JP2010003755A - 波長変換レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高調波パルスレーザ光をビームスプリッターで2分割し、一方のレーザビームを遅延光路手段に通して再度元のレーザビームと重畳して周波数を倍増する波長変換レーザ装置において、元のレーザビームのポインティングが変動しても、分割ビームの合流点では両ビームのポインティングおよびビーム径を一致させることができ、遅延合成したレーザビームの品質が安定し、安定性の高いレーザ加工が実現できる波長変換レーザ装置を得る。
【解決手段】 遅延光路手段100によるビームスプリッター2のレーザビームの分岐点から合流点までの光路長を4fとした場合、遅延光路手段100を通過するレーザビームの光路上に焦点距離fの2つのレンズ41,42を配置するとともに、その2つのレンズ間の光路長を2fとすることで、遅延光路手段100においてレーザビームの分岐点と合流点を像転写接続する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体レーザ素子で発生されたレーザ光を非線形結晶で波長変換して出力する波長変換レーザ装置に関するものである。
波長変換レーザ装置は、非線形結晶に基本波レーザ光を入射し、波長が1/Nの高調波レーザ光に変換して出力するものである。1/2波長に変換されたレーザ光を2倍波、1/3、1/4波長に変換されたレーザ光は各々3倍波、4倍波と呼び、特に3倍波以上の高調波レーザ光は紫外波長の光に相当する為、UVレーザと呼ばれる。基本波レーザとしては、Qスイッチを用いた高出力のパルス発振が可能なNd:YAGレーザやNd:YVO4レーザが用いられる。基本波レーザ光を波長変換し高調波レーザ光が得られる割合(以降、波長変換効率と呼ぶ)は、非線形結晶に照射する基本波レーザ光のパルスピークの高さに依存する。すなわち、高ピークパルスの基本波レーザ光であれば高効率で波長変換され高出力の高調波レーザ光が得られるが、低ピークパルスの基本波レーザ光であれば低出力の高調波レーザ光しか得られない。
ここで、Qスイッチパルス固体レーザの特徴として、繰り返し周波数に応じてパルス幅が変化し、繰り返し周波数が高い程ロングパルスの発振をする特性を持つことがあげられる。更にパルスエネルギーは繰り返し周波数に反比例して繰り返し周波数が高い程パルスエネルギーが低下する関係があり、その結果、低繰り返し周波数では高エネルギー短パルス発振となり尖塔値の高い高ピークパルスが得られるが、高繰り返し周波数では低エネルギー長パルスの低ピークパルス発振となる。繰り返し周波数が高くなるほどパルスピークは指数関数的に低くなる特性を持つ。
波長変換レーザでは波長変換効率が基本波レーザ光のパルスピークに大きく依存し、パルスピークが低いと波長変換効率が低下する為、高繰り返し周波数では高出力の高調波レーザ光が得られない。繰り返し周波数が高いほど高調波レーザ光の出力は指数関数的に低くなる傾向を持つ。例えば、基本波レーザとしてQスイッチ発振のNd:YAGレーザを例にすると、繰り返し周波数50kHzと100kHzとで比較した場合、100kHzの方がパルス幅が1.5〜2倍程度長く、かつ1パルス当りのエネルギーが半分となる為、パルスピークは約1/3〜1/4に減少する。その結果、高調波レーザ光の出力も1/3〜1/4にまで低下する。
尚、繰り返し周波数に応じて基本波レーザのパルス幅が変化する割合はレーザ媒質の特性(誘導放出断面積等)によって決まり、Nd:YAGレーザよりも誘導放出断面積係数の高いNd:YVO4レーザの方が高繰り返し周波数での短パルス高ピーク発振が可能である。一方、高出力発振には大型サイズのレーザ結晶が実用化されているNd:YAGレーザが有利である。この為一般的には、高繰り返し周波数向けにはNd:YVO4レーザ、低周波高出力向けにはNd:YAGレーザが基本波レーザとして採用される。特に3倍波UVレーザでは、約50kHz以下の低繰り返し周波数仕様ではNd:YAGレーザが、50kHz以上の高繰り返し周波数仕様ではNd:YVO4レーザが使われることが多い。
ところで、UVレーザの主要用途であるプリント基板の穴あけ加工において、装置の加工性能、生産能力を向上する為に、できるだけ繰り返し周波数が高く高出力のUVレーザ発振器が求められている。通常UVレーザによるプリント基板のビア加工では、基板材料に応じた最適エネルギー条件のパルスビームを数十〜百ショット程度照射して一穴を加工する為、出来るだけ高い繰り返し周波数で所定のショット数のパルスビームを照射することが加工の高速化につながる。現実的には繰り返し周波数100kHz程度での高出力UVレーザが求められており、Nd:YVO4レーザによる平均出力20Wの3倍波UVレーザが実用化されているが、更に高出力のUVレーザが求められている。
一方、色素レーザの出力を効率よく増幅する為のパルスストレッチ技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の図1に示されたように、色素レーザ発振器から出たパルスビームをビームスプリッターによって2分割し、一方のビームのみ2枚の球面ミラーからなる遅延光路で遅延伝搬させた後、再度ビームスプリッターで1本のビームに合成して、時間がわずかにずれた2つのパルスビームを重畳することで、擬似的にパルス幅を拡大する技術であり、これによりパルス幅を最適化することで出力増幅の高効率化を可能にしている。
特開平1−142524号公報(第1図)
この技術を波長変換レーザに応用し、高調波パルスレーザ光をビームスプリッターで2分割して、一方のビームを伝搬時間が十分に長い遅延光路に通して遅延伝搬し再度元のビームと重畳して、タイミングのずれた2つのパルスビームを遅延合成することで、1つのパルスを2パルスに時分割して周波数を倍増する技術が考えられる。
完全な形でパルス周波数を倍増するには元のパルス周波数の周期の半分の時間に相当する長い遅延時間(例えば50kHzのパルス周波数であれば10μ秒の遅延時間)を与える必要があり、空間伝搬でこれほどの長さの遅延時間を作る場合3000m規模の光路長となり実際に構成することは困難であるが、そのような長い遅延時間でなくても、レーザ加工時のワークの熱影響が時間的に独立する数百ナノ秒程度の時間間隔を置いたダブルパルスに変換すれば、擬似的に2倍の繰り返し周波数に変換したのと同等の効果を得ることが出来る。数百ナノ秒程度の遅延時間であれば約100mの光路長で十分であり、実現可能な長さである。また、パルスを時分割して周波数を変換しているだけである為、元の高調波レーザ光の平均出力は保持される。
先に述べた様に、基本波レーザ光の繰り返し周波数を2倍にして高繰り返し周波数の高調波レーザ光を得る場合、波長変換効率の低下により平均出力は約1/4に低下してしまうが、高調波レーザ光のパルスを時分割してパルス周波数を倍増する場合は平均出力は変化しない。高い繰り返し周波数の高調波パルスレーザ光を得るのに非常に効率的な手法と言える。この遅延合成によるパルス周波数倍増技術と、高出力化に有利なNd:YAGレーザを基本波レーザとする波長変換レーザとを組み合わせることで、高繰り返し周波数で高出力の高調波レーザ光を合成することができる。
例えば波長変換レーザとして3倍波UVレーザを例にした場合、Nd:YAGレーザを基本波とするUVレーザでは50kHzで40W以上の高出力UVレーザが設計可能であり、このレーザ発振器に遅延合成技術を適用することで、原理的には繰り返し周波数100kHzで40W以上の高出力UVレーザを作り出すことが出来、Nd:YVO4レーザによるUVレーザ発振器よりも高出力のUVレーザ装置を作ることが考えられる。
しかしながら遅延合成でパルス周波数を倍増する場合、非常に長距離の遅延光路が必要となる為、遅延光路を通過したビームの品質が低下したり、ポインティング変動が激しくなってしまう等の問題があった。上述したように、遅延光路としては少なくとも100m程度の光路長が必要であり、2枚の対向配置したミラーによる多重折返し光路によってそのような長距離の遅延光路を実現できるが、このような遅延光路をビームが通過する際、元のレーザビームのわずかなポインティング変動やビーム発散角の変化が遅延合成するビームに非常に大きな影響を与えてしまうという問題である。
この発明に係る波長変換レーザ装置においては、高調波パルスレーザ光を遅延光路を用いて遅延合成し、2倍の繰り返し周波数のパルスビームに変換する技術において、遅延光路の始点から終点までの間を像転写接続するようにしたものである。
この発明は、遅延光路の始点と終点が像転写接続するように構成される為、元のレーザビームのポインティングが変動しても遅延光路の終点、すなわち分割ビームの合流点では常に両ビームのポインティング、ビーム径が一致する為、遅延合成したビームの品質が安定し、安定性の高いレーザ加工が実現できる。
以下に、本発明にかかる波長変換レーザ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる波長変換レーザ装置の実施の形態1の構成を示す図である。Nd:YAGレーザの3倍波UVレーザである波長変換レーザ発振器1から出射された高調波パルスレーザビーム10(図1の太い実線)は、ベンドミラー3aによりビーム分岐手段である偏光ビームスプリッター2に導かれ、偏光ビームスプリッター2で2方向に分岐される。ビーム分岐手段としては、偏光子を用いても良い。偏光ビームスプリッター2に対してS偏光となる偏光成分が反射ビームとなり、P偏光成分が透過ビームとなる。ここで、レーザビーム10が偏光ビームスプリッター2に入射するときの入射光軸と、偏光ビームスプリッター2の反射面の法線がなす面に対して、垂直な偏光成分がS偏光、平行な偏光成分がP偏光である。本発明では、偏光ビームスプリッター2で分岐したビームの一方を遅延させるので、遅延させるビームを遅延ビーム12、遅延させないビームを順ビーム11と呼ぶことにする。図1では透過したビームを遅延させるので、反射ビームが順ビーム11(図1の破線)、透過ビームが遅延ビーム12となる。
偏光ビームスプリッター2を透過した遅延ビーム12は遅延光路100を通過し、再度偏光ビームスプリッター2の側面に入射するが、P偏光なので再び透過する。そして、偏光ビームスプリッター2で反射された順ビーム11と合流して、一本のビームに重畳される。ここでは、偏光ビームスプリッター2は2つのビームを合成する手段として機能している。重畳されたビームは、ベンドミラー3bで加工レンズ8に導かれ、そのまま加工レンズ8で加工テーブル4上に配置された加工ワーク9上に集光、照射されレーザ加工に利用される。
ここで、遅延光路100を通過する遅延ビーム12の伝播時間をtとすると、順ビーム11に対し遅延ビーム12は遅延時間tの遅れを持って順ビーム11に合流する。この為、図2に示したように、時間間隔tのダブルパルス波形が形成され、擬似的に2倍の繰り返し周波数のパルスビームに遅延合成される。尚、光速は3.0×10^8m/sであるから、例えば100mの光路長の遅延光路であれば333n秒の遅延時間が得られる。高調波パルスレーザのパルス幅を50n秒程度とすると、約50n秒の幅のパルスが333n秒の時間間隔で2つ並んだダブルパルス波形となる。
尚、遅延時間tが短く、従来の特許文献1にあるように2つのパルスが半分重なるように重畳する場合はロングパルスを合成する為のパルス幅変換技術となる。
図1に示したように、遅延光路100は、対向配置した2枚の全反射ミラー31、32からなる多重折返し光路ユニット5をレーザ光軸上に直列に2つ並べて形成している。折り返し光路ユニット5は、2枚の全反射ミラー31、32の間を数十回多重反射する光路を形成することによってコンパクトな構成で長距離光路を実現している。例えば、2枚の全反射ミラー31、32は1mの距離を置いて対向配置され、平行に向き合うように厳密に角度調整されている。全反射ミラー31の側部から全反射ミラー32に向けて遅延ビーム12を導入し、全反射ミラー31、32間を25回折返し反射して全反射ミラー32の側部から出射するように遅延ビーム12の入射角度を調整する。これにより、1ユニット当たり50mの距離の遅延光路が実現できる。そして、図1に示したように折返し光路ユニットを2個用い、ベンドミラー3c、3d、3eで偏光ビームスプリッター2を透過した遅延ビーム11を第1の折り返し光路ユニット5aに入射させ、第1の折り返し光路ユニット5aから出てきたビームを第2の折り返し光路ユニット5bに導き、第2の折り返し光路ユニット5bから出てきたビームを再度偏光ビームスプリッター2へ入射させることで、合計100m以上の長距離遅延光路100が形成できる。
更に、図1に示したように、遅延光路100の内部には、第1の折り返し光路ユニット5aの手前と、第2の折り返し光路ユニット5bの手前との2箇所に、焦点距離fの凸レンズ41,42が配置されている。この2枚の凸レンズ41、42は像転写光路を形成し、遅延光路100の始点から終点までの間を像転写接続している。
ここで像転写について説明する。図3に、像転写光路の種類とその模式図を示す。図3の分岐点および合流点はそれぞれ、偏光ビームスプリッター2におけるレーザビーム10が順ビーム11と遅延ビーム12に分岐する点、および偏光ビームスプリッター2における順ビーム11と遅延ビーム12が合流する点を示しており、図1に示したように実際には略同じ位置の点を示している。図3(a)はレンズ2枚構成による像転写光路であり、レンズ41、42が共に焦点距離fの凸レンズ、その間の距離が2f、遅延光路の全光路長が4fに設定してある。この場合、上記光路系は倒立の像転写光路を形成する。このときの光路系の光線行列は(A,B,C,D)=(−1,0,0,−1)で表される。光路の始点と終点で、像が反転することから“倒立”と称される。図1の遅延光路は、この倒立の像転写光路により構成されている。それに対し、図3(b)は正立の像転写光路と呼ばれ、図3(a)の像転写光路を2個直列に並べて構成している。この光路系の光線行列は(A,B,C,D)=(1,0,0,1)であり、倒立型のように像が反転することはない。
図1の構成における遅延光路100を、図3と同様な模式図で表した場合、図4(a)に示したように、分岐点→第1のレンズ41→第1の折り返し光路ユニット5a→第2のレンズ42→第2の折り返し光路ユニット→合流点、の順番で光路が構成されている。ここで、2枚のレンズ41,42の焦点距離をfとし、1つの折り返し光路ユニット5の光路長をほぼ2fとすることで、2枚のレンズ41,42間の光学距離が2f、分岐点から合流点までの光学距離が4fとすることができ、倒立の像転写光路が形成される。 なお、図4(b)に示したように、分岐点→第1の折り返し光路ユニット5a→第1のレンズ41→第2の折り返し光路ユニット5b→第2のレンズ42→合流点、との順番にしても図3(a)に示した像転写の条件を満たすので、同様の効果が得られる。
また、図1の構成では、偏光ビームスプリッター2で透過したP偏光成分のレーザビームを遅延ビーム12としたが、偏光ビームスプリッター2で反射したS偏光成分のレーザビームを遅延ビーム12としても良い。この場合の、波長変換レーザ装置の構成を図5に示す。図5に示したように、偏光ビームスプリッター2で透過したP偏光成分は、順ビーム11として、ベンドミラー3f、3bにより、加工レンズ8を経て加工ワーク9へ導かれる。一方、偏光ビームスプリッター2で反射したS偏光成分は、遅延ビーム12として、ベンドミラー3g、3hで遅延光路100に導かれる。遅延光路100から出てきた遅延ビーム12は、偏光ビームスプリッター2に入射され、再び反射されて、順ビーム11と合流して、一本のビームに重畳される。以下の実施の形態においては、偏光ビームスプリッター2で反射されるビームを順ビーム11、透過されるビームを遅延ビーム12として説明するが、図5のように反射ビームを遅延ビーム、透過ビームを順ビームとして用いても良い。
次に、図3(b)に示した正立の像転写光路を用いた波長変換レーザ装置の構成を図6に示す。図1との違いは遅延光路のみであるので、遅延光路101について説明する。
図6に示したように、折返し光路ユニットを4個、レンズを4枚用いて、遅延光路101を構成する。ベンドミラー3c、3d、3e、3i、3j、3k、3lで偏光ビームスプリッター2を透過した遅延ビーム11を以下の通りに導く。まず、遅延ビーム11を第1のレンズ41に入射させ、第1のレンズ41を透過したビームを第1の折り返し光路ユニット5aに入射させる。その後、第1の折り返し光路ユニット5a→第2のレンズ42→第2の折り返し光路ユニット5b→第3のレンズ43→第3の折り返し光路ユニット5c→第4のレンズ44→第4の折り返し光路ユニット5d、の順番にビームを導き、第4の折り返し光路ユニット5bから出てきたビームを再度偏光ビームスプリッター2へ入射させている。
ここで、4枚のレンズ41,42,43,44の焦点距離をfとし、1つの折り返し光路ユニット5の光路長をほぼ2fとすることで、第1のレンズ41と第2のレンズ42間および第3のレンズ43と第4のレンズ44間の光学距離をそれぞれ2f、分岐点から合流点までの光学距離を8fとすることができ、図3(b)に示した正立の像転写光路が形成される。
図6の構成における遅延光路101を、図3と同様な模式図で表した場合、図7(a)のようになる。正立の像転写を形成するには、第1のレンズ41と第2のレンズ42との光学距離、第3のレンズ43と第4のレンズ44の光学距離、および分岐点から合流点までの光学距離が、図7(a)に示した所定の距離になっていれば良いので、他の構成も考えられる。例えば、図7(b)に示したように、分岐点→第1の折り返し光路ユニット5a→第1のレンズ41→第2の折り返し光路ユニット5b→第2のレンズ42→第3の折り返し光路ユニット5c→第3のレンズ43→第4の折り返し光路ユニット5d→第4のレンズ44→合流点、としても良い。また、図7(c)に示したように、分岐点→第1のレンズ41→第1の折り返し光路ユニット5a→第2のレンズ42→第2の折り返し光路ユニット5b→第3の折り返し光路ユニット5c→第3のレンズ43→第4の折り返し光路ユニット5d→第4のレンズ44→合流点、としても良い。また、図7(c)において、第2の折り返し光路ユニット5bと第3の折り返し光路ユニット5cを一体として、光路長4fの折り返し光路ユニットとしても良い。いずれにしても、4枚のレンズを用いて正立型像転写光路を形成するには、図3(b)に示す光学距離を満足すれば良い。
尚、図6に示した遅延光路101は、4枚のレンズを用いて正立型の像転写光路を形成した例であるが、3枚のレンズで形成することも可能である。図8(a)に、3枚のレンズで正立型像転写光路を構成した遅延光路102の構成図を、図8(b)にその模式図を示す。図6に比較しレンズの配置が異なっており、図6(a)に示したように、第1の折り返し光路ユニット5aと第2の折り返し光路ユニット5bの間に焦点距離fの第1のレンズ41を配置し、第2の折り返し光路ユニット5bと第3の折り返し光路ユニット5cの間に焦点距離f/2の第2のレンズ45を配置し、第3の折り返し光路ユニット5cと第4の折り返し光路ユニット5eの間に焦点距離fの第3のレンズ43を配置する構成となっている。これにより、図8(b)に示したように、第1のレンズ41と第2のレンズ45間の光学距離、および第2のレンズ45と第3のレンズ43間の光学距離を2fとし、分岐点と合流点間の光学距離を8fとなり、光線行列は(A,B,C,D)=(1,0,0,1)となるので、正立型像転写光路が形成できる。
次に、本発明の効果について説明する。
本発明の特徴は、遅延光路の始点から終点までの間を像転写接続するように構成している点であり、これにより遅延合成する順ビーム11と遅延ビーム12のビーム径の差異、ポインティング変動の影響を解消し、優れたビーム品質の合成パルスビームを形成することができる。この点について以下で説明する。
図9に遅延合成した際のポインティング変化の影響とビーム径の変化について、特許文献1の技術を適用した場合(以下、従来方式と呼ぶ)と本発明との間で比較した。図9(a)が従来方式の遅延光路99のケース、図9(b)が倒立の像転写光学系を適用した場合の本発明、図9(c)が正立の像転写光学系を適用した場合の本発明のケースである。ここで、従来方式の遅延光路99は、例えば図1の遅延光路100において2枚のレンズ41,42が無い構成である。それぞれのケースにおいて、元のレーザビーム10が角度ポインティング変化した場合の変化光軸を、順ビーム11は破線で、遅延ビーム12は実線で、本来の光軸を一点鎖線で表している。また、遅延合成後の光路中に設置した仮想ターゲット6上の2つの円は、仮想ターゲット6上に照射される順ビーム11のビームスポット111と遅延ビーム12のビームスポット112を表しており、その円の大きさはビーム径を表している。
図9(a)の従来方式の場合、元のレーザビーム10にわずかな角度ポインティング変化が生じると、遅延ビーム12は遅延光路99内の非常に長い光路を経てくるため、遅延ビーム12の光軸は大きく変化してしまい順ビーム11の光軸と大きく分離してしまう。その結果、例え一本のビームに重畳するように光軸調整をしても、温度変化や周囲の振動による機械変動での経時的なずれにより、時間経過と共に元のレーザビーム10のポインティングが変化し、遅延合成ビームの光軸が2つに分離してしまう現象が発生する。一方、図9(b)(c)では像転写光学系が適用されている為、元のレーザビーム10にポインティング変化が生じても、偏光ビームスプリッター2の合流点において遅延ビーム12の光軸と順ビーム11の光軸は常に一致するように変化する。尚、図9(b)は倒立型の像転写である為、遅延ビーム12の光軸は順ビーム11の光軸とは逆方向の傾き成分を持つ為、合流点から離れるに従って遅延ビーム12と順ビーム11は僅かながら分離してしまう。しかし、合流点からワークまでの光路長は数mもしくは1m以下であり、遅延ビーム12と順ビーム11との照射位置のずれはほとんど問題にならないレベルである。図9(c)の場合は正立型の像転写であり、遅延合成後の光路のどの位置でも遅延ビーム12と順ビーム11の光軸は常に一致し、完全なビーム合成が為される。
補足として、図10に遅延光路長と合流点での光軸変異量との関係を示す。これは、元のレーザビーム10に100μradのポインティング変化が生じたと仮定した場合の計算結果である。図10に示したように、従来方式の場合は遅延光路長に比例して光軸変異量が増大し、例えば遅延光路長が100メートルの場合に合流点での光軸変異量は10mmに達する。一方、像転写光路を適用した場合の光軸変異量は0であり光軸が変動しないことがわかる。
また、図11に順ビーム11と遅延ビーム12の合流点でのビーム径の差異を従来方式と本発明の方式とでシミュレーション計算にて比較した結果を示す。遅延光路長は100メートル、元のレーザビームのビーム径はφ5mm、レーザビームの波長は355nmとして計算した。遅延ビームは遅延光路長に応じてビーム径が拡大する為、長距離の遅延光路を組んだ場合ビーム径はかなり増大してしまう。上記の計算では、従来方式の場合、遅延ビームは順ビームの2倍以上のビーム径にまで拡大してしまう。一方、像転写光路を適用した本発明の場合は、分離点でのビーム径がそのまま合流点に転写される為、長距離の遅延光路でもビーム径は変化せず、順ビームと遅延ビームは同じビーム径で合成される。
すなわち、パルス周波数変換技術として遅延合成技術を適用する場合、長距離の遅延光路が必要となるが、その際ポインティング変動の影響が顕著になってしまう。しかし像転写接続した遅延光路では、原理的に遅延光路の長さによらず合流点での光軸変異量は0であり、元のレーザビームのポインティング変動の影響は受けないことを意味している。
このように長距離の遅延光路を組んでも、像転写光路を適用した本実施の形態の構成ではポインティング変動の影響を受けず、かつ、ビーム径も順ビームと遅延ビームとが同一の状態で合成される為、高品質で安定したパルスビームを合成することができ、高品質のレーザ加工が実現できる。
尚、上記像転写光路は、遅延光路の分岐点から合流点までの間を完全に像転写接続するものでなくてもよく、略像転写となる光路系であれば本実施の形態と同等の効果が得られる。具体的には遅延光路全体のABCD光線行列をメートル単位で数値計算したときの行列値Bの値が10以内の値であれば効果的である。通常、光軸が数mm以上変位し光学部品の中心から外れたり、ビームの裾野が光学部品のエッジに照射したりするとビームが不安定となり問題が発生するが、一般的な波長変換レーザのポインティング変動量が0.1μrad以下であることを考えるとBの値が10以内であれば変位量は1mm以下に抑制され、問題ない範囲に収まると言える。
また、上記実施の形態では、波長変換レーザ発振器としてNd:YAGレーザの3倍波UVレーザを適用して説明してきたが、2倍波グリーンレーザや4倍波UVレーザ等の他の高調波レーザでも効果が期待でき、3倍波レーザに限定するものではない。
実施の形態2.
図12は、本発明にかかる波長変換レーザ装置の実施の形態2を示す図であり、図12(a)は波長変換レーザ装置の構成図であり図12(b)は遅延光路の模式図である。図1と同構成の部分には同番号を付している。本構成は、図1の構成と同じ原理に基づき、同様の効果を有するが、遅延光路内に1/2波長板等の90度偏光回転手段を設置し、遅延ビームが1つの折り返し光路ユニットを2回繰返して通過するようにした点が異なる。この構成の動作原理を以下で述べる。
まず、図12(a)においては、レーザビーム10が偏光ビームスプリッター2に入射後、S偏光成分は反射され順ビーム11となり、P偏光成分は透過して遅延ビーム12となって遅延光路103に入射する。遅延ビーム12は、遅延光路103内に設置された1/2波長板20を通過しS偏光の遅延ビーム12aに変換され、ベンドミラー3cにより焦点距離fのレンズ41に導かれ、レンズ41と光路長が略2fの折返し光路ユニット5aを通過し、ベンドミラー3d、3eにより偏光ビームスプリッター2の側面に入射される。このとき遅延ビーム12aの偏光はS偏光である為、偏光ビームスプリッター2で反射されて再度遅延光路103に入射する。そして、再度1/2波長板20を通過して、今度は分岐された直後と同じP偏光の遅延ビーム12に変換される。そのまま遅延光路103を同じように通過して、偏光ビームスプリッター2の側面に入射した遅延ビーム12は、P偏光であるので偏光ビームスプリッター2を透過し、順ビーム11に合流し重畳される。すなわち、遅延光路103内に1/2波長板20を挿入することで遅延ビーム12は遅延光路を2回繰り返して通過することになる。なお、1/2波長板20の挿入位置は遅延光路中であればどこでも良い。
また遅延光路内のレンズ41は、遅延ビームが遅延光路を2回繰り返し通過することで、遅延光路の分岐点から合流点までの間が像転写接続されるような設計値になっている。遅延光路103の模式図を図12(b)に示す。図12(b)に示したように、レンズ41の焦点距離はf、折り返し光路ユニット5aの光路長は略2fなので、遅延光路1周分の光路長をLとした場合、L=2fの関係を満たすように設計されている。これにより、遅延光路を2回通過することによる分岐から合流までの全遅延光路長は2L(=4f)となり、またレンズ41を2回通過する間の光路長は2fとなるので、分岐点から合流点までの間を像転写接続する条件が満たされる。すなわち、実際のレンズは1枚であるが、見かけ上遅延光路上には2枚のレンズが配置されているのと同等の構成となるのである。
尚、レンズ41の位置は、図13では折り返し光路ユニット5aの手前としているが、折り返し光路ユニット5aの後に配置しても、像転写接続の条件は満たされる。
図12に示した構成は、倒立型の像転写構成の遅延光路であるが、次に正立型の像転写構成の遅延光路を説明する。
図13は、図12と同様に遅延光路を2回通過する場合の、正立型の像転写構成の遅延光路を備えた波長変換レーザ装置を示す図で、図13(a)は波長変換レーザ装置の構成図であり図13(b)は遅延光路の模式図である。図13(a)に示したように、構成は略図1と同じであり、1/2波長板20を遅延光路104内に配置した点が異なる。遅延光路104中に1/2波長板を配置することで、図12と同様に、遅延ビーム12は遅延光路を2回通過することになる。2枚のレンズ41,42の焦点距離をf、2つの折り返し光路ユニット5a,5bの光路長を約2f、遅延光路104の光路長をLとすると、遅延光路104の模式図は図13(b)のようになる。図13(b)に示したように、L=4fであり、2枚のレンズ41,42間の光路長は2fとなるので、全遅延光路長は2L=8fとなり、分岐点から合流点までの間を正立で像転写接続する条件が満たされる。すなわち、実際のレンズは2枚であるが、見かけ上遅延光路上には4枚のレンズが配置されているのと同等の構成となるのである。
尚、図14では、2枚のレンズ41、42を第1の折り返しユニット5aの前後に配置しているが、第2の折り返し光路ユニット5bの前後に配置しても、像転写接続の条件は満たされる。
図12または図13に示した構成により、遅延ビーム12は遅延光路104を2回繰り返して通過する為、倒立型像転写の場合は実施の形態1の図1と比べて、正立型の像転写の場合は実施の形態1の図6と比べて、折り返し光路ユニットの数や像転写用のレンズの数を半減することができ、コンパクトな構成で図1または図6と同等の長距離遅延光路を実現できる。
尚、本実施例における1/2波長板20は、偏光方向を90度回転させる手段であれば、ローテータや1/4板を2枚用いる等の他の手段であっても良く、本構成に限定するものではない。また、レンズ41の1枚で像転写光路を形成する構成について述べたが、遅延光路の始点と終点を像転写接続する構成であればレンズ2枚構成でも3枚構成でもよく、本実施例の構成に限定するものではない。また、実施の形態1で述べたように、上記像転写光路は、遅延光路の分岐点から合流点までの間を完全に像転写接続するものでなくてもよく、略像転写となる光路系であれば良い。
実施の形態3.
図14は、本発明にかかる波長変換レーザ装置の実施の形態3を示す図で、図14(a)は波長変換レーザ装置の構成図であり、図14(b)は遅延光路の模式図である。図1と同構成の部分には同番号を付している。本構成は、図1の構成と同じ原理に基づき、同様の効果を有するが、遅延光路内に2枚の1/4波長板と2枚の全反射ミラーを設置し、遅延ビームが遅延光路を往復して通過するようにした点が異なる。図1の構成に対し、よりコンパクトな構成で長距離の遅延光路を実現するのが目的という点で図6の構成と同じ効果を奏するものであるが、図6とは異なる光路構成で同様の効果を実現したものである。この点について以下で述べる。
図14(a)において、レーザビーム10のP偏光成分が偏光ビームスプリッター2を透過し、遅延光路105に導かれ遅延ビーム12となる。遅延ビーム12は第1の1/4波長板51を通過して円偏光に変換さる。円偏光に変換された遅延ビーム12bは、ベンドミラー3cにより光路長fの第1の折り返し光路ユニット7aに導かれ、第1の折り返し光路ユニット7aを通過した後、ベンドミラー3d,3eにより焦点距離fのレンズ42と、光路長fの第2の折返し光路ユニット7bを順番に通過する。第2の折り返し光路ユニット7bを通過した遅延ビーム12aは、第1の全反射ミラー61で反射される。反射された遅延ビーム12bは、逆に第2の折返し光路ユニット7b、レンズ42、第1の折り返し光路ユニット7bの順番に通過して、第1の1/4波長板51でS偏光の遅延ビーム12cに変換され、偏光ビームスプリッター2に帰還する。遅延ビーム12cはS偏光なので、偏光ビームスプリッター2で一旦順ビーム11と逆方向に反射され、第2の1/4波長板52を通過して円偏光に変換される。円偏光に変換された遅延ビーム12bは、第2の全反射ミラー62で逆方向に折返し反射され、再度第2の1/4波長板52を通過し、今度は元のP偏光に変換される。P偏光に戻された遅延ビーム12は、再度偏光ビームスプリッター2の側面に入射し、今度はP偏光である為そのまま透過し順ビーム11と合流して一本のビームに重畳される。
図14(a)の遅延光路105の模式図を図14(b)に示す。遅延ビーム12は、分岐点→第1の折り返しユニット7a→レンズ42→第2の折り返しユニット7b→第1の全反射ミラー61→第2の折り返しユニット7b→レンズ42→第1の折り返しユニット7a→合流点(分岐点)→第2の全反射ミラー62→合流点、の順番に通過する。図14(b)に示したように、折り返し光路ユニットの光路長を実施の形態1の図1の折り返し光路ユニット5の光路長の半分の約fとすることで、第1の全反射ミラーを介してレンズ42を2回通過する間の光路長は2fとなり、遅延光路105の全遅延光路長は4fとなる。レンズ42の焦点距離はfなので、分岐点から合流点までを倒立型像転写接続する設計条件が満たされる。すなわち、実際のレンズは1枚であるが、見かけ上遅延光路上には2枚のレンズが配置されているのと同等の構成となるのである。
図14に示した構成により、遅延ビーム12は遅延光路105を往復して通過する為、実施の形態1の図1と比べて、光路長が半分の折り返し光路ユニットを用いることができるとともに像転写用のレンズの数が半分の1枚でよく、コンパクトな構成または寸法で図1と同等の長距離遅延光路を実現できる。
図14に示した構成は、倒立型の像転写構成の遅延光路であるが、次に正立型の像転写構成の遅延光路を説明する。
図15は、図14と同様に遅延光路を往復する場合の、正立型の像転写構成の遅延光路を備えた波長変換レーザ装置を示す図で、図15(a)は波長変換レーザ装置の構成図であり図15(b)は遅延光路の模式図である。図15(a)に示したように、構成は略図14と同じであり、遅延光路106内の2つの折り返し光路ユニットの光路長が、実施の形態1と同様に約2fである点と、第1の1/4波長板51と第1の折り返し光路ユニット5aの間に、焦点距離fのレンズ41を挿入している点が異なる。遅延光路106中に2つの1/4波長板51,52と全反射ミラー61,62を配置することで、図14と同様に、遅延ビーム12は遅延光路を往復することになる。よって、遅延ビーム12は、分岐点→第1のレンズ41→第1の折り返しユニット5a→第2のレンズ42→第2の折り返しユニット5b→第1の全反射ミラー61→第2の折り返しユニット5b→第2のレンズ42→第1の折り返しユニット5a→第1のレンズ41→合流点(分岐点)→第2の全反射ミラー62→合流点、の順番に通過する。
また、図15(b)に示したように、折り返し光路ユニットの光路長を実施の形態1の図1の折り返し光路ユニット5の光路長と同じ約2fとすることで、2つのレンズ41,42間の光路長は2fとなり、遅延光路106の全遅延光路長は8fとなる。2枚のレンズ41、42の焦点距離はfなので、分岐点から合流点までを正立型像転写接続する設計条件が満たされる。すなわち、実際のレンズは2枚であるが、見かけ上遅延光路上には4枚のレンズが配置されているのと同等の構成となるのである。
図15に示した構成により、遅延ビーム12は遅延光路106を往復して通過する為、実施の形態1の図6と比べて、折り返し光路ユニットの数および像転写用のレンズの数を半分にすることができ、コンパクトな構成または寸法で図6と同等の長距離遅延光路を実現できる。
尚、上記実施の形態では1枚のレンズや2枚のレンズ構成での像転写接続構成について説明したが、それ以外の枚数のレンズを用いた構成や、全反射ミラー61を球面ミラーとしレンズと組合せて像転写光学系を形成する構成も考えられ、上記のような構成に限定するものではない。一例として、球面ミラーを用いた場合の遅延光路を、図16を用いて説明する。
図16は、図15と同様に遅延光路を往復する場合の、正立型の像転写構成の遅延光路を備えた波長変換レーザ装置を示す図で、図16(a)は波長変換レーザ装置の構成図であり図16(b)は遅延光路の模式図である。図16(a)に示したように、構成は略図15と同じであり、遅延光路106内の第1の全反射ミラーが曲率半径fの球面ミラー63に置き換わっている点と、第1の1/4波長板51と第1の折り返し光路ユニット5aの間にレンズ41を挿入していない点が異なる。遅延光路106中に2つの1/4波長板51、52と全反射ミラー62、球面ミラー63を配置することで、図15と同様に、遅延ビーム12は遅延光路を往復することになる。この場合、遅延ビーム12は、分岐点→第1の折り返しユニット5a→レンズ42→第2の折り返しユニット5b→球面ミラー63→第2の折り返しユニット5b→レンズ42→第1の折り返しユニット5a→合流点(分岐点)→全反射ミラー62→合流点、の順番に通過する。
また、図16(b)に示したように、折り返し光路ユニットの光路長を実施の形態1の図1の折り返し光路ユニット5の光路長と同じ約2fとすることで、レンズ42と球面ミラー間の光路長は2fとなり、遅延光路106の全遅延光路長は8fとなる。レンズ42の焦点距離および球面ミラーの曲率半径は共にfなので、図8(b)と同等の構成となり、分岐点から合流点までを正立型像転写接続する設計条件が満たされる。
なお、実施の形態1で述べたように、上記像転写光路は、遅延光路の分岐点から合流点までの間を完全に像転写接続するものでなくてもよく、略像転写となる光路系であれば良い。
実施の形態4.
図17は、本発明にかかる波長変換レーザ装置の実施の形態4の構成を示す図である。図1と同構成の部分には同番号を付している。本構成は、図1の構成と同じ原理に基づき、同様の効果を有するが、遅延光路を密封筐体で覆った構造となっている点が異なる。
図17において、2つの折返し光路ユニット5a,5bと2つの像転写用のレンズ41,42を備える遅延光路100は、全体が密閉筐体70に覆われている。遅延ビーム12は密閉筐体70に設けられた第1のウィンドー71から遅延ユニット内に進入し、第2のウィンドー72から出射して、偏光ビームスプリッター2を通り抜けて、順ビーム11と合流する。
ここで、2つの折返し光路ユニット5a,5bからなる遅延光路は全長で100m以上の光路長を持ち、例えば図1のような光路がむき出しの構成の場合は、光路中の空気の揺らぎによる収差変動の影響を強く受けてしまう。通常の数m程度の光路では、図18(a)の順ビームに示したように、収差変動の影響を受けることはまず無いが、100m規模の長距離光路の場合は、図18(a)の遅延ビームに示したようにパルスのばらつきが発生し無視できない影響が生じる。このような遅延光路100内での収差変動は像転写光学系でもキャンセルすることはできず、合流点でのビームのポインティングがゆらゆらと揺らぐ現象となって現れ、加工ビームのパルス安定性が低下してしまう。
光路中の収差変動の原因は温度差のついた空気の対流によるものであり、装置周辺の空調設備からの気流などで変動してしまう。従って、遅延光路部を密閉筐体で覆い、装置周辺からの気流の影響を受けなくすることが効果的である。図18(b)に密閉筐体を適用しない方式の場合と密閉筐体を適用した場合とで、遅延ビームのパルスばらつきを比較した。ここで、パルスのばらつきとして、図18(a)の遅延ビームで示したようにパルスの高さのばらつきΔPを指標として用いる。図18(b)において、一番左が(1)通常設計の遅延光路でかつ非密閉すなわち図1において像転写用のレンズ41,42が無い場合、中央が(2)実施の形態1の図1に相当する像転写接続で非密閉の場合、一番右が(3)像転写接続の遅延光路でかつ密閉筐体を適用したすなわち図17の構成の場合である。ケース(1)に比べ、ケース(2)のように像転写接続するだけでもパルスばらつきは半減するが、更にケース(3)のように密閉筐体を適用することで、パルスばらつきはケース(1)の1/4程度に低減される。その結果、レーザ加工の品質が安定するなどの効果が得られる。
尚、上記で説明した密閉筐体とは、外気の気流を遮断する構造となっていれば良く、ガス封入チャンバーや真空容器のような厳密なリークレート管理を要する容器である必要は無い。板金部材の張り合わせによるカバー構造でも十分である。また、図17では実施の形態1の図1に密閉筐体70を適用したが、その他の実施の形態に適用しても同様の効果が得られる。
この発明に係る波長変換レーザ装置は、高繰り返し周波数で高出力でのレーザ加工が要求される分野のレーザパルス合成手段として用いられるのに適している。
この発明の実施の形態1を示す波長変換レーザ装置の構成図である。 この発明の実施の形態1である波長変換レーザ装置によるパルスビームを示す図である。 像転写光路の構成を説明する模式図である。 この発明の実施の形態1である波長変換レーザ装置の倒立型像転写の遅延光路の模式図である。 この発明の実施の形態1を示す他の波長変換レーザ装置の構成図である。 この発明の実施の形態1を示す他の波長変換レーザ装置の構成図である。 この発明の実施の形態1である波長変換レーザ装置の正立型像転写の遅延光路の模式図である。 この発明の実施の形態1である他の波長変換レーザ装置の正立型像転写の遅延光路の構成図および模式図である。 この発明の実施の形態1の波長変換レーザ装置と従来技術を適用したものとで、光軸およびビーム径の変化を比較した図である。 この発明の実施の形態1の波長変換レーザ装置と従来技術を適用したものとで、光軸変化量の計算結果を比較したグラフである。 この発明の実施の形態1の波長変換レーザ装置と従来技術を適用したものとで、ビーム径変化量の計算結果を比較したグラフである。 この発明の実施の形態2を示す波長変換レーザ装置の構成図および倒立型像転写の遅延光路の模式図である。 この発明の実施の形態2を示す波長変換レーザ装置の構成図および正立型像転写の遅延光路の模式図である。 この発明の実施の形態3を示す波長変換レーザ装置の構成図および倒立型像転写の遅延光路の模式図である。 この発明の実施の形態3を示す波長変換レーザ装置の構成図および正立型像転写の遅延光路の模式図である。 この発明の実施の形態3を示す他の波長変換レーザ装置の構成図および正立型像転写の遅延光路の模式図である。 この発明の実施の形態4を示す波長変換レーザ装置の構成図である。 この発明の実施の形態4の波長変換レーザ装置とこの発明の実施の形態1のものと従来技術を適用したものとで、パルス安定性の実験結果を比較した図である。
符号の説明
1 波長変換レーザ発振器
2 偏光ビームスプリッター
5、7 折り返し光路ユニット
10 レーザビーム
11 順ビーム
12 遅延ビーム
20 1/2波長板
41 第1のレンズ
42、45 第2のレンズ
43 第3のレンズ
44 第4のレンズ
51 第1の1/4波長板
52 第2の1/4波長板
61 第1の全反射ミラー
62 第2の全反射ミラー
63 球面ミラー
70 密閉筐体
71 第1のウィンドー
72 第2のウィンドー
100,101,102,103,104 遅延光路
111 順ビームのビーム径
112 遅延ビームのビーム径

Claims (10)

  1. 高調波レーザビームを出力する波長変換レーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から出力された高調波レーザビームを複数のレーザビームに分岐するレーザビーム分岐手段と、
    前記分岐された複数のレーザビームを重畳させて合成するレーザビーム合成手段と、
    前記分岐された複数のレーザビームのうち少なくとも1つのレーザビームの光路長を他のレーザビームの光路長よりも長くする遅延光路手段と、
    前記遅延光路手段に配置され前記分岐手段のレーザビームの分岐点と前記合成手段のレーザビームの合流点との間を像転写接続する像転写手段とを、
    備えた波長変換レーザ装置。
  2. 前記像転写手段は、
    倒立型像転写を行うものである、
    請求項1に記載の波長変換レーザ装置。
  3. 前記像転写手段は、
    前記遅延光路手段による前記分岐点から前記合流点までのレーザビームの光路長を4fとした場合、前記遅延光路手段を通過するレーザビームの光路上に焦点距離fのレンズを2つ配置するとともに、その2つのレンズ間の光路長が2fとなるようにしたものである、
    請求項2に記載の波長変換レーザ装置。
  4. 前記像転写手段は、
    正立型像転写を行うものである、
    請求項1に記載の波長変換レーザ装置。
  5. 前記像転写手段は、
    前記遅延光路手段による前記分岐点から前記合流点までのレーザビームの光路長を8fとした場合、前記遅延光路手段を通過するレーザビームの光路上に焦点距離fのレンズを4つ配置するとともに、前記4つのレンズを前記分岐点側のレンズとそれに隣接するレンズ間の光路長を2f、前記合流点側のレンズとそれに隣接するレンズ間の光路長を2fとなるようにしたものである、
    請求項4に記載の波長変換レーザ装置。
  6. 前記像転写手段は、
    前記遅延光路手段による前記分岐点から前記合流点までのレーザビームの光路長を8fとした場合、前記遅延光路手段を通過するレーザビームの光路上に焦点距離fの2つのレンズおよび焦点距離f/2のレンズを、焦点距離fのレンズ、焦点距離f/2のレンズ、焦点距離fのレンズの順番に配置するとともに、前記焦点距離fのレンズと前記焦点距離f/2のレンズ間の光路長を2fとなるようにしたものである、
    請求項4に記載の波長変換レーザ装置。
  7. 前記遅延光路手段は、
    前記分岐されたレーザビームをミラーで反射させ前記合成手段へ導くことでこのレーザビームの光路長を延長するものであり、
    前記像転写手段は、
    前記遅延光路手段による前記分岐点から前記合流点までのレーザビームの光路長を8fとした場合、前記ミラーを曲率半径fの球面ミラーとし、この球面ミラーの入射および出射するレーザビームの光路上に焦点距離fのレンズを配置するとともに、前記レンズと前記球面ミラー間の光路長を2fとなるようにしたものである、
    請求項4に記載の波長変換レーザ装置。
  8. 前記遅延光路手段を覆いレーザビームの入射または出射用のウィンドーが設けられた密閉筐体を備えた、
    請求項1から7のいずれかに記載の波長変換レーザ装置。
  9. 前記波長変換レーザ発振器は、Nd:YAGレーザを基本波レーザとして高調波レーザビームを出力するものである、
    請求項1から8のいずれかに記載の波長変換レーザ装置。
  10. 前記遅延光路手段の光線行列(A,B,C,D)をメートル単位で表した場合、この光線行列のBの値が10以内である、
    請求項1から9のいずれかに記載の波長変換レーザ装置。
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