JP2010015805A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガス流路層が分離したいわゆるフラットタイプのセパレータを具備する燃料電池に関し、自己加湿性に優れた燃料電池を提供する。
【解決手段】 燃料電池セル100を構成するセパレータ7には、そのガス流路層4に当接する側面(面材71)に複数の溝条が形成されていて、該溝条内に吸水性物質8が収容されている。この溝条は少なくとも、ガス供給用マニホールド71a1の近傍に形成された第1の溝条71e1と、ガス排出用マニホールド71a2の近傍に形成された第2の溝条71e2と、第1の溝条71e1および第2の溝条71e2を繋ぐ第3の溝条71e3と、からなり、第2の溝条71e2内の吸水性物質8で捕捉された水分を第3の溝条71e3を介して第1の溝条71e1へ送り、ガス供給用マニホールド71a1から流入するガスによって第1の溝条71e1内の水分を蒸発させて流入ガスを加湿するようになっている。
【選択図】 図3
【解決手段】 燃料電池セル100を構成するセパレータ7には、そのガス流路層4に当接する側面(面材71)に複数の溝条が形成されていて、該溝条内に吸水性物質8が収容されている。この溝条は少なくとも、ガス供給用マニホールド71a1の近傍に形成された第1の溝条71e1と、ガス排出用マニホールド71a2の近傍に形成された第2の溝条71e2と、第1の溝条71e1および第2の溝条71e2を繋ぐ第3の溝条71e3と、からなり、第2の溝条71e2内の吸水性物質8で捕捉された水分を第3の溝条71e3を介して第1の溝条71e1へ送り、ガス供給用マニホールド71a1から流入するガスによって第1の溝条71e1内の水分を蒸発させて流入ガスを加湿するようになっている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ガス流路層とセパレータが分離された、いわゆるフラットタイプモジュールセルからなる燃料電池に関するものである。
固体高分子型燃料電池のセルは、イオン透過性の電解質膜と、該電解質膜を挟持するアノード側およびカソード側の触媒層と、から膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を形成し、この外側にセパレータが配されて単セルを形成している。なお、各触媒層の外側にガス流れの促進と集電効率を高めるためのガス拡散層(GDL)が設けられて膜電極接合体(MEGA:MEAとGDLの接合体)を成し、このガス拡散層の外側にセパレータが配される形態もある。実際には、これらの燃料電池セルが発電性能に応じた段積だけ積層され、燃料電池スタックが形成されることになる。
上記する燃料電池では、アノード電極に燃料ガスとして水素ガス等が提供され、カソード電極には酸化剤ガスとして酸素や空気が提供され、各電極では固有のガス流路層にて面内方向にガスが流れ、次いでガス拡散層にて拡散されたガスが触媒層に導かれて電気化学反応がおこなわれるものである。この電気化学反応では、アノード電極にて生成されたプロトン(水素イオン)と水が水和状態で電解質膜を透過してカソード電極に至り、カソード電極にて生成水が生成されることとなる。
上記するセパレータの構造は、直線状、もしくは蛇行状のガス流路が一方側に形成され、冷却水用流路が他方側に形成されたものが従来一般の構造となっている。これに対して、ガス流路層をたとえばエキスパンドメタルから形成してセパレータと分離させ、その両側面をフラットタイプに形成したセパレータ(いわゆる、フラットタイプのセパレータ)が開発されている。より具体的には、2つの面材と、これらの間に介層された樹脂素材で枠状のスペーサとからなる3層構造のセパレータであり、一方の面材には、直線状の突起もしくは多数のディンプルが形成されていてその先端が他方の面材と当接するようになっており、対向する面材間で直線状の冷却水流路や乱流状の流路を形成するものである。従来構造のセパレータでは、その一方側にガス流路を形成し、その他方側に冷却水用流路を形成する加工の際に、精緻な加工精度が要求され、加工効率の低さが大きな課題であった。これに対して、このフラットタイプのセパレータとすることにより、精緻にガス流路を加工する必要がなくなり、冷却水用流路も、高い加工精度が要求されるものではないことから、加工効率が大幅に改善されるものである。
ところで、燃料電池のガス流路層(セパレータにガス流路層が形成された従来構造のものも含む)には、カソード側の特に酸化剤ガスのガス流出用マニホールド近傍で、電気化学反応にて生成された生成水が滞留し易く、これによってガス流れが阻害されるフラッティングが生じ易く、カソード側の酸化剤ガス流入用マニホールド近傍やアノード側では、ガスが乾いて電気化学反応が阻害されるドライアップが生じ易いという大きな課題が存在している。
上記する従来構造のセパレータに関し、セパレータのガス流路表面に吸水性物質を塗布した凹部を設け、これによって貯水能力を向上させて電解質膜の一時的な乾燥を抑制する燃料電池が特許文献1に開示されている。また、カソード側のセパレータのガス流路に親水基を有する繊維を設けてこれを水分移動手段とし、該繊維が乾燥した際の水蒸気でカソードガスを加湿する燃料電池が特許文献2に開示されている。さらに、ガス供給側流路とガス排出側流路の間で水を移動させるための親水処理が施された細溝を設けておき、生成水による自己加湿を実現できる燃料電池が特許文献3に開示されている。
特開2007−115620号公報
特開2005−235727号公報
特開2004−146309号公報
特許文献1〜3の燃料電池では、セル内の保湿確保や自己加湿を実現可能としているが、これらの燃料電池を構成するセパレータはいずれも蛇行するガス流路を有するものであり、したがって、仮に生成水をこのガス流路に沿って移動させるとしても、流路の下流側から上流側へ移動効率は極めて悪く、自己加湿効果を十分に期待できるとは言い難いものである。また、これらのセパレータは本願発明が対象としているフラットタイプのセパレータではなく、セパレータにガス流路が形成されたものであることから、上記する課題、すなわち、精緻なガス流路加工が要求されることで製造効率が格段に低くなるという課題を有しており、効率的な大量生産をおこなうにあたり、改善の余地を多分に抱えた構造である。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、ガス流路層が分離したいわゆるフラットタイプのセパレータを具備する燃料電池に関し、自己加湿性に優れた燃料電池を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による燃料電池は、ガス流路層が分離された、フラットタイプの燃料電池用のセパレータであって、平面視が略矩形を呈し、その中央に集電部を有し、該集電部の周縁に非集電部を有するとともに、該非集電部には、ガス供給用マニホールド、ガス排出用マニホールド、冷却水供給用マニホールド、冷却水排水用マニホールドが形成されている、燃料電池用セパレータを備え、アノード側およびカソード側の該セパレータが膜電極接合体とガス流路層を挟持してなる、燃料電池において、少なくともカソード側の前記セパレータには、そのガス流路層に当接する側面に複数の溝条が形成されており、該溝条内に吸水性物質が収容されている、もしくは、該溝条表面に親水性塗布層が形成されており、前記溝条は少なくとも、ガス供給用マニホールドの近傍に形成された第1の溝条と、ガス排出用マニホールドの近傍に形成された第2の溝条と、第1の溝条および第2の溝条を繋ぐ第3の溝条と、からなり、第2の溝条内の吸水性物質もしくは親水性塗布層で捕捉された水分を第3の溝条を介して第1の溝条へ送り、ガス供給用マニホールドから流入するガスによって第1の溝条内の水分を蒸発させるようになっているものである。
本発明の燃料電池は、いわゆるフラットタイプモジュールセルからなるものであり、構成部材であるセパレータは、既述するように、2つの面材と、これらの間に介層された樹脂素材で枠状のスペーサとからなる3層構造のセパレータであり、一方の面材には、直線状の突起もしくは多数のディンプルが形成されていてその先端が他方の面材と当接するようになっており、対向する面材間で直線状の冷却水流路や乱流状の流路を形成するものである。
このセパレータのガス流路層側の側面には、吸水性もしくは親水性を有する複数の溝条が設けてあり、生成水をガス供給用マニホールド近傍に設けられた溝条(第1の溝条)に移動させ、ガス供給用マニホールドから流入するガス(カソード側の場合は酸化剤ガス)によって第1の溝条内の水分を蒸発させることにより、セル内を自己加湿することができる。
ここで、上記する第1の溝条、ガス排出用マニホールドの近傍に形成された第2の溝条やこれら第1、第2の溝条を繋ぐ(連通させる)第3の溝条内には、吸水性物質を収容したり、あるいは、溝条表面に親水性塗布層を形成することにより、生成水を効果的に捕捉して第1の溝条へ移動できるようになっている。
この吸水性物質としては、吸水性や重量(より軽量であること)などの観点から吸水性樹脂を使用するのが好ましく、たとえば、アクリロニトリルグラフト共重合体、アクリル酸グラフト共重合体、アクリルアミドグラフト共重合体などのでん粉系のポリマー、セルロース−アクリロニトリルグラフト共重合体、カルボキシメチルセルロース架橋体などのセルロース系ポリマー、ポリビニルアルコール架橋体、ポリビニルアルコール吸水ゲル凍結・解凍エラストマーなどのポリビニルアルコール系ポリマー、アクリル酸−ナトリウム・ビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体などのアクリル酸系ポリマー、N−置換アクリルアミド架橋体などのアクリルアミド系ポリマーなどを挙げることができる。また、親水性塗布層は、上記する素材を含有する溶液や、酸化チタンなどの無機系親水剤を溝条表面に散布もしくは塗布等して形成することができる。
本発明の燃料電池を構成するセパレータによれば、生成水が滞留し易いガス排出用マニホールドの近傍から効果的にガス供給用マニホールド近傍へ水分を移動でき、ガス供給用マニホールドから流入してくる流入ガスによって溝条内の水分を効果的に蒸発させ、セル内を自己加湿することができる。
なお、第1の溝条と第2の溝条を繋ぐ第3の溝条は直線状であるのが望ましく、第2の溝条で捕捉された水分を短時間で第1の溝条へ移動できるのがよい。
上記する構造のセパレータは、電気化学反応にて生成される生成水を利用することから、少なくとも燃料電池セルのカソード側のセパレータに適用されるものであるが、カソード側とアノード側の双方に適用されてもよいことは勿論のことである。
ここで、第1の溝条と第2の溝条の間に、第3の溝条に連通している1以上の第4の溝条をさらに備え、該溝条内に吸水性物質が収容されている、もしくは、該溝条表面に親水性塗布層が形成されている形態であってもよい。
たとえば、セパレータの集電部に1以上の第4の溝条を設けておくことにより、生成水をより広い範囲で捕捉することができ、第1の溝条への提供水分量を増やすことが可能となる。
また、1以上の第4の溝条を設けておくことにより、たとえば低負荷発電時に効果的に生成水を捕捉して第1の溝条へ移動させることができ、さらには、生成水の滞留とこれに起因するフラッティングの発生を効果的に抑制することができる。
さらに、前記第1の溝条と第2の溝条は、ガス供給用マニホールドからガス排出用マニホールドへ向うガスの流れ方向に対して直交する方向に延びており、前記第4の溝条は、該ガスの流れ方向に対して直交する方向もしくは傾斜する方向に延びている実施の形態がより好ましい。
たとえば、第4の溝条がガス供給用マニホールドからガス排出用マニホールドへ向う方向(沿う方向)に延びていると、ガス供給用マニホールドから流入してきたガス(たとえば酸化剤ガス)がこの溝条に沿ったショートカットルートを流れ、膜電極接合体へのガスの拡散供給が阻害される虞がある。
そこで、第1の溝条と第2の溝条を、ガス供給用マニホールドからガス排出用マニホールドへ向うガスの流れ方向に対して直交する方向に形成し、第4の溝条を、該ガスの流れ方向に対して直交する方向もしくは傾斜する方向に形成しておくことで、上記するガスのショートカット流れの問題を解消することができる。
また、本発明による燃料電池の他の実施の形態として、貯水溝と、該貯水溝内に収容された吸水性物質もしくは親水性塗布層と、からなる貯水部が非集電部に設けられていて、この貯水部と溝条(たとえば第1の溝条)が連通している形態であってもよい。
たとえば、第1の溝条内で収容しきれない水分は、第1の溝条に連通する貯水部に移動させて蓄えておき、第1の溝条〜第4の溝条内の水分が少なくなった段階で、水濃度勾配を利用して貯水部から第1の溝条へ水分を提供することができる。
この貯水部を非集電部に設けておき、これに水分を蓄えておくことで、自己加湿をおこなう本発明の燃料電池セル内における水分枯渇の可能性を低減でき、より一層自己加湿性能に優れた燃料電池を得ることができる。
上記する本発明の燃料電池によれば、自己加湿性能に優れ、外部加湿機構を不要とした燃料電池を得ることができる。その適用分野は、家庭用の定置型燃料電池や車載用燃料電池などの他方面に亘るものであるが、特に、近時その生産が拡大しており、車載機器に一層の高性能化、軽量化を要求する電気自動車やハイブリッド車に好適である。
以上の説明から理解できるように、本発明の燃料電池によれば、自己加湿性能に優れたフラットタイプモジュールセルからなる燃料電池を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の燃料電池を構成する燃料電池セルの縦断面図である。図1に示す燃料電池セル100の構造は、イオン交換膜である電解質膜とカソード側およびアノード側の触媒層とからなるMEA1と、これを挟持するカソード側およびアノード側のガス拡散層2,2(GDL)と、から形成される膜電極接合体3(MEGA)と、この膜電極接合体3を挟持するカソード側およびアノード側のガス流路層4,4Aと、このガス流路層4,4Aを挟持する3層構造のセパレータ7,7と、からなり、その周縁にたとえばゴム等の樹脂製のガスケット5が一体に形成されている。
図1は、本発明の燃料電池を構成する燃料電池セルの縦断面図である。図1に示す燃料電池セル100の構造は、イオン交換膜である電解質膜とカソード側およびアノード側の触媒層とからなるMEA1と、これを挟持するカソード側およびアノード側のガス拡散層2,2(GDL)と、から形成される膜電極接合体3(MEGA)と、この膜電極接合体3を挟持するカソード側およびアノード側のガス流路層4,4Aと、このガス流路層4,4Aを挟持する3層構造のセパレータ7,7と、からなり、その周縁にたとえばゴム等の樹脂製のガスケット5が一体に形成されている。
MEA1を構成する電解質膜は、スルホン酸基やカルボニル基を持つフッ素系イオン交換膜、置換フェニレンオキサイドやスルホン化ポリアリールエーテルケトン、スルホン化ポリアリールエーテルスルホン、スルホン化フェニレンスルファイドなどの非フッ素系のポリマーなどからなり、電極層は白金やその合金からなる触媒をカーボン等に担持させた多孔質素材からなる。ガス拡散層2は、カーボンペーパーやカーボンクロスなどのガス透過性の素材から形成される。また、ガス流路層4,4Aは、その集電部が多孔質のエキスパンドメタルからなり、ガスケット5は、膜電極接合体3を成形型内に収容し、所望の樹脂を成形型内に射出するインサート成形にて形成することができる。
なお、図示する実施例において、アノード側のガス流路層4Aを形成するエキスパンドメタルは、その端部がカソード側に屈曲し、さらに屈曲してマニホールド6側に延びることでガスケット5の補強材41となっている。
ガスケット5とその補強材41には、冷却水供給用および排水用のマニホールド6,6、燃料ガスや酸化剤ガスを供給するためのマニホールド6と、反応後のガスを排気するためのマニホールド6が穿孔されており、ガスケット5に設けられた無端状のリブ51が各マニホールド6を囲繞することによって流体シールが形成されている。
また、実際の燃料電池においては、所望する発電量に応じて燃料電池セル100が所定段積層されて燃料電池スタックが形成されるものである。
電気自動車等に車載される燃料電池システムは、この燃料電池と、燃料ガスや酸化剤ガスを収容する各種タンク、これらのガスを燃料電池に提供するためのブロア、燃料電池を冷却するためのラジエータ、燃料電池で生成された電力を蓄電するバッテリ、この電力で駆動する駆動モータ等から大略構成されるものである。
図2は、3層構造のセパレータ7を分解斜視図として示したものである。このセパレータ7は、隣接する燃料電池セルとの間でセル間を画成する面材73と、これに対向するMEGA側の面材71と、これら面材71,73間に介層され、面材71,73の外周輪郭に沿う枠状(無端状)に形成された樹脂素材のスペーサ72と、から構成されている。
面材71,73とスペーサ72の対応する各端部位置(非集電部)には、冷却水供給用マニホールド71b1,72b1,73b1、冷却水排水用マニホールド71b2,72b2,73b2、酸化剤ガス供給用マニホールド71a1,72a1,73a1、酸化剤ガス排出用マニホールド71a2,72a2,73a2,燃料ガス供給用マニホールド71c1,72c1,73c1、燃料ガス排出用マニホールド71c2,72c2,73c2がそれぞれ開設されており、3層構造に一体とされた際(図中のX方向)に、燃料電池セル100の各マニホールド6が形成されるようになっている。
また、面材71における面材73に対向する側面には、多数のディンプル71d、…が備えてあり、このディンプル71dがスペーサ72の厚み分の高さを有していることにより、3層構造となった際に、ディンプル71dの先端が面材73の側面と当接される。
一方、スペーサ72のうち、冷却水供給用マニホールド72b1および排水用マニホールド72b2,燃料ガス供給用マニホールド72c1および燃料ガス排出用マニホールド72c2の近傍には、これらのマニホールドの長手方向に間隔を置いて、他方のマニホールド側に延びる複数の突出部72d、…が備えてあり、突出部72d,72d間の隙間を介して、ディンプル71d、…内に冷却水が流れるようになっている。
図3は、図2のセパレータのIII方向の矢視図であり、自己加湿機構の一実施の形態を示した図である。
図3で示す面材71の側面は、ガス流路層4に対向する側面であり、酸化剤ガス供給用マニホールド71a1から流入する酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出用マニホールド71a2に向かって不図示のガス流路層(エキスパンドメタル)内を流れながら(図中のY1方向)、ガス拡散層を介してMEGA3に拡散供給される。
図示する面材71の側面において、各マニホールド71a1,71a2,71b1,71c1,71b2,71c2の内側には、複数の溝条が形成されている。
具体的には、酸化剤ガス供給用マニホールド71a1の近傍には、該マニホールド71a1の長手方向に延びて、他の溝条に比して幅の大きな(溝体積の大きな)第1の溝条71e1が形成されており、酸化剤ガス排出用マニホールド71a2の近傍には、該マニホールド71a2の長手方向に延びる第2の溝条71e2が形成されている。
この第1の溝条71e1と第2の溝条71e2の間には、これらに平行に延びる複数の第4の溝条71e4,…が形成されており、第1の溝条71e1と第2の溝条71e2と第4の溝条71e4,…のそれぞれの端部を、冷却水供給用マニホールド71b1と燃料ガス供給用マニホールド71c1、冷却水排水用マニホールド71b2と燃料ガス排出用マニホールド71c2の近傍に形成された第3の溝条71e3,71e3が連通している。
図示するように、第1の溝条71e1と第2の溝条71e2、および第4の溝条71e4,…は酸化剤ガスの流れY1の流れ方向に対して直交する方向に延びており、したがって、これらの溝条が酸化剤ガスのショートカットルートを形成する危険性はない。なお、これらが酸化剤ガスの流れY1の流れ方向に沿う方向に延びている場合には、このルートに沿ってガスが流れ易くなり、MEGAに対する十分な酸化剤ガスの提供が阻害される危険性がある。
また、各溝条71e1,71e2,71e3,71e4には、吸水性樹脂材8が収容されており、これが面材71の表面レベルまで達していて、各溝条を吸水自在に閉塞している。なお、図4は、第1の溝条71e1を取り上げてその断面を見た図であり、溝条71e1内に吸水性樹脂材8が収容され、該溝条71e1の上端レベルまで閉塞している。
ここで、この吸水性物質8としては、吸水性や重量(より軽量であること)などの観点から吸水性樹脂を使用するのが好ましく、たとえば、アクリロニトリルグラフト共重合体、アクリル酸グラフト共重合体、アクリルアミドグラフト共重合体などのでん粉系のポリマー、セルロース−アクリロニトリルグラフト共重合体、カルボキシメチルセルロース架橋体などのセルロース系ポリマー、ポリビニルアルコール架橋体、ポリビニルアルコール吸水ゲル凍結・解凍エラストマーなどのポリビニルアルコール系ポリマー、アクリル酸−ナトリウム・ビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体などのアクリル酸系ポリマー、N−置換アクリルアミド架橋体などのアクリルアミド系ポリマーを挙げることができる。吸水性物質8は、これらの素材を使用した無垢で多孔質な形態のものであってもよいし、これらの素材を使用した織布や不織布の形態のものであってもよい。
また、吸水性物質8を溝条内に収容する代わりに、溝条表面に親水性塗布層を形成する形態であってもよい。この場合の親水性塗布素材も、上記する吸水性物質8と同素材の樹脂を含有する溶液や酸化チタンなどの無機系親水剤を使用し、溝条表面に散布もしくは塗布等して形成することができる。
燃料電池セル100内での発電経過に伴い、カソード側の触媒層では生成水が生成され、これがガス拡散層2を介してガス流路層4に排出され、図示する面材71の側面に到達する。
面材71の側面に到達した生成水は、各溝条71e2,71e4内の吸水性物質8にて捕捉されて溝条71e3に送られ(Y2方向)、溝条71e3内の吸水性物質8を介して第1の溝条71e1に送られる(Y3方向)。
他の溝条に比して溝内体積の大きな第1の溝条71e1内の吸水性物質8により、送られてきた生成水を捕捉して貯水する。
酸化剤ガス供給用マニホールド71a1の近傍に第1の溝条71e1内で貯水された生成水が存在することにより、マニホールド71a1から流入してきた酸化剤ガスが貯水された水分を効果的に蒸発させることができ、いわゆるセル内の自己加湿を実現することができる。なお、セパレータの集電性能の観点から、第1の溝条71e1,第2の溝条71e2、第3の溝条71e3は、面材71の電極部の周縁、すなわち、非電極部に形成されるのが好ましい。
図5は、図3に対応する態様で示したものであり、自己加湿機構の他の実施の形態を示した図である。
図示例は、面材71内において、酸化剤ガスの流れY1の流れ方向に対して傾斜した方向に延びる第4の溝条71e5を具備する形態であり、他の構成は図3で示す形態と同様である。
図6は、図3、図5に対応する態様で示したものであり、自己加湿機構のさらに他の実施の形態を示した図である。
この図示例は、図3で示す自己加湿機構に対して、非集電部に1以上の貯水溝71e6を設け、貯水溝71e6内に吸水性物質8Aを収容し、これを第1の溝条71e1に連通させた構成を付加したものである。
この貯水溝71e6にて生成水を一時的に貯水しておくことにより、第1の溝条71e1〜第4の溝条71e4のすべての溝条内の生成水が少なくなる、もしくは生成水が完全に無くなった場合でも、貯水溝71e6にて貯水された水分を水濃度勾配を利用して自然に第1の溝条71e1に送ることにより、セル内の自己加湿性能を維持することが可能となる。
上記する本発明のフラットタイプのセパレータを具備する燃料電池セル(燃料電池)によれば、セパレータを構成するガス流路層に対向する面材の側面に簡易な構造変更を加えるだけで、自己加湿性能に優れた燃料電池を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…MEA、2…ガス拡散層(GDL)、3…膜電極接合体(MEGA)、4,4A…ガス流路層、41…補強材、5…ガスケット、51…リブ、6…マニホールド、7…セパレータ、71,73…面材、72…スペーサ、71e1…第1の溝条、71e2…第2の溝条、71e3…第3の溝条、71e4、71e5…第4の溝条、71e6…貯水溝、8,8A…吸水性樹脂材、100…燃料電池セル
Claims (4)
- ガス流路層が分離された、フラットタイプの燃料電池用のセパレータであって、平面視が略矩形を呈し、その中央に集電部を有し、該集電部の周縁に非集電部を有するとともに、該非集電部には、ガス供給用マニホールド、ガス排出用マニホールド、冷却水供給用マニホールド、冷却水排水用マニホールドが形成されている、燃料電池用セパレータを備え、アノード側およびカソード側の該セパレータが膜電極接合体とガス流路層を挟持してなる、燃料電池において、
少なくともカソード側の前記セパレータには、そのガス流路層に当接する側面に複数の溝条が形成されており、該溝条内に吸水性物質が収容されている、もしくは、該溝条表面に親水性塗布層が形成されており、
前記溝条は少なくとも、ガス供給用マニホールドの近傍に形成された第1の溝条と、ガス排出用マニホールドの近傍に形成された第2の溝条と、第1の溝条および第2の溝条を繋ぐ第3の溝条と、からなり、
第2の溝条内の吸水性物質もしくは親水性塗布層で捕捉された水分を第3の溝条を介して第1の溝条へ送り、ガス供給用マニホールドから流入するガスによって第1の溝条内の水分を蒸発させるようになっている、燃料電池。 - 前記第1の溝条と前記第2の溝条の間に、前記第3の溝条に連通している1以上の第4の溝条をさらに備え、該溝条内に吸水性物質が収容されている、もしくは、該溝条表面に親水性塗布層が形成されている、請求項1に記載の燃料電池。
- 前記第1の溝条と第2の溝条は、ガス供給用マニホールドからガス排出用マニホールドへ向うガスの流れ方向に対して直交する方向に延びており、前記第4の溝条は、該ガスの流れ方向に対して直交する方向もしくは傾斜する方向に延びている、請求項1または2に記載の燃料電池。
- 前記非集電部には、貯水溝と、該貯水溝内に収容された吸水性物質もしくは親水性塗布層と、からなる貯水部が設けてあり、該貯水部と前記溝条が連通している、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池。
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JP2008174226A JP2010015805A (ja) | 2008-07-03 | 2008-07-03 | 燃料電池 |
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JP2008174226A JP2010015805A (ja) | 2008-07-03 | 2008-07-03 | 燃料電池 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2784844A4 (en) * | 2011-11-22 | 2015-08-05 | Shenzhen Jinfan Power Co Ltd | METHOD FOR MANUFACTURING INTEGRATED COMPONENT WITH TORONIC ION EXCHANGE MEMBRANE |
CN114094135A (zh) * | 2021-10-10 | 2022-02-25 | 北京工业大学 | 平行流场与蛇形流场自动切换的燃料电池液态水自适应流场板 |
-
2008
- 2008-07-03 JP JP2008174226A patent/JP2010015805A/ja not_active Withdrawn
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CN114094135A (zh) * | 2021-10-10 | 2022-02-25 | 北京工业大学 | 平行流场与蛇形流场自动切换的燃料电池液态水自适应流场板 |
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