JP2010018842A - 熱負荷後においても高い密着性を有するめっき物及びその製造方法 - Google Patents

熱負荷後においても高い密着性を有するめっき物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱負荷後においても高い密着性を有するめっき物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基材の表面上に導電性高分子微粒子とバインダーの硬化により形成される架橋構造を含む塗膜層が形成され、該塗膜層上に金属めっき膜が無電解めっき法により形成されためっき物。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱負荷後においても高い密着性を有するめっき物及びその製造方法に関するものであり、詳細には、ニッケル層やニッケル合金層などのバリア層を形成しなくても、熱負荷後に高い密着性を奏し得るめっき物及びその製造方法に関する。
熱負荷後においても高い密着性を有する、ポリイミド樹脂フィルムの表面に銅箔を積層しためっき物(フレキシブルプリント基板)が報告されている。
特開2004−79660号公報(特許文献1)は、ポリイミド樹脂フィルムの表面にニッケル又はニッケル合金を無電解めっきし、該めっき層の表面に銅を電気めっきすることにより、熱負荷後においても高い密着性を有するめっき物(フレキシブルプリント基板)を開示する。
上記めっき物は、ニッケル等の無電解めっき層の接着力、延いてはその無電解めっき層の表面に形成される銅めっき層の接着力を物理的に(粗化によるアンカー効果)及び化学的に(官能基への結合)高めるために、基材となるポリイミド樹脂フィルムを、初めにプラズマ処理し、続いてアルカリ金属水酸化物で活性化する必要があった。
特開2004−79660号公報
特許文献1に記載されるように、ポリイミド樹脂フィルムと銅めっき層の間に、ニッケル層やニッケル合金層などのバリア層を形成させると、熱負荷後の密着性は向上するものの、その後に行われる回路形成時のエッチング工程において、該バリア層の存在により、エッチング不良等の不具合を生じるという問題があることが報告されている。該エッチング不良を防止するために、特殊なエッチング液を用いたり、銅めっき層用のエッチング液とは異なるエッチング液を用いてエッチングを行う等の対策が提案されているが、依然として回路形成時にオーバーエッチングを生じる等の不良及び作業工程が増加する等の問題があった。
加えて、上記方法は、ポリイミド樹脂フィルムへの前記バリア層の接着力を高めるために、プラズマ処理及びアルカリ金属水酸化物での活性化等の多くの工程を必要とするという問題もあった。
本発明は、ニッケル層やニッケル合金層などのバリア層の形成を必要とせず、それにより上記問題を生じず、即ち、回路形成時のエッチング性に優れ且つ操作が簡便であり、それでいて、熱負荷後に高い密着性を奏し得るめっき物及びその製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、基材上に還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗料を塗布し硬化により形成される架橋構造を含む塗膜層を形成し、該塗膜層上に無電解めっき液から、例えば銅等の金属膜を化学めっきするという簡便な操作により、熱負荷後に高い密着性を奏し得るめっき物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)基材の表面上に導電性高分子微粒子とバインダーの硬化により形成される架橋構造を含む塗膜層が形成され、該塗膜層上に金属めっき膜が無電解めっき法により形成されためっき物、
(2)前記塗膜層が、更に、腐食抑制剤を含む前記(1)記載のめっき物、
(3)前記塗膜層が、更に、気体透過抑制物質を含む前記(1)又は(2)記載のめっき物、
(4)無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることによるめっき物の製造方法であって、
A)基材上に還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗料を塗布し硬化により形成される架橋構造を含む塗膜層を形成する工程、
B)前記塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきする工程
からなる方法、
(5)前記還元性高分子微粒子として、導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性とした微粒子を用いる前記(4)記載の方法、
に関するものである。
本発明により、回路形成時のエッチング性に優れ且つ操作が簡便であり、それでいて、熱負荷後に高い密着性を奏し得るめっき物及びその製造方法が提供される。
熱負荷後に、ポリイミド樹脂−銅めっき層界面において密着性が低下する要因は、高温下において、ポリイミド樹脂側から銅めっき層側へ透過した酸素及び水蒸気により界面にある銅が酸化され、酸化された銅(酸化銅)、及び銅がポリイミド樹脂側に拡散することによるものであると報告されている。
引用文献1に記載の発明におけるバリア層(ニッケル層やニッケル合金層)は、界面の酸化された銅及び銅がポリイミド樹脂側へ拡散するのを抑制し、それによりポリイミド樹脂−めっき層界面の密着性低下を防止すると考えられるのに対し、本発明のめっき物においては、基材と銅等の金属めっき膜の間に還元性高分子微粒子を用いて塗膜層を形成するため、該微粒子に残存する還元性により銅等の金属めっき膜の酸化を抑えることができ、加えて、塗膜層に含まれるバインダーの硬化により形成される架橋構造により酸化された銅(酸化銅)及び銅の拡散を抑え、これにより、熱負荷後における高い密着性が得られたものと考えられる。
本発明の好ましい態様において、前記塗膜層は、更に、腐食抑制剤及び/又は気体透過抑制物質を含む。
腐食抑制剤を添加することにより、銅等の金属めっき膜の酸化を抑え、これにより熱負荷後の密着性を向上させることができ、気体透過抑制物質を添加することにより、酸素及び水蒸気の透過を妨げて、銅の酸化及び酸化銅の拡散を抑え、これにより熱負荷後の密着性を向上させることができる。
本発明のめっき物は、還元性高分子微粒子だけでなく、導電性高分子微粒子を用いても同様に製造することができる。この場合、無電解めっきを行う前に、導電性高分子微粒子を脱ドープして還元性にしておく必要があるが、本発明のめっき物においては、薄い層(導電性高分子微粒子層)においても優れた密着性及び均一性を維持できる。
そして導電性高分子微粒子層を薄くできることから短時間のアルカリ処理でも前記脱ドープを達成して塗膜層とすることができ、長時間のアルカリ処理による密着性低下の問題を回避することができる。
また、本発明のめっき物は、例えば、基材上に形成された還元性高分子微粒子を含む塗膜層上に、パラジウム等の触媒金属を還元・吸着させ、該パラジウム等の触媒金属が吸着された塗膜層上に金属めっき膜を形成することにより製造されるが、この際の、パラジウム等の触媒金属の還元及び高分子微粒子への吸着は、例えば、ポリピロールの場合、下図で示される状態になると考えられる。
Figure 2010018842
即ち、還元性の高分子微粒子(ポリピロール)がパラジウムイオンを還元することにより、高分子微粒子上にパラジウム(金属)が吸着されるが、これにより、
高分子微粒子(ポリピロール)はイオン化される、即ち、パラジウムによりドーピングされた状態となり、結果として導電性を発現する。
更に詳細に本発明を説明する。
本発明のめっき物は、
A)基材上に還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗料を塗布し硬化により形成される架橋構造を含む塗膜層を形成し、
B)前記塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることにより製造される。
本発明に使用する基材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ガラス等が挙げられる。
また、基材の形状は特に限定されないが、例えば、板状、フィルム状が挙げられる。
他にも、基材として、例えば、射出成形などにより樹脂を成形した樹脂成形品が挙げられる。そして、この樹脂成形品に本発明のめっき物を設けることにより、例えば、自動車向けの装飾めっき品を作成することができたり、或いは、ポリイミド樹脂からなるフィルム上に本発明のめっき物を全面もしくはパターン状で設けることにより、例えば、電気回路品を作成することができる。
本発明に使用する基材としては、ポリイミド樹脂が好ましい。
塗膜層を形成するための塗料に使用する還元性高分子微粒子は、0.01S/cm未満の導電率を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。
また、還元性高分子微粒子としては、0.005S/cm以下の導電率を有する高分子微粒子が好ましい。
還元性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる還元性高分子微粒子を使用することもできる。
塗膜層を形成するための塗料に使用するバインダーとしては、硬化により架橋構造を形成するものであれば特に限定されるものではないが、例えば加熱して硬化させることにより架橋構造を形成する熱硬化性樹脂、或いは光や電子線を照射して硬化させることにより架橋構造を形成する光硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂としては、架橋反応を起こす官能基を有する、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、レゾルシノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、前記光硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂としては、分子中に1個以上のアクリロイル基を有するアクリル系樹脂(エステルアクリレート、エーテルアクリレート、エステルウレタンアクリレート、エーテルウレタンアクリレート、ブタジエンウレタンアクリレート、特殊ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アミノ樹脂アクリレート、アクリル樹脂アクリレート)、ポリエン−チオール系樹脂、カチオン重合性樹脂(エポキシ系樹脂、ビニルエーテル系化合物、環状エーテル系化合物、スピロ化合物)などが挙げられる。
硬化により架橋構造を形成するバインダーの使用量は、還元性高分子微粒子1質量部に対して0.01質量部ないし10質量部である。バインダーが10質量部を超えると金属めっきが析出しにくくなる場合があり、バインダーが0.01質量部未満であると、優れた密着性が得られにくくなる場合がある。
前記塗料には、還元性高分子微粒子及びバインダーに加えて、溶媒を含み得る。
上記溶媒としては、バインダーを溶解することができるものであれば特に限定されないが、基材を大きく溶解するものは好ましくない。但し、基材を大きく溶解する溶媒であっても、他の低溶解性の溶媒と混合することにより、溶解性を低下させて使用することが可能である。
上記溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
尚、還元性高分子微粒子として、予め有機溶媒に分散された分散液を使用する場合は、分散液に使用されている有機溶媒を塗料の溶媒の一部又は全部として使用することができる。
前記塗料は、好ましくは、腐食抑制剤を含む。
腐食抑制剤としては、金属の腐食を抑制し得る物質であれば特に限定しないが、例えば、脂肪酸、脂肪族アミン、有機リン酸エステル、有機スルホン酸、ベンゾトリアゾール等の窒素化合物、ジチオリン酸亜鉛及びシッフ化合物等が挙げられる。
腐食抑制剤を使用する際の使用量は、還元性高分子微粒子とバインダーの総量1質量部に対して0.01ないし5質量部であることが好ましい。
塗料に腐食抑制剤を添加して塗膜層を形成することにより、塗膜層上に形成された銅等の金属めっき膜の酸化を抑え、これにより熱負荷後の密着性を向上させることができる。
前記塗料は、好ましくは、気体透過抑制物質を含む。
気体透過抑制物質としては、気体透過に対してバリア性を有する物質であれば特に限定されないが、無機フィラーである層状粘土鉱物及びガスバリア性を有する樹脂等が挙げられる。
無機フィラーである層状粘土鉱物としては、例えば、モンモリナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライド、ノントロライト、ソーコナイト、スチブンサイト等のスメクタイト系層状粘土化合物や、バーミキュライト、ハイロサイト、マイカ等が挙げられる。
ガスバリア性を有する樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、MXナイロン、ポリアクリロニトリル樹脂等が挙げられる。
気体透過抑制物質を使用する際の使用量は、還元性高分子微粒子とバインダーの総量1
質量部に対して0.01ないし10質量部であることが好ましい。
塗料に気体透過抑制物質を添加して塗膜層を形成することにより、銅等の金属めっき膜への酸素及び水蒸気の透過を妨げて、銅の酸化及び酸化銅の拡散を抑え、これにより熱負荷後の密着性を向上させることができる。
更に、前記塗料は用途や塗布対象物等の必要に応じて、分散安定剤、増粘剤、インキバインダ等の樹脂を加えることも可能である。
塗膜層の形成は、上記で調製された塗料を基材に塗布し、例えば加熱したり、光や電子線を照射して乾燥・硬化することにより行われる。
基材への塗布方法は、特に限定されず、例えば、スプレー、スクリーン印刷機、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、インクジェット印刷機、オフセット印刷機、ディッピング、スピンコーター、ロールコーター等を用いて、印刷またはコーティングすることができる。
乾燥条件も特に限定されず、室温、又は加熱条件下で行うことができる。
加熱を行う場合の温度は、基材のTgより低い温度で行うことが好ましい。
形成される塗膜層の厚さは、20nmないし100μmとするのが好ましい。
厚さが20nm未満であると金属めっきが析出しにくくなる場合があり、厚さが100μmを超えると優れた密着性が得られにくくなる場合がある。
上記のようにして製造された、塗膜層が形成された基材を無電解めっき法によりめっき物とするが、該無電解めっき法は、通常知られた方法に従って行うことができる。
即ち、前記基材を塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することによりめっき物を得ることができる。
触媒液は、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液であり、触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよく、触媒金属を含む安定性の点からパラジウム化合物が好ましく、その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0.1ないし20分、好ましくは、1ないし10分である。
上記の操作により、塗膜中の還元性高分子微粒子は、結果的に、導電性高分子微粒子となる。
上記で処理された基材は、金属を析出させるためのめっき液に浸され、これにより無電解めっき膜が形成される。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。
即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
得られためっき物は、使用した基材のTgより低い温度範囲において、数時間以上、例えば、2時間以上養生するのが好ましい。
本発明のめっき物は、前記還元性高分子微粒子として導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性とした微粒子を用いることによっても同様に製造することができる。
上記製造に使用する導電性高分子微粒子としては、導電性を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。
導電性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる導電性高分子微粒子を使用することもできる。
尚、還元性高分子微粒子を導電性高分子微粒子に代えた以外は上記と同様の塗料の調製及び塗布操作で導電性高分子微粒子を含む塗膜層を形成することができる。
上記で形成された導電性高分子微粒子を含む塗膜層は、導電性高分子微粒子を還元性高分子微粒子とするために脱ドープ処理が行われる。
脱ドープ処理としては、還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアルキルアミンボラン、及び、ヒドラジン等を含む溶液で処理して還元する方法、又は、アルカリ性溶液で処理する方法が挙げられる。
操作性及び経済性の観点からアルカリ性溶液で処理するのが好ましい。
特に、導電性高分子微粒子を含む塗膜層は薄くできるため、緩和な条件下で短時間のアルカリ処理により脱ドープを達成することが可能である。
例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液中で、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃の温度で、1ないし30分間、好ましくは3ないし10分間処理される。
上記のようにして脱ドープ処理された、塗膜層が形成された基材を無電解めっき法によりめっき物とするが、該無電解めっき法は、上記と同様の操作により行うことができる。
以上の様に、本発明の方法により、基材の表面上に導電性高分子微粒子とバインダーの硬化により形成される架橋構造を含む塗膜層が形成され、該塗膜層上に金属めっき膜が無電解めっき法により形成されためっき物が製造される。
尚、上記めっき物は、形成された無電解めっき膜上に、電解めっきにより、同一又は異なる金属を更にめっきすることもできる。
また、金属めっき膜は、基材の両面に形成されてもよい。
以下に、塗膜層を形成するために使用され得る導電性又は還元性の高分子微粒子を製造するための具体的な方法を記載する。
(1)還元性高分子微粒子の製造方法
還元性高分子微粒子は、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造することができる。
π−共役二重結合を有するモノマーとしては、還元性高分子を製造するために使用されるモノマーであれば特に限定されないが、例えば、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−
ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール及び3−フェニルナフチルアミノピロール等のピロール誘導体、アニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−メトキシアニリン、m−メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン、m−エトキシアニリン、p−エトキシアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン及びp−メチルアニリン等のアニリン誘導体、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ナフトキシチオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等のチオフェン誘導体が挙げられ、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
また前記製造に用いるアニオン系界面活性剤としては、種々のものが使用できるが、疎水性末端を複数有するもの(例えば、疎水基に分岐構造を有するものや、疎水基を複数有するもの)が好ましい。このような疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤を使用することにより、安定したミセルを形成させることができ、重合後において水相と有機溶媒相との分離がスムーズであり、有機溶媒相に分散した還元性高分子微粒子が入手し易い。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤の中でも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好適に使用できる。
反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.05mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.005mol〜0.03molである。0.05mol以上では添加したアニオン性界面活性剤がドーパントとして作用し、得られる微粒子は導電性を発現するため、これを用いて無電解めっきを行うためには脱ドープの工程が必要となる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、アルキルグルコシド類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビダン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類が挙げられる。これらを一種類または複数混ぜて使用してもよい。特に安定的にO/W型エマルションを形成するものが好ましい。
反応系中でのノニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し、アニオン系界面活性剤と足して0.2mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.15molである。0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では重合後において、水相と有機溶媒相との分離が困難になり、有機溶媒相にある還元性高分子微粒子を得る事ができなくなる事から好ましくない。
前記製造において乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安
定性およびπ−共役二重結合を有するモノマーとの親和性の観点から好ましい。両性溶媒でもπ−共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した還元性高分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以上であることが好ましい。水相が20体積%以下ではπ−共役二重結合を有するモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が悪くなる。
前記製造で使用する酸化剤としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸およびクロロスルホン酸のような無機酸、アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸のような有機酸、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素のような過酸化物が使用できる。これらは単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。塩化第二鉄等のルイス酸でもπ−共役二重結合を有するモノマーを重合できるが、生成した粒子が凝集し、微分散できない場合がある。特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、ポリマー微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集してポリマー微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
前記ポリマー微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合させる工程、
(d)有機相を分液しポリマー微粒子を回収する工程。
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液の調製時に行う混合攪拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0〜25℃で、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する。ここで有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した還元性高分子微粒子を入手することができる。
上記の製造法により得られるポリマー微粒子は、主としてπ−共役二重結合を有するモノマー誘導体のポリマーよりなり、そしてアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径を有し、有機溶媒中で分散可能であることである。
ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、より多くの触媒金属を吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
得られたポリマー微粒子の導電率は0.01S/cm未満であり、好ましくは、0.0
05S/cm以下である。
こうして得られた有機溶媒に分散した還元性高分子微粒子は、そのままで、濃縮して、又は乾燥させて塗料の還元性高分子微粒子成分として使用することができる。
(2)導電性高分子微粒子の製造方法
使用する導電性高分子微粒子は、例えば、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造することができる。
π−共役二重結合を有するモノマー及びアニオン系界面活性剤としては還元性微粒子の製造の際に例示したものと同様のものが挙げられるが、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.2mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.05mol〜0.15molである。0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では得られた導電性高分子微粒子に導電性の湿度依存性が生じてしまう場合がある。
前記製造において乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性およびモノマーとの親和性の観点から好ましい。両性溶媒でもπ−共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した導電性高分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以上であることが好ましい。水相が20体積%以下ではπ−共役二重結合を有するモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が悪くなる。
前記製造で使用する酸化剤としては、還元性微粒子の製造の際に例示したものと同様のものが挙げられるが、特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、導電性高分子微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集して導電性高分子微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
前記導電性高分子微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合しアニオン系界面活性剤にポリマー微粒子を接触吸着させる工程、
(d)有機相を分液し導電性高分子微粒子を回収する工程。
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液の調製時に行う混合攪拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0〜25℃で、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくな
い。
酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する。ここで有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した導電性高分子微粒子を入手することができる。
上記の製造法により得られる導電性高分子微粒子は、主としてπ−共役二重結合を有するモノマー誘導体よりなり、そしてアニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径と、有機溶媒中で分散可能であることである。
ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、脱ドープ処理して還元性とした際に、より多くの触媒金属を吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
こうして得られた有機溶媒に分散した導電性高分子微粒子は、そのままで、濃縮して、又は乾燥させて塗料の導電性高分子微粒子成分として使用することができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王株式会社製)0.42mmol、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤エマルゲン409P(花王株式会社製)2.1mmol、トルエン50mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した還元性能を有する還元性ポリピロール微粒子を得た。
還元性ポリピロール微粒子1質量部に対してエポキシ接着剤AS60(東亞合成株式会社製:熱硬化性バインダー)を1質量部混合し、最終固形分が2.5%となるように調整し、塗料とした。
ポリイミドフィルムとして、東レ・デュポン株式会社製のカプトン 100EN(登録商標:カプトン)高接着グレードを用い、該フィルム上に、上記で調製した塗料をバーコーターにより塗布し、150℃で30分間加熱し、乾燥・硬化させた。
次に、塗工したポリイミドフィルムを0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液中に35℃で5分間浸漬後、洗浄水で水洗した。次に、該基材を無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に35℃で20分間浸漬し、0.3μmの銅めっきを施した。
更に、硫酸銅めっき浴により電解銅めっきを50分間行い、18μmまで厚づけした。
実施例2
実施例1で調製した塗料中に、腐食抑制剤として、SEETEC BT−R(シプロ化成株式会社製:1H−ベンゾトリアゾール)を還元性ポリピロール微粒子1質量部に対して0.2質量部添加した以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、実施例2のめっき物を得た。
実施例3
実施例1で調製した塗料中に、気体透過抑制物質として、STフィラー ST501(
白石カルシウム株式会社製:セリナイト)を還元性ポリピロール微粒子1質量部に対して1質量部添加した以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、実施例3のめっき物を得た。
実施例4
実施例1で調製した塗料中に、腐食抑制剤として、SEETEC BT−R(シプロ化成株式会社製:1H−ベンゾトリアゾール)を還元性ポリピロール微粒子1質量部に対して0.2質量部添加し、気体透過抑制物質として、STフィラー ST501(白石カルシウム株式会社製:セリナイト)を還元性ポリピロール微粒子1質量部に対して1質量部添加した以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、実施例4のめっき物を得た。
比較例1
ポリイミドフィルムとして、東レ・デュポン株式会社製のカプトン 100EN(登録商標:カプトン)高接着グレードを用い、該フィルムを1.25mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に浸漬して表面処理を行い、その後、触媒を付与(OPC−50:奥野製薬工業(株)製)し、還元(OPC−150:奥野製薬工業(株)製)を行った。次に、該基材を無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に35℃で20分間浸漬し、0.3μmの銅めっきを施した。
更に、硫酸銅めっき浴により電解銅めっきを50分間行い、18μmまで厚づけした。
比較例2
エポキシ接着剤AS60の代わりにポリオレフィン系バインダー:スーパークロン930(日本製紙株式会社製:熱可塑性バインダー、(非架橋性))を使用(1質量部)し、塗膜層を120℃で10分間加熱して乾燥し、及び、硫酸銅めっき浴により18μmまで厚づけした以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、比較例2のめっき物を得た。
比較例3
市販のめっき物S´PERFLEX(住友金属鉱山株式会社製:25μmのポリイミドフィルム「カプトンEN」上に、Niシード層をスパッタで形成し、銅メッキ(8μm)しためっき物)を比較例3のめっき物として使用した。
試験例1
上記で製造した実施例1ないし4、比較例1ないし3のめっき物において、密着性(熱負荷後における)及びエッチング性(回路形成時)の評価試験を行いその結果を表1に纏めた。
尚、評価項目及びその評価方法・評価基準は以下の通りである。
<密着性>
評価方法
JIS C6471に準じる測定
180°剥離 銅側引っ張り(N/cm)を示し、熱負荷後の密着性は、150℃ 168時間(7日間)大気条件で熱処理した後のピール強度を示す。
評価基準
判定は、日本電子回路工業会規格 JPCA−BM03におけるスパッタめっき法での銅張積層基板の規格が3.5N/cm以上であることから、3.5N/cm以上を○とし、それ未満を×とした。
<エッチング性>
評価方法・基準
めっき物を塩化第2鉄水溶液に浸漬し、金属層の有無を目視にて確認した。
尚、表1中、AないしDは以下を意味する。
A:エポキシ接着剤AS60(東亞合成株式会社製:熱硬化性バインダー)
B:ポリオレフィン系バインダー:スーパークロン930(日本製紙株式会社製:熱可塑性バインダー(非架橋性))
C:腐食抑制剤:SEETEC BT−R(シプロ化成株式会社製:1H−ベンゾトリアゾール)
D:気体透過抑制物質:STフィラー ST501(白石カルシウム株式会社製:セリナイト)
Figure 2010018842

Claims (5)

  1. 基材の表面上に導電性高分子微粒子とバインダーの硬化により形成される架橋構造を含む塗膜層が形成され、該塗膜層上に金属めっき膜が無電解めっき法により形成されためっき物。
  2. 前記塗膜層が、更に、腐食抑制剤を含む請求項1記載のめっき物。
  3. 前記塗膜層が、更に、気体透過抑制物質を含む請求項1又は2記載のめっき物。
  4. 無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることによるめっき物の製造方法であって、
    A)基材上に還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗料を塗布し硬化により形成される架橋構造を含む塗膜層を形成する工程、
    B)前記塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきする工程
    からなる方法。
  5. 前記還元性高分子微粒子として、導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性とした微粒子を用いる請求項4記載の方法。
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