JP2010009083A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】潜像担持体上に静電潜像を形成し、黒あるいは複数色のトナーを用いて色重ねによりカラー画像を形成する画像形成装置において、少なくとも仕事関数が最も大きなトナーから中間転写媒体上に転写される画像形成装置。
【選択図】図4
Description
ところが、トナーを小粒径化すると、トナーの流動性が低下することにより、現像ローラ表面や規制ブレードとの摩擦帯電が困難になる結果、充分な電荷を付与できなかった。その為に、トナーに帯電量分布が存在し、負帯電用トナーであっても正に帯電したトナーを含有することは避けきれず、その結果、像担持体上の非画像部にカブリを生じた。また、カブリを抑えるために、非磁性一成分現像においては、規制圧を高くすることが知られているが、トナーが過帯電になり、現像時のトナー濃度が低くなったり、転写効率が低くなる傾向にあった。そこで、現像ローラ上の規制後の付着トナー量を適正な範囲とすることが提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、これに記載の方法では、トナーを均一に熱定着をする低温定着性の向上には効果的であるが、トナーの転写効率については不十分なものであった。
また、感光体上に形成された潜像を、イエロー、マゼンタ、シアンのカラートナー、及び黒トナーで現像し、各トナー像を中間転写媒体に転写した後に、黒トナ一による現像像を中間転写体上に一次転写して重ね合わせてから、他の記録材へ二次転写するフルカラー画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
また、最初に黒トナーを、次いでイエロー、マゼンタ、シアンのカラートナーで現像することで、黒トナーに他の色トナーが混色することなく、黒色トナーのみのリサイクルが可能なカラー画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献4)。しかしながら、この場合にも、トナーの紙への転写効率は不充分なものであった。
また、最下層のトナーの転写効率が大きくなるように転写電圧を設定することが提案されており(例えば、特許文献8)、トナーの色を最初と最後がシアンと黒、その間がイエローとマゼンタとすることが提案されている(例えば、特許文献9)。
また、シアン、イエロー、マゼンタ、黒の順で現像することが提案されている(例えば、特許文献10)。
また、形成されたトナー像を定電圧電源によって転写電圧を印加して中間転写媒体に転写しようとすると、すべてのトナー画像が正確に転写されなかったり、大きな転写電圧を印加することが必要であった。
また、本発明は、感光体上に複数色のトナーを用いて、逐次トナー像を、中間転写媒体上に転写電圧を印加して色重ねしてカラー画像を形成させた後に、紙、合成樹脂フィルム等の記録材に一括して転写し、定着工程を経てカラー画像を形成する画像形成装置において、転写されたトナー像がずれたりすることなく高い転写効率でカラー画像を転写することが可能であり、感光体上の転写残りトナー量が少なく、形成される画像特性が優れる画像形成装置を提供することを課題とするものである。
複数色の現像器を仕事関数の大きいトナー順に現像するように配置して、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、中間転写媒体に転写した前記の画像形成装置である。
潜像担持体上の転写残りトナーを除去するクリーナを備えていない前記の画像形成装置である。
このように、潜像担持体上に形成された静電潜像を仕事関数の大きなトナーから順に現像し、逐次定電圧電源から供給される転写電圧によって、トナー画像を中間転写媒体上に転写して、カラー画像を形成する画像形成装置によって、像担持体上に残留する転写残りトナーが少なく、また転写されるトナー画像は、先に転写されたトナー画像上に正確に画像形成され、優れたカラー画像を形成することができる。
したがって、本発明の画像形成装置は、潜像担持体上に残留するトナーが少ないので、潜像担持体上に残留するトナーを除去するクリーナーおよびクリーナーによって除去されたトナーを集めるための廃トナー収容手段を設ける必要がなく、装置の小型化を行うことができると共に保守も簡単なものとなる。
負帯電トナー、および反転現像器を用いた前記の画像形成装置である。
潜像担持体上に現像されたトナー量が0.55mg/cm2以下に規制された非磁性一成分トナーを用いた前記の画像形成装置である。
このように、現像による潜像担持体上の付着トナー量を0.55mg/cm2以下とすることで、記録材への一次転写電圧を低く押さえることが可能となり、その結果、記録材と潜像担持体間の1次転写時の非画像部への放電を抑制することができ、転写トナー画像の飛び散りや飛散の防止が可能となる。この効果は、仕事関数の大きいトナーより順に現像することで1次転写電圧をより低くでき、高品質のカラートナー像を得ることができる。
潜像担持体と現像ローラの周速比が、少なくとも1.1ないし2.5である前記の画像形成装置である。
複数色の現像器を仕事関数の大きいトナー順に現像するように配置して、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、中間転写媒体に転写される前記のトナーである。
個数基準の平均粒子径が4.5〜9μmであるトナーである前記のトナーである。
トナーは重合性有機化合物のモノマー、オリゴマーの少なくともいずれかを、着色剤を含有させて重合をすることによって形成したものである前記のトナーである。
その結果、感光体上に残留する転写残りトナーの量を減少あるいは実質的に無視できる量とすることができるので、潜像担持体から転写残りトナーとして回収されるトナー量を減少させ、廃トナー容器をより小さくしたり、あるいはクリーニング手段および廃トナー容器を不要とすることができるので、画像形成装置の小型化も可能とするものである。
また、本発明は、像担持体上の静電潜像を複数色のトナーによって、逐次現像して、定電圧転写電圧によって、中間転写媒体に転写する画像形成装置において、複数色のトナーの現像順序を、先に現像されたトナーの仕事関数よりも、仕事関数が小さなトナーとすることによって、転写効率の大きな画像の形成が可能な画像形成装置を得ることができることを見出したものである。
物質の仕事関数(Φ)は、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーとして知られており、仕事関数が小さいほど電子を放出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、仕事関数の小さい物質と大きい物質を接触させると、仕事関数の小さい物質は正に、仕事関数の大きい物質は負に帯電する。
仕事関数は下記の測定方法により測定されるものであり、その物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化され、種々の物質からなるトナーと画像形成装置における種々の部材との接触による帯電性を評価しうるものである。
黒トナーBkによって画像形成が行われる場合には、図1(A)に示すように、複数色のトナーの加色によって黒色を形成する場合に、更に黒トナーBkを色重ねする場合、あるいは図1(B)、図1(C)、図1(D)、図1(E)等に示すように、他の色のトナーによって形成された画像上に黒トナーBkを色重ねしてコントラストの向上等を行う場合がある。
このように、黒トナーBkは、他の複数色のトナー画像とは使用形態が異なり、複数色の色重ねを行う場合にも、黒トナーは色重ねに使用されない場合も数多く存在している。
黒トナーとその他の複数色のカラートナーを使用して色重ねを行って画像形成を行う場合には、少なくとも仕事関数が最も大きなトナーから画像形成して記録材上に転写することによって、先に転写されたトナー画像上に正確に画像形成され、優れたカラー画像を形成することができることを見出したものである。
図2は、本発明のトナーを用いた画像形成装置における接触現像方式の一例を示すものであるが、感光体1は直径24〜86mmで表面速度60〜300mm/sで回転する感光体ドラムで、コロナ帯電器2によりその表面が均一に負帯電された後、記録すべき情報に応じた露光3が行われることにより、静電潜像が形成される。
接触現像方式にあっては、感光体の暗電位としては−500〜−700V、明電位としては−50〜−150V、図示していないが現像バイアス電圧としては−100〜−400Vとすると良く、現像ローラとトナー供給ローラとは同電位とすると良い。
接触現像方式にあっては、反時計方向に回転する現像ローラの周速を、時計方向に回転する有機感光体に対して1.1〜2.5、好ましくは1.2〜2.2の周速比とするとよく、これにより、小粒径のトナー粒子であっても、有機感光体との接触摩擦帯電を確実にできる。
本発明の画像形成装置にあっては逆帯電トナーを抑制できるので、感光体上に残留するトナー量を少なくでき、クリーニングトナー容器を小さくできる。
更には、所定の条件のもとでは、クリーニングを必要としないので、クリーニングブレード5あるいはクリーニングトナー容器が不要ないわゆるクリーナーレスの画像形成装置を提供することができる。
中間転写媒体として、転写ベルトまたは転写ドラムを用いることができる。
転写ベルトとしては、合成樹脂製の基体からなるフィルムやシート上に転写層を設けるものであり、他方は弾性体の基層上に表層である転写層を設けるものである。また、転写ドラムとしては、感光体が剛性のあるドラム、例えばアルミニウム製のドラム上に有機感光層を設けた場合には、転写媒体としてはアルミニウム等の剛性のあるドラム基体上に弾性の表層である転写層を設けるものである。また、感光体の支持体がベルト状、あるいはゴム等の弾性支持体上に感光層を設けたいわゆる弾性感光体である場合には、転写媒体としてはアルミニウム等の剛性のあるドラム基体上に直接あるいは導電性中間層を介して転写層を設けるとよい。
フィルムおよびシートに適する材質と作製方法としては、変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電性カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性シリカ等の導電材料を分散した厚さ50〜500μmの半導電性フィルム基体を押し出し、あるいは成形でシームレス基体とし、その外側にさらに表面エネルギーを下げ、トナーのフィルミングを防止する表面保護層として厚さ5〜50μmのフッ素樹脂被覆を行ったシームレスベルトである。
フィルムまたはシートで基体を作製する場合には、ベルト状とするために端面を超音波溶着を行うことで、ベルトを作製することができ、具体的にはシート、またはフィルム上に導電性層並びに表面層を設けてから、超音波溶着を行うことにより所望の物性を有する転写ベルトを作製することができる。より具体的には基体に厚さ60〜150μmのポリエチレンテレフタレートを絶縁性基体として用いた場合には、その表面にアルミニウム等を蒸着し、あるいはさらにカーボンブラック等の導電材料と樹脂からなる中間導電性層を塗工し、その上にそれより高い表面抵抗を有するウレタン樹脂、フッ素樹脂、導電性材料からなる半導電性表面層を設けて転写ベルトとすることができる。塗工後の乾燥時に熱をさほど必要としない抵抗層を設けることができる場合には、先にアルミニウム蒸着フィルムを超音波溶着させてから上記の抵抗層を設け、転写ベルトを作製することも可能である。
転写ドラムの場合には、体積抵抗104〜1012Ω・cm、好ましくは107〜1011Ω・cmの範囲が好ましい。転写ドラムはアルミニウム等の金属円筒上に必要により弾性体の導電性中間層を設けて導電性弾性基体とし、さらにその上に表面エネルギーを下げ、トナーのフィルミングを防止する表面保護層として半導電性の厚さ5〜50μmの、例えばフッ素樹脂被覆を形成して作製することができる。
これにより、トナー粒子と感光体との接触を確実なものとすることができ、トナー粒子をより負帯電化して転写効率を向上できる。
なお、非接触現像方式における上記以外の事項は、上述した接触現像方式と同様であり、本発明の画像形成装置においては、クリーナーブレード5を有しないものとすることができる。
図2、図3で示す現像プロセスをイエローY、シアンC、マゼンタM、ブラックKからなる4色のトナー(現像剤)による現像器と感光体を組み合わせればフルカラー画像を形成することのできる装置となる。
図4は4サイクル方式のフルカラープリンターの一例を説明する図である。
図4において、100は像担持体ユニットが組み込まれた像担持体カートリッジである。この例では、感光体カートリッジとして構成されていて、感光体と現像部ユニットが個別に装着できるようになっており、電子写真感光体(潜像担持体)140が図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。感光体140の周りにはその回転方向に沿って、帯電手段として帯電ローラ160、現像手段としての現像器10Y、10M、10C、10K、中間転写装置30、およびクリーニング手段170が配置される。
なお、本発明においては、クリーニング手段170を取り除いたクリーナーレス方式の画像形成装置とすることができる。
現像器としてイエロー用の現像器10Y、マゼンタ用の現像器10M、シアン用の現像器10C、およびブラック用の現像器10Kが設けられている。これら現像器10Y、10C、10M、10Kはそれぞれ揺動可能に構成されており、選択的に一つの現像器の現像ローラ9のみが感光体140に圧接されるように構成されている。これらの現像器10は、負帯電トナーを現像ローラ上に保持しているものであり、これらの現像器10はイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKのうちのいずれかのトナーを感光体140の表面に付与して感光体140上の静電潜像を現像する。現像ローラ9は硬質のローラ、例えば表面を粗面化した金属ローラで構成されている。現像されたトナー像は、中間転写装置30の中間転写ベルト36上に転写される。クリーニング手段170は、上記転写後に感光体140の外周面に付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードによって掻き落とされたトナーを受けるクリーニングトナー回収部とを備えている。
駆動ローラ31には中間転写ベルト36を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して中間転写ベルト36の導電性層に一次転写電圧が印加される。従動ローラ32は、テンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト36をその張り方向に付勢している。従動ローラ33は二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ33には中間転写ベルト36を介して二次転写ローラ38が対向配置されている。二次転写ローラには二次転写電圧が印加され、図示しない間隔調整機構により中間転写ベルト36に対して間隔が調整可能に構成されている。従動ローラ34はベルトクリーナ39のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ39は図示しない間隔調整機構により中間転写ベルト36に対して間隔調整可能に構成されている。
中間転写ベルト36が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体140上のトナー像が中間転写ベルト36上に転写され、中間転写ベルト36上に転写されたトナー像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ38との間に供給される用紙等の記録材Sに転写される。記録材Sは、給紙装置50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は給紙カセット、52はピックアップローラである。
(1)図示しないパーソナルコンピュータ等から画像情報が画像形成装置の制御部90に送信されると、感光体140、現像器10の各ローラ9、および中間転写ベルト36が回転駆動される。
(2)感光体140の外周面が帯電ローラ160によって一様に帯電される。(3)一様に帯電した感光体140の外周面に、露光ユニット40によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
(5)中間転写ベルト36には、上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体140上に形成されたトナー像が一次転写部T1において中間転写ベルト36上に転写される。このとき、二次転写ローラ38およびベルトクリーナ39は中間転写ベルト36から離間している。
(7)上記(2)〜(6)の動作に必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号に応じて第2色目、第3色目、第4色目と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー像が中間転写ベルト36上において重ね合わされて形成される。
(9)記録材Sが定着装置60を通過することによって記録材S上のトナー像が定着し、その後、記録材Sが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部81に向け、両面印刷の場合にはスイッチバック経路としての作用も有する排紙経路71または72を経て返送ローラ73に向け)搬送される。
本発明に係る画像形成装置では、感光体140には現像ローラ9、中間転写媒体36を当接状態としてもよく、また、現像を非接触方式としてもよい。
図6に示す本実施形態の画像形成装置201は、クリーニング手段を有さないものであり、ハウジング202と、ハウジング202の上部に形成された排紙トレイ203と、ハウジング202の前面に開閉自在に装着された扉体204を有し、ハウジング202内には、制御ユニット205、電源ユニット206、露光ユニット207、画像形成ユニット208、排気ファン209、転写ユニット210、給紙ユニット211が配設され、扉体204内には紙搬送ユニット212が配設されている。各ユニットは、本体に対して着脱可能な構成であり、メンテナンス時等には一体的に取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
また、中間転写ベルト215の裏面には、後述する画像形成ユニット208を構成する各色毎の単色画像形成ユニットY,M,C,Kの画像担持体220に対向して1次転写部材221が当接され、1次転写部材221には転写バイアスが印加されている。
各単色画像形成ユニットY,M,C,Kの画像担持体220が中間転写ベルト215のベルト張り側217に当接されるようにされ、その結果、各単色画像形成ユニットY,M,C,Kも駆動ローラ213に対して図で左側に傾斜する方向に配設される。画像担持体220は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト215と逆方向に回転駆動される。
すなわち、現像手段223は、トナーを収納するトナー収納容器229と、このトナー収納容器229内に形成されたトナー貯蔵部230(図のハッチング部)と、トナー貯蔵部230内に配設されたトナー撹拌部材231と、トナー貯蔵部230の上部に区画形成された仕切部材232と、仕切部材232の上方に配設されたトナー供給ローラ233と、仕切部材232に設けられトナー供給ローラ233に当接される帯電ブレード234と、トナー供給ローラ233および画像担持体220に近接するように配設される現像ローラ235と、現像ローラ235に当接される規制ブレード236とから構成されている。
また、画像形成時には、給紙ユニット211は、記録材Sの複数枚が積層保持されている給紙カセット238と、給紙カセット238から記録材Sを一枚ずつ給送するピックアップローラ239を備えている。
図7は、仕事関数測定用の試料測定セルを説明する図を示す。
図7(A)に平面図を示し、図7(B)に側面図を示すように、試料測定セルC1は、直径13mm、高さ5mmのステンレス製円盤の中央に直径10mmで深さ1mmのトナー収容用凹部C2を有する形状を有する。セルの凹部内にトナーを秤量スプーンを使用して突き固めないで入れた後、ナイフエッジを使用して表面を平らにした状態で測定に供する。
トナーを充填した測定セルを試料台の規定位置上に固定した後に、照射光量500nWに設定し、照射面積4mm角とし、エネルギー走査範囲4.2〜6.2eVの条件で測定される。
また、トナーの仕事関数測定時の規格化電子収率が測定光量500nWで8以上である。
中間転写媒体、潜像担持体のように、円筒形状の部材を試料とする場合には、円筒形状の部材を1〜1.5cmの幅で切断し、ついで稜線に沿って横方向に切断して図8(A)に形状を示すように、測定用試料片C3を得た後、図8(B)に示すように、試料台C4の規定位置上に、測定光C5が照射される方向に対して照射面が平行になるように固定する。これにより、放出される光電子C6が検知器C7、すなわち光電子倍像管により効率よく検知される。
粉砕法トナーとしては、樹脂バインダーに少なくとも顔料を含有し、離型剤、荷電制御剤等を添加し、ヘンシェルミキサー等で均一混合した後、2軸押し出し機で溶融混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理され、さらに、外添粒子が付着されてトナー粒子とされる。
本発明の粉砕法トナーにあっては、転写効率の向上を目的とした場合、球形化処理されるとよく、そのためには、粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミル(ターボ工業製)を使用すれば円形度は0.93まで高めることができる。または、粉砕したトナーを熱風球形化装置(日本ニューマチック工業製)を使用することによって円形度を1.00まで高めることができる。
なお、本発明において、トナー粒子の平均粒径と円形度は、粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定した値である。
重合性単量体成分としては、公知のビニル系モノマーが使用可能であり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、無水マレイン酸、無水フタル酸、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルナフタレン等が挙げられる。なお、フッ素含有モノマーとしては例えば2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロプロピレンなどはフッ素原子が負荷電制御に有効であるので使用が可能である。
そして、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径は、7nm〜40nmとすることが好ましく、10nm〜30nmとすることがより好ましい。また、シリカ粒子の一次粒子の平均粒子径が7nmより小さいと、トナーの母粒子に埋没しやすくなり、また、負に過帯電しやすくなる。そして、40nmを超えるとトナー母粒子の流動性付与効果が悪化し、トナーを均一に負に帯電させることが困難になる結果、逆帯電である正に帯電したトナー量が増加する傾向となる。
具体的には、一方のシリカの個数平均一次粒子径が5nm〜20nmであることが好ましく、7〜16nmであることがより好ましい。また、他方のシリカの個数平均一次粒子径が30nm〜50nmであることが好ましく、30〜40nmである粒子を併用することがより好ましい。
なお、本発明における外添剤の粒径は、電子顕微鏡像によって観察して測定したものであり、個数平均粒子径を平均粒子径としている。
これらの配合量は、シリカ粒子100重量部に対し、1〜30重量部のこれらの水酸化物、酸化物で被覆したスラリーとし、引き続いてスラリー中の固形分に対し、アルコキシシランを3〜50重量部を被覆した後、アルカリで中和し、ろ過、洗浄、乾燥及び粉砕を行うことによって得ることができる。表面修飾シリカに使用するシリカ微粒子は、湿式法あるいは気相法で製造されたいずれの粒子を使用することができる。
シリカ粒子をこれらの金属酸化物、水酸化物での表面修飾は、これらの金属化合物の水系溶液によってシリカ粒子のスラリーを処理することによっておこなうことができる。処理温度は、20〜90℃とすることが好ましい。
次いで、スラリーをろ過、水洗後に乾燥を行うことによって表面修飾されたシリカ微粒子を得ることができる。
乾燥は、100〜190℃、好ましくは110〜170℃である。100℃未満だと乾燥効率が悪く疎水化度が低くなるので好ましくない。また、190℃を超えると、炭化水素基の熱分解により変色と疎水化度の低下が起こるので好ましくない。
本発明において、これらの外添剤は、トナー母粒子100重量部に対して0.05〜2重量部とすることが好ましい。
0.05重量部よりも少ない場合には、流動性付与、および過帯電防止に効果がなく、逆に2重量部を超えると、負帯電の電荷量が低下すると同時に、逆極性である正帯電のトナー量が増加し、カブリや逆転写トナー量を増加する結果となる。
図9は、本発明の中間転写媒体上に重ね合わされたトナーを説明する図である。
図9(A)に示すように、複数色のトナーを色重ねした際の画像の転写例を示したものである。トナーは、仕事関数の大きい順に中間転写媒体へ転写され、中間転写媒体上に静電的に付着している。
矢印の方向に電子(電荷)が移動し、最上部のトナーの電荷が小さくなるので、定電圧転写において電子(電荷)の流れと転写の向きが同一になるために転写効率が高くなるものと考えられる。
また、図9(B)は中間調画像の転写例を示したので、トナー同士が隣りあう場合の例である。トナーの仕事関数が大きい順より現像および転写が行われ、中間転写ベルト上に静電的に付着している。やはり、矢印の方向に電子(電荷)が移動し、最上部のトナーの電荷が小さなるので、定電圧転写において電子(電荷)の流れと転写の向きが同一になるため、転写効率が高くなるものと考えられる。
潜像担持体の表面電位:非画像部暗電位−600V、画像部明電位−80V、現像部材のバイアス電位:−300Vに設定時した場合を例にして説明する。
図10(A)の潜像担持体上のカブリ及び反転現像されたトナーの帯電極性の状態を示す図において、現像部材上のトナーの挙動は、トナー層中に潜像担持体の電位極性と逆極性である+トナーは非画像部に付着し、いわゆるかぶりトナーとなり、同極性である−トナーは画像部に反転現像されてトナー画像を形成する。この時、強く負帯電したAトナーと弱く正帯電したBトナーが対となって画像部に反転現像される場合がある。
図中矢印でトナーが現像時に潜像担持体上の画像領域と非画像領域に移行する様子を示す。この図で、潜像担持体上に移行したBトナーが図10(B)、(C)で示すように、逆転写トナーの発生原因となる。
図10(B)に示すように、潜像担持体の画像領域に反転現像されたトナーすなわち、負に帯電したトナーは逆極性のバイアス電圧を印加されて、中間転写媒体上に転写される。その様子を矢印で示す。この時に前述の強く負帯電したAトナーと弱く正帯電したBトナーも対となって転写される。
クリーニング手段を設けた画像形成装置においては、中間転写媒体上のクリーニング手段により除去されるが、クリーニング手段を有さない装置においては、このような形態のトナーが生成することを防止することが不可欠となる。
以下に、実施例を示し本発明を説明する。
スチレンモノマー80重量部、アクリル酸ブチル20重量部、およびアクリル酸5重量部からなるモノマー混合物を、水105重量部、ノニオン乳化剤(第一工業製薬製エマルゲン950)1重量部、アニオン乳化剤(第一工業製薬製 ネオゲン(登録商標)R)1.5重量部、および過硫酸カリウム0.55重量部の水溶液混合物に添加し、窒素気流中下で攪拌を行いながら70℃で8時間重合を行った。重合反応後冷却し、乳白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
その後得られた粒子を水洗し、45℃で真空乾燥を10時間行った。平均粒径6.8μmの円形度0.98のシアントナーを得た。
R=L0/L1…(1)
ただし、L1は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長(μm)である。
L0は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい真円の周囲長(μm)である。
また、得られたトナーの仕事関数は、5.54eVであった。なお、本実施例において仕事関数は、表面分析装置(理研計器製 AC−2型)によって、照射光量500nWで測定した値である。
トナー1の製造例において、顔料のフタロシアニンブルーに代えてキナクリドンを用いた点を除き、トナーの製造例1と同様にして、二次粒子の会合と造膜結合強度を上げる温度を90℃において行い、トナー2を作製した。得られたマゼンタトナーの円形度は0.972で仕事関数は5.63eVであった。このトナーの個数基準の平均粒径は6.9μmであった。このトナー2をマゼンタトナー2とも称す。
トナー2の製造例において、顔料をピグメントイエロー180に変えた点を除き、トナー2の製造例と同様にして重合を行い、流動性改良剤を添加し、円形度0.972、仕事関数5.58eV、平均粒径7.0μmのトナー3を作製した。このトナー3をイエロートナー3とも称す。
また、トナー2の製造例において、顔料をカーボンブラックに変えた以外はトナー2の製造例と同様にして重合を行い、流動性改良剤を添加し、円形度0.973、仕事関数5.48eV、平均粒径6.9μmのトナー4を作製した。このトナー4をブラックトナー4とも称す。
芳香族ジカルボン酸とアルキレンエーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエステルと該重合ポリエステルの多価金属化合物による一部架橋物の50:50(重量比)混合物(三洋化成工業製)100重量部、シアン顔料のピグメントブルー15:1を5重量部、離型剤として融点が152℃、重量平均分子量が4000のポリプロピレン1重量部、および荷電制御剤としてのサリチル酸金属錯体(オリエント化学工業製 E−81)4重量部をヘンシェルミキサーを用い、均一混合した後、内部温度130℃の二軸押し出し機で混練し、冷却した。
冷却物を2mm角以下に粗粉砕し、次いでジェットミルで微粉砕し、ローター回転による分級装置により分級し、平均粒径6.2μm、円形度0.905の分級トナーを得た。
このトナー母粒子に対し、トナー1と同様にして流動性改良剤を添加混合し、トナー5を作製した。得られたトナーの仕事関数を同様に測定したところ5.48eVであった。
このトナー5をシアントナー5とも称す。
トナー5の製造例において、顔料をナフトールAS系の6Bに変えた以外はトナー5と同様にして粉砕、分級、熱処理、再分級および表面処理を行い、平均粒径6.5μmで円形度0.942のトナー6を製造した。このトナー6の仕事関数を測定したところ、5.53eVであった。このトナー6をマゼンタトナー6とも称す。
また、顔料としてカーボンブラックを使用して、ブラックトナーであるトナー8を作製した。このトナー8をブラックトナー8とも称す。
得られたトナーの平均粒径と円形度は、トナー6と同じ値を示し、またそれぞれのトナーの仕事関数は、5.57eV(イエロートナー)および5.63eV(ブラックトナー)であった。
トナー1の製造例において、流動性改良剤として添加した、平均一次粒子径が20nmの疎水性酸化チタンの量を0.7重量部に変えると共に、平均一次粒子径が30nmの疎水性のシリカをアミノシランで表面処理した正帯電性疎水性シリカの量を0.45重量部に変えてトナー11を製造した。このトナー11をシアントナー11とも称す。得られたシアントナー11(記号C11)の仕事関数は、5.55eVであった。
得られたマゼンタトナー12(記号M12)の仕事関数は、5.64eVであった。
得られたイエロートナー13(記号Y13)の仕事関数は、5.59eVであった。
得られたブラックトナー14(記号BK14)の仕事関数は、5.49eVであった。
直径85.5mmのアルミニウム製管の導電性支持体に、下引き層として、アルコール可溶性ナイロン(東レ製 CM8000)の6重量部とアミノシラン処理された酸化チタン微粒子4重量部をメタノール100重量部に溶解、分散させてなる塗工液を、リングコーティング法で塗工し、温度100℃で40分間乾燥させ、膜厚1.5〜2μmの下引き層を形成した。
得られた顔料の分散液を、上記の支持体を用いて、リングコーティング法で塗工し、80℃で20分間乾燥させ、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
得られた有機感光体の一部を切り欠いて試料片とし、その仕事関数を表面分析装置(理研計器製 AC−2型)を用い、照射光量500nWで測定したところ、5.47eVを示した。
有機感光体(OPC1)において、導電性支持体としてアルミニウム製管の代わりに継ぎ目のない厚さ40μmで直径85.5mmのニッケル製電鋳管を用いるとともに、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン、電荷輸送物質に下記構造式(2)のジスチリル化合物に変えた点を除いて同様にして有機感光体(OPC2)を作製した。
この有機感光体の仕事関数を同様に測定したところ、5.50eVであった。
有機感光体(OPC1)の製造例において、導電性支持体を直径30mmのアルミニウム製管を用いた点を除き、有機感光体(OPC1)と同様にして有機感光体(OPC3)を製造した。
直径18mmのアルミニウム管の表面に、厚さ10μmのニッケルメッキ層を施し、表面粗さ(Rz)4μmの表面を得た。この現像ローラ表面の仕事関数を測定したところ、4.58eVであった。
厚さ80μmのステンレス板に厚さ1.5mmの導電性ウレタンチップを導電性接着剤で貼り付けて、ウレタン部の仕事関数を5eVとした。
アルミニウムを蒸着した厚さ130μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体30重量部、導電性カーボンブラック10重量部およびメチルアルコール70重量部の均一分散液を、中間導電性層の厚さが20μmになるようにロールコーティング法にて塗工乾燥した。
中間転写ベルト1と同様にして設けた中間導電性層上に、導電性酸化チタン2重量部、導電性酸化すず25重量部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子37重量部を用いた点を除いて同様にして中間転写ベルトを作製した。
得られた中間転写ベルトの体積抵抗は1.1×1010Ω・cmであり、仕事関数は5.52、規格化光電子収率は7.25を示した。
ポリブチレンテレフタレート85重量部、ポリカーボネート15重量部およびアセチレンブラック15重量部を、窒素雰囲気下でミキサーにより予備混合し、得られた混合物を引き続き窒素雰囲気下で二軸押出し機により混練し、ペレットを得た。
得られた中間転写ベルトの体積抵抗は3.2×108Ω・cmであり、仕事関数は5.19、規格化光電子収率10.88を示した。
有機感光体(OPC1)を用い、前述の現像ローラと規制ブレードを装着した図4に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンターを用いて、前述したトナー1〜トナー4の入った各現像カートリッジを装着し、前述の転写ベルト1と組合わせて、非接触1成分現像方式による作像試験を行った。
作像条件は、有機感光体の周速を180mm/s、現像ローラの周速は有機感光体に対して周速比1.6とし、また、有機感光体と中間転写媒体である転写ベルトとの周速差を転写ベルトが3%早くなるように設定した。3%を超えると、転写画像に散りの発生が生じることがあるので、3%とした。また、トナー規制ブレードの規制条件を調整して現像ローラ上のトナー搬送量を0.4mg/cm2となるように設定した。
次に、図4のプリンターの作像条件を、各色トナーのベタ印字画像の有機感光体上の現像付着トナー量を0.5mg/cm2〜0.53mg/cm2となるように設定した。そして、ベタ画像印字のデータを与え、3色のトナー像を感光体上に形成させた後、一次転写電圧を変化させながら、中間転写ベルトに転写されるトナーの転写効率を求めた。
1.トナーの現像付着量
感光体上に形成された各色のベタ印字画像のトナーの現像付着量を粘着テープに転写して、テープの貼り付け前後のテープ質量を求め、その差をトナー質量(mg/cm2)として求めるテープ転写法によって測定した。
複数色のトナーを色重ねした時の現像付着量も同様にテープ転写法で求め、各色の現像付着量を合わせた時の総質量が、4色のトナーを色重ねした時の質量に誤差の範囲で一致することを確認する。
一次転写の電圧を変化させた時の有機感光体上の転写残りトナー重量を光学顕微鏡にて画像データとして読み取り、画像データの処理によって単位面積あたりの転写残りトナーの面積、トナー個数を求め、この値から求めた個数、各トナーの体積とトナーの真密度から単位面積当たりの転写残り質量を求め、現像付着量との比によって転写効率を求めた。
ただし、表1において、シアントナー1(記号C1、仕事関数:5.54eV)、マゼンタトナー2(記号M2、仕事関数:5.63eV)、イエロートナー3(記号Y3、仕事関数:5.58eV)およびブラックトナー4(記号BK4、仕事関数:5.48eV)である。
一次転写電圧
現像、転写順 +400V +500V +600V
実施例1-1(M2-Y3-C1) 97.29% 99.47% 99.72%
実施例1-2(Y3-C1-BK4) 97.93% 99.78% 99.88%
比較例1-1(M2-C1-Y3) 92.22% 98.31% 99.11%
比較例1-2(Y3-C1-M2) 91.36% 97.86% 99.06%
比較例1-3(C1-M2-Y3) 92.78% 98.90% 99.39%
比較例1-4(BK4-Y3-C1) 92.55% 98.73% 99.08%
比較例1-5(C1-Y3-BK4) 92.80% 98.93% 99.40%
有機感光体(OPC2)を用い、実施例1と同様の現像ローラと規制ブレードを装着した図4に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンターを用いて、前述のトナー1〜トナー4の入った各現像カートリッジを装着し、転写ベルト2と組合わせて、接触一成分現像方式による作像試験を行った。
なお、作像に際しては、実施例1と同様の条件で行ったが、感光体の暗電位を−600V、明電位を−60V、標準現像バイアスを−200Vとし、現像ローラと供給ローラは同電位とした。そして、前述のトナー規制ブレードの規制条件を変えて現像ローラ上のトナー搬送量を0.4mg/cm2〜0.43mg/cm2となるように設定した。
作像条件(1)
…現像付着量:0.5mg/cm2〜0.54mg/cm2
一次転写電圧
現像、転写順 +300V +400V +500V
実施例2-1(M2-Y3-C1) 95.11% 99.26% 99.92%
比較例2-1(Y3-C1-M2) 91.40% 97.92% 99.08%
比較例2-2(C1-M2-Y3) 92.28% 98.53% 99.13%
比較例2-3(Y3-M2-C1) 92.90% 98.91% 99.40%
作像条件(2)現像付着量:0.58mg/cm2〜0.6mg/cm2
一次転写電圧
現像、転写順 +300V +400V +500V
実施例2-2(M2-Y3-C1) 93.29% 98.91% 99.70%
比較例2-4(Y3-C1-M2) 90.01% 96.29% 98.01%
比較例2-5(C1-M2-Y3) 91.16% 97.11% 98.35%
比較例2-6(Y3-M2-C1) 91.33% 97.33% 99.05%
前述のトナー5〜8を、図5に示すタンデム方式の感光体一体型のプロセスカートリッジを有するフルカラープリンターの各色の現像部に装填し、非接触一成分現像方式による画像形成を行った。使用するトナーは、シアントナー5(仕事関数:5.48eV)、マゼンタトナー6(仕事関数:5.53eV)、イエロートナー7(仕事関数:5.57eV)、およびブラックトナー8(仕事関数:5.63eV)である。
また、有機感光体としては直径30mmのアルミニウム管を導電性支持体に用い、有機感光体(OPC1)と同様にして感光体を製造した。電荷発生物質としてチタニルフタロシアニンを、電荷輸送物質には構造式(2)のジスチリル化合物を使用した。
また、現像ローラと規制ブレードの構成は実施例1と同様とし、また中間転写媒体は転写ベルト2の製造例によって製造した。各色トナーの搬送量が0.4mg/cm2〜0.43mg/cm2の範囲となるように規制ブレードの条件を設定した。
この量は従来のクリーニングトナー回収容器に収容する量に対し、約1/3の量であった。
実施例1と同様にして、有機感光体(OPC1)を用い、実施例1と同様の現像ローラと規制ブレードを装着した図4に示す中間転写媒体方式の4サイクルカラープリンターを用いて、前述したトナー1〜トナー4の入った各現像カートリッジを装着し、前述の転写ベルト3と組合わせて、非接触1成分現像方式による画像形成試験を行った。
一次転写部は定電圧電源を用い、直流電圧を+370V印加し、二次転写部は定電流電源とし、16μAの定電流制御とした。
なお、3%を超える場合には転写画像に画像の散りが発生するので3%を上限として行った。また、トナー規制ブレードの規制条件を変えて現像ローラ上のトナー搬送量を0.4mg/cm2となるように設定した。
使用するトナーはシアントナー1(仕事関数:5.54eV)、マゼンタトナー2(仕事関数:5.63eV)、イエロートナー3(仕事関数5.58eV)およびブラックトナー4(仕事関数:5.48eV)であり、現像と転写順はトナーの仕事関数の大きい順であるマゼンタトナー2、イエロートナー3、シアントナー1そしてブラックトナー4とした。
その後、感光体と中間転写ベルトのクリーニングトナー量を合わせて計測したところ廃トナー量は15gであった。
この量は、従来の円形度0.91の粉砕法トナーを用い、現像、転写順を考慮しなかった場合のクリーニングトナー回収量に対し、1/13の量であった。
先の製造例で記載の有機感光体(OPC3)、現像ローラ、規制ブレード、および中間転写ベルト3を装着した図6に示す中間転写媒体を使用したクリーニング手段を有さないカラープリンタを用いた。
前述したシアントナー11を入れた現像カートリッジのみを装着し、非接触1成分現像方式による作像試験を行った。
3%以上にすると、予備実験で転写画像にチリの発生を確認しているため2.5%とした。そして、前述のトナー規制ブレードの規制条件を変えて現像ローラ上のトナー搬送量を表1に示した。
そして、全面ベタ画像となるように印字、一次転写、二次転写と定着を行って、シアンのベタ画像を得た。ベタ画像の反射濃度は濃度計(X−Rite社製404型)を用いて測定した。
測定条件は、吸引流量を0.2L/分、集塵エアー流量を0.6L/分、電界電圧100V、X軸0.1mm/秒で、最大カウント数を3000と設定とした。
また、比較例5−3には、多層規制用で層形成を行っているカラープリンタ(セイコーエプソン社製 OffirioLP−1500C)用のシアントナーを用い同様に測定してその結果を示した。
搬送量(mg/cm2) ベタ画像OD値 平均帯電量(μC/g) +トナー個数(%)
実施例5-1 0.31 1.316 -16.00 3.1
実施例5-2 0.40 1.403 -11.48 4.2
比較例5-1 0.52 1.423 - 9.79 5.7
比較例5-2 0.55 1.433 - 8.14 9.0
比較例5-1 0.37 0.83 -19.31 1.2
しかし、比較例に示した多層規制用の非磁性重合法トナーでは薄層すなわち略1層にすると、+トナー個数%は減少するが、平均帯電量の絶対値が上昇し、結果としてベタ画像濃度を低下させてしまうことが示された。
有機感光体(OPC2)を用い、実施例4と同様に現像ローラと規制ブレードを装着した図4に示すカラープリンタを用いて、前述したトナー1〜トナー4の入った各現像カートリッジを装着し、中間転写ベルト1と組合わせて、接触1成分現像方式による作像試験を行った。
なお、作像に際しては、有機感光体の周速を180mm/s、現像ローラの周速は有機感光体に対して周速比1.6とし、また、有機感光体と中間転写媒体である転写ベルトとの周速差を転写ベルトが3%早くなるように設定している。3%以上にすると、転写画像にチリの発生が生じたので、3%を上限とした。
そして、トナー規制ブレードの規制条件を変えて現像ローラ上のトナー搬送量を0.35mg/cm2、0.4mg/cm2、5mg/cm2になるように設定した。
作像条件は、感光体の暗電位を−600V、明電位を−80V、現像バイアスを−200Vとし、現像ローラと供給ローラとは同電位とした。なお、一次転写部の電源は定電圧とし転写電圧は+500Vとした。なお、現像カートリッジにはトナーを150g充填した。
そして、各色5%カラー原稿に相当する文字原稿とJIS X 9201−1995準拠の標準画像データのN−2A「カフェテリア」の画像を用いて、図6に示したカラープリンタを用いて連続印字を行った。
なお、印字枚数は前者の原稿で10000枚、後者の原稿で5000枚を目標にした。また、比較のために、クリーニングブレードを取り付けた状態でも連続印字を行った。
なお、転写効率が低い場合やかぶり、および逆転写トナー量が多いと、他色のトナーが次の現像器内のトナーに混入し、その結果混色が起こり純粋な色の再現が困難となる。
なお、現像転写順を変更した場合には、その都度画像データ処理の順番を変更して連続印字を行った。
混色の色ずれ許容印字枚数
クリーニング部
トナー搬送量 取付け時 外し時
現像、転写順 (mg/cm2) 5%原稿 N2A原稿 5%原稿 N2A原稿
実施例6-1(M12-Y13-C11-BK14) 0.35 10000枚 5000枚 10000枚 5000枚
実施例6-2(M12-Y13-C11-BK14) 0.4 10000枚 5000枚 10000枚 4800枚
実施例6-3(M12-C11-Y13-BK14) 0.5 10000枚 5000枚 8200枚 3000枚
実施例6-4(M12-C11-Y13-BK14) 0.35 10000枚 5000枚 9900枚 4100枚
比較例6-1(Y13-C11-M12-BK14) 0.4 10000枚 5000枚 7200枚 3900枚
比較例6-2(Y13-C11-M12-BK14) 0.5 10000枚 5000枚 5900枚 2900枚
比較例6-3(BK14-Y13-C11-M12) 0.35 10000枚 5000枚 7100枚 2850枚
また、現像と転写の順をトナーの仕事関数の大きい順に行うことで、より高い転写効率が実現でき、第1色目を仕事関数の大きいトナーとすることがクリーナレスを達成する上でも必要であることが分かった。
また、各トナーの搬送量が0.4mg/cm2の現像ローラ上のトナーの帯電特性を実施例5にしたがって求め、表6に示す。
トナー 平均帯電量(μC/g) +トナー個数%
シアントナー11 −11.48 4.2%
マゼシタトナー12 −15.39 3.1%
イエロートナー13 −14.11 4.5%
ブラックトナー14 −12.05 4.9%
なお、作像において、カラープリンタの1次転写部には、直流の定電圧電源を用い、二次転写部には定電流電源を用いているが、直流電源を定電圧電源として使用できることは、トナーの散りや飛散に有利であり、また、二次転写部で定電流の直流電源を使用することは、紙種を選ばずに安定した転写特性を得ることができるので有利である。また、二次転写部での転写電流は16μAの定電流を通電した。
先に作製した有機感光体(OPC3)、現像ローラ、規制ブレードを装着した図6に示すカラープリンタを用いて、前述のトナー11〜トナー14の入った各現像カートリッジを装着し、中間転写ベルト3と組合せて、非接触1成分現像方式による連続印字試験を行った。
実施例6と同様に各色5%カラー原稿に相当する文字原稿とJIS X 9201−1995準拠の標準画像データのN−2A「カフェテリア」の画像を用いて、図6に示したカラープリンタを用いて連続印字を行った。それぞれ10000枚と5000枚の連続印字した結果を表7に示す。
そして、画像の作像は現像転写順をトナーの仕事関数の大きい順とし、その順序を変更した時には、その都度画像データ処理の順番を変えて印字した。
表7には初期の印字品質から明らかに色ずれが生じたと思われるその時の印字枚数を示した。
混色の色ずれ許容印字枚数
現像、転写順 5%原稿 N2A原稿
実施例7-1(M12-Y13-C11-BK14) 10000枚 5000枚
実施例7-2(M12-C11-Y13-BK14) 9960枚 4850枚
比較例7-1(BK14-Y13-C11-M12) 7300枚 3000枚
また、本発明のように円形度が高く、トナーの仕事関数(ΦT)と中間転写媒体(ΦTM)の仕事関数を、ΦT≧ΦTMの関係を満足させることで、中問転写媒体上で転写されたトナーが正極性になるのを防止できるので、クリーナーレスが行えることが示された。これは、カラートナーとしての帯電特性が安定し、その結果、印字画像の品質低下を低減できたものと思われる。
その結果、色重ねされたトナーは確実に重なりあうので、色再現性に優れた高画質の画像形成が可能となるとともに転写効率が向上し、潜像担持体上に残留する転写残りトナーの量を減少させることができるので、潜像担持体から転写残りトナーとして回収されるトナー量を減少させ、廃トナー容器を小さくした画像形成装置、あるいはクリーニング手段を有さない小型の画像形成装置提供することが可能である。
Claims (14)
- 潜像担持体上に静電潜像を形成し、黒あるいは複数色のトナーを用いて色重ねによりカラー画像を形成する画像形成装置において、少なくとも仕事関数が最も大きなトナーから中間転写媒体上に転写されることを特徴とする画像形成装置。
- 中間転写媒体上に逐次トナー像を形成し、形成されたトナー像を一括して記録材上に転写した後に定着することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 複数色の現像器を仕事関数の大きいトナー順に現像するように配置して、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、中間転写媒体に転写したことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
- 潜像担持体上の転写残りトナーを除去するクリーナを備えていないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 潜像担持体と同極性のトナーの平均帯電量の絶対値が16μC/g以下であり、現像後の潜像担持体上のトナーおよび記録材上に転写されたトナーに含まれる感光体上の静電潜像と逆極性のトナーの個数を5%以下としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 画像形成される像担持体が有機感光体であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 負帯電トナー、および反転現像器を用いたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 潜像担持体上に現像されたトナー量が0.55mg/cm2以下に規制された非磁性一成分トナーを用いたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 潜像担持体と現像ローラの周速比が、少なくとも1.1ないし2.5であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 潜像担持体上に静電潜像を形成し、黒あるいは複数色のトナーを用いて色重ねによりカラー画像を形成する画像形成装置に用いるトナーにおいて、少なくとも仕事関数が最も大きなトナーから中間転写媒体に転写されるとともに、少なくとも疎水性の二酸化ケイ素粒子と疎水性二酸化チタンを流動性改良剤として含有することを特徴とするトナー。
- 複数色の現像器を仕事関数の大きいトナー順に現像するように配置して、画像を形成した後に、逐次、定電圧電源から供給される転写電圧によって、中間転写媒体に転写されることを特徴とする請求項10記載のトナー。
- トナーは、トナー粒子の投影像の測定によって求めたトナー粒子の投影像の周囲長(μm)L1と、トナー粒子の投影像の面積に等しい真円の周囲長(μm)L0との比、L0/L1で表される円形度が0.94以上であることを特徴とする請求項10または11記載のトナー。
- 個数基準の平均粒子径が4.5〜9μmであるトナーであることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1項に記載のトナー。
- トナーは重合性有機化合物のモノマー、オリゴマーの少なくともいずれかを、着色剤を含有させて重合をすることによって形成したものであることを特徴とする請求項10ないし13のいずれか1項に記載のトナー。
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