ実行される演出を行うための演出態様を設けても良い。
また、特定リーチ演出の際に出現させる特典袋は2つに限らず、3つ、4つなど複数ならば良い。特典画像は、必ずしも静止画である必要はなく、動画等でも良い。また、特典画像の出現方法も変動パターン決定テーブルで選択された変動パターンに応じて、異なるように設定してもよい。そうすることで、変動パターンに応じて、特典画像の異なる出現方法で遊技者の興趣が向上する。また、QRコードに対して、必ずしも1つの特典画像が対応しなくても良く、1つのQRコードに対して、複数の特典画像が対応するように設定しても良い。また、表示画面に複数のQRコードを表示しても良い。また、複数のQRコードに対して、それぞれ、複数の特典画像が対応するように設定しても良い。それにより、携帯電話を用いて遊技者が一度に取り込み可能なQRコードを1つとするよりも、QRコードを複数取り込み可能とすることで、特典画像を取り込む際に、短期間で一度に多くの画像を取り込むことが可能になる。
また、本実施の形態では、特典袋の一つに対して、一つの特典画像に対応しているが、特典袋の一つに対して、複数の特典画像に対応していても良い。この場合に、例えば、変動パターンによる変動時間内に連続して、複数の特典画像に対応しても良い。また、複数の特典画像の表示の仕方もこれに限られるものでは無い。そうすることで、特典袋に対応する特典画像に変更された後、特典画像の変更に伴う演出で、遊技者の興趣の向上となる。また、この場合の複数の特典画像の数によって大当たりの期待度を変更するように設定しても良い。そうすることで、特典画像の数を遊技者が視認して、期待することで、より一層興趣が向上する。さらに、この場合の複数の特典画像を表示する際に、大当たりの期待度に応じて、期待度の高い特典画像に対応する画像に昇格するように変更するように制御しても良い。そうすることで、特典袋に対応する特典画像に変更された後、特典画像による変更がされた際に期待度に伴う演出で、遊技者の興趣の向上となる。
また、特定リーチ演出が行われても、必ずしも大当たり遊技状態とならなくとも良い。こうすることにより、リーチ演出と大当たり発生との関係に規則性を無くし、ランダム化して、遊技者に不意の大当たり報知をすることができる。また、大当たり遊技中の最初のラウンドのみ、必ず、特殊特典画像を出現させることがあっても良い。また、特殊特典画像でない場合を一枚の特典画像とし、特殊特典画像の場合を複数の特典画像としても良い。
また、パチンコ機1に設けられた操作部は、本実施形態に限られるものではない。特典袋の選択を、各種、他の方法のボタンの選択手段により行っても良いし、トラックボール(登録商標)によって選択されるようにしても良い。ボタンによって選択する場合には、ルーレットで、順次カーソルが対応する特典袋に表示されるように設定して、ボタンによって決定するようにしても良い。トラックボールで選択する場合に、例えば表示されている特典袋が左右に一つずつ表示されている場合には、右に回すと右の特典袋が、左に回すと左の特典袋が選択されるように設定されても良い。また、前記ボタンで選択する場合も、前記トラックボールで選択する場合も、変動パターンの所定期間内に選択されるようにして行うようにすることが好ましい。尚、この場合の選択の形態もこれらに限られるものではなく、適宜変更可能である。