JP2010019331A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐圧性の維持を図りつつ装置の小型化を図ることができる密封装置を提供する。
【解決手段】ハウジングに設けられた軸孔の内周面に固定されるとともに、該軸孔の内周面と該軸孔に挿通される往復動軸の外周面との間に形成される環状隙間を密封する密封装置1であって、軸孔内周面に嵌合固定される嵌合部11及び軸外周面に摺動自在に接触するシールリップ部12を有するゴム状弾性体部10と、ゴム状弾性体部10におけるシールリップ部12の根元付近に取り付けられるバックアップリング16と、シールリップ部12に取り付けられるスプリング15と、ゴム状弾性体部10における低圧側端面に設けられる座金14と、を備え、嵌合部11における油圧側(O)に、自由状態において油圧側(O)かつ軸孔内周面側に向かって延びる第2のシールリップ部13を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ハウジングに設けられた軸孔の内周面に固定されるとともに、該軸孔の内周面と該軸孔に挿通される往復動軸の外周面との間に形成される環状隙間を密封する密封装置1であって、軸孔内周面に嵌合固定される嵌合部11及び軸外周面に摺動自在に接触するシールリップ部12を有するゴム状弾性体部10と、ゴム状弾性体部10におけるシールリップ部12の根元付近に取り付けられるバックアップリング16と、シールリップ部12に取り付けられるスプリング15と、ゴム状弾性体部10における低圧側端面に設けられる座金14と、を備え、嵌合部11における油圧側(O)に、自由状態において油圧側(O)かつ軸孔内周面側に向かって延びる第2のシールリップ部13を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、軸とハウジングに設けられた軸孔との間の環状隙間を密封する密封装置に関するものである。
現在、略全ての自動車にはパワーステアリング装置が装着されており、自動車の大きさや重さにかかわらず容易なステアリング操作が可能となっている。パワーステアリングの機構としては電気式、油圧式、もしくは電気と油圧のハイブリッド式等、種々の機構があるが、簡易な構造により大きなアシスト力を得ることができる理由から、今日でも油圧式が主流となっている。
油圧式のパワーステアリングの軸摺動部には油を密封することを目的としてオイルシールが装着されている。この種のオイルシールとしては、図3に示すような、密封装置100が知られている。図3は、従来技術に係る密封装置の模式的断面図である。
図3に示すように、密封装置100は、ハウジングの軸孔内周面に嵌合される環状のシール本体101と、軸の外周面に摺動自在に接触するシールリップ102と、を備えている。
シール本体101は、金属からなる補強環101aと、補強環101aに一体的に焼付き固定されるゴム状弾性体101bと、から構成される。補強環101aは、円筒部101cと、円筒部101cの大気側(A)端部から径方向内向きに延びるフランジ部101dと、から構成される。ゴム状弾性体101bの一部は、補強環101aのフランジ部101dの先端付近から油室側(O)(密封対象領域側)に延びてシールリップ102を形成している。また、ゴム状弾性体101bの他の一部は、補強環101aの円筒部101cの外周面を覆うように形成され、円筒部101cとともにシール本体101の嵌合部を形成している。
シールリップ102の外周には、軸に対する緊迫力を増加させるスプリング103が装着されている。また、シール本体101の内周であってシールリップ102の根元と補強環101aのフランジ部101dの先端部との間には、バックアップリング104が装着されており、油圧側(O)から高い圧力(概ね10MPa以上)を受けるシールリップ102の変形を抑制し、シールリップ102の早期摩耗や発熱を防止している。
上述のように構成された密封装置100は、補強環101aの円筒部101cの外周面に焼付き固定されたゴム状弾性体101bの一部が、軸孔内周面と円筒部101cとの間の寸法のばらつき等を吸収して軸孔内周面に密着することにより、シール本体101の嵌合部における密封性を高めるように構成されている。
なお、密封装置のその他の構成としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
ところで、近年の車輌の小型化にともない、パワーステアリング装置にも省スペース化が要求されている。アシスト力を従来と同様に維持したまま装置の小型化を図るためには、装置の構成において外筒(オイルハウジング径)を小型化するとともに更なる高圧化を図ることが必要となる。
パワーステアリング装置用の密封装置として、このような外筒の小径化に対応するためには、内径はそのままで外径のみを小さくすることが必要となる。一方、更なる高圧化に対応するためには、軸に摺動接触するシールリップを支えるバックアップリングは従来通り装着する必要がある。ところが、従来の断面L字状の補強環を用いた構成では、ハウジングとの嵌合部が、金属補強環の筒状部と、その表面に焼付けられるゴム状弾性体とから構成されているため、嵌合部の厚みを小さくするには限界がある。したがって、密封装置の外径を小さくしようとすると、バックアップリングやスプリングを装着するスペースがなくなってしまう可能性がある。
特開2000−136880号公報
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、耐圧性の維持を図りつつ装置の小型化を図ることができる密封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明における密封装置は、
ハウジングに設けられた軸孔の内周面及び該軸孔に挿通されるとともに該軸孔に対して軸方向に往復動する軸の外周面のうちの一方の周面に固定されるとともに、該一方の周面と他方の周面との間に形成される環状隙間を密封する密封装置であって、
前記一方の周面に嵌合固定される嵌合部及び前記他方の周面に摺動自在に接触するシールリップ部を有するゴム状弾性体部と、
前記ゴム状弾性体部における前記シールリップ部の根元付近に取り付けられるバックアップリングと、
前記シールリップ部に取り付けられるスプリングと、
前記ゴム状弾性体部における低圧側端面に設けられる座金状の補強部材と、
を備え、
前記ゴム状弾性体部の前記嵌合部における高圧側に、自由状態において高圧側かつ前記一方の周面側に向かって延びる第2のシールリップ部を設けたことを特徴とする。
ハウジングに設けられた軸孔の内周面及び該軸孔に挿通されるとともに該軸孔に対して軸方向に往復動する軸の外周面のうちの一方の周面に固定されるとともに、該一方の周面と他方の周面との間に形成される環状隙間を密封する密封装置であって、
前記一方の周面に嵌合固定される嵌合部及び前記他方の周面に摺動自在に接触するシールリップ部を有するゴム状弾性体部と、
前記ゴム状弾性体部における前記シールリップ部の根元付近に取り付けられるバックアップリングと、
前記シールリップ部に取り付けられるスプリングと、
前記ゴム状弾性体部における低圧側端面に設けられる座金状の補強部材と、
を備え、
前記ゴム状弾性体部の前記嵌合部における高圧側に、自由状態において高圧側かつ前記一方の周面側に向かって延びる第2のシールリップ部を設けたことを特徴とする。
自由状態、すなわち、密封装置の装着前の状態において高圧側かつ一方の周面側に向かって延びる第2のシールリップ部は、嵌合部が一方の周面に嵌合された状態、すなわち、密封装置の装着状態において、一方の周面に対してしめ代を有して密着することになる。このように、嵌合部における高圧側に設けられた第2のシールリップ部がしめ代を有して一方の周面に密着することにより、嵌合部における面圧分布が高圧側において相対的に高くなる。したがって、高圧に対する嵌合部の密封性が高められる。また、ゴム状弾性体部の低圧側端面に設けられた座金状の補強部材によって耐圧性が高められる。
さらに、嵌合部がゴム状弾性体部のみから構成されているので、一方の周面に対して密封性高く密着できるとともに、嵌合部の構成が従来のように径方向に複数の部材が並んだ構成となっていないので、嵌合部の径方向の厚みを小さくすることが可能となる。したがって、バックアップリングやスプリングの装着スペースを確保しつつ径寸法の小型化に対応することが可能となる。
以上説明したように、本発明により、耐圧性の維持を図りつつ装置の小型化を図ることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例)
図1及び図2を参照して、実施例に係る密封装置について説明する。図1は、本発明の実施例に係る密封装置の模式的半断面図である。図2は、本発明の実施例に係る密封装置の装着状態を示す模式的半断面図である。
図1及び図2を参照して、実施例に係る密封装置について説明する。図1は、本発明の実施例に係る密封装置の模式的半断面図である。図2は、本発明の実施例に係る密封装置の装着状態を示す模式的半断面図である。
本発明の実施例に係る密封装置1は、パワーステアリング装置における油圧シリンダ等に用いられる、いわゆるオイルシールである。図2に示すように、密封装置1は、油圧シリンダ等のハウジング400(の軸孔)の内周面401に固定され、ハウジング400(の軸孔)の内周面401と、該ハウジング400(の軸孔)に挿通されるとともにハウジング400(の軸孔)に対して軸方向に往復動するピストンロッド等の軸300の外周面301と、の間の環状隙間を密封する。
図1に示すように、密封装置1は、主として、断面略U字状のリップパッキン(いわゆるUパッキン)と酷似した断面形状を有する環状のゴム状弾性体部10によって構成されている。ゴム状弾性体部10は、ゴム状の弾性材からなり、外周面がハウジング400の内周面401に嵌合固定される嵌合部11となっている。
また、ゴム状弾性体部10の内周側には、軸300の外周面301に摺動自在に接触するシールリップ部12が設けられている。シールリップ部12は、油圧(高圧)側(O)に向かって延びるとともに、その内周側に内径方向にとがった尖形のリップ先端部12aを有している。
また、嵌合部11の油圧側(O)には、油圧側(O)かつ外径方向(ハウジング400の内周面401側)に向かって延びる第2のシールリップ部13が設けられている。シールリップ部13は、その外周側に外径方向にとがった尖形のリップ先端部13aを有している。
ゴム状弾性体部10の大気(低圧)側(A)の端面には、補強部材としての座金14が設けられている。ゴム状弾性体10は、座金14に一体的に焼付け固定されている。図2に示すように、座金14の大気側(A)には突き当て部材200が配置されており、密封装置1は、作動油の圧力によって大気側(A)に移動しないように、座金14が突き当て部材200に軸方向に当接した状態で装着される。なお、補強部材としては、座金状の硬質な部材であれば金属製の座金に限られるものではない。
シールリップ部12の外周には軸300に対する緊迫力を増加させるスプリング15が取り付けられている。また、ゴム状弾性体部10におけるシールリップ部12の根元部分と座金14との間には、バックアップリング16が取り付けられている。バックアップリング16は、油圧側Oから高い圧力(概ね10MPa以上)を受けるシールリップ部12の変形を抑制し、シールリップ部12の早期摩耗や発熱を防止するために設けられている。
第2のシールリップ部13は、シールリップ部12よりも油圧側(O)への長さ(突出量)が短く設定されており、シールリップ部12との間にスプリング15をシールリップ部12に取り付けるための隙間が形成されるように構成されている。
また、シールリップ部12、13は、それぞれ、接触相手部材に対してしめ代を有するように寸法設定されている。すなわち、図1に示すように、シールリップ部12のリップ先端部12a付近の領域は、自由状態(装着前の状態)において、軸300の径寸法よりも小さい径寸法となっている。また、シールリップ部13のリップ先端部13a付近の領域は、自由状態において、ハウジング400の内周径よりも大きな径寸法となっている。
したがって、図2に示すように、密封装置1が軸300とハウジング400との間に装着されると、シールリップ部12は、先端側が外径側に倒れこむような拡径変形を生じた状態となり、シールリップ部13は、先端側が内径側に倒れこむような縮径変形を生じた状態となる。
また、シールリップ部12、13の間には、油圧側(O)に開口する断面略U字状の溝が形成される。該溝に油圧側(O)から高圧の作動油の圧力が作用して各シールリップ部12、13に径方向に作用する分力が発生することにより、各シールリップ部12、13は各相手部材に対する密着力が高められる。ここで、図2に示すように、シールリップ部13によってハウジング400の内周面401に発生する面圧13bは、リップ先端部13a付近において最も高くなる。
本実施例に係る密封装置1によれば、嵌合部11の油圧側(O)に設けた第2のシールリップ部13が、ハウジング400の内周面401に対してしめ代を有して密着し、嵌合部11における面圧分布が油圧側(O)において相対的に高くなることにより、高圧(概ね10MPa以上)の作動油に対する嵌合部11の密封性が高められる。また、ゴム状弾性体部10の大気側(A)の端面に設けられた座金14によって高圧の作動油に対する耐久性が高められている。
また、本実施例に係る密封装置1によれば、嵌合部11がゴム状弾性体部10のみから構成されており、従来のように金属製の補強環とその表面に焼き付けられるゴム状弾性体とからなる構成のように、径方向に複数の部材が並んだ構成となっていないので、径方向の小型化、特に、外径寸法の小径化を図ることが可能となる。したがって、バックアップリング16やスプリング15の装着スペースを確保しつつ径寸法の小型化に対応することが可能となる。また、嵌合部11がゴム状弾性体で構成されているので、ハウジング400の内周面401に対して密封性高く密着することができるとともに、従来のような金属による嵌合ではなく、弾性体による嵌合なので装着性が格段に向上される。
また、本実施例に係る密封装置1によれば、ゴム状弾性体部10の剛性を高めるための補強部材を、従来のような断面L字状の金属補強環ではなく、座金(ワッシャ)14を用いているので、材料費や加工費を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
したがって、本実施例に係る密封装置1によれば、耐圧性の維持を図りつつ装置の小型化を図ることができる。
以上の説明においては、密封装置がハウジングに嵌合固定される構成について説明したが、ハウジングではなく軸に嵌合固定される構成であっても、本願発明を好適に適用できることはいうまでもない。
1 密封装置
10 ゴム状弾性体部
11 嵌合部
12 シールリップ部
13 シールリップ部
14 座金
15 スプリング
16 バックアップリング
200 突き当て部材
300 軸
400 ハウジング
10 ゴム状弾性体部
11 嵌合部
12 シールリップ部
13 シールリップ部
14 座金
15 スプリング
16 バックアップリング
200 突き当て部材
300 軸
400 ハウジング
Claims (1)
- ハウジングに設けられた軸孔の内周面及び該軸孔に挿通されるとともに該軸孔に対して軸方向に往復動する軸の外周面のうちの一方の周面に固定されるとともに、該一方の周面と他方の周面との間に形成される環状隙間を密封する密封装置であって、
前記一方の周面に嵌合固定される嵌合部及び前記他方の周面に摺動自在に接触するシールリップ部を有するゴム状弾性体部と、
前記ゴム状弾性体部における前記シールリップ部の根元付近に取り付けられるバックアップリングと、
前記シールリップ部に取り付けられるスプリングと、
前記ゴム状弾性体部における低圧側端面に設けられる座金状の補強部材と、
を備え、
前記ゴム状弾性体部の前記嵌合部における高圧側に、自由状態において高圧側かつ前記一方の周面側に向かって延びる第2のシールリップ部を設けたことを特徴とする密封装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008180096A JP2010019331A (ja) | 2008-07-10 | 2008-07-10 | 密封装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008180096A JP2010019331A (ja) | 2008-07-10 | 2008-07-10 | 密封装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010019331A true JP2010019331A (ja) | 2010-01-28 |
Family
ID=41704446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008180096A Withdrawn JP2010019331A (ja) | 2008-07-10 | 2008-07-10 | 密封装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010019331A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018048664A (ja) * | 2016-09-20 | 2018-03-29 | Kyb株式会社 | ショックアブソーバ |
CN114346657A (zh) * | 2021-12-08 | 2022-04-15 | 重庆铁马工业集团有限公司 | 一种特殊结构油封装配方法 |
-
2008
- 2008-07-10 JP JP2008180096A patent/JP2010019331A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018048664A (ja) * | 2016-09-20 | 2018-03-29 | Kyb株式会社 | ショックアブソーバ |
WO2018056216A1 (ja) * | 2016-09-20 | 2018-03-29 | Kyb株式会社 | ショックアブソーバ |
CN114346657A (zh) * | 2021-12-08 | 2022-04-15 | 重庆铁马工业集团有限公司 | 一种特殊结构油封装配方法 |
CN114346657B (zh) * | 2021-12-08 | 2023-07-18 | 重庆铁马工业集团有限公司 | 一种特殊结构油封装配方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20111004 |