JP2010021102A - 色素増感太陽電池、その製造方法および色素増感太陽電池モジュール - Google Patents

色素増感太陽電池、その製造方法および色素増感太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】高い導電性と耐久性を示し、高いフィルファクターおよび優れた光電変換効率を有する色素増感太陽電池、および低コストで色素増感太陽電池を作製できる製造方法、および色素増感太陽電池モジュールを提供すること。
【解決手段】透光性絶縁基板1上に、透明電極層2、色素が吸着された多孔性半導体層4、多孔性絶縁層5、多孔性対極層6、カバー部材7がこの順に積層され、かつ多孔性半導体層4、多孔性絶縁層5および多孔性対極層6の内部にキャリア輸送材料が含浸され、かつ透光性絶縁基板1とカバー部材7の間の周囲部が封止部8にて封止されてなり、多孔性対極層6は、金属粒子同士が接合してなる多孔性電極層と、金属粒子の表面に接合した触媒部とを有してなることを特徴とする色素増感太陽電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池、その製造方法および色素増感太陽電池モジュールに関する。さらに詳しくは、本発明は、優れた導電性を有する対極層を備えた色素増感太陽電池、その製造方法およびそれを用いた色素増感太陽電池モジュールに関する。
色素増感太陽電池は、有機系太陽電池の中でも高い光電変換効率を示すため、広く注目されている。この色素増感太陽電池では、表面に分光色素を吸着させて可視光領域に吸収スペクトルをもたせた半導体膜が光電変換材料として用いられている。
例えば、表面に遷移金属錯体からなる分光色素を吸着させた金属酸化物半導体膜を光電変換材料として用いた色素増感太陽電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
色素増感太陽電池には、一般的にヨウ素を含む電解液が使用されているため、構成材料としては耐腐食性のある材料を用いる必要がある。したがって、対極としては、一般的に白金などの貴金属をガラスなどの基板上に蒸着法あるいはスパッタリング法などの真空製膜法によって形成したものが用いられているが、原材料費や製造コストがかかるという問題があった。
このような問題を解決するために、カーボン粒子と該カーボン粒子を結着する導電性バインダーとを含んでなる対極を有する色素増感太陽電池や、対極(透明電極)が透明導電性金属酸化物粒子と遷移金属を含んだ触媒粒子からなる色素増感太陽電池およびそのモジュールが提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
また、カーボンペースト層と金属ペースト層の積層体構造からなる対極を有する色素増感型光電変換素子が記載されている(例えば、特許文献4参照)。
特許第2664194号公報 特開2006−147411号公報 特開2006−310252号公報 特開2004−319872号公報
しかしながら、特許文献2および3に記載の色素増感太陽電池では、対極を構成するカーボン粒子、導電性バインダーおよび金属酸化物微粒子の導電性が、金属材料の導電性よりも低いため、対極の内部抵抗が大きくなり、フィルファクターが低下するため変換効率が低いという問題がある。
さらに、特許文献3の場合、対極を構成する触媒粒子(例えば、Pt粒子)が導電性を発現するための金属粒子の役割をしているため、導電性を向上させるためには、触媒粒子を多く用いる必要があり、製造コストが上昇するという問題がある。
また、特許文献4に記載の色素増感太陽電池は、固体電荷移動層を用いたものであるため、液体電解質を用いた場合にはペースト層が溶解するという問題があるため、液体電解質を用いたものには適用することはできない。
本発明は、上述の課題に鑑みなされたものであり、高い導電性と耐久性を示し、高いフィルファクターおよび優れた光電変換効率を有する色素増感太陽電池、および低コストで色素増感太陽電池を作製できる製造方法、および色素増感太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
かくして、本発明によれば、透光性絶縁基板上に、透明電極層、色素が吸着された多孔性半導体層、多孔性絶縁層、多孔性対極層、カバー部材がこの順に積層され、かつ前記多孔性半導体層、多孔性絶縁層および多孔性対極層の内部にキャリア輸送材料が含浸され、かつ前記透光性絶縁基板と前記カバー部材の間の周囲部が封止部にて封止されてなり、前記多孔性対極層は、金属粒子同士が接合してなる多孔性電極層と、前記金属粒子の表面に接合した触媒部とを有してなる色素増感太陽電池が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、透光性絶縁基板上に透明電極層、色素が吸着された多孔性半導体層、多孔性絶縁層および多孔性対極層をこの順で積層する工程(1)と、前記多孔性対極層の表面をカバー部材にて被覆し、かつ前記透光性絶縁基板とカバー部材の間の周囲部を封止部にて封止する工程(2)と、前記透光性絶縁基板とカバー部材の間の内側領域にキャリア輸送材料を注入して、前記多孔性半導体層、多孔性絶縁層および多孔性対極層の内部に前記キャリア輸送材料を浸透させる工程(3)とを備え、前記多孔性対極層は、複数の金属粒子同士が接合してなる多孔性電極層と、前記金属粒子の表面に接合した触媒部とを有してなる色素増感太陽電池の製造方法が提供される。
また、本発明のさらに別の観点によれば、前記色素増感太陽電池の2つ以上が電気的に直列接続されて形成されてなる色素増感太陽電池モジュールが提供される。
本発明によれば、多孔性対極層は、金属粒子同士が接合してなる多孔性電極層と、金属粒子の表面に接合した触媒部とを有してなるため、高い導電性により内部抵抗が低減され、高いフィルファクターおよび優れた変換効率を有する色素増感太陽電池(およびそれを用いた色素増感太陽電池モジュール)を得ることができる。
また、多孔性対極層において、導電性の発現は金属粒子同士が接合してなる多孔性電極層が担い、触媒機能を有する触媒部は多孔性電極層に部分的に接合(付着)するものであるため、白金のような高価な触媒の使用量を低減することができ、低コストにて多孔性対極層を形成することができる。
本発明の色素増感太陽電池は、透光性絶縁基板上に、透明電極層、色素が吸着された多孔性半導体層、多孔性絶縁層、多孔性対極層、カバー部材がこの順に積層され、かつ前記多孔性半導体層、多孔性絶縁層および多孔性対極層の内部にキャリア輸送材料が含浸され、かつ前記透光性絶縁基板と前記カバー部材の間の周囲部が封止部にて封止されてなり、前記多孔性対極層は、金属粒子同士が接合してなる多孔性電極層と、前記金属粒子の表面に接合した触媒部とを有してなることを特徴とする。
つまり、この色素増感太陽電池は、透光性絶縁性基板上に形成した対極の構成を主たる特徴としている。
以下、図面を参照しながら、本発明の色素増加太陽電池、その製造方法およびこの色素増加太陽電池を用いた色素増加太陽電池モジュールの実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は一例であり、本発明の範囲内で種々の実施形態での実施が可能である。
(実施形態1)
図1は本発明の色素増感太陽電池を示す概略断面図である。
具体的に説明すると、この色素増感太陽電池は、透光性絶縁性基板1の上に、透明電極層2、色素が吸着された多孔性半導体層4、多孔性絶縁層5、多孔性対極層6、カバー部材7がこの順に積層されてなる。なお、多孔性半導体層4、多孔性絶縁層5および多孔性対極層6の内部にキャリア輸送材料9が含浸されると共に、キャリア輸送材料9が漏れ出ないように透光性絶縁基板1とカバー部材7の間の周囲部が封止部8にて封止されている。
また、透明電極層2はその一部が除去されたスクライブライン3を封止部8の近傍の内側領域に有している。したがって、透明電極層2は、スクライブライン3を挟んで、太陽電池形成領域となる幅の広い部分と幅の狭い部分とに分割されている。この幅の広い透明電極層2における外部に露出した部分と、幅の狭い透明電極層における外部に露出した部分は、外部回路と電気的に接続される。
また、多孔性絶縁層5は、多孔性半導体層4を被覆すると共に、多孔性半導体層4上からスクライブライン3の底面(基板1の表面)にわたって形成されている。さらに、多孔性対極層6は、多孔性絶縁層5上から前記幅の狭い透明電極層上にわたって形成されている。多孔性対極層6と電気的に接続された幅の狭い透明電極層は、多孔性対極層6の引出し電極2aとされている。なお、図1では、多孔性絶縁層5におけるスクライブライン3側に延びた一端は、引出し電極2a上に形成されていない場合を例示したが、引出し電極2a上にまで形成されていてもよい。
図1および図3に示される色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュールの各構成要素は、必ずしも絶対的なまたは相対的な縮尺率で示されている訳ではない。以下、色素増感太陽電池を太陽電池と略称する場合がある。
この実施形態1の太陽電池では、透光性絶縁基板1の表面を受光面とすることができ、透明電極層2が負極となり、多孔性対極層6が正極となる。透光性絶縁基板1の受光面に光が照射されると、多孔性半導体層4で電子が発生し、発生した電子が透明電極層2から外部回路を通って引出し電極2aへ移動し、電子は引出し電極2aから多孔性対極層6へ移動し、多孔性絶縁層4内のキャリア輸送材料9中のイオンにより運ばれて多孔性半導体層5に移動する。
この太陽電池は、透光性絶縁基板1上に透明電極層2、色素が吸着された多孔性半導体層4、多孔性絶縁層5および多孔性対極層6をこの順で積層する工程(1)と、多孔性対極層6の表面をカバー部材7にて被覆し、かつ透光性絶縁基板1とカバー部材7の間の周囲部を封止部8にて封止する工程(2)と、透光性絶縁基板1とカバー部材7の間の内側領域にキャリア輸送材料9を注入して、多孔性半導体層4、多孔性絶縁層5および多孔性対極層6の内部にキャリア輸送材料9を浸透させる工程(3)とを備える製造方法によって製造することができる。
次に、この太陽電池における各構成要素について説明する。
(透光性絶縁基板)
透光性基板1を構成する材料は、少なくとも後述する色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させ、かつ太陽電池を支持し得るものであれば特に限定されず、例えば、ソーダ石灰フロートガラス、石英ガラスなどのガラス、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂などの透明ポリマーシートが挙げられる。ただし作製工程において熱処理をする必要があるときには、その必要な熱処理温度に耐えうる透光性基板を用いることが好ましい。
透光性基板1の厚さは、特に限定されないが、0.5〜8mm程度が適当である。
(透明電極層)
透明電極層2を構成する材料は、少なくとも後述する色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させ得る材料であればよく、必ずしもすべての波長領域の光に対して透過性を有する必要はない。このような材料としては、例えば、インジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、フッ素をドープした酸化錫(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、タンタルあるいはニオブをドープした酸化チタンなどが挙げられる。
透明電極層2は、スパッタ法、スプレー法などの公知の方法により、透光性基板1上に形成することができる。透明電極層2の膜厚は、0.02〜5μm程度であり、その膜抵抗は低いほどよく、40Ω/sq以下が好ましい。
透光性基板1としてのソーダ石灰フロートガラス上に、透明電極層2としてのFTOを積層した透光性導電基板を用いることが特に好ましく、この透光性導電基板の市販品を用いてもよい。
(多孔性半導体層)
多孔性半導体層4を構成する材料は、一般に光電変換材料に使用されるものであれば特に限定されない。このような材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リン化インジウム、銅−インジウム硫化物(CuInS2)、CuAlO2、SrCu22などの半導体化合物およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらの中でも、安定性および安全性の点から、酸化チタンが特に好ましい。
この酸化チタンは、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタンおよび水酸化チタン、含水酸化チタンなどを包含し、これらは単独または混合物として用いることができる。アナターゼ型とルチル型の2種類の結晶系は、その製法や熱履歴によりいずれの形態にもなり得るが、アナターゼ型が一般的である。本発明においては、色素増感に関して、アナターゼ型の含有率の高いもの、例えば80%以上のものが特に好ましい。
多孔性半導体層4の形態としては、半導体微粒子の焼結により得られる多孔性半導体膜、ゾルーゲル法、スパッタ法、スプレー熱分解法などにより得られる薄膜状半導体膜、繊維状半導体膜、および針状晶からなる半導体膜などが挙げられ、太陽電池の使用目的に応じて適宜選択することができる。これらの中でも、色素吸着量などの観点から、多孔性半導体膜、針状晶からなる半導体膜などの比表面積の大きな半導体膜が好ましい。また、半導体微粒子の粒径により入射光の利用率などを調整できる観点から、半導体微粒子から形成される多孔性半導体膜が特に好ましい。
半導体微粒子は、水熱合成法などのゾルーゲル法、硫酸法、塩素法などの公知の方法により製造することができ、目的の半導体微粒子を製造できる方法であれば特に限定されない。これらの中でも、結晶性の観点から、水熱合成法が特に好ましい。
半導体微粒子の平均粒径は、1nm〜500nm程度であり、多孔性半導体層4の比表面積を大きくするという点から1〜50nm程度が好ましい。また、太陽電池における入射光を効率的に利用するためには、平均粒径の異なる半導体微粒子を混合してもよく、例えば、前記の半導体微粒子に平均粒径が200〜400nm程度の大きな半導体粒子を添加してもよい。
多孔性半導体層4の膜厚は、特に限定されるものではないが、透過性、変換効率などの観点から、0.5〜45μm程度が好ましい。
(多孔性半導体層の形成方法)
多孔性半導体層4は、例えば、半導体微粒子を任意に高分子などの有機化合物と共に分散剤、有機溶剤、水などに加え、分散させて懸濁液を得、その懸濁液を透光性絶縁基板1上に形成された透明電極層2上に塗布し、得られた塗膜を乾燥、焼成することにより形成することができる。
懸濁液に有機化合物を添加することにより、有機化合物が焼成工程で燃焼して多孔性半導体層4中に空隙を確保するができる。また、有機化合物の分子量や添加量を選択することにより多孔性半導体層4の空隙率を変化させることができる。
このような有機化合物は、懸濁液中に溶解し、焼成工程で燃焼して除去できるものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、エチルセルロースなどの高分子が挙げられる。
有機化合物の種類や量は、使用する半導体微粒子の種類や懸濁液の総重量に対する割合により適宜設定すればよい。半導体微粒子の割合が小さ過ぎる場合には、太陽電池の多孔性半導体層4としての所望の強度が得られないことがあり、半導体微粒子の割合が大き過ぎる場合には、多孔性半導体層4としての所望の空隙率が得られないことがある。したがって、懸濁液の総重量に対する半導体微粒子の割合は、例えば、10〜40重量%程度が適当である。
有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグライム系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、イソプロピルアルコール/トルエンなどの混合溶剤、水などが挙げられる。
懸濁液の塗布方法は、貫通孔の有する多孔性半導体膜を形成できる方法であれば特に限定されず、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法などの公知の方法が挙げられる。
多孔性半導体層4は、特定の平均粒径を有する単一の半導体微粒子を用いて形成した単層膜のみならず、種類や平均粒径の異なる半導体微粒子を含む懸濁液を用いて形成した単層膜、種類や平均粒径の異なる半導体微粒子を含む個々の懸濁液を連続塗布した多層膜であってもよい。また、1回の塗布で所望の膜厚が得られない場合には、同一の懸濁液を連続塗布して膜厚を増加させてもよい。
多孔性半導体層4の形成において、前記懸濁液の塗膜は乾燥および焼成されるが、各工程における温度、時間、雰囲気などの条件は、透光性絶縁基板1の種類や半導体微粒子の種類などにより適宜設定すればよい。乾燥および焼成は、例えば大気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の範囲内で、10秒〜12時間程度で行うことができる。この乾燥および焼成は、単一の温度で1回または温度を変化させて2回以上行うことができる。
太陽電池の光電変換効率を向上させるためには、多孔性半導体層4に後述する色素をより多く吸着させることが必要となる。このため、多孔性半導体層4は、比表面積がある程度大きなものが好ましく、例えば10〜200m2/g程度が好ましい。
また、多孔性半導体層4の空隙率は、色素の吸着および後述するキャリア輸送材料9(電解質)中のイオンの拡散、すなわち電荷輸送の観点から、40〜80%程度が好ましい。
なお、「空隙率」とは、多孔性半導体層4の体積の中で、細孔が占める体積の割合を%で示した値を意味する。
(多孔性絶縁層)
多孔性絶縁層5は、多孔性半導体層4と多孔性対極層6との物理接触および電気的接続を防ぐ機能を有するものであり、キャリア輸送材料9中の酸化還元種が移動する必要があるため、孔を有する形状であることが好ましく、多孔体であることがより好ましい。
物理的に接触を防ぐ手法としては、多孔性半導体層4上に隙間なく多孔性絶縁層5を形成する必要があるため、ある程度の膜厚と場合によっては2回以上の膜形成工程を行う必要がある。多孔性絶縁層5の厚みとしては、1〜100μmが適当である。
電気的に接続を防ぐ手法としては、多孔性絶縁層5の材料として高抵抗材料を用いる、あるいは多孔性絶縁層5と多孔性半導体層4との接触面積および多孔性絶縁層5と多孔性対極層6との接触面積を低下させることが考えられる。
高抵抗材料としては、一般的に酸化物半導体は高抵抗であるため好ましく、より好ましくは、抵抗率材料である酸化ジルコニウムや酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタンである。なお、多孔性絶縁層5は、反射率が高く、多孔性半導体層4を通り抜けてきた光を反射する機能を有することが好ましく、このような材料を用いれば反射率の高い多孔性絶縁層5を形成することができる利点もある。
また、接触面積を低下させる場合、膜表面の表面積を減少させることが好ましい。具体的には、多孔性絶縁層4の表面の凹凸を減少させることや、材料微粒子のサイズを大きくする等が考えられる。
(多孔性対極層)
図2は太陽電池における多孔性対極層6の部分的な拡大模式図である。
多孔性対極層6は、図2に示すように、複数の金属粒子6a同士が接合してなる多孔性電極層と、金属粒子6aの表面に接合した触媒部6bとを有してなる。
この場合、多孔性電極層6は、金属粒子6a同士が導電性接合材料6cを介して接合してなることが好ましく、これにより金属粒子6a同士が容易に接合し、かつ金属粒子6a間の電気抵抗が低減される。
対極層を構成する金属粒子6aとしては、高い導電性を有し、ヨウ素を含む電解液への耐腐食性を有する材料であることが好ましい。具体的な材料としては、チタン、タングステン、ニッケルなどが挙げられ、これらの材料からなる粒子の1種類を単独で用いてもよく、あるいは複数種類を組み合わせて用いてもよい。
これらの金属粒子6a同士を接合させて多孔性電極層を形成する際は、多孔性半導体層4を作製する際の温度と同程度以下の温度で焼成する方法が用いられるため、金属粒子6a同士の接合を容易とするために前記導電性接合材料6cが用いられる。
このような導電性接合材料6cとしては、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛などの導電性酸化物が挙げられる。
触媒部6bは、金属粒子6aと導電性接合材料6cからなる多孔性電極層の表面(すなわち、金属粒子6aの表面)に接合していればよく、具体的には、白金、パラジウムなどの貴金属材料、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレンなどのカーボン系材料などが挙げられる。
(多孔性対極層の形成方法)
多孔性対極層6は、次のA〜Cの形成方法により多孔性絶縁層5上に形成することができる。
<形成方法A>
形成方法Aでは、まず、導電性接合材料6cを含む材料液に金属粒子を分散混合した後、乾燥および熱処理を行って、金属粒子の表面に導電性接合材料が接合した粒子状物を作製し、この粒子状物と触媒形成用材料と高分子材料とを溶媒中で混合してペースト材料を作製し、このペースト材料を前記多孔性絶縁層上に塗布し焼成することにより、多孔性対極層6を形成する。
形成方法Aは、具体的には以下のようにすることができる。
まず、ゾル−ゲル法(例えば、「ゾル−ゲル法のナノテクノロジーへの応用、シーエムシー出版社」参照)にて導電性接合材料6cの塗布溶液を作製する。ゾル−ゲル法は、例えば、「ゾル−ゲル法のナノテクノロジーへの応用、シーエムシー出版社」に記載の方法に準ずることができる。例えば、導電性接合材料6cの塗布溶液としては、塩基性酢酸インジウムと塩化スズからなる溶液を用いる、あるいは、ITO、酸化スズ粒子、FTO、酸化インジウム、酸化亜鉛等の微粒子を溶剤に分散した溶液を用いることができる。
次に、作製した塗布溶液に対して金属粒子6aを重量比で50〜500重量%添加し、50〜800℃程度の範囲内で、10秒〜12時間程度熱処理を行なう。これによって、金属粒子6aの表面に導電性接合材料6cが接合した粒子状物が得られる。この際、金属粒子6aとしては、平均1次粒径が20nm〜1000nmのチタン粒子、タングステン粒子、ニッケル粒子などを用いることができる。平均1次粒径が20nm以下では、内部の電解液による電荷輸送の抵抗が大きくなり、また1000nm以上では、十分な表面積を確保できないことから、20nm〜1000nmの範囲であることが好ましい。
次いで、溶媒中に、得られた粒子状物と、高分子材料と、触媒形成用材料とを混合してペースト材料を作製する。
溶媒としては、例えば、テルピネオール等を用いることができる。また、高分子材料としては、例えば、エチルセルロース等を用いることができる。また、触媒形成用材料としては、塩化白金6水和物等を用いることができる。
これらの各材料の混合割合としては、ペースト材料の総重量に対して、粒子状物は10〜50重量%、高分子材料は5〜25重量%、触媒形成材料は0.1〜5重量%が適当である。
その後、作製したペースト材料を、公知の方法(例えば、スクリーン印刷法)で多孔性絶縁層5上に塗布し、50〜800℃程度の範囲内で10秒〜12時間程度熱処理を行なうことにより、多孔性対極層6を形成することができる。
この多孔性対極層6の厚みとしては、1〜100μmが適当であり、2〜30μmが好ましい。
<形成方法B>
形成方法Bでは、まず、金属粒子6aと導電性材料6cと触媒形成用材料と高分子材料とを溶媒中で混合してペースト材料を作製し、このペースト材料を多孔性絶縁層5上に塗布し焼成することにより、多孔性対極層6を形成する。
この際、金属粒子6a、触媒形成用材料、高分子材料および溶媒としては、形成方法Aと同じものを用いることができ、導電性接合材料6cとしては、平均1次粒径が10nm〜100nmのITO粒子、酸化スズ粒子粒子、FTO粒子、酸化インジウム粒子、酸化亜鉛粒子を用いることができる。
これらの各材料の混合割合としては、ペースト材料の総重量に対して、金属粒子6aは10〜50重量%、粒子状導電性接合材料6cは5〜30重量%、高分子材料は5〜25重量%、触媒形成材料は0.1〜5重量%が適当である。
また、焼成温度としては50〜800℃程度であり、焼成時間としては10秒〜12時間程度である。
<形成方法C>
形成方法Bでは、まず、金属粒子6aと導電性接合材料6cと高分子材料とを溶媒中で混合してペースト材料を作製し、このペースト材料を多孔性絶縁層5上に塗布し焼成して多孔性電極層を形成し、多孔性電極層上に触媒形成用ペーストを塗布し焼成するか、あるいは多孔性電極層上に触媒材料を蒸着することにより、多孔性対極層6を形成する。
この際、金属粒子6a、導電性接合材料、高分子材料および溶媒としては、形成方法Bと同じものを用いることができる。
これらの各材料の混合割合としては、ペースト材料の総重量に対して、金属粒子6aは10〜50重量%、粒子状導電性接合材料6cは5〜30重量%、高分子材料は5〜25重量%が適当である。
触媒形成用ペーストとしては、市販のカーボンペースト(導電ペースト)を用いることができる。また、蒸着の場合、白金、パラジウムなどの貴金属材料が用いられる。
(色素)
多孔性半導体層4に吸着して光増感剤として機能する色素としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収をもつ有機色素、金属錯体色素などが挙げられ、本発明ではこれらの色素の1種または2種以上を選択的に用いることができる。
有機色素としては、例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポリフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などが挙げられる。
金属錯体色素としては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、TA、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの金属分子が配位結合した形態のものが挙げられ、具体的には、ルテニウムビピリジン系金属錯体色素、ルテニウムターピリジン系金属錯体色素、ルテニウムクォーターピリジン系金属錯体色素などのルテニウム系金属錯体色素が挙げられる。
また、多孔性半導体層4に色素を強固に吸着させるためには、色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましく、これらの中でもカルボキシル基(COOH基)が特に好ましい。一般に、インターロック基は、励起状態の色素と多孔性半導体層4の伝導帯との間の電子移動を容易にする電気的結合を供給する。
このようなインターロック基を有する色素としては、上述の有機色素および金属錯体色素が挙げられ、これらの中でも次式(1)〜(3)で表わされるルテニウム系金属錯体色素が特に好ましい。
Figure 2010021102
(色素の吸着法)
多孔性半導体層4に色素を吸着させる方法としては、例えば、透明電極層2を形成した透光性絶縁基板1上に多孔性半導体層4、多孔性絶縁層5、多孔性対極層6を形成して得られた積層体を、色素を溶解した溶液(色素吸着用溶液)に浸漬する方法が挙げられる。
色素を溶解させる溶剤としては、色素を溶解するものであればよく、例えば、エタノール、メタノールなどのアルコール類、アセトンといったケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルといった窒素化合物類、クロロホルムといったハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサンといった脂肪族炭化水素、ベンゼンといった芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、水などが挙げられる。本発明では、これらの溶剤の2種類以上を混合して用いることもできる。
色素吸着用溶液中の色素濃度は、使用する色素および溶剤の種類などにより適宜調整することができるが、吸着機能を向上させるためにはある程度高濃度である方が好ましく、例えば、5×10-5モル/リットル以上の濃度が好ましい。
また、色素の吸着状態や多孔性半導体層4の表面状態を変えるために、色素吸着用溶液に共吸着剤としてデオキシコール酸などの有機化合物を添加してもよい。
多孔性半導体層4への色素吸着時における色素吸着用溶液の温度、浸漬時間、雰囲気などの条件は、多孔性半導体層4を構成する材料や状態、色素吸着用溶液の構成材料などにより適宜設定すればよい。浸漬は、例えば大気雰囲気下、室温程度で行うことができるが、加熱下(30〜60℃程度)で浸漬することにより、多孔性半導体層4に色素を効率よく吸着させることができる。
(カバー部材)
カバー部材7は、作製した太陽電池からのキャリア輸送材料9の漏洩や揮発の防止および外部からの不純物の進入を防ぐ。カバー部材7としては、ガラス板や高分子フィルムなどを用いることができ、これらは水蒸気透過を抑制できる上で好ましい。
(キャリア輸送材料)
キャリア輸送材料9は、イオンを輸送できる導電性材料で構成され、例えば、電解液、高分子電解質等のイオン導電体が好ましい。イオン導電体には、酸化還元性電解質を含むものが好ましく、具体的には、鉄系、コバルト系など金属類、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン物質を酸化還元種として用いることができ、中でもヨウ素が好ましい。
ヨウ素を酸化還元種として用いる場合、一般に電池等に使用できるものであれば特に限定されないが、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化カルシウム等の金属ヨウ化物とヨウ素との組み合わせが最も好ましい。さらに、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイドといったイミダゾール塩を混入してもよい。
また、溶媒としては、プロピレンカーボネートといったカーボネート化合物、アセトニトリルといったニトリル化合物、エタノールといったアルコール類、水、非プロトン極性物質等が挙げられるが、これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が好ましい。これらの溶剤は1種または2種類以上を混合して用いることができる。一方、電解液の揮発が問題となる場合は、溶媒の代わりに溶融塩を用いてもよい。
電解質濃度としては、種々の電解質により選択されるが、0.01〜1.5モル/リットルの範囲が好ましい。
(封止部)
封止部8は、透明電極層2が形成された透光性絶縁基板1とカバー部材7との間の周囲部を封止して、作製した太陽電池からのキャリア輸送材料9の漏洩や揮発の防止および外部からの不純物の進入を防ぐと共に、透光性絶縁基板1とカバー部材7とを接着する。
封止部8を形成する材料としては、透明電極層2が形成された透光性基板1とカバー部材7と接着可能な絶縁材料であることが好ましく、具体的には、熱融着フィルム、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂などを用いることができる。なお、封止部8を構成する材料自体の接着性が弱い場合には、透光性絶縁基板1とカバー部材7を貼り合せる際にこれらを押し付けることができる冶具等を用いてもよい。
なお、太陽電池モジュールを作製する場合には、封止部8は、後述する電池間封止部38a(図3参照)として、隣接するセル間におけるキャリア輸送材料9中の酸化還元種の移動を阻止する役割も果たす。
(実施形態2)
図3は本発明の色素増感太陽電池モジュールを示す概略断面図である。
この太陽電池モジュールは、図1の構造の太陽電池(以下、単セルと称する場合がある)の2つ以上が電気的に直列接続されて形成されてなる。さらに、この太陽電池モジュールは、2つ以上の単セルが同一の透光性絶縁基板31上に形成されてなる。なお、図3において、符号32は透明電極層、符号33はスクライブライン、符号34は多孔性半導体層、符号35は多孔性絶縁層、符号36は多孔性対極層、符号37はカバー部材、符号39はキャリア輸送材料を表している。
さらに詳しく説明すると、この太陽電池モジュールは、一の単セルの多孔性対極層6の一端が、隣接する他の単セルの透明電極層2と電気的に接続し、一の単セルの多孔性絶縁層5の一端が、単セル間のスクライブライン33上に形成されている。また、太陽電池モジュールの外周部は封止部38にて封止されると共に、単セル間には電池間封止部38aが形成されている。
電池間封止部38aは、多孔性絶縁層35上に形成されていないことが好ましい。それは、多孔性絶縁層35が多孔体であり、キャリア輸送層中の酸化還元種が多孔性絶縁層35を通して移動することが可能であるため、電池間封止部38aを透明電極層32上に形成するだけでは、酸化還元種の単セル間の移動を阻止することができないからである。ただし、多孔性絶縁層35中に電池間封止材料を十分浸透させることができれば、この限りではない。
また、複数の単セルのうち一端側の単セルの多孔性対極層36は、封止部38近傍に配置された引出し電極32aと電気的に接続されており、引出し電極32aおよびこれと反対側の透明電極層32のそれぞれの封止部38よりも外部に露出した部分は集電電極部40とされている。
なお、図3に示す太陽電池モジュールの代りに、図1の太陽電池単セルの複数個を別の透光性基板上に貼り合せ、隣接する太陽電池単セルを外部回路により電気的に直列接続してもよいが、集積率向上の観点から、複数の太陽電池単セルが同じ透光性絶縁基板31上に形成されている図3の構造の太陽電池モジュールが好ましい。
本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。なお、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
(多孔性対極層の形成例A)
上述の形成方法Aに準じて、ITO塗布溶液を作製し、その溶液に対してTi粉末(高純度化学研究所製、粒子径250〜600nm)を250重量%添加し攪拌した後、100℃で1時間乾燥し、続いて400℃で30分間熱処理した。これにより、Ti粒子の表面にITOが形成された粒子状物が得られた。
次いで、テルピネオール中に、得られた粒子状物と、エチルセルロースと、塩化白金6水和物とを混合して対極用ペースト材料を作製した。これらの各材料の混合割合は、ペースト材料の総重量に対して、粒子状物は35重量%、エチルセルロースは15重量%、塩化白金6水和物は2重量%である。
次に、得られたペースト材料をスクリーン印刷法によりガラス基板上に印刷し、550℃で1時間焼成して、膜厚12μmの多孔性対極層のサンプルA1を形成した。
前記サンプルA1の多孔性対極層をSEM−EDX(日立ハイテク社製、S−3400NX)を用いて観察を行なった結果、400nm程度の粒子の表面に、80nm程度の微粒子と20nm程度の微粒子の集合体が確認された。また、400nm程度の粒子は20nm程度の微粒子の複合体により接合されて多孔性電極を形成していることが確認された。また、EDX測定を行なった結果、400nm程度の粒子はTi、80nm程度の粒子はPtであることが確認され、20nm程度の粒子はInとSnのピークが観測されたことからITOであると推測された。
また、サンプルA1のITO塗布溶液の割合の0.5倍、1.5倍、2倍のITO塗布溶液を用いてペースト材料を作製し、これらのペースト材料を用いて上述と同様にして多孔性対極層のサンプルA2〜A4を形成し、それらをSEM−EDXで観察した。その結果、Ti粒子表面に形成されたITOがTi粒子の接合を行なっている場合や、Ti粒子間の隙間を埋めるようにITOが形成されている場合が確認された。
また、これらサンプルA1〜A4のシート抵抗を測定したところ、サンプルA1は0.41Ω/cm2、サンプルA2は0.76Ω/cm2、サンプルA3は0.36Ω/cm2、サンプルA4は0.30Ω/cm2であり、それぞれ十分な導電性を有し、形状が安定した多孔性対極層であることが確認できた。なお、シート抵抗の測定方法は四端子法である。
(多孔性対極層の形成例B)
上述の形成方法Bに準じて、Ti粉末と、ITO粒子(シーアイ化成株式会社製、平均1次粒径30nm)と、塩化白金6水和物と、エチルセルロースをテルピネオール中で混合して対極用ペースト材料を作製した。この際、これらの各材料の混合割合は、ペースト材料の総重量に対して、Ti粉末は35重量%、ITO粒子は15重量%、エチルセルロースは15重量%、塩化白金6水和物は2重量%である。なお、ITO粒子以外の各材料は、サンプルAと同じものを用いた。
次に、得られたペースト材料をスクリーン印刷法によりガラス基板上に印刷し、550℃で1時間焼成することにより、膜厚12μmの多孔性対極層のサンプルBを形成した。
前記サンプルBの多孔性対極層をSEM−EDX(日立ハイテク社製、S−3400NX)を用いて観察を行なった結果、400nm程度の粒子の表面に、80nm程度の微粒子と20nm程度の微粒子の集合体が確認された。また、400nm程度の粒子は20nm程度の微粒子の複合体により接合されて多孔性電極を形成していることが確認された。また、EDX測定を行なった結果、400nm程度の粒子はTi、80nm程度の粒子はPtであることが確認され、20nm程度の粒子はInとSnのピークが観測されたことからITOであると推測された。
(多孔性対極層の形成例C)
上述の形成方法Cに準じて、Ti粉末と、ITO粒子と、エチルセルロースとをテルピネオール中で混合してペースト材料を作製した。この際、これらの各材料の混合割合は、ペースト材料の総重量に対して、Ti粉末は35重量%、ITO粒子は15重量%、エチルセルロースは15重量%である。なお、各材料は、サンプルBと同じものを用いた。
次に、得られたペースト材料をスクリーン印刷法によりガラス基板上に印刷し、550℃で1時間焼成することにより、膜厚12μmの多孔性電極層を形成した。
続いて、多孔性電極層上に、蒸着装置(アネルバ株式会社製、型番:EVD500A)を用いて蒸着速度4Å/sで200nmのPt膜を形成して多孔性対極層のサンプルCを形成した。
前記サンプルCの多孔性対極層をSEM−EDX(日立ハイテク社製、S−3400NX)を用いて観察を行なった結果、400nm程度の粒子の表面に、20nm程度の微粒子の集合体が確認され、400nm程度の粒子は20nm程度の微粒子の複合体により接合されて多孔性電極を形成していることが確認された。また、EDX測定を行なった結果、400nm程度の粒子はTi、20nm程度の粒子はInとSnのピークが観測されたことからITOであると推測された。また、EDX測定を行なった結果、多孔性電極上の膜はPtであることが確認された。
(実施例1)
ガラスからなる透光性基板上にF−SnO2膜からなる透明電極が成膜された、30mm×30mm×厚さ1.0mmの透明電極基板21(日本板硝子株式会社製、SnO2膜付ガラス)を用意した。次に、図4(A)に示すように、透明電極基板21の透明電極をレーザースクライブにより切断し、幅100μmのスクライブライン22を形成した。なお、図4(A)において、寸法aは30mm、寸法bは30mm、寸法cは10mmである。
次いで、図4(B)に示すように、10mm×10mmの開口パターンを有するスクリーン版とスクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、型番:LS−150)を用いて、市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、商品名:D/SP)を透明電極基板21上に塗布し、室温で1時間レベリングを行った。
その後、得られた塗膜を80℃に設定したオーブンで20分間乾燥し、さらに500℃に設定した焼成炉(株式会社デンケン製、型番:KDF P−100)を用いて空気中で60分間焼成した。この塗布および焼成工程を4回繰り返して、膜厚25μmの多孔性半導体膜23を得た。なお、図4(B)において、寸法dは10mm、寸法eは10mm、寸法fは10mmである。
次に、図4(C)に示すように、10.4mm×10.2mmの開口パターンを有するスクリーン版とスクリーン印刷機を用いて、ジルコニア粒子(平均粒経50nm)を含むペーストを多孔性半導体層23上に塗布し、その後、500℃、60分間で焼成を行い、平坦部分の膜厚が13μmの多孔性絶縁層24を形成した。なお、図4(C)において、寸法gは10.4mm、寸法hは10.2mm、寸法iは9.9mm、寸法jは9.8mmである。
次いで、図4(D)に示すように、上述の形成例Aに準じて作製した対極用ペーストを、10.5mm×10mmの開口パターンを有するスクリーン版とスクリーン印刷機を用いて多孔性絶縁層24上に塗布し、その後550℃、60分間で焼成を行い、平坦部の膜厚が12μmの多孔性対極層25を形成した。なお、図4(D)において、寸法kは10.5mm、寸法lは10mm、寸法mは9.6mm、寸法nは10mmである。
次いで、予め調製しておいた色素吸着用溶液に、上述の工程を経て得た積層体を室温で100時間浸漬し、その後、積層体をエタノールで洗浄し、約60℃で約5分間乾燥させて、多孔性半導体層23に色素を吸着させた。
吸着用色素溶液は、前記式(2)の色素(Solaronix社製、商品名:Ruthenium620 1H3TBA)を濃度4×10-4モル/リットルになるように、体積比1:1のアセトニトリルとt−ブタノールの混合溶剤に溶解させて調製した。
次いで、積層体が形成された基板と、カバー部材としてのガラス基板とを、積層体の周囲を囲う形に切り出した熱融着フィルム(デュポン社製、ハイミラン1855)を用いて貼り合せ、約100℃に設定したオーブンで10分間加熱することによりこれらを圧着した。
次いで、予め調製しておいたキャリア輸送材料としての電解液を、ガラス基板に予め形成しておいた電解液注入用孔から注入し、紫外線硬化樹脂(スリーボンド社製、型番:31X−101)229を用いて電解液注入用孔を封止することにより、電荷輸送層を形成し、図1に示す構造の太陽電池(単セル)を完成した。なお、その後は、得られた太陽電池の外部に露出した透明電極および引出し電極に集電電極部としてAgペースト(藤倉化成株式会社製、商品名:ドータイト)を塗布した。
電解液は、溶剤としてのアセトニトリルに、酸化還元種としてLiI(アルドリッチ社製)が濃度0.1モル/リットル、I2(キシダ化学社製)が濃度0.01モル/リットルになるように、さらに添加剤としてt−ブチルピリジン(アルドリッチ社製)が濃度0.5モル/リットル、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(四国化成工業社製)が濃度0.6モル/リットルになるように添加し、溶解させて調製した。
この太陽電池の透明電極基板21の外面である受光面に、開口部の面積が1.0cm2である黒色のマスクを設置し、受光面に1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
また、実施例1で用いた対極用ペースト材料をガラス基板上に1cm×5cmの大きさで塗布し、実施例1と同じ条件で焼成を行い、平坦部分の膜厚が12μmの測定用多孔性対極層を形成した。そして、測定用多孔性対極層の抵抗値を4端子法により測定し、その結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1におけるTi粉末を用いる代わりにNi粉末(粒子径1000nm)を用いた以外は、実施例1と同様に色素増感太陽電池を作製し、実施例1と同様にして光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
また、実施例2で用いた対極用ペースト材料をガラス基板上に1cm×5cmの大きさで塗布し、実施例1と同じ条件で焼成を行い、平坦部分の膜厚が12μmの測定用多孔性対極層を形成した。そして、測定用多孔性対極層の抵抗値を4端子法により測定し、その結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1におけるTi粉末を用いる代わりにタングステン粉末(粒子径600nm)を用いた以外は、実施例1と同様に色素増感太陽電池を作製し、実施例1と同様にして光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
また、実施例3で用いた対極用ペースト材料をガラス基板上に1cm×5cmの大きさで塗布し、実施例1と同じ条件で焼成を行い、平坦部分の膜厚が12μmの測定用多孔性対極層を形成した。そして、測定用多孔性対極層の抵抗値を4端子法により測定し、その結果を表1に示した。
(実施例4)
対極用ペースト材料を上述の形成例Bに準じて作製したこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製し、実施例1と同様にして光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
また、実施例4で用いた対極用ペースト材料をガラス基板上に1cm×5cmの大きさで塗布し、実施例1と同じ条件で焼成を行い、平坦部分の膜厚が12μmの測定用多孔性対極層を形成した。そして、測定用多孔性対極層の抵抗値を4端子法により測定し、その結果を表1に示した。
(実施例5)
対極用ペースト材料を上述の形成例Cに準じて作製したこと以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池を作製し、実施例1と同様にして光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
また、実施例5で用いた対極用ペースト材料をガラス基板上に1cm×5cmの大きさで塗布し、実施例1と同じ条件で焼成を行い、平坦部分の膜厚が12μmの測定用多孔性対極層を形成した。そして、測定用多孔性対極層の抵抗値を4端子法により測定し、その結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1におけるTi粉末の代わりにITO粒子(シーアイ化成株式会社製、平均粒径30nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様に色素増感太陽電池を作製し、実施例1と同様にして光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
また、比較例1で用いた対極用ペースト材料をガラス基板上に1cm×5cmの大きさで塗布し、実施例1と同じ条件で焼成を行い、平坦部分の膜厚が12μmの測定用多孔性対極層を形成した。そして、測定用多孔性対極層の抵抗値を4端子法により測定し、その結果を表1に示した。
Figure 2010021102
表1の結果から、実施例1〜5は、比較例1と比べて多孔性対極層のシート抵抗値が大幅に低減しており、それによって光電変換効率が向上していることがわかった。これは、実施例1〜5の場合、金属粒子(Ti)によって良好な導電性を発現しているのに対して、比較例1の場合は、多孔性対極層の骨格をなす導電性が良好な金属粒子が欠けているためシート抵抗値が高いと考えられる。
なお、比較例1の多孔性対極層は、白金の含有量を増加させればシート抵抗値を低減できると考えられるが、そうするとコストが上昇するという新たな問題が生じる。一方、実施例1〜5では、多孔性対極層中の白金の含有量を少なく抑えながら、高い導電性を実現することができる。
(実施例6)
図3に示す構造の色素増感太陽電池モジュールを以下のようにして作製した。
まず、ガラス基板からなる透光性絶縁基板31の表面にSnO2膜が形成された透明電極基板(日本板硝子社製、商品名:SnO2膜付ガラス:縦60mm×横37mm)を用意した。そして、透明電極基板の表面のSnO2膜をレーザースクライブにより縦方向に平行に幅100μmのスクライブライン33を複数本形成することにより、透明電極層32をパターニング形成した。スクライブライン33はガラス基板の左端から9.5mmの位置と、そこから7mm間隔で合計4箇所形成した。
次に、実施例1に準じて、4つの透明電極層32上に多孔性半導体層34を形成した。形成された各多孔性半導体層32は、膜厚25μm、幅5mm、長さ50mmのサイズであり、透光性絶縁基板31の左端から6.9mmの位置を中心として1つ形成され、この多孔性半導体層の中心から7mmの間隔で3つ形成された。
次に、実施例1に準じて、4つの多孔性半導体層34上に多孔性絶縁層35を形成した。形成された各多孔性絶縁層35は、膜厚20μm、幅5.6mm、長さ50.4mmのサイズであり、透光性絶縁基板31の左端から6.9mmの位置を中心として1つ形成され、この多孔性絶縁層35の中心から7mmの間隔で3つ形成された。
次に、実施例1に準じて、4つの多孔性絶縁層35上に多孔性対極層36を形成した。形成された各多孔性対極層36は、膜厚12μm、幅5.6mm、長さ50mmのサイズであり、透光性絶縁基板31の左端から7.2mmの位置を中心として1つ形成され、この多孔性絶縁層35の中心から7mmの間隔で3つ形成された。
次に、上述の工程を経て得られた積層体を、予め調製した色素溶液に室温で120時間浸漬することにより、多孔性半導体膜34に色素を吸着させた。
色素溶液は前記式(2)の色素(Solaronix社製 Ru535bisTBA)を濃度4×10-4モル/リットルになるように、体積比1:1のアセトニトリルとt−ブタノールの混合溶剤に溶解させて調製したものを使用した。
次に、積層体の外周部および単セル間に紫外線硬化樹脂(スリーボンド社製 31X−101)をディスペンサー(EFD社製 ULTRASAVER)により塗布し、カバー部材37として縦60mm×横30mmのガラス基板を貼り合わせた後、紫外線ランプ(EFD社製 NOVACURE)を用いて紫外線を照射することにより、紫外線硬化樹脂を硬化させて封止部38および電池間封止部38aを形成した。
その後、カバー部材37に予め形成した電解液注入孔より、実施例1で用いた電解液を注入し、電解液注入孔の位置に紫外線硬化樹脂を介して6mm×6mmのカバーガラスを設置し、紫外線を照射することで紫外線硬化樹脂を硬化させて封止してキャリア輸送層39を形成し、太陽電池モジュールを完成させた。
その後、得られた太陽電池モジュールにおける外部に露出した透明電極層32および引出し電極32aに集電電極部40としてAgペースト(藤倉化成株式会社製、商品名:ドータイト)を塗布した。
この太陽電池モジュールの透光性絶縁基板31の外面である受光面に、開口部の面積が13cm2である黒色のマスクを設置し、受光面に1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して光電変換効率を測定し、その結果を表2に示した。
また、実施例6で用いた対極用ペースト材料をガラス基板上に1cm×5cmの大きさで塗布し、実施例6と同じ条件で焼成を行い、平坦部分の膜厚が12μmの測定用多孔性対極層を形成した。そして、測定用多孔性対極層の抵抗値を4端子法により測定し、その結果を表2に示した。
(比較例2)
対極用ペースト材料として比較例1で用いたものを用いたこと以外は、実施例6に準じて太陽電池モジュールを作製し、実施例6と同様にして光電変換効率を測定し、その結果を表2に示した。
また、比較例2で用いた対極用ペースト材料をガラス基板上に1cm×5cmの大きさで塗布し、実施例6と同じ条件で焼成を行い、平坦部分の膜厚が12μmの測定用多孔性対極層を形成した。そして、測定用多孔性対極層の抵抗値を4端子法により測定し、その結果を表2に示した。
Figure 2010021102
表2の結果から、太陽電池モジュールである実施例6も、実施例1〜5と同様に、比較例2と比べて多孔性対極層のシート抵抗値が大幅に低減しており、それによって光電変換効率が向上していることがわかった。
本発明の色素増感太陽電池を示す概略断面図である。 本発明の色素増感太陽電池における多孔性対極層の部分的な拡大模式図である。 本発明の色素増感太陽電池モジュールを示す概略断面図である。 本発明の実施例1の色素増感太陽電池の製造工程図である。
符号の説明
1、31 透光性絶縁基板
2、32 透明電極層
2a、32a 引出し電極
3、33 スクライブライン
4、34 多孔性半導体層
5、35 多孔性絶縁層
6、36 多孔性対極層
7、37 カバー部材
8、38 封止部
38a 電池間封止部
9、39 キャリア輸送材料(キャリア輸送層)
40 集電電極部

Claims (11)

  1. 透光性絶縁基板上に、透明電極層、色素が吸着された多孔性半導体層、多孔性絶縁層、多孔性対極層、カバー部材がこの順に積層され、かつ前記多孔性半導体層、多孔性絶縁層および多孔性対極層の内部にキャリア輸送材料が含浸され、かつ前記透光性絶縁基板と前記カバー部材の間の周囲部が封止部にて封止されてなり、
    前記多孔性対極層は、金属粒子同士が接合してなる多孔性電極層と、前記金属粒子の表面に接合した触媒部とを有してなることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 前記多孔性電極層は、金属粒子同士が導電性接合材料を介して接合してなる請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記触媒部が、白金、カーボンおよび導電性高分子のうちの1種以上を含んでなる請求項1または2に記載の色素増感太陽電池。
  4. 前記金属粒子が、チタン粒子、タングステン粒子およびニッケル粒子のうちの1種以上を含んでなる請求項1〜3のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記導電性接合材料が、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、酸化亜鉛のうちの1種以上を含んでなる請求項1〜4のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池。
  6. 透光性絶縁基板上に透明電極層、色素が吸着された多孔性半導体層、多孔性絶縁層および多孔性対極層をこの順で積層する工程(1)と、
    前記多孔性対極層の表面をカバー部材にて被覆し、かつ前記透光性絶縁基板とカバー部材の間の周囲部を封止部にて封止する工程(2)と、
    前記透光性絶縁基板とカバー部材の間の内側領域にキャリア輸送材料を注入して、前記多孔性半導体層、多孔性絶縁層および多孔性対極層の内部に前記キャリア輸送材料を浸透させる工程(3)とを備え、
    前記多孔性対極層は、複数の金属粒子同士が接合してなる多孔性電極層と、前記金属粒子の表面に接合した触媒部とを有してなることを特徴とする色素増感太陽電池の製造方法。
  7. 前記多孔性対極層が、前記導電性接合材料を含む材料液に金属粒子を分散混合した後、乾燥および熱処理を行って、金属粒子の表面に導電性接合材料が接合した粒子状物を作製し、この粒子状物と触媒形成用材料と高分子材料とを溶媒中で混合してペースト材料を作製し、このペースト材料を前記多孔性絶縁層上に塗布し焼成することにより形成される請求項6に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  8. 前記多孔性対極層が、前記金属粒子と導電性材料と触媒形成用材料と高分子材料とを溶媒中で混合してペースト材料を作製し、このペースト材料を前記多孔性絶縁層上に塗布し焼成することにより形成される請求項6に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  9. 前記多孔性対極層が、前記金属粒子と導電性材料と高分子材料とを溶媒中で混合してペースト材料を作製し、このペースト材料を前記多孔性絶縁層上に塗布し焼成して前記多孔性電極層を形成し、多孔性電極層上に触媒形成用ペーストを塗布し焼成するか、あるいは多孔性電極層上に触媒材料を蒸着することにより形成される請求項6に記載の色素増感太陽電池の製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池の2つ以上が電気的に直列接続されて形成されてなる色素増感太陽電池モジュール。
  11. 前記2つ以上の色素増感太陽電池が同一の透光性絶縁基板上に形成されてなる請求項10に記載の色素増感太陽電池モジュール。
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