JP2010014240A - 偏心型減速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランク軸にクランク伝動歯車が固定された偏心型減速機において、軸方向の寸法を短くするとともに、クランク軸軸受の潤滑性の低下も抑制する。
【解決手段】入力ギア15に噛み合うクランク伝動歯車49は、クランク軸23の他端側に固定される。クランク伝動歯車49には、端部キャリア26に対してクランク軸23の他端側を回転自在に保持する第2クランク軸軸受35に対して対向するように貫通形成された歯車貫通孔56が設けられる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ケース内において、ピン内歯に噛み合う複数の外歯歯車がクランク軸の回転に伴い偏心して回転するとともに、キャリアに回転自在に保持されたクランク軸にクランク伝動歯車が固定された偏心型減速機に関する。
各種産業用機械等においては、大きい減速比を実現可能な減速機として偏心型減速機が用いられている。このような偏心型減速機として、ケース内において、ピン内歯に噛み合う複数の外歯歯車がクランク軸の回転に伴い偏心して回転するとともに、キャリア(端部キャリア、基部キャリア)に回転自在に保持されたクランク軸にクランク伝動歯車が固定された偏心型減速機が知られている(特許文献1を参照)。この特許文献1に開示された偏心型減速機においては、ケース(ケーシング(158))内において、2つの外歯歯車(124)が、ピン内歯(ピン(128A))と噛み合い、偏心体軸(120)として形成されたクランク軸の回転に伴い偏心して回転する。また、第1フランジ体(152)として形成された端部キャリアと第2フランジ体(131)として形成された基部キャリアとに対して回転自在に保持されたクランク軸には、ヘリカル伝動歯車(118)として形成されたクランク伝動歯車が固定されている。
特開2007−100843号公報(第5頁、第1図)
特許文献1に開示された偏心型減速機では、クランク軸にクランク伝動歯車が固定され、このクランク伝動歯車は、端部キャリアに接近して配置されている。このようにクランク伝動歯車とキャリアとの隙間を小さくすることで、偏心型減速機の軸方向(即ち、偏心型減速機の回転中心線の方向)の寸法を短くすることができる。しかしながら、特許文献1に開示の偏心型減速機のようにクランク伝動歯車とキャリアとの隙間が小さくなると、キャリアに対してクランク軸を回転自在に保持するクランク軸軸受に対してケース内の潤滑油が流動しにくくなり、クランク軸軸受の潤滑性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、クランク軸にクランク伝動歯車が固定された偏心型減速機において、軸方向の寸法を短くすることができるとともに、クランク軸軸受の潤滑性の低下も抑制することができる、偏心型減速機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明に係る偏心型減速機は、ケースと、前記ケースの内周に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、前記クランク軸に形成され、前記クランク用孔に配置されるとともに当該クランク軸の回転中心線に対して偏心するよう設けられた第1偏心部及び第2偏心部と、前記第1偏心部を前記クランク用孔において前記第1外歯歯車に対して回転自在に保持する第1外歯用軸受と、前記第2偏心部を前記クランク用孔において前記第2外歯歯車に対して回転自在に保持する第2外歯用軸受と、前記クランク軸の一端側を第1クランク軸軸受を介して回転自在に保持する基部キャリアと、前記クランク軸の他端側を第2クランク軸軸受を介して回転自在に保持する端部キャリアと、前記基部キャリアと前記端部キャリアとの間に配置され、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、前記クランク軸の他端側に固定されたクランク伝動歯車と、軸方向が前記クランク伝動歯車の軸方向と平行になるように配置されて、前記クランク伝動歯車に噛み合う入力ギアと、を備えている。そして、第1発明に係る偏心型減速機は、前記クランク伝動歯車には、前記第2クランク軸軸受に対して少なくとも一部が対向するように貫通形成された歯車貫通孔が設けられていることを特徴とする。
この発明によると、クランク伝動歯車に、第2クランク軸軸受に対向する歯車貫通孔が形成されている。このため、ケース内の潤滑油は、歯車貫通孔を通過して第2クランク軸軸受まで流動し易くなる。そして、第2クランク軸軸受まで流動した潤滑油は、さらにクランク軸に沿って流動し、第2外歯用軸受、第1外歯用軸受、及び第1クランク軸軸受まで供給されることになる。また、クランク伝動歯車を端部キャリアに接近させて配置しても、クランク伝動歯車に歯車貫通孔が設けられた構造のため、クランク軸に沿って配置される各軸受に対して潤滑油を円滑に供給することができる。このため、クランク伝動歯車と端部キャリアとの隙間を小さくしてクランク伝動歯車をクランク軸に固定することができ、偏心型減速機の軸方向の寸法を短くすることができる。従って、本発明によると、クランク軸にクランク伝動歯車が固定された偏心型減速機において、軸方向の寸法を短くすることができるとともに、クランク軸軸受及び外歯用軸受の潤滑性の低下も抑制することができる。
第2発明に係る偏心型減速機は、第1発明の偏心型減速機において、前記歯車貫通孔は、前記クランク伝動歯車において、前記クランク軸の回転中心線を中心として前記第2クランク軸軸受に対向する円の円周に沿って複数配置されていることを特徴とする。
この発明によると、クランク伝動歯車の歯車貫通孔が、第2クランク軸軸受に対向する円の円周に沿って複数配置されているため、分散配置された歯車貫通孔から第2クランク軸軸受に対して効率よく潤滑油を供給することができる。そして、第1外歯用軸受、第2外歯用軸受、及び第1クランク軸軸受に対しても効率よく潤滑油が供給されることになる。このため、クランク軸に沿って配置される各軸受の潤滑性を更に向上させることができる。
第3発明に係る偏心型減速機は、第2発明の偏心型減速機において、前記歯車貫通孔は、前記円の円周に沿って延びる長孔状に形成され、隣り合う前記歯車貫通孔の間に配置され、前記クランク伝動歯車における内周側の部分と外周側の部分とを架橋するように設けられる架橋部が、前記円の径方向に延びるリブ状に形成されていることを特徴とする。
この発明によると、クランク伝動歯車における内周側の部分と外周側の部分とを架橋する架橋部が、長孔状に形成された隣り合う歯車貫通孔の間でリブ状に形成されている。このため、歯車貫通孔の構成を利用して、クランク伝動歯車の全体の剛性を小さくすることができる。これにより、入力ギアからクランク伝動歯車に作用する荷重を分散して逃がし易くすることができ、入力ギアに対するクランク伝動歯車の歯当たりを向上させることができる。
本発明によると、クランク軸にクランク伝動歯車が固定された偏心型減速機において、軸方向の寸法を短くすることができるとともに、クランク軸軸受の潤滑性の低下も抑制することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る偏心型減速機は、産業用ロボットや種々の工作機械等の各種産業用機械や建設機械等において広く適用することができる。尚、例えば、風車においては、近年、ブレード(羽根)の直径が大きくなる傾向にあることから、風向きに合わせて風車のナセルを旋回させるための首振り用の駆動装置であるヨー(Yaw)駆動装置として、寸法の大型化を抑制しつつ且つ高出力仕様の(負荷容量の大きな)減速機が要求される状況にある。このため、本実施形態に係る偏心型減速機は、風車用ヨー駆動装置として用いられると好適である。また、この例に限らず、ケース内において、ピン内歯に噛み合う複数の外歯歯車がクランク軸の回転に伴い偏心して回転するとともに、キャリアに回転自在に保持されたクランク軸にクランク伝動歯車が固定された偏心型減速機に関して、広く適用することができるものである。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る偏心型減速機1を示す断面図である。偏心型減速機1は、例えば、風車のナセルを旋回させる風車用ヨー駆動装置として用いられ、上側に配置されるモータ100から入力された回転を減速して伝達して出力する。そして、偏心型減速機1は、ケース11、ピン内歯22、前段減速部12、後段減速部13、出力軸14等を備えて構成されている。
図1に示すように、偏心型減速機1は、下側に配置された一端側においてケース11から突出するように位置する出力軸14にピニオン101が取り付けられ、上側に配置された他端側においてケース11に対してモータ100が取り付けられる。そして、偏心型減速機1においては、上側に配置されたモータ100から入力された回転力をケース11内に配置された前段減速部12及び後段減速部13を介して減速して伝達して出力軸14に取り付けられたピニオン101に出力する。偏心型減速機1が風車用ヨー駆動装置として用いられる場合には、偏心型減速機1は、ピニオン101が風車のタワーの上部に固定された歯車と噛み合うように配置される。そして、モータ100からの駆動力に伴って偏心型減速機1が作動してピニオン101が回転することで、風車のナセルが旋回する。尚、以下の説明においては、偏心型減速機1にて、出力軸14が配置される下側である出力側を一端側として、モータ100が配置される上側である入力側を他端側として説明する。
図1に示すように、偏心型減速機1のケース11は、筒状の第1ケース部11aと第1ケース部11aの他端側に配置される第2ケース部11bとで構成され、これらの縁部同士がボルトで連結されている。ケース11の内部には、前段減速部12、後段減速部13等が収納され、前段減速部12、後段減速部13、及び出力軸14は、偏心型減速機1の回転中心線P(図1において一点鎖線で図示)の方向である軸方向に沿って直列に配置されている。ケース11は、一端側(第1ケース部11aの端部側)が開口形成され、他端側(第2ケース部11bの端部側)には前述のようにモータ100が固定されている。
また、第2ケース部11bには、ケース11内に潤滑油を供給するための給油口が設けられ、給油口には給油口キャップ19aが螺合により取り付けられている。一方、第1ケース部11aには、給油口19aから供給されてケース11内に封入された潤滑油を排出するための排油口が複数設けられ、各排油口には排油口キャップ19b(図1では、1つのみ図示)が螺合により取り付けられている。キャップ(19a、19b)のケース11への着脱操作用に、給油口キャップ19a及び排油口キャップ19bにはケース11の外側に向かって開口する六角穴が形成されている。
図2は、図1における後段減速部13及びその近傍を拡大して示す断面図である。図1及び図2に示すように、ピン内歯22は、複数設けられており、第1ケース部11aの内周に形成されたピン溝52に嵌め込まれて取り付けられることで、ケース11の内周に配置されている。ピン内歯22(図1及び図2では断面でなく外形を図示)は、ピン状の部材(丸棒状の部材)として形成され、その長手方向が回転中心線Pと平行に位置するように配置されるとともに、ケース11の内周において周方向に沿って等間隔で配列され、後述する外歯歯車28の外歯31と噛み合うように構成されている。
図1に示すように、前段減速部12は、モータ100からの回転駆動力が伝達される1段の遊星歯車機構として構成され、入力ギア15、キャリア16、プラネタリギア17、リングギア18等を備えて構成されている。プラネタリギア17は、ケース11の内部に向かって突出するように配置されたモータ100の回転軸100aの周囲に複数個(本実施形態では3個)配置されて回転軸100aの一端側に形成された歯車と噛み合い、回転軸100aに対して偏心型減速機1の径方向(回転中心線Pに対して垂直な方向)に位置している。キャリア16は、回転軸100aを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数のプラネタリギア17を回転自在に保持するとともに公転動作を行う遊星枠として形成されている。リングギア18は、内周に歯が形成されてプラネタリギア17が噛み合うリング状の歯車として設けられ、第2ケース部11bにおいて複数個所から内側に張り出すように形成された部分に対して固定されている。
入力ギア15は、図1及び図2に示すように、軸状の歯車部材として設けられており、回転中心線P上に配置されている。入力ギア15には、その一端側には後述するクランク伝動歯車49に噛み合う歯車部分15aが形成され、その他端側にはキャリア16の内周部分に対して連結されるスプラインが形成されている。これにより、入力ギア15は、プラネタリギア17、リングギア18、及びキャリア16を介して減速して伝達された回転軸100aからの回転駆動力をクランク伝動歯車49に入力するように構成されている。尚、入力ギア15において歯車部分15aから一端側に突出した端部は、玉軸受を介して端部キャリア26に対して回転自在に保持されている。
図1及び図2に示すように、後段減速部13は、クランク伝動歯車49、クランク軸23、基部キャリア25、端部キャリア26、支柱27、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bで構成される外歯歯車28、第1クランク軸軸受34、第2クランク軸軸受35、第1外歯用軸受53、第2外歯用軸受54等を備えて構成されている。
図3は、クランク伝動歯車49の平面図(図3(a))と、そのA−A線矢視断面図(図3(b))とを示したものである。図1乃至図3に示すように、クランク伝動歯車49は、スパーギアとして設けられている。そして、クランク伝動歯車49は、入力ギア15の歯車部分15aと噛み合うように入力ギア15の周囲に複数個(本実施形態では3個)配置され、入力ギア15に対して偏心型減速機1の径方向に位置している。尚、クランク伝動歯車49及び入力ギア15は、それぞれの軸方向が互いに平行になるように配置されている。また、クランク伝動歯車49の中央部分には貫通孔が形成され、この貫通孔を区画するクランク伝動歯車49の内周部分にスプライン溝55が形成されている。スプライン溝55において、クランク伝動歯車49は、クランク軸23の他端側に対してスプライン結合により固定されている。これにより、クランク伝動歯車49は、クランク軸23を回転させる回転力を伝達するように構成されている。尚、クランク伝動歯車49は、端部キャリア26に対して小さい隙間を介して近接して配置されている。
また、図2及び図3に示すクランク伝動歯車49には、複数の歯車貫通孔56が形成されている。歯車貫通孔56は、入力ギア15に噛み合ったときにクランク伝動歯車49が弾性変形してクランク伝動歯車49の歯面58が入力ギア15の歯面に追従するように、クランク伝動歯車49にその軸方向において貫通形成されている。そして、歯車貫通孔56は、クランク軸23の他端側を端部キャリア26に対して回転自在に保持する第2クランク軸軸受35に一部が対向するように形成されている。尚、歯車貫通孔56は、第2クランク軸軸受35に対して、回転中心線Pと平行な方向において対向している。また、歯車貫通孔56には、クランク伝動歯車49の一端側の面及び他端側の面にそれぞれ開口する縁部分において、円錐曲面の一部を成すように外側に向かって広がって形成されたテーパ状開放部56aが設けられている。クランク伝動歯車49においては、このように外側に向かって広がるテーパ状開放部56aが設けられていることで、ケース11内の潤滑油が歯車貫通孔56を通過して流動し易くなるように構成されている。
図4は、図3(a)と同様のクランク伝動歯車49の平面図である。尚、図4においては、クランク伝動歯車49に対向する第2クランク軸軸受35の外周及び内周の位置を破線で示している。また、図4においては、図2にて一点鎖線で示すクランク軸23の回転中心線Qの位置を点で示している。この図4に示すように、複数の歯車貫通孔56は、クランク伝動歯車49において、クランク軸23の回転中心線Qを中心として第2クランク軸軸受35に対向する円R(図4にて二点鎖線で示す仮想の円)の円周に沿って配置されている。また、各歯車貫通孔56は、円Rの円周に沿って延びる長孔状に形成されている。このように、歯車貫通孔56が円Rに沿った長孔状に形成されていることで、歯車貫通孔56における第2クランク軸軸受35に対向する部分において大きな開口面積を効率よく確保することができる。
また、図3及び図4に示すように、クランク伝動歯車49において円Rに沿って配置されて隣り合う歯車貫通孔56の間に配置された架橋部57は、クランク伝動歯車49における内周側の部分と外周側の部分とを架橋するように設けられている。そして、この架橋部57は、円Rの径方向に延びるリブ状に形成されている(円Rの径方向に延びる骨組み部分として構成される骨部材状に形成されている)。このように、歯車貫通孔56間に配置された架橋部57がリブ状に形成されていることで、クランク伝動歯車49の剛性を小さくすることができる。これにより、入力ギア15の歯車部分15aから作用する荷重がクランク伝動歯車49において全体的に分散し易くなる(荷重が局部的に集中することが抑制されてクランク伝動歯車49の全体に逃がされやすくなる)。そして、出力軸14に傾きが生じてその傾きの影響が基部キャリア25、端部キャリア26及びクランク軸23を介してクランク伝動歯車49に作用した場合であっても、歯面58が入力ギア15の歯面に追従するようにクランク伝動歯車49が弾性変形することになる。このため、クランク伝動歯車49と入力ギア15との間で偏当たりが生じにくくなり、入力ギア15に対するクランク伝動歯車49の歯当たりを向上させることができる。
クランク軸23は、図1及び図2に示すように、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されており、その軸方向(回転中心線Qの方向)が回転中心線Pと平行になるように配置されている。各クランク軸23(図1及び図2では、断面でなく外形を図示)は、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bに形成されたクランク用孔30をそれぞれ貫通するように配置されており、回転することで第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bを偏心させて回転させる軸部材として設けられている。そして、クランク軸23は、自らの回転(自転)に伴う第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの回転とともに、公転動作を行うことになる。
また、クランク軸23には、第1偏心部23a、第2偏心部23b、第1軸部23c、及び第2軸部23dが形成され、一端側から、第1軸部23c、第1偏心部23a、第2偏心部23b、第2軸部23dの順番で直列に設けられている。第1偏心部23a及び第2偏心部23bは、軸方向と垂直な断面が円形断面となるように形成され、それぞれの中心位置がクランク軸23の回転中心線Qに対して偏心するように設けられている。また、第1偏心部23aは第1外歯歯車28aのクランク用孔30に配置され、第2偏心部23bは第2外歯歯車28bのクランク用孔30に配置されている。
クランク軸23の一端側に設けられた第1軸部23cはころ軸受として構成された第1クランク軸軸受34を介して基部キャリア25に対して回転自在に保持されている。クランク軸23の他端側に設けられた第2軸部23dはころ軸受として構成された第2クランク軸軸受35を介して端部キャリア26に対して回転自在に保持されている。第2クランク軸軸受35は、端部キャリア26において貫通孔として形成されたクランク貫通孔43に配置され、クランク貫通孔43を介してクランク伝動歯車49の歯車貫通孔56に対向している。尚、第2軸部23dには、第2クランク軸軸受35から他端側に突出するように位置するその端部において、前述したように、クランク伝動歯車49が固定されている。
外歯歯車28は、図1及び図2に示すように、平行に配置された状態でケース11内に収納される第1外歯歯車28aと第2外歯歯車28bとで構成されている。第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bにはそれぞれ、クランク軸23が貫通するクランク用孔30、及び、支柱27が貫通する支柱貫通孔48が形成されている。第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bは、回転中心線Pと平行な方向において、クランク用孔30及び支柱貫通孔48の位置がそれぞれ対応するように配置されている。第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bのクランク用孔30は、円形孔として形成され、クランク軸23に対応して第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの周方向に沿って均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されている。支柱貫通孔48は、支柱27の断面形状に対応した孔として形成され、支柱27に対応して外歯歯車28の周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置されている。また、支柱貫通孔48は、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの周方向において、クランク用孔30と交互に形成されている。尚、支柱貫通孔48には、支柱27が遊嵌状態で貫通している。
また、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bのそれぞれの外周には、ピン内歯22に噛み合う外歯31が設けられている。本実施形態では、第1外歯歯車28a及び第2外歯歯車28bの外歯31の歯数は、ピン内歯22の歯数よりも1個少なくなるように設けられている。このため、クランク軸23が回転するごとに、噛み合う外歯31とピン内歯22との噛み合いがずれ、外歯歯車28(28a、28b)が偏心して揺動回転するように構成されている。尚、外歯31とピン内歯22との歯数差は、複数個であってもよい。
図2によく示すように、第1外歯用軸受53は、クランク軸23の第1偏心部23aを第1外歯歯車28aのクランク用孔30においてこの第1外歯歯車28aに対して回転自在に保持する軸受として設けられている。第1外歯用軸受53は、ニードルころ部材又は円筒ころ部材として構成される複数のころ部材53aを備えて構成されている。また、第2外歯用軸受54は、クランク軸23の第2偏心部23bを第2外歯歯車28bのクランク用孔30においてこの第2外歯歯車28bに対して回転自在に保持する軸受として設けられている。第2外歯用軸受54は、第1外歯用軸受53と同様に、ニードルころ部材又は円筒ころ部材として構成される複数のころ部材54aを備えて構成されている。
基部キャリア25は、図1及び図2に示すように、その一端側において出力軸14が一体に形成されてケース11内に配置されている(出力軸14は一体に形成されることで基部キャリア25に固定されている)。基部キャリア25は、その他端側にクランク保持穴50が形成され、このクランク保持穴50によって各クランク軸23の一端側をその第1軸部23cにて第1クランク軸軸受34を介して回転自在に保持している。クランク保持穴50は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に形成されている。また、基部キャリア25は、その外周側において、ころ軸受36を介して第1ケース部11aの内周側に対して回転自在に保持されている。基部キャリア25に対しては、その外周に沿って配置されるリング状の部材として設けられた位置決め部材44が固定されている。そして、ころ軸受36は、その一端側が位置決め部材44に係合して位置決めされ、その他端側が第1ケース部11aの一端側に係合した状態で配置される。尚、基部キャリア25の外周とケース11の内周との間には、複数のシール59が配置され、ケース11内の潤滑油が外部へ漏洩しないように封止されている。
端部キャリア26は、図1及び図2に示すように、支柱27を介して基部キャリア25と連結され、円板状の部材として設けられている。端部キャリア26は、その外周側において玉軸受37を介してケース11の内周側に対して回転自在に保持されている。尚、玉軸受37は、その一端側がケース11の第1ケース部11aの他端側に係合し、その他端側が端部キャリア26の他端側においてフランジ状に張り出した縁部26aに係合した状態で配置されている。また、端部キャリア26には、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置にクランク軸23の他端側の第2軸部23dが配置されるクランク貫通孔43が形成されている。このクランク貫通孔43において、クランク軸23の他端側がその第2軸部23dにて第2クランク軸軸受35を介して回転自在に保持されている。
支柱27は、図1及び図2に示すように、基部キャリア25と端部キャリア26との間に配置され、基部キャリア25と端部キャリア26とを連結する柱状部分として設けられている。支柱27は、回転中心線Pを中心とした周方向に沿った均等角度の位置に複数(本実施形態では3つ)配置され、その軸方向が回転中心線Pと平行となるように配置されている。尚、支柱27とクランク軸23とは、回転中心線Pを中心とした周方向に沿って交互に配置されている。各支柱27は、基部キャリア25に一体に形成され、基部キャリア25の他端側において突出するように設けられている。そして、支柱27には、端部キャリア26の他端側に開口して支柱27へと延び、丸棒状(円柱状)の支柱ピン40が圧入される支柱ピン穴51が形成されている。支柱ピン40が支柱ピン穴51に圧入されることで、基部キャリア25及び端部キャリア26の周方向の位置が合わされる。
また、支柱27には、端部キャリア26の他端側に開口して基部キャリア25まで延び、図中破線で示す支柱ボルト29が挿入される支柱ボルト穴47が形成されている。支柱ボルト穴47の奥側には、雌ネジ部分が形成されている。支柱ボルト29は、雄ネジ部分として形成されたネジ部が一端側に設けられ、締め付け用の六角穴が設けられた頭部が他端側に設けられている。この支柱ボルト29は、そのネジ部が支柱ボルト穴47の雌ネジ部分と螺合することで、端部キャリア26と基部キャリア25とを支柱27を介して結合するように構成されている。尚、支柱ボルト29での結合によって基部キャリア25と端部キャリア26とが連結されると、その際に生じる締め付け力により、基部キャリア25に固定された位置決め部材44と端部キャリア26とがころ軸受36及び玉軸受37を介してケース11を挟持する(挟むように保持する)。この挟持により、基部キャリア25及び端部キャリア26がケース11に対して回転自在に保持されることになる。
次に、上述した偏心型減速機1の作動について説明する。偏心型減速機1は、モータ100の運転が行われることにより作動する。モータ100の運転が開始されると、回転軸100aに連結されたプラネタリギア17がリングギア18と噛み合いながら回転して公転し、これにより、キャリア16が回転し、キャリア16に連結された入力ギア15が回転する。入力ギア15が回転すると、入力ギア15に噛み合う各クランク伝動歯車49が回転し、各クランク伝動歯車49が固定された各クランク軸23とともに第1偏心部23a及び第2偏心部23bが回転する。この回転に伴って、第1及び第2偏心部(23a、23b)から外歯歯車28(28a、28b)に対して荷重が作用し、外歯歯車28(28a、82b)がピン内歯22と噛み合いをずらしながら揺動するように偏心して回転する。そして、外歯歯車28(28a、28b)の偏心回転に伴って、第1外歯用軸受53で第1外歯歯車28aに対して、第2外歯用軸受54で第2外歯歯車28bに対して、それぞれ回転保持されたクランク軸23が回転中心線Pを中心として公転動作を行う。このクランク軸23の公転動作により、支柱27で連結され、クランク軸23を回転自在に保持する基部キャリア25及び端部キャリア26とともに、出力軸14が回転し、大きなトルクがピニオン101から出力されることになる。
また、上述した作動の際においては、クランク軸23、基部キャリア25、端部キャリア26等の動作に伴い、ケース11内において潤滑油が流動する。そして、クランク伝動歯車49の近傍の潤滑油は、歯車貫通孔56を通過して端部キャリア26側に向かって流動する。尚、歯車貫通孔56には、テーパ状開放部56aが形成されているため、潤滑油は、容易に歯車貫通孔56に流入して通過することになる。そして、歯車貫通孔56を通過した潤滑油は、さらにクランク貫通孔43を通過して第2クランク軸軸受35へと流動することになる。これにより、第2クランク軸軸受35への潤滑油の供給が行われることになる。また、クランク貫通孔43を通過した潤滑油は、クランク軸23の軸方向に沿って、第2外歯用軸受54、第1外歯用軸受53、及び第1クランク軸軸受34へも流動していくことになる。これにより、クランク軸23に沿って配置された各軸受(34、35、53、54)に対して十分な潤滑油が循環供給されることになる。
以上説明した偏心型減速機1によると、クランク伝動歯車49に、第2クランク軸軸受35に対向する歯車貫通孔56が形成されている。このため、ケース11内の潤滑油は、歯車貫通孔56を通過して第2クランク軸軸受35まで流動し易くなる。そして、第2クランク軸軸受35まで流動した潤滑油は、さらにクランク軸23に沿って流動し、第2外歯用軸受54、第1外歯用軸受53、及び第1クランク軸軸受34まで供給されることになる。また、クランク伝動歯車49を端部キャリア26に接近させて配置しても、クランク伝動歯車49に歯車貫通孔56が設けられた構造のため、クランク軸23に沿って配置される各軸受(34、35、53、54)に対して潤滑油を円滑に供給することができる。このため、クランク伝動歯車49と端部キャリア26との隙間を小さくしてクランク伝動歯車49をクランク軸23に固定することができ、偏心型減速機1の軸方向の寸法を短くすることができる。従って、本実施形態によると、クランク軸23にクランク伝動歯車49が固定された偏心型減速機1において、軸方向の寸法を短くすることができるとともに、クランク軸軸受(34、35)及び外歯用軸受(53、54)の潤滑性の低下も抑制することができる。
また、偏心型減速機1によると、クランク伝動歯車49の歯車貫通孔56が、第2クランク軸軸受35に対向する円Rの円周に沿って複数配置されているため、分散配置された歯車貫通孔56から第2クランク軸軸受35に対して効率よく潤滑油を供給することができる。そして、第1外歯用軸受53、第2外歯用軸受54、及び第1クランク軸軸受34に対しても効率よく潤滑油が供給されることになる。このため、クランク軸23に沿って配置される各軸受(34、35、53、54)の潤滑性をさらに向上させることができる。
また、偏心型減速機1によると、クランク伝動歯車49における内周側の部分と外周側の部分とを架橋する架橋部57が、長孔状に形成された隣接する歯車貫通孔56の間でリブ状に形成されている。このため、歯車貫通孔56の構成を利用して、クランク伝動歯車49の全体の剛性を小さくすることができる。これにより、入力ギア15からクランク伝動歯車49に作用する荷重を分散して逃がしやすくすることができ、入力ギア15に対するクランク伝動歯車49の歯当たりを向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る偏心型減速機を説明する。第2実施形態の偏心型減速機は、第1実施形態の偏心型減速機1と同様に構成されているが、クランク伝動歯車60の構成において第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態のクランク伝動歯車49と構成が異なるクランク伝動歯車60についてのみ説明し、その他の第1実施形態と同様の構成についての説明を省略する。
図5は、クランク伝動歯車60の平面図(図5(a))と、そのB−B線矢視断面図(図5(b))とを示したものである。図5に示すように、クランク伝動歯車60は、スパーギアとして設けられている。そして、クランク伝動歯車60は、第1実施形態の入力ギア15と同一の構成の入力ギアの歯車部分と噛み合うように入力ギアの周囲に複数個(本実施形態では3個)配置され、入力ギアに対して偏心型減速機の径方向に位置している。尚、クランク伝動歯車60及び入力ギアは、それぞれの軸方向が互いに平行になるように配置されている。また、クランク伝動歯車60の中央部分には貫通孔が形成され、この貫通孔を区画するクランク伝動歯車60の内周部分にはスプライン溝69が形成されている。スプライン溝69において、クランク伝動歯車60は、第1実施形態のクランク軸23と同一の構成のクランク軸の他端側に対してスプライン結合により固定されている。これにより、クランク伝動歯車60は、クランク軸を回転させる回転力を伝達するように構成されている。尚、クランク伝動歯車60は、第1実施形態の端部キャリア26と同一の構成の端部キャリアに対して小さい隙間を介して近接して配置されている。
また、図5に示すクランク伝動歯車60には、複数の歯車貫通孔(61〜64)が形成されている。歯車貫通孔61及び62と、歯車貫通孔63及び64とが、それぞれクランク伝動歯車60の直径方向において対向するように配置されている。歯車貫通孔61及び62はクランク伝動歯車60の半径方向の外側に配置され、歯車貫通孔63及び64はクランク伝動歯車60の半径方向の内側に配置されている。そして、歯車貫通孔(61〜64)は、入力ギアと噛み合ったときにクランク伝動歯車60が弾性変形してクランク伝動歯車60の歯面66が入力ギアの歯面に追従するように、クランク伝動歯車60にその軸方向において貫通形成されている。そして、歯車貫通孔(61〜64)には、クランク伝動歯車60の一端側の面及び他端側の面にそれぞれ開口する縁部分において、円錐曲面の一部を成すように外側に向かって広がって形成されたテーパ状開放部(61a、62a、63a、64a)が設けられている。クランク伝動歯車60においては、このように外側に向かって広がるテーパ状開放部(61a、62a、63a、64a)が設けられることで、第1実施形態のケース11と同一の構成のケースの内部の潤滑油が歯車貫通孔(61〜64)を通過して流動し易くなるように構成されている。
図6は、図5(a)と同様のクランク伝動歯車60の平面図である。歯車貫通孔(63、64)は、クランク軸の他端側を端部キャリアに対して回転自在に保持する第2クランク軸軸受35に一部が対向するように形成されている。尚、図6においては、第2クランク軸軸受35の外周及び内周の位置を破線で示し、クランク軸の回転中心線Qの位置を点で示している。また、図6に示すように、複数の歯車貫通孔(61〜64)は、クランク伝動歯車60において、クランク軸の回転中心線Qを中心として第2クランク軸軸受35に対向する円R(図6にて二点鎖線で示す仮想の円)の円周に沿って配置されている。各歯車貫通孔(61〜64)は、円Rの円周に沿って延びる長孔状に形成されている。また、図5及び図6に示すように、クランク伝動歯車60には、内周側の部分と外周側の部分とを架橋する架橋部65が設けられている。この架橋部65においては、隣り合う歯車貫通孔(61及び64、64及び62、62及び63、63及び61)を経由するとともに内周側の部分から外周側の部分へ至る最短経路を含む部分に、クランク伝動歯車60の周方向に延びる部分が含まれている。
また、図5に示す複数の歯車貫通孔(61〜64)は、クランク伝動歯車の半径方向のいずれにおいても少なくとも1つ配置されている。尚、図5(a)では、複数の歯車貫通孔(61〜64)にて、クランク伝動歯車60の半径方向において歯車貫通孔(61〜64)が1つのみ配置されている部分である単数配置部分(67a、67b、67c、67d)を図中破線で示している。複数の歯車貫通孔(61〜64)は、単数配置部分(67a〜67d)の半径方向における長さ寸法が、クランク伝動歯車60の半径方向において外側に配置されている歯車貫通孔(61、62)よりも内側に配置されている歯車貫通孔(63、64)の方が大きくなるように構成されている。尚、図5(a)では、半径方向の外側に配置された歯車貫通孔61の半径方向の長さ寸法Cと、半径方向の内側に配置された歯車貫通孔62の半径方向の長さ寸法Dとを両端矢印で例示しているが、長さ寸法Dは長さ寸法Cよりも大きくなるように(即ち、D>C)構成されている。
また、図5(a)では、複数の歯車貫通孔(61〜64)にて、クランク伝動歯車60の半径方向において歯車貫通孔(61〜64)が複数配置されている部分である複数配置部分(68a、68b、68c、68d)を図中破線で示している。複数の歯車貫通孔(61〜64)は、複数配置部分(68a〜68d)の半径方向における長さ寸法の和が、複数配置部分(68a〜68d)のいずれかと孔が連通する単数配置部分(67a〜67d)のうち、クランク伝動歯車60の半径方向における内側に位置する部分(67c、67d)の半径方向における長さ寸法よりも小さくなるよう構成されている。また、複数の歯車貫通孔(61〜64)は、複数配置部分(68a〜68d)の半径方向における長さ寸法の和が、複数配置部分(68a〜68d)のいずれかと孔が連通する単数配置部分(67a〜67d)のうち、クランク伝動歯車60の半径方向における外側に位置する部分(67a、67b)の半径方向における長さ寸法よりも大きくなるよう構成されている。尚、図5(a)では、複数配置部分68aの長さ寸法E及びFを両端矢印で例示しているが、長さ寸法Eと長さ寸法Fとの和(E+F)は、複数配置部分68aのいずれかと孔が連通する単数配置部分(67a、67c)のうち、半径方向における内側に位置する部分67cの半径方向の長さ寸法Dよりも小さくなるように(即ち、E+F<D)構成されている。また、長さ寸法Eと長さ寸法Fとの和(E+F)は、複数配置部分68aのいずれかと孔が連通する単数配置部分(67a、67c)のうち、半径方向における外側に位置する部分67aの半径方向の長さ寸法Cよりも大きくなるように(即ち、E+F>C)構成されている。
以上説明した第2実施形態の偏心型減速機によると、クランク伝動歯車60に、第2クランク軸軸受35に対向する歯車貫通孔(63、64)が形成されている。このため、ケース11内の潤滑油は、歯車貫通孔(64、64)を通過して第2クランク軸軸受35まで流動し易くなる。尚、歯車貫通孔(61、62)も第2クランク軸軸受35の近傍で開口しているため、ケース11内の潤滑油は、歯車貫通孔(61、62)も通過して第2クランク軸軸受け35まで流動する。そして、第2クランク軸軸受35まで流動した潤滑油は、さらにクランク軸に沿って流動し、第2外歯用軸受、第1外歯用軸受、及び第1クランク軸軸受まで供給されることになる。また、クランク伝動歯車60を端部キャリアに接近させて配置しても、クランク伝動歯車60に歯車貫通孔(61〜64)が設けられた構造のため、クランク軸23に沿って配置される各軸受に対して潤滑油を円滑に供給することができる。このため、クランク伝動歯車60と端部キャリアとの隙間を小さくしてクランク伝動歯車60をクランク軸に固定することができ、偏心型減速機の軸方向の寸法を短くすることができる。従って、本実施形態によると、クランク軸にクランク伝動歯車60が固定された偏心型減速機において、軸方向の寸法を短くすることができるとともに、クランク軸軸受及び外歯用軸受の潤滑性の低下も抑制することができる。
また、この偏心型減速機によると、クランク伝動歯車60の歯車貫通孔(61〜64)が、第2クランク軸軸受35に対向する円Rの円周に沿って複数配置されているため、分散配置された歯車貫通孔(61〜64)から第2クランク軸軸受35に対して効率よく潤滑油を供給することができる。そして、第1外歯用軸受、第2外歯用軸受、及び第1クランク軸軸受に対しても効率よく潤滑油が供給されることになる。このため、クランク軸に沿って配置される各軸受の潤滑性をさらに向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。例えば、クランク軸が回転中心線上に配置されたセンタクランクタイプの偏心型減速機に本発明が適用されてもよい。また、出力軸については、キャリアと一体でなくキャリアとは別部材として設けられてもよい。また、基部キャリアと端部キャリアとを連結する支柱は、基部キャリアに一体に形成されていなくてもよく、キャリアとは別部材として形成されていてもよい。また、クランク軸及び支柱の数は、2つ以下又は4つ以上であってもよい。また、クランク軸の偏心部の個数や外歯歯車の枚数については、2つでなくてもよい。また、クランク伝動歯車は、スパーギアでなくてもよく、ヘリカルギアでもよい。また、歯車貫通孔については、第1及び第2実施形態において例示したものに限らず、形状や個数、位置は、種々変更して実施することができる。
本発明は、ケース内において、ピン内歯に噛み合う複数の外歯歯車がクランク軸の回転に伴い偏心して回転するとともに、キャリアに回転自在に保持されたクランク軸にクランク伝動歯車が固定された偏心型減速機として、広く適用することができるものである。
本発明の第1実施形態における偏心型減速機の断面図である。 図1に示す偏心型減速機の後段減速部及びその近傍を拡大して示す断面図である。 図1に示す偏心型減速機のクランク伝動歯車の平面図及び断面図である。 図3に示すクランク伝動歯車の平面図である。 本発明の第2実施形態におけるクランク伝動歯車の平面図及び断面図である。 図5に示すクランク伝動歯車の平面図である。
符号の説明
1 偏心型減速機
11 ケース
14 出力軸
22 ピン内歯
23 クランク軸
23a 第1偏心部
23b 第2偏心部
25 基部キャリア
26 端部キャリア
27 支柱
28a 第1外歯歯車
28b 第2外歯歯車
30 クランク用孔
31 外歯
34 第1クランク軸軸受
35 第2クランク軸軸受
49 クランク伝動歯車
53 第1外歯用軸受
54 第2外歯用軸受
56 歯車貫通孔
101 ピニオン

Claims (3)

  1. ケースと、
    前記ケースの内周に配置され、ピン状の部材として形成された複数のピン内歯と、
    前記ケースに収納されるとともに、前記ピン内歯に噛み合う外歯が外周に設けられた第1外歯歯車及び第2外歯歯車と、
    前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車に形成されたクランク用孔を貫通し、回転することで前記第1外歯歯車及び前記第2外歯歯車を偏心させて回転させるクランク軸と、
    前記クランク軸に形成され、前記クランク用孔に配置されるとともに当該クランク軸の回転中心線に対して偏心するよう設けられた第1偏心部及び第2偏心部と、
    前記第1偏心部を前記クランク用孔において前記第1外歯歯車に対して回転自在に保持する第1外歯用軸受と、
    前記第2偏心部を前記クランク用孔において前記第2外歯歯車に対して回転自在に保持する第2外歯用軸受と、
    前記クランク軸の一端側を第1クランク軸軸受を介して回転自在に保持する基部キャリアと、
    前記クランク軸の他端側を第2クランク軸軸受を介して回転自在に保持する端部キャリアと、
    前記基部キャリアと前記端部キャリアとの間に配置され、前記基部キャリアと前記端部キャリアとを連結する支柱と、
    前記基部キャリアに固定され、ピニオンが取り付けられる出力軸と、
    前記クランク軸の他端側に固定されたクランク伝動歯車と、
    軸方向が前記クランク伝動歯車の軸方向と平行になるように配置されて、前記クランク伝動歯車に噛み合う入力ギアと、
    を備えた偏心型減速機であって、
    前記クランク伝動歯車には、前記第2クランク軸軸受に対して少なくとも一部が対向するように貫通形成された歯車貫通孔が設けられていることを特徴とする、偏心型減速機。
  2. 請求項1に記載の偏心型減速機であって、
    前記歯車貫通孔は、前記クランク伝動歯車において、前記クランク軸の回転中心線を中心として前記第2クランク軸軸受に対向する円の円周に沿って複数配置されていることを特徴とする、偏心型減速機。
  3. 請求項2に記載の偏心型減速機であって、
    前記歯車貫通孔は、前記円の円周に沿って延びる長孔状に形成され、
    隣り合う前記歯車貫通孔の間に配置され、前記クランク伝動歯車における内周側の部分と外周側の部分とを架橋するように設けられる架橋部が、前記円の径方向に延びるリブ状に形成されていることを特徴とする、偏心型減速機
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