JP2010016063A - 研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高速で研磨対象基板を研磨可能とする研磨液組成物およびこれを用いた研磨方法、ガラス基板、半導体装置用基板等の精密部品用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の研磨材粒子と、分散剤と、第2の研磨材粒子と、水系媒体とを含む研磨液組成物であって、第1の研磨材粒子がセリウムとジルコニウムとを含む複合酸化物粒子であり、CuKα1線(λ=0.154050nm)を照射することにより得られる複合酸化物粒子の粉末X線回折スペクトル中に、回折角2θ領域28.61〜29.67°内に頂点があるピーク(第1ピーク)、回折角2θ領域33.14〜34.53°内に頂点があるピーク(第2ピーク)、回折角2θ領域47.57〜49.63°内に頂点があるピーク(第3ピーク)、回折角2θ領域56.45〜58.91°内に頂点があるピーク(第4ピーク)が存在し、第1ピークの半値幅が0.8°以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置の製造過程等で行なわれる化学的機械的研磨(CMP)、又は精密ガラス製品若しくはディスプレイ関連製品等の製造過程等で行なわれる研磨処理等において用いられる、研磨液組成物に関する。また、上記研磨液組成物を用いた研磨方法、ガラス基板、半導体装置用基板等の精密部品用基板の製造方法に関する。
半導体装置を構成する酸化膜(例えば、酸化ケイ素膜)、以下に例示するようなガラス基板(即ち、アルミノシリケートガラス基板等の化学強化ガラス基板、ガラスセラミック基板等の結晶化ガラス基板、フォトマスク用基板として用いられる合成石英ガラス基板)、又は液晶ディスプレイパネル等の製造過程で用いられる研磨剤組成物として、従来から、酸化セリウムを主成分とする研磨剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、酸化セリウムを含む研磨剤組成物の研磨速度をさらに向上させる技術として、SiO2、Al23およびコロイダルシリカからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の砥粒と、CeO2砥粒とを含む研磨液組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平06−216093号公報 特開平08−148455号公報
しかし、これらの研磨液組成物を用いた研磨では、研磨速度が十分に確保できない。
本発明では、より高速で研磨対象基板を研磨可能とする研磨液組成物、これを用いた研磨方法、ガラス基板または半導体装置用基板等の精密部品用基板の製造方法を提供する。
本発明の研磨液組成物は、
第1の研磨材粒子と、分散剤と、第2の研磨材粒子と、水系媒体とを含む研磨液組成物であって、
前記第1の研磨材粒子がセリウムとジルコニウムとを含む複合酸化物粒子であり、
CuKα1線(λ=0.154050nm)を照射することにより得られる前記複合酸化物粒子の粉末X線回折スペクトル中に、
回折角2θ(θはブラック角)領域28.61〜29.67°内に頂点があるピーク(第1ピーク)、
回折角2θ領域33.14〜34.53°内に頂点があるピーク(第2ピーク)、
回折角2θ領域47.57〜49.63°内に頂点があるピーク(第3ピーク)、
回折角2θ領域56.45〜58.91°内に頂点があるピーク(第4ピーク)、が存在し、
前記第1ピークの半値幅が0.8°以下である。
また、本発明の研磨液組成物は、
第1の研磨材粒子と、分散剤と、第2の研磨材粒子と、水系媒体とを含む研磨液組成物であって、
前記第1の研磨材粒子がセリウムとジルコニウムとを含む複合酸化物粒子であり、
前記複合酸化物粒子は、酸化数が4のセリウム化合物と酸化数が4のジルコニウム化合物とを含む溶液と、沈殿剤とを混合することにより、前記セリウム化合物と前記ジルコニウム化合物とを加水分解させ、生じた沈殿物を分離し、次いで、焼成し、得られた焼成物を粉砕して得られる複合酸化物粒子である。
本発明の研磨方法は、研磨対象基板と研磨パッドとの間に、本発明の研磨液組成物を供給し、前記研磨対象基板と前記研磨パッドとが接した状態で、前記研磨パッドを前記研磨対象基板に対して相対運動させることにより、前記研磨対象基板を研磨する工程を含む。
本発明の精密部品用基板の製造方法は、研磨対象基板の両主面のうちの少なくとも一方の主面を本発明の研磨液組成物を用いて研磨する研磨工程を含む。
本発明によれば、より高速で研磨対象基板を研磨可能とする研磨液組成物、これを用いた研磨方法、並びに精密部品用基板の製造方法を提供できる。
[複合酸化物粒子]
第1の研磨材粒子である複合酸化物粒子は、例えば、下記組成式によって表される。
CeXZr1-X2
ただし、xは、条件式0<x<1、好ましくは0.50<x<0.97、より好ましくは0.55<x<0.95、さらに好ましくは0.60<x<0.90、さらにより好ましくは0.65<x<0.90、よりいっそう好ましくは0.70<x<0.90を満たす数である。
この複合酸化物粒子をX線(Cu−Kα1線、λ=0.154050nm)回折法にて分析することにより得られるスペクトルに、下記ピークが観察される。
すなわち、該スペクトル中、少なくとも、回折角2θ領域28.61〜29.67°内に頂点があるピーク(第1ピーク)、回折角2θ領域33.14〜34.53°内に頂点があるピーク(第2ピーク)、回折角2θ領域47.57〜49.63°内に頂点がある
ピーク(第3ピーク)、および、回折角2θ領域56.45〜58.91°内に頂点があるピーク(第4ピーク)が観察される。
研磨速度を向上させる観点から、複合酸化物粒子は、スペクトル中、少なくとも、回折角2θ領域28.61〜29.39°内に頂点があるピーク(第1ピーク)、回折角2θ領域33.14〜34.16°内に頂点があるピーク(第2ピーク)、回折角2θ領域47.57〜49.08°内に頂点があるピーク(第3ピーク)、および、回折角2θ領域56.45〜58.25°内に頂点があるピーク(第4ピーク)が観察されるものであると好ましく、さらには、回折角2θ領域28.61〜29.25°内に頂点があるピーク(第1ピーク)、回折角2θ領域33.14〜34.04°内に頂点があるピーク(第2ピーク)、回折角2θ領域47.57〜48.90°内に頂点があるピーク(第3ピーク)、および、回折角2θ領域56.45〜58.02°内に頂点があるピーク(第4ピーク)が観察されるものであるとより好ましく、またさらには、回折角2θ領域28.68〜29.11°内に頂点があるピーク(第1ピーク)、回折角2θ領域33.23〜33.79内に頂点があるピーク(第2ピーク)、回折角2θ領域47.71〜48.53°内に頂点があるピーク(第3ピーク)、および、回折角2θ領域56.61〜57.60°内に頂点があるピーク(第4ピーク)が観察されるものであるとよりいっそう好ましい。
第2ピークの面積は、第1ピークの面積の10〜50%、第3ピークの面積は、第1ピークの面積の35〜75%、第4ピークの面積は、第1ピークの面積の20〜65%であると好ましい。研磨速度を向上させる観点から、第2ピークの面積は、第1ピークの面積の15〜45%、第3ピークの面積は、第1ピークの面積の40〜70%、第4ピークの面積は、第1ピークの面積の25〜60%であるとさらに好ましく、第2ピークの面積は、第1ピークの面積の20〜40%、第3ピークの面積は、第1ピークの面積の45〜65%、第4ピークの面積は、第1ピークの面積の30〜55%であるとより好ましい。
スペクトル中に、酸化セリウムに由来するピークa1、酸化ジルコニウムに由来するピークa2のうちの少なくとも1つのピークが存在する場合もある。この場合、ピークa1、a2の頂点の高さは、スクラッチ低減の観点から、ともに第1ピークの頂点の高さの6.0%以下が好ましく、より好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下、さらにより好ましくは0%である。
ピークa1の頂点が存在する回折角2θ領域は28.40°〜28.59°であり、ピークa2の頂点が存在する回折角2θ領域は29.69°〜31.60°である。これらの2θ領域に関する値は、国際回折データICDD(International Center for Diffraction Data)における、酸化セリウムおよび酸化ジルコニウムについての値に基づいている。具体的には、ピークa1の頂点が存在する回折角2θ領域28.40〜28.59°は、立方晶系の酸化セリウムについての値である。ピークa2の頂点が存在する2θ領域29.69〜31.60°は、正方晶系の酸化ジルコニウムの2θ(29.69°)と、単斜晶系の酸化ジルコニウムの2θ(31.60°)に基づいている。
第1ピークの半値幅は0.8°以下であるが、研磨速度を向上させる観点から及びスクラッチ低減の観点から、0.1〜0.7°が好ましく、0.2〜0.6°がより好ましく、0.3〜0.5°がさらに好ましく、0.3〜0.45°がよりいっそう好ましい。この半値幅は、シェラー(Scherrer)式に示されるように、結晶子サイズと相関がある。結晶成長により結晶子サイズが大きくなると半値幅は小さくなる。
本実施形態の研磨液組成物に含まれる複合酸化物粒子は、スクラッチ低減の観点から、酸化セリウムが、酸化数が4のセリウムの化合物に由来し、かつ、酸化ジルコニウムが、酸化数が4のジルコニウムの化合物に由来することが好ましい。この場合、酸化セリウムと酸化ジルコニウムとが均一に溶け合った1つの固相を形成すると考えられる。複合酸化物粒子中の酸化セリウムが、酸化数が3のセリウムの化合物に由来する場合、複合酸化物粒子の形成過程において、酸化セリウムと酸化ジルコニウムとが均一に溶け合った1つの固相の形成が十分に行なわれず、酸化セリウムに由来するピークa1、酸化ジルコニウムに由来するピークa2のうちの少なくとも1つのピークが観察され、そのピークの頂点の高さは、第1ピークの頂点の高さの6.0%を超える。
また、本実施形態の研磨液組成物に含まれる複合酸化物粒子のX線回折スペクトルでは、第1ピークの半値幅は小さい。これは、後述のとおり、その製造過程で十分な焼成が行なわれることにより、上記固相の結晶子サイズが増大するため、即ち、結晶性が向上するためであると考えられる。
このように、本実施形態の研磨液組成物は、その結晶性が高い複合酸化物粒子と、第2の研磨材粒子を併用することで、従来の研磨液組成物よりも、顕著に高速で研磨対象物を研磨可能としている。酸化セリウム系の研磨粒子は、機械的な研磨作用に加えて化学的な研磨作用を発揮する。ここで、化学的な研磨作用とは、研磨対象基板を変質させ軟化する作用と考えられている。本実施形態の研磨液組成物は、酸化セリウムよりも化学的な研磨作用の大きいセリア−ジルコニア複合酸化物粒子を使用しているため、研磨中に研磨対象基板において生成される軟化層が多くなる。セリア−ジルコニア複合酸化物粒子と、高い機械的研磨作用を発揮しうる第2の研磨材粒子とを併用することで、上記軟化層をより効果的に除去できるため、高い研磨速度が発現すると推定される。
また、本実施形態の研磨液組成物において、その結晶性が高く、かつ、酸化セリウムと酸化ジルコニウムとが均一に溶け合った1つの固相を有する複合酸化物粒子と、第2の研磨材粒子とを併用する場合は、後述する実施例において示されるように、従来の研磨液組成物よりも、顕著に高速で研磨対象物を研磨可能とすると共に、研磨されることにより得られた面におけるスクラッチ数を低減できる。
複合酸化物粒子中における、原子のモル比(Ce/Zr)は、研磨速度を向上させる観点から、(99/1)〜(5/95)であると好ましく、(97/3)〜(16/84)であるとより好ましく、(95/5)〜(40/60)であるとさらに好ましく、(94/6)〜(50/50)であるとさらにより好ましく、(93/7)〜(60/40)である
とよりいっそう好ましい。
複合酸化物(CeXZr1-X2)粒子中における、Zrに対するCeの原子比率xは、スクラッチ低減の観点から、好ましくは0.60〜0.93、より好ましくは0.65〜0.90、さらに好ましくは0.70〜0.90である。
複合酸化物粒子の体積中位径(D50)は、研磨速度を向上させる観点から、30nm以上が好ましく、より好ましくは40nm以上、さらに好ましくは50nm以上である。また、D50は、研磨液組成物中において複合酸化物粒子の分散安定性を向上させる観点から、1000nm以下が好ましく、より好ましくは500nm以下、さらに好ましくは250nm以下である。したがって、複合酸化物粒子の体積中位径(D50)は、30〜1000nmが好ましく、より好ましくは40〜500nm、さらに好ましくは50〜250nmである。
ここで、体積中位径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。体積中位径(D50)は、レーザー回折/散乱式粒度分布計(商品名LA−920、堀場製作所製)で測定した体積基準のメジアン径として得られる。
複合酸化物粒子の平均一次粒子径は、研磨速度を向上させる観点から、10nm以上が好ましく、より好ましくは20nm以上、さらに好ましくは25nm以上、より一層好ましくは30nm以上である。また、複合酸化物粒子の平均一次粒子径は、スクラッチを低減する観点から、100nm以下が好ましく、より好ましくは90nm以下、さらに好ましくは80nm以下、より一層好ましくは70nm以下である。したがって、複合酸化物粒子の平均一次粒子径は、10〜100nmが好ましく、より好ましくは20〜90nm、さらに好ましくは25〜80nm、より一層好ましくは30〜70である。
ここで、平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出される粒径(真球換算)を意味する。
平均一次粒子径(nm)=820/S
研磨液組成物中の複合酸化物粒子の含有量は、研磨速度を向上させる観点から、0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは0.2重量%以上、さらに好ましくは0.4重量%以上であり、よりさらに好ましくは0.5重量%以上である。また、複合酸化物粒子の含有量は、分散安定性を向上させる観点、およびコストを低減させる観点から、8重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは4重量%以下であり、よりさらに好ましくは3重量%以下である。したがって、複合酸化物粒子の含有量は、0.1〜8重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5重量%、さらに好ましくは0.4〜4重量%、よりさらに好ましくは0.5〜3重量%である。
複合酸化物粒子は、市販品であってもよいし、自家調製したものであってもよい。次に、複合酸化物粒子の製造方法の一例について説明する。
複合酸化物粒子は、酸化数が4のセリウム化合物(以下、セリウム(IV)化合物ともいう。)と酸化数が4のジルコニウム化合物(以下、ジルコニウム(IV)化合物ともいう。)とを含む溶液と、沈殿剤とを混合することにより、セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを加水分解させ、生じた沈殿物を分離し、次いで、焼成し、得られた焼成物を粉砕することにより得ることができる。
セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを含む溶液は、例えば、硝酸セリウム等の水溶性のセリウム(IV)化合物と、硝酸ジルコニウム等の水溶性のジルコニウム(IV)化合物とを、各々水などの溶媒に溶解させてから、混合して調製すればよい。
上記セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを含む溶液に、沈殿剤(塩基溶液)を添加すれば、セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とが加水分解されて、沈殿物が生成される。セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを含む溶液を攪拌しながら沈殿剤を添加することが好ましい。沈殿剤としては、アンモニア溶液;水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶液等の水酸化アルカリ溶液;ナトリウム、カリウム、若しくはアンモニアの炭酸塩溶液;重炭酸塩溶液等が用いられる。沈殿剤は、なかでも、アンモニア、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムの水溶液が好ましく、アンモニア水溶液がさらに好ましい。沈殿剤の規定度は、約1〜5Nであると好ましく、約2〜3Nであるとより好ましい。
セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを含む溶液に、沈殿剤を添加して得られる上澄液のpHは、酸化セリウムと酸化ジルコニウムとが高度に固溶した状態の複合酸化物粒子を得る観点から、7〜11が好ましく、より好ましくは7.5〜9.5である。
セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを含む溶液と沈殿剤との混合時間は、特に制限はないが、15分以上であると好ましく、30分以上であるとより好ましい。セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを含む溶液と沈殿剤との反応は、室温などの任意の適切な温度で行うことができる。セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを含む溶液と沈殿剤とを混合することにより生じた沈殿物は、デカンテーション、乾燥、ろ過および/または遠心分離のような通常の固体/液体分離技術によって母液から分離できる。得られた沈殿物は、次いで水等で洗浄される。
溶液中のセリウム(IV)化合物は、単にセリウム(IV)化合物が水系媒体中に添加された状態で含まれていると好ましいが、酸化数が3のセリウムを含むセリウム化合物を水系媒体中で電解酸化して、3価のセリウムを4価のセリウムとしてもよい。セリウム(IV)化合物は、セリウム化合物全量中、85重量%以上含まれていると好ましく、87重量%以上含まれているとより好ましく、90重量%以上含まれているとさらに好ましく、95重量%以上含まれているとさらにより好ましい。
セリウム(IV)化合物としては、具体的には、硫酸セリウム(IV)、硫酸四アンモニウムセリウム(IV)、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)等の水溶性の塩が挙げられる。なお、酸化数が4のセリウムの塩を使用するのは、酸化数が3のセリウムの塩に比較して、加水分解され易く、また加水分解速度の点から、ジルコニウム(IV)化合物(例えば、酸化数4のジルコニウムの塩)との同時並行的加水分解に適しているからである。
溶液中に含まれるジルコニウム(IV)化合物としては、オキシ塩化ジルコニウム(塩化ジルコニル)、オキシ硫酸ジルコニウム(硫酸ジルコニル)、オキシ酢酸ジルコニウム(酢酸ジルコニル)、オキシ硝酸ジルコニウム(硝酸ジルコニル)、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等の水溶性のジルコニウム(IV)塩が挙げられる。
このように、溶液中のセリウムとジルコニウムの酸化数がともに4であり、沈殿剤である塩基溶液が溶液中に添加されることにより溶液のpHが上昇すると、セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物がほぼ同じpH領域で加水分解され、水酸化セリウムおよび水酸化ジルコニウムがほぼ同時に沈殿し、互いに高度に混合した状態の沈殿物が得られる。この沈殿物を熱処理することで、沈殿物中に、酸化セリウムと酸化ジルコニウムとが均一に溶け合って1つの固相となった部分が生じる。セリウムの酸化数が3であると、セリウム(III)化合物とジルコニウム(IV)化合物が加水分解され水酸化物の沈
殿が生じるpH領域が異なるため、両者の混合状態が不十分な沈殿物が得られる。この沈殿物を熱処理すると、酸化セリウムあるいは酸化ジルコニウムが分離した部分が生じる。
セリウム化合物とジルコニウム化合物とを含む溶液中に含まれるセリウム元素の酸化物換算量およびジルコニウム元素の酸化物換算量の合計を100重量%とすると、セリウム元素の酸化物換算量は、7〜99重量%であると好ましく、より好ましくは20〜98重量%であり、さらに好ましくは50〜96重量%である。ジルコニウム元素の酸化物換算量は、1〜93重量%であると好ましく、より好ましくは2〜80重量%であり、さらに好ましくは4〜50重量%である。
沈殿物の焼成温度は、酸化セリウムと酸化ジルコニウムとが均一に溶け合った固相の結晶性を向上させ、良好な研磨速度を確保する観点から、900〜1500℃が好ましく、より好ましくは1000〜1400℃であり、さらに好ましくは1000〜1300℃である。加熱時間は、通常、1〜10時間が好ましく、より好ましくは2〜8時間であり、さらに好ましくは3〜7時間である。焼成は例えば、連続式焼成炉等の加熱手段を用いて行える。上記焼成温度は、粒子表面の温度であり、連続式焼成炉内の雰囲気温度と等しい。
焼成物を粉砕する手段は、特に限定はされないが、例えば、ボールミル、ビーズミル、振動ミル等の粉砕装置が挙げられる。粉砕手段の設定条件は、所望の平均粒径範囲の粒子または所望の体積粒子径範囲の粒子を形成するために適宜設定すればよい。粉砕メディアとしては、ジルコニアボール等が挙げられる。
[第2の研磨材粒子]
本実施形態の研磨液組成物に含まれる第2の研磨材粒子としては、例えば、アルミナ粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、酸化チタン粒子、セリア粒子等が挙げられ、シリカ粒子としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、表面修飾したシリカ等が挙げられる。これらの中でも、研磨速度を向上させる観点およびスクラッチ低減の観点から、コロイダルシリカが好ましい。なお、コロイダルシリカ粒子は、例えば、ケイ酸水溶液から生成させる製法により得ることができる。
本発明に用いる第2の研磨材粒子の一次粒子の体積中位粒径(D50)は、研磨速度向上の観点から、20〜150nmであると好ましく、30〜130nmであるとより好ましく、40〜120nmであるとさらに好ましく、50〜120nmであるとよりいっそう好ましい。
第2の研磨材粒子の一次粒子の体積中位粒径(D50)は、以下の方法により求めることができる。第2の研磨材粒子を日本電子製透過型電子顕微鏡(TEM)(商品名「JEM−2000FX」、80kV、1〜5万倍)で観察した写真をパソコンにスキャナで画像データとして取込む。そして、解析ソフト「WinROOF」(販売元:三谷商事)を用いて1000個以上の第2の研磨材粒子の1個1個の第2の研磨材粒子の円相当径を求める。それを直径とし、表計算ソフト「EXCEL」(マイクロソフト社製)にて、第2の研磨材粒子の粒径分布データを得、全粒子中における、ある粒径の粒子の割合(体積基準%)を小粒径側からの累積体積頻度(%)として表す。得られた第2の研磨材粒子の粒径及び累積体積頻度データに基づき、粒径に対して累積体積頻度をプロットすることにより、粒径対累積体積頻度グラフが得られる。このグラフにおいて、小粒径側からの累積体積頻度が50%となる粒径を第2の研磨材粒子の体積中位粒径とする。
研磨液組成物中における第2の研磨材粒子の含有量は、研磨速度向上の観点から、好ましくは0.2重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1.0重量%以上、さらにより好ましくは1.5重量%以上である。また、第2の研磨材粒子の含有量は、研磨速度向上の観点から、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、さらにより好ましくは5重量%以下である。即ち、研磨液組成物中における第2の研磨材粒子の含有量は好ましくは0.2〜20重量%、より好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1.0〜10重量%、さらにより好ましくは1.5〜5重量%である。
研磨液組成物中における複合酸化物粒子と第2の研磨材粒子の重量比(複合酸化物粒子重量/第2の研磨材粒子重量)は、研磨速度向上の観点から、60/40〜10/90の範囲であることが好ましく、50/50〜15/85の範囲であることがより好ましく、40/60〜20/80の範囲であることがさらに好ましい。
[水系媒体]
本実施形態の研磨液組成物に含まれる水系媒体としては、水、または水と溶媒との混合媒体等が挙げられ、上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が好ましい。水系媒体としては、なかでも、水が好ましく、イオン交換水がより好ましい。
[分散剤]
本実施形態の研磨液組成物に含まれる分散剤は水溶性であると好ましい。水溶性の分散剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびアクリル酸系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。上記分散剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、およびアクリル酸系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であるとより好ましい。上記分散剤は、アクリル酸系重合体であるとさらに好ましい。分散剤は、水系媒体と混合される前に、複合酸化物粒子の表面に物理吸着されていてもよいし、または、複合酸化物粒子の表面に化学的に結合されていてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族アンモニウム塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル等のリン酸エステル塩などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル等のエーテルエステル型、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等のエステル型などが挙げられる。
アクリル酸系重合体は、ホモポリマー、コポリマーのいずれであってもよい。ホモポリマーとしては、好ましくは、アクリル酸、アクリル酸非金属塩、またはアクリル酸エステル等の単量体(a)に由来の構成単位(A)を含むホモポリマーが挙げられる。コポリマーとしては、好ましくは、アクリル酸、アクリル酸非金属塩、アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体(a)に由来の構成単位(A)と、下記単量体(b)に由来する構成単位(B)とを含むコポリマーや、アクリル酸、アクリル酸非金属塩、アクリル酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも2種の単量体(a)に由来の各構成単位(A)を含むコポリマーが挙げられる。
アクリル酸非金属塩としては、例えば、アクリル酸アンモニウム塩、アクリル酸アミン塩等が挙げられる。アクリル酸系重合体は、これらのアクリル酸非金属塩に由来の構成単位を、1種含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
アクリル酸系重合体が共重合体である場合、構成単位(A)を全構成単位中50モル%を越えて含むが、70モル%を越えて含んでいると好ましく、80モル%を越えて含んでいるとより好ましく、90モル%を越えて含んでいるとさらに好ましい。
単量体(b)は、カルボン酸(塩)基を有し、かつ、重合可能な二重結合を有する単量体であり、例えば、イタコン酸、無水イタコン酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、グルタコン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、フォスフィノカルボン酸、α−ハロアクリル酸、β−カルボン酸、またはこれらの塩、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸オクチル等のメタアクリル酸アルキルエステル類等が挙げられる。
アクリル酸系重合体が塩である場合、例えば、酸型のアクリル酸単量体を単独で重合、あるいは単量体(b)と共重合したのち、所定のアルカリで中和することによって得られる。上記塩としては、例えば、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体のアンモニウム塩等が挙げられる。
アクリル酸系重合体は、分散安定性を向上させる観点から、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ポリアクリル酸アンモニウムがより好ましい。
アクリル酸系重合体は、分散安定性を向上させる観点から、その重量平均分子量が500〜50000であると好ましく、500〜10000であるとより好ましく、1000〜10000であるとさらに好ましい。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づいて算出した値である。
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社)
溶離液:(0.2Mリン酸バッファー)/(CH3CN)=9/1(容量比)
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI検出器
標準物質:ポリアクリル酸換算
研磨液組成物中の分散剤の含有量は、分散安定性を向上させる観点から、0.0005重量%以上が好ましく、より好ましくは0.001重量%以上、さらに好ましくは0.002重量%以上である。また、研磨液組成物中の分散剤の含有量は、0.5重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以下である。したがって、分散剤の含有量は、0.0005〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.1重量%、さらに好ましくは0.002〜0.05重量%である。
なお、上記において説明した各成分の含有量は、使用時における含有量であるが、本実施形態の研磨液組成物は、その安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存及び供給されてもよい。この場合、製造・輸送コストを低くできる点で好ましい。濃縮液は、必要に応じて前述の水系媒体で適宜希釈して使用すればよい。
[水溶性有機化合物]
本実施形態の研磨液組成物は、高い表面平坦性を有する研磨表面の形成に寄与する、水溶性有機化合物を含むことが好ましい。
本実施形態の研磨液組成物では、水溶性有機化合物を添加剤として含むことにより、平坦性の高い研磨表面の形成を可能としながら、複合酸化物粒子と第2の研磨材粒子を併用することで、従来の研磨液組成物よりも、より高速で研磨対象物を研磨可能とする。
その理由は、以下のように推定される。本実施形態の研磨液組成物に含まれる複合酸化物粒子および第2の研磨材粒子は、後述するように、砥粒として作用しうる。本実施形態の研磨液組成物を研磨対象表面に供した場合、水溶性有機化合物が、砥粒表面及び/又は研磨対象表面に吸着し被膜を形成する。この被膜は、砥粒の研磨対象表面への作用を阻害する。高い研磨荷重が研磨対象表面加わってはじめて、上記被膜が破壊され、砥粒による研磨対象表面の研磨が可能となる。
研磨対象表面の一例として凹凸表面を研磨する場合、研磨の進行具合を微視的観点から推測すると、初期段階においては、凸部には研磨装置に設定された設定荷重よりも高い研磨荷重がかかり、被膜が破壊されて研磨が進行する。一方、凹部には低い荷重がかかるので、凹部は被膜に保護され研磨され難くなる。すなわち、凸部が選択的に研磨され凹凸段差が小さくなり平坦化が進行する。
このように、本実施形態の研磨液組成物を用いれば、複合酸化物粒子と第2の研磨材粒子とを併用することにより、高速研磨が可能となることと、水溶性有機化合物により被膜が形成されることとが相俟って、平坦性の優れた研磨表面を短時間で得ることができる。ただし、これらの推測は本発明を限定するものではない。
研磨装置に設定される設定荷重を、平坦な表面に対しては研磨がほとんど進行しないような値に設定しておけば、凹凸段差が解消した後、研磨がほとんど進行しなくなる。この場合、必要以上の研磨を容易に防ぐことができ、好ましい。
水溶性有機化合物としては、−SO3H基、−SO3Na基(NaはH原子と置換して塩を形成し得る原子もしくは原子団)、−COOH基、−COONb基(NbはH原子と置換して塩を形成し得る原子もしくは原子団)の少なくとも1つを有する水溶性有機化合物が挙げられる。水溶性有機化合物が塩である場合は、水溶性有機化合物がアルカリ金属を含まない非金属塩であると好ましい。研磨液組成物に含まれる水溶性有機化合物は1種のみならず、2種以上であってもよい。
水溶性有機化合物としては、例えば、水溶性アクリル酸系重合体、有機酸、その塩、酸性アミノ酸、その塩、中性または塩基性のアミノ酸、および両イオン性の水溶性低分子有機化合物(以下、単に低分子有機化合物ともいう。)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。低分子有機化合物の分子量は、研磨液組成物の安定性を確保可能とする観点から、1000以下が好ましく、500以下がより好ましく、300以下がさらに好ましい。
過剰な研磨によるディッシング現象を抑制し、平坦性の優れた研磨表面を得る観点から、好ましい水溶性アクリル酸系重合体としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリメタクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸アンモニウム塩、アクリル酸とマレイン酸との共重合体のアンモニウム塩、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合体のアンモニウム塩、アクリル酸とメチル(メタ)アクリレートとの共重合体のアンモニウム塩等が挙げられ、これらのなかでも、ポリアクリル酸のアンモニウム塩がさらに好ましい。なお、ディッシング現象とは、凹凸面の研磨において凹部が過剰に研磨されることにより、研磨により得られた研磨面のうちの特に凹部に対応する箇所が皿状にくぼむ現象のことである。このディッシング現象は、隣り合う凸部間距離がより大きい場合、すなわち、凹凸面を平面視した時に見える凹部の総面積の割合が大きい場合(凹部面密度が大きい場合)、顕著に発生する。
水溶性アクリル酸系重合体は、過剰な研磨によるディッシング現象を抑制し、平坦性の優れた研磨表面を得る観点および砥粒の分散安定性の観点から、その重量平均分子量が300〜100000であると好ましく、500〜50000であるとより好ましく、1000〜30000であるとさらに好ましく、2000〜10000であるとさらにより好ましい。水溶性アクリル酸系重合体の塩の重量平均分子量も、同様の理由により、上記範囲内にあると好ましい。水溶性アクリル酸系重合体が、ポリアクリル酸アンモニウムである場合、その重量平均分子量は、1000〜20000であると好ましく、2000〜10000であるとより好ましい。
本実施形態の研磨液組成物における、ポリアクリル酸アンモニウムと複合酸化物粒子との重量比(ポリアクリル酸アンモニウム/複合酸化物粒子)は、ディッシングの発生を効果的に抑制する観点から、1/5以上が好ましく、より好ましくは1/4以上、さらに好ましくは1/3以上である。また、重量比(ポリアクリル酸アンモニウム/複合酸化物粒子)は、研磨速度をより向上させる観点から、15/1以下が好ましく、より好ましくは12/1以下、さらに好ましくは10/1以下である。したがって、上記重量比は、1/5〜15/1が好ましく、より好ましくは1/4〜12/1、さらに好ましくは1/3〜10/1である。
水溶性有機化合物の一例として本実施形態の研磨液組成物に含まれる有機酸およびその塩の好ましい具体例としては、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸―水和物、琥珀酸、アジピン酸、フマル酸、またはこれらのアンモニウム塩等が挙げられる。
水溶性有機化合物の一例として本実施形態の研磨液組成物に含まれる酸性アミノ酸およびその塩の好ましい具体例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびこれらのアンモニウム塩等が挙げられる。
水溶性有機化合物の一例として本実施形態の研磨液組成物に含まれる中性または塩基性のアミノ酸の好ましい具体例としては、グリシン、4−アミノ酪酸、6−アミノヘキサン酸、12−アミノラウリン酸、アルギニン、グリシルグリシン等が挙げられる。
水溶性有機化合物の一例として本実施形態の研磨液組成物に含まれる低分子有機化合物の好ましい具体例としては、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、β−アラニン二酢酸(β−ADA)、α−アラニン二酢酸(α−ADA)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミンニコハク酸(EDDS)、イミノジ酢酸(IDA)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HEIDA)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(1,3−PDTA)、アスパラギン酸、セリン、システイン、アザセリン、アスパラギン、2−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、アラニン、β−アラニン、アルギニン、アロイソロイシン、アロトレオニン、イソロイシン、エチオニン、エルゴチオネイン、オルニチン、カナバニン、S−(カルボキシメチル)−システイン、キヌレニン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、クレアチン、サルコシン、シスタチオニン、シスチン、システイン酸、シトルリン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−アラニン、3,5−ジヨードチロシン、タウリン、チロキシン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、ノルバリン、ノルロイシン、バリン、ヒスチジン、4−ヒドロキシプロリン、δ−ヒドロキシリシン、フェニルアラニン、プロリン、ホモセリン、メチオニン、1−メチルヒスチジン、3−メチルヒスチジン、ランチオニン、リシン、ロイシン、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、β−アミノイソ吉草酸、3−アミノクロトン酸、o−アミノケイ皮酸、m−アミノアミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、2−アミノペンタン酸、4−アミノペンタン酸、5−アミノペンタン酸、2−アミノ−2−メチル酪酸、3−アミノ酪酸、イサチン酸、2−キノリンカルボン酸、3−キノリンカルボン酸、4−キノリンカルボン酸、5−キノリンカルボン酸、2,3−キノリンジカルボン酸、2,4−キノリンジカルボン酸、グアニジノ酢酸、2,3−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノフェノール、3,4−ジアミノフェノール、2,4,6−トリアミノフェノール、2−ピリジンカルボン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3,4−ピリジンジカルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸、2,4,5−ピリジントリカルボン酸、2,4,5−ピリジントリカルボン酸、3,4,5−ピリジントリカルボン酸、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン−o−カルボン酸、フェノール−2,4−ジスルホン酸、o−フェノールスルホン酸、m−フェノールスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、フタルアニル酸、o−(メチルアミノ)フェノール、m−(メチルアミノ)フェノール、p−(メチルアミノ)フェノール、カルボキシベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。また、これらの化合物のプロトンの1つまたは2つ以上を、F、Cl、Br、およびI等の原子、またはOH、CN、およびNO2等の原子団で置換した誘導体等が挙げられる。これらのなかでも、過剰な研磨によるディッシング現象を抑制し、平坦性の優れた研磨表面を得る観点から、下記キレート剤がさらに好ましい。
上記キレート剤としては、DHEG、EDTA、CyDTA、NTA、HEDTA、DTPA、TTHA、GLDA、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、HEDP、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、β−ADA、α−ADA、ASDA、EDDS、IDA、HEIDA、1,3−PDTA、アスパラギン酸、セリン、システイン等が挙げられる。これらの中で、より好ましいのは、DHEG、EDTA、NTA、β−ADA、α−ADA、ASDA、EDDS、HEIDA、アスパラギン酸、セリン、システインである。
また、キレート剤の中では、濃縮時の研磨液組成物の安定性を確保可能とする観点から、DHEGがさらに好ましい。
両イオン性の水溶性の低分子有機化合物のなかでも特にDHEGは、分子内にアニオン基、カチオン基、ノニオン基がバランスよく存在するため、複合酸化物粒子に吸着しても粒子のゼータ電位や親水性を大きく低下させることがなく、さらに、分散剤の効果に影響を与えにくいと推定される。また、DHEGは、複合酸化物粒子の凝集等を十分に抑制可能とし、複合酸化物粒子の濃度が高い場合であっても複合酸化物粒子の分散安定性を確保可能である。よって、DHEGを含む本実施形態の研磨液組成物は、品質が安定した高濃度の研磨液組成物としても提供され得る。
低分子有機化合物は、通常、遊離酸または塩の形で研磨液組成物の製造に用いられるが、水系媒体に対する溶解性が高い塩が研磨液組成物の製造に用いられると好ましい。
上記塩の好ましい具体例として、アンモニウム化合物塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩等が挙げられるが、LSIの好ましい電気特性が得られる観点から、アンモニウム化合物塩がより好ましい。
アンモニウム化合物塩を構成するアミン類の好ましい例としては、アンモニア、炭素数が1〜10の直鎖状または分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基を有する第1アミン、第2アミン、第3アミン、あるいは炭素数が6〜10の少なくとも1つの芳香環を有する第1アミン、第2アミン、第3アミン、また、ピペリジン、ピペラジン等の環式構造を有するアミン、テトラメチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム化合物が挙げられる。
本実施形態の研磨液組成物に含まれる水溶性有機化合物の含有量は、平坦性の優れた研磨表面を得る観点から、0.02〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜8重量%、よりさらに好ましくは0.2〜6重量%である。
なお、本発明の研磨液組成物では、水溶性有機化合物として添加される物質と、上述の分散剤として添加される物質とが相互に異なる場合のみならず、同一である場合もある。水溶性有機化合物として添加される物質と、上述の分散剤として添加される物質とが同一である場合、好適な分散性と、研磨表面の好適な平坦性の実現とが可能なように、水溶性有機化合物の好ましい含有量(例えば、0.02〜15重量%)と分散剤の好ましい含有量(例えば、0.0005〜0.5重量%)の合計量の範囲で、水溶性有機化合物と分散剤の合計量を選択すればよい。
本実施形態の研磨液組成物中における、水溶性有機化合物と複合酸化物粒子との重量比(水溶性有機化合物/複合酸化物粒子)は、高い表面平坦性を有する研磨表面を形成する観点から、1/30以上が好ましく、より好ましくは1/20以上、さらに好ましくは1/10以上である。上記重量比は、研磨速度をより向上させる観点から、15/1以下が好ましく、より好ましくは12/1以下、さらに好ましくは10/1以下である。したがって、上記重量比は、1/30〜15/1が好ましく、より好ましくは1/20〜12/1、さらに好ましくは1/10〜10/1である。
また、水溶性有機化合物としてDHEGを含む研磨液組成物の場合、研磨液組成物に含まれるDHEGの含有量は、平坦性のより優れた研磨表面を得る観点から、0.1〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜10重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%、よりさらに好ましくは1.0〜6重量%である。
本実施形態の研磨液組成物における、DHEGと複合酸化物粒子との重量比(DHEG/複合酸化物粒子)は、ディッシングの発生を効果的に抑制する観点から、1/5以上が好ましく、より好ましくは1/4以上、さらに好ましくは1/3以上である。また、重量比(DHEG/複合酸化物粒子)は、研磨速度をより向上させる観点から、15/1以下が好ましく、より好ましくは12/1以下、さらに好ましくは10/1以下である。したがって、上記重量比は、1/5〜15/1が好ましく、より好ましくは1/4〜12/1、さらに好ましくは1/3〜10/1である。
本実施形態の研磨液組成物には、本発明の効果が妨げられない範囲で、さらに、pH調整剤、防腐剤、および酸化剤から選ばれる少なくとも1種の任意成分が含まれていてもよい。
pH調整剤としては、塩基性化合物、または酸性化合物等が挙げられる。塩基性化合物としては、アンモニア、水酸化カリウム、水溶性有機アミンおよび四級アンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。酸性化合物としては、硫酸、塩酸、硝酸またはリン酸等の無機酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸または安息香酸等の有機酸等が挙げられる。
防腐剤としては、ベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、(5−クロロ−)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、過酸化水素、または次亜塩素酸塩等が挙げられる。
酸化剤としては、過マンガン酸、ペルオキソ酸等の過酸化物、クロム酸、または硝酸、並びにこれらの塩等が挙げられる。
本実施形態の研磨液組成物の25℃におけるpHは、特に制限されないが、研磨速度をさらに向上できることから2〜10が好ましく、より好ましくは3〜9、さらに好ましくは4〜8であり、さらにより好ましくは4.5〜7である。ここで、25℃におけるpHは、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定でき、電極の研磨液組成物への浸漬後1分後の数値である。
次に、本実施形態の研磨液組成物の調製方法の一例について説明する。
本実施形態の研磨液組成物の製造方法の一例は、何ら制限されず、例えば、複合酸化物粒子と、第2の研磨材粒子と、分散剤と、水系媒体と、必要に応じて任意成分とを混合することによって調製できる。
複合酸化物粒子および第2の研磨材粒子の水系媒体への分散は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル、又はビーズミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。複合酸化物粒子および第2の研磨材粒子は、同じ水系媒体内に一緒に分散されていてもよいし、別々の水系媒体内に分散させることにより各々スラリーとされてから、相互に混合されてもよい。複合酸化物粒子および第2の研磨材粒子を水系媒体に分散した後は、複合酸化物粒子および/または第2の研磨材粒子が凝集等してできた粗大粒子が水系媒体中に含まれる場合、遠心分離やフィルターろ過等により、当該粗大粒子を除去すると好ましい。複合酸化物粒子を水系媒体に、分散剤の存在下で分散させることが好ましい。
本実施形態の研磨液組成物は、精密部品用基板の製造過程における研磨、または液晶ディスプレイパネルのガラス面等の研磨に適用される。精密部品用基板としては、ハードディスク等を構成するガラス基板、酸化膜(例えば、酸化ケイ素膜)を最外層として有する半導体装置を構成する基板(半導体装置用基板)、ガラスセラミック基板等の結晶化ガラス基板、アルミノシリケートガラス基板等の化学強化ガラス基板、またはフォトマスク用基板等に用いられる合成石英ガラス基板等が挙げられる。本実施形態の研磨液組成物は、ハードディスク等を構成するガラス基板、半導体装置用基板の製造過程における研磨工程での使用に好適である。
次に、本実施形態の研磨液組成物を用いた研磨方法について説明する。
本実施形態の研磨液組成物を用いて行なわれる研磨方法の一例では、研磨対象基板と研磨装置を構成する研磨パッドとの間に、研磨液組成物を供給し、研磨対象基板と研磨パッドとが接した状態で、研磨パッドを研磨対象基板に対して相対運動させることにより、研磨対象基板を研磨する。
研磨パッドは、例えば、回転テーブル等の研磨定盤に貼付けられている。研磨対象基板は、キャリア等により保持される。研磨装置は、板状の研磨対象基板の両主面を同時に研磨可能とする両面研磨装置であってもよいし、片面のみを研磨可能とする片面研磨装置であってもよい。
(ガラス基板の製造)
ガラス基板の製造過程の研磨工程で用いられる研磨パッドの材質について特に制限はなく、従来から公知のものを用いることができる。
研磨対象の材質としては、例えば、石英ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ボロンシリケートガラス、アルミノボロンシリケートガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラス、ガラス状カーボン等が挙げられる。これらの中でも、本実施形態の研磨液組成物は、強化ガラス基板の一例であるアルミノシリケートガラス基板や、ガラスセラミック基板(結晶化ガラス基板)、合成石英ガラス基板等の製造過程で行われる研磨工程で好適に使用できる。アルミノシリケートガラス基板は、化学的耐久性が良好であり、研磨後の基板上に残存するパーティクルの除去を目的として行なわれるアルカリ洗浄によるダメージ(凹部欠陥等)が発生し難く、よって、より高い表面品質のガラス基板の提供が可能である点で好ましい。また、合成石英ガラス基板は透過率等の光学特性が優れている点で好ましい。
ガラス基板の形状について、特に制限はなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の、平坦部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状等が挙げられる。本実施形態の研磨液組成物は、なかでも、ディスク状やプレート状のガラス基板の製造過程で行われる研磨工程で好適に使用できる。
ガラス基板の製造過程において、研磨装置により研磨対象基板に加えられる研磨荷重は、研磨速度を向上させる観点から、3kPa以上が好ましく、4kPa以上がより好ましく、5kPa以上がさらに好ましく、5.5kPa以上がよりいっそう好ましい。また、研磨表面の品質を向上させ、かつ研磨表面の残留応力を緩和する観点から、研磨荷重は、12kPa以下が好ましく、11kPa以下がより好ましく、10kPa以下がさらに好ましく、9kPa以下がよりいっそう好ましい。したがって、研磨荷重は、3〜12kPaが好ましく、より好ましくは4〜11kPa、さらに好ましくは5〜10kPa、よりいっそう好ましくは5.5〜9kPaである。
研磨液組成物の供給速度は、研磨パッドの研磨対象基板に面する面の面積と、研磨対象基板の研磨対象表面の面積との総和や、研磨液組成物の組成によって異なるが、研磨速度を向上させる観点から、研磨対象表面1cm2あたり0.06〜5ml/分であると好ましく、さらに好ましくは0.08〜4ml/分であり、より好ましくは0.1〜3ml/分である。
研磨パッドの回転数は、10〜200rpmが好ましく、より好ましくは20〜150rpmであり、さらに好ましくは30〜60rpmである。
(半導体装置の製造過程で行われる薄膜の研磨)
本実施形態の研磨液組成物は、例えば、半導体基板の一方の主面がわに配置された薄膜の研磨にも用いることができる。
半導体基板の材料としては、例えば、Si、又はGe等の元素半導体、GaAs,InP、又はCdS等の化合物半導体、InGaAs,HgCdTe等の混晶半導体等が挙げられる。
薄膜の材料としては、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、又はチタン等の金属;ケイ素等の半金属;上記金属を主成分とした合金;ガラス、ガラス状カーボン、又はアモルファスカーボン等のガラス状物質;アルミナ、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化タンタル、又は窒化チタン等のセラミック材料;ポリイミド樹脂等の樹脂、等の半導体装置を構成する材料が挙げられる。なかでも、薄膜は、大きい速度で研磨され得るという観点から、ケイ素を含んでいると好ましく、より好ましくは、酸化ケイ素、窒化ケイ素及びポリシリコンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいると好ましい。酸化ケイ素としては、二酸化ケイ素、テトラエトキシシラン(TEOS)等が挙げられる。酸化ケイ素を含む薄膜には、リン、ホウ素等の元素がドープされていてもよく、そのような、薄膜の具体例としては、BPSG(Boro-Phospho-Silicate Glass)膜、PSG(Phospho-Silicate Glass)膜等が挙げられる。
薄膜形成法は、薄膜を構成する材料に応じて適宜選択すればよいが、例えば、CVD法、PVD法、塗布法、又はメッキ法等が挙げられる。
薄膜を研磨する際に、研磨装置により薄膜に加えられる研磨荷重は、研磨速度を向上させる観点から、5kPa以上が好ましく、より好ましくは10kPa以上である。また、研磨表面の品質を向上させ、かつ研磨表面の残留応力を緩和する観点から、研磨荷重は、100kPa以下が好ましく、より好ましくは70kPa以下、さらに好ましくは50kPa以下である。したがって、研磨荷重は、5〜100kPaが好ましく、より好ましくは10〜70kPa、さらに好ましくは10〜50kPaである。
研磨液組成物の供給速度は、研磨パッドの研磨対象基板に面する面の面積と、薄膜の研磨対象表面の面積との総和や、研磨液組成物の組成によって異なるが、研磨速度を向上させる観点から、研磨対象表面1cm2あたり0.01ml/分以上が好ましく、より好ましくは0.1ml/分以上である。また、低コスト化及び廃液処理の容易化の観点から、研磨液組成物の供給速度は、研磨対象表面1cm2あたり10ml/分以下が好ましく、より好ましくは5ml/分以下である。したがって、研磨液組成物の供給速度は、研磨対象表面1cm2あたり0.01〜10ml/分が好ましく、より好ましくは0.1〜5mlg/分である。
研磨工程で用いられる研磨パッドの材質等については、特に制限されるものではなく、従来公知のものが使用できる。研磨パッドの材質としては、例えば、硬質発泡ポリウレタン等の有機高分子発泡体や無機発泡体等が挙げられるが、なかでも、硬質発泡ポリウレタンが好ましい。
研磨パッドの回転数は、30〜200rpmが好ましく、より好ましくは45〜150rpmであり、さらに好ましくは60〜100pmである。
薄膜は、凹凸表面を有する薄膜であってもよい。凹凸表面を有する薄膜は、例えば、半導体基板上の一方の主面がわに薄膜を形成する薄膜形成工程と、この薄膜の半導体基板がわの面の反対面に凹凸パターンを形成する凹凸面形成工程とを経て得ることができる。凹凸パターンの形成は、従来から公知のリソグラフィー法等を用いて行える。また、薄膜が有する半導体基板側の面の反対面は、下層の凸凹に対応して凹凸に形成されることもある。凹凸表面を有する薄膜の研磨においても、研磨荷重、研磨液組成物の供給速度、研磨パッドの材質、および研磨パッドの回転数等は、各々上記薄膜の研磨の際と同様であると好ましい。
本実施形態の研磨液組成物は、半導体装置の製造過程におけるあらゆる研磨に利用できる。具体例としては、例えば、(1)埋込み素子分離膜を形成する工程で行なわれる研磨、(2)層間絶縁膜を平坦化する工程で行なわれる研磨、(3)埋込み金属配線(例えば、ダマシン配線等)を形成する工程で行なわれる研磨、(4)埋め込みキャパシタを形成する工程で行なわれる研磨等が挙げられる。
上記半導体装置としては、例えば、メモリーIC(Integrated Circuit)、ロジックIC及びシステムLSI(Large−Scale Integration)等が挙げられる。
<研磨対象基板>
熱酸化膜付きシリコンウエハ
直径20.32cm(8インチ)のシリコンウエハ上に形成された、厚さ2000nmの二酸化ケイ素膜を用意した。二酸化ケイ素膜(熱酸化膜)は、シリコンウエハを、酸化炉内に入れて酸素ガスやスチームに晒し、シリコンウエハ中のシリコンと酸素を反応させることにより形成できる。
<研磨条件>
研磨試験機:片面研磨機(品番:LP−541、ラップマスターSFT(株)製、定盤径540mm)
研磨パッド:IC1000(硬質ウレタンパッド)とsuba400(不織布タイプパッド)との積層パッド(ニッタ・ハース(株)製)
定盤回転数:100rpm
へッド回転数:110rpm(回転方向は定盤と同じ)
研磨時間:1min
研磨荷重:30kPa(設定値)
研磨液組成物供給量:200ml/min
<評価方法>
実施例1〜16、比較例1〜4の研磨液組成物(表1〜表2参照)を用いて、研磨対象基板の二酸化ケイ素膜を研磨した後、イオン交換水を用いて流水洗浄し、次いで、イオン交換水中に浸漬した状態で超音波洗浄(100kHz、3min)し、更に、イオン交換水で流水洗浄し、最後に、スピンドライ法により乾燥させた。
(スラリーの調製)
(1)スラリーA、B
分散剤(ポリアクリル酸アンモニウム、重量平均分子量6000)が添加された水中で、体積中位径が各々表1に記載の値となるよう、ビーズミルにより焼成物a(Ce0.75Zr0.252粒子)が湿式粉砕されることにより得られたCe0.75Zr0.252粒子スラリー(Ce0.75Zr0.252粒子:25重量%)をスラリーA、Bとして用意した。焼成物aは、未焼成Ce0.75Zr0.252粒子(商品名Actalys9320、ローディア社製)が1160℃で6時間、連続式焼成炉で焼成されることにより得られたものである。なお、焼成物aは、セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを原料として用いて得られたものである。
(2)スラリーC
分散剤(ポリアクリル酸アンモニウム、重量平均分子量6000)が添加された水中で、体積中位径が表1に記載の値となるよう、ビーズミルにより焼成物b(Ce0.75Zr0.252粒子)が湿式粉砕されることにより得られたCe0.75Zr0.252粒子スラリー(Ce0.75Zr0.252粒子:25重量%)をスラリーCとして用意した。焼成物bは、未焼成Ce0.75Zr0.252粒子(商品名Actalys9320、ローディア社製)が1090℃で6時間、連続式焼成炉で焼成されることにより得られたものである。なお、焼成物bは、セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを原料として用いて得られたものである。
(3)スラリーD
分散剤(ポリアクリル酸アンモニウム、重量平均分子量6000)が添加された水中で、体積中位径が表2に記載の値となるよう、ビーズミルにより焼成物c(Ce0.62Zr0.382粒子)が湿式粉砕されることにより得られたCe0.62Zr0.382粒子スラリー(Ce0.62Zr0.382粒子:25重量%)をスラリーDとして用意した。焼成物cは、未焼成Ce0.62Zr0.382粒子(商品名Actalys9330、ローディア社製)が1240℃で6時間、連続式焼成炉で焼成されることにより得られたものである。なお、焼成物cは、セリウム(IV)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを原料として用いて得られたものである。
(4)スラリーE
分散剤(ポリアクリル酸アンモニウム、重量平均分子量6000)が添加された水中で、体積中位径が表2に記載の値となるよう、ビーズミルにより焼成物d(Ce0.74Zr0.262粒子)が湿式粉砕されることにより得られたCe0.74Zr0.262粒子スラリー(Ce0.74Zr0.262粒子:25重量%)をスラリーEとして用意した。なお、焼成物dは、セリウム(III)化合物とジルコニウム(IV)化合物とを原料として用いて得られたものである。
なお、Ce0.74Zr0.262粒子スラリーの調製方法の詳細は下記のとおりである。
まず、30Lの反応容器内で、37.7重量%の硝酸セリウム(III)塩溶液4280gと54.8重量%の硝酸ジルコニウム(IV)塩溶液1070gとを攪拌して混合した。得られた混合液のpHは1.26であった。次に、上記混合液に10Lの脱イオン水を加えた。
次に、脱イオン水が加えられた上記混合液に、1.7L/hrの供給速度で連続的に3.8mol/Lのアンモニア水を加えた。このようにして得られる混合液のpHが7.2となった時点で、5.8mol/Lの過酸化水素水1148mlを加え、さらにpHが安定するようアンモニア水を連続的に添加して、水酸化セリウムと水酸化ジルコニウムとの共沈物を得た。なお、アンモニア水の添加量の合計は2420ml、過酸化水素水(5.8M)の添加量は合計1148mlである。
次に、共沈物を濾紙でろ過した後、脱イオン水で洗浄した。得られた洗浄物を1130℃で2hr焼成した後、60メッシュのフィルターを用いて焼成物から粗大粒子を除去した。次いで、ふる分けにより粗大粒子が除かれた焼成物Eを、湿式粉砕した後、濾過精度が2μmのプリーツフィルターを用いてろ過して、Ce0.74Zr0.262粒子スラリーを得た。
(5)スラリーF
分散剤(ポリアクリル酸アンモニウム、重量平均分子量6000)が添加された水中で、体積中位径が表2に記載の値となるよう、ビーズミルにより焼成物であるCeO2粒子(バイコウスキー社製、純度99.9%)が湿式粉砕されることにより得られたCeO2粒子スラリー(CeO2粒子:40重量%)をスラリーFとして用意した。なお、CeO2粒子は、セリウム(IV)化合物を原料として用いて得られたものである。
(6)スラリーG〜I(第2の研磨材砥粒を含むスラリー)
下記記載のコロイダルシリカを含む市販のスラリーをスラリーG〜Iとして用意した。
スラリーG:触媒化成工業(株)製、カタロイドSI-50、固形分濃度50(重量%)
スラリーH:触媒化成工業(株)製、カタロイドSI-45P、固形分濃度40(重量%)
スラリーI:触媒化成工業(株)製、カタロイドSI-80P、固形分濃度40(重量%)
(研磨液組成物の調整)
上記のようにして調整されたスラリーA〜Fの何れかと、スラリーG〜Iの何れかと、水と、pH調整剤として硝酸とを、各々の濃度が夫々表2に記載の濃度となるように混合して、研磨液組成物を得た。
(複合酸化物粒子の平均一次粒子径)
複合酸化物粒子の平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出される粒径(真球換算)を意味し、下記式により算出される。
平均一次粒子径(nm)=820/S
なお、前記比表面積は、スラリー10gを110℃で減圧乾燥して水分を除去したものをメノウ乳鉢で解砕し、得られた粉末を流動式比表面積自動測定装置フローソーブ2300(島津製作所製)を用いてを測定することにより求めた。
(複合酸化物粒子の体積中位径(D50))
複合酸化物粒子の体積中位径(D50)は、以下の条件で測定した。
測定機器 :堀場製作所製 レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA920
循環強度 :4
超音波強度:4
(コロイダルシリカの一次粒子の体積中位粒径(D50))
コロイダルシリカの一次粒子の体積中位粒径(D50)は、以下の方法により求めた。コロイダルシリカを日本電子製透過型電子顕微鏡(TEM)(商品名「JEM−2000FX」、80kV、1〜5万倍)で観察した写真をパソコンにスキャナで画像データとして取込む。そして、解析ソフト「WinROOF」(販売元:三谷商事)を用いて1000個以上のコロイダルシリカの1個1個のコロイダルシリカの円相当径を求めた。それを直径とし、表計算ソフト「EXCEL」(マイクロソフト社製)にて、コロイダルシリカの粒径分布データを得、全粒子中における、ある粒径の粒子の割合(体積基準%)を小粒径側からの累積体積頻度(%)として算出した。得られたコロイダルシリカの粒径及び累積体積頻度データに基づき、粒径に対して累積体積頻度をプロットすることにより、粒径対累積体積頻度グラフを得た。このグラフにおいて、小粒径側からの累積体積頻度が50%となる粒径をコロイダルシリカの体積中位粒径として求めた。
スラリーA〜F20gを各々110℃の雰囲気内で12時間乾燥させた後、得られた乾燥物を乳鉢で解砕して粉末X線回折用サンプルを得た。各サンプルを粉末X線回折法にて分析した結果は表1に示している。粉末X線回折法による測定条件は下記のとおりとした。
(測定条件)
装置:(株)リガク製、粉末X線解析装置 RINT2500VC
X線発生電圧:40kV
放射線 :Cu−Kα1線(λ=0.154050nm)
電流 :120mA
Scan Speed:10度/min
測定ステップ:0.02度/min
Figure 2010016063
Figure 2010016063
各ピークの頂点の高さ、第1ピークの半値幅、および各ピークの面積は、得られた粉末X線回折スペクトルから、粉末X線回折装置付属の粉末X線回折パターン総合解析ソフトJADE(MDI社)を用いて算出した。上記ソフトによる算出処理は、上記ソフトの取扱説明書(Jade(Ver.5)ソフトウェア、取扱説明書 Manual No.MJ
13133E02、理学電機株式会社)に基づいてなされている。
<研磨速度の算出方法>
研磨前後の熱酸化膜の厚みを光干渉式膜厚計(商品名:VM−1000、大日本スクリーン製造(株)製)を用いて測定し、これらの値から下記の通り研磨速度を算出した。
研磨速度(nm/min)=(研磨前の膜の厚み)―(研磨後の膜の厚み)
<スクラッチ数の評価方法>
直径5cm(2インチ)のシリコンウエハ上に形成された、厚さ1000nmの二酸化ケイ素膜を用意した。二酸化ケイ素膜は、シリコンウエハを、酸化炉内に入れて酸素ガスやスチームに晒し、シリコンウエハ中のシリコンと酸素を反応させることにより形成できる。
(研磨条件)
研磨試験機:ムサシノ電子社製、MA−300片面研磨機、定盤直径300mm、
研磨パッド:IC1000(硬質ウレタンパッド)とsuba400(不織布タイプパッド)との積層パッド(ニッタ・ハース(株)製)、
定盤回転数:90r/min、
キャリア回転数:90r/min、強制駆動式、
研磨液組成物供給速度:50g/min(約1.5mL/min/cm2)、
研磨時間:1min
研磨荷重:300g/cm2(錘による一定荷重)
ドレス条件:研磨前にイオン交換水を1分間供給して、ダイヤモンドリングでドレスした。
実施例14〜16の研磨液組成物を用いて、上記研磨条件に従って研磨された上記研磨対象基板について、下記の測定方法によりスクラッチ数(本)を測定した。n数は3とした。実施例14の研磨液組成物を用いて研磨した場合のスクラッチ数(本)の平均値は5本、実施例15の研磨液組成物を用いて研磨した場合のスクラッチ数(本)の平均値は10本、実施例16の研磨液組成物を用いて研磨した場合のスクラッチ数(本)は無数(300本以上)であった。この結果から、粉末X線回折スペクトルで酸化ジルコニウムに由来するピークa2が第1ピークの頂点の高さの6%以下の場合、スクラッチ数が低減できることがわかる。
なお、スクラッチとは、MicroMax VMX−2100にて観察可能な、幅が20nm以上、長さが50μm以上、深さが3nm以上程度の傷である。
[スクラッチ数の測定方法]
測定機器:VISION PSYTEC製、MicroMax VMX−2100
(Micromaxの測定条件)
光源:2Sλ(250W)及び3Pλ(250W)、共に光量が100%
チルド角:−9°
倍率:最大(視野範囲:研磨された面の全面積の35分の1)
観察領域:研磨された面の全面積(2インチ熱酸化膜ウエハ基板)
アイリス:notch
表2に、実施例1〜16、比較例1〜4の研磨液組成物を用いた研磨の研磨速度を示している。表2に示されるように、実施例の研磨液組成物を用いて研磨する方が、比較例の研磨液組成物を用いて研磨するよりも、研磨速度が顕著に速いことが確認できた。
本実施形態の研磨液組成物を用いて研磨を行えば、より高速で研磨対象基板を研磨できるので、本実施形態の研磨液組成物は、酸化膜(例えば、酸化ケイ素膜)を有する半導体装置を構成する基板、アルミノシリケートガラス基板等の化学強化ガラス基板、ガラスセラミック基板等の結晶化ガラス基板、フォトマスク用基板又はステッパー用レンズ材等として用いられる合成石英ガラス基板の製造過程で行われる研磨工程での使用、又は液晶ディスプレイパネルのガラス面等の研磨に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 第1の研磨材粒子と、分散剤と、第2の研磨材粒子と、水系媒体とを含む研磨液組成物であって、
    前記第1の研磨材粒子がセリウムとジルコニウムとを含む複合酸化物粒子であり、
    CuKα1線(λ=0.154050nm)を照射することにより得られる前記複合酸化物粒子の粉末X線回折スペクトル中に、
    回折角2θ(θはブラック角)領域28.61〜29.67°内に頂点があるピーク(第1ピーク)、
    回折角2θ領域33.14〜34.53°内に頂点があるピーク(第2ピーク)、
    回折角2θ領域47.57〜49.63°内に頂点があるピーク(第3ピーク)、
    回折角2θ領域56.45〜58.91°内に頂点があるピーク(第4ピーク)、が存在し、
    前記第1ピークの半値幅が0.8°以下である、研磨液組成物。
  2. 前記粉末X線回折スペクトル中に、酸化セリウムに由来するピークa1、酸化ジルコニウムに由来するピークa2のうちの少なくとも1つのピークが存在する場合、
    前記ピークa1、a2の頂点の高さが第1ピークの頂点の高さの6%以下である請求項1記載の研磨液組成物。
    ただし、前記ピークa1の頂点は、回折角2θ領域28.40〜28.59°に存在し
    、前記ピークa2の頂点は、回折角2θ領域29.69〜31.60°に存在する。
  3. 第1の研磨材粒子と、分散剤と、第2の研磨材粒子と、水系媒体とを含む研磨液組成物であって、
    前記第1の研磨材粒子がセリウムとジルコニウムとを含む複合酸化物粒子であり、
    前記複合酸化物粒子は、酸化数が4のセリウム化合物と酸化数が4のジルコニウム化合物とを含む溶液と、沈殿剤とを混合することにより、前記セリウム化合物と前記ジルコニウム化合物とを加水分解させ、生じた沈殿物を分離し、次いで、焼成し、得られた焼成物を粉砕して得られる複合酸化物粒子である、研磨液組成物。
  4. 前記第2の研磨材粒子がコロイダルシリカである請求項1〜3のいずれかの項に記載の研磨液組成物。
  5. 前記複合酸化物粒子の体積中位径は、30〜1000nmである請求項1〜4のいずれかの項に記載の研磨液組成物。
  6. 研磨対象基板と研磨パッドとの間に、請求項1〜5のいずれかの項に記載の研磨液組成物を供給し、前記研磨対象基板と前記研磨パッドとが接した状態で、前記研磨パッドを前記研磨対象基板に対して相対運動させることにより、前記研磨対象基板を研磨する工程を含む研磨方法。
  7. 研磨対象基板の両主面のうちの少なくとも一方の主面を請求項1〜5のいずれかの項に記載の研磨液組成物を用いて研磨する研磨工程を含む精密部品用基板の製造方法。
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